「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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ブラームス 交響曲第4番
Brahms: Symphony No.4


ブラームスの交響曲第4番ホ短調(作品98)は、1885年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

第1楽章 ホ短調 2/2拍子 ソナタ形式
ヴァイオリンによって、3度下降の連続、その後6度上昇の連続という動機による第1主題が奏でられます。続いて、チェロとホルンが旋律をロ短調で大きく歌います。木管と弦が緊張を解くように掛け合うと、木管が、三連音を使ったなめらかな第2主題をロ長調を演奏します。展開部は、第1主題が原型のままに、再現部は、木管が寂しげに第1主題冒頭を再現します。コーダに入り、第1主題がカノン風に強奏され、悲痛に終わるもの。

第2楽章 ホ長調 6/8拍子 展開部を欠いたソナタ形式
ホルン、木管が鐘の音を模したような動機を吹きます。これは、ホ音を中心とするフリギア旋法です。
弦がピチカートを刻むうえに、この動機に基づく第1主題が木管で奏されます。ヴァイオリンが、第1主題を変奏すると、三連音の動機で盛り上がり、チェロがロ長調の第2主題を歌います。弦の各パートが対位法的に絡み、非常に美しいもの。再現部は、劇的に変化し、第2主題の再現は、8声部に分かれた弦楽合奏による重厚なものです。
最後に、フリギア旋法によるホルン主題がもどって終わります。

第3楽章 ハ長調 2/4拍子 ソナタ形式
スケルツォ的な楽章で、第1主題が豪快に奏されます。ヴァイオリンによる第2主題は、ト長調で落ち着いた表情のものです。展開部では、第1主題を扱い、トライアングルが活躍します。ホルンが嬰ハ長調でこの主題を変奏し、穏やかになるが、突如、第1主題の途中から回帰して再現部となり、コーダでは、ティンパニーの連打のなか、各楽器が第1主題の動機を掛け合い、大きな振幅で最高潮に達するもの。

第4楽章 ホ短調 3/4拍子
バスの不変主題の上に、自由に和音と旋律を重ねるシャコンヌ(一種の変奏曲)の楽章です。
管楽器で提示されるパッサカリア(シャコンヌ)主題は、8小節で、楽章全体に、この主題と30の変奏とコーダから成り立っています。

古い様式に、独創性とロマン性を盛り込んだ、円熟した作品と評されています。渋いけれど優しい楽曲だと思います。

ザンデルリンク シュターツカペレ・ドレスデン 1972年
Kurt Sanderling
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

満足っ満足っ

録音状態は良い。渋いブラームスの代名詞的な存在のCDで、昔、ありがたく聴いていた。カップリング:ブラームス交響曲第4番、ハイドンの主題による変奏曲
そのため個人的に、妙に懐かしく感じられる。最近、デンオン・クラシック・ベスト100として、高音質Blu-specCDが発売されているようである。

1楽章
このCDは輸入盤なのだが、その昔、LP時代に聴いていた懐かしい盤である。
その当時は、ブラームスの肖像画がジャケットのデザインで、日本では、DENON(日本コロムビア)から発売されていたように思う。ブラームスって言えば、この盤でしょう〜って感じで、ワケがワカラナイまま、超ありがたく拝聴していた演奏である。
だから、個人的に思い入れが強いというか、強いというよりは懐かしいというか、いぶし銀だの、枯れた音色というか、これが、カペレの音色だ〜!と、聴いていたように思う。
今では、弦の音に、色艶のある演奏の方が好みになっているし、あれっ? 若い頃の方が滋味好みだったのかしらん。
と、今更ながらに驚いているが、好みは年齢と共に変わることもあり得るし、音楽評論家さんたちの受け売りもあるし、思い込みで聴いていた演奏なのかもしれない。

録音状態は良い。幾分、乾いた感じを受けるが、余韻があり、音色にも文句はない。柔らかい木管の響きがある。
妖艶とも言えそうな色艶のある響きではなく、渋い、おじいちゃん風の枯れた味わいで、相当に滋味なのだ。
じみーっ とは思うのだが、単に、素朴とは違ってて、穏やかに、心の底が安定しているというか、自然すぎて気がつかない間に、ふわーっと音が流れていく。
聴いているのか、聴いていないのか、わからないぐらいに、引き込まれているというか、← めちゃ矛盾したいい方だが。
特に、なにがあるわけでもないんだが〜 
かといって、つまらん。という演奏ではないので、なかなか良さを言葉で表現しづらい。

2楽章
「ふぁ〜ふぁ〜 そら ふぁ〜ふぁ〜 そら ふぁ〜」
「ふぁ〜そらふぁ〜 み ふぁれふぁど みふぁれふぁど〜そどそみ〜」と、淡々と流れていくのだが、それが、自然すぎて怖いぐらい。柔らか過ぎず、堅すぎず、艶があるわけでも、滋味過ぎるわけでもなく、う〜ん。
軽すぎるわけでもなく、すーっと入ってくる弦の響きが、空気のように自然に絡んで、通り過ぎていくのだ。
夢見心地よさもあるが、いや、しっかりと刻みも入ってくるし、しかし、いやらしくない。
いかにも、ずーっとそこに居ました。的に、気づいたら音が流れています。という感じで、音の流れが、不思議な空気感と、不思議な時空間を醸し出している。特に、低弦の響きが相まって来るシーンに入ってくると、ますます、空気の層が厚みを増してきて、 ぐぐ〜っと圧がかかり、静かに高揚する。
で、とーっても自然な、ナチュラルな呼吸ができて、とってもシアワセな気持ちになる。

ブラームスの4番の2楽章は、とってもシアワセ感が漂っており、満喫できる楽章だ。
このザンデルリンク盤も、ワタシにとっては、最高級のシアワセ感を与えてくれるものである。

3楽章
幾分、ゆったりとしたテンポで流れていく。
「どしらそ ふぁそ どしらふぁれみ ら〜  ららら そそそ みみれ・・・ そ〜 ふぁみふぁそっ・・・」
切れ味が悪いというよりは、おっとりした感じだ。
もう少し、活き活きとした感じがあれば、ワタシ的には申し分がないのだが、重量感があり、喫水線が深く、推進力よりも沈む感じする。
音に艶が少ないので、幾重にも深い織り込んだ襞があり、それが、微妙に揺れており、その重なりが楽しいのかもしれないが、人によっては、妙に暑苦しいと感じかもしれない。
ホント、音の響きは乾いた渋みがある。

4楽章
前楽章に続いて、渋みのある音の響きだ。
木管の響きが高く通っていくが、苦みのある渋さとは、少し乖離している。
弦の穏やかななフレーズは、歌謡風で、耽美的に流れていくのが普通なのだが、ザンデルリンク盤では、ちょっと、歌う気持ちは少なめ。夢のような世界は広がっておらず、しっかり地面に足はついている。
でも、精一杯、まどろみ感というか、フルートの響きが、田舎の風景を描き、風が懐かしさを運んでくる。
穏やかさと、素朴さ、懐かしい風景、郷愁、心の翳りを感じさせつつも翳りを見せない、自然な微笑み。
色の濃淡の強い演奏ではない。

