「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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ブルックナー 交響曲第5番
Bruckner: Symphony No.5


ブルックナーの交響曲第5番は、1875年〜78年にかけて作曲されました。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

第1楽章 変ロ長調、2/2拍子 序奏付きソナタ形式
序奏は、低弦のピッツィカートで始まり、ヴィオラ、ヴァイオリンが弱音で奏でると、金管のコラールが吹かれます。
高弦のトレモロのなか、ヴィオラとチェロが第1主題、ヘ短調で始まる第2主題は、弦によるやや沈んだ表情のもの。
第3主題は、管楽器の旋律を中心に変ロ長調の頂点に達し、ホルンの響きを残しながら、弦のトレモロとともに提示部を閉じます。展開部は、ホルンとフルートの対話、第1主題が入ってきて発展し、第2主題も弱い音で重なります。金管のコラールが鳴り響き、再現部、コーダに入ると導入部の低弦のモティーフが繰り返され、第1主題が高揚し楽章を閉じるものです。

第2楽章 ニ短調、2/2拍子 A-B-A-B-A-Codaのロンド形式
ピチカートで始まり、各部は再現のたびに展開される。主部は、弦5部の3連音のピチカート、オーボエが物寂しい主要主題を奏でます。副主題は弦楽合奏によるコラール風の旋律、頂点を築くとティンパニだけが残り主部が回帰します。
弦の6連符の動きの上に、管楽器が主要主題を展開し、木管とホルンにより主要主題が奏でられ、ヴァイオリンの6連符の動きの上に、トランペットなどが加わります。
後半は、3本のトロンボーンによるコラール楽句、コーダは主要主題をホルン、オーボエ、フルートが順に奏して、あっさりと終わります。ちなみに、この第5番の最初に書かれた楽章で、冒頭のオーボエ主題は、全楽章の主要主題の基底素材とのことです。

第3楽 ニ短調、4分の3拍子 複合三部形式
スケルツォ主部だけでソナタ形式、アダージョ楽章冒頭のピチカート音形を、せわしなく駆り立てる第1主題と、ヘ長調レントラー風の第2主題が提示されます。展開部では前半が第1主題、後半は第2主題。さらにコーダが続きます。
中間部は、変ロ長調 2/4拍子 3部形式 ホルンの嬰ヘ音に導かれて、木管が愛らしい旋律を奏でます。

第4楽章 変ロ長調、2/2拍子 序奏付きのソナタ形式にフーガが組み込まれている。
序奏は、第1楽章の序奏の再現で、クラリネットがフィナーレ主題の動機を奏し、1楽章第1主題、2楽章第1主題が回想されます。チェロとコントラバスが、第1主題、フーガ的に進行し、全休止の後、第2ヴァイオリンが第2主題を、休止の後、第3主題がクライマックスをつくります。
再び全休止の後、金管が荘重なコラールを奏し、展開部では、コラール主題に基づくフーガ、これに第1主題が加わって二重フーガに。長いプロセスを経て再現部が始まり、第1主題の再現にもコラール主題が合わさっており、提示部に比べて短いものとなっています。第2主題は型どおり、第3主題の再現は大規模なもの。コーダでは、フィナーレの第1主題の動機が、繰り返して発展し、全管弦楽で強奏されます。最後に第1楽章第1主題で全曲を閉じます。
とても長大な楽章です。

なんだか、複雑な構造です。説明を読んでも、なかなか理解できません。回想が多く、執拗な感じがします。
でも、そうでもしないと、美しいメロディーが登場するわけではないので、漠とするのでしょうか。

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マタチッチ チェコ・フィル 1970年
Lovro von Matačić
Ceska filharmonie
(Czech Philharmonic Orchestra)

さっぱりワカラン

録音状態は、まあまあ。音の広がりは少ないように思う。
演奏は、テンポが大揺れで、ムチ打ちになりそう。かなり個性的な演奏だ。
何度も途中で放棄し、最後まで通しで聴くのが、ずーっと苦痛だったCDである。
1楽章
ボンボン 低弦が鳴って、「そぉ〜 しれそぉっ〜 しれそ〜 しれそっ」
このフレーズでは、穏やかなのだが、金管にまろやかさが感じられない。どことなく、平べったい音の広がりで、2度目のこの音型がでてくるときは、少し厳しい。
その後、弾んでテンポがアップしていくなか、ティンパニーが、ポコポコポコ・・・ 弦が段々音量をあげて、
金管が入ってくるところも、テンポが更にあがる。
「た〜ららら〜 」 「ぱー ぱっぱっか ぱーん」 へっ もしかして、大太鼓が入ってるの?
ここのティンパニーは、しょぼい音に聞こえるのだが、なぜか重低音が入っている。
弦のピチカート部分に入ると、テンポが、ぐっと落ちる。弾む音型になると、なぜテンポが落ちるのか。
う〜ん。よくワカラン。で、弾むところが弾まんねえ。
春のような、すっ〜とした通りのよいフレーズが、まどろっこしいし。「ぱぱっ〜ぱ ぱっぱんっ」というフレーズも、すきっとしていない。
とにかく、テンポがよく変わる。転がるように弦が降りてきて、「そふぁそっれ そ〜ふぁそっれ」と、管が絡む。
「れーみ れっそ れーみ れっそ」と、鼻歌まじりで、スキップしているようなフレーズも、快速である。
う〜ん。ちょっとしたことなのだが、このテンポの変化に、ついていけない。
予測できないのだ。予想できない展開なので、かわっているな〜と感じてしまう。
主題が変わるから、というような変化ではない。
木管が、「どっ しっ らっ そっ みっ ふぁっ そっ らっ しらそふぁ・・・」と、可愛いフレーズを奏でていると、途端に、テンポがあがって、素っ気ないほどに、次のフレーズに行っちゃう。
あ〜 これでは、ゆったりと聞き惚れている間がない。
相当、テンポをいじっており、ころころ揺らす。
急発進、急ブレーキの連発で、う〜っ。これじゃー 鞭打ちになるやんかっ!

