「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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0692

ブラームス 交響曲第1番
Brahms: Symphony No.1


0953

ワルター コロンビア交響楽団 1959年
Bruno Walter
Columbia Symphony Orchestra

ウルウル

録音状態は、時代に応じて、何度もリマスタリングされている盤だと思う。人情味溢れるというか、まろやかな演奏で、しんみりしちゃう。

1楽章
テンポはゆったりめ。でも、力強く線も太く、インテンポで進む。
弦も、ゆったり、ふくよかだが、ピチカートは静かに響いている。静謐さを感じさせる。
ティンパニーのロール(連打)は雄大。イチバンに感じたのは、かなり落ち着いた演奏だということ。
びくともしないのだが、素っ気ないという感じではなく、何事にも淡々と冷静に対処している〜という雰囲気がある。
金管も、59年の録音とは思えないほど、たっぷり響いて聞こえてくるし、弦も豊かな響きでまろやかさがある。う〜ん。バランスが良いんだと思う。弦の短いフレーズが続くのだが、ガシガシになっていない。
中間部のホルンと木管の掛け合いの、ぽわ〜っとした部分が、微笑ましい。
テンポを落として、ためをつくって〜次のフレーズに移動していたり、ふわ〜っとしたニュアンスがあったり。
弦が厳しい楽章が、ちょっぴり、まろやかに響いている。
深い木管の音色とか、ヴァイオリン以外の弦の音色が、たっぷり凝縮してて、特に、楽章最後などは、ほぉ〜っと感心するぐらいの和音の響きである。

2楽章
優しいけれど、どこか悲しくて、厳しいところもある。なんだか複雑な要素が入っている。
ひとことで言い表すのは、難しい。
木管のフレーズは、素っ気ないほど速いところがあるが、すわーっと風が吹いているような雰囲気があって、単なる牧歌的な雰囲気ではない。秋風が吹いているような、涼やかさがあり、物悲しい。
ジュリーニ盤のような愛情にあふれたカンタービレ調ではない。
ワルター盤では、ちょっと回顧調で、後ろを振り返る雰囲気を感じてしまう。
どみふぁそ〜みふぁ〜ど どみふぁそ〜みふぁどど〜 どみそどーしらそふぁみれど ふぁどらそ〜
このフレーズは、もの悲しさが勝っている。決して美音ではない。若々しい声で朗々とは歌っていない。
線が細いがビブラートがかかって、少しお年を召した枯れた口調で〜 昔は○○だったんだよな。
と、語られているような気がする。ワルター最晩年の録音だからだろうか・・・。
思わず、一歩さがり、頭をさげて拝聴させていただく。という気持ちになった。(笑)

3楽章
少し軽快な楽章なのだが、ここでも、う〜ん。拝聴させていただく。
フルートで奏でられる らーそふぁ〜みれどしら そ〜ふぁみれどしらそ ふぁどらどそ〜 ここが好きなんだが、軽快なのだ。クラリネットも、ららら〜 ららら〜 と歌っている。
でも、繰り返したあと、ちょっとテンポが速くなる。思わず、えっ? で、アンサンブルが、ちょこっと危なっかしいのだが・・・微笑ましい。小花たちが、草原で咲いているようなイメージ。

4楽章
低弦と共にティンパニーが立ち上がってくるが、激しくはない。物悲しいかなあ。
弦のピチカートは、当初はあまり聞こえないが、段々と響いてくる。ここは、迷いのような気がする。
ピチカートより、たら ららら〜 という弦のうめきのようなモノが印象的。たららららら・・・と弦がのぼりくだりしている様が、迷いなのかなあ。
ティンパニーのロールの後の、アルペンホルンが、ぶぼわ〜っと流れてくる。太いっ。
すーっとした吹き方でもないし、朗々でもないし、晴れやかさには欠けている。
それより、しみじみ〜という感じに近い。フルートも同じ。横笛的に聞こえてしまって。
(あれっ どこか アルプスじゃーないんだが・・・汗)
響きは、やっぱ今風ではないです〜っ。

そど〜しどらーそど れーみれみどれーれ このフレーズは、良いですよーっ。
ここは、今風でない方が、う〜ん 味がある。なんとも言えない良さっすね。
昔の思い出が去来してくるような。。。若い方には、イマイチだろうけど。なんともアナログ時代の良さを、ふかぶかーっと 感じます。味わい深いとしか、言葉が見つからないんですが。

演奏はスマートじゃないですけど、白黒の写真の良さってあるじゃーないですか。いまどき珍しいのかもしれないけど、濃淡だけでイメージを紡ぎ出す。そんな演奏に思えます。
ワルター盤も、音量があがってきて〜 迫力が必要なところは、う〜ん。重厚さには欠けています。
確かにモノ足らない。音もリマスターしているけど、やっぱ完全じゃーない。
でも、素朴なんですが、昔風の楽器そのものが鳴っているというか、手作り的な音って言うのか、機械的に完璧でなくって、人が奏でているという〜 その雰囲気って感じられて、いいなーって思いました。
特別な、祝典的な、歓喜の歌ではないんですね。ワルター盤は・・・。
身近なところの、ほんわかした、人肌の暖かさ。それが、すぐそばに感じられる喜び・・・。
そんなことを気づかせてくれました。ハイ、しんみり〜。

0147

バルビローリ ウィーン・フィル 1966年
John Barbiroll
Vienna Philharmonic Orchestra

まっ こんなモン

録音状態は、さすがに古びた感じがする。でも、まったり〜浪漫派的に、懐古調に浸りたいときには良いと思う。
人によっては冗長すぎるかもしれない。厳しいヴァント盤で、聴き疲れてしまったら、バルビローリさんで癒されたい。

1楽章
テンポはゆったりめ。力強く、ティンパニーの連打は、インテンポで進む。
さすがに録音は古びているが、音は悪くない。弦の高音域の響きが、少しヒスっているような気がするが、さほど気にならない。
弦のピチカートは落ち着いていて、穏やかだ。この年代のブラームスって、とても落ち着いて聴けるような気がする。ワルターだって暖かいし。バルビさんも暖かいし。人肌のぬくもりがある。
ウィーン・フィルの弦は、中音域のアルトのように、少し太めの甘い声として聞こえる。オーボエの響きは、透き通るように、淡い音色で響く。
「たらら〜 たらら〜 らーっ らーっ んたらら〜たたたっ たたたっ」 
弦のボーイングは、しっかり硬め。でも、ボーイング後の間合いが充分なので、響きの余韻が楽しめる。
和音の響きが充分に聴けるということが、この楽曲では嬉しい。この1楽章は、弦の短いフレーズが続くので、あまりセカセカ演奏されると、私的にはツライのだ。しかし、一般的には遅いと感じるかもしれない。
楽章最後の金管と弦、ティンパニー「んちゃちゃ んちゃちゃ・・・」と畳みかけるところも、テンポを揺らさず、どっしり、弦が鋭い。中音域に暖かみがあり、ほっとさせつつ、重厚感ある演奏だ。

2楽章
低弦からの響きが、フレーズに豊かさを与えており、大いに歌っている。 バルビローリ盤の白眉かなあ。
フルートの「どみふぁそ〜み ふぁどど〜どみふぁそ〜みふぁどど〜」は、儚げだ。奥ゆかしく、前面に出てきていない。「ふぁーどそ〜っ」と弦が溜息をつきながら呼応している。
オーボエもクラリネットも、優しい音色だ。ほっとさせてくれる響きだ。
で、弦は、ビブラートたっぷり〜っ。ホルンも、余韻と楽しみつつ聴くことができる。
ふふふ〜。これは絶品だねえ。
ホルンが「ふぁらしど〜 ら〜」と歌い始めると、ヴァイオリンが華麗な節回しで演奏する。
1音めを長く〜 あと短く・・・ この節回しは、時代がかってはいるが、レースが風に吹かれて巻き上がったような。髪の毛が、くりくりにカールされたような感覚だ。
う〜ん。時代錯誤だよなあ。と思いつつ、結構、これに、うっとりしてしまう。(笑)

3楽章〜4楽章
「たらら〜ら〜 たらら〜らら〜」と舞曲風のフレーズが柔らかい。
すこぶる美形ではないが、優しい挙措の女性という感じを与えている。
4楽章
威圧感を感じさせず、ふかぶか〜っと出てくる。迷いや悩みをあまり感じない。素朴さが勝っていると思う。そういう意味では、内省的ではないが、自然体の優しさを感じる。
アルペンホルンが、自然に始まっているという感じで、大仰なドラマチックさは無い。
「みー れど そー れーみど そーふぁれ〜 そーれーみーどー」
テンポは、このアルペンホルンから遅くなってくる。和音が美しい。
チェロの そ〜どしどらー
このチェロをはじめとした中音域の弦の音が、渋い音色で、なんとも〜っ。2声が揃っている。
テンポは、ゆったりしている。子守歌のように聞こえる。
再度のフレーズは、幾分強めにアクセントをつける。弦の上をはじいて、跳ねるリズムもつけている。
「どー しっど らーそっどっしっそ らっそっふぁっそっみっ・・・」
テンポは遅いが、幾分跳ねるようにしながらも、弦の和音の余韻を楽しみ演奏している。
この跳躍感が、なんとも言えない。
ただし・・・ 繰り返しがあったりして長いので、ちょっと冗長的かと感じるところもあるが、最後は、弦を大きく弾かせ、テンポアップして、大きく盛り上がって喜びの賛歌を歌う。
かなり浪漫派的演奏で、濃密である。だが、ひとりよがりでもなく強引でもなく、素朴に歌いあげていくところは好感が持てる。

0952

セル クリーヴランド管弦楽団 1967年
George Szell
Cleveland Orchestra

う〜ん。どうだろ

録音状態は、リマスタリングされているので良いのだが、出だしのティンパニーがメチャ速く、途中でテンポが変わってしまう。
アンサンブルは文句無しなのだが、なんだか、テンポ設定が変。