総体的には、真っ白ではない、白すぎない漆喰色というか。きなり色というか、アイボリー色の演奏だ。
布で例えると、コットン100%で、幾分ざらついた木綿の風合いを持った演奏だと思う。で、妙に懐かしい〜。
バーンスタイン ウィーン・フィル 1981年
Leonard Bernstein
Vienna Philharmonic Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。ライブ盤だが、完成度は高い。勢いもあり、シャープでもあり、品も良いし、まろやかな芳醇な響きもあり、うっとりさせられる。
カップリング:
1〜4 ブラームス 交響曲第4番
5 ブラームス 悲劇的序曲
1楽章
柔らかい質感のあるブラームスで、さすがにウィーン・フィルの演奏だと思う。
ワタシの場合、90年代後半、ヴァントさんと北ドイツ放送響の演奏で、凍てついたツンドラの光景の広がるようなブラームスを聴いて、ぞーっとしたことがある。特に、4番は、まったりした演奏で聴きたいものだ。
「しそ〜 みど〜 らふぁ〜 れし〜 みみ〜 そし〜 れれ〜 ふぁら〜 ど〜しどら〜」という冒頭のシルキーな音色で奏でられると、ちょっと、舞い上がってしまうような気分だ。
ブラームスは、この音色でなければ〜という方も多いかもしれない。
バーンスタイン盤は、冒頭のシルキーな音のなかに、ちょっぴり、寂しい雰囲気が漂っており、弱々しさ、儚さみたいなものが感じられるのだ。う〜ん、美しくも悲しい・・・という、独特な雰囲気がしている。
木管のフレーズも美しく、弦とのバランスが絶妙で、高音域のすきとおる音色が、そして、チェロの甘いフレーズが、絡み合って美しさを倍増させていく。
フレーズの受け渡しのふっとした合間も、弦の入りも、ふっと、間が開いているのだ。これが、また巧いっ。
そして、ねっとりした演奏でもなく、乾いた演奏でもなく、弦のピチカートも、主旋律と副旋律のバランスも、絶妙だと思う。
ティンパニーは、結構、硬めで、バンバンっと、叩かれてインパクト大だ。
金管のパッセージも、鋭いが、柔らかいまろやかな響きで、いやーっ とても美しいバランスだと思う。
展開部では、3連符が畳みかけるかのように、エネルギーを貯めてくるのだが、ここでも、ゆったりとしているので、眉をしかめなければならないほどの悲痛さはない。
楽章の最後では、タメも十分で、ティンパニーの音と、金管の鋭い吹きを入れて壮大に終わっている。

2楽章
「み〜み〜ふぁそ み〜み〜れどみ」というホルンの音色に、木管が絡む。
このオーボエは、ちょっと、ペタンとした音なのでインパクトがあるものの嫌みはない。ホルンのまろやかな残響が残したまま、優しいフレーズで流れて行く。
クラが、少し暗めに主題を吹いていく。
テンポはゆったりしており、少し粘り気のあるものだが、木管と弦の音色を聴いていると、うっとり。
息づかいが深めで、秋の終わりになって、ちょっぴり寂しさを感じながら、昔を懐かしむというようなノスタルジックな光景が浮かぶ。粘り気は少ないが、郷愁を胸に秘めた、切々とした演奏で、後ろ髪を引かれるような感じ。
フレージングのゆったり感は、ここでは、執拗に感じない。情緒たっぷり系なのだが、音自体はさっぱりしている。
木管の音質などは軽めなので、音の密度が高いというわけではない。濃密、濃厚というよりは、息づかいが深いという感じだろうか。後に、ひきづった感じがしないので、さらっと、共感を感じる。

3楽章
メリハリのある演奏で、結構、速い。
「どっ しらそ ふぁそ どっ しらふぁ れみ らぁ〜  ららら そそそ みみれ・・・」
金管は短く鋭い。ティンパニーは大きめに叩かれており、金管は特にシャープで、勢いを持って吹かれている。
で、すぐに終息して、弦のフレーズになると、ゆったりしてるが、羽根がついたように軽やかになっている。
ブラームスって言えば、ゴツくて、無骨って感じのイメージなのだが、このバーンスタイン盤で聴くと、軽やかで涼やかだ。
木管のフレーズも「そどれし られらぁ〜」と、軽やかにスキップしている。
テンポは、微妙に変えているし、タメは、ちょっとしたところで創られている。ティンパニーのロール部分や、弦の入る直前など、ところどころに、微妙なドライビングとなっている。
ホルンは、ふわっと優美に鳴っているが、ティンパニーの入るところは、ゴツくて重厚な響きだし、ぱぁーっ と、木管が鳴っているところ、トライアングルも入っていると思うが、この軽やかな音の広がりは、かなり質感の異なるものだ。
これほど、音を変えて、質感を変えてくる演奏は、珍しいかも。
向こうの空に響く、浮くような軽やかな音との呼応は、とっても楽しい。山の向こうにエコーで響いていますって感じで、とても、気持ちが明るく、晴れやかで、楽しくなる。
また、金管の明るい響きが、開放的だ。
この楽章の特長でもある、音の響きの呼応、対比は聴いてて、とっても楽しい。
まるで、スポーツを楽しんでいるかのような愉悦性もあり、キレがありつつも、柔らかい響きで、好ましい。お見事っ。

4楽章
ホルンの響きがまろやかだが、木管のフレーズは、ずーっと、綺麗なシャープなラインを描いている。すーっと、音が消えて、木管に代わっていく。
「ふぁ〜そぉ〜らぁ〜し〜 どぉ〜みぃ〜 み〜らっ み〜らっ・・・」
「みぃ〜らっ みぃ〜らっ」というフレーズの語尾は鋭い。
とても遅いというわけではないが、ゆったりと、重みをもって、低弦が響く。
この木管の音質が、やっぱり、綺麗なラインを描いているので、音にぶれが感じられないし、インパクトがある。
まろやかな弦の響きに、クッキリとした木管のラインが入ってくるので、シャープに感じられるのだろうか。う〜ん、きっと、そうだ。アウトラインの美しさに、惚れ惚れとさせられる。
バロックのような通奏低音の響きのなかで、変奏曲が奏でられるという手法も面白いが、
タメ感のある、低弦「どふぁ〜どぉ しれ〜み ど〜ふぁ〜みそ れ〜ふぁれ〜っどぉ」と鳴ってくるところは、寂しさと、つらさを合わせたような重さがあるが、それでも、首筋がすーっと、きりっとした、美しい響きとなっている。
上品な貴婦人の悲しさみたいなモノが感じられて、キリっとした、容貌を整えた響きだ。
また、木管のフレーズが、しみじみ〜 凜として吹かれているし、それぞれ美しさを競い合っているかのようで、うふふ。
美しいコラール風のフレーズは、これは、オケの力量でしょう〜 耳のご馳走で、嬉しいっ。

総体的に、かなりバランスの良い、優美な演奏で、情感も入れ込みすぎず、魅力的な音で奏でられている。
音に深みが感じられ、痛いほどの悲痛なものではないし、柔らかいが、どこか、寂しさや儚さを感じさせる演奏でもあるし、慈愛に満ちたものというか、品もよいし、オケがやっぱり、超ウマなのだと思う。
で、えーっ これで、ライブ盤だったのか。すごっ。これはお見事でした。拍手っ〜。

0693

カラヤン ベルリン・フィル 1988年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

これもありかっ

録音状態は、イマイチ。ヌケが良くない。最晩年のわりには、活き活きしているように思う。おもったほど艶っぽさ、テレっとしたところは、あまり感じない。
カップリング:ブラームス ハイドンの主題による変奏曲 4番は63年、78年があり、70年代に録音した全集もあり。

