「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

190519090478

ブラームス 交響曲第2番
Brahms: Symphony No.2


ケルテス ウィーン・フィル 1964年
Istvan Kertesz
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

こまちゃったなぁ

録音状態は、イマイチよろしくない。高音域が幾分ヒスっており、まろやかさが欠けているので、キツく聞こえる。エネルギッシュなのはわかるのだが〜
聴いた後、香りの高い、ブレンドコーヒーが飲みたくなってしまった。
カップリング:ブラームス 交響曲第2番、セレナード第2番(ロンドン響 67年)

1楽章
「みれみ そぉ〜しぃ み〜ふぁ そらそ ふぁ〜 みれみ しどれ みぃ〜そぉ ふぁ〜しみ〜」
「れどれふぁ〜ど どぉ〜ふぁ そふぁそ らぁ〜 ふぁみれ みぃ〜れ どぉ〜ら ふぁしれ どぉ〜ふぁ・・・」
ホルンと木管の掛け合いとという美しいハーモニーで始まる主題である。
伸びやかに歌うフレーズで、木管のフレーズを主体に、巧く金管が絡み合った主題で、どっちかというと、弦は添え物的な役割を果たしている。
チェロの第2主題  「れぇ〜 しどれぇ〜 しど そふぁみ れどれみ〜」「どれみ〜 どれみ〜 どら〜そふぁ しらぁ〜」
弦の柔らかいシルキーなチェロの音色は、かなり聴き応えあり。
チェロの響きは、やっぱり、にんまりしてしまう。
しかし、ヴァイオリンの高い音が入ってくると、ちょっとツンツン、ヒスって聞こえるのが残念だし、強いフレージングで、あまりシルキーに響いてこない。うっ。強気な甲高い女性のようで〜 う〜ん、出しゃばりがやってきた。って感じがする。
主題を繰り返し、トロンボーンの響きが重なって、光輝くのだが、その頃には西陽が強く射し込んできて、光が痛いっ。という感じにになっている。木管の響きにも、多少音痩せしているところも感じるし、う〜ん、やっぱり、ケルテスさんが70年代に再録できなかったのは痛い感じがする。

2楽章
「そぉ〜ふぁ〜 み〜れどぉ〜  そぉ〜ふぁ〜 れぇ〜しどぉ〜  どぉ〜ふぁ ふぁそみ ふぁれみどぉ」
「どそどみ どそふぁ〜れ そみふぁ〜 ふぁ れ〜みぃ〜」
チェロの主題で、朝露に輝く草原のように、爽やかではあるが、このフレーズが、もわっとしてて〜
木管の絡むが薄い感じがする。ホルンの音色が奥まってて、音の像がしっかりしてこないし、ヴァイオリンで、ちょっと興奮気味に、悲劇的に、強く泣きのシーンになったりすると、ちょっと全体のバランスが、悪いな〜と感じる面がある。
なんか、旋律がもわっとした感じで絡んでいるので、メリハリ感が少ないかも。
なんだか、モワモワした感じの、すっきりしない、困惑気味のブラームス演奏って感じだ。
う〜ん ブラームスは、これだから わからん・・・みたいになってて、ワタシ的には、イマイチすっきりしませんでした。

3楽章
「どどれぇ〜 どどふぁ〜 ど〜どみ れしど どど れどし ら れどし ら・・・」
チャーミングな3楽章で、とっても親しみやすいフレーズが続く。
「ふぁっふぁ みぃ〜 ふぁっふぁ れぇ〜 ふぁっふぁ みぃ〜 ふぁっふぁ れぇ〜」
チェロのピチカートで、オーボエが弾んでみたり、滑るようなフレーズがあったり、コミカルに舞踏会風踊ってみたり楽しい。
「ふぁみ〜ふぁれ〜 ふぁみ〜ふぁれ〜」
もっと遊び心が満載でも良いんだけどなあ。ここは木管が主人公だと思うんだけど、木管が奥にひっこみすぎて〜
弦は、中音域だと籠もるし、高音はキツいし。ちょっとバランスが悪いかも。

4楽章
ワタシ的には、びっくりシンフォニーのように驚かされるのだが〜
この爆発は、ちょっと・・・ 興ざめ。強いっ。
弦のフレーズもあってないし〜 ずれそうです。

チェロの「れっれ〜み れどしど れっれ〜ふぁ みどしど・・・」と、弦の二重奏的なところは美しいが、木管が綺麗に絡めてこられてない。う〜ん。もっと美音であっても良いのになあ。
金管の強い吹き方と、全体的なバランスが少し悪くて、まろやかに響いてこないところが、ちょっと悲しい。
ホルン、クラリネットやオーボエのフレーズが、もう少し前に出てきてくれた方が、嬉しいかもしれない。
ちょっと、弦が勝ちすぎて、耳に障ってくるところが多いかも。ものすごく、弦がキツくて、切れそう〜に感じるぐらい。
で、最後のテンポを速めてトゥッティに持って行くところの高揚感はすごいっ。
いっきに駆け抜けて行こうとする、エネルギーというかパワーというか、すごいっ。まるでライブ盤のようだ。
どひゃん・・・ すげっ・・・ 最後、ここで走るかぁ・・・ 

う〜ん。血の気の多いブラームスで、若々しい感じは、すごく伝わってくるが〜
う〜ん。ちょっぴり若くても良いけれど、やっぱ渋くて、牧歌的に響いて、まろやかさが欲しいかも。
これでは、つんざくような音のラッシュで・・・ 耳が痛いっ〜 ひぇ〜 ご勘弁を。
まあ、このラストの高揚感が2番の個性だとは思うんですけど、きっと狙いは良いと思うんですが、悲しいことに録音が悪いからかもしれないんですけど・・・。う〜っ  この演奏を聴いた後、香りの高いブレンドを味わいたいと、ホント。思ってしまいました。
ワタシ的には、超驚きの、ちょっと残念な演奏でした。スミマセン。ごめんなさい。


1910

ハイティンク コンセルトヘボウ 1973年
Bernard Haitink
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra) 

ばっちグー!