1楽章
冒頭のティンパニーが、軽くて、まあ〜なんと速いこと。速すぎっ〜 で、テンポが途中で変わっている。
1〜3音は超快速 そこからテンポが遅くなっている。えっ? 
思わず耳を疑ったが、明らかに変わっている。ティンパニー部分だけ何度か繰り返して聴いたが、これは誰が聴いても、間違いようがない。
で、このティンパニー3拍子数えて叩いている〜っ。
この冒頭のティンパニーで、これだけテンポが変わる盤なんぞ〜 初めてきいた。う〜ん。
どうしたのだろう。テンポを間違えたのだろうか。
で、音は、軽め。扉をたたいているという風ではあるが、薄めの木の扉のようで重々しさが感じられない。
全体的に演奏は、すっきり。いささか無味乾燥風に聞こえるが、楷書体でスマート。
良い意味で、現代的で、あまり余計な気持ちや迷いは、セル盤には感じられない。
クリーヴランド管は、室内楽的とも言えるアンサンブルのみごとさが命。難渋な1番の1楽章なのだが、各パートがよく聞こえており、混濁していない。
ティンパニーを伴っての主題は、きっぱり。いささかヴァイオリンの高音域が、うわずって聞こえるが、フレーズの語尾が、すっぱりして力強い。また、セル盤は、木管のすーっとした通る声が良い。
弦があわさるところは、アクセントがついているが、あちらこちらに〜アクセントが動く。
ンチャチャ ンチャチャ 心の揺れるや、迷いや不安さが感じられるものの、他の盤では、モコモコ ウツウツと聞こえていたのが、セル盤では、わりと淡々と聞こえてくる。

2楽章〜3楽章
この楽章では、透き通るような静謐さと清潔さがある。
楚々した少女が、草原で花を摘んでいるような。ほのぼのさがあり、愛の賛歌的には歌われていない。
まあ。どっぷり〜 自分の世界に没入するタイプではないので、自然にさらり〜と聴ける。
描写としては、第一人称ではない。
印象派の風景画のような雰囲気で、色彩は豊かではあるが、楚々と歌い、可憐である。
ちょっと昔風の映画を見ているような、硬さや格調があり、正統派っぽいんだが・・・ 
各声部が見通しよく聴けるので、単純なストーリーだが、懐かしくて嬉しい気持ちにさせてくれる。
3楽章は、テンポは速め。舞曲風のフレーズは、軽やかでスピーディ。涼やかに展開している。

4楽章
ティンパニーの連打は豪快だが、大仰な演奏ではなく、シンプル・イズ・ベストという雰囲気。
コントラバスのピチカートは、よく聞こえ、余韻がしっかり感じられる。テンポは機敏に変えている。
この機敏さは、う〜ん。唸るほど小気味よい。弦は、ホント小気味よく小股が切れ上がっている。
そど〜しどらーそど れーみれみどれーれ・・・ このフレーズも、淡々。もちっと歌ってよぉ〜と言いたくなるほど、テンポよく進む。全体的に速いので、ここだけ遅くするわけにもいかないが・・・
それだけに、熱が籠もってくるんだよね。テンポの良さと切れで、ヒートしてくるらしい。
でもさ。この楽曲って、急にテンポ落とさないと、イメージに合わない部分が出てくるわけで。
たーらら たーらら たーらら と畳みかけて、(ティンパニー ど〜〜) 弦が どーしら〜み〜
なんだか、最終コーダもそうなのだ。たら〜ら たら〜ら たら〜ら。
同じリズムを繰り返した後のテンポの処理が、拍子抜けしちゃいがち。 う〜ん。冒頭といい、テンポの処理に、ちょっと唸ってしまった。

0949

ケルテス ウィーン・フィル 1973年
Istvan Kertesz
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。クリアーにリマスターされている。
演奏は、驚くほどフレッシュで瑞々しい。ブラームスで元気になりたい人は、多分いないと思うが、これを聴くと元気になりそう。
ブラームスには珍しく、聴いた後に、爽快さが残る。

1楽章
冒頭のティンパニーの連打は、重々しいのだが、テンポは幾分速め。
驚くほど、爽やかな出だしでスムーズに進む。
ブラームスの1番冒頭で、爽やかだ。と書くと、うっそーっ シンジラレナイと思われるかもしれないが、ホントなのだ。どうして爽やかだと感じるのか?
ティンパニーは確かに重厚だ。残響を残して、他の盤より、テンポが少し速いというだけ。
しかし、このティンパニーをバックに奏でている弦が、さら〜っ するする〜っと上昇していく。
他の盤だと軋んだり、悲痛な感じだったり、ガシガシ言わせて昇っていくのだが、ケルテス盤は、実に、優美にエレガントに昇っていく。
低弦の響きは充分。コントラバスが唸っているが、うるさくはない。重くもなく動きも俊敏。
弦は、楷書体風だが、エッジはきつくない。ウィーン・フィルって、やっぱ弦に艶があるな〜という感想と、中音域のまろやかさに、改めて惚れ惚れ〜驚かされた。アルトの豊かな声なのだ。大人の色香だ。
ホルンと木管の呼応も、さらり〜っとしているが、情緒不足というわけではない。
金管も木管も、のびのび〜 成長盛りのような若さがある。活きが良いっ! 
へえ〜ブラ1って、無骨で、ゴリゴリ、ガシガシが一般的だと思っていたのだが、はあ。これほど、フレッシュだとは。
「たらら〜 たらら〜」「そふぁみっ そふぁみしー そふぁみどー そふぁみれー」
全部の弦が、まるで揺りかごのなかで、揺れているような、ソフトさ。
それでいて、軽やかな振り子のようで、これは心地よい。

2楽章
フルートの「どみふぁそ〜み ふぁどど〜どみふぁそ〜みふぁどど〜」は、少し線が細い。若い女性が悲しんでいるような風情だ。
オーボエやクラリネットも、幾分線が細めだが、洗練された感じで、さら〜っと吹いている。でも、優しさにあふれ、新鮮で瑞々しさを感じる。へえ。こんなに瑞々しかったっけ。
弦はビブラートたっぷりめの演奏もあるけど、このケルテス盤って、まったり度は少ない。
こねくりまわさず、すーっと、自然体で、媚びも売らず、癖のある節回しもなく。
それでいて、歌えっているんだよねえ。
ホルンが「ふぁらしど〜 ら〜」と歌い始めると、ヴァイオリンが、とても華麗な高音で、軽やかにのっかっている。
まるで、重量感の少ないシルクの布が、ふわーっと浮きあがって、光を受けているように煌めいている。
このヴァイオリンには参った。透明度が高く、最後の一音の響きが、「ら〜っーーー」 言葉にならん。

3楽章〜4楽章
「たらら〜ら〜 たらら〜らら〜」と舞曲風のフレーズが柔らかい。うわ〜 なんて柔らかいんだろう。
ちょっと力を抜いて、わざと、てれ〜っと演奏しているのかと思うほどなのだが、これが、いいんだろうねえ。
ちょっと気だるさがあったりするんだが。楽章にあっているような感じがする。
フルートの響きと、それを受ける弦の柔らかさは、絶品だ。
素朴でもないし、天上的でもないし。なんて言えばよいのやら。
草原の春風とでも言おうかなあ。「らーそふぁ〜みれどしら そ〜ふぁみれどしらそ ふぁどらどそ〜」
なんとも、フレーズの受け渡しのスムーズなこと。
弦のリズムとアクセントと、ソフトなボーイングかなあ。
弦のうえに、木管がのって「ららら〜」・・・ この木管が鳴ると、まるで羽根が生えて、浮き上がってくるような感じがする。そう。羽毛に近い。ちょっとした風で、ふわっと飛んでしまう羽毛だっ。
(って言っても、どこに飛んでいくやらワカランという風情ジャーない)

4楽章
低弦が、「ど〜し〜ら〜 ふぁっ」と、湧き起こってくる。それを形にしたティンパニーが厳かに鳴る。
一呼吸置いて、いったん静まったあと、弦のピチカートがあるが、深刻にならず、悲壮感も少ない。
しかし、よく響いている。リズミカルに展開していき、ふわーっと風が舞いおこる。
弦が、きらめきを漂わせながら深々と下にくだっていく。
ティンパニーが、迷いに踏ん切りがついたように鳴る。
すかさず、ホルンが明瞭に鳴り出す。若いっ。幾分明るめで軽やかだ。
「みー れど そー れーみど そーーふぁれ〜 そーーれーみーどー」
このフルートのフレーズも、新鮮で、朝露がしたたり落ちているなかを、朝日が昇ってきた雰囲気を醸し出している。なにを置いても瑞々しいっ。
ケルテス盤の、この4楽章は、朝の雰囲気だ。夜明け時に、少し雨が降っていたのだろうか。
そこから、朝日が昇ってきたのだろう。朝の爽やかな、澄み切った空気を感じる。
チェロを主体としたフレーズ 「そど〜しどら〜そど れ〜みれみどれ〜れ そど〜しどら〜そど れ〜みふぁみどれ〜ど」
あーっ 目覚めの爽快さのようで、少し気怠いものの、さーっ頑張るぞっ。と言わんばかり。
将来のある、希望に満ちあふれた生活の、朝のヒトコマのような幸福感が、漂っている。
ひぇ〜っ ケルテス盤って凄い。この楽章の最初から、幸福感が漂っているのだから。
他の盤だと、アルペンホルンが吹かれて、一気に変わるのだが、そのような劇的なシーンは無いし。
無理矢理、最終コーダで、とってつけたような盛り上がりをする盤もあるのだが。
いや〜 この盤は、穏やかで瑞々しい。
木管の音色の瑞々しさは、筆舌的っ。する〜っと、なにげに流れている音なのだが、音色が良いだけでなく、のびやかさ〜 語尾のすっきりさ。テンポの軽やかさ、ゴリゴリ感のなさ。音の重さの頃合いさかなあ。
ところどころ、エッジの強めのところはあるのだが、それが光のように感じるのだから。凄いっ。
細切れになったフレーズが続くので、苦痛に聞こえる盤もあるのに、「たらららら〜っ」というフレーズが、何度か続いても、畳みかけてこられる圧迫感がない。すい〜っ。と軽やかなのだ。
やっぱ、アクセントは木管だが、この瑞々しさの主人公は、弦だなあ。
脇役になっているのが、金管の適度なアクセントをつけた響きだと思う。