1楽章
「しそ〜 みど〜 らふぁ〜 れし〜 みみ〜 そし〜 れれ〜 ふぁら〜 ど〜しどら〜」
1988年10月の録音だからカラヤン最晩年の録音である。
録音状態はイマイチなのだが、艶やかで華麗で、堂々とした響きがてくる。
どっしりとした低弦の響き、流れるようなフレージング。う〜ん。個人的には、ブラームスには艶っぽすぎて嫌なのだが、うむっ。と唸ってしまう。アンチとは言えないよなぁ。やっぱり。と、ブツブツ呟いてしまった。
弦が、大きな弓なりの曲線を描かれて、フレーズとフレーズを繋ぐところの、ふわっとした弦の受け渡し、
カシカシと低弦が鳴ったあとの、フレーズの出だし 「どっみし〜ど みれどし らみ〜れ」
「し〜どみ〜そ ど〜みそ らそふぁみれら〜し れ〜どそ〜み・・・」
うわっ。なんじゃこれ〜と言いたくなるほど、美しい。
ヴァイオリンのフレーズに、やっぱりやられてしまう。息づかいの長さと共に、活きが良いんだよねえ。結構、テンポを揺らしており、速め。結構、歯切れが良い。低弦がもう少し綺麗に録音されていたら良いのだが、ジュリーニさんの晩年のような、てれっとした感じはなく、シャキシャキしている。
「そふぁみっ しらそっ みれど らそふぁ しっどれみ みふぁそ らしど れみふぁ どれみっ」
いや〜意外でした。もっと遅いと思ってたんだけど、改めて聴くと、ハッキリしてて勢いあるのだ。 金管が入ってくるところも速めで、木管は、ちょっぴりクールに響いているが、なかなか新鮮だ。 1楽章最後は、さすがにテンポをじっくりとっているが、メリハリが効いている。
「しみ〜 そし〜 れれ〜 ふぁら〜 どど〜・・・」と、再度、うねりとなって響く。
弦が、大きなうねりとなっているが、ガッシリとねじ込まれ、太い注連縄のように編まれていく感じがする。

2楽章
ホルンの響きから入っていく。「ふぁ〜ふぁ〜 そら ふぁ〜ふぁ〜 そら ふぁ〜」
ちょっぴり、この楽章では、「ふぁ〜そらふぁ〜 み ふぁれふぁど みふぁれふぁど〜そどそみ〜」と、ホルンの音色と共に弦が軽やかに、引き上げられていく。かなり響きが柔らかい。
この楽章の木管の響きはソフトだし、ホルンが使われているため、天上的に響いている。宗教的とまではいかないんだけどなあ。弦のピチカートも、よく響き、ドームのなかに佇んでいるような錯覚が生まれる。
「管が鐘の音を模したような動機を吹く。これは、ホ音を中心とするフリギア旋法(en)である。」そうだが〜あまり詳しくワカラナイ。後半の弦が重なって、「ふぁそら しらそ ふぁれみど らそふぁ どしら それふぁみ〜」っとコラールのように歌われるところは、やっぱり絶品だと思う。
古風というよりも、もっともっと厳粛だが、う〜ん。やっぱり美しさはあるよねえ。

3楽章
もっと、出だしで、ドシンとくるのかと思ったが、意外と軽くて推進力を感じる。
「どしらそ ふぁそ どしらふぁ れみ ら〜  ららら そそそ みみれ・・・ そ〜 ふぁみふぁそ」
へえ。意外と軽めで、スイスイ行くじゃん。もっとティンパニーが叩いて、ドンっと行くんだと思いこんでいた。 
ヴァイオリンの弦と、木管が爽やかさを運んでくる。へえ〜。
室内楽のように響いてくる。「れっそ〜れっそ〜 そ そぉ〜」
「ごぉ〜っと」言う低音もあるにはあるが、高音域の響きの方が、すーっと通っているし、拍裏の響きの心地よさが伝わってきて、フルートとホルンの「れぇ〜ど しらそ〜ら れしらそみふぁ〜 れ み ふぁ〜」
「そぉ〜 ふぁみふぁそ しぃ〜 らそふぁそ し〜らそらし み〜れ・・・」
かなり穏やかで、綺麗な3楽章だ。イカツイばかりのスケルツォではない。
ショルティ軍団とは、違うアプローチで終始硬めではない。
当初は柔らかく、木管やホルンを主体としたまろやかな響きを主体としているが、最後に向かうところでは、低弦に足を移して、ドンドンとした硬めの響きを打ってくる。これが、最終楽章になだれこむ勢いになっているように思う。ちょっぴりトライアングルの響きが、甲高く感じる。

4楽章
「ふぁ〜そぉ〜らぁ し ど どぉ〜 れ れ ふぁ〜」
重厚な響きのシャコンヌ。「ふぁみれ しどれ みれど しらそ れみふぁ そふぁみ・・・」 
重々しいけれど、拍裏も感じさせる部分。渦巻く深淵を覗くような気分にさせられるほど、テンポが、ぐるぐると巻いている感じがする。
この楽章で、テンポが揺れるって感じはしないのだが、このカラヤン盤は、ものすごいうねりを感じてしまった。なんだろ〜 攪拌されているって感じがする。
ホルンの合いの手がだろうか。いや、一番と中音域の低弦だと思う。この弦のノビがすごい。
妙に、低弦の部分だけ、わざと伸びている感じがするんだけど。(気のせいかなあ。)
で、続いて、刻む弦の音が鳴り始めるのだが、アンサンブルが乱れているような〜 いや違うなあ。
「どみらど しどそど ふぁら・・・ ふぁらし どみれみ ふぁらしど〜・・・」

あっ そうか。拍が変化しているために、妙ちくりんな気分になるんだっ。フルートの音色で、いったん渦が収まるのだが、ここは、ヤワイかなあと思う。いっきにテンポが落ちて、ちょっと隙間が空いてしまうブラックホール的なところが出来る。音と音の隙間が、ポカンと虚ろな表情を見せ、その後、ホルンの響きを起点として、弦が立ち上がってきて、また凜とした表情に戻ってくる。
あっ そうか。この心情を表したような表現が面白いかな。総体的には、まあまあって感じ。

1906

ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 1989年
Riccardo Muti
Philadelphia Orchestra

昇天しちゃいました

録音状態は良い。柔らかいムーディなブラームスで、浮遊感があり、夢幻的な雰囲気が漂う。これで良いかい? 違うだろ〜と思いつつも、つい別世界に誘われてしまう。
カップリング:1〜4 ブラームス 交響曲第4番
5 ブラームス 悲劇的序曲

1楽章
もっとヌケの良い、明るい音質で出てくるのかと予想していたのだが、少しくぐもった雰囲気で出てくる。
「しそ〜みど〜らふぁ〜みし〜」「みみ〜 そし〜 れれ〜 ふぁら〜」
へえ〜 意外だなあ。と思っていたのだが、よく聴いてみると、第1ヴァイオリンの旋律だけが大きく聞こえる盤が多いし、これでアタリマエだと思っていたのだが・・・。
このムーティ盤だと、中間音域の弦の音が、波打っているように聞こえてくる。
うん? 不思議な感じでミキシングされているというか、いつも聴いている第1ヴァイオリンが主体のフレーズになっていない。なんだか、くぐもっているような気がしたし、違和感があったのだが、う〜ん。 ヴァイオリンのみの弦だけではなく、他の中間音域の音色も入ってて、わりと情報量が多いような気がする。
雰囲気的には、幻想的な高原の森林帯を歩いているかのような、爽快さと共に、まどろみ感もあって、若々しく瑞々しい。