録音状態は良い。穏やかだが、後半熱くなってくる。個性的な演奏ではなく、いたって中庸だが、穏やかで、まろやかなコンセルトヘボウの音の美しさは、何ものにも代え難いし、この楽曲の色調に合っているようにも思う。
カップリング:ブラームス交響曲全集(コンセルトヘボウ)の1枚より。

1楽章
とにかく最初の導入部のホルンとフルートの音色に、ノックアウト。
このホルンだれが吹いているのぉ〜っ。フルートは? 低弦の美しい支えと共に、まろやかで、たおやかで、装飾語が思いつかないぐらい、穏やかで美しいフレーズだ。
とっても残響が美しく入ってて、風格もあるし、格調も高くて、質の高い演奏だと思う。
スウィトナーさんの振ったシュターツカペレ・ドレスデンの演奏も大好きなのだが、それよりも、少し重量感があって、コクがある感じがする。
そして、透き通った音色が、すーっと頭の上を通過するような、弦の弱音でのフレーズも、ふっ〜っと通り過ぎて、思わず、ヒクヒクとしちゃうぐらいの雰囲気が漂う。 かといって、しっかりリズムは刻まれているし。
う〜ん。これは、やられちゃった。

「れ〜しどれ〜 しど そふぁみ れどれみ〜 どれみ〜どれみどら〜」
弦の柔らかいシルキーなチェロの音色。これは、この時代のコンセルトヘボウの何とも言い難い、毛足の短いビロード状の手触り感の良い布地を触っているかのように響いている。
分離が良いこともあるが、弦のパーツ、木管のパーツ等、少しパーツごとに、隙間が見えるような気がするが、それぞれの音色が混ざるところと、リズム主体で、際立って来るところもあったり〜 結構、立体的な雰囲気が出ている気がする。
情感が籠もっているとか、自然感とか、総体的には、ふわーっとしているようだが、なかなか地面に足が着いてて低弦の響きは、結構硬めである。
ところどころ、弦のカシカシ感も出ているが、甘いチェロの主題は絶品。
ティンパニーの入ってくる力強いフレーズは、これ、結構硬い。ヴァイオリンの音色も、とろけるような雰囲気よりも、ちょっぴりシャーッと硬めではあるが、低弦に支えられており、引き締まった感じを与える。

2楽章
「そ〜ふぁ〜み〜れど〜 そ〜ふぁ〜れ〜しど ど〜ふぁそみ ふぁれみど・・・」
靄にかかっているというより、牧歌的だが明朗だ。ホルンの柔らかい音色と、木管のしっかり通った音色が、凜とした雰囲気を持っている。 ホルンの和音と、弦のフレーズが、希望に満ち満ちてくる。
決して、朗々と歌うわけでもないし、力強くも弱くもない。ちょうど頃合いの自然な感じで、穏やかなリズムのなかで、バランスが整っている。

3楽章
「どどれ〜 どどふぁ〜 ど〜どみ れしど ど・・・」
1楽章と同様に、木管の音色に思わず聞き入ってしまう。素のままのようで、コクがあり。甘美ではあるが濃すぎず、「ふぁふぁみ〜 ふぁふぁれ〜 ふぁふぁみ〜 ふぁっふぁれ〜」と跳躍してくるフレーズも陽気すぎず、慌てず騒がず、いたってシンプルに素朴すぎず。品のあるスマートな音質だ。
質感は柔らかいのだが、リズム的には、硬めで締まった感じがするので、全体の感覚としては、ほど良いのだろう。弦のピチカートも残響を残して綺麗に入っているし〜 ホントに73年の録音かと耳を疑ってしまう。アナログ時代の最上級の録音かなあ。

4楽章
冒頭の小声で囁くような木管フレーズが流れてくるが、いきなりティンパニーが入って荘厳な雰囲気となる。直接音で、バンバン、ドンドンとやられたら、目を剥いてしまうフレーズだが、ハイティンク盤は、恐ろしく奥行きの深い、まろやかな録音なので、これが美しくハーモーニーを描いてくる。
粘っこくもなく、まろやかで、重量もありながら、弦の透き通った音色が、ピラミッド状の上層部をなでるように奏でられているので、極上ブレンドに仕上がっている。音響効果と、音色のバランスの良さ。上質のブレンド感覚に脱帽。
特段の個性はないが、堂々とした堅牢さ、構築物のような厳めしいのが、イメージとして出来ちゃっているブラームスとは、また違う一面を描き出している。

情緒たっぷり、甘み、とろみ感が、どちらかと言えば勝っているアバド盤やジュリーニ盤とは違った質感を持っている。最終楽章の終わりになって、ティンパニーを初めとして、カシカシと刻む弦を使って、厳めしく、硬い雰囲気で、大総力で勢いを持って駆け上ってくる。シルキーな質感いっぱいの音が、大音量の洪水となっても、やっぱり美しい・・・。

他の盤に比べると、メチャ地味な存在の盤だけど〜 いや〜 なかなか。やっぱ美しいデス。
コンセルトヘボウの音色と、若い頃のハイティンクさんのエネルギーが、ベストマッチングしたような演奏だ。

カラヤン ベルリン・フィル 1983年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)



録音状態は、あまり良くない。なんじゃーこりゃ。派手な演出で、ワタシ的には聞きづらい。テカテカ、こてこて〜 糸引き納豆みたいで、ぎゃふん。
ブラームス交響曲全集(80年代)BOXの1枚

1楽章
まろやかなホルンで始まるブラームスの「田園交響曲」と言われている楽曲である。
低弦とホルン 「れどれ〜 そ〜し〜し みふぁそふぁみ〜 そふぁそ しどれみ〜そふぁ〜しみ〜」
ホルンと弦と木管のフレーズが穏やかに流れてくる。 あまり録音状態が良くなく、くぐもっていて、ヌケが良くない。
で、せっかくの弱音の美しさが聞き取りづらい。

2番目の主題である弦の美しいフレーズ 「し〜らしそふぁみしみそしみ〜 れど」
これを、フルートが受け継ぐ 「し〜らしそふぁみしみそしみ〜 れど ・・・ そ〜みれ」
再度、弦が「ふぁ〜みふぁれ どしらそふぁみ〜」 途中で二声に分かれて、ハーモーニーを描き出す。
弦がことのほか美しい 「れ〜しどれ〜 しれそ〜ふぁみれど れみ〜しれみ しれみ〜どらそふぁ〜」
80年代のカラヤン盤 う〜ん。連綿としつつ、綺麗すぎるほど。
テンポは、まずまず。ゆったりとした低弦の響きがあり、3拍子を刻んでいる。
弦がレガート状に繋がって、段々と盛り上げていくし、ティンパニーが絡んで、パワーの頂点で「っふぁふぁ〜れみどっ ふぁ〜 っしっ〜しっ」と強めに奏でられる。
うっ 音がつぶれてて聞きづらい。