歓喜の歌とも言われているフレーズは、軽やかに爽やかに歌いあげる。
最後だけ、他の盤と比べると、なんと軽量級なんだろう。と呆れるほど。でも、この楽章を通して聞いてきたら、う〜ん。爽快っ。という感想になると思う。これは、絶品でしょう。

0145

ザンデルリンク シュターツカペレ・ドレスデン 1972年
Kurt Sanderling
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

こまちゃったなぁ

録音状態は、さすがにちょっと古めかしい感じがする。
演奏も、丸みを帯びている。へえ〜 こんなに、とろとろ、まろやかだっけ。渋みまで抜けちゃった感じがするんだけど。
LP盤が懐かしい。

1楽章
テンポはゆったりめ。冒頭のティンパニーは、ドンドンドン・・・ 
弦も、どーしーしどれみーふぁーみー と、わりと田舎臭く、ほんわか響いて出てくる。
かなり柔らかい響きで、まったりしている。
このブラームスの1番1楽章は、難しい楽章で、短いフレーズが重なっているというか、絡んでいるのだが、ザンデルリンク盤では、柔らかく、ゆったり刻んでいくので、わりと聞きやすい。
取っつきにくいフレーズばかり並んでいるのだが、区切りはしっかりつけながらも、響きが柔らかい。
弦は、わりと楷書体で弾かれている。1音1音に、隙間が見えるほど確かめて弾いているよう。
エッジが鋭くなく、音の2/3ぐらいが頂点で、最後は弱く消える。余韻が聞き取れるほど。
金管も演奏されているのだが、ちょっと抑え気味。穏やかなぐらいで、う〜ん、これで良いんだろうか。
と、ちょっと心配しちゃうほどおとなしい。まろやかすぎるかも。

2楽章
さらさら ふわふわ流れていく。室内楽的に聞こえるが、低弦の響きが、全体をまろやかに包んでいる。
オーボエの主題フレーズも美しいが、クラリネットも、つや消ししたような渋い響きだ。
ザンデルリンク盤は、テンポがゆったりして弦に膨らみがある。
どみふぁそーみふぁーど どみふぁそーみふぁどど〜 このフレーズは、優しくて美音。
線は細いのだが、ソフトで儚げ。繊細に夢を見ているかのように溶け合っている。
音が柔らかいのが特徴かな。

3楽章
前楽章とよく似た雰囲気で、この楽章も続く。
テンポは総じてゆったり〜 ここでは、弦よりも、木管のフレーズが浮かんでくる。
弦が裏方に徹しているようなバランスだ。

4楽章
ホルンが、天国的に吹かれる。
み〜れどそ〜〜 れ〜みど〜 そ〜ふぁれ〜 そ〜れみど〜
確かに柔らかく響いており、雰囲気としては良いのだが、総じてメリハリが少ないため、このフレーズだけが浮かんでくるということがない。誠にモッタイナイのだが、めだたないのだ。
そど〜しどら〜そど れ〜みれみどれ〜れ そど〜しどら〜そど れ〜みふぁみどれ〜ど
この弦部のフレーズも同じ。
う〜ん。。。。迫力は、やっぱり不足しているのか。レガート気味に流れていくことと、厳しさが足らない。
ホント柔らかすぎて、もったいない。
最後は、テンポをあげてくる熱烈に演奏しているが、やや全体的に、さらさら〜流れてしまっている。

う〜ん。劇的と振って欲しいとまでは言わないが、厳しいところと甘いところと分けた方が、より一層、甘く感じただろうに。かなり残念に思う。
硬くて、刺激的な演奏ではないので、衝撃が少ない。
角がとれて丸みを帯びた演奏だから、ブラームスが苦手な方は聞きやすいと思う。

0508

マゼール クリーヴランド管弦楽団 1975年
Lorin Maazel
Cleveland Orchestra

あちゃ〜

録音状態は悪くないが、ちょっと擦れている。低音はよく入っており、ゴリゴリ鳴っている。やっぱり、マゼールは奇才なのだろうか。
演奏が人と違ってて変わってる。最初に聴くには、ちょっとなあ〜
なんだかベツモノって感じ。
カップリング:ブラームス交響曲全集、大学祝典序曲、ハイドンの主題による変奏曲、悲劇的序曲 ← スクリベンダム復刻盤(原盤はDECCA)

1楽章
テンポは、かなり遅い。ドシン、ドシン、ドシン・・・と、ティンパニーが叩かれている。
続く弦のピチカートもテンポが遅く、し〜んとしたなかに、重々しく、ひんやりした空気感が漂う。
悲壮感が漂っている。まるで葬列の歩みのごとく。う〜ん。これほど冷たくて、クールさの漂うブラームスってめずらしいような気がする。で、低弦が推進力となり、幾分、テンポをあげてティンパニーの連打に繋がる。弦がひんやりして おり、ゆったりした歩みのなかで段々と音量をあげ、ティンパニーが一撃を叩く。
ティンパニーの一発は、さほど怖くもないのだが、全体的に、ひんやりした空気感が、異様な雰囲気を放っている。
弦の余韻が残るうちに、オーボエが悲しげにフレーズを吹く。フルートがそれを引き継ぎ、次の弦へと受け渡される。また、ティンパニーがひと叩き。その後は、普通のテンポに戻る。
マゼール盤の場合、ここまでが序奏として解釈されているのかなあ。

低弦の響きがすごく、ティンパニーの響きと一体となって、特に、コントラバスの響きが、どっしりしている。
ごりごり〜 ごりごり〜 と、ヴァイオリンがフレーズを弾いているなかでも、響き渡っている。
弦の弾き方は、歯切れが良いというよりは、んたら〜んたら〜 と、まったり気味。
わりと音はながめで、音を、長めに持っているという感じがする。
金管の短いパパパパ・・・ 木管のんたら〜 弦のんたら〜んたら〜 この三位一体の構図が面白い。
とても、粘っこいんだけどね。

弦は、がっしりしているが、粘っこくって、う〜ん。なんとも不思議な感覚である。
またテンポを途中で落としてみたり、う〜ん。複雑な構成が、余計にややこしい。
ただ、音の見通しは良く、音はスマートに聞こえる。ワタシ的には歌うブラームスが好きな傾向にあるので、ひんやりしていた空気が、同じリズムを繰り返しているうちに、じわ〜っと、熱っぽくなってきている のは面白いものの、どっか不思議な感覚で・・・ う〜ん。
唸っている間も、どんどんフレーズが続き、擦れた声の弦と、ぶっとい木管の合いの手が入って、どみ〜そど〜っ。と厳かな和音で終わる。

2楽章
牧歌的なフレーズが冒頭に流れる。ここは情感たっぷり。気味が悪いほど、とろり〜としている。
1楽章のクールさが嘘みたいで、まるで別人。
どみふぁそ〜み ふぁ〜ど〜 どみふぁそ〜み ふぁどど〜 
フルートは、ビブラートがさほどかからずストレート気味。オーボエの音も、すーっと高いところを通っていく。むしろ、弦のタメがすごい。チェロの甘い音が、ーちゃちゃーちゃっちゃ。とリズムを刻む。
低弦が、凄い音量で唸る。
他の盤だと、淡い幻想的な雰囲気なのだが、マゼール盤は、こりゃ〜情念だよなあ。
弦のものすごい太い音が、耳に入ってきて、恨み節的にも聞こえてくる。
れれれ〜 愛を囁いているという雰囲気じゃない。こんな人を相手にすると怖いなあ。凄みがある。
ヴァイオリンが他の楽器をバックに・・・
どみふぁそーみふぁーど どみふぁそーみふぁどど 
更に、ホルンとヴァイオリンのソロの絡みがあるのだが、トロケルような雰囲気をしつつも、やっぱ硬い。
また、ヴァイオリンのソロも、冷たく硬すぎっ。
ひゃ〜っ 美しいとは思うのだが、聴き手は、やっぱ心の底から柔らかく、開放的にはなれない。
流しめでアイコンタクトされたって、身を固くしていないと誘惑されそう。
妖艶さと凄みがある。とても牧歌的とは、、、、言えないよなあ。

3楽章
たらら〜ら〜 たらら〜らら〜と舞曲風のフレーズが次々と出てくるのだが、マゼール盤では、歌うというより、気短に、せっかちに流れていく。フワフワ感どころか、忙しくて目がまわる。
弾力性がないため、フレーズに踊ることを強いられいるような気がして、聴いていて疲れる。ちょっと、引いてしまうのだが、思いの外、カッチリとした演奏だ。

4楽章
1楽章の雰囲気に戻って、再度、冷たい空気が流れてくる。
弦のピチカートが、大雨の前の雨粒のように聞こえる。嵐の前の静けさのような怖さがあり、コントラバスの響きが、駆け回り〜 弦の たらららら〜と煽る旋律で、背筋が、すーっと冷たくなる。
ティンパニーは、さほど強打していないが、ここで場面が、がらり〜と変わる。

ホルンは、ふわーっと吹かれており、やや弱音気味だが、いきなり別世界に飛んでいくような気分にさせられる。フルートの透き通るような音色も、どこか遠いところにいくような気配で・・・。
う〜ん。録音会場は、天上が高いのだろうか。
う〜ん。上から聞こえてくるような気がするほど、よく抜けている。
それにしても、このホルン、いいねえ。ドレスデンのような、まろやかさがある。
え〜 クリーヴランド管だったよねえ。

み〜れどそ〜 れ〜みど〜 そ〜ふぁれ〜 そ〜れみど〜
うわ〜 これは絶品。これはいい。マゼールが、またまた、別人のように変化している。わ〜 こんなまろやかに展開するとは、夢にも思わなかった。この意外さに拍手っ。
でも・・・ 「そど〜しどら〜そど れ〜みれみどれ〜れ そど〜しどら〜そど れ〜みふぁみどれ〜ど」
という、この特徴のある歌謡フレーズが、速いんだなあ。これがっ。
う〜ん。なんでー どーして、こんなに速く演奏するんだろ。うぎゃー!(髪の毛を掻きむしりたくなる)