もう少し録音状態がクリアーだったら言うことは無いのだが・・・。
でも、演奏自体は、かなり艶っぽく、色めづかいのブラームスって感じがするが、これが結構良い 感じ。
ヴァント盤だと怖いぐらいの険しく厳めしい感じなのだが、ムーティ盤だと、色彩感覚があって、これで良いんだろうか〜? と思っちゃうぐらい、華やかなで艶っぽいブラームスを聴かせてくれる。
フィラデルフィア管の色彩能力だとは思うのだが、異色的な盤だけど、良い組み合わせだと思う。
いずれにせよ、相乗効果がバッチリ出ているんだろうと思う。だって〜 ヴァントさん+フィラデルフィア管弦楽団では、相性良いとは言えないでしょう。互いに良いところ打ち消しそうで、ダメだよねっ。
アゴーギクたっぷり気味だが、弦の音色の華やかさに気が行って、表情豊かなブラームスだ。それに、大らかで、幾分、ノー天気じゃないのか。と言われ ちゃいがちなほど、ブラームスの楽曲の概念をとっぱらってくれるイタリア人指揮者の代表格って感じがする。

木管の柔らかい、艶のある華やかな音色が、弦の音色を一段と鮮やかに、彩度をあげている。ただ、彩度は高いと思うが、嫌みにならないのは、どーしてなんだろう。
色彩は、他の盤のような、渋みも苦みも、地味でもない。でも、デレっとした感じには、フレーズは緩まないんだよなあ。ティンパニーが入ってくるところでも、ガツンと強く叩くわけではなく、決してコワモテに叩かず、むしろ弱い。ん?と思うほど、弱かったりするのだが、他のフレーズで息を深めに伸ばしたりしているので、バランス的には取れているのかも。
弦が弾むようなフレーズは、きっちり丁寧に刻まれているようだし、まあ。嫌みには感じないのかもしれない。まっ 上品で、艶っぽすぎるブラームスかもしれないが・・・。

2楽章
弱々しいほどに、ゆったりと奏でられている。
う〜ん。オケの持つ豊かな色彩感覚には、脱帽しちゃうが〜 あまりに綺麗で、驚いちゃう。
「そらしどしら そみふぁそ〜 そらしどしら そみふぁそ〜」
「どれみふぁみれ どらしそ〜 みれど そふぁみ れらどし〜」
ここは、もう少し、かっしりと硬めで演奏して欲しいんだけど〜と、美音ではあるが、浮遊感ありすぎて、上滑りしちゃいそうである。おいおい、こりゃ〜 羽毛布団に乗っかっているかのような、羽衣をまとった天女風じゃん。と思うぐらい。
低弦の響きは、しっかり刻まれて入っているのだが、木管や高音域のフレーズに、丸みが帯びすぎているかもしれない。ティンパニーが入ってきて、「タタタ タタタ タタタ タ〜」とリズムを刻むところも柔らかい。

当然、そのあとの、弦の和音フレーズも、メッチャ柔らかいのだ。
しなやかで、女性っぽく、色っぽく、馥郁とした香りの漂う芳香剤のようなブラームスだ。
めちゃ色っぽく、腰がくねっとしたブラームスで誘われると、う〜ん。これで良いんかいな?
こりゃ〜 マズイんじゃー。
幻影を追いかけるような、まどろみ感、浮遊感のある雰囲気に、歌に充ち満ちて、とろけちゃう〜

3楽章
ガツガツしたスケルツォではなく、なんとも優美。
アバド盤と双璧っぽいのだが、もっと柔らかで〜 茫洋としてしまうほど雰囲気がする。
もっと、ティンパニーよ。カッシリと叩け。と言いたくなるほどで〜 なんとも柔らかい。
フルートの音色を聴いていると、ゆるやかな波打ち際で、波がさわ〜っと打ち上げてくるような、ソフトな雰囲気がする。トライアングルの音色なんぞ、天使の羽根のように、チロチロチロ〜っ♪

あちゃちゃ〜 まるで、ピーターパンのティンカーベル風情じゃん。
ティンパニーと弦、木管の掛け合いの場面、「ごぉ〜ど〜 ら〜れ〜 らど られ らみ〜」なんぞも、じゃれ合っているかのような雰囲気がするほど、緊張感には欠けている。
でも、なーんて、美音なんでしょうねえ。まるで、おとぎ話のような、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」のような雰囲気が漂ってて、すっかり、ぶっ飛んじゃう感じがする。
そうなのだ、おとぎ話。夢物語。幻想。夢幻の世界へと誘われていると思えば、これほど、マッチした演奏もないんじゃないだろうか。しかし、う〜ん。ブラームスじゃないよなぁ・・・。曲想が間違ってないかねえ。
ちょっと唖然とするほどのブラームスだ。
しかし、これ、妙に曲想がガラリと違っているアプローチなので、首を傾げつつも、メチャ笑えてしまうほどだが、ここまで出来るのは、う〜ん。すげっ。
初めて聴く人には、毒だとは思う。このムーティー盤を聞き込んじゃって、ヴァント盤を聴いちゃうと、地獄の底に突き落とされちゃうって感じ、全く別世界なのだ。

4楽章
ゆったりとした冒頭だが、木管のノビが緩いのが気になるし、ティンパニーも弱めで緩め。
柔らかくて、イマイチ、キレには欠ける。低弦の緩やかな、穏やかなフレーズは、セレナーデを奏でているかのような耽美的である。快楽の世界に誘われ、色香に包まれる。
こりゃ弦楽セレナーデかよぉ〜と思いつつも、カラヤン盤のような、思わせぶりっこな、鼻につく嫌らしさまでには至らないところが、これまた不思議。
若い青春時代の甘い、夢のような世界のように聞こえるからだろうか。音が何せ、瑞々しいんだから、これは、やられるわ・・・。ヤサオトコの色香にハマル感じだ。
拍が変わるところは、テンポは幾分速めになるが、緊張が続かない。
ホルンの柔らかい音色といい、ホント、これほど女性っぽく、ヤワなブラームスは聴いたことがないんじゃーないだろうか。

ハイ、別世界が広がっています。
少なくとも、極寒のヴァント盤と比べると、リゾート地でくつろぎ、まどろみ、「真夏の夜の夢」という夢幻の世界を見ているかのような、ムーディな演奏だと思う。 好き嫌いは、ハッキリ分かれちゃうけれど、これはこれで、承認せざるを得ないような演奏だとも思う。
少なくとも、呆れてしまうけれど、腹立たしく感じない。ここまで、やられると、こりゃ〜 ある意味すごい。
ガシガシ、堅牢な演奏が好きとは言わないが、ある意味固定概念にとらわれているような気もするし、かといって、ムーティ盤を、よろしい〜とも言いがたく。たまに聴くには良いが、聴いてしまうと、もっと、普通で良いわ〜 安心感の漂うブラームスで・・・と、言いたくなってしまうワタシである。
それにしてもイタリア人の振るブラームスは、妙に色っぽいなあ。
今度は、アバド、ムーティ、ジュリーニだけで、3人比べてみても面白いかもしれない。

1759

サヴァリッシュ ロンドン・フィル 1989年
Wolfgang Sawallisch
London Philharmonic Orchestra

こまちゃったなぁ

録音状態はイマイチ。ちょっと薄めというか軽めに響き、コクが感じられない。そのくせ熱い。テンション高めで嬉しいのだが、傷だらけになってしまって果てそう。聴いてて辛い。
カップリング:運命の歌(ヘルダーリンの詩による) アンブロジアン・シンガーズ 1991年 大学祝典序曲 1991年