金管が、パッカパッカ パッカパッカ・・・と刻むなか、「らしどふぁ〜 らしどれ〜」と弦が、がなり立ててくる。
うっ これ、馬が走っているのか。結構、けたたましい。
再度フレーズが、冒頭の主題に戻るが、てれ〜っとしてて、ははあ〜ん。やっぱ80年代だな。と感じてしまった。
木管と弦が、「そ〜 どれみれど〜 れみれ どれど しどしら〜 そらそふぁ〜」
低弦の音と、チェロの音が、どとこなく引きずるようにまとわりついている。
ごっつい響きである。また、そこに金管の派手なこと。弦も強いし。へえ〜っ こんなに派手に鳴らさなくても、いいんじゃぁ・・・。 ティンパニーまで叩かれると、壮大な空間が広がってしまい、のどかさが、ぶっ飛んでしまう。
これじゃー 田園でもないし、牧歌的でもないし、少なくとも田舎臭くはない。
豪華で、ゴージャスこのうえない、皇帝陛下の綺麗に刈り込まれた幾何学模様の庭園だよなぁ。
そこでの散策なの?と、嫌みの1つぐらい言いたくなるほど。う〜ん。ゴージャスすぎて唖然としちゃいました。

2楽章
チェロの調べ 「そ〜ふぁ〜み〜れど〜 そ〜ふぁ〜れ〜しど ど〜ふぁそみ ふぁれみど・・・」
つかみどころのない、ちょっと悲しげなフレーズが流れる。
何拍子だ。これっ フレーズが続けて、たらら〜っと流れていくので、わかりづらい。
途中からは、ハモってくるし、綺麗に聞こえてくるのだが、最初は、戸惑う。
ホルンの音色のなか、「そ〜ど〜 られら どられらどしし〜 どふぁ〜 れそれ ふぁれ〜」
フレーズが絡んでいるのだが、弦が、象徴的なフレーズを歌う。
「れ〜そそ〜 らふぁそみふぁれ〜 ど〜れしどらし そ〜 そらそらそらし」
木管とヴァイオリンの高音域 低弦のボンボンとした響き たれれ〜っと続くので、ちょっと眠くなった。
フレーズが、すっきりと聞こえず、録音の影響もあって、分厚い ゴブラン織りのような厚みを感じる。

3楽章
「どどれ〜 どどふぁ〜 ど〜どみ れしど ど・・・」
この楽曲の聴きどころが3楽章でもある。聞きやすく素朴で、セレナードのように甘美である。
フレーズには、しっかりとした、とろみがついており、木管(オーボエ) 「ふぁみ〜 ふぁみ〜 し〜どし ふぁれみ」というように、エキゾチックな小節まわりにしたり。
室内楽的で、とても楽しいし素朴な楽章である。
フレーズが跳躍的にかわって、「ふぁふぁみ〜 ふぁふぁれ〜 ふぁふぁみ〜 ふぁっふぁれ〜」
オーボエのフレーズと、この跳躍フレーズが交互に出てきて、陽気に演奏されている。
ちょっと重みがあるが、まずまず軽快に鳴っている。

4楽章
「み〜 れみそしどしれ みそしら・・・ れふぁしふぁ れふぁしふぁ・・・」
よくわからんフレーズが流れてきたと思ったら、いきなりデカイ金管で、「ししっ〜し ふぁれ ふぁれしふぁ ふぁどみ ふぁどみし」とどやされてしまう。
なんだ、このフレーズっ。 バンバン ガシャガシャ・・・ ガシガシ バンバン ガシガシ バンバン。
嵐が吹いているように聞こえる。
で、いったん鎮まった後、チェロが、「ふぁしれしふぁ れっれ〜みれどしど れっれ〜ふぁみどしど・・・」
安定しないフレーズが交錯して、ティンパニーだけが、がなりたてて来る。
カラヤン盤は、粘っこいフレーズが流れて、大迫力満点。でも、なんだかゴチャゴチャしてて、綺麗なフレーズもあるのに、ねばっこくって・・・。まるで、糸引き納豆状態になっている。
壮大にしたい気持ちが充満しているかのようで、ちょっと嫌らしさが見えてくる。
もう少し整理して聞きやすくして欲しい。聞きづらい。 これじゃー騒音と同じになっちゃって。うぷっ。どうぞご勘弁を〜。


0951

スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 1984年
Otmar Suitner
Sächsische Staatskapelle Berlin
(Staatskapelle Berlin

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態はまずまず。ブラームスの交響曲というより、全体的に歌劇を見ているかのような、劇的な要素が多いように思う。
それだけに、メリハリがついてて、面白いし楽しいっ。
ブラームス、ドボルザーク交響曲全集8枚組BOXより

1楽章
ブラームスの交響曲第2番って、地味な存在なのだけど〜 ほのかに甘く、牧歌的な雰囲気の漂う楽曲で、結構、なごむ楽曲だと思う。
冒頭のホルンの和音が印象的で、このホルンが良し悪しを決めちゃうってぐらい。
「れぇ〜どれ〜」
スウィトナー盤のホルンは、誰が吹いておられるのか知らないけれど、形のない、靄のかかったかのような空気感のなかから、弦が柔らかく寄り添ってくるところは、形容しがたい雰囲気がある。
ただし、聴いてて爽やかだ。とか、爽快だとは言い難い。
形のない不安げな心情に近いとでも言うべきか。なにやら不安げに、そんな風に聞こえてくる。

今とはっては、ちょっとヌケが綺麗に決まっていない感じがするけれど、「そ〜しみ ふぁそらそふぁ〜」
憂いを感じさせる渋みのサウンドが、このオケに合っているように思うなあ。
沈みがちな音色が、ふわーっと浮かんでは、また沈み、また、風が起こって、立ち上がってくるような。
もや〜っとした、とらえどころのなさが、きっとこの楽曲の良さなんだろうなぁ。
この楽曲を、ブラームスが作曲したのは、1番から直ぐ後で、早書きだったと言われている。
牧歌的な雰囲気は持っているけれど、ふふっ。結構渋くて、オジンクサイことは確かだ。
聴き手が、オジン臭くなってこないと共感を感じないような楽曲だと思っちゃう。決して、格好良くないんだもん。しっかし、あの堅牢な1番の後の曲とは、まるで別人が書いたとしか思えないじゃん。