それにしても、響きが、こんなにまろやかになるのは、ホント驚き。クリーミーに溶けている。で、この楽章では、テンポがかなり変わる。速いと思っていたら、急に落ちるし・・・
最後のコーダで、この速さでは突入できないと急に落としたのかもしれない。 2度目の「そど〜しどら〜そど れ〜みれみどれ〜れ そど〜しどら〜そど れ〜みふぁみどれ〜ど」
ここは音量を増やしているようだ。クリーミーに変化したとは言え、弦のゴリゴリ感は、まだ相当ある。
コントラバスが、後ろで、ボンボン鳴り続けている。(耳も、慣れてきている)
最終コーダに向かうところ。弦のアンサンブルはみごと。勢いよく流れて、まるで急流下りでもしているかのようだ。猛烈に流れるところ、まったり流すところ、はたまた、滝壺に落ちたようなところがあったり、劇的な効果抜群で、大変忙しい。最後のファンファーレは、トロンボーンかな。
ここは、まったり、ゆったり〜和音を聞かせてくれる。綺麗なのは、ホント綺麗なのだが・・・。
まあ。結果オーライかなあ〜 オチがついているような気分で、良かったなっ。と思う。

たっぷり時間をかけて昇華させてくれるジュリーニ盤とは、正反対のアプローチで、聞き終わった後は、相当に疲れている。しかし、このブラームスは、ヘトヘトではあるが、 ある意味、まっとうかもしれない。
なんたって、ブラームスなんだから。と思いつつ。多分、この曲の最後の最後で、歓喜でもって、マゼールから開放されるからだろう。(と思う。) 
楽曲のおかげだと思う。きっと・・・。ほっ。(笑) 
ワタシ的には、かなり変わり種の演奏である。やっぱ、マゼールさん。やらかしてくれた〜って感じ。

0507

ジュリーニ ロサンジェルス・フィル 1981年
Carlo Maria Giulini
Los Angeles Philharmonic Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。1961年のフィルハーモニア管弦楽団、91年のウィーン・フィルとの録音や、他にライブ盤もある。
朗々と歌うタイプが好きな人には、たまらない一枚。
こりゃ絶品です。
 

1楽章
テンポがこれが、また〜メトロノームの刻みのような正確さで叩かれている。
速くもなく遅くもなく、雄大そのもの。最後の1音だけが、ちょっとタメがあって丁寧に叩かれているだけで、あと同じテンポだと思う。
弦は、このティンパニーをバックにして、軋みながら上昇していく。
淡々としているようで、無味乾燥ではないし、最後トリルのタメだけで、また、すっと同じテンポに戻る。
ティンパニーの音が、強烈に主張する盤ではなく、ホント顔の表情ひとつ変えず、テンポを刻む。
ロール打ちのところから、木管が悲しげに吹かれる。
弦は、かなり楷書体で、きっちり丁寧で、これがロスフィルだとは、思えない。
刻みも、激しくはないがエッジが鋭い。ティンパニーの音の出し入れ(強弱)は、微妙にコントロールされており、うるさくない。
余分な、無駄のない、そぎ落としたような演奏に聞こえる。
どふぁふぁ〜そどど〜 木管とホルンの呼応は、まるで囁きに聞こえる。
金管がわずかに強く吹かれているが、これもアクセント程度で丁寧に吹かれ、テンポ絶対で、メトロノームの振りは変わらず。
う〜ん。これほど正確にしないとダメかなあ。こんなにカチカチにしなくても〜 と思うのだが・・・。
でも、これが快感なのだ。
何度も聴いているので、これが刷り込まれているのかもしれないが。絶対って感じの1本筋が通っていて、揺るがないところが気持ち良い。
弦の音色は、少し明るめなのだが明るすぎず。暖めだし。ヴァント盤のようにガチガチに冷たくないんで〜 ワタシ的には好ましい。テンポは総じて遅め。いや、だいぶ遅いと思う。
トータル53:01。50分を超える盤って、そんなにないと思う。でも遅いって、あまり感じないのだ。
ちなみに、ウィーン・フィル盤は、トータル51:42 (でも、VPO盤は2楽章と3楽章が遅い)
ティンパニーの音が推進役になって締まる。弦や木管が奏でる短いフレーズの集まりを、一手に集約して、ティンパニーが絡め取っているように感じる。
それにしても、ホント、歌うところは歌っているが、淡々と仕事してます。という雰囲気に満ちている。
スウィトナー盤などで、硬い、よくワカラン。と唸っていたフレーズが、すんなり聴けるのが不思議。

2楽章
う〜ん。これはスゴイ。絶品! 最初の弦のフレーズだけで、これは、やられたと観念した。
ジュリーニ盤は、深々と、まったり、たっぷり〜 聴かせてくれる。この弦の和音の美しいこと。
また、すこぶる丁寧だ。
思いがつのって、たまりかねたように、オーボエの「どみふぁ〜 ふぁーどど〜」が流れてくる。
フレーズが豊かにのびているため、息継ぎしているのか心配になるほど、音が伸びて切れめがない。
弦が、溜息をつくように呼応する。 あ〜っ これはたまらん。すごっ。やられたっ!
特に、ヴァイオリンの響きと共に、ヴィオラとチェロとの和音、これが女性の歌のように響く。そして、またオーボエとクラリネットのセッションがあるが、ヴァイオリンのソロなんぞ、悶えてしまいますねえ。ブラームスって、こんな凄い美しいフレーズを作ってくれてたんだ。と驚いてしまった。感動!

3楽章
テンポは最初は遅めだが、フルートが出てくるところから、少しテンポアップしている。
ふわふわ雲が流れていくようで、らーそふぁ〜みれどしら そ〜ふぁみれどしらそ ふぁどらどそ〜
クラリネットと弦が、ころころ〜転がっていく。
この2楽章・3楽章は、これは美しい。他の盤なんぞ、聴けないっ。
他の盤では、ぜったいに聴けないって言い切っても良いほど。これは絶品だ。

4楽章
低弦が、静謐さのなかから、ふかぶか〜っと出てくるが、それを遮るようにティンパニーが鳴る。
弦のピチカートは、加速して最後は速いっ。ティンパニーが要所を締める。
う〜ん。このティンパニーは、心理的な葛藤を、迷いなく斬るような役割かな。
すごく緊張感が漂っている。弦のフレーズも、強弱が自然に、歌うようについていて。歌が底辺に流れているのが判る。ホルンの低弦の響きのなかから、アルペンフレーズが、ふわーっと自然に出てくる。
ジュリーニ盤では、とってつけたようなフレーズが生まれているわけではない。
あ〜 フルートのこぶし回し。みー れど そー れーみど そーーふぁれ〜 そーーれーみーどー
弱音のホルンの美しいこと。なんて言えばいいんだろう。言葉が見つからん。
金管が、段々と力強く、また弱くなってしまったり。
弦が生まれる。誕生シーンという感じ。傲慢さがない。すごく謙虚で敬虔さがあって、泣ける。
これは泣ける。愛がたっぷり詰まっている。その愛情に強引さはない。
ティンパニーが、そろっと叩かれる場面から、すでに歓喜の歌という感じで、喜びに満ちあふれて、
いや〜 あのアルペンホルンからかなあ。あ〜ブラームスが一度に好きになった。
最後のコーダは、金管が、ちょっと薄口なんだけど、堂々として終わる。

ガシガシ、ギシギシと鳴るのが、ブラームスだと思いこんでいた。こんなに優しくて、柔らかい、弾力性のある演奏で聴くと、お〜っ。違うっ!1楽章は、短いフレーズの集まりで、硬いと思っていた楽章が、ふわふわ〜 波打ってくる。
で、短いフレーズの受け渡しによって、凹凸が出て、艶やかに輝くモノなんですねえ。
ヴァント盤の演奏とは、おおよそ、同じ楽曲とは思えないです。力を込めてバンバンと一様に弾くだけが、強さを表さないんですねえ。ふわっと弾力性があるモノでも、腰の強さを感じさせることもあるわけで・・・
ジュリーニ盤は、上質で、しなやかで、気品があって。
表面的には柔らかなんですが、しなやかに意思力があって。う〜ん。絶品 !

0142

バーンスタイン ウィーン・フィル 1981年
Leonard Bernstein
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

アホくせぇ

録音状態はお世辞にも。ライブ盤 
最後は熱いが、最後まで間が持たない。う〜ん。。。
バーンスタインさんの強烈なファンではないので、ワタシ的には、ゴメンナサイ、さよぉ〜なら。です。すみません。
 

1楽章
冒頭のテンポは速め。ボンボンボン・・・と叩いている。
どどど・・・(れーどーれーみーふぁそらーらー)どどど・・・
弦の半音で上昇する旋律と、弦の下降する旋律と交差しているのは、よくわかるが。ぱっと聴くと、低弦はあまり響いておらず、ヴァイオリンが勝っているような気がする。
弦に艶があり、木管の音色も甘い。
これは、有無を言わさず勝負あった。という世界で、音色の綺麗さは、ダントツ。
華麗で艶やかな弦、木管の透き通った音、柔らかく、ふわ〜っとした金管 う〜ん。すごいね。
で、バーンスタイン盤は、弦のフレーズの弾き方が特徴的。
他の盤だとガシガシに弾かれる。
メチャ短いブラームスのフレーズが、まるで競争しているというか、荒っぽい盤だと喧嘩しているように聞こえるほどで、なんしか、細かいパーツが、パッチワークのように繋がっていく。
でも、バーンスタイン盤は、そみ〜 そみ〜 そみ〜 3音続く ら〜しど ら〜しどれ〜
弦のフレーズが、すごく長くのばされており、息の長い、ホント 長〜く長〜く 息継ぎをしながら、連綿と続いていく。
まるで、スカートが地面に着いて、ずるずる引きずって歩いている感じなのだ。
弦のエッジは、結構強い。アクセントも強い。
普通だったら長めだとしても 「たぁ〜らら」 これが、「たぁぁ〜ららぁ」気味に鳴る。
なんとも、まったりコクがあるというか、う〜ん。困ったな。
1楽章だけで、17:34  はあ? (まあ。ジュリーニのロス・フィル盤よりは短いけど・・・)
なんしか、弦の引きずった華麗なる響きには、綺麗だとは思ったのだが、これ ブラームスかよぉ〜?

