「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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ブルックナー 交響曲第4番
Bruckner: Symphony No.4


0650

ヨッフム ベルリン・フィル 1965年
Eugen Jochum
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

はぁ?

録音状態は良い。1965年とは思えないほど良い録音である。
1楽章は、テンポを揺らして、変に酔った感じになるのだが、最後には尻上がりに迫力があって、結構な達成感あり。
75年、シュターツカペレ・ドレスデンとの録音があるので、これは旧録にあたる。

1楽章
原始霧の出だしは、まあまあ、ゆったりしているのだが、一気にテンポをあげてくる。
フルートの音色は良いのだが、若干、息が浅めで、すぐに運動機能をあげてくる〜
アクセントがついているというか、繰り返すうちに、自然とアクセントがついているような感じがする。
歌う。というのか、歌うようなというか、ちょっと、クセの感じるフレージングになっている。
なーんて言うんだろ、繰り返して執拗に同じフレージングになっているところを、歌いたくて仕方ないって感じで、微妙に変わるんだけど。せっかちなんだろうか。
なーんか、あちこち、いじくりまわしているような感じがして、ワタシ的には、なんだか落ち着かない。
どど〜っと怒濤のように、畳みかけてくる場面があり、うはっ 速い。へっ 速いやん。
おいおい、これは急流滑りかぁ。
ヨッフム盤の旧録は、自然の大きな営み的な、堂々とした動かないという描写ではなく、う〜ん。山から、清流が流れ出してきて〜 だだっ〜っと下ってきて、一気に、滝になって落ちていく〜ってな感じで、最後、滝壺にハマッタ感じのようで、動かなくなってしまうのである。

このテンポの揺れは、ちょっとワタシ的には気持ち悪く、酔ってしまう。
自由自在って感じで、こんなに揺れる演奏を、瑞々しいと感じる人もいるかもしれないが、えっ こんなフレーズだったっけ〜と、思うところもあって、ワタシの耳には、新鮮映ったりもするが、かなり違和感も感じるのも正直なところ。
う〜ん。結構、劇的な演奏で、ところどころで蠢き、咆えるし、ガッツリと鳴らすし、細くなったり太くなったり、突然エキサイトする面があったり、想定外の行動が多い。液体的に変貌するというか、いやいや、これは、動物的と言えるかもしれないなあ。 ブルックナーで動物的? えーっ。ウッソ〜って感じだ。(笑)
ホント、好き嫌いが分かれるかもしれないですね。
4番で動物的だと、なーんか気持ち悪い。インテンポに、やってくれている方が、耳に慣れているんだけど。これだけ、自由自在に演奏されちゃうと、、、なんだか、トンデモ盤的に聞こえちゃって、アハハ〜 

2楽章
この楽章は、前1楽章と違って、メチャクチャ丁寧というか、おとなしい。
沈静しちゃってて、1楽章とはうってかわって、テンポが滞っているようにも感じられる。えー こんなに遅いと、なんだか、はぐらかされたような気分に。あれだけ、うねるよう に、凄烈で推進力のあった前楽章との関わりは、いったい、どう考えたらよいのか。う〜ん。ワカラン。退屈だよぉ〜

3楽章
このスケルツォは大好きなのだ。
結構、迫力があって、推進力もあって勢いも感じられる。
ふわ〜っとした霧のかかった森のなかから、白馬が出てくるって感じではないが、そこそこに色気がある。
まっ、カッシリしたスケルツォだし、巧いことは巧いが〜 あまり、イマジネーションを湧かせてくれるモノではない。金管の迫力もあり、ちょっと大きめの音量で入っているが、65年の録音とは思えないほど、リアル感のある録音で、状態も良く、音質的には、柔らかい。
バックに、しっかりとした弦のカシカシ感が入っているので、ホルンが被さってくるところは、なかなかにソフトで雰囲気あり。柔らかな牧歌的なフレーズは、ほほぉ〜巧いよなあ。やっぱり。
弦の揺らぎがあり、木漏れ日的なフルートの響きが、素晴らしい。場面ががらり〜と変わって、雅な感じさえ与えてくれる。
音質は明るめで、ベルリン・フィルの硬質的な響きより、もしかして、バイエルン盤じゃないの。というぐらい木質的な響きが感じられる。

4楽章
結構、険しい最終楽章で、テンポが、サクサクとして動きが速い。
クライマックスの作り方が、速いというか、ごごごぉ〜っという底から湧き上がってくる感じではなく、推進力でもって、あっ〜っという感じで、速めの勢いで、スピーディで軽やかさがある。
そのくせ、頂点では、ガツンというより、シンバルの一発、シャーンっとした響きが大きい。
ティンパニーの叩き方は、結構キツメで、ごろごろ〜と言っているし、その存在が圧倒的。音が、ガシンっ ガツンっとした、一本芯を通すような、そんな役割を与えているようだ。
まっ 金管、打楽器で、メリハリをつけていることは間違いないのだが、そこに、なんていうか、頂点のちょっと手前で、タメがつくられていて、間合いが置かれている。で、横目で、ちらり〜と、クレパスを覗いたような感覚を伴う。
頂点手前で、えっ。ひっ。と、間合いを取られて、ガツンと驚かされるというタイミングが、この怖さを一層かきたてることになるんだよねえ〜 この間合いは、独特なんだな。

で、楽章の構成で、ガツンとしたところと、優美な、甘いフレーズが挟まっていて、この間で、心が揺れるような気持ちになってしまう。
「そぉ〜 ふぁみ みっみっ みふぁ〜そぉ〜らそふぁ〜」
「しぃ〜 れれっれぇ どれみ〜れどれぇ〜 しぃ〜 れれっれ みふぁそ〜みふぁ〜」
というフレーズの、甘さ、悲しさみたいなモノが、ふわーっっと漂ってきて、ゾクゾクしちゃう。
まあ、ここの木管たち、フルート、オーボエの響きには、う〜ん。やられましたね。
まるで、甘美な映画音楽のワンシーンみたいで、官能的ですらあるんです。まっ、一瞬ですけどね。
最後の最後は、やっぱ、明るめの音質で健康的。

カオス的でもなく、宇宙的な響きでもなく、教会の荘厳さって感じでもない。なーんていうか、どことなく、自然的な響きで、森林から、高原に抜けたような空気感があるというか、高みに登って眺望が開けたような、そんな突き抜けたような広がり感、ボリューム感、 目の前の広がり感がある。
ラストは圧巻。何かをしあげた、やり遂げた、そんな達成感って感じを受ける。

総体的には、1楽章は、う〜ん。これは勘弁して欲しいなあ。と思っていたが、3〜4楽章を聴くと、やっぱ巧いし、迫力あるし、優美さもあって、この曲が、ロマンティックと言われる所以を垣間見た気分には、なりますねえ。75年、シュターツカペレ・ドレスデン (EMI盤)との録音もある。

カラヤン ベルリン・フィル 1975年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

もえてるぅ〜    ひぇーぇぇ〜     あれ〜変 だよ。    倒れました。

録音状態は良い。演奏自体が激しく、怒濤のティンパニーと、甲高い高音域のヴァイオリンの音色に圧倒される。1楽章は、真夏のギンギンギラギラした感じのブルックナーで、おおよそ、原始霧とか森林浴には無縁である。
演奏自体が華麗で、彩度の高いキンキンしている感じで、相当に疲れる。
中間楽章は、場面によっては、残響が豊かで牧歌的だ。まあ、それにしても落差の大きい二面的な演奏で、相当に疲れること間違いないが、やっぱり演技派だ〜と感心しちゃった。 ここまでやるとは確信犯的で、とても個性的である。
交響曲全集9枚組BOX。
1楽章
冒頭の原始霧は、ホルンの音色が、朝日が射し込んでくる感じで、「どぉ〜ふぁ〜ふぁ どぉ〜」と、吹かれている。
まあ、抑揚が少なく、相当に単調だ。ムードが無いというか、ストレートすぎるというか。強いというか、
あっけにとられるまもなく、フルートが重なってくると輝き度が増してきて〜
ヴァイオリンの高音域の「そぉ〜 そぉ〜そ らぁ〜〜 そらしどれみぃ〜 みふぁそらしどぉ〜」
その直後の甲高い声で、「しぃ〜らそ そふぁ〜 みぃ〜どれ どしらそふぁ・・・」

えっ? なんだか異常に高くない? と思った瞬間に、「みぃ〜ど しらそふぁ〜」
どどどどーっと、ティンパニーの強烈な洗礼を浴びてしまう。
う〜 この出だしから、やられた。こりゃ〜完全な確信犯だと思う。激しいっ。
いきなり真夏の日射しのように、焼け付く感じがして、とっても、ブルックナーという感じがしない。
確か、この演奏が発売された際、LPのジャケットは、白い羽根の美しい〜 それは美しいジャケットだったのだ。
しかし、あれは、イカロスの羽根だったのかもしれない。こりゃ〜焦げて墜落する。そんな感じ。