で、楽章最後の盛り上がるところも、すげーっ 快速で飛ばしており、もう少し、ゆったりと奏でてくれたら良いのになあ。心地良くなるのにな〜というフレーズが、完全すっとばし状態である。
しっかり、がっしりと、刻んで欲しいと思うところが、あらくたい。
リズムを、刻んでいくなかで、熱気が形成されていく筈なのだが、オケが崩れている。オケが、マタチッチさんの速さに追随できていないのだ。
「み〜そみっれど み〜そっみっれどっ (パン パン パン)」 ← この合いの手のティンパニーが、特に、猛烈すぎて。
テンション高過ぎっ。冒頭、ボコボコ言っていたのが、嘘みたいに狂気すら感じさせるほどに叩いている。煽られるのも嬉しいが、う〜ん 長大な交響曲の、まだ1楽章なんだけどねえ。
もう、すでに、この楽章で、疲れてバッタリ・・・。車酔いのように〜 くらっ くらっ。

2楽章
小声のお経のようで、まーったく流れるようなフレーズになっていない。
う〜 これ使用している版が違うの?
「し〜み〜ふぁ そ〜らふぁ〜 み〜ふぁ れ〜みふぁ ど〜れし」
主題が変わって、「れ〜らしらみふぁ れ〜みふぁ〜(そふぁみし〜そふぁみし〜) そ〜れみふぁ〜」 
ここは壮大に鳴ってくる。決して綺麗でもないし、流麗でもないし。無骨そのもの。
天上的な音楽として演奏される盤を聴いた後だと、なーんとも素っ気ないこと、このうえない。
よーく聴いて、よっぽど噛まないと、喉の奥に行かないほど、フレーズ全体が硬いっ。
録音状態がイマイチなのだろうか? 残響がありすぎなの?
う〜ん 私の耳悪いのだろうか。リマスタリングしてなかったっけ。
ちょっと響きがペタンとしており、この演奏のフレーズが細切れになっていることから、まるで鮫肌のように、ガシガシしているような感覚を持ってしまう。
この楽章は、もっともっと響いて欲しいのだが。イマイチ、綺麗に響いてこないんだよねえ。
でも、これ、噛めば噛むほど渋い良い味が出そうなんですが、そこまで至るのに、根気も要りそう。
アンサンブルも、決して合致しているように感じないんだが。ホントに名盤なの?
ちょっと、この演奏、やっぱ〜 めんくらってしまう。

3楽章
序奏部のテンポの速いこと。「たらら〜 たらら〜」と、重低音でありながら、テンポ速めに踊るのだ。
まるで、ゴジラがダンスしているように踊っている。小声の弱音で、金管が咆吼しつつ音量をあげながら・・・。
メリハリがついてて良いって言うよりは、差が大きすぎて、ついていけない〜っ。
「それっふぁっ それっふぁっ」 語尾のしょぼいこと。ぱぱっ ぱぱっ と、終わってしまう。
これでは、気宇壮大という感じからは、ほど遠い。う〜マタチッチ盤は、そうとう変わっている。
版は、どうやら、ハース版(原点版)に、独自製を加えたの改訂版らしいのだが、ちょっとした違和感を感じることも確か。
なんともかわった演奏で、一直線というか、頑固でありながら熱気はすごい。
後半、ますます速くなっていく。金管の鳴りっぷりも、「ふぁっどっみっ ふぁっどっみっ」の繰り返しで、熱を帯びていくのだが、ぐぐ〜っとアクセルを踏み込んだパワフルな加速感覚に、思わずのけぞってしまった。録音状態なのだが、重低音は、すごく響いているので、残響もあるし。良いのかもしれない。(段々と解らなくなってしまう)

4楽章
1楽章の主題が再度奏でられているところは、落ち着いて聴ける。
「ど〜みれど〜 し〜ふぁれ〜 ふぁみれど〜 どふぁっ」
続いて2楽章の主題、「みふぁ〜 そらふぁ〜 みふぁ れみふぁ そふぁみふぁ〜」
「どっど そっそ ふぁっふぁ らっらっ」と弾む旋律が出てくる。
金管に関しては、やっぱゴジラのダンス式で、シコを踏んでいるように聞こえる。
弦の響きは、さほど悪いわけでもないんだが、ふんわり〜と乗っかるタイプではないらしく、全体的には硬いし、艶もないし。やっぱ、硬いっ。その一言になってしまうかも。
総体的には、ゴツイんだよね。でも、テンポの速いところは、部分的には軽量級でもあるし。
なんだか、硬い・柔らかい。フレーズが長い・短い。甘美・渋い。
なーんていう極端な両面、2つの相反する性質が、ころころ場面によって変わっている。
難しいというか、とっつきの悪い楽曲で、こんなに難しい、ややこしい演奏されちゃうと。
う〜 晦渋な楽曲だと思いこんで、終わってしまうかもしれない。
最後、コーダ部分については、短いパッセージを繰り返しながら駆け抜け、相当派手に個性的に、終わっている。

でも、これだけテンポを変化させたり、旋律に手を加えるってことは、やっぱ、マタチッチさんが、必要だと思って、こう振っているわけで、充分に、計算されていることだと思う。
全体像として、どう聞こえてくるのか。部分的には、どんな風になっているのか。 時間をかけて、じっくり〜再度聴いてみないと、そして、他の盤比べてみないと〜 
これは、ワカラナイ。わかりづらい。
この演奏家の意図が見えてきたら〜 しめたモノなのだが。
最後だけ、メチャ盛り上がっているので、聞き終わったあとは、さすがに高揚しているのだが。
各楽章の積み重ねの結果が、最終コーダの印象となるわけだが、どーも、最後の最後だけで、こりゃ〜良いわ。とは、拍手しづらい。詐欺にあうようなモノだもん。
まあ。また、再度挑戦してみます。なかなか、感想も書きづらい〜難しい演奏だ。

ヴァント ケルン放送交響楽団 1974年
Günter Wand
WDR Sinfonieorchester Köln
(Kölner Rundfunk-Sinfonie-Orchester)