2楽章
カンタービレ調で、思い入れの強い歌が続く。
でも。。。申し訳ないんだが、ジュリーニさんの歌の方が好きなんだよね。
う〜ん。粘っこいんだよなあ。シツコイんだよ。歌い方が・・・ 思わせぶりで、なよなよとシナを作った、媚びた歌い方で、う〜ん。本当は、ヴァイオリンのソロまで、間が持たなかった。
で、このヴァイオリンのソロぐらいは聴こうとしたのだが、これまた、まったりで〜
ためにためて、子音+母音+小さな母音の2乗分という数式で表される。
どっかいけよ〜っ。と言いたくなるような、ベタベタした女が隣にいるようで、不快なのだ。
(↑ ハッキリ言っちゃった・・・)
ダメ、ワタシ的には、間が持たないです。スミマセン。

3楽章
ブンチャチャ ブンチャチャ・・・ これは、ちょこっとテンポがあがりまして軽快には聞こえる。
でもなあ。やっぱ、まったりコクがあるんです。濃厚で、厚化粧すぎるんですが、
でも、テンポが速い分、美しく響いているし、ウィーン・フィルだから、我慢しましょ。ってところだろうか。

4楽章
まるで、R・シュトラウスのアルプス交響曲のように聞こえる。
弦のピチカートなんぞ、「嵐の前の静けさ」 ぽつりぽつり〜と雨が降ってきたようだし、駆け足で転がるように「下山」を急ぐ雰囲気だし、さすがにウィンドマシーンは登場しないが、ティンパニーは雷鳴そのもの。
ここでは、一気に晴天となり、アルペンホルンが吹かれている。
ホルンもフルートも、フレーズは、やっぱ相当に長い。聴いているこっちも、息継ぎが辛くなってくる。
弦も〜 まったりです。うんざりするほど長い。
なんで、こんな遅いテンポでするのかな〜と思う。フレーズの途中から、段々とテンポをあげて、最後は燃焼するが、これが、自然感覚じゃーないので、違和感が残る。

最後のコーダは、相当、熱いし情熱的。確かに、綺麗だし情熱も感じる。
でも、かなりヒトリヨガリです。ワタシ的には、演出臭くて鼻につく。クサイって言うんだろうか。
アンタの美意識は、ワタシとは合わない・・・という感じがする。ブラームスの1番って、こんな感じに盛り上げないといけないのだろうか。
申し訳けないが、こういう演奏は、綺麗であったとしても、ハッキリ言って嫌い だなあ。カラヤン盤のテカテカしたノリと比べると、どうも。ドングリの背比べではないが、どうも好きになれない。

0951

スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 1986年
Otmar Suitner
Sächsische Staatskapelle Berlin
(Staatskapelle Berlin

ばっちグー!

録音状態はまずまず。コントラバスの低音もしっかり入っており、木管もまろやかで、クリーミーに聞こえる。但し演奏は、メリハリがあり、特にティンパニーが強烈だ。ほほ〜っ すげっ。
ブラームス、ドボルザーク交響曲全集8枚組BOXより

1楽章
ティンパニーとコントラバス等で、ど〜 ダンダンダンダン・・・と出てくる冒頭が、速いっ。
先程までザンデルリンク盤を聴いていたのだが、う〜ん。最後のフレーズではテンポを落とすが、う〜ん。
快速である。で、ティンパニーは音量抑えめなのだが、硬め。
ヴァイオリンとチェロの弦が、半音階的にあがってくのだが、そこも力強い。
半音の不安定なフレーズと雷鳴のようなティンパニーの響きで、相当暗いのだが、テンポが速めで切れ味がある。で、弦が分厚い。
ブラームスを聞き比べるのは、至難の業で、こんな複雑なフレーズが絡んでいる楽曲は、難しい。
半音ばっかり続くので口ずさめないし、木管などが聞こえるのは、ほんのわずか。
ティンパニーが軽く叩かれた後、また、弦がガシガシ弾かれる。怒ってるん?と思うほど、怒りに満ちた雰囲気で、近寄りがたい。また、スウィトナー盤も辛口なのだ。

落ち着いたフレーズになったところで、木管がまろやかに〜 ぽわわ〜 ぽわわ〜 
ホルンが、そどど〜そどど〜 このあたりが、中間の無風状態なのだが、 また弦が、短いフレーズを たーら たーら んちゃ〜ら〜ちゃっちゃちゃ・・・と刻んでいく。
歌謡風のフレーズなど皆無。あー 硬い・怖い・不気味・愛想のないこと。このうえない。

どふぁふぁ〜 そどど〜 そふぁみ そふぁみ〜 そみっ そみっ ん たら〜たら〜たら〜 
それぞれフレーズが呼応しているのだが、なんだか、これでは、ワケがわかんなくなる。
バラバラのパーツが、それぞれ組み合わさって楽曲になっているのだが、ジグソーパズルのようで。
ブラームスって、こんな幾何学模様の楽曲を作っていたんだっけ?
久しぶりに聴いて絶句してしまった。紋切り調の歯切れのよいフレーズが、次々とやって来るだけで、う〜ん。ダメ。疲れた。
落ち着いたフレーズになったところで、木管がまろやかに〜 ぽわわ〜 ぽわわ〜 
えっ また繰り返しかい。もういいよぉ〜。
最後、ティンパニーが鳴り響き れしっ れしっ れしっ! 弦とティンパニーの掛け合いが始まる。
もう充分過ぎるほど短いパーツを聴いて、ギブアップしたところで、ようやく終わる。ほっ。

2楽章
牧歌的な楽章で、ようやく、ほっ。オーボエかな。美しいフレーズの序章が始まる。
どみふぁそーみふぁーど どみふぁそーみふぁどど〜 透き通るような声でパンの笛のように吹かれ、前楽章とは違って、幻想的でさえある。
ようやく、このあたりで、シュターツカペレ・ベルリンのヴァイオリンの音色が渋いっ。
そして、まろやかなクラリネットの美しさに気づく。あ〜いいやん。この楽章。
で、ボリュームをあげてきくと、コントラバスの低弦の響きのスゴイこと。この分厚さ。
弦楽セレナーデのように聞こえるのだが、この楽章も暗い。寂しい。
ヴァイオリンが他の楽器をバックに・・・
どみふぁそーみふぁーど どみふぁそーみふぁどど どみそどーしらそふぁみれど どふぁどどら ふぁーどらそ
更に、ホルンとヴァイオリンのソロの絡みがあって。う〜ん。泣きたくなるほど美しい。

3楽章
間奏曲風の短い楽章で、弦と木管が絡んで、たらら〜ら〜 たらら〜らら〜と歌う。
ここでは、木管が大活躍している。スウィトナー盤では、ちょっと舞曲風に軽めに、ふわふわ感を漂わせて演奏している。テンポは幾分速め。うん?聴いたことのあるフレーズが流れたりする。

4楽章
冒頭、どーれーふぁ〜の分散和音のなかに、ティンパニーが厳めしく叩かれる。
あ〜 また1楽章が戻ってきたんだ。という怖い雰囲気が漂う。
コントラバス等の低いピチカートのなかで、唐突にティンパニーのロール。怖すぎ。なに?何が起こった?
そこから、風が吹き始め、雷鳴がとどろく。
う〜ん。そうでした。この時代のシュターツカペレ・ベルリンのティンパニーは、ものスゴイのでした。
(ペーター・ゾンダーマンさんだと思う 春の祭典でも大活躍)
それが終わって、、このホルンの長い音色が響く。アルプスの高原の朝のような・・・アルペンホルン。
み〜れどそ〜〜 れ〜みど〜 そ〜ふぁれ〜 そ〜れみど〜

フルートで、ふぁーみれ れーみどー 同じフレーズを吹く。
ここは、神々しいまでの音が鳴っており、和音が美しい。た〜っぷり時間をかけて演奏されており、感情没入しきれる。これはありがたい。このフレーズは、涙なしでは聴けない。
で、続いてチェロで・・・
そど〜しどら〜そど れ〜みれみどれ〜れ そど〜しどら〜そど れ〜みふぁみどれ〜ど
あー 絶品!
弦のピチカートを伴ったあと、ティンパニーが絡んだ後は、テンポをあげる。
その後は、猛烈なゴリゴリ感たっぷりの低弦が入って〜 ボンボン言わせて〜 でも、ふわふわ〜艶やかなヴァイオリンの音色を聴きながら、弦の甘いフレーズを聴く。
形は変わっていくが、たーらら たーらら たーらら 短いパッセージが出てくるものの、柔らかく絡んでくる。
最後には、歌謡風のフレーズで、ふぁーみれ そーふぁれー そーみれ
 
で、最後は歓喜の歌とも言われているフレーズ 猛烈にテンポが速い。すげー
極めつけは、ティンパニーと弦の鋭さにつきる。ブラボーっ!

