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ブルックナー 交響曲第1番
Bruckner: Symphony No.1


ブルックナーの交響曲第1番(ハ短調)は、ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、1866年に最初の稿が完成しており、リンツ稿(版)と一般的に言われます。その後、何度か改訂され、24年後の1890年の全面改訂されたのは、ウィーン稿(版)と言われます。初期の作曲順は、交響曲ヘ短調(00番)→1番→0番→2番です。

第1楽章 ハ短調 4/4拍子 ソナタ形式
低弦に刻まれた行進曲風のリズムにヴァイオリンが第1主題を、木管による経過を経て変ホ長調の第2主題、第2ヴァイオリン、チェロとホルン、クラリネットへ受け継がれ経過部へ、その頂点で第3主題がトロンボーンで提示されます。
断片が木管へ受け継がれると、一時鎮まって提示部が終わり、管が第3主題を繰り替えて展開部へ。
フルート、ヴィオラ、クラリネットが力を弱めて第1主題を奏でます。何度も盛り上がったり、鎮まったり〜 (あとは省略)

第2楽章 変イ長調 4/4拍子 A-B-C-A-B 3部形式
低弦音から始まる主要主題は穏やかなもので、ホルン、弦によって対位法的に進行します。フルートによる経過句の後、ヴィオラのアルペジオ、ヴァイオリンによる副主題、中間部は変ホ長調 3/4拍子で、ヴァイオリンによる中間主題。
主部の再現、コーダでは頂点で金管が荘厳に響き、弦に副主題が現れるもの。この楽章のみフルートが3本で活躍し、ファゴットに「旋律らしい旋律」が現れるとのこと。

第3楽章 ト短調 3/4拍子 3部形式
スケルツォの楽章で、トリオはト長調で速度を落とし、ヴァイオリンのスタッカートの動きを伴ってホルンにより主題が出るものです。

第4楽章 ハ短調 4/4拍子 ソナタ形式
16分音符の細かい動きが多用され、金管楽器やティンパニも重要な活躍を見せる楽章です。
「運動的に、火のように」と指定され、冒頭から激烈な性格の第1主題が、ヴァイオリンとチェロに第2主題が現れます。
コラール風の第3主題、経過部、展開部となります。木管と弦に金管が加わり、徐々に激しさを増してファンファーレ風の移行句をへて再現部へ。
第1主題は変形され、ヴァイオリンの第2主題、第3主題、高揚が鎮まると曲はコーダへ。木管中心に第1主題の動機を、金管が第1主題の変形を、激烈に盛り上がって頂点へ。第1主題の断片が力強く奏されるなか、ハ長調に転調して全曲を締めくくります。

 サヴァリッシュ  バイエルン国立歌劇場管弦楽団 1984年
Wolfgang Sawallisch Bayerische Staatsorchester
(Bavarian State Orchestra)



録音状態は良い。残響が少し多めだが、流麗な演奏だ。
リンツ版
1楽章
ブルックナーの初期の楽曲は、あまり馴染みがない。
演奏会でも、ブルックナー・チクルスって感じで、0番から順番に演奏される頻度が高くなっているような気がするが、どうも触手が動かない。それに順番がややこしくて、作曲した順に並び替えると、交響曲ヘ短調(00番)→1番→0番→2番である。
チクルスをするなら、交響曲第4番からで、良いんじゃ〜ないの?って感じがする。
でも、まあ〜 この1番でいえば、第3楽章のスケルツォが好きだったりするんだけど。(笑)
どうも、1楽章は長いな〜と思う。弱音で行進曲が始まり、たらん らん たらん らん・・・
でも、細かい動きが密集しており、トレモロの弦が、テンポ速く進むところと、ゆったりとした長いフレーズもあるし。
なかなかに芸が細かいというか、細かいところと長いところの変わり身が激しい。また、金管も短く吹かれたり、長めのフレーズを吹いたりして登場してくる。
旋律美で聴かせる楽曲ではなく、ほとんどリズムの変化が感じられるだけで、う〜ん。聴き慣れないと、ジグソーパズルのピースが目の前に転がっているだけって感じで終わってしまう。ワタシは、短いセンテンスのパッチワークを楽しむところまでには、まだ至っていない。