1楽章
「しぃ〜そみど〜 らふぁ〜みし〜 みみ〜そし〜 れれ〜ふぁら〜 ど〜どし どら〜」
サヴァリッシュさんの演奏って、さらりっとしているのだが、でも優しい。
弦の冒頭のフレーズを繰り返してみて、大きい身振りではないのだが、慈しむように出てくる。
1音目が少し長めで、「みど〜」っと続き、すかさず「らふぁ〜っ」と続く。「みみ〜」で一段深くなり、「れれ〜」で、また一段と深くなる。
さして、深々ではないのだが、大きなうねりを作ろうとしている雰囲気がある。
それが、やりすぎでなく、さりげない。これみよがしにやらずに、弦主体のフレージングの美しさを感じる。
そのくせ、段々と、テンポをあげていくし、結構、面白い。
ただ、録音状態がイマイチで、コクが無いのだ。薄っぺく感じるほど音が全て高い。
で、その高音域の弦に艶があれば良いのだが、これが擦れ気味でデッドというか、まろやかに響かない。
それに、低弦の音が充分に入ってこないため、バランスが腰高で、深み、コクに欠けるきらいがある。
「そふぁみっ しらそっ みれど らそふぁ しっどれみ みふぁそ らしど れみふぁ どれみっ」
このフレーズになると、うぎゃっ。なんと、甲高い声になってて〜 耳に優しく入ってこない。
1989年の録音だから、さほど古いわけじゃない。ましてや、デジタル録音なのだ。
なのに、バランスが悪い。ヴァイオリンが安物である筈じゃないのだが、キンキン風の裏声風に聞こえてきて、ちょっと酷い。かなり損をしているような気がする。

演奏は、途中でテンションがあがってきて、火がついたように熱い。
「らしどぉ〜 しどれぇ〜」「しっそ みっど らっふぁ しし〜」
ティンパニーだって激しく入ってくるし、テンポも速め。弦が悲痛な叫びをあげているように聞こえる。
最後になると、苦しみを耐えかねて、悲鳴をあげているんだよなあ。「れっっど れっっど」
「らそど〜 らそど〜 ら〜そ し〜ら ふぁ〜みれぇぇ しみし み・・・ ダンダンダン・・・」
テンションの高いのは嬉しいのだが、それが〜 音が悪いので。
まるで、「ひっっ〜 ひっっ〜」と、ムンクの叫び風の顔になっちゃうぐらい、キツイっ。
耳を押さえて、あ〜 やめてぇ〜と言いたいほど、ストレスがたまちゃうほどの叫び。
髪の毛を後ろから引っ張られているような、強い弦の擦れた声。なんとも、やりきれません。
冒頭、あれだけ慎重に出てきていながら、どーして、荒くたく感じるのだろう。
熱いのは、充分理解できるが、粗野になっている感じがする。それに、音質の悪さ。擦れには、やっぱ参りました。ダメっ。

2楽章
ホルンの響きから入っていく。「ふぁ〜ふぁ〜 そら ふぁ〜ふぁ〜 みれ」
まろやかさを期待してしまう音色なのだが、うぐっ。ホールじゃないねえ。ここ。
CDのジャケットを見ると、収録は、アビーロード・スタジオだった。うーん。それにしても、もったいない。
音が反響してないような気がする。
1楽章とは違って、木管が出てくるので、まだ耳に優しいし、ヴァイオリンの音も、ちょっと深くなってきたような気がする。ようやくエンジンが暖まったのかしらん。
「そらし どしら そみふぁそ〜 そみふぁ そみふぁ そ〜」 テンポも優しく、柔らかい。
後半の弦が重なって、「ふぁそら しらそ ふぁれみど らそふぁ どしら それふぁみ〜」っとコラールのように歌われるところは、やっぱり絶品だと思う。中に収まっている弦の響きが、充分に耳に届くし。
弦フレーズの多層的なところが、よくわかって〜 嬉しい。まろやかに溶け合った響きではないが、暖かめの音で、まあ。カスカスにもならず、息づかいも深めに歌っている。

3楽章
「どっ しらそ ふぁそ どっ しらふぁ れみ らぁ〜  ららら そそそ みみれ・・・」
決して重いのではないが、しっかりメリハリをつけて、どっ と歯切れ良く出てくる。1音目のアクセントは強い。唾が飛ぶような迫力がある。かといって、ドシンドシンではないし、全体的には軽め。
がっしりとした造りではないのだが、柔くもない。でも軽い・・・。重量感がないってことになるかな。
「そどれし らみらっ〜」というフレーズは、1音1音、飛んでます。ケンケン パッ という昔、地面に絵を描いて、女の子が遊んでいたけれど、それに似た感じ。
全体的に荒っぽいく感じるほど、歯切れが良すぎ〜 ワタシ的には、もう少し、ためて欲しいのだけど。
スイスイ、テンポよくアクセントを置いて奏でられている。ホルンでの響きが、場面転換の役割をしていると思うのだが、意外とさっぱり〜 へ?  もう少し大事に吹いてよぉ。
金管が、「ら〜 そふぁそら し〜 らそふぁし〜」 ここの音は大きめなのだが、開放感があるわけでも、歓びを表現しているわけもなさそう。淡泊だなあ。厳粛な雰囲気もないし、ちょっと〜淡泊に過ぎるかも知れない。
気合いが入っているのはわかるが、弦の歯切れの良さ、メリハリ感は伝わってくるものの、総体的に、味が薄めで、出汁の効いていない、うすーい味噌汁のようだ。 がっくり。

4楽章
全体的に、楽章間の時間が短めで、一呼吸できない。
「ふぁ〜そぉ〜らぁ し〜 し〜どぉ〜どぉ ふぁ〜」
歯切れはよく、カッと気合いの入った感じがするが、ちょっと〜 フレーズが短くてぶつ切りで出てくる。
その後、ヴァイオリンの高音が入ってくると、ちょっぴり歌い始めるのだが。なんだか、中途半端というか、全体の色としては、溶け合わない、オケとしての一体感に欠けている気がする。
重厚な響きと、コクが、いっぱいに広がってくる楽章だし、厚い響きが楽しいところなのに。
弦のキシキシ、カシカシした動きしか感じられず、音として聞こえてこない。う〜ん。悲しい。悲しすぎる。まどろっこしいほどに、薄いっ。そのくせ、最後は熱い。ドラマティックに演じて来ている。ティンパニーなんて、テンション高すぎ。
金管だって、最後の最後には熱いっ。熱すぎ〜  せっかちなほど、畳みかけて〜 ガッと、強く切ってくる弦、ここまで、弓を切らなくても良いんじゃーないだろうか。そんな風に感じちゃった。

テンション高いんだけど、これは痛ましい。ブラームスの4番で、傷だらけのローラ風になって、聴いてて辛くなっちゃった演奏って、他になかったような気がする。ああ。痛ましい 。

1905

アバド ベルリン・フィル 1991年
Claudio Abbado
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

ばっちグー!

録音状態は極めて良い。奥行きがたっぷりとられていて、上品な音色となって醸し出され、とても優美だ。ただ軽いって言う人も多いかも。
ブラームス交響曲全集、ハイドンの主題による変奏曲、悲劇的序曲、大学祝典序曲、アルト・ラプソディ、運命の歌、悲歌、運命の女神の歌

1楽章
全体的な印象として、まず、色合いが軽めで明るい。
「しそ〜 みど〜 らふぁ〜 みし〜 」
「みみ〜そし〜 れれ〜 ふぁら〜 どど〜しどら〜」
この弦の出だしからして、雰囲気が神秘的で、かなり浮遊感が漂っている。
録音状態によるのかもしれないが、音の響きが細めで、奥行きがある。
独特の堅牢さやゴツゴツ感というのが皆無に近い。絹糸のような軽さと、暖かさや艶やかさがある。ふ〜っとした軽めの空気感を感じさせており、神秘のベールに包まれたかのような音として出てくる。低弦の響きもエコーがかかったかのような雰囲気がするが、決して、霞がかかって、ぼやけているってワケじゃない。
柔らかさと、しなやかさ〜 ふんわりとした音の広がり。
これには、ワタシテキには昔から絶句〜 
カラヤン指揮のベルリン・フィル時代とは、全く異なった空気感を出していることに、めちゃくちゃ驚いた記憶がある。今、聴いても、ホント絶句するほど柔らかさを持っている。
それに、ブラームスの無骨な雰囲気とは異なり、柔らかな女性的な雰囲気を持っている。
硬めの音で、凸凹した、ガツンガツンと鳴ってくるのではなく、ソフトに紡がれる演奏だ。音量も決して大きくならないし、繊細で上品で軽やか。無骨さや粗野、野性的な感じは全くしない。
ティンパニーが入ってきて、「ららっ そそっ ららっ そそっ」と、硬めになりがちなフレーズも、メチャ柔らかい。これが、ベルリン・フィルだとは、う〜ん。これは意外だ。