唖然とするような一発をくらったあとは、ハイ、平穏な雰囲気で、流れていく。
チェロのフレーズは柔らかく歌ってくれるのだが、なにせ、ヴァイオリンがキンキン声で、きつい〜っ。
それと、怒濤のようなティンパニーで、えっ〜 ここでテンポをあげるのぉ〜 金管の炸裂音
うーっ。これは・・・1楽章だけで、もう十分というぐらいのトンデモ盤なのではないかしらん。
少なくとも、心穏やかに、ふわーっとしたブルックナーを聴きたいな〜という方には、まったく向いていないです。(笑)

フルートの音色や、穏やかなホルンの音色とか、奥行き感もあって、美しい場面はあるんです。
で、柔らかくて、いいな〜って思っていると、あの恐ろしティンパニーがやってきて、イカヅチのごとく、世の中を叩きのめすかのような勢いなのだ。まあ、落差の激しい演奏なのだ。
あー そういえば、ワタシ、若い頃ブルックナーなんて、聴きたくない〜 こんな曲、わからん! と思っていたのでした。
ベーム、ケンペ、ヨッフム盤、全部ダメでした。カラヤンの演奏も、わかんない盤だったと思う。
「そぉ〜ふぁ〜 そぉ〜ふぁ〜 らぁ〜そ らぁ〜そ」と、ホント、唐突に金管が吼えるし、こりゃ〜怖いですねえ。
今、聴いても〜 アハハ〜 相当に疲れます。1楽章で十分〜(汗)

2楽章
はぁ〜 ここは、ゆったりと、美しく牧歌的に歌ってくれるので、生き返る。
というか、ティンパニーに打たれた傷口を癒やして、ベッドで寝ているというか〜 眠くなる感じ。
中間音域の音色も、フルートの音色もよろしいし、残響の美しさもあって、これは、とても牧歌的に、
「らぁ〜〜れ らぁ〜どしら〜 そら〜〜 れ らぁ〜みれどぉ〜し ら ら〜そふぁ・・・」
はもったチェロの音色なんぞ、美しすぎて〜 フランダースの犬状態になってしまう。

3楽章
このスケルツォは、ワタシにとっては、白馬に乗った騎士が、駆け出してくるシーンなのだ。
カラヤン盤で聴くと、どこか、タカラヅカみたいで〜 ちょっと苦笑い。
それにしても音が、なんか、どっか、ずれている感じがするんだけど〜 金管と打楽器が、えっ?
ワタシの耳が悪いのだと思うが、ずれてる感じがしちゃう。(← そんな筈はないと思うが)
ホルンの残響はまろやかで、金管の華やかさが、そこに乗っかっていて、とても煌びやかさ、華やかさがあるのだが、いかんせん、演技性が高いというか、高すぎというか、どや顔で騎士が登場してくる感じで・・・ ちょっと、ひいてしまう。
どどどぉ〜っと、ティンパニーが仰々しく、賑々しく舞台をこしらえて、金管が、華々しく炸裂してくれてて〜
でも、場面がかわると、奥行きのある残響の豊かな響きに、うっとりさせられる。
まるで、ねむっていたお姫が、王子さまに起こしてもらったかのような、夢見心地のようなシーンが描かれたりする。
う〜ん。ペロー童話か、グリム童話でも読んでいるかのような、童話の世界で〜
さすがに、カラヤン盤で、茨姫とか、眠れる森の美女、ってことはないと思っていたんですけど〜 (爆笑)
もう、繰り返しは結構ですよぉ〜

4楽章
打楽器の音に合わせて、短い金管のパッセージが、段々と集まってくる。
「どぉ〜どぉ〜しぃ れ〜れ〜れし〜 れ〜れ〜れし〜」 音が集約されて速くなってきて〜
「ふぁそ ふぁそ み〜 みぃ どぉ〜 どどれ みしっ〜み ふぁ そ ら〜っし〜」と、放出されていく。
吹き出すかのような音の流れがあって、厳しい音で直線的に描かれている。
コーダ部分の迫力は、荘厳というか、金ぴかというか、ハレーションの強いものである。

舞曲風のフレーズになると、これが、柔らかく〜 残響を生かして奥まったところで、もわっと、幻影のように描かれる。
「そ〜ふぁみっみっみっ みふぁ〜そ〜らそふぁみ〜」
アクセントのついた、オリエンタル調の風変わりな舞曲というよりは、テヌート気味での旋律だ。
そのテヌート気味の旋律にうっとりしていると、唐突に、ホント、怖いぐらいの心臓が悪くなるような、凍り付くティンパニーが入ってくる。
ひとつひとつのフレーズは、美しく調和されているのだ。
「しぃ〜 れれっれぇ〜 どれみ〜れどれぇ〜  しぃ〜 れれっれ〜 れみふぁ そ〜ふぁみ〜」
和音の美しさが、夢みる感じで描かれたりする。
しかし、それが続かない。それを打ち破る悪魔が、ご降臨って感じで〜 

う〜ん。ある意味、この演奏は、現代的とも言えるかもしれない。
おとなしい優等生が、ある一瞬切れた感じがする。
ぞーっとする二面性というか、 天才と狂気は、紙一重〜って感じ描かれているというか。
これが、演技派というか、その演技の幅だといいんですが〜 かなり病的だとも言えちゃうようで、ちょっと怖い。
これが、75年の演奏なんですよねえ〜 う〜ん。考えちゃいますねえ。とても、強烈な個性を放っています。
ワタシは、凡人なので、平穏的な演奏が好きなんですが〜(笑)

0170

ケンペ ミュンヘン・フィル 1976年
Rudolf Kempe
Münchener Philharmoniker
(Munich Philharmonic Orchestra)

あちゃ〜

録音状態は、まずまず。70年代中頃だったら、いい方じゃーないだろうか。金管が少し強めに聞こえるので、ワタシには苦手な部類である。身をよじってでも進む強さがあり、 かなりタイトで、厳しい演奏である。

1楽章
冒頭、原始霧では、ふわーっと出てくるのかと思ったが、わりと腰が強く、金管類は、ところどころ高く聞こえるので、おおっ 意外と強いなあ〜と感じた。テンポは普通。
ケンペというと、ソフトなイメージがあるのだが、意外にもコワモテ的というのが、第一印象。
音の切れが良いというか、最後、尻あがりに、ピン!と跳ねるような弾力性がある。音が堅いので、余計にそう感じるのかもしれない。
それが、録音状態のためなのかどうかは、不明。音の量とテンポの速さは、わりと明確でハッキリしている。揺らしもあり。
いずれにしても、トランペット・トロンボーンの音が、直接的に耳に届くことと、またアクセントがはっきりしているので、まろやかさが好きな私には、かなり取っつきにくい。
ブルックナー自体が、初めは苦手で・・・ ベーム、ケンペ、ヨッフム・・・ これらの盤はダメ。
ずーっと後年になって、人に薦められてレーグナー盤とブロムシュテット盤を聴き、あ〜 これならなんとかブルックナーを聴けるかな。と思ったのだ。ブルックナーは、苦手という意識を植え付けてしまった1枚でもあり、第一印象というのは、 後々まで、かなりのウエイトを占めてしまうので、ロマンティックを聴く際には、ほとんど手が伸びない。

2楽章
かなりマイルドになっている。金管類が息を潜めているから、そう感じるのか。
ただ歩みは、しっかりしている。

3楽章
重厚感を感じないわりには推進力があり、細身でありながら、結構逞しい。テンポかなあ。やっぱ。
ホルンはマイルドなのだが、トランペットとトロンボーンが、イマイチ。
木管類の跳ね回るような軽快感と、軍隊調に聞こえる第一音と最後の強いアクセントが気になる。
重量感のある総合力的な力強さというより、細身でありながら、身をよじってでも進む強さがあり、厳しいイメージがする。

4楽章
総体的に巧いというワケではなさそう。ばらけた感じがする。ただ、よく音が聞こえるし、口調がハッキリしているため明晰な感じも受ける。
優しい方の旋律では静謐な感じがする。怖い方の旋律では、あまりにも決然とした感じを受けてしまい、双方共に屹立としているため、相容れない世界が、まっぷたつ。
はっきりと分離してしまっており、互いが融和せず対峙し、最後 には火柱が立ち上ったようで・・・・・・。
どうも、ワタシ的には、最後まで違和感が残ってしまった。
特に、最後の楽章では、何かに取り憑かれたような、角張って突き進む悲壮な感じを受ける。
よく例えられるように、まあ〜るい球体のような世界観という感じはしない。
厳しい悲壮感漂う、ブルックナーのロマンティックという印象である。

0163

クーベリック バイエルン放送交響楽団 1979年
Rafael Kubelik
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音は、極めてクリアーで文句のつけようがない。端麗辛口タイプではあるが、瑞々しいし、特に弦の張りつめた感覚が心地良いし、みごと。これは絶品っ。

1楽章
冒頭 ぼわーっとした原始霧から始まるのだが、このクーベリック盤は、すでに静謐な空気が張りつめていて、ある程度晴れている。そして、さらに見通しが良くなる感じがする。
演奏は、質実剛健で端麗辛口タイプ。歯切れが良く堅い。
ぼわーっとしてもいない。きりり・・・としているというか凜としている感じ。そのくせ、しなやか。
1楽章の途中で、こりゃ〜いいわ!と、思わず唸って拍手してしまった。
音の膨らませ方とか、聞こえないようで聞こえてくる低弦の音とか。
テンポも勢いがあるため、インテンポと、そうでないところとメリハリついているため、推進力もあり聴いていて気持ちがいい。アンサンブルも見事。
音の形が見えてくるというのか。声部も透けて見えてくる。かなり見通しがいい。
録音の透明度も抜群に高い。奥行き感があり、オルガンのように和音が聞こえるし、オケの音の粒立ちが良く立体的に、クリアーに立ち上がってくる。すげっ。こりゃスゴイ。絶品じゃー!