2楽章
なぜ、フルートが3本も使われているんだろう〜と思いつつ、穏やかなアダージョの楽章に耳を傾ける。
断片的には美しそう〜と思うのだが、イマイチ全容がすぐに把握できない。サヴァリッシュ盤で聴くと、色彩的に光を感じられ、響きの柔らかさや優しさを感じるものとなっている。
ただ、構成については、う〜ん。これは、この楽章のみ取り出して、何度か繰り返して聴かないとわかりづらい。
ワタシには、とっつきが悪いのか、ヴァイオリンに耳をとられるものの、ワーグナーのような弦のあがりくだりがあるんだな〜とか、ふわふわしているな〜思うぐらいにとどまってしまう。

3楽章
このスケルツォの楽章は、らららら らららら らったった たたた・・・ と、唐突に出てくるもので、ちょっと驚かされる。
「みっ らぁ〜 しど しっら しど しっら ふぁみれ〜」
「みっらぁ〜 しどしら どみれ〜 どしら そふぁみ」
「ふぁみふぁみ ふぁみみどら〜し しししししししし しそみ〜れ・・・」というようなフレーズが、何度も繰り返される。
粗野で原始的だというイメージなのだが、このインパクトのある金管の咆吼リズムが、むふふ〜 クセになってしまう。
この楽章は、いかにサヴァリッシュ盤といえども迫力満点だ。
それに、広い空間に、品よく、粗野に、荒々しく響き渡っている。そう、品良く、荒々しく鳴り響くのだ。
なんでしょうね〜 荒々しいフレーズなのだが、優しい響きで、ツンツン、とんがっておらず、まあるいのだ。このまあるさが、サヴァリッシュ盤の特徴なんでしょうねえ。

4楽章
「れぇ〜れ れっれ みぃ〜ふぁふぁっ  れぇ〜れ れっれ そぉ〜らっら」と、分厚い金管の響きで始まる。
「運動的に、火のように」と書かれてあるそうだが、まあ、確かにそういうイメージなのだろう。
力強く金管が吹かれているが、続く弦の動きは細やかで流麗なものだ。
この太く力強い金管フレーズから、すっと、軽やかで繊細な弦のフレーズに移行するところが、とてもスムーズで流麗だ。
この変わり身の素早さと柔らかさが、均質的で、とてもまろやか。
サヴァリッシュ盤は、少し残響が多めだが、そこが功を奏したのか、単に、無骨にメラメラ、ボウボウと火柱が立っているわけではない。そう、とても色彩的で、華麗さが加わっているように思う。
3楽章同様に、品の良い、無骨さで〜 なかなか、こんな演奏は見られない(聴けない)かもしれない。
異質で、下手したら、異様な楽曲だと烙印を押され、転がり落ちてしまうような曲だと思うのだが・・・。サヴァリッシュ盤で聴くと、アクは強いが、意外と、アンバランスなところが、美しい〜と、言いそうになっちゃう感じがする。
そう、シンメトリーだけが美じゃーないんだよ。的な〜

ラストに向けて、パワーが炸裂し、結構熱い。しかし、粗野で、無骨、決して品が良いとは言えない荒々しい豪快な楽曲なのに、そして、力尽くとも言えるようなフレーズで強引に頂点に持って行く曲だと思うのに、この演奏は、音に濁りが少なく、清潔で、柔らかく、心情的に落ち着きがある。
一点の曇りもない〜って感じの透明度の高いもので、ササクレ感のない流麗さでもって、一気に聞かせてくれる。
う〜ん、もしかしたら、この演奏は、もの凄い演奏なのかも・・・。(笑)
1984年 サヴァリッシュ バイエルン国立歌劇場管弦楽団 ORFEO ★★★★
所有盤を整理中です。

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