スウィトナー盤は、わりと自然に聞こえてくる。
ふわーっとした音の流れが、横線になってて、綺麗に揺らぎながら、たなびきながら流れていく感じ。
この流れは、やっぱりみごとだ。
フルートや弦の音色が柔らかく、テカテカせずに、控えめな色遣いで奏でられている。
カラヤン盤がゴージャスな西陣織だとしたら、スウィトナー盤は紬みたいなものかな。
結構、複雑に糸が絡んでて、一筋縄でいかないところがブラームスらしいけど、ホルンやトロンボーンの音色には、ついつい吸い込まれて、靄のなかで、まどろみながら〜
幻想的な絵巻模様を背景に織り込んでいくようだ。ふと、ワーグナーの楽曲をイメージさせられた。

2楽章
1楽章の最後で、なにやらワーグナーの楽劇を思い浮かべてしまったんだけど〜
この楽章も、まるでオペラの間奏曲のように聞こえてしまう。スウィトナー盤だと、ブラームスのシンフォニーのくせに、まるで、物語に付随した楽曲のように聞こえちゃうのだから不思議だ。
トリスタンとまでは行かないけど、ふふっ。やっぱ〜 不思議だなあ。
旋律が、歌曲っぽく奏でられているように感じるのだ。チェロ、ファゴット、弦の絡みが、人の動きに合わせて蠢いているかのように感じる。
弦が主題を奏でているように、あまり感じないところが面白くて、バックにはまり込んで歌っている。
木管があがりくだりする、その動きの方に耳がそばだつ。そこに弦が絡むんで〜 この上がり下りする動きが面白い。
やっぱ、2番って、メチャ地味な楽曲だけど、不可思議な幻想的な楽曲で、聴く度に、不思議感がつのって来ちゃう。
スウィトナー盤だと、劇的効果がバッチリで、余計面白く聴けちゃうような気がする。
これホントに、ブラームスのシンフォニー? って感じだ。

3楽章
これがホントの間奏曲なんだけど。田舎の宮廷音楽のような、ちょっとした舞踏風。
「どどれ〜 どどふぁ〜 ど〜どみ れしど ど・・・」
スウィトナー盤だと、ホントのどかで、かなり田舎臭いんだけど、微笑ましく感じられる。
「ふぁふぁみ〜 ふぁふぁれ〜 ふぁふぁみ〜 ふぁっふぁれ〜」
面白く楽しげなのだ。コミカルさもあって、軽快さを失っていない。「ふぁみ〜ふぁれ〜 ふぁみ〜ふぁれ〜」
音の厚みはあるのだけど、歯切れ感もあって、足取りが跳ね上がってくる。
どんよりした、まったり感が前面に出てこないところが、若々しく、草の香りがしててきて良い。

4楽章
う〜ん。この2番のなかでは、ワタシ的には晦渋な最後なのだ。
フルートが勝手に歌い出し、激しく爆発してしまう。速いっ。無窮動風のコラールにも聞こえてくるのだけど、いきなり怒りだしたかと思ったら終息して、のびやかなフルートが歌うし。
なんだか、暴れ馬的な最後の楽章だ。悲劇のような怒濤の楽章だけど、やっぱり歌う気持ちがあるようで、スウィトナー盤も熱い。熱いが、ころころと優美な木管のフレーズが気持ち良い。
聞き込めば、もっと心地よさが出てくるように思う。

「チャチャぁーチャ チャチャチャチャ チャチャぁーチャ チャチャチャ」と、脳天気っぽく歌うところと、粘りを持って終息させるところの対比も、みごとだと思う。
歌うところと、歯切れ良さと、結構バランスが取れているのか、ワタシ的には聞きやすい一枚だ。
確かに牧歌的だけど、この最後は、メチャ熱くて爆発的だけど〜 う〜 難しい楽曲だ。
なんだか、カラダが巧く動かなくって、イライラしているかのような・・・。おじいちゃんの癇癪が、爆発しているみたいにも聞こえてくるんだけど。なーんかなあ。優美な感じは少ないし、地味なことは地味だし。
つかみどころが、うーん。難しい。歳をとれば、この曲が解るのかもしれないけど〜。
でも、スウィトナーさんの演奏は、バラエティに富んでいて、面白いデスね。

総体的に、スウィトナー盤は、カラヤン盤のような派手さはないが、軽妙だが劇的、オペラ的。
1・2楽章は、牧歌的で、もわ〜っとした靄のような揺らぎが、楽しめて聴ける。
3楽章は間奏曲。4楽章は、どことなく悲劇っぽいオペラの終わりみたいである。
アプローチとしては、どうかと思うし、ブラームスのお好きな方には、え〜変だよ、と言われそうだけど。
ワタシ的には、個性的だが嫌みなし。楽しく聴けることは、嬉しいしシアワセっ。 そう思う。


アバド ベルリン・フィル 1988年
Claudio Abbado
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

まっ こんなモン


録音状態は良い。とても軽やかで、のどか〜な雰囲気を醸し出しており、意外とこの楽曲にマッチしていると思うものの、どっちつかずの中途半端な感じがする。
← カップリング:ブラームス交響曲全集、ハイドンの主題による変奏曲、悲劇的序曲、大学祝典序曲、アルト・ラプソディ、運命の歌、悲歌、運命の女神の歌

1楽章
この楽曲は、冒頭が、命って感じの楽曲である。
「みれみ そぉ〜しぃ み〜み ふぁそふぁ みぃ〜 しどれ みぃ〜そぉ ふぁ〜しみぃ〜」
「ふぁ〜ど どぉ〜ふぁ そふぁそ らぁ〜 ふぁみれ みぃ〜れ どぉ〜ら ふぁしれ どぉ〜ふぁ ふぁし ふぁぁ〜」
なんか、もの足らない腰の弱い出だしだ。どっか、フルートの音色が安定しておらず、震えている。(ような気がする)
もっと、ホルンの音色と木管のハーモニーを期待していたのに・・・