2楽章
この楽章は、冗長すぎて、あまり聴くがおこらないのだが、みごとに最後まで聞き通させてしまった。
退屈どころか襟を正して緊張して聴いた。いかにも姿勢の良い、余計な無駄のないモノ になっている。金管がストレートに吹かれるのだが、細身で、太く、ごつく〜という印象は受けない。
弦の音も、細身だが、しなやかで明るい。透き通った細身の糸が張りつめ、また揺れている。

3楽章
狩りのホルンは勢いが良い。スピード感があり、白い馬が、森のなかから走り出してきたようなイメージを受ける。奥から低弦の響きがあるため、リズム感があり、そこに弦と金管が爽快に奏でられる。
バイエルンの音色が最大限に生かされているという感じがする。
しなやかで、木質的な響きで、芯のあるまろやかさ。う〜ん。素晴らしいと唸ってしまう。
金管がまろやかでないと、きっとテンポが良すぎて、キツク聞こえるんだと思うが、ほどよくテンポアップされて、また、弦の響きも両翼なのだろうか、バランス良く響いて聞こえてくる。
う〜ん。巧い。短い金管のパッセージなのに、こんなに揃ってるなんて〜 信じられない。
また、中間部の緩やかなフレーズも、弛緩せず、まるで室内楽的に響いている。
かなりスマートなくせに素朴さがあり、アバド盤のように、緊急降下してくるジェット機の爆音状態の音とは、次元が異なっている。

4楽章
テンポが速く、細身のくせに、まあ。なんて堂々としているんだろう。という驚きがまず第一印象だった。
勢いの良さがあるのだが、がむしゃら的ではない。
決して、速すぎず、息の長さもあり、アンサンブルがみごと。
各パートの見通しの良さは、すごい。かといって、重層的に響くブルックナーの音楽が、バラバラになっているわけでもない。
「そぉ〜 ふぁみ みっみっ みふぁ〜そぉ〜らそふぁ〜」
「しぃ〜 れれっれぇ どれみ〜れどれぇ〜 しぃ〜 れれっれ みふぁそ〜みふぁ〜」という、オリエンタル調なフレーズなんぞ、舞曲風に聞こえるし、アクセントもしっかり付いて、スパイスたっぷりだ。
テンポも揺らしているし、でも、臭いほどのアクは強くないんだよなあ。
なんだか、やっぱ、この絶妙さに、やられてしまっている。
強奏しているところは、ホント、細身のくせに、強いしねえ。弱音は、はかないほどに感じられるし。
フレーズは、しっかり歌っているし。う〜ん。やられるんだよなあ。
なんで〜 こんなに、しなやかにフレーズが入れ替われるんだろ。身のこなしの鮮やかなこと。
これじゃー イチコロになってしまう。

う〜ん。この最終楽章は、まるで、男女が愛を語っているかのような場面が出てくるんだよな。
ヴァイオリンのピチカートの切ないような音色と、無骨なオリエンタルなフレーズと、合体状態なのだ。
う〜ん。これじゃ〜 まるで、エロティックなんだよなあ。あっ だから「ロマンティック」なのか?
このクーベリック盤で、ブル4のサブタイトルを思い出した次第。
不謹慎だと怒られるかもしれないが、ワタシ的には、少なくとも、このクーベリック盤の最終楽章では、男女の恋情をイメージしてしまう。
さて、クーベリック盤の演奏の素敵さを言葉にするのに、散々考えたあげく、平凡な表現だが・・・
バランスが良いと言う言葉しか見つからない。う〜ん。情けない。もっと表現できるように、修業しなおしてきます。(苦笑)

0158

ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン 1981年
Herbert Blomstedt
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

ほぉ〜良いヤン

まろやかで、ソフトで柔軟で、のびのびしてて・・・ 木のぬくもりを感じさせてくれる。 録音状態は、ダイレクト音ではないので、目の前に1枚薄いベールが掛かっているような感じがする。

1楽章
原始霧が、しずかーに始まる。心が安まる感じがする。厳しくもなく自然体で、穏やかで、のびやかである。
朝の風景が自然と目に浮かぶ感じで、 ジャケット写真のような湖面に靄がかかり、それが、ふわ〜っと、しずかーっに、風が吹いて晴れてくる。
強くもなく弱くもなく、春のやわらかな陽射しで、清々しさあり。
幾分、テンポは速めなのだが、迫力で、めいっぱい押すタイプではない。
無理強いしないので、さらり〜と聞き流せてしまうが、これを聞き逃すのは、やっぱりモッタイナイと思う。
金管類は、あくまでも柔らかで、驚かしてどうにかしよう〜なんて、いやらしい魂胆はナシ。
ティンパニーも、遠くで、じわーっと響かせている。耳を澄ませないとダメなほど。
天上の音楽を奏でるという感じではない。やっぱり、自然という言葉しか見あたらない。作為的なことはしていない。う〜ん、これを感じ入るのは、難しいかも。さりげない所作から、機敏に感じとれる人でないと、う〜ん この良さはわか らないかも。もっとも安心して聴けるブルックナーの4番で、わりと素人からツウ好みかもしれない。

2楽章
このブロムシュテット盤の白眉かもしれない。瞑想的で良い。

3楽章
スケルツォは、迫力満点というわけではない。重戦車軍団のような演奏を聴いた後だと、拍子抜けのようで・・・ つむじ風のように感じるかも。
あくまでも上品というか、う〜ん。これでいいのかなあ。と思うほど、のびやかで、威圧感ゼロに等しい。
あえて例えるなら、白い馬にまたがって、女性が、城から走り出してきた。って感じかなあ。
あわてて、おつきの護衛が飛び出してきた〜という案配。狩りに出て行くというより、どこかへの遠出らしい。時代は、もちろん中世になるんだけどね。ロビン・フットさまにでも会いにいくのやら。 そんなワンシーンを思い浮かべてしまった。

4楽章
厳しい楽想なのだが、やはりブロムシュテット盤は、あくまでも優しい。悲しみがあり。
あるがままに受け入れてくれそうな懐の太い寛容さを感じる。一言で言うと「慈悲深い」というか。
ブロムシュテット盤は、壮大な宇宙や宗教観ではなく、観念的でもなく、別世界にも飛んでいかない。
もっともっと普段の身近な、ほんのちょっとした事象のなかで、じわじわーっと気づかせてくれる、そんな演奏で、肉親の愛情が籠もっているかのようだ。
まるで、それじゃー 英雄ではなく、母親じゃんと思ってしまうが・・・ まっ そんなモノかな。
敬虔で、どことなく控えめな感じだが、最後には、じわじわーっとくるものあり。
最後には、背中をポンと押されて、さあ次の劇の幕が開くわよ。がんばりなさい〜と言われ、後ろ押しされたことに感謝する気持ちが湧いてくる。
この演奏を聴き終わった感想は、ありがとう〜という心境に。かなり女性的な演奏。

0762

ショルティ シカゴ交響楽団 1981年
Georg Solti
Chicago Symphony

これもありかっ

録音状態は、まずまず。1楽章は、勇壮豪快な演奏で、良いのだが、段々と・・・ ちょっと〜 重戦車軍団が、荒野を走り回っているような感じで、あれまっ。凄い迫力で、独特のリアル感がある。これもありか〜と思いつつ、何かが足りないっと思うようになってしまう盤で、そのアプローチの猛々しさに笑ってしまうほど。
ノヴァーク版

1楽章
原始霧が、いっきに晴れてくるダイナミックな立ち上がりで、爽快というか痛快だ。
ショルティの全集の初めに録音された盤なので、多少録音がこもっている感じがするが、デジタル録音だし、まずまず。原始霧の場面では、良いかもしれない。(笑)
で、もわもわ〜っとした感じがなく、明快って感じがする。かといって、テカテカしているわけではなく、ブルックナー特有の付点がよく効いている。
口調がはっきりした、2+3連符で、 「た〜らら らったった た〜らら らったった」と、勇ましい。
派手ではないところが救いで、管バリバリじゃーないんだよなあ。結構、マイルドな響きなのだが、底力があるっていうか、歯切れもよくって、ボンボン バババ バン・・・ これが小気味良い程度に収まっている。
アクセントのついた先頭に、語尾が猛烈に弱くなる金管 「そぉ〜 みどふぁ そみどふぁ〜」
若々しいエネルギーが、活き活きとして放出されている。
トロンボーンの音色とトランペットが、美音だ。芸術的に完璧か。といわれたら、そうでもないんだが、でも、勢いの良さには負けるよねえ。活き活きしてたら、音楽を聴くモノにとっては嬉しいもんだ。
鳥の鳴き声が聞こえてくるフレーズは、弱音のために緊張が途切れそうになるが・・・。
ホルンが。「ふぁ〜らら ど〜ふぁふぁ」と呼応し、続く金管の「ふぁらどしらふぁ れらふぁみれふぁ〜」で、度肝を抜かれる。で、更に、コラール風の金管のハーモニーが、ホント、華麗な音色で揃っている。
「そぉ〜ふぁ〜み〜 み〜ふぁ〜そぉ〜 どぉ〜ふぁ〜ら〜そ〜ふぁ み〜らっら み〜らっら み〜」
このコラール風のフレーズの金管は、お見事っ。う〜ん。拍手っ! 開放的で明るく華麗である。