何度聴いても、う〜ん。と絶句しながら、柔らかく、奥行き感たっぷりの録音と、弦のノビの良さ、軽やかで、しなやか、上質の軽めの、そのくせ重厚さを持ち合わせた演奏が、大変心地良く、歌うように流れてくる弦のフレーズに、しばし呆然。
うっとりと聴くことができる。一種のゲイジュツ的作品(← あたりまえなのだが・・・)で、エレガントな演奏なのだ。独特のブラームスって感じがする。
思い込みかもしれないが、ブラームスって、どことなく、無愛想で、古風で、無骨で、ゴツゴツ感が前面に出てくるように思いがちだし、結構、そういう演奏が多い ことも確かだ。
でも、このアバド盤は、ドームで聴いているような、まろやかで球体のような響きと奥行き感、秋の芳醇な香りのするブラームスである。
決して熱くならず、穏やかで、たっぷりとした大きなスピーカーで、どっしり腰を据えて聴くことのできる品の良さが光る演奏だ。 ちょっとイメージは違う・・・全然違う・・・という人もいるかもしれないけど。
ワタシ的には、違うのが面白い。

2楽章
うはっ すごく品があり格調が高い。この盤を聴いちゃうと、他が聴けないじゃん。と思うほどだ。
繊細で、美しさに縁取りされており、ブラームスの同じ4番で、他とは、かなり異なったアプローチ。
腰の細い、コルセットでしめあげた美女が、庭園で佇んでいるかのような、儚げで消え去るような雰囲気を持っているが、決して弱々しくない。
神秘的な響きが寄り合わせ合って、フレーズを構成していく。
「ふぁそらふぁ〜 ふぁみふぁれ〜」と、流れを太くしながら、ピチカートの中を泳いで行くところは、絶品。
「みれど そふぁみ れらどし〜」「そ〜ふぁみれ れどしふぁ〜」弦の揺らめく悲しげなフレーズが、心に染みいってくる。決して、弱々しく泣いているわけでも、ワビサビの風景を描いているわけでもなく。これは、独自の繊細な世界だな〜っと、聴いている間に感じられる。

オケの音の美音さ。これに最新の注意が払われているようで、独自の美意識を形成していく。その過程を、聴き手は見て楽しめるのではないだろうか。弱音にして囁きのように、呟きのように、音が出てくるところが、なんとも。こりゃ〜 やられちゃった。高音域のヴァイオリンがメインとなってて、低弦のゴツゴツした響きは、すっかり抜け落ちて、取っ払われている。天上的な世界が広がっており、まるで教会のドームを見上げているかのような幸福感に襲われ、そしてついには飛翔感に至っていく。そんな感じ・・・。
音が丁寧に置かれ、ステップアップしていく、上がり下り、縦切りでは、音のハーモニーが、これほど美しい響きとして感じられるとは。これは、ゲイジュツ作品で、彫刻のように完璧に作り上げて行かれたモノだな〜っと思われた。世俗的な心情や風景は、浮かんで来ない。

3楽章
ゆったりとしたリズムで、優美である。低弦が、ご〜っと鳴る盤もあるのだが、う〜ん。絶品的に美しい。
決して、慌てず焦らず、弱音部分では、優美に佇みバランスが良い。
ちょっと拍感覚が、ワタシ的には、へっ?と、イマイチ合わないような気がする、ちょいとアブナイ〜と思うところがあるが、大袈裟な身振りでの演奏でもないし、音の洪水のようには鳴らないところが面白い。
強弱をハッキリさせているのは、前楽章から続いていて3楽章でも同じ。
ハイティンク盤を、以前に聴いたが、これは野武士のような硬めの音づくりで、紋切り調に近い、さっぱり感があった。歌を歌うような歌謡性も持っている。確かに没個性的だが、妙にバランスが取れていた。
アバド盤では、古風でエレガント、昔ながらの優美さで、高貴な響きが流れてくる。
ひとことで言うと、ホントにエレガント。

清々しい独自の空気感があり、気品があって、明るい音色と適度な重量感、ゆったりしたテンポを維持している。それに、妙に熱くならず、終始、優美な雰囲気を持ち続ける。
余裕があり、凜とした音が通るように鳴っていると言えるだろうか。高貴な女性がイメージされる。
貴族の館で、まるで時間を忘れたかのような演奏会が行われているようで、永遠性が予感されるかのような〜ゆったり感。金管の音の広がり、まろやかさ、ブレンドの良さを感じる。お見事っ。
特に、高音弦の綺麗さが特筆されるだろうか。
それにしても、この優美なバランスは、どこからくるんだろう。弦、やっぱ弦だなあ。
木管やティンパニーは、奥まって出てこないけど。

4楽章
木管のハーモニー 「ふぁ〜そぉ〜らぁ し ど どぉ〜 れ れ ふぁ〜」
これにティンパニーの音が重なってくるが、控えめに鳴らされている。
「ふぁみれ しどれ みれど しらそ れみふぁ そふぁみ らしど らそふぁみふぁ・・・」 
軽やかさがあるがしみじみしている。深淵を覗くかのような暗い雰囲気の盤もあるが、アバド盤では、あくまでも優美さを失わない。毅然としているというか、気丈夫な姿で、渦巻いていくところが、どこか健気だ。
弦の音が、特に気丈夫な姿で立ったまま。変に、揺れて渦巻かないところが良いのかな。
まっ 深みにハマラナイ心情の方が良いんだろうけど。
緊張感を保ったまま木管の響きが、テンポを落として内に囁きながら籠もってくる。ホルンが、それを慰めるかのように寄り添うのだが、難しいテンポ設定を、消え入る手前ですくい上げてくるようだ。
弱音でのフルートとホルンのフレーズは、まどろっこしい盤もあるんだけどね。

その後、ティンパニーの音が、どろっとしているところが、気分の切り替え的な意味を与え、インパクトあり。
その後、弦の勢いが変わり強くなってくる。キレが生まれているし、姿が変わって単に優美では無くなっているところが面白いかも。般若にまでは変化しないが、まあ。そこそこ厳しい面が出てくるところが垣間見られるが、やっぱり優美さは失わない。

アバド盤って、出た当時、評判悪かったように記憶しているが〜 そんなことないよなぁ〜
ガッシリ堅牢なブラームスなイメージとは違う演奏だし、ベルリン・フィルのイメージとは、ちょっと異なるイメチェンだったから、ついていけなかった〜ということなんだろうか。今ならOKという人も多いんじゃーないかな。ただ、優美すぎて深みが足らないとか、渋味が抜けきったという嫌いがあるのは確か。

0607

ハイティンク ボストン交響楽団 1992年
Bernard Haitink
Boston Symphony Orchestra

ばっちグー!