これもありかっ

録音状態はまずまず。セッションでの録音である。金管の幾分粗いぶっ放しとティンパニーの音に驚かされる。(原典版)
1楽章
ヴァントさんの演奏は、ヤワなワタシにとっては、とっても怖ろしい演奏で、凍りついてしまう。
このケルン放送響との演奏も、かなりタイトだ。
で、精度が高くて、カッチリしているのだが、ティンパニーの打ち込みの激しさ、金管の荒々しさには、仰天っ!
ちょっと・・・ こりゃ〜怖いというか、怒ってるの? と、ひいてしまった。
「ぱぁー ぱっぱっか ぱーん」の金管フレーズが、勢いよく、そこに、「ばぁ〜 ババンっ」と入ってくるティンパニーの音が、覆い被さってくるかのように、間髪入れずに、ガガンっと、まるで岩を投げつけるかのように入る。
「しぃ〜れぇ〜しらそっ しぃ〜れぇ〜しらそっ・・・」
疾風怒濤のごとく、津波が押し寄せて、どんっ!ごろごろごろぉ〜 やっぱり荒ぶる神登場という感じである。
「みぃ〜 そぉ〜そみれどっ   みぃ〜そぉ〜みれどっ  みぃ〜そぉ〜みれどっ」
「みぃ〜 そぉっ みれ  どぉ〜 どどど みみ みみ みぃ〜そぉ どどどっ どっど・・・!」
このラストのところがねえ〜 凄まじい。
普通、金管の吹きっぱなしのところも、本来なら、合いの手が入ってくるのだ。
「みぃ〜そぉ〜みれどっ (みふぁそ)」というバックの音が、綺麗に入ってこそだと思うのだが、う〜ん、まあ、金管だけ言うと、汚い音で、ぶっ放す〜 口径のデカイ○○砲で、ぶっ放しという感じである。
この演奏が、熱血ライブだと思っていたのだが、さにあらず。セッションなのだ。ひぇ〜 なんとまあ〜テンションの高いこと。
熱いというか、凍りつくというか。なんとも凄いっ。

2楽章
弦のピチカート音をバックにして、オーボエの悲しげなフレーズが、「しぃ〜み ふぁそぉらふぁ〜 みぃ〜ふぁ〜れぇ〜みふぁ そふぁみ ふぁ〜」と奏でられる。
このフレーズが交差しているところとか、室内楽的に響くところが、大変美しい。美しい弦楽のハーモニーが聞こえてくる。
弦楽合奏で、「れぇ〜 らぁ〜しら しどぉ れぇ〜み ふぁ〜みふぁ そぉ〜ら しぃ〜し ふぁ〜そふぁ〜」
「らぁ〜 み〜ふぁみ れみ らぁ〜し ど〜しど れ〜み ふぁ・・・」
コラール風の旋律の上昇するところと、ヴァイオリンのフレーズが、やっぱ、大変美しいものとなっている。
「そふぁみれ みれみふぁ・・・」と、弦の呟きが、チャーミングだし、低弦の甘さが、とても心地よい。
堂々としてて、それでいてチャーミングで、金管の斉唱も、ちょっと音質が気になるけれど、ふくよかだし〜
あとの各木管のフレーズは、ゆったりと奏でられている。
3本のトロンボーンによるコラールは、多少濁りぎみかもしれないが、堂々と微動だにしない感じで、みごとだと思う。

3楽章
マギャクでしょ〜というほど異なる主題が、入れ替わり立ち替わり演奏されるが、ヴァント盤、激しさは天下一品という感じだ。金管とティンパニーの破壊力たるや、凄まじい。
弦の「れぇ〜しら そられ どしらっ れ〜れし しっら そぉ〜らふぁみれ」
「れらど れらど れらど れっ」「ふぁどみ ふぁどみ ふぁどみ ふぁっ」と、舞曲風になるが、弦の旋律が終わると、テンポがめまぐるしく変わるし、パッパ〜!とぶっ放す金管が登場する。
変わり身の速さと、揺れる拍子が特徴の楽章だし、ホルンの牧歌的なフレーズも印象には残るが、パッパぁ〜っと、開放的に、容赦なく、ぶっ放す金管の音が強烈すぎて〜 アハっ。ちょっと音が汚いな〜と思いながらも破壊されてしまう。

4楽章
序奏は、第1楽章の序奏が再現される。クラの 「みっみっ れぃ〜みふぁ ふぁっ」という静謐な音。
で、弦が、「どぉ〜 みどしらぁ〜そ ふぁ〜そ れそっ  れぇ〜ふぁれどぉ〜しら そぉら〜ふぁらっ」
オーボエとかクラリネットの音は、よく響いており、低弦のガッシリした音が、すごみを効かせている。
歯切れ良く、カッカッと、足のカカトを踏みしめて、進んでいく。
牧歌的なフレーズは、気持ち良く回想されていくが、軽やかではあるが芯が硬そうで、高音域のヴァイオリンだけが空に浮き上がっているかのようだ。そのうちに、テンポが速めとなり、テンションがあがるものの、すぐに落ち着きを取り戻して回想シーンを描く。
フレーズの終わりには、ほとんど間髪いれずに、金管が登場して驚かされるが、低弦がガシガシと弾き出す。
金管の斉唱が始まるが、う〜ん、もう少し丁寧に吹かれてもよいかなあ。
明るい音が強く、レーザーポイントのように、強い光が、さっと入ってくる感じがする。

総体的には、木管の音質は、まろやかだし、弦の音も良いのだが、ちょっと強い金管とティンパニーに驚かされることと、少し粗めかなあ。しかし、勢いがあって、カッシリした構築性を感じる演奏は、きっと、この後の録音に繋がっているのだろうと思います。

ヴァントさんのブルックナーの5番は、ここでご紹介するケルン放送響1974年、そして、北ドイツ放送89年、ベルリン・フィル91年、ミュンヘン・フィル95年、ベルリン・フィル96年とあるようだが、その全てを聴いているわけではない。
持っているのは、89年の北ドイツ、96年のBPOがあるだけだった。世評としては、後になるほうが良いのでは〜と言われているようである。まあ、しかし、このCDのブックレットには、93年8月、許光俊さんのヴァントへのインタビュー記事が掲載されており、それを拝読していると、メチャクチャ面白い記事になっていた。

これは全くの余談ですが〜 例えば、・・・とにかく私は自分のライヴ録音の出来を非常に誇りに思っている。こんなことを言ったからといってむっとしてほしくないが、私のライヴ録音と同じくらいのレベルに達した人は他にいないんだ。このことをBMGはあまりに自慢しなさすぎるのが腹立たしいね、(テーブルをボンボンと叩く。)
誰かがまねをしてみたらいい。BやKのライブ録音はどうだ? 特にBのものはとても完璧とは言えないね。でも、われわれは幅広いレパートリーで、また、巨大なブルックナーの交響曲ですばらし成果をあげてきている。
これは他の誰にもできないと思う。さあ、誰だって聴いてチェックすることができるよ。してほしいね。(ドイツBMGの人が口をはさむ「それはおっしゃるとおりですが・・・」それを断ち切って) そして、誰もそのことを言わないのだ。こんなことがあっていいのだろうか。いいや、許せない。・・・
・・・いいや。評論なんか読まないよ。くだらない内容のものが多いし、評論家は嘘つきだからね。評論なんかに興味をもつ芸術家なんてロクなもんじゃない。まあ、ひどい内容のときは腹が立ち、ほめられていれば嬉しい、そういうのが普通の人間だろう。怒るといったって、1時間かそこらのことだ。・・・