2楽章
テンポはゆったり〜 「ららら〜 れ〜ら〜どしら そ〜ら〜 れ〜ら〜みれど〜しら らそふぁ〜」
このフレーズが、各楽器に受け継がれていく。ついつい、ワタシが、よく寝てしまう楽章で・・・つい睡魔に襲われてしまうのだ。 「ららふぁ〜みふぁれ〜」この短いフレーズが、繋がっていく。
息の深い和音が、敬虔な気持ちにさせるアダージョ。
フルートをはじめとする木管の響きも優しい。鳥が鳴いているような、「れみれっれ れみれっれ」
チャカチャカチャチャ・・・ これが、楽しいフレーズで、彩りを添える。 
で、楽章最後になって、「ら〜らぁ そふぁ〜み〜れ・・・」と大きなクライマックスを形成する。
このフレーズでは、ショルティ盤は、裏の旋律が、う〜ん。弦が揃っていないというか、金管に被さっており、あまり綺麗に聞こえないっ。残念。

3楽章
有名なスケルツォの楽章だが。う〜っ なんだ。これっ。 珍しく、冒頭が、綺麗に揃っていない。トランペットが短くて弱いパッセージを吹いているのだが、もう1人のトランペットが合わなかったようだ。ずれているように思う。
猿も木から落ちるっていうが、白馬に乗った騎士も、カッコウよくお城から出てくる前に、これじゃーこけてしまった感じだ。
あらまっ。 再度、挑戦っ。今度は、きっちり揃っていますが〜 でも、ちょっと汚い音やねえ。う〜ん。
ショルティ盤には、ここは、しっかり決めて貰わないとアカンやん。
スケルツォだから超期待したのに・・・。
で、白馬の騎士は、どーなったんだ。3回目の挑戦は?  おおっ しっかり、バッチリ。迫力満点でパワフルに決めたっ。
4回目も、段々と自信が出てきたらしく、堂々としてきて。バッチリ。
白馬の騎士の間に挟まっている牧歌的なフレーズは、木訥としすぎ。
どうも、ショルティには似合わないと見える。やっぱ。ちょっと早口で、さっさ〜っと流してしまったような気がする。
最後5回目の白馬の騎士の挑戦は、重低音が入ってきて、すげ〜勢いで、ぐい〜っと走っていきました。あとには、砂埃が・・・。ごぼほっ。スマートとは言えず、ごっつい足の馬。いや、馬じゃ〜ないような。
あれじゃ。象かサイ、ムーの河渡りの軍団のような走り方のようだ。

4楽章
短い金管のパッセージが、段々と集まってきて、音が飛んでいる。で、ものすごいエネルギーの高揚があり、たまりかねて、「み〜み〜どぉ〜 どどれ みしっ〜み ふぁ そ ら〜っし〜」と、放射される。
この放射熱は、やっぱ熱いっ。壮麗なファンファーレが、鐘のように広がっている。
これが原始霧の形をしているのだが、鳴りっぷりは、やっぱ派手で、荒っぽい。
主題が替わり、オリエンタル風の旋律になる。
「そ〜ふぁみっみっみっ みふぁ〜そ〜らそふぁみ〜」 変わった舞曲風にも聞こえるフレーズなのだが、なぜか、ここ、ショルティ盤は硬いっ。チクタク時計のように鳴っており。う〜ん。なんで〜ギクシャクしてるんだ。なぜ、こんなに硬いんだろう。
メチャ風変わりだが、面白いフレーズなのに・・・。
で、戦闘的なフレーズになると、俄然燃えるショルティ盤なんだよねえ。う〜ん。これじゃー。宇宙戦艦大和風。SFX映画風みたいだよねえ。う〜ん。なんか場違いだ。

コーダ部分に入ってくるところのフレーズが、大好きなのだが。
「らーそ そーらふぁ そ〜ど〜ふぁ〜 みぃれ〜どし しぃ〜ららぁ〜そぉ そぉ〜ふぁ そぉ〜ふぁ」
「し〜れっれれ れ どれみれどれ〜 し〜れっれれ れ れ〜みふぁ そふぁみ〜」
「どどぉ〜みみっ〜みぃ れっ みっ ふぁっ みれみ〜」
思わず涙目になるぐらいの、美しいハーモニーなのだ。
メチャ好きなので、ここの和音を、きっちり綺麗にまとめてくれないと、憤懣やるかたなし状態になる。
で、ショルティ盤。う〜ん。厳しいようだが、これじゃ失格だなあ。期待してたのにぃ。
もう少し綺麗にまとめて欲しかった。
この楽章は、勇壮な、恐ろしいモノが、うごめいているような・・・。宇宙の鼓動だとさえ言うほどだから、スケールが大きい。そして、いろんなフレーズが凝縮されている。
なんで〜こんなにいっぱい美しいフレーズを、集めてくるんだろう。と思うほど、寄せ集め的になっているのだ。内心、あ〜 これじゃモッタイナイっ。

で、ショルティ盤は、さすがに豪快で、鳴りっぷりは良いし、少し弱音になる部分も、まずまず。
でも、そのスケール感は認めるものの、教会で鳴らされているような、コーダのようには感じず。
凄いですねえ。重戦車軍団が、まるでドイツの荒野を、大地を走り回っているような感覚で、パットン大戦車軍団って感じがする。 敬虔さや、畏怖心などの心理面が、やっぱ少ないと言わざるを得ない。
両方を兼ね備えるって、非常に難しいとは思うんだが。う〜っ その点は、惜しいような気がするなあ。

0431

レーグナー ベルリン放送交響楽団 1984年
Heinz Rögner
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)

これもありかっ

幾分残響が多め。東ドイツの録音って、音の響きは少し水分多めで、潤い感があるようだ。でも、森林浴気分のような、心地よさを感じる。スピードが速くて、推進力はあるが〜
う〜ん。これは違うだろうと思ってしまうほど快速バージョンだ。

1楽章
おなじみのブルックナー特有の原始霧から始まるのだが、レーグナー盤では、霧がきっきに霧が晴れてきてハイ、快晴ですよ〜と言われる。
レーグナー盤は、ブルックナーのなかでも超快速バージョン版である。はやい。はやい!
他の盤より、かなり速いのだが、ポンポン切っては投げ〜という乱雑さは感じない。
音がのぼりくだりするところは、一気に行くのだが、しなやかで柔軟性があるため、強引さは感じず、むしろ心地よいスムース感がある。
それに録音がまろやかなので、一気に持って行かれても、あとは流れに身を任せて〜という感じにさせてくれる。この超快速のテンポは、ブルックナーの良さというのが馴染んでくると、違和感を感じるだろうが、ブルックナーを聴き始めた時期には、 このレーグナー盤は聞きやすいと思う。
それに、ブルックナーというと、どことなくオジンクサイのだが、このレーグナー盤は若々しい。生き生き、ぴちぴちしてる〜 と思う。
小気味よいテンポに身を任せていると、寝ている顔のうえで、リスが、走り回っているかのように聞こえる。
まるで、木々の間にハンモックをしつらえて寝ているような〜 森林浴をしているような気分なのだ。

2楽章
テンポよく進むが、これはどうやら、森林のなかを散策しているようだ〜 哲学の道ならぬ、思索の道なのかもしれないが。自然の風景と瞑想シーンのようで、どこか回想的な雰囲気で穏やかになれる。
 
3楽章
ホルンの音色とトランペットが、彼方から聞こえてくる。それが、段々ティンパニーと共に膨らんでくるのだが、この音色の柔らかいこと。いきなり、目の前をドイツの戦車軍団でも走ってきたのか〜と思うほど、重いスケルツォが多いなかで、 かなり柔らかいソフトな風合いである。 木管の音色もソフトで、これは一体、どんな世界なのだろう?
ホルンが、狩りでも始める合図として吹かれているのだろうか、のどかな森林地帯である。動物たちが走り回っているのか、パンパン パパパ パーン 2+3の拍子が、連綿と続く。 生け捕りにしたか〜とでも聞いているのか、木霊のように響く合図が奏でられており、 ティンパニーが、このソフト感を引き締めてくれるキーワード的存在になっている。

4楽章
難しいテンポで幕が開く。厳かでちょっと暗い、劇的な雰囲気のする楽章。
複雑な旋律が絡んでいる。天上的な美しさがあると思ったら、悪魔的な重厚な響きのトランペットと一緒になって錯綜する。 難しいというか、ややこしい楽章で、どう聞いたら迷うような楽章である。
英雄のテーマのような金管と、優しい自然の木管と重厚な弦とが複雑に混じり合って、細切れにパッチワーク的に、人生模様を織りなしているようである。
難しい劇のような楽章なのだが、このレーグナーは聞きとりやすい。端的で平凡な表現かもしれないが、耳障りが良いというか、わかりやすい。見えやすい。
そうだな〜 このレーグナー盤の「ロマンティック」の主人公は、例えで言うとロビン・フットになるかな。

ちなみに録音は、1楽章15:10 2楽章13:33 3楽章10:50 4楽章18:23
トータル 58:07の快速演奏である。

0165

ハイティンク ウィーン・フィル 1985年
Bernard Haitink
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

ばっちグー!