2264

カラヤン ベルリン・フィル 1987年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

これもありかっ

録音状態は良い。表面的と言う人もいるが・・・1楽章は息苦しいほどの圧迫感があり、最終楽章はメチャ華やかに終わる。
ここまでしなくても〜っ。
しかし、やっぱ、カラヤンって千両役者だよなあ。

1楽章
冒頭のティンパニーが、ドンドンドンドン・・・と、重々しく規則正しく叩かれるなか、ヴァイオリンやチェロの弦が重々しく階段をのぼっていく。
ティンパニーの響きは、エコーが掛かっているような感じで、響きが終わらないうちに、一打、また一打と、打ち込まれているようだ。序奏が終わるまで響いている。
弦や木管が、ずーっと息を詰めて弾いているように聞こえる。辛抱たまらず、たまりかねて息を吐き出した〜っという感じで、長い序奏が終わる。
いつも、この87年のカラヤン盤を聴くと、実は、息が詰まりそうになる。
息を詰めて聴いているので、しんどいのだ。冒頭のティンパニーで苦しくなる。このティンパニーの響きを聴いていると、まるで自分の心臓の鼓動を聞かされているような、そんな気がしてくるのだ。
で、弦の上昇音階を聴いていると、血管が浮きそうになる。
カラヤン盤のブラ1は、あまり好きではない。
自分の心臓の鼓動を聞かされている・・・と感じる演奏を、好む人はいないだろう。
まっ そんなワケで、あまり好きでない。と冒頭に言うのもどうかと思うが・・・ 暖かみのある、ほっとさせる演奏ではないが、重厚感もあることだし、弦の響きなんぞ、硬い癖に柔らかいし。
確かに、磨かれて綺麗だと感じるのも事実。しかし、「どふぁふぁ〜そどど〜」と、木管とホルンの呼応は、ちょっと無感動で、情緒が無いような気がする。
もちっと、柔らかく吹いて欲しいなあ。こんなに、カチカチに演奏しなくても良いんだが。
まろやかさが、う〜ん。もう少し欲しいよぉ。タメが・・・ 欲しいぃ。

2楽章
重厚でありながら、牧歌的なフレーズが流れる。
まったり演奏している。ふわーっとする部分も出てきて、ようやく人の声らしく聞こえる。
低弦の響きの美しいこと。フルートの「どみふぁそ〜み ふぁどど〜どみふぁそ〜みふぁどど〜」は、これ速い。「どみふぁ〜」と、他の盤だとのばしているのだが、素っ気ないほど短い。
はあ? 美しい声をしているくせに、なんとも味気ないことで・・・ 弦もさらさら〜っと、のぼりくだりして。
はあ? 美しいくせに、鼻持ちならない女のようで愛嬌がない。情感ってモノが無いのやら。とほほ。
弦の美しさには、ころり〜っといかされる。特に、弱音の雰囲気と、高音の声が美しい。
ヴァイオリンのソロなんぞ、ホントに美しい。
でも・・・心を許して、つきあえるほどの親しみは持てないようだ。うち解けて貰えない、そんな悲しさを感じてしまった。これほど美しいのに悲しいとは。ジュリーニ盤のように、悶えるほど美しいのに。
心の扉を固く閉じている人に、求愛しているような悲しさを覚える。

3楽章
間奏曲風の短い楽章で、弦と木管が絡んで、たらら〜ら〜 たらら〜らら〜と歌う。
ここでは、木管が大活躍しているが、あまりに速くて、まったりしてくれない。
なんて硬いんだろう。横糸だけで、さらり〜と行くのも良いが、う〜ん。マズアのような、素っ気なさを感じてしまって興ざめ。いつもなら、これだけのフレーズだと長めに演奏すると思うんだが、ここは、何故か、息が短い。セカセカ演奏しているような気がする。う〜ん。何故なんだろう。

4楽章
「れどーれーふぁ〜」の和音に、ティンパニーが一撃。最後の「ふぁ〜」では、弦が、一瞬悲鳴をあげたように強めに弾いたあと、ふわ〜っと息を盛り返す。
さほど悲壮感は漂っていないが、コントラバスのピチカートは、最初は遅いが、快速なリズムである。
しばらく蠢いていたなかで、唐突に、雷のようなティンパニーの連打がある。この音は凄い〜っ。
で、アルプスのような雰囲気に早変わりして、アルペンホルンが吹かれる。
これは役者じゃ〜朗々と歌う。
「み〜れどそ〜 れ〜みど〜 そ〜ふぁれ〜 そ〜れみど〜」 このフルートは、ちょっと高めに感じる。
ホルンの音色は美しい。文句がつけられないほど美しいのだが、なぜか。どーしてなのか。感動が、さほど湧いてこないっ。しかし、次に続くチェロのフレーズには、溜息が出るほど美しい。
「そど〜しどら〜そど れ〜みれみどれ〜れ そど〜しどら〜そど れ〜みふぁみどれ〜ど」
あ〜 なんと美しいんだろう。この声は良いっ。
「たーらら たーらら たーらら」 歌うフレーズは、さすがに流麗だ。
で、再度、チェロのまろやかな合奏がある。ここは、絶品っ! 永遠に続いて欲しいぐらい綺麗だ。
低弦の響きも絶品だ。
歓喜の歌とも言われる最後は、各パートが美しく演じているし、キラメキを残して華やかに終わる。
まあ〜これほど華やかに終わるブラームスの1番って、聴いたことがないかも。珍しいかもしれない。
はあ〜 全楽章を通して聴くと、やっぱ、すごいわ。役者だねぇ〜
素直に拍手は、すぐには出ないけど。やっぱり、あっぱれ〜。
それにしても、ブラームスで、こんなデザインのCDジャケットを使うとは。とほほ。
この感覚にはついていけない。(苦笑) 

シャイー コンセルトヘボウ 1987年
Riccardo Chailly
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は極めて良い。美音で綴られ、豊かなホールトーンで、内声部の木管やホルンのまろやかな響きがご馳走となっている。
カップリング:ブラームス 交響曲第1番、大学祝典序曲

1楽章
ティンパニーの連打 ダンダンダンダン・・・と出てくる冒頭は、あまり厳つくなく、伴っている弦が、とても柔らかい。
すぐに、これは柔らかく、しなやかに演奏されている演奏なんだろうなぁ〜とわかる。
ブラームスは、重く、いかめしく、硬くなければならないという方には、お薦めできない演奏だが、ワタシのように、やわいのが好きという方は、良い演奏だと思う。
テンポは揺らしていないし、定番って感じのインテンポで演奏されているのだが、弦がしなやかなのだ。
それにホールトーンが豊かで、残響が少し多め。厳しい凍てついた大地とはご縁がなく、大らかに歌い、明るくのびやかさがある。やっぱ〜ラテン系ですよねえ。刺々しく荒々しい、怖いようなヴァント盤とは、まーったく違う。
凍てつく大地と、ラテン系の国ほどの気候風土の差がありますねえ。
で、ゴリゴリ、ガシガシ、ドンドンっと鳴らずに、あくまでも優美だ。
音符がうえにむかって弾むかのように鳴っており、リズムのキレは、ヴァイオリンで、シャっ シャッ、という弓のキレで表現できているように思う。
ホルンと木管の呼応するフレーズも、もっと神経質でも良いんだけどな〜と思うほど、大らかに、まろやかだ。
総体的には、大柄なのだが、高音域のヴァイオリンの音が、上空においてすわっと広がるし、金管のフレーズも、柔らかいがシャキっと広がっている。ところどころ、キレ感が味わえるように、工夫しているのかもしれない。
もっと、硬い方が、締まっていいのだろうが・・・ う〜ん。この美音には抗えないなあ。
大きなスピーカーで、幾分大きめの音量で流して、ゆったり〜と聴くのには、適しているように思う。若いけれど、ふくよかな音が広がってくるように思う。

2楽章
歌うことにかけては、やっぱり絶品だと思う。木管の美しさ、まろやかさ、弦の優しさに、うっとりとさせられる。
「ど〜そそ〜 みふぁ〜どど〜 そふぁ〜ふぁみ〜しれ〜 しどれ〜」
フルートの音色も、とっても美しく、「どみふぁそ〜み ふぁど〜 どみふぁそ〜み ふぁど〜 どみそ ど〜しらそふぁみれ〜」ムーティ盤の美しさとは、少し艶感が違うかもしれないが、ふくよかさは勝っているかもしれない。
イタリアの方々は。どうして。こうも歌うのが巧いのだろう。ほんとに、人を喜ばせるツボをご存知なのだろう。
はあぁ〜 大柄なのだが、この2楽章に、うっとり〜 陶然としないかたは、おられないんじゃーないだろうか。

3楽章
まろやかな響きで、たまらないですねえ。
「たらら〜 ららら〜らぁ〜」という、優美な舞曲風のフレーズが、とても豊かに響いていく。
のびやかに歌い、内声部の木管の響きに金管の響きが、たっぷりと詰まっており、密度の高い演奏となっている。
この曲を何度となく聴いているが、やっぱり、これだけ木管の音色を楽しませてくれる盤って、あまりないように思う。
美音だなあ〜 

4楽章
「どぉ〜 れぇ〜 らぁ〜」のという音につづいて、ティンパニーが叩かれるが、う〜ん ちょっと弱いかも。
ここは、もっと、ガッシリと決めていただかないと絞まらないんだけど。
低弦のピチカートはアクセントが効いているが、唐突に入ってくる雷鳴のようなティンパニーが、何かを告げているのだが、少しインパクトが少ないかもしれない。
もっと、強烈な打音が欲しいかもしれないが、劇的な効果があり、交響曲というより、交響詩的な雰囲気があるかもしれない。
アルペンホルンのような音色やフルートがねえ〜 う〜ん、とっても良い。抜群なのだ。こりゃ〜まいりました。
「み〜れどそ〜 れ〜みど〜 そ〜ふぁれ〜 そ〜れみど〜」と、朗々と、しかし、堂々としすぎず、少し抑え気味に歌い始める。この、ふくふくとした旋律と、まろやかさ。少し抑えめなのが良いですねえ。
あまり堂々としすぎると、ちょっとイヤミに感じるものだが、さすがに、ここは清楚だし、木質感がたっぷりあって優美だ。

このホールの豊かさと、内声部のしっかり詰まった芯のある多層空間で、大変美しい演奏を聴かせていただける。
ふわっとした空間の美しさと、弦のなめらかな旋律に、いろんな木管の響きが絡んでいるのが、とても印象に残る。
特に、弦だけ聴いても、聴き応えがあるのに、そこに、この美音のフルートやホルンの美しい響きが、乗っていくので。
う〜ん。すごいっ。清楚でありながら、スポーティであり、艶もあって、重厚な響きも忘れずについてきたら〜 これ以上のことは言えませんねえ。文句いっちゃー 罰当たりかもしれませんが、でも、感動するってわけじゃーないんですよね。

それにしても、今や新譜が登場しないというのに〜 この80年代は、素晴らしい盤が、目白押しで輩出されていたんですねえ。大変に豊かな恵まれた音楽環境だったと思います。 今は、記録することの意義が失われたのかなあ。
いやいや、もっと充実した環境を、私たちもつくりだせるように応援しなきゃっ。