へえ〜 ヴァントさんって、ワタシ的には、勝手に寡黙な人だと思っていたんですけど、失礼ながら、ぺらぺら〜 怒りをぶちまけながら喋っておられる(ような)インタビュー記事には、笑えてしまった。 CDを聴きながら、アハハ〜ご本人の素顔を拝見したような感じで、なにやら、ほっとしたのですが〜 この憤懣やるかたなしの、プリプリと怒ってたのが、この演奏に反映しているようで、再び笑えてしまいました。茶化してごめんなさい。 (謝)

 

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ケンペ ミュンヘン・フィル 1975年
Rudolf Kempe
Münchener Philharmoniker
(Munich Philharmonic)

ガタガタガタ・・・

録音状態は良いが、ボリュームをあげて聴きたい。
演奏は、メチャ鋭い、直線でやってくる。
気迫に押されて鳥肌が立つ。カップリング:ブルックナー交響曲第4番、第5番
1楽章
冒頭 ボリュームをあげないと、さっぱり音が聞こえてこないのだが・・・ 
ボリュームをあげると、すっきりとした端正な演奏になっている。
金管が、「たらら〜 たらら〜 たらら〜」と咆吼し、ティンパニーを伴って沸き起こってくるところは、直線的にのぼってくる。
低音から、ぐぐぐ〜っと盛り上がってくる盤もあるが、ケンペ盤は細身である。
ぐいっ と押し上げてくる力が直線的で、槍をもって突き進んでくるような凄みがある。
交響曲第4番のところでも感じたのだが、ケンペ盤は、身をよじってでも、突き進むパワーを感じる。
パワフルな重戦車ではないが、怖いぐらいのストレートさがあるのだ。
全く歌わないという感じではないのだが〜 ふわっとした感覚が少ない。
マタチッチ盤が、ゴツゴツした露出した岩盤のような印象を受けるのだが、ケンペ盤は、デコボコ感ではなく、直線的な鋭さだなあ。
「ぱー ぱっぱっか ぱーん」のフレーズが、やっぱ短く、せかされている感じを受ける。
アクセントの付け方が、ちょっと独特という感じもする。ヴァイオリンが、スピーカー左右両方から出てくるので、おそらく両翼配置だと思う。
ティンパニーは、硬く響いている。すぱすぱっ としている。
ケンペおじさんの雰囲気を見ていると、そんな感じがしないんだけどなあ・・・。
ジャケット写真を見る限り、穏和そうな雰囲気がするのだが、でてくる音は硬質である。
後半は、奥行きが深い音が広がってくる。 「ふぁ〜ふぁみれどっ」のフレーズの繰り返しになってくると、圧倒的。
冒頭、音が出ないとぼやいていたが・・・ 嘘みたいで。すごい迫力。
ひぇ〜っ。雰囲気が変わっているぞぉ〜 前面にでてきて、ぐい〜っとした押し出しの強さに驚かされ、圧倒されてしまった。 この楽章の最後に至っては、更に捨て身的に突進してくる感じで・・・怖い。鳥肌モノ。

2楽章
かなり静謐な端正な演奏になっており、透明度がかなり高い。
まるで、湖の底を見ているかのようだ。
このフレーズは豊かに響いて欲しいのだが〜 オーボエの音色が寂しく悲嘆に暮れているようだ。
各フレーズが短めで、声部が透き通るように聞こえる。あまりブルックナー的な響きという感じがしない。
ふわ〜っと、重力感の少ない物体が宙に浮く感じが少ないが、そのかわり、透き通る綺麗さは文句はつけられない。
う〜ん。あえて絵画にたとえると、ダヴィンチやラファエロ的とでもいうか。
背景は描かれてはいるが、背景と前景が遊離しているような、微笑でいうとアルカイックスマイル的かも。
録音状態は、この楽章から、トランペットやホルンの響きがまろやかに広がっているような気がする。
う〜 不思議じゃ。血液が末端まで通ったような気がして〜 温かさが伝わってよみがえったのかしら。と思ってしまう。最後に至ると満足感が高い。ちょっと不思議な楽章になっていた。
ケンペ盤を聴いていると、死の直前から死に至り、そして、天上での蘇りシーンを描いたかのような〜
そんな楽章かあ? と思ってしまった。
心地よく、高音域の音が、頭の上を、すーっと通過していく。
特に、ヴァイオリンと木管の音が、スピーカーから出てきて、通過していくのが見えてるようで、怖いぐらい。

3楽章
テンポは速い。低弦のコントラバスが、あまりきこえないためか重厚さが欠けて聞こえる。
しかし、木管の響きやヴァイオリン、金管類の高音域は、みごとに透き通って聞こえる。
この魅力も、う〜ん。捨てがたいなあ。
残響が、ちょっと少ないかな〜と思うので、もしかしたら、直線的に聞こえるのかもしれない。
同じフレーズで畳みかけてくるところも、伸びやかではなく、短めで加速している。
長音が続くところは長いのだが〜 う〜ん。ワタシ的には、ケンペ盤とは、息遣いが合わない。

4楽章
静かな静謐さが漂う楽章になっている。うわ〜っ、無為の世界に引き込まれた感じがする。
端正な木質の柱を見ているような感じ。まるで唐招提寺の柱のようだ。普通は、この楽曲は、堅牢な石造りのゴシック様式のような教会だと例えられるんだが。う〜ん。何故このような感じを受けたのだろう。
重厚さがないからだろうか。いや〜装飾がほとんど無いという感じで、端正極まりないとでもいうか・・・。
余計なモノがそぎ落とされた感じで、音が流れていったような感じを受けた。

ケンペ盤は4番と5番のカップリングだが、4番より5番の方が、断然に良いように思う。
アンサンブルはみごとで文句はつけられないのだが、ふわ〜っとしたフレーズの膨らみ少ない。
無いと言っても過言ではないほど。
直線でコーナーは回れないだろうに〜と言うぐらいの、ぐいーっとした直線で迫ってくる。
これは、強烈だ。このケンペ盤は、気迫に押されるというか・・・。鳥肌が立つ場面が多かった。
私的には、怖い演奏で、ちょいと〜 ブルックナー独特のオルガン的な響き。膨らみのある響きのあるものが好きなんだけど、いやいや、なかなか鋭い演奏だ。