チェロの第2主題  「れぇ〜 しどれぇ〜 しど そふぁみ れどれみ〜」「どれみ〜 どれみ〜 どら〜そふぁ しらぁ〜」
シルキーなチェロの音色は、かなり聴き応えがある。
弦の響きは良いのだが、木管が綺麗に聞こえない。低弦の響きが勝ってしまうと、奥行きがペタンとしている。低弦が去ったあとは、木管が前に出てきてくれるので、まあ、綺麗には聞こえるが・・・
チェロの主題の繰り返しは、とっても嬉しく、少し甘めが加わってくる。
で、この影の部分と、「すーっとえみふぁ しぃ れみふぁ みふぁそ みふぁそ ふぁそらぁ〜っ」と、伸びやかに、晴れ間が垣間見られるシーンも美しい。くすんだ、どこか鬱屈してて〜 という要素を残しているのか、すかっと、存分に伸びてないところが〜 なかなかに屈折してるかも。
しかし、天下のベルリン・フィルだから、音の受け渡し方が雑っていうわけではないだろうけれど〜どこか、ぴたっと噛み合わさっていないというか、フレーズとフレーズに隙間が見えちゃう感じがするのだが、気のせいかな? 
なんか、木管がうねっとしてて気持ちが悪い。

2楽章
ワタシ的には、この楽章のフレーズが、間断なく続くと、もわぁ〜っとした雰囲気が立ち上ってきて、とても苦手である。
「そぉ〜ふぁ〜 み〜れどぉ〜  そぉ〜ふぁ〜 れぇ〜しどぉ〜  どぉ〜ふぁ ふぁそみ ふぁれみどぉ」
「どそどみ どそふぁ〜れ そみふぁ〜 ふぁ れ〜みぃ〜」
チェロの主題であり、音質、色で、見えてくる風景が全く異なってしまう。
フレーズのうねりが、歌謡風に歌わないと、きれめなく、ずるずるーっと、息継ぎなしで、「そらえふぁれ それふぁれ・・・」と歌わないとイケナイ羽目になる。
主体となる楽器は、どこに居るの? と迷子になりそうな雰囲気だ、
コントラバスの響きも、きっちりと入っているんですけど、もっと歌ってもらって良いのではないかなあ。
強弱が同じようになってて、凸凹感がないというか、何もかも浮いてこない感じ。
アバド盤は、ヴァイオリンが出てくると美しく輝くが、そこまでは、ちょっと・・・ もたっとしている感じがした。
ちょっと整理しないと聞きづらい楽章だ。

3楽章
シンプルで、キュートなフレーズの詰まった楽章である。
「どどれぇ〜 どどふぁ〜 ど〜どみ れしど どど れどし ら れどし ら・・・」
「ふぁっふぁ みぃ〜 ふぁっふぁ れぇ〜 ふぁっふぁ みぃ〜 ふぁっふぁ れぇ〜」
木管のフレーズは、もう少し転んで欲しいのだが、チェロの合奏が入ってくると、アクセントをつけてなだらかに滑る。

4楽章
ブラームスの交響曲第2番の4楽章は、1番の最終楽章のように歓喜の声をあげる。
で、それが、楽章の冒頭から、いきなりなのだ。大音量で、びっくりシンフォニーさながらである。
へ? 病気じゃないの? と思うぐらい、ワタシにとっては、とっても変な感じで、ちょっと、つきあいづらい。
2楽章で、青春時代特有で悩みまくり〜 3楽章で恋人でも見つけたのか、4楽章は結婚の約束できたの? と言いたいけど、ひとり勝手に感極まって踊りまくられてもねえ〜
ベートーヴェンの合唱の最終楽章のように、なんで〜 どうして〜 こんな最後で、はじけることができるのか?
ワタシ的には、とーっても疑問で、ブラームスさんは、よく、ワカラナイ人に近い人物なのだ・・・。

で、演奏も、突然大音量で噴き上がる場面がある。
まあ、スピード感も出て、楽しそうなのは、とっても伝わってくるが、かといって流麗で、美しい・・・っと、ため息が出そうなほど、惚れ惚れとはさせてくれない。
ラストに向けての盛り上げは巧いが、フルートが入ってきて、柔らかさが醸し出されたかと思ったら、ティンパニーは、硬いデカイ音で入ってくるし、低弦の響きも大きい。
ヴァイオリンは、しなやかさよりも、エッジが立っていて鋭さが勝っているようだ。
ファンファーレの場面は、トランペットは巧いしハーモニーが美しいが、ラストだけでは・・・。う〜ん。ちょっと。
すーっと風が通るような、雰囲気も少しは感じるのだが、やっぱ、どことなく硬さがとれておらず、また、すーっと自然と心が広がるような演奏でも、ちょっと違うようだ。
どこか、ぎこちなく、のびやかに振る舞っている、ふりしているだけのような〜
やっぱ中途半端な演奏に感じてしまいました。


1909

C・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 1988年
Colin Davis
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)

いかさねぇ〜

録音状態は、良いように思うのだが、なんか音の厚みに欠けているようで、う〜ん。デッドというか軽いというか。冴えない。
中庸的演奏とも言い難いし、なんて言えばよいのか困る。
ブラームス 交響曲全集、ピアノ協奏曲1番、2番(オピッツ)、ヴァイオリン協奏曲(竹澤恭子)5枚組BOX

1楽章
「みれみ そぉ〜し み〜み ふぁそふぁ み〜」「しどれ み〜そ ふぁ〜し み〜」
「ふぁ〜ら どふぁ〜 そふぁそ らぁ〜」「ふぁみれ み〜れど〜ら ふぁしれ ど〜ら・・・」
とにかく、冒頭のホルンとフルート のフレーズが、とっても印象的で、牧歌的な雰囲気が、一度に広がってくる楽曲である。
バイエルン放送響なので、のびやかな明るめの音色が楽しめる。
「し〜らし〜 し〜らしそふぁみしみそし み〜 れど し〜らしそ ふぁみしみそしみ〜」
「ふぁ〜みふぁみれど そふぁそふぁ・・・」
弦の響きも綺麗ではあるが、木管についつい耳が行ってしまう。
木管の良い響きが聞こえてくるのは嬉しいのだが、せっかく弦の音が綺麗なオケなのに聴きどころが、う〜ん、硬いのかしらん。薄いのかしらん。
ワタシ的には、まろやかさ、シルキーさが、ちょっと足らないような気がする。
チェロの甘いフレーズ 「れ〜 しどれ〜 しれそふぁみ れどれ み〜 どれみ〜 どれみどら〜そふぁ」というところも、充分に、前に出て歌ってくれない。すっきりした旋律美を持っているの に、もう少し歌って欲しい。金管や木管のフレーズや、普段、耳に届かない伴奏型のフレーズの方が耳に飛び込んでくる。
そういう意味では、耳にはご馳走って感じもするが、肝心の主旋律の方が、弱く感じるんだよなあ。
秋の夕暮れ時という場面というよりも、少し暖めの色彩感覚を、ワタシが期待していたからだろうか。
金管が大きく鳴ってくるところは、大きな夕陽が落ちるって感じなのだが、ちょっと地味だが、和音の響きが美しい曲である。だけど〜 なーんか薄い。