1068

ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 1989年
Riccard Muti
Philadelphia Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。まろやかに響き、歌心ありの演奏で、ジュリーニ盤と同じく、朗々と歌うタイプが好きな人には、たまらない一枚である。私的には絶品。
カップリング:同、ハイドンの主題による変奏曲

1楽章
冒頭のティンパニーと弦の響きは、まろやかで、幾分、ティンパニーが抑え気味に叩かれている。
ティンパニーの冒頭の8拍は力強いが、弦がワンフレーズを奏でた後からは、音量を抑えている。
はは〜ん。途中で、弦主体に切り替わっているらしい。この解釈は面白い。
ドンドン、ダンダンダン・・・と奏でられるブラームスが多いなか、ムーティらしい歌心ありのフレーズで、弦が階段をのぼって上昇するのだが、水平に渦巻いているかのよう な感じがする。
で、その後、底にいったん沈んみ、ウツウツ、モワモワと渦を巻き、危うい青春時代の精神状態のようで、自信に満ちあふれた英雄的であるかと思えば、すぐに落ち込んでしまって、ウツウツとしてしまうような。
そんな心情が描きだされている。
情感があり、堅牢な構造物を描くような雰囲気ではない。
ティンパニーが1発鳴るが、その鳴るまでの、ちょっとした間合いが良い。で、このティンパニー1発の後、まるで、ふっきれた後のように、さっぱりした 伸びやかな表情に変わる。
この変わり方が面白い。ちょっと若いかな〜と思わせる、しなやかに伸びていくところが好ましい。
柔らかく、流麗なブラームスで、ふふっ。なかなか無い演奏だ。ジュリーニ盤に近い雰囲気がある。
ホルンの呼応さも好ましいし、弦の伸ばし方も、金管の爽やかな明るめのトーンで、ノビがあり、伸縮度合いは、心得ているって感じがする。嫌らしさがなくって、とっても自然に耳に馴染む。
テンポ設定は、緩急大きめにつけているが、ノビが良いので、嫌みに聞こえない。
いや、それどころか、むしろ好ましい。
低音域の響きも充分あるし、弾力性の高い演奏だと思う。響きもわりと渋めに仕上がっていて、フィラデルフィア管とは、ちょっと思えない響きだ。
いつもの高音域が響く華麗なサウンドではない。ちょっと渋めのコンセルトヘボウに近い響きがある。
へえ〜 すげ〜良いやんっ。と拍手してしまった。ムーティさんを見直しちゃうなあ。きっと録音状態も良いんだと思う。ホールトーンもあって、まろやかに響いて、う〜ん。すごい。
慌てず騒がす、急がず堂々としているくせに、若くてしなやかで、大きな響きを持っている演奏だ。

2楽章
ふわ〜っとした感覚が絶品っ。「ど〜そそ〜 みふぁ〜どど〜 そふぁ〜ふぁみ〜しれ〜 しどれ〜」
思わず息をのむような美しさだ。
フルートの「どみふぁそ〜み ふぁど〜 どみふぁそ〜み ふぁど〜 どみそ ど〜しらそふぁみれ〜」は、儚げで、奥ゆかしく、もどかしいほど美しい。
いや〜 この楽章もなかなかに美しい。ブラームスって、こんなに天上的な音楽を創っていたっけ。
いや〜 歌心ありの指揮者にかかると、ブラームスのトゲっぽい田舎臭い無骨さが、オブラートに包まれて、室内楽的な響きで、可愛く、微笑ましい。それにしても柔らかい、ソフトに包まれた美しさだ。
で、ヴァイオリンのソロが、う〜ん。こりゃ絶品だと思う。
「どみふぁ〜み ふぁ〜どど〜ど どみふぁ そ〜みふぁどど〜 どみそ ど〜しらそふぁみれど ふぁどら〜そぉら ふぁふぁど〜ら そ〜し・・・」そして呼応するホルンの鳴り方も、奥ゆかしく、 身をよじりたくなるようなカンタービレが奏でられている。
う〜ん。この楽章は歌だ。メッチャ白眉だと思う。

3楽章
ふわ〜っと出てくる雰囲気が、たまらん。
「たらら〜ら〜 たらら〜らら〜」と舞曲風のフレーズが柔らかく、「そ〜ふぁみれどしら〜そ」「ふぁ〜どらど そ〜」のフレージングの美しいこと。
弦の囁き、ぱらら ぱらら〜と鳴いているクラリネット、う〜ん。ホント天上的に響いている。
特に、フルートの響きと、弦の柔らかさが絶品だ。 木管の音色もばっちり。ブラームスの歌謡性が、前面に出てきて、歌う歌う。歌う3楽章になっている。流麗で、そのくせ渋さもあって、腰もあるし。
響き全体が、ソフトだが大きい。なんと言えば、良いんだろう。こんなに流麗なブラームスで良いんだろうか。と思っちゃうが、いや。こんな美しいブラームスがあったって良いじゃん。と反論したくなるほど。いや〜なかなかに。うん。絶品ですねえ。

4楽章
低弦が、「どしら〜 そぁぁっ〜」と、湧き起こってくる。ティンパニーが厳かに静かに鳴る。
この楽章のムーティ盤は、ちょっと硬さや、厳めしさ、荘厳さには、ちょっと欠けているが・・・ 間合いが充分で、低弦のピチカートの響きが、すごくあって、これが効いている。緊張感があるのだ。
で、硬さはないが、しなやかに蠢く姿が彷彿とさせられ、レアな感じを生んでいる。
深淵を覗き込んだような、深刻さが足らないって言えば、そうなんだが、でも、ちょっぴり劇的な要素は、持っているんで迫力には負けていない。
で、ホルンが、すかさず、ふわーっと遠いところから聞こえてくる。
「みー れど そー れーみど そーーふぁれ〜 そーーれーみーどー」
もちろんフルートのフレーズも、新鮮で瑞々しい。ふわ〜っとしつつも、空気感を醸し出している弦の響きや、金管の微妙な音のノビが、鮮明に捉えられている。
奥行きが、ものすごく感じられる。これが懐の深さに繋がっているように感じられるんだろう。
特に、金管とティンパニーの響きには、唸ってしまった。こりゃ〜すごい良いねえ。
弦の響きも、キンキン、カンカンに鳴らず、う〜美音だっ。
元気の良いケルテス盤とは違って、テンポが、なかなかあがらず、おっとり〜 しているんだが、それが、また牧歌的で、おぼこいなあ。それが品良く、良いなあ。って感じさせるんだから驚きだ。
もっと、速く、ガチガチに仕上げてこいよぉ〜と言いたくなる向きも、なきにしもあらずだし、朝露たっぷりの瑞々しさは、ケルテス盤に負けるけど、ふふっ 何気ない、穏やかな日常風のシアワセ感だ。
ガチガチのいかにもドイツ風という、シャキシャキ バリバリ、軍靴を鳴らすかのようなアプローチではないので、仕上げもソフトだが。私的には、ここまで歌いあげてくれると、シアワセ〜っ。

ムーティ盤は、ジュリーニ盤と同じく、歌うブラームスである。ジュリーニ盤の弦は、きっちりした楷書体なのだが、このムーティ盤は、ちょっぴり行書 体タイプである。
テンポも揺らしてくるし、弦のフレーズが波打っている。総じてテンポははやめ。ガチガチに演奏していないので、余裕や行間の隙間が感じられる。 決してスカスカに聞こえるわけじゃないのだが、特に最後、ブラームスが軟体動物的に聞こえて、嫌だ〜という人もいるかもしれない。 しかし、別のアプローチとして、充分に説得力があると思う。
ワタシ的には、ジュリーニ盤、シャイー盤と共に、歌うタイプのブラームスとしては絶品盤だと思っている。

ハイティンク ボストン交響楽団 1994年
Bernard Haitink
Boston Symphony Orchestra

ふむふむ。


録音状態は良い。素朴というか、手堅いというか、ちょっと表現に迷ってしまう。
カップリング:
1〜4 ブラームス 交響曲第1番
5 ブラームス 悲歌(タングルウッド祝祭合唱団)
1楽章
ハイティンクさんは、1970年代のアムステルダム・コンセルトヘボウと、90年代のボストン響と、21世紀に入ってからのロンドン響と、3回ブラームスの交響曲全集を収録されている。
で、ここでご紹介するのは、90年代に収録された2回目のボストン響である。
( ロンドン響は、ワタシは所有していない)
さて、このボストン響との1番は、う〜ん 何度聴いても、手堅いというか・・・個性的な盤ではないとしか言いようがないような気がする。
今日も、 さらっと聴いたのだが、う〜ん なんとも言えない感じで終わってしまった。
なんとも、感想の書きづらい演奏だなあ。っと、正直思ってしまう。
最初のティンパニーの連打も、さほど硬いわけでも柔らかいわけでも、ちょうど良いって感じでもないし・・・ 途中、ふっと音が抜けた感じがするので、何度も聞き直してしまった。
指折り数えたところ、43回目で、えっ?という感じで、抜ける。あっ 全部で何度叩いているんだろ。また、指折りながら数えたが、最後、バンっと鳴ったのが、多分、52回発目だったと思う。
で、ここだけ何度も聞いちゃったので、ちょっとキモチが悪くなっちゃった。

音質は硬めで、あまり歌わず、素直というか、平凡というか、落ち着いているというか〜 堅牢な構築っていう感じはするが、さほど個性的ではなく、いかつくもなく、荘厳でもなく・・・
例えは悪いが、中規模程度の市で、街の中央に教会が、そこに建っているという感じがする。
ムーティさんみたいに温暖な気候で歌うわけでもなく、ゴツゴツした肌合いでもなく、北ドイツの荒野風の寒々しい感じでもないし、なんとも例えづらい演奏なのである。
もちろん、丁寧だし、精緻さもあるのだが、締め付けた感じはしない。かといって、朗々と歌われるブラームスとも違う。