ショルティ シカゴ交響楽団 1980年
Georg Solti
Chicago Symphony Orchestra

あちゃ〜

録音状態は良い。クリアーだが、演奏は、重厚で金管類のパワーに圧倒される。派手で、ガンガンしてて骨っぽい。
いや〜これは、はっきり言って野蛮です。ブルックナーではないみたいで、どひゃん。ノーヴァク版
 

1楽章
冒頭2分あまりで、耳元で吹かれているかのような金管の大音量とティンパニーに圧倒されて、ド迫力でノックアウト・・・。ショルティ盤は、やっぱ強烈である。
げげっ〜 なんじゃぁ これ〜っと絶句して、終わりになってしまう。
まさしく、力ずくで押しきるタイプで、金管の咆吼は野蛮にすぎる。
これだけ派手にやられると気持ちが良いというか、あっけにとられる。当初は、口を開けてあんぐり〜
唖然としつつ聴いていたが、部分的に何度か繰り返していくと、う〜ん。ちょっとだけ快感に変わる。
テンポは、速いのか遅いのか、よく判らない・・・。リズミカルに響く。
いや〜、リズミカルじゃないなあ。これはリズミカルとは言わないぞ。う〜ん。押し切られる一方だ。 受け取り拒否もできず、凍り付いたようになってしまう。抗いがたいほど。
これじゃ〜 嫌がおうなく耳に届きます。って感じ。 でも、心に届くってワケじゃ〜ないんだよなあ・・・。
なんとも、剛速球の重いストレートで、バンバン投げ込まれて、構える暇もなし。見逃し三振ですわ。
これじゃー太刀打ちできそうにもない。とにかく、圧倒されて終わってください。って感じで、これでは、感想にもなにも〜
あったものじゃないが、何もできずに、ハイ、1楽章は終わり・・・。

2楽章
ショルティ盤は、なんとも乾いたフレーズの短いアダージョでイマイチ。これでは、天上には昇れない。
この当時のシカゴ響のヴァイオリンは、ちょっとカサカサ気味。フレーズが細切れなので、歌うように繋がらないず、句読点が沢山ある文章か、散文詩的である。
な〜んにもない荒れた大地に、草花が地面に張り付くように咲いて、冷たい風が吹いている雰囲気がする。寒々しくゴツゴツしてて骨っぽい。
ヴァイオリンの高音の跳ねるような音が、耳に刺さるところがある。
あれだけ圧倒した世界を1楽章で造ったのだ、2楽章は、破壊した後の荒涼たる世界を描いているようにも感じる。
2楽章前半は、どう聞いても、天上を描いているとは到底思えない。
後半は、金管の咆吼は柔らかく変わるが、地面から、ちょっと浮いた程度で・・・
まあ。幾分、繊細さも感じるが、もっと改悛せねば・・・天上には無理でしょう。(笑)

3楽章
これまた、激しい〜っ。冒頭は、激流に飲み込まれたような感じがするスケルツォだ。
主題が変わって、ちょっと可愛い木管フレーズが聞こえてくると、これが誘い水となって、楽しく踊っている雰囲気に変わる。 しかし、主題の差が大きく、ショルティ盤で聴いていると、まるで巨人たちの饗宴に、可愛い少女が招かれたという感じがする。 ブルックナーのスケルツォは、全般的にショルティ盤が面白い。
聴かせてくれるし、とことん力で押し切ってくる。無骨なスケルツォなのだが、リズムが生命線ってところがあるので、パワーあふれる方が躍動感があって良いのだ。
可愛い少女を目の前にして、恐ろしい怪物たちが、ドシンドシンと、シコを踏みながら踊っている風だ。
なんだか怖い雰囲気というか、おぞましい感じもするのだが、ショルティ盤を聴いていると、ふふふ〜っと笑えてしまう。

4楽章
かなり軽やかに変身して、旋律を奏でる。嘘のような変身ぶりで、軽やか〜とうっとりしていると、 低弦と金管が、また恐ろしい迫力で、世界を変貌させる。 一応、コラールなのだが・・・ 1楽章の迫力を思い出されて、身の毛がたつほど怖い。 荘厳さと言うからには、畏敬や畏怖の念を持ち、謙虚さも併せて必要だと思うんだが、う〜ん。
ショルティ盤だと、鉄拳が振り落とされるような気がして、身がすくむ。いや首がアブナイって感じ。ギロチン的なのだ。

この楽曲は、剛柔が交互に来きて不安定な気分になる。
そのためにも、カッチリした堅牢な器が必要だと思っているのだが、あまりにも落差が大きく、ショルティ盤は、最後まで聞いていると疲れてしまう。
う〜。ぐったり〜。やっぱり何度も繰り返しては聴けない。いつもながら、ショルティ盤には圧倒される。
これは、ハッキリ言って、野蛮です。いや〜暴力に近いかも。(笑)

0428

レーグナー ベルリン放送交響楽団 1983年
Heinz Rögner
Rundfunk-Sinfonie-Orchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)

いかすぜっ

録音状態は良い。テンポは快速だが、柔らかい残響がある。
縦糸と横糸のフレーズが、巧く組み合わされていて心地良い。
ショルティ盤とは、正反対のアプローチで、清潔で見通しよく、清潔感たっぷり。(原典版)

1楽章
冒頭の美しさが聴きどころなので、ちょっとボリュームをあげて聴いてみる。
「ど〜れ〜み〜 ふぁ〜れ〜み〜」低弦のピチカートを伴って、静かに和音が奏でられている。
「そぉ〜 しれそぉっ〜 しれそ〜 しれそっ」
レーグナー盤は、残響が多め。
冒頭の「そ〜しれそぉ〜」と鳴るところは、ちょっとトランペットが硬いかなと思うのだが、無音のように弱音で始まって、唐突に金管が咆吼される盤が多いが、レーグナー盤では 自然に感じる。
「れみふぁ〜 ふぁ〜っふぁ」が終わって、「たん たぁ〜ら らんっらんっ」と弦が始めると、ティンパニーで盛りあがっていく。 この序奏部分が終わると快速になる。
「ど〜みれど〜 しれ〜ふぁれどしらしふぁら パッ パカ パン」
この「パッカパン」のリズムを何度も弾いているうちに、酔いしれてくるようだ。途中の弦のピチカートもよく響いて聞こえてくるし、たっぷり歌っている。 たっぷり歌っているところと快速に飛ばすところがある。
しかし、低弦の重量感があるので、速くても、振り子のように快適に感じられるのだ。
主題がかわって、「たら〜ら らったん」という低弦の響き、弦と金管の「たら〜ら らったん」とも、ゆたっりしている。その後、弦が揺れはじめ、「ふぁっし〜ど しど〜れ そら〜し らし〜ど そどみそふぁ〜」と、流れ始めると、 また快速に飛ばしていく。