2楽章
ちょっと寂しく、「そ〜ふぁ み〜れど そ〜ふぁ れ〜しど ど〜ふぁふぁ そみれみ・・・」
チェロの響きが、たれん〜っとして下がってくるフレーズである。物悲しい楽章だ。
木管の溜息のような音と、弦が絡むフレーズ 「そ〜ふぁ〜み れどし そふぁ〜れしど どふぁそみ〜」
ゆったりとしたフレーズのなかで、奥でホルンが柔らかく鳴る。
木管と金管のまろやかな響きより、う〜ん。霞にかかった、ぼんやりした雰囲気がする。
改めてじっくり聴くと、ムズカシイ楽章だなあと思う。
いろんな楽器が、断片的に流れて来て、フレーズが絡んでいるのだが、どことなく隙間が空いているような感じがしちゃう。何故なんだろう。ホルンが柔らかく包み込んでくる楽章だと思っていたのだが。
最後は熱くなって終わるが・・・。

3楽章
「どどれ〜 どどふぁ〜 ど〜どみ れしどど れどし らふぁそみ ら〜れどし らふぁそ ふぁっみ・・・」
オーボエのフレーズが、とっても温かく可愛い。フルートとのかけあいが、まろやかな響きを醸し出す。
それが終わると、テンポを速めて、タタタタ タタタタ・・・と、「ふぁふぁみ ふぁふぁれ ふぁふぁみ ふぁっふぁれ〜」と、スキップしてくるが、「ふぁふぁっみ〜 ふぁっふぁみ〜 ふぁっふぁれ〜」と、語尾をちょっと強めた、レガート気味のリズムが心地良い。
ここのオーボエは、ちょっと平たいが良い音である。やっぱ良い音だわ〜と、バイエルン響の響きに、うっとり。録音状態は良いような、ちょっと靄がかかっているような。不思議な感じがする。
もっと音質が明るいのかと思っていたんだけどねえ。もう少しクリアーだったらなあ。
演奏は良いのだが、中庸的。静かで、ぐっと来る濃厚さに欠けてるので、なにかひと味足らないような、コクがあるというよりは、やっぱ薄口で〜 あっさりした感じが否めない。

4楽章
静かに「み〜 れみそ しどしれ みそしら  そらしふぁ どそしふぁ どそしふぁ〜っ」「しふぁそ れ〜ふぁどみれどし しふぁそ〜れ〜ふぁどみれどし」と小声で喋っていると思っていたら、いきなり 唐突にティンパニーが、ガシッと入ってくる。
じゃ〜 ジャジャ 「しっし〜しっ みっみ〜れ しれっ・・・ふぁどみ ふぁどみし」と、爆発。
でも、この盤では、なんか中間の音が抜け落ちてしまってて、バランスが悪いんじゃーないかと思う。
木管の奥行きは良いのに、弦の中音域と低弦の響きが薄い。のっぺりした和音に聞こえるのだ。
えっ こんなフレーズだっけ。なんか音足らないような気がする。

「れっれぇ〜し れどしど れっれ〜ふぁみどらど らしれし〜」と、ヴィオラとチェロのフレーズが聞こえてくるのだが、力が無いのだ。なんとも、頼りなげに聞こえてくるんだけどなあ。
快活な楽章だし、踊るような、滑るテンポが、なんとも〜 パワー不足だ。活き活きした旋律が、どこかアヤシイ霞に呑み込まれたようで、う〜ん。 力任せに鳴らせているわけではないだろうが、コーダ部分は、さすがに熱くは鳴っているのだが、なーんか、熱意が無いというか、訴えて来るモノが少ないというか。

いずれにしても、1楽章から、どーも、音の密度が薄いような感じがして〜終わってしまった。
重厚なブラームスが、なんとも薄口っていう印象を受けるのは、う〜ん。どうしだろう。
音の中音域、低音域が、抜け落ちてしてしまっているようだ。 ミキシング時のバランスが悪いのだろうか。
ワタシの耳では、ちょっと解りませんが、悪く言えば、ふぬけた感じがしちゃう冴えない演奏でした。
ワタシ的には、中庸と言われる演奏は好きな方だが、ハイティンク盤の方が、コクがあるし、引き締まっているような気がする。だから、中庸的な演奏とも言い難いし〜  ちょっと表現に困っちゃいます。
やっぱ冴えないとしか言いようがないかも。


ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 1988年
Riccardo Muti
Philadelphia Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。とっても流麗で、ゆったりとした間合いの美しい、ふくよかで、しなやかで〜余裕があって〜カンタービレの効いた芳醇な香りが漂う演奏だ。
シルキーな音に包み込まれて、とてもシアワセ。2番って、こんな美しい曲だったの〜と感動しちゃった。
カップリング:ブラームス 交響曲第2番、大学祝典序曲

1楽章
冒頭の「そぉ〜しぃ みぃ〜み ふぁそふぁみ」 「しどれ みぃ〜そぉ ふぁ〜しみ〜」
「ふぁ〜ら どぉ〜ふぁ そふぁそ らぁ〜」「ふぁみれ みぃ〜れぇ どぉ〜ら ふぁしれ どぉ〜ら ふぁしふぁ ど〜ふぁ」
ホルンの優しい音色と、それに呼応するフルート 弦の寄り添い方が、大変優しい。
で、続くチェロの主題に入っていくところが、とてもスムーズで、ふわっとした間合いを持った、弱音の美しさがある。
ヴァイオリンの「ふぁみれどし ふぁみれどし・・・」っと段々と力強く、河の流れのように、押して、強く、膨らんで〜
そして、静かになっていく。
チェロの第2主題  「れぇ〜 しどれぇ〜 しれ そふぁみ れ どれみぃ〜」「どれみぃ〜 どれみ どら〜そふぁ しらぁ〜」
この柔らかいシルキーなチェロの音色は、かなり聴き応えがある。
音質だけでなく、音の強弱、細さと太さ、横への広がり、特に、弦の静まり方の妙技が、すごい。