ヴァイオリンのキレは良いし、金管の響きも悪くないが、どっか、フレージングが素っ気ない感じがする。
いや、愛想が悪いっていうわけではないのだ。
(別に、愛想を振りまいて欲しいわけでもないし・・・)
艶のある音質でもないし、木質的な響きとも言い難いし、ホルンの甘い香りがするわけでもないし、木管のフレーズが酔いしれるほど美しいわけでもないし、重厚だとも言えないし、芳醇な香りが漂うという感じでもないし。
う〜ん ワタシ的には、森林のなかを呼応するような、木管とホルン絡みでは、もっとまろやかな響きが欲しいなあ〜っと思ったり・・・。よわったなあ。というのが正直なところだろうか。
ホルンや木管の響きの印象が強く残らなかった。密度の薄い演奏に聞こえてしまった。

2楽章は、室内楽的で、とても丁寧で、気持ちのよい弦のアンサンブルがきこえてくる。
3楽章は、ここも室内楽で、木管の響きが美しい。
4楽章は、分厚い響きで、どろどろどろぉ〜っという低弦の下降から始まり、最後は、感極まった感じの歓喜の主題っぽい、いきなり朗々と歌う楽章である。
弦のピチカートから始まり、ホルンとフルートの主題は、さすがに活き活きとした感がでてきて、ゆったりと歌い始める。
はあ、これこそブラームスっ。ようやく、歌い始めてくれたぁ〜
と思ったのだが、う〜ん、ちょっと速めになって勢いがあるのだが、重みが少なめで、分厚くて、熱いというところには至っていなかった。
やっぱり、個性的な盤が多くある楽曲なので、どうかなあ、イマイチ、モノ足らない感じがしないでもない。
ハイティンク盤の場合、ゆったり素朴に、しっとりと演奏されている中間楽章が、聴き応えあって良いように思う。

0692

ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 1997年
Günter Wand
Hamburg North German Radio Symphony Orchestra
(NDR Sinfonieorchester Hamburg)

ひぇーぇぇ〜

録音状態は極めて良い。でも、メッチャ硬く厳しく、とりつくしまもナシって感じのブラームスで、まるで、北極圏のようで凍り付きそう。
いい加減な気持ちでは、とてもとても〜 近寄れません。

1楽章
まず、冒頭のティンパニーが猛烈に速い。硬いし、険しく、厳しい。
う〜ん。なんだこりゃ〜 
誰かが運命の扉を叩いているどころじゃない。これでは、崖っぷちに立っているようなもんだと思う。
悲痛すぎる〜  誰かに突き落とされそうな、目の前がクレパスのような、空恐ろしさがある。
それほど切迫感がある。
で、この冒頭のティンパニーのロールだが、音量が途中で弱くなっている。18音〜20音めぐらいで、完全に弱くなっている。う〜ん。なぜなんだろう。
出だしは相当に勢いがあり、怖いティンパニーの連打なのだが、途中で迷いが見えるというか消えるというか。
編集ミスかと思ったが、ティンパニーの叩き方にも、一瞬の間があいている。この音量調節の理由は、よくわからない。
スウィトナー盤でも、ティンパニーは強烈だったが、ヴァント盤も、相当に硬くてパワフルだ。
それにしても、ガシガシ ゴツゴツしたブラームスだし、刺々しく荒々しい。
弦もエッジが強く鋭いし、切れがある。音色も冷たいし硬い。なんとも冷え冷えとしている。
愛想のない楽曲が、とことん硬くて、う〜ん。頭を抱え込んでしまった。
これじゃ、苦手なブラームスが更に嫌になって、聴けないよぉ〜

ツライ気持ちで、何度か繰り返して聴いてみたのだが、ヴァント盤は、完全に、くっきり、はっきりの楷書体だと思っていたら、そうでもない。結構、音が長い。
音の1音1音は、意外と区切っていない。ザンデルリンク盤の方が、音の区切りは、はっきりしていた。
ヴァント盤は、音が途切れるまでに、次の楽器の音が鳴っているような感じがする。
バッサバッサと斬っているわけじゃーないんだ。ほぉ〜。意外。で、ところどころ、テンポが変わる。はあ?
ガチガチだと思っていたけど、わりと〜そうでもないんだ。
強弱もついているし(アタリマエか)、中間部の、ほわっ。としたところも、急速に萎えるんだが。
しかし、また、ティンパニーの強打、強打に、打ちのめされるというか、カツを入れられるというか。
こりゃー ヴァント盤は、格闘技である。
いや、格闘技だと思うことにした。すげー 大変なのだ。クラシック音楽を聴くっていうのも。
叩きのめされる前にタオルを投げたい気分だったが、へろへろになりつつ〜 1楽章を終わる。

2楽章
無骨で、痩せ細った変なおっさんが、愛を囁いているような感じがして、なんだか違和感がある。
もう少し歌って欲しいのだが、木管が、ひらべったいし、悲しそうに吹いており、 擦れた弦の音色で、丸みがない。
端的に言うとムードがなさすぎなのだ。一応、歌っているようには感じるのだが、フレーズがあまり膨らまない。
えっ ヴァントさんには、そんなモンっ いらんわいっ! と一喝されるって・・・。
そうでしょうねえ〜 でも、せめて、この2楽章ぐらいは、息をつきたいものだ。
音の分離は良いので、低弦は、響きとしては感じるのだが、まろやかに響いていない。 そのため、カスカスの乾いた、脂身が足らない音色に聞こえるんだと思う。 ヴァイオリンのソロも同じ。綺麗なんだが・・・ホント綺麗なんだよ。
でも、色っぽさが足らないし、 瑞々しさが欲しいところなのだが・・・。水分が足らず、干上がっている感じがする。

3楽章
弦と木管が絡んで、たらら〜ら〜 たらら〜らら〜と、可愛く歌っている。
おっ ちゃんと歌えるやん。と思ったのだが、聴いているうちに、なんだか、サラサラ流して、チャチャと速く切り上げいるようだ。やっぱ無骨なんだ。単なるブンチャチャ・・・。 うが〜っ 歌心が無いんだ、やっぱ〜 

4楽章
さて、この楽章は、どうアプローチするんだろ。冒頭、また、ティンパニーが険しく叩かれる。
コントラバスの低いピチカートが、嵐の前の大粒の雨のように聞こえる。
雨粒が、あちこちで跳ねている。このピチカート 相当に怖い。
氷のつららが落ちてくるような気分になる。あれは雨粒じゃーなかったもしれない。
なんだか決断を迫られ、追いつめられた後、重大な決断をしたように、ティンパニーが鳴る。
ここで、気分が変わり〜 アルペンホルンが鳴るのだが・・・
う〜ん。これは、とても とても〜 ノー天気な、高原のホルンではない。ありえない。ここで、ようやく、踏ん切りがついたらしい。心の安らぎを得たのだろう。フルートが吹かれて辺りを一掃してくれたようだ、清々しい気分になったらしい。
染み渡るような弱音でのホルン、弦の柔らかな、ホントに柔らかなフレーズ。
そど〜しどら〜そど れ〜みれみどれ〜れ
はあ。安心した。これで、清々しい気分で、成仏できるんやね〜っと言ってあげるつもりだったのに・・・
また、あの強烈なティンパニーが鳴るのだ。
なんでや〜っ。なんで〜また、鳴るんじゃー。やっと開放されたんじゃーないのか?
ああ あちゃ〜 また元に戻るのかよぉ〜(床に突っ伏したい気分で、嘆く)
すげ〜 ティンパニーのロールです。雷どころじゃーない。ホント。メチャ心臓に悪い。
(単に、繰り返しがあるのを忘れていたのだ)

再度、弦が、そど〜しどら〜そど れ〜みれみどれ〜れ  まだ、あのティンパニーが鳴るんだよね。
とにかく、もう〜このティンパニーは嫌です。背筋がぞーっとするロールで、地獄の閻魔大王なみ。
こんなに何度も、同じような叩き方しないで欲しい。最後のコーダは、これは、喜びに満ちあふれている。確かに・・・ 
ちょっと柔らかくなった弦と、遠ざって、ちょっと柔らかく化けたティンパニー 最後しか登場できなかったのかトロンボーンかチューバ。これらが和音を4回。

とにかく、終わってやれやれ〜っ。とてもブラボーなんぞ叫ぶ気分になく。どっと疲れてヘトヘト〜
無愛想、無骨、激しく、リアルで、生々しいし、徹底的で、もー この厳しさには、到底ついていけない。
中間2、3楽章は、確かにほっとはできるけど、4楽章の最後のコーダ わずか数小節ぐらいで、歓喜になりますかあ? なれますか? う〜 ワタシにはワカラン。
この最後で、意気揚々になれる筈もなく、反対に、エネルギーが吸い取られて〜疲れ果てる。
ボロボロになりました。こんな盤、何度も聴けるもんじゃーない。すごく厳しいブラームスで凍えてしまいそうになってしまった。こりゃー  取り扱い厳重注意だ。 ワタシのような、ヤワな精神力では持たない、、、
聞き込んでいる人は良いだろうけれど、う〜ん。初めて聴くような方には、どうかなあ。ワタシ的には、ブラームスは取っつきづらい。と、もろ言ってしまいそうで〜あまり薦められないと思う。とにかく超絶的な演奏である。

1959年 ワルター コロンビア交響楽団 SC ★★★
1967年 バルビローリ ウィーン・フィル EMI ★★★
1967年 セル クリーヴランド管弦楽団 SC ★★
1973年 ケルテス ウィーン・フィル Dec ★★★★★
1973年 ザンデルリンク シュターツカペレ・ドレスデン De ★★
1975年 マゼール クリーヴランド管弦楽団 scribendum ★★★
1975年 ベーム ウィーン・フィル  
1977年 カラヤン ベルリン・フィル G  
1979年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec  
1981年 ジュリーニ ロサンジェルス・フィル G ★★★★★
1981年 バーンスタイン ウィーン・フィル ★★
1986年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン DS ★★★★
1987年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★
1987年 シャイー コンセルトヘボウ Dec  
1987年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI  
1987年 サヴァリッシュ NHK交響楽団    
1989年 ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 Ph ★★★★★
1990年 アバド ベルリン・フィル  
1991年 ジュリーニ ウィーン・フィル  
1991年 サヴァリッシュ ロンドン・フィル EMI  
1994年 ハイティンク ボストン交響楽団 Ph ★★★
1996年 ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 ★★★★
所有盤を整理中です。

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