深々とした盤も多いが、たまにレーグナー盤を聴いてみると、間延びしないリズム感が、さらり〜としていて、爽快さを感じる。力まかせの強引さを感じないところが良いのかも。
それに、硬くて、硬くて〜という感じではなくて、フレーズが全体的に柔らかいからね。 木管も弦も、滑らかでしなやか。低弦はパワフル。 金管は、もう少し丸さがあれば言うことなしだが、なかなか、まろやかに響く。
オケ全体の味付けは薄めだが、ティンパニーの叩き方は豪壮である。このティンパニーは、パワフルで、ガツンっと一発〜である。結構、怖い音で響いている。
まっ そんな感じで、スパイスは低弦とティンパニーってことになるのかも。
それに、フレーズが、きちんと浮き上がって聞こえてくる。複数のフレーズの間で、強弱がしっかりついてて、メインがどれなのかを、きちんと表現しているので聞きやすい。
レーグナー盤だと糸が絡まないんだよねえ。

2楽章
少しテンポが速いが、良い音で響いている。これぐらいのテンポが嬉しい時があって〜
さらりとしているものの、決して軽いわけではなく、渋い深みのある音である。で、フレーズの奏で方も、決して息が浅いわけではない。フレーズの膨らみも大きいし、振幅も充分なのだ。
特に低弦の響きが、充分に感じられるため、深みがあるように感じるのだと思う。
弦のピチカートは、全体的に速いものの、「たら〜ら ららら〜ら」と、よく歌う。
「れ〜らしらみふぁ れ〜みふぁ〜(そふぁみし〜そふぁみし〜) そ〜れみふぁ〜」 絹糸が、ぴ〜んと張っている感じで、はあ。こりゃ良い演奏だなあ。と思う。
めだって綺麗じゃーないんだが、天上的な音楽でもないんだが、素朴でありながら、野辺の草を見て、ちょっとした幸福感を味わうという感じだ。
決して荘厳でもないし、大袈裟でもないし、教会のなかで、頭を垂れるほどの敬虔さでもない。
ただ、前半は、素朴的にシアワセだが、後半は、厳かになって、金管の響きが教会のなかにいる雰囲気を醸し出してくる。レーグナー盤でこのアダージョを聴くと、清らかだな〜と思う。

3楽章
重心の低いスケルツォで、快速に心地良く飛ばしていく。
あっ 快速に飛ばすと言っても、レーグナーさんは丁寧なのだ。荒っぽい盤とは雲泥の差だ。
聴くのに、辛くなってくる、しんどい盤もあるのに、レーグナー盤は、重心の低い音の構成だが、なぜか、浮遊感が漂うほどのフレーズとなっている。
う〜ん。このスケルツォは、中音域の美しさに依っているのかなあ。
フルートをはじめとする木管と、弦の透き通るような響き。それと、硬いリズムを刻む音と。
この差が、心地良い程度に開きがある。
「タッタタ タッタッタ タッタタ・・・」とリズムを刻むフレーズと、「た〜ら た〜ら」と横に流れるフレーズの組み合わせが、気持ち良く感じられる。う〜。巧いっ。
大きな流れのなかで、タテとヨコを上手に組み合わせて、時系列に応じて表裏を変えているようだ。
で、スケルツォなのだが、他の盤だと、セカセカした風に聞こえるものがあるのだが、レーグナー盤は、スケルツォらしからぬ、爽やかで長めのフレージングになっている。

4楽章
最初は、1楽章の主題が流れてくる。
「ど〜みれど〜し〜ふぁ れ〜ふぁみれど〜 どふぁっ」
続いて2楽章の主題、「みふぁ〜 そらふぁ〜 みふぁ れみふぁ そふぁみふぁ〜」
弦のピチカートがあり、そのうちに、「どっど そっそ ふぁっふぁ らっらっ」と弾む旋律が出てくる。
ここのコントラバスの響きの大きいこと、力強いこと。そのくせ、すごく弾んでる。 ティンパニーのロールも響く。
主題が入れ替わり立ち替わりしているなかで、テンポが段々とあがってくる〜 すごい、目に見えてあがってくるなか、弦が、するり〜と入ってくるのだ。
その切り替わりのスムーズなことっ。はあ、あっけにとられるほど、主題の入れ替わりがスムーズで、よく聴いていないと、速くて〜追いつかない。 で、いったん全休止があって、剛直な「そ〜そ れっれそ〜 れれそっそ そっそ」
金管の壮大な鳴りっぷりで、コラールが鳴る。この和音は静かだが、まろやかに響く。
あまり余韻を残さず、さらり〜っと吹いているのだが、残響が多め。
ガチガチに、ゴリゴリ感のある演奏で、メッチャ熱くて、大宇宙的というか、荘厳な建造物をイメージさせる盤もあるのだが、レーグナー盤は、驚くほど、あっさり〜フワフワ感さえある。
パワフルなのは、低弦とティンパニーで、弦は総じて明るく軽めの色である。 この楽章は、分離するのではなく、渾然一体と鳴って欲しいのだが、う〜っ。パーツが浮いてて、ちょっと違和感があった。さすがに、ここは、ごつ〜く、ぶあつ〜く、壮大に鳴って欲しい。そうでないと欲求不満状態になってしまうのだ。
贅沢な言い分で申し訳ないが、この楽章は、もっとガンガンに鳴ってて欲しいっ〜っ(涙)
あ〜 そんなに、あっさり行ってしまうなよぉ。もっちと粘ってくれぇ・・・。と、叫んでいたら、最後、コーダになって、さすがにパワーアップして、フレーズを繰り返しながら畳みかけくる。
テンポアップ、勢いがついて、熱を帯びてくる。おおっ〜 そうだ。そうだ。ちょっとは、火がついたかっ。