録音はクリアーで豊か。ホールトーンも十分。 壮大な、優美な絵巻物でも見ているような視覚的要素を感じる。まるで美術館で、絵画を見ているような気分に。コンセルトヘボウではなく、ウィーン・フィルなので、壮麗なのかも しれない。

1楽章
冒頭のホルンは、あまり印象に残らなかった。響きに余韻はあるのだが、段々ボリュームをあげていくタイプではないので、インパクトが強くない。
う〜ん。また凡庸なのかなあ。と、ついつい疑ってしまう。
その後は、かなりのスケールで低音が堂々と鳴る。テンポは遅め。ゴツゴツしたダメ押しのような感じでティンパニーが長く響いたあと・・・ さて、流れるのかと思ったら、さほど流れず・・・ ん? 
で、ここっ という時に極めつけの怖いティンパニーが鳴る。
勢いがないんだよなあ。ちょっと重いなあ。
弦の伸びは、やっぱりウィーン・フィルなので、華麗で壮麗さを感じる。そして、独特の和音が続く時には、うっとりする。
でもなあ。いかんせん中間部の美しいメロディーは、テンポが遅めで、ワタシには適合できず。
特に、音のボリュームや音の上り下りに、勢いがないので弛緩しがち。
いつになったら勢いがでるやら〜と、諦め気分になってきたところで、後半になり、ティンパニーの響きと、いつものフレーズ 「ぱん ぱん ぱっぱーん」で、 呼び起こされるのである。
2拍子連続では、どうやら推進力がついてくる。

2楽章
ちょっと温和しく、瞑想的に逍遙している感じがするが、わりと速め。

3楽章
ハイティンクのスケルツォは、派手でも豪快でもなく、極めてマイルド。強烈さには欠けている。
もう少しパワーがあってもよさそうなのだが、なぜなんだろう。
ウィーン・フィルにしては、幾分地味で、おとなしいぐらい。音色の渋いコンセルトヘボウと間違えそうだ。

4楽章
この楽章は、いいと思う。意外といっちゃ〜失礼なのだが、まろやかさもありながら、段々と膨らませてきて杭を打つあたりは、間違ったことをしちゃ最後にはこうなるぜ。という、踏み絵を見せられているような感覚になる。ちょっと身が引き締まる。 ハイティンク盤では、チューバとかトランペットの音が、まろやかでありながら粘り強く吹かれ、木管と弦が天上の世界を描く。う〜 これは良い。
内省的であり、精神の高揚もあり、丁寧で、いかにも清潔な感じがする。
歌うところは歌ってくれるし、まるで目の前に、上下2つの世界に分かれた壮大な宗教的な壁画が広がっているようだ。この上下の世界に迷う魂。天上に昇りたい魂が、行きつ戻りつしているようで、、、 いささかまどろっこしいのだが。

ハイティンク盤では、身をよじって慟哭もせず、情感過多にもならず〜 誠実で真面目に人生をやってきました。その結果を待っていますという感じで、最終のコーダになると、まあ〜 なんとか、迷いながらも救済されたんだねぇ〜という、ほっとした気持ちになる。 ハイティンク盤では、最後、壮大な絵画が目の前に広がってくる。

0539

ムーティ ベルリン・フィル 1985年
Riccardo Muti
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

いかすぜっ

録音状態は、う〜ん、イマイチ。ちょっと靄がかかっているようなので、音量をあげて聴きたい。もう少し、高音域に透明度があれば良かったのだが・・・。リマスタリング盤も出ているようだ。
かなり良く歌う演奏で、カンタービレ調だが、どこか、ふんわり〜。
これがブルックナーか。と言われそうだが、この優美さにはやられる。

1楽章
さほど期待して聴かなかったのだが・・・ 意外と美しい。
冒頭の原始霧のところは、さほど大仰でもなく、ふわーっと出てくる。へえ〜っと思うほど、まろやかで、意外だった。
ベルリン・フィルだとヴァント盤を聴くことが多いのだが、ヴァント盤は硬質で、カチカチ、キチキチ・・・ でも、このムーティ盤は、柔らかい。ふわ〜っとした膨らみが多い。
ぶよぶよ〜という意味ではなく、弦は、もちろん、きっちりしたアンサンブルである。
劇的なイメージで、弱音と強音のメリハリが大きい。鳴らすところは、強烈に鳴らしている。
恐ろしい音で鳴ってくるので、ホント強烈。雷みたいに響く。盛り上げ方が巧いっていうのだろうか。
テンポと音量の計算が緻密なようで、「G」がかかるように、ぐぐーっと上げていく。
高級なスポーツカーのエンジン・トルクのようで、加速度合いが心地良い。これ癖になりそうで・・・
金管類も弦に埋没しているわけではないのだが、突き抜けた感じにはなっていない。
う〜ん。ホルンの音色が、本当にまろやかに響いている。特に1楽章のラストは聴き応えあり。

2楽章
人の語りに似た楽章なのだが、楽器がかわりばんこに旋律を受け継いでいくところは、う〜ん。
やっぱ巧いなあ。歯切れが良いところもあるし〜 テンポが良い。
引きずった感じのしない、間合いの良い喋り方のようだった。
ぐぐっ〜っとテンポを落として、盛り上げていこうとするところは、う〜ん。ニクイ。
派手な楽曲ではないから、つい眠くなるんだが、二次元的な陰影というのか、三次元的な彫像的というのか、う〜ん。なんて言うんだろ。

3楽章
わりと早めでテンポよく進む。う〜ん。推進力がある。
ごごごーっと、地下を這い上がるって言う感じではないし、目の前を重戦車が走るという感じでもなく、
圧倒的な威圧感や重圧感や、目の前を横切っていくような体感型のリアルさはない。
しかし、あえて例えると、頭の上を天馬が駆けていくという感じに近い。どこか、ふわーっとした空間的なイメージに近い。
なんでだろう。と思って、同じ箇所を何度か聴いたのだが、金管が、かなり遠くから響いてくることと、3連符の「パンパン パパパ パーン」のフレーズの最後の音が短く、はっきり聞こえることと、ティンパニーが快速トリルであることと、まろやかに響く 金管の残響のせいだと思う。
ん〜。これはホールでの録音なのだろうか? 手持ちのCDには録音場所が書いていないようで、よくワカラナイのだが・・・ どうやら教会での録音らしい。響きが、天上高くに舞い上がっていくようで〜 残響の長さと空間を感じたわけだ。
こりゃ〜 最初から、ベルリン・フィルが、クリーミーに聞こえる筈だなと感心してしまった。
それに、のびやかだ〜 低弦の推進力も下支えになっている。
いずれにしても、あまりガシガシ演奏されるより、ずーっと嬉しい。楽しい楽章になっている。

4楽章
ぐぐーっと「G」をかけてテンポを落としていくところは、やっぱ、すげ〜っ。
あくまでも、インテンポなんだよ。アバド盤のように、テンポが始終、ドラマチックにブレーキを掛けたり、アクセルを踏んだりして、変えているわけじゃーない。でも微妙に加速している。それなのに「G」がかかる。う〜ん。不思議な感じがする。
舞曲風になっているところは、ゆったり〜 歌う。ムーティ盤は、よく歌ってくれるし、心地よい。
歌うっていうのは、やっぱ第一は旋律だけど、テンポが微妙に変えてくれないと飽きるものだが、微妙に加速したり、減速したりしてるんだなあ。みごとに、この「ツボ」に、はめられてしまうんだよねえ。
まろやかに歌うのだが、その伏線になっている別の旋律や、低弦の音や、別の推進するリズムを、しっかり微音のままだが、耳に届くのが嬉しい。

劇的だが、決して、大向こうを張るような大層な演奏でも、緊張感を強いる演奏でもない。
開放的で、よく歌いながら、決して崩れもせず、耳が ん〜?と、そばだつ盤である。
厳しいところは、メチャ厳しいんだがねえ。ティンパニーが凄い響きで怖いぐらいで迫力はあるが、最後は、もちっと荘厳にしてもらいたい気もするかなあ。
それにしても、歌うブルックナーというのも、なかなか良くって〜 これはこれで、すごいと思う。

0169

シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン 1987年
Giuseppe Sinopoli

Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

さっぱりワカラン

録音状態は良いが、大きなホールで飽和状態になっているようで、音像がはっきりしない。で、劇的なブルックナーで、どこか居心地の悪さを感じる。 マーラーと同じアプローチのような気がする。