録音状態は良い。渋くて、ちょっと硬めだが安定感がある。
穏やかだが熱く、歯切れも良い。堅牢さもありながら木質的でもあり、妙にバランスの良さに惹かれる演奏である。
カップリング:ブラームス 交響曲第4番、悲劇的序曲

1楽章
ハイティンクさんの振ったブラームスの交響曲全集は、コンセルトベボウを振った70年代の録音と、このボストン響の90年代の録音と、ロンドン響とのライブ盤2003年〜4年があったと思う。
確実な全集モノだけで3種類。他にもあるかもしれない・・・。
日本じゃー何故か、ハイティンクさんって不人気なんだけどワタシ的には好き。それに、これだけ録音させてもらえるって、やっぱ人気があるんだと思う。
で、ブラームスは、このボストン響しか所有していないのだが、ひとことで言うと安定・安心・安全。派手さは皆無だし、艶っぽくもない。ひどく地味〜なんだけど、いつCDを取り出しても、すわーっと平常心で安心して、気軽に聴ける感覚がある。 平凡だけど大事なことのように思う。
悪く言えばクセがない。良く言ってもクセがない。
鼻につかないのだ。(←結構、ワタシ的思い込みが入ってます)

「しそ〜みど〜 らふぁ〜みし〜 みみ〜そし〜 れれ〜ふぁら〜 どど〜しどら〜」
滑り出しは、そろっ。ガツガツもしてないし、ゴリゴリ感もないし、重量感もほどほど。低弦も良く鳴っているけれど、ガツンガツンと鳴らず、凸凹感も、さほどない。
ピチカートも良く響いているが、思わせぶり感がなく、淡々とこなしている感じだが、弦が流れて、てれ〜っとした盤を聴いた後だと、素っ気ないけどだけど。でも、無口な高倉健さんのように、しっかり硬め。
フレージングは、しっかり区切りがついてて、歯切れは良いし、歌う旋律には伸びがあって、それが妙にマッチしている。弦も響きもバッチリだし、ティンパニーも硬めに叩かれている。
幾分、硬めだけど、軍隊調に厳めしくもなく、峻烈に険しくもなく、ヤワな草食系でもなく。う〜ん。
なんて表現したらよいんだか・・・。頃合い感。平凡。中庸。落ち着き感。う〜ん。やっぱ一見渋めだけど、味があるのだ。

「どっ ど〜しどら」「どっら〜そそっ みっど」 弦のピチカートと弦の膨らみのある旋律が、みごとにブレンドされてて、ノビもあるし、さびもあって。う〜ん。やっぱ見事だな。って思う。
ティンパニーの叩き方が、ボロボロン〜っと、気合い充分の柔らかめの音が入ってたりして、硬めと柔らかめを使い分けておられるのかな。と、妙に感心したり。
で、渋い、安定している。と言いつつ、楽章の最後は、結構、熱いんだよねえ。
弦の「ふぁらみど ふぁらみど ふぁらみど・・・」と畳みかけてくる。トランペットが入ってきて高揚感たっぷり。
このトランペットの裏が、メチャ快感に聞こえてくる。弦も、幾分ヒスっているかと思うほどなのだが、熱い。
「ら〜そどぉ〜 ら〜そどぉ〜 ら〜そし〜らど〜し れ〜 み〜 ふぁっどっ ふぁっどっ。ふぁっ」
「ぼろろろろ ろ〜ん」 いや〜ホント、1楽章だけ聴いただけで満足感が高いです。
 
2楽章
素っ気ないように聞こえるのだけど、沈み込むほどではなく、停滞するのでもなく、穏やかなテンポだ。
木管の繰り返す渋い音色。ことさらに強調するわけでもないホルン。
思わせぶりに歌うわけじゃない。で、渋すぎだな〜と思っていたら、「ふぁふぁ ふぁ〜ふぁ〜そらふぁ〜」と、木管と弦が歌い始めて、段々と高揚感があがってくる。
「そらしどしら そみふぁそ〜 そらしどしら そみふぁそ〜」
「どれみふぁみれ どらしそ〜 みれど そふぁみ れらどし〜」
この穏やかで、渋い口調に、ほろり〜とさせられる。
カラヤン盤のように色艶は良くないのだけど、渋みのある中間色のトーンが美しい。天上的に響くわけでもないのだが、色気も素っ気もないのとは違うようだ。しかし、かなりじっくりと、聴き手も焦らず、聴かないと、いっけん地味だと思っちゃうかも。
ちょっと硬めの雰囲気を持っているし、おだやかな低弦の響きが、どっしりとしており、地味ながら、腐葉土たっぷり感の土質のよさ、そして、木目の美しさを楽しむような雰囲気がする。めっちゃ地味ながら

3楽章
結構ダイナミックな出だしで、力強くテンポが速め。
「どしらそ ふぁそ どしらふぁれみ ら〜  ららら そそそ みみれ・・・ そ〜 ふぁみふぁそっ・・・」
かなり推進力があり、どっしりしながらも快活である。
全体的に硬めだが、この硬質な感じと弦の流れるフレーズが、意外とマッチしており、低弦が、どどど〜っと鳴っている間に、木管の透き通る音色が重なってきて、爽快さを与える。
拍の感覚は鋭いようだが、ちょっぴり硬めで、弦には、しなやかさは少ない。歌うようなテレテレ感もないし、可愛げも少なめで、妙に硬めのスケルツォ。
しかし、まろやかさ、しなやかさには欠けているかもしれないが、無骨だけでもない。かっしりした構成美を感じる。ただ、この楽章では、もう少し艶があっても良いかもしれないな〜。明るさと渋さと、開放的な美を持っていても良い楽章かな〜っと思う。フルートを初めとした木管の通る音色が無ければ、無愛想に感じるだろうけど、木管に救われた。
ティンパニーが硬めで、低弦の響きも硬め。金管の響きは、華やかでもないし、開放的でもないけれど、全体的に硬派で良い印象を持った。堅牢で、木質感のある重々しさが感じられて面白いし、それにキレのあるテンポが熱さを帯びてくるところが、快感だ。

4楽章
やたらめったら遅くて重量感で迫ってこない。
結構、語尾を短めに切り上げて運動機能性が高い演奏になっている。さっぱりとしたリズム感だ。
「ふぁ〜そぉ〜らぁ し ど どぉ〜 れ れ ふぁ〜 み〜らっ み〜らっ・・・」
木管のフレーズ「ふぁみれ しどれ みれど しらそ れみふぁ そふぁみ・・・」 かなりさっぱりしている。3楽章の終わりも、そうだったけど〜 
そのくせ、拍が変わって、低弦「どふぁ〜ど しれ〜 どふぁ〜みれ〜」と鳴ってくるところは、メチャ、こってり味に変わる。ねちっこく攻めてくるのだが、執拗にならず、練り回すような、渦巻くようなうねりは少ない。
総体的にテンポは速め。この楽章の全容、雰囲気が、とらえ切れてないワタシ。
不思議感の漂う複合的な要素を持った楽章なので、結構、面白いのだが、この楽章のフルートの音色やホルンの音色は、渋くて、魅力的だ。しみじみと歌うところの間合いが絶妙だと思う。

枯れきっておらず、総体的には若いのだが、渋さとちょっと硬めの音質のバランスが心地良い。
妙にこねまわさず、勢いがあるっていうか、重厚すぎず、リズム感と歯切れの良い快活さが感じられる。
それと、さっぱりした風合いが好ましい。

粘着質で、ねちっこい盤も多いのだけど、硬質でありながら木質感も感じる不思議な演奏だ。
熱く勢いのある演奏で、さっぱり系。そのくせ、スカスカに鳴らず、しっかり堅牢さを感じさせるし〜
ワタシテキには面白く、楽しい演奏である。単にマッチョな演奏でもないし、柔らかさも、湿気も適度にあり、不思議なバランス感覚が妙に気に入っている。