レーグナー盤は、 全体的には、ブルックナーとしては、違和感を感じるテンポの速さがある。
しかし、見通しの良さというか、タテとヨコの糸が絡まずに、フレーズが綺麗に調整されていて、聞きやすくなっている。
ショルティ盤とは、正反対の印象を受ける。 ワタシはとっても好きなんですが、ブルックナーとしては、スピード感ありすぎて、軽すぎて、ダメなんだと烙印を押されそう。なんたって、 かなり軽量級だもの。
でも、退屈しがちな楽曲でもあるので、苦手だな〜と感じる時とか、聴き始めた当初に、この盤を聴くのはお薦めだと思います。
ハイティンク ウィーン・フィル 1988年
Bernard Haitink
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

けんかうっかぁ〜

録音状態は良い。金管とティンパニーは目立つのだが、木管のフレーズが綺麗に浮かんでこないし、 テンポは遅めで停滞しちゃうし、一辺倒という感じがして、つまらない。
発売当時は、テ・デウムとのカップリングで、2枚組だったらしい。
1楽章
一応、弦のもわもわ〜っとした響きはあるのだが、ものすごい弱音で〜 そこれを突き破るかのように、突き上げてくるものがある。のっけから勇壮な楽曲というか、硬いというか〜 重厚な響きが奏でられる。
金管の「そぉぉ〜 しれそぉ〜 しれそぉ〜 しれそぉ〜っ れ〜み〜ふぁ〜そぉ〜 そぉ〜ふぁ」
「どぉぉ〜 みそどぉ〜 みそど〜 みそどっ」「れぇ〜 み〜ふぁ〜 ふぁ〜 ふぁ〜 ふぁぁ〜」

ウィーン・フィルの柔らかな響きを想像していると、えっ 硬いっ。
弦のフレージングも硬めで、金管の和音が、ティンパニーの響きと共にイマイチ美しいとは感じられず、そのまんまの、無骨な雰囲気が漂っている。
金管のハーモニーが、あまり美しくないのだ。で、力強いのだが硬いし、ドスンという響きになっている。
冷たく、硬めの響きではないのだが、重々しく、テンポは遅め。
ゆったりとしているが、のびやかに、柔軟に広がっていかない。また、テンポが遅いので、停滞しているかのように思える。
木管のフレーズが、沈みがちで、もっと大きな音でも良いのだが、あまり綺麗に浮かんでこない。
どちらかというと、低音の方に重心が行っており、迫力はあるが〜 弾力性がないので、楽しくない。

う〜ん せっかくの柔らかいフレーズが、浮かんで、すーっと奏でてこないので、つまんない。
内声部の響きが欲しいし、硬いところと柔らかいところ、無骨さと、繊細さ、厳つさと美しさっていう、違うモノの対比が面白い筈なのだが、一辺倒という感じ。
木管を、もっと前に出して、すーっと浮かぶ雲のように、強調してくれたら良いのだが、フルートの部分は、音が途切れるし、弦との絡みも、ブレンドできておらず、間合いが空いてしまって〜 隙間で、どうしても退屈しちゃう。
金管フレーズは、確かに主体なのだが、これでは・・・ どうもなあ。
力任せ的に感じてしまって、威圧感のみで、いろんな風景が描けてないように思う。また、フレーズを巧く繋いで欲しいのだが、どうも、ぶつ切り傾向にある。
いろんな風景、多彩な色調に目が行っていないのではないだろうか。描きたいモノが、心のなかに浮かんでいるのだろうか。焦点を1つに絞りすぎて〜 色彩感の乏しい絵になっているというか。広々とした空間が、聞こえてこないのだ。
視点が狭いように感じられる。また、のびやかでも、豊かでもないので、堂々として鳴っているのだが、どうも窮屈だ。

2楽章
弦のピチカートが聞こえづらく、 オーボエの悲しげなフレーズが、「しぃ〜み ふぁそぉらふぁ〜 みぃ〜ふぁ〜れぇ〜みふぁ そふぁみ ふぁ〜」と奏でられるのだが、へ? 気合い入れて吹いてくれよぉ〜
どうも、緩いというか、緊張感が感じられず、たれっとしている。大変美しい楽章で、弦楽のハーモニーが聞こえてくる筈なのだが・・・。音が出ているっていうだけで、音を置きに行っている感じだ。
弦楽合奏で、「れぇ〜 らぁ〜しら しどぉ れぇ〜み ふぁ〜みふぁ そぉ〜ら しぃ〜し ふぁ〜そふぁ〜」
というフレーズも、活き活きとした、ゆったりとした歌になってないし。
あーっ とっても悲しいっ。 テンポは遅いし、歌わないし・・・ なんじゃこりゃ〜
テンポも一様では、譜面を、なぞっているだけのようで、これはアカンやん。一本調子すぎて〜 無骨というか、やる気あるのかなあ。コクも深みもないような気がする。抑制の効いたストイックさで勝負なのかしらんとも思うのだが、 ちょっと〜 これでは、同調できないし頷けない。つまらん。

3楽章
熊のダンスって感じで、しなやかさの感じられない、単調なスケルツォの楽章である。
木管のフレーズが、もっと前に出てきたら良いのに、ティンパニーと金管の「ぱぁ〜ん ぱぁ〜ん」だけが、目立つ。
で、弦の優美なフレーズは、「れらど れらど ふぁどみ ふぁどみっ」という主題が、強調されている。
やっぱり、金管とティンパニーが目立ってて、音のバランスが悪いのか、中間の音域音が抜け落ちている感じがする。
で、繊細なフレーズが目立ってこないというか、浮かんでこない。
まあ、もっとも、木管フレーズが巧くないし、繊細でもないし〜 
単調だなあ〜と思いつつ、淡々と時間が流れていってしまう。なんで、こんなに、つまんないのだろう。

4楽章
この楽章の前半では、木管が前に出てくるのだが〜 まあ前楽章よりは、少し、聴き応えが出てくる。
でも、やっぱりテンポが遅めで〜 コントラバスの響きは良いのだが、柔軟には響いてこない。
なので、弦の重厚さは、存分に味わえるものの〜 縦の刻みだけが気になる感じだ。
やっぱり、歌謡風フレーズになると、もっと、表情がついてても良いんだけどな〜っと、物足りなさが出てくる。
厳つい主題は、さすがにボリュームも迫力も感じられるのだが、う〜ん、それだけでは・・・。
コラール風の主題の金管は、さすがに美音で響いているのだが、ここだけ帳尻合わせ的に吹かれても、もはや遅いです。
この楽章ラストだけ、熱心に練習したわけでもないだろうに、あ〜あっ。