それに、金管のふぁぁ〜っという、吹き方まで、細部に神経が行き届いており、それでいて神経質ではなく、柔らかいなかに、余裕が感じられるというか。言葉では言い尽くせない・・・。
弦が、か細く弱い音で奏でられているなか、すーっと通っていく木管のフレーズを聴くだけで、耳のご馳走、醍醐味である。
また、ホルンの主題が戻ってくるところでの木管と弦の音の受け渡しが、とても美しい。すごく巧いっ。

ホント、ムーティ盤は、大変美しく、芳醇な香りを漂わせて演奏が進む。
間合いの美しさというか、ほのぼのとした空気感のなかに、すーっと風が通っていくような、音と音のなかでの、たたずまいの美しさを感じる。

ブラームスと言えば、北の冷たい空気が、凍ったような大地をなでるように通っていく・・・  厳しく、タイトで、ホントに冷え冷えとしたなかで、シーンっとした張り詰めた感覚。ギリギリとした、痺れたように、緊張の続く、息苦しい演奏もあるのだが、このムーティ盤は、そんな演奏とは真逆である。
ふぁ〜っとした、雅びで、エレガントで、品の良い音だ。余裕があって、すわーっと広がっていく、目に見えない部分、音と音の間合い、そこに、細やかな気配り、神経が研ぎ澄まされる。
幾分暖かい空気感が、のびやかに広がっていくような嬉しさ。シアワセ感。
あぁ〜 これほど、美しい歌い方で、良いのだろうか。こんな芳醇なブラームスの2番を、未だかつて聴いたことがない。
夢見心地のような、あっという間の1楽章だ。この1楽章だけで〜 もう十分に幸福感に包まれてしまった。

2楽章
チェロの息の長い主題がある。 「そ〜ふぁ〜み〜れど〜 そ〜ふぁ〜 れぇ〜しど」
「どぉ〜ふぁそみ ふぁれみど そどみ そ ふぁ〜れ そみどぉ・・・」
色調が長調というよりも、短調なのだが、どことなく明るいような、沈んだような〜 くすんだ感じの雰囲気が不思議だ。
ホルンの 靄にかかったようなフレーズが、そこに重なってくる。
木管の「ふぁ〜 ふぁ〜 れそれ ふぁれそれ ふぁ れ そぉ〜 ふぁれそれ・・・」
もわもわ〜とした心情が、ちょっぴり悲劇的に演奏されており、主人公の苦悩が、ちょっぴり垣間見られる。
ヴァイオリンのフレーズが入ると、ホルンに包まれて、ほっと息をついたような、素朴な日常のシアワセを取り戻したかのような感になっていく。

いつもだと、この2楽章が、ワタシにとっては鬼門なのだが〜
弦の静かに燃えるような主題が、このムーティ盤だと、悲劇的な雰囲気を幾分オーバーに、そして、主題の側面が、心情のように、浮かび上がらせてくれる。
なので、他盤より、この楽章の言いたいことが、なーんとなくわかった感じになってくる。
この楽章は、他盤だと、平坦な演奏が多いように思う。いつも、この楽章は、何が言いたいのか、どこを聴いたら良いのか、ちょっと混乱するのだ。
整理ができていないというか。もわもわ〜 この2楽章って、いつも、靄にかかったように、はっきりしないのだ。
ムーティ盤で聴くと、ひときわ、劇的要素を加えてくれているので、ここにおける心理状態(みたいなモノ)が、ちょっとは解ったかもしれない・・・。

3楽章
「どど どれ〜 どどふぁ〜 ど どみ れしど ど れどし ふぁそみ ふぁそし ら ふぁみ〜 ふぁみ〜」
チェロのほのかに甘いピチカートのうえを、木管のハーモニーが大変美しく奏でており、とても音が安定している。
オーボエの音色が、ツーンっと冷たい音質ではなく、とても柔らかい。
また、クラリネットの甘さが添えられており、大変、まろやかに響いており、ホルンと木管のコラボレーションが、大変、美しく、響いてて牧歌的。
そこに気分を変えて、軽やかにスケルツォが始まる。「ふぁふぁみ〜 ふぁふぁれ〜 ふぁふぁみ〜 ふぁっふぁれ〜」と、滑るかのようなフレーズは大変チャーミングだ。
奥行きのある録音なので、音の反響がとても気持ち良く、倍音のように響く。
低音の弦の響きも、重厚さを増してくるし適度に硬さがあるが、特に、中音域の弦と木管の、ほのかに甘い響きだろうか。この香りの高い芳醇さは、う〜ん。すごい。間接的な、極上のシルキーな響きに包まれる。
牧歌的で、素朴な楽章なのに、これほどの幸福感、極上感を味あわせていただくのって、とってもシアワセだ。

4楽章
遠くから歓喜の声が聞こえてきたかと思ったら、いきなり、舞曲風に歌い出す。
「みぃ〜 れみそしどしれ みそしら そしみそ ふぁどみし ふぁどみし・・・」
他盤だと。えっ いきなり酔っ払いが乱入したのか? というような唐突さなのだが、ムーティ盤だと、まあ、まろやか。
がなり立てるオヤジ風でもなく、酔っ払いの闖入でもなく。角が取れたまろやかな響きで、歓喜の声を、静かにあげる。
あまり陽気すぎず、賑々しくもなく、あくまでも品良く、騒乱という感じではない。
この楽章に至るまでの、あの牧歌的で、日常的な幸福感は、どこへ行ってしまうのだろう〜と、ぶち壊してしまう、ぶっ飛びのど迫力演奏が多いのだが、まあ、ムーティ盤だと、楽章間のつながりは図られており、落ち着いていると言える。
金管のキンキン声で、歓喜の歌を歌い上げるというよりは、チェロを主体にした弦の美しさが、際立っている。
弦のまろやかさが損なわれることのないように、金管は、幾分控えめだ。
あ〜 こうでなくちゃーっ。

総体的には、大変まろやかで芳醇な演奏だと思う。幾分、音像が甘いところがあるが、このムーティ盤で聴く音は、大変芳醇で、コクがある。フィラデルフィア管弦楽団の音質の良さが、最高潮に達したかのような〜 とっても嬉しい盤である。
渋い色調ではなく、どちらかと言うと、軽い絹織物のようなエレガントさ。といっても、派手ではなく、テカっと彩度の高い演奏でもない。ふわっとした、スムーズで優美な弦の音質が、とても美しい。
ブラームスとしては、どうか。と言う声もあるだろうし、まあ、専門家のセンセイは、眉をしかめるに違いないが〜
凍って、凍てついた大地に、這いつくばるような暮らしをしているわけでもないワタシにとっては、美音に包まれた、この演奏は、最高のご馳走という他はないと思う。
これだけ、よく歌い、カンタービレの効いた、しなやかで、流麗な演奏は、何ものにもかえがたい。

2番の牧歌的な要素が、あまりに素朴すぎて田舎クサイ演奏や、酒乱のおじさんの狂乱が始まるかのような、超賑々しい最終楽章の演奏よりは、2楽章や3楽章のチャーミングな面もクローズアップされている。
ワタシ的には、なんだか、ようやく2番が好きになってきたように思います。
もう〜 最高っ。大変嬉しい演奏でした。拍手〜っ!