最初聴いた時には、録音状態は極めて良い。しかし、弱音部分が、聞き取りづらいほど弱く、ボリュームの上げ下げに走る羽目になった。
ホルンを初めとした金管のまろやかで、軽やかな響きは、シュターツカペレ・ドレスデンのもの。
すご〜く綺麗に立体的に広がる。
細かい襞のイッパイ広がった、軽やかな衣服を身にまとって、格式の高い宮廷で、すまして歩いているかのような雰囲気があり、柔軟で繊細、女性的だ。

テンポは、結構変わるし、歌うようなフレーズに仕上げてくるので、目眩がしちゃうかも。
悪く言えば、船酔い状態になるかもしれない。
ブルックナーって、テンポを均一に、かったるいぐらいに、同じテンポで、刻んで刻んで〜 そのなかで、地道に構築していくような、石組みのようなモノだと、勝手に想像しているのだが〜
どーも、その点、シノーポリの演奏するは、縦横無尽に走ってしまうので、目眩がしちゃうのだ。
厳格に、同じテンポで振って欲しいよなあ。
音を刻んで欲しいのに、ありゃりゃ〜 糸引き納豆みたいに〜 ねちっこい。
うぐっ。これはダメだ。生理的に合わない。

まっ それでも、ドレスデンの音が好きなんで〜 弱音すぎて聞こえてこない部分も、しっかり耳を澄ませて聴いたのだが。う〜ん。まどろっこしいっ。普段聞こえて来ないような音もあるし、ドラマティックで、湧き起こってくるパワーも感じるし、軽やかで繊細な音でありながら、その場で紡ぎ出されたような瑞々しい音が、重なり合って、重厚に仕上がっているとも感じる。
金管のフレーズは、これは、耳のご馳走だ。ふはぁ〜 凄い。綺麗だっ。
しかし、なにせフレージングが・・・。
すっかり、伸び縮みしてしまっており、えっ、おいおい、これオペラじゃーないんだぜ。ここまで、ブルックナーで、劇的に振らなくても良いんですけど・・・。これは、いくらなんでもオーバーだっ。と、かなり変わり種の、いじくり型。一聴して、ダメっと。烙印を押されてしまう、生理的に合わない。と言われる可能性大の演奏である。

2楽章は、まるでマーラーのアダージョ風。う〜ん。かなり異質だ・・・。
シノーポリのマーラーは、ワタシ的には好きなのだ。振幅の大きさ、恍惚感、陶酔感のあるエロティックさ、フレージングのねちっこさ。でも、ブルックナーは、違うと思うんだよなぁ。
あっ そうか、この曲は、ブルックナーと思わなければ良いのか・・・。← てなワケないでしょ。(笑)

ワタシ的には、ブルックナーの楽曲を聴きたい時って、永遠に続くかのような、同じような状態でいたい時。大きなものに、ふんわり包まれたいような気分になっている時である。
変化を好まない。疲れている時なのだ。
で、マーラーを聴きたい時は、全く、生理的に違う。自分自身が、とーっても元気な時。エネルギーがブツブツと隆起して、何かが湧き起こり、放出したいような時である。
まあ。身勝手このうえない聴き方だし、とっても偏っているのかもしれないが〜(苦笑)
ドレスデンの響きは大好きだが、ブルックナーを聴きたい時に、生理的にあわないので、ストレスがたまるというか。

3楽章のホルンをはじめとする金管群の響きは、ハイ、醍醐味です。
女性的ではあるが、綺麗だし、結構、格好も良いし。スマートですよ。ブロムシュテットさんのドレスデン盤に、ちょっとだけ、スタイリッシュにしたような感じ。響きは、確かに同じドレスデンだし、そのまま伝統を受け継いでいると思うし。
耳に馴染むまで聞き込めば、面白い演奏なんだとは思うが・・・。かなり変わり型なので、ちょっと〜いや、かなりの抵抗があるし。新しい発想のブルックナー解釈。ってことになるのかもしれないが、どこが、どう新しいとは、評論家でも専門家でもないので、1つ1つ取り上げては言い難い。 どうも、ワタシ的には、部分的には、ほほ〜 すごい。素敵っ、と思うところはあるのだが、総体的には、馴染まないのである。

ワタシ的には、う〜ん。ここまでブルックナーに、劇的な要素を入れ込まないで欲しいと思っちゃう。
まあ、ちょっとぐらいなら許せるんだけど〜 あまりにも、オペラチックにされちゃうと、ブルックナーで無くなっちゃうような気がするのだ。で、どこか居心地の悪さを感じちゃう 。
ってなわけで、シュターツカペレ・ドレスデンの音が好きな方には、とっても嬉しい盤だが、ブルックナー好きな方には、う〜ん。ハテナマークが飛び交うことになるし、 ワタシにとっても、シノーポリ盤は、ちょっと困った盤なのである。

0166

アバド ウィーン・フィル 1990年
Claudio Abbado
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

いかすぜっ

ウィーン・フィルだというので、もっと、ツヤツヤ・テカテカした音かと思ったが、意外と、ふわーっとした演奏で始まり、最後は、華麗にド迫力で終わる。 スケルツォは、まるで戦闘機なみの勢いがあって、驚かされる。ハイティンク盤と同じウィーン・フィルなのだが、アバド盤の方が、ずーっとスタイリッシュだ。

1楽章
原始霧は息が長い。弦の音が絡んでくるところは、しっかり聞き取れるし、段々とクレッシェンドしてくるところは、迫力はあるが、思いがけないほど、まろやかだった。セカセカしておらず落ち着いている。
テンポは揺らさず堂々としている。
低弦のアクセントも効いている。駆け下りてくるところは、幾分、引きづった感じがするが許せる範囲内だった。テンポが遅いため、間が間延びするところもあるが、ブラスが入ってくると、う〜 やっぱ重厚。
重さと軽さを持ち合わせているだけに、幾分疲れるのだが、一気に天上に昇らせてくれるところあり。
レーグナーの快速盤とは違って、堂々としているが、やっぱ作られた感じは否めない。

2楽章
疲れた英雄が休んでいるかのようだ。どことなく葬送に近く聞こえた。どことなくオジンクサイ。
枯れたおじいちゃん的。のどかな楽章なので、つい寝てしまったことが、何度か・・・。

3楽章
スケルツォ 遠くで戦闘ラッパが鳴っているかと思ったら、いつの間にやら戦闘機が急降下し、爆音だけ残して、また上空に去ってしまったかのようだった。スピード感あり。速くて幾分軽め。金属音的。
中世とか森林地帯というイメージでは、ちょっと違う。このアバド盤では、タイムトリップは、ちょっとできないかもしれない〜 今風ですなあ。
えっ このティンパニーは、なんぞや? 勝手に付け加えたのかなあ。
高音域がよく透っているが、ややもすると重量感が欠けていると言われる要素になりそう。
この爆音の間に、室内楽的に艶やかに弾かれる箇所があるのだが、遠くでホルンが鳴ると、爆音が飛来してくる。平和なのか戦闘状態なのか、極端で忙しい。

4楽章
メチャ重い。出だしが、あまりにも重々しいのだが、音色が艶っぽいので、華麗な感じがする。
金管類もたっぷり〜 弦の表情も豊かで、思わず、これは良いわ〜 天上って感じだ。絹糸たっぷりの雰囲気がしてくる。
あまりブルックナー臭くなく、どことなくアラブ的というか中央アジア的というか、う〜ん。オリエンタルっぽい。
アバド盤での4楽章 5:16すぎの和音が、私はすごく好きなのだが、いったい何音重なっているのだろう? 聞き惚れてしまった。
おおっ 今度は、閻魔大王のような厳めしい形相に変わった。迫力十分あり。さきほどまで天上に居たのに、いきなり太い杭を打たれるような感覚である。
音量・音圧十分で、豊かさと畳かける迫力もあり。弦の微妙な変化もよく聞こえるし、和音の重なりも、たっぷり〜 かなり素敵である。アバド盤は、なかなかいい演奏だと思う。
ただし・・・ 華麗な要素の方が勝ってしまっており、無骨で壮年の傷だらけの英雄だと思ったら、ベールを脱いだら、意外や意外、男装の麗人だった・・・って、劇の顛末になるのかもしれない。
それにしても、ブルックナーって、マーラーのように分裂気質だっけ?