85年の4番は、壮大で優美な絵巻モノを見ているかのようで、良かった〜と感想を書いているのだが。
う〜ん、この感想は、適切だったのだろうか。
5番がこれでは・・・ ちょっと、自分の感想が怪しく思えます。(謝)

1174

スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 1984年
Otmar Suitner
Sächsische Staatskapelle Berlin
(Staatskapelle Berlin

切なくて泣きそう

録音状態は、まずまず。ベルリン・キリスト教会での録音。残響が多めで、ホールトーンが豊かであるのだが、これは好みが分かれちゃうかもしれない。演奏は素朴。この素朴で、飾り気の無さが、ワタシ的には、ウルウルしちゃって良い。

1楽章
冒頭、静か〜に潜行している。で、唐突に金管が咆吼する。
「そぉ〜 しれそぉっ〜 しれそ〜 しれそっ」 
スウィトナー盤では、この3回繰り返す部分を、段々テンポが速めて、最後「しれっそっ!」と、早口になっている。スウィトナーさんの振るブルックナーは、テンポの良い方で、速め速めに展開していく。
主題が変わると、ピチカートで、弾んで弾んで、ティンパニーで締める。
「ど〜みれど〜 しれ〜ふぁれどしらしふぁら パッ パカ パン」
このフレーズの繰り返しである。
「ぱー ぱっぱっか ぱーん」音が変わるだけで音の形は、同じっ。
最初聴いたとき、なんじゃーこれ? 代わり映えのない、楽しくないフレーズばっかり、よくもまあ〜これだけ並べたなあ。と思ったものだ。
しかし、この単純な音型が耳に馴染んでくると、これ癖になって〜 知らぬ間に、口ずさんでいたりなんかする。(繰り返し・繰り返されるというのは、ホントは怖いのだ。気をつけなきゃいけない 笑)
スウィトナー盤は、柔らかい ソフトな音色で、穏やかそのもの。
「そ〜ふぁそっれ そ〜ふぁっそっれ」 金管の音色も、渋くて、まろやかに、開放的に鳴っている。
「そ〜らそっれ みーふぁみっし らーしらっみ ふぁ〜らふぁれ」 フルートが輝いている。
テカテカしてなくって、これが、ま〜 ホント、空間に広がるんだよねえ。残響の綺麗なこと。
この音の響きで、まあ。やられますわ。教会での録音って、ホント、よいねえ〜。
演奏そのものを楽しむというより、音の響きが、まろやかで〜 この響きがたまらないぃ〜っ。
古い、東ドイツ時代の録音なのだが、私的には、この響きが快感で、ホント、ゾクゾクしてしまう。
スウィトナー盤は、快速で飛ばしているが、響きが濁らず柔らかいです。
で、最後、熱く盛りあがっている。

2楽章
涙もののアダージョで、天上的なフレーズが響く。
まず、オーボエの悲しげなフレーズが、「し〜み ふぁそぉらふぁ〜 み〜ふぁ〜れ」と、響いている。
テンポは、幾分速め。弦の弾んだ音をバックにして、美しいフレーズが流れてくる。
「れ〜らしらみふぁ れ〜みふぁ〜(そふぁみし〜そふぁみし〜)そ〜れみふぁ〜」
このフレーズが交差しているところとか、室内楽的に響くところが、大変美しい。

スウィトナー盤は、素朴だと思う。で、音色は渋めだし地味だ。でも、安定感があって、いつもながらの。
という雰囲気がする。
私的には、イチバン好きなのは、ヨッフム盤(64年 コンセルトヘボウ)で、それよりも、ふくよかさは少ないけれど、スウィトナーさんの演奏は、聞きやすい。気さくさが持ち味なんだと思う。
私は、疲れた時、そっと、これを流していると気が安まる。
ブルックナーの5番で気が休まるなんて〜 ちょっとシンジラレナイかもしれないが。

ブルックナーの5番は、マタチッチ盤のように、巌のようにゴツゴツ感が好き。という方もいるだろうし。
ヴァント盤のように、硬い鉱質のような、鋼タイプの方が良い。という方もいるでしょう。
私の場合は、素朴さが好きですね。木訥としてて〜
で、スウィトナー盤は、干し草・藁のような〜とでも、例えましょうか。まあ。そんなブルックナー5番です。

0676

シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン 1999年
Giuseppe Sinopoli
Dresden Staatskapelle

こりゃ〜大笑い

録音状態は、あまり良くない。響きがイマイチ悪く、デッドで、モワモワ、ガシャガシャして聞こえる。
これはマーラーか?! ようやく最後で、これはマーラー風に演奏されていることに気づいた。失礼ながら、おもいっきし笑い転げた。
ライブ盤 ノーヴァク版

1楽章
録音状態はあまり良くない。ティンパニーのロールは充分に響いていない。低弦とティンパニーの響きがなあ。イマイチ明瞭でなく、靄がかかっている。
他の盤だと、堅牢さを競うかのような感じで、厚塗りで仕上がりが硬いのだが、シノーポリは5番でも、流れるような、ちょっとお茶目なブルックナーになっている。
決して軽いとは、この楽曲だから言えないけど。どうやら歌いたいらしい・・・。という気がする。
他の盤を聴いて、このシノーポリ盤を聴くと、う〜ん。どうもブルックナーとしては中途半端かも。
厚みが充分でもなく、金管にパワーがあるわけでも、低弦の豊かさも欠けているし、押しの強さもないし。
ゴツゴツしているわけでも、シルクのような艶があるわけでも、宙に浮いたような丸みをおびた球体でもなく、地面を這うようなタイプでもないし。
かといって、フレーズごとに自在に変化しているわけでもないし。歌える楽曲でもないし。う〜ん。この楽曲は、アプローチが難しいだろうなあ。
あまり深く深刻にならず、聞き流せるという面があり、明るく、楽天的な面が取り柄かも。
現代風に、ちょっと軽めがいいな。という向きには良いかもしれないが、よく、ワカラン交響曲だなあ。で、終わってしまう危険はあるし、一般的に使われる精神性・・・などという言葉からは、かなり遠いみたい。
でも、聞きやすいわ。確かに。まっ もっとも、ブルックナーをBGMに使う人はいないだろうけど。

2楽章
シノーポリ盤にとっても、