0478

ジュリーニ ウィーン・フィル 1991年
Carlo Maria Giulini
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)



録音状態は、まずまず。とびっきり良いとは言いがたい。
艶やかなウィーン・フィルの演奏をイメージしちゃうと裏切られるし、演奏は、完全に枯れている。もちろん、晩年の演奏だけに遅い。
遅い〜 メチャ遅いっ。聴き手も晩年と言われる時期に聴く1枚かもしれない。

1楽章〜4楽章
2番って、ホント地味な存在なのだけど〜 この盤は、それ以上に地味すぎ。まるで老境だ。
結論から言っちゃうと〜 ジュリーニ盤を聴くと、ホント、聴き手にとっても、最晩年に聴く1枚かもしれないな〜と思ってしまった。
おじいちゃんになって、椅子に座ったまま転けて、コトンっと息絶えて死んじゃった〜と、いう感じになってしまう。それで本望と思う方には、どうぞ聴いてくださいっという感じの1枚だ。
しかし、ワタシ的には、どうも、そういう心境には至っていないので、受け付けづらい盤となっている。
今は、とっても聴けない。ホント聴けない。聴いてはダメという1枚である。

歌心は、あると思う。あると思うけれど〜 心拍数より、ずーっと遅め。心臓の鼓動としては、やっぱおじいちゃんなのである。
血気盛んなワカモノには、とーっても、ついていけない1枚だと思う。
このスピードは、違和感があると思うし、なんじゃー これっ。と思っちゃう盤になってしまうかも。
ホント、それは、不幸なことだとは思うんだけどね。
しかし〜 やっぱ、これは20代〜40代の働き盛りには危険だよ。60代でも、うーん。どうかなあ。
この心境に至れるとは、思えないよなあ。
70代から聴き始めると、うーん。そろそろお迎えが来ちゃうな〜と、ゲンが悪いかもしれない。

で、ウィーン・フィルだからと言って、艶やかなサウンドをイメージしちゃうと、これまた裏切られる感じがする。弦主体の構成だとは思うけれど、とびっきり歌うわけでもないし。カンタービレ調とは言い難い。
スピードがなにせないため、進まないのだ。
推進力に欠けているため、全体的に枯渇した感じで停滞感がある。
活き活きと、快活に進むわけではないので、脱力感に襲われる。衰弱しちゃった感じがする。
ホント、椅子に座ってコロンっと息絶える、その間近かって感じの演奏なのだ。
思わず、うーん。2番としてはどうなのか、この演奏に共感できるか。唸ってしまう。
完全に拒否するわけにもいかないが・・・。
ここまで枯れてしまってて、動きが少ないと、生きた感覚が無くなる感じだし、そこまで達観した2番だと思えるかと言われたら、う〜ん。無理 なのだ。3楽章なんて、ほんと、可愛い楽曲だと思うしね。
単なる遅いだけじゃん。と言ってしまうのも乱暴なんだけど、聴いてて共感できるかと言えば、否なのだ。横の線が綺麗に波打たず、聴いている方が、力が萎えてしまう。
なんでーこんなに遅いんだろ。
歌うのも、やっと・・・という、力の無さ、虚脱感を感じるぐらいの歌なのだ。
息づかいも浅めだし、密度が濃いとは言い難い。これだけ遅いと、弦はまだしも、息が続かないためか、隙間が空いてしまう。きっと、木管もホルンも、こりゃ〜吹いてて疲れるだろうなあ。と、気の毒に思っちゃう。とりあえず、力の入れ方が、オン・オフと、区切られ、メリハリつけて鳴ってないため、間が持たない。
聴いてて、正直しんどい。カラダから水分が抜けてしまう感じがする。

4楽章も、前3楽章から、ちょっと甦ってきた感じがするが、最後の弱々しい動きが、悲しげに聞こえる。
喜怒哀楽に動きが、あまりないんだよね。かといって硬いわけじゃーないんだけど。
歌があるだけに弱々しい。弱々しく感じる。あの世への直前、風前の灯火・・・。
精一杯、最後は歌って、奏でてくれるんだけど、あー そこまで頑張らないで〜と思ってしまうほど、涙ぐましくなっちゃう。
やっぱ、椅子のうえで昇天かなあ。こんな心境で、コトンと行けば、幸せなんだろうけど。
ワタシ的には、80歳から、そろそろ聴こうかな〜って思う1枚だ。
(それまで、この盤が錆びず、黴びも生えず、無傷で保管できるかどうか心配だけど。笑)
とにかく、まだまだ、生臭く〜 逞し〜く、生きていこうとする方には、あまりお薦めしません。


1959年or60 モントゥー ウィーン・フィル Dec  
1960年 ワルター コロンビア交響楽団 SC  
1964年 ケルテス ウィーン・フィル Dec ★★
1966年 バルビローリ ウィーン・フィル EMI  
1973年 ハイティンク コンセルトヘボウ Ph ★★★★★
1972年 ザンデルリンク シュターツカペレ・ドレスデン De  
1977年 カラヤン ベルリン・フィル G  
1979年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec  
1982年 バーンスタイン ウィーン・フィル  
1983年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★
1984年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン DS ★★★★★
1988年 アバド ベルリン・フィル ★★★
1988年 C・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 ★★★
1988年 ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 Ph ★★★★★
1991年 ジュリーニ ウィーン・フィル ★★★
1991年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI  
1996年 ヴァント 北ドイツ放送交響楽団
2006年 ハイティンク ロンドン交響楽団 LSO

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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