0171

ザンデルリンク バイエルン放送交響楽団 1994年
(ライブ盤)

Kurt Sanderling
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)

ウルウル

録音状態は良い。ライブ盤 じんわり〜 優しく慈愛に満ちた演奏で、自然のなかで神々しさを感じるような演奏だ。
つい、うるうるしちゃう。ワタシ的にはじっくり聴きたい。ハース版

1楽章
ザンデルリンクさんが、94年、ミュンヘンのヘルクレスザールで振った時のライブ盤である。
冒頭の原始霧は、ホルンの音色が、幾分ストレート気味で吹かれている。もっと、広がりや息の長さがあればなぁ〜っとも思ったのだが、木管があわさってくると、光が射し込んでくる感じがする。
朝の陽射しは、最初は短めなのだが、弦があわさってくると、太陽が勢いよく射し込んで世界が変わってくるような感じだ。
ふわーっと広がり初め、音が立ちあがってくるにつれて、横にいっきに広がってくる感じがする。
そこに、低弦のリズムが、重厚で、全体的に膨張して、うわ〜っとした勢いで飽和してくる。
タンタン タタタ タン・・・と繰り返すにつれて、重厚さを増してくるが、それは、単なる重厚さではなく、ぐいっと引き締まったリズムになるのだ。

低弦の音は、収録しきれないのか、幾分少しこもりがちに感じるものの、金管と木管の爽やかな音色で、全体がひきしまっている。う〜ん、なんと堂々とした演奏なのだろう。 段々と息が深く、広がっていく感覚は、これはすごい。ホント嫌みがなく、自然感たっぷりに演奏されている。 
ザンデルリンク盤の息づかいは、深々〜としてて、そこに、木管の音色が乗っかってくるのだ。
この透き通っていく光のような木管と、全体的に木質感のある音色で、明るい雰囲気を醸し出してくれるところには、う〜ん。絶品っ。そして、柔らかで、しなやかな金管の音色に、惚れ惚れ 〜。
ライブ盤なのだが、ホント大変美しいっ。CDになるのは、ホント嬉しい限り。
このバイエルン放送響の金管は、ホント絶品だと思う。
総体的にゆったりしたブルックナーだが、神々しさまで感じさせてくれる4番って、嬉しい。
旋律が止まっているのかと思うようなところもあるが、「どーふぁ〜ふぁふぁれ〜 れーらららし〜〜 しーふぁふぁーど そーそーそら〜 」と、ホルンが吹かれるところは、なんとも言えない至福の時。
まるで、どうぞ、安らかに眠りについてくださいね〜っと言えるほど。(笑)

2楽章
前楽章と同様に、テンポはゆったり〜
「ららら〜 れ〜ら〜どしら そ〜ら〜 れ〜ら〜みれど〜しら らそふぁ〜」というフレーズが、穏やかだ。
このアンダンテの楽章は、低弦の響きが、素晴らしい。
手のひらに、木漏れ日が射しこんでいくような、慈愛に満ちた演奏で、この弦の響きを聴くと、他の盤が聴けないほど〜宗教的でさえある。カラダ全体が、ふわーっと柔らかい光に包まれ、舞い上がれそうなフレーズのようになっている。ワタシ的には、つい つい、睡魔に襲われる楽章なのだが・・・。
これで寝たら、バチがあたります。
自然のなかに、神が宿っているというのが解るか、感じるか、はたまた信じることができるか〜 なんだか、そんなことを問われているような気がする演奏である。
自然観と宗教観、これが感じられる方には、う〜ん。すごい。と感じるだろうし、そうでない方には、えっ 単なる遅めの演奏じゃん。これは、ツマラン。で、終わりそうな演奏になっちゃうかも。
ワタシ的には、ここのオケの金管は、すごーく神々しさを感じさせ、もわ〜とした響きのなかから、一筋の光が、射しこんでくるかのような気がしますが。で、演奏の長さは、16分19秒というクレジット。
でも、なんだか、もっともっと長く聴いているような〜 時間が止まっているような永遠さが感じられて、、、

3楽章
ふわーっとした霧のなかから、ホルンの音色と共に、白馬が飛び出してくるかのような感じがする。
ほんと、霧がかかって、黒ぐろとした鬱蒼とした森のなかから、白い馬が出てくるような、そんな情景のヒトコマを描いているような感じ。ここの角笛は、う〜ん。すごっ。
そこに、付点のついたリズムが、活き活きとリズミカルに出てくるのだ。静謐さも持っているが、音は柔らかく、適度なまろやかさで、よく響く。特に、低弦のコントラバスの響きが、すごく聞こえてくる。
構成力の強い演奏ではないが、音の響きは完全ピラミッドだ。
城郭のような堅牢さでもないし、引き締まった筋肉質的でもなく、鍛え抜かれて余計なモノを削ぎ落としたかのような、どういうんだろ〜ストイックさでなくても、オケは、ピラミッド的に形成されるんだな〜というのが、解るような気がする。
ガツンっと演奏しているわけでもないが、オケの響きが、幻想的ななか立体的に立ち上がってくるという感覚で、すごく意外だし、とっても面白い。

4楽章
最後の楽章は、川のせせらぎが集まってきて、いっきに放出されるダムのような感じがする。
特に、集まってくる金管の音が、柔らかいのだがエネルギッシュで、低弦の響きが、地響きのような感じで蠢いている。でも、やっぱ、穏やかではあるが、クネクネと動いている様が描かれていて、地響きを立てて動かなくとも、じわーっと地熱のような熱さがあるのだ。
「ふぁ〜 ふぁふぁ どぉ〜 ど〜ふぁふぁ どぉ〜」と、鳴り響く音の優しいこと。
硬い演奏もあるのにねえ、なんて柔らかく、優しく、そして慈愛に満ちているんだろ〜っと、惚れ惚れ。
派手に勢いに任せて、一気に勝負をつけよう。って感じの演奏もあるんだけどねえ。
ワタシは、オリエンタル調の主題が好きなのだが、あくまでも、金管の柔らかな響きのなかで、弦が動き、木管が優美に歌う。あーっ 背中がゾクゾクするほどに美しい。
「そぉ〜 ふぁみ みっみっ みふぁ〜そぉ〜らそふぁ〜」
「しぃ〜 れれっれぇ どれみ〜れどれぇ〜 しぃ〜 れれっれ みふぁそ〜みふぁ〜」
ティンパニーも柔らかいし、さっぱりした歌い方なのだが、和音の美しさが絶妙だ。
主となる音の響きだけでなく、和音を構成する、添って鳴っている音が、なんとも息が深く、ホント、ふんわりと、そっと寄り添うように鳴ってくるのだ。
だから、音の響きに幅が生まれているし、柔らかく聞こえるんでしょうねえ。
最後のコーダに入ってくるところは、力強く演奏されてて、変わってくるが〜
それでもあくまでも、慈愛に満ちた柔らかさがある。あ〜 ダメだっ。こんなに美しく鳴らされると、ついつい涙目になってしまうではないか。ホント、うるうる〜っ。

ワタシ的には、豪快に鳴らしてくる盤も好きなんです。堅牢で、ガッシリしてて〜 厳格そのもの〜という盤も好きですが、このザンデルリンク盤には、やられました。涙なしでは聴けないほど、大きいです。
音楽で神を感じるっていうのは、少ないですけど、、、これは、やられます。痺れます。
じっくり聴く方にはお薦め。
いつでも、いくらでも扉が次々と開いて、ふんわり〜っと、招き入れてくれるような、懐の深さがあるような気がする盤デス。やっつけで、速攻では聴かない方が良いかも。

0857

スクロヴァチェフスキ ザールブリュッケン放送交響楽団
1998年

Stanislaw Skrowaczewski
Saarbrucken Radio Symphony Orchestra

ふむふむ。

録音状態は、透明度が高いという感じではなく、もわっとしているのでイマイチだが、ゆったりと聴かせ、物腰の柔らかい演奏だ。
(ライブ盤)

1楽章
冒頭、靄の中から旋律が浮き出てくるが、さほど自己主張が強いわけでない。
金管が合わさってくるところでも、ゆったりまろやか。
ちょっとテンポが揺れて、速くなってくるところもあるが、自然に音量とテンポが膨らんでくる。
膨らんだあと、急激に萎むという運動スタイルの盤もあるが、結果的に見れば振幅が大きくとも、急激にテンポを変えないので、疲れないのだと思う。
金管については、ショルティ盤のようにストレートに奏でられるわけでもないし、うるさいほど鳴っているということはない。雄大、雄渾という感じは受けない。さほど威圧的でもなく、奥ゆかしい。
1楽章の中間部分は、ちょっとおとなしすぎて〜 もう少し大きく鳴ってきてくれても良いかもしれないのだが、少しモノ足らないと感じるかもしれないが、やっぱ全体的に、ゆったりと聴かせてくれる大人の演奏のように思う。
冒頭のフレーズが戻ってきて木管と合わさったところも、もの悲しい感じすらする。
和音はすこぶる美しいし、しおらしい女性的な演奏と言えば良いだろうか。響きも柔らかく、暖かい。
弦の響きや木管の響きにも、ちょっとした甘さが感じられ、抑制された美意識を感じる。
ダンダン ダダダン〜 という響きの豊かなこと。ワタシ的には響きを楽しむので、これは良いな。と思う。
弦に艶やかさは少ないが、枯れてもいないし。音色の柔らかさに惚れ惚れしてしまった。
楽章最後の方では、ホルンのぱぁ〜ぱぱ ぱぁ〜ん というフレーズの後の和音を大事にしているようだし、木管の合いの手を浮かび上がらせてくる。弦の響きも強めにブレンドされてくる。
他の盤だと、ホルンだけではなく弦の音を強めにしている。
もしかしたら、弦のフレーズを追加しているのかも。(譜面は見ていないのではっきりと言えない)