0506

ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 1997年
Günter Wand
Hamburg North German Radio Symphony Orchestra
(NDR Sinfonieorchester Hamburg)

ひぇーぇぇ〜

録音状態はまずまず。ライブ盤。
恐ろしく厳しく硬く、冷たい演奏で、まるで警告を発せられているかのような気分に・・・。ブラームス交響曲全集からの1枚。

1楽章
ヴァントさんが、80歳を過ぎて、巨匠ともてはやされた時代の全集からの1枚である。
で、渋いし硬めのブラームスで、結構、あっさりと刻んでいく。素っ気ないほどの味付けなのだが、う〜ん。
もっと色気があっても、香り立つような芳香が欲しいような楽曲なのだが、それが無いんだよなあ。
弦の深みが、う〜ん。「しそ〜みど〜らふぁ〜みし〜」「みみ〜 そし〜 れれ〜 ふぁら〜」
予想どおりというか、はあ。やっぱり、さっぱり。あっさり。
綺麗なのだが、深く掘り下げてのぼっていくような抑揚が欲しい。弦の瑞々しいノビ、勢いというのが、少し欠けていて、硬くて直線的なのだ。

「れみふぁ そらしっ そふぁみっ ・・・」 と続くフレーズは、斧で樹木を伐採していくような、味気ない感じがするし、低弦のノビがイマイチなので、ワタシ的には、イマイチ好みじゃない。
渋くて、端正極まりない演奏で、余分なモノが削ぎ落とされた、生の音が聞こえてくるような気もする。
それが、好みになって分かれるかもしれない。
80歳を超えての演奏なので、う〜 ワタシには解らない範疇なのかもしれない。
瑞々しい演奏が好きな方には、首を傾げてしまうかもしれない。← ワタシ的には、瑞々しさを4番には求めちゃうところがあるので。

それに、低弦の響きが足らないのかもしれない。艶がなく、ゴツゴツとしてて、寒々しいブラームスという感じがする。響き的にも、震えが少なく、ロマンティックな芳醇な香りが不足している。
まっ それにしても、木質的というよりも、枯山水の石庭を見ているような感じというか、または、ノミをふるって彫刻しているかのような演奏というか・・・。
迸るような感情は抑えられており、厳しく、険しく、一切の余計なモノを排除するかのような、禅的な宗教的な色彩が滲みでてくるような感じに聞こえてくる。その厳しさは、あっけにとられちゃうぐらい。

2楽章
この楽章は、結構クールだが美しい。
1楽章で、ちょっと厳しくて引いてしまったのだが〜 淡々とした演奏のなかに、ストイックさが見いだされて好ましく感じられる。全体的に、ヒンヤリしている感覚だ。
凍てついたような大地から、厳しさから解放され、ほっと、薄光が射し込んでくるような、希望が見いだされる感じがする。特には、歌わないのだが、高音域の弦が美しい。清楚で、ストイックな宗教感覚的な響きがある。ハーモニーを奏でる弦の響きには、 いちもく置いちゃうのだが、動きについては、やっぱ硬いし、キビキビした弦の動きが、一糸乱れず歯切れよく整い、ホントに鋭く刻んでいく。
で、ィンパニーの硬めの響きと共に、やっぱり険しさを感じさせられる。
う〜ん。他の盤と比べちゃうと、鋭く、険しいことに変わりはないなあ。

3楽章
この楽章は凄い。テンポは良いし勢いもある。
特に、ティンパニーの響きが恐ろしく響いて、「ごごごーっっ。どどどど〜っと」鳴ってくる。
まるで、滝壷で、恐ろしい高さからの滝に打たれているかのような気分になってくる。
こりゃ〜 空恐ろしい。
弦は歌ってくるし、高音の弦と低音の弦が小気味よいし、鳥が鳴いて、抜けるような青空を見上げているかのような気分で、トライアングルが可愛く響いているのだが、そこに、ティンパニーが絡むと・・・・。
「ごごごごぉ〜 どろどろどろ〜」
まるで、晴天の霹靂状態。神の怒り、鉄拳が落ちてくるかのような、すげぇ〜響きだ。
なんじゃー こりゃ。おっかねぇ〜
弦の響きは、素っ気ないほどに短い時と、しっかり和音を醸し出す響き。この両極端な音色には、まいっちゃった。天国と地獄のような怖い世界である。この楽章は、まるでノアの箱船に乗っているかのような、両極端の世界が描かれているようで、 まるで、旧約聖書の創世記のような雰囲気がしてて、めちゃ怖いっ。アバド盤のような優美な盤もあるというのに〜 ヴァント盤は、メチャ怖い。
戒律を守らないと〜 こんな世界が待ってるぜ〜って感じ。
はあ。鋭く警告を発しているような、そんな感じを受ける。

4楽章
ヴァント盤の後半2楽章は、これは、ティンパニーの硬い響きにつきる。鋭く険しく、戒めを与え、金管の咆吼が鋭く、弦が低く、深く、鋭く、えぐり出してくる。つきつけてくるかのような鋭い攻めで、タジタジとさせられる。
う〜ん。ここまで怖い演奏って、あったかしらん。
今まで聴いた4番が、あまりにも芳醇すぎたのだろうか、精神的に余裕がなく、キワキワのところを歩いてているかのような、せっぱ詰まった感じがするので緊張する。一歩足を踏みはずしたら、100メートルぐらい滑落しそうな雰囲気だ。金管の鋭い咆吼が、 またまた怖いぐらいの冷たい響きを放ち、そして、弦が、やっぱりキレキレ、カシカシとエッジを立てて迫ってくる。

ヴァント盤は、ティンパニーの鋭い打ち込みと、弦のエッジの鋭い響き。これにつきる。
そら恐ろしいブラームスで、芳醇な香りの高いブランディーのような響きは、ここでは求められていない。
北の大地の凍えるような響きと、頑なな精神性というか。コツコツと大地を耕し、マジメに生きろ。さすれば〜救われん。と言わんばかりである。まるで、怒りを込めて、戒律を厳しく護りなさいっ。との恐ろしい警告のような演奏である。
はあ。疲れたっ。この圧倒的で威圧的な演奏は、冷や汗がでてくる。ヤワなワタシとしては、アバド盤のような優美な演奏の方に、色気を感じて、よろめいてしまうが・・・。
このヴァント盤は、たまに取りだして、自分の戒め的に聴くのがよいかもしれない。(たらり〜)
1959年 ワルター コロンビア交響楽団 SC  
1966年 バルビローリ ウィーン・フィル EMI  
1972年 ケルテス ウィーン・フィル Dec  
1972年 ザンデルリンク シュターツカペレ・ドレスデン De ★★★★
1975年 ベーム ウィーン・フィル  
1976年 マゼール クリーヴランド管弦楽団 scribendum  
1978年 カラヤン ベルリン・フィル G  
1978年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec  
1980年 C・クライバー ウィーン・フィル  
1981年 バーンスタイン ウィーン・フィル ★★★★★
1985年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI  
1986年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン DS  
1987年 ドホナーニ クリーヴランド管弦楽団 TELDEC  
1988年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★
1989年 C・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 R  
1989年 ジュリーニ ウィーン・フィル  
1989年 ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 Ph ★★★★
1989年 サヴァリッシュ ロンドン・フィル EMI ★★
1991年 アバド ベルリン・フィル ★★★★
1992年 ハイティンク ボストン交響楽団 Ph ★★★★★
1997年 ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 ★★★★
2000年 ハーティング ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン Virgin  
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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