2楽章
テンポはゆったり〜  オブラートに包まれたような柔らかさ。ちょっとソフトすぎるかもしれない。
よく寝てしまう楽章で鬼門。金管がまろやかすぎて〜 芯が欲しいほど。
美しくて、とろり〜とろけてしまう。中間部で弱音になった途端、やっぱ寝てしまった。
弦が、時計の振り子のように、チャカチャカチャンチャン・・・と聞こえてきた。
まるで、目覚めろ〜と言われているみたいだが、。
金管が、和音を奏でるところは、う〜ん。これまた、ゆったりすぎるほど。 

3楽章〜4楽章
森から馬が走ってくる感じがする楽章のだが、このスケルツォは、う〜ん。
迫力が欲しいところなのだが、あまりにソフトで・・・というより、形がしかっり見えてこない。
まろやかすぎなのか、録音が良くないのか、いや。やっぱ曖昧模糊としすぎ。
それにアンサンブルが、揃っていない。
下の低弦の刻みが悪いのか、聞こえておらず厚みが感じられず超薄め。リズムの刻みが、あるにはあるが、ボコボコしてて、体感できず・・・これでは無いにちかい。1楽章では靄がかかっていても良いが、3楽章は、もちっとハッキリしてこないと面白くないし、 楽しめない。
中間部は、テンポが遅すぎだし。芯になるモノが感じられず、う〜 後半の楽章は、ちょっと〜ダメ。

最終楽章は、ちょっと盛り上がるのだが、靄がかかりすぎて〜 
迫力がイマイチなことと、対旋律が浮かぶところもあって楽しいところもあるが、芯になるメイン旋律が、イマイチ明快に聞こえてこない。
ワタシは、オリエンタルなフレーズが好きなのだが、迫力に欠けて楽しめなかった。残念・・・。
低弦がボコボコ弾いているうえに、もの悲しい音色の弦と木管の音色が重なってくる。
そ〜ど〜ふぁ〜 み〜れどし し〜ら ら〜そ そ〜ふぁ そふぁ〜
この裏に、弦のピチカートがあった筈なんだけど。聞こえてこないよぉ〜っ。
コーダ前、弦がこんな分かれて演奏してたっけ? ティンパニーもあったっけ。一部改訂しているかも。

蛇足ながら〜 ザールブリュッケン放送交響楽団と記載しているが、現在このオケは、ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団という。
90年代末、放送局が統合されており、放送局に付随するオケも名称変更になったらしい。ドイツ国内には、いっぱいオケが存在しており、とってもヤヤコシイ。

ラトル ベルリン・フィル 2006年
Simon Rattle
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

むむっ〜

 
録音状態は、よろしくない。ペタンとした奥行き感のない感じで、音質も乾いており、金管、弦、木管が一緒鳴ると音が濁る。
ノーヴァク版
1楽章
録音状態も、今どき これかぁ〜という感じで、イマイチな感じがぬぐえず、ひとことで言うと、ぬるい・・・という感じ。
冒頭のホルンは、確かに雰囲気はあるけれど、音の広がり感が少ないので、平板な感じがしている。
金管のフレーズが重なってくるところも、どうも迫力に欠けている。
他盤だと、大音量で、瀧のしぶきを浴びるがごとく、「みぃ〜ど しらそふぁ〜  れぇ〜ら そふぁみれ〜」と、激しく音が落ちてくるのだが、う〜ん。
まあ、そこそこティンパニーを伴っては演奏されているのだが、その後が・・・続かない。
特別に沈滞しているわけでもないのだが、眠くなってしまって緊張感が続かないというか、なんというか・・・。う〜ん。
ホルンの音色が透ってくるわけでもなく、木管のフレーズが浮かび上がってくるわけでも、金管が咆吼しつつも、神々しさが降り注ぐような雰囲気もなく、う〜ん。神々しさは、夢のまた夢という感じだ。

とにかく、音が、平板で広がってこないのは、いったい、なぜ?
ホール感がゼロに等しいのは、大変悲し状態だ。セッションではなくって、これもしかしてライブ盤なの?
音の分離ができてないので、ティンパニーと金管と弦が混濁してて、音の汚いこと。うへっ。
1楽章をダイナミックに構築して、次の2楽章で緩やかに引き継ぐという感じで、他盤は、結構、険しい楽章に仕上げてくるのだが、ラトル盤では、さほど険しく鳴ってこない。対比をしないみたいだ。

賛美歌を歌うかのようなコラール風のフレーズの金管は、う〜ん。どういう取り扱いになっているのだろう。
開放的で明るく、華やかに歌ういう雰囲気からは遠く、中途半端な軽いティンパニーのトコトコトコ・・・と鳴っているロールの音と、弦のトレモロが主体となっており、金管は遠ざけられているようだ。
この軽いティンパニーの音、なんだか変ですよぉ〜

2楽章
ヴァイオリンやヴィオラ、チェロの弦を弾く音で綴られる楽章だが、とっても弱音で奏でられており、つい眠くなってしまう楽章になっている。テンポも遅め。「らっら ふぁ〜 みふぁれっ〜」と牧歌的なフレーズを奏でるのだが、午睡に持ってこい状態になっており、 活き活きとした雰囲気からは遠い。
いつも、ワタシ的には、この楽章では睡魔に襲われるのだが、ラトル盤では、避けることはできないようで・・・つい・・・(笑)
「ららふぁ〜みふぁれ〜」というフレーズが、楽器をかえて繋がっていく感じがするし、 祈りの心境にも似た感じになる盤もあるが、不束者のワタシは、やっぱり眠い。

3楽章
4番と言えば、この「狩のスケルツォ」でしょう。
2楽章で寝てしまった眠り姫の前に、白馬の騎士が、登場だぁ〜となる筈のだが、ラトル盤では、う〜ん。
姫は、また寝てしまいそうである。
ホルンの響きにトロンボーンなどが絡むのだが、もう少し迫力があったほうが良いかなあ。
品が良いといえば、それまでなのだが〜 他盤のように、重低音でバカバカ・・・と戦車が走って行くわけでも、戦闘機が急降下して、降りてくるわけでもない。
弦が主体になっているといか、金管が、妙に、弦に遠慮しているみたいで〜 どこか迫力が不足しているのだ。
3連符の「パンパン パパパ パーン」のフレーズの切れが悪いのだろうか、最後のパーンの音が短く、はっきり聞こえてこないというか、メリハリ感が少ないような気がする。
付点のついたリズムは、すこぶる単純なのだが、そのすこぶる単純を、何度も何度も繰り返すことによって、より一層、いきいきとしてくるのだと思うのだが、この単純を避けているのかなあ。
切れと粘り具合が、ちょっと・・・ ワタシ的にはイマイチのような気がした。

4楽章
短い金管のパッセージが、集約されて、ぐわっとエネルギーを放出するという楽章だが、う〜ん。
綺麗すぎて〜 荒々しい雰囲気は少なめ。
あちこちの教会で鐘が鳴っている感じがするし、田舎の素朴な舞曲のような歌や、あこれも、これも〜と聞こえてくるのは嬉しいし、ハレの日のような幸福感も聞こえてくる。
ブルックナーの交響曲に、交響詩のようにストーリーはあるのか、イメージするものがあるのか、風景のように見えてくるモノがあるのか、また、ブルックナーは描こうとしていたのか、う〜ん。わかんないですねえ。
ラトル盤を聴いてて、わかんないなぁ〜と思ってしまいました。
この最後の楽章は、どどどどぉ〜っと怒濤のようなエネルギーを重厚に描こうとしているし、すごい厚塗りになっている。
で、ラストだけ、なんだか、物語風にストーリーを描こうとしているみたいに思っちゃって〜 
う〜ん。どうでしょ。

ラトル盤を聴いていると、陰陽の違いのような明暗が、楽章のなかで、楽章間で、組み合わさっているのに、それをなだらかにしようとしている。2+3連符の永遠にも続くようなシンプルなリズムの連続が、不均衡なところが、独特な感じを与えるのに、おしなべて、均一化しているような気がするんだけど〜
凸凹を、ならしてしまうなら、ちょっと面白くないかな〜 どうなんでしょうねえ。
ちょっと、わかんなくなりました・・・。スミマセン。
1965年 ヨッフム ベルリン・フィル ★★★★
1973年 ベーム ウィーン・フィル Dec  
1975年 ヨッフム シュターツカペレ・ドレスデン EMI  
1975年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★★
1976年 ケンペ ミュンヘン・フィル BASF ★★★
1979年 クーベリック バイエルン放送交響楽団 CS ★★★★★
1981年 ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン De ★★★★
1981年 ショルティ シカゴ交響楽団 ★★★★
1982年 インバル フランクフルト放送交響楽団    
1984年 レーグナー ベルリン放送交響楽団 DS ★★★
1985年 ハイティンク ウィーン・フィル Ph ★★★★
1985年 ムーティ ベルリン・フィル EMI ★★★★
1987年 シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン ★★★
1987年 ホルストシュタイン バンベルク交響楽団  
1988年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン DS  
1988年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI  
1990年 アバド ウィーン・フィル ★★★★★
1998年 ヴァント ベルリン・フィル  
1994年 ザンデルリンク バイエルン放送交響楽団 ライブ Profil ★★★★★
1998年 スクロヴァチェフスキ  ザールブリュッケン放送交響楽団 OEHMS ★★★
2006年 ラトル ベルリン・フィル EMI ★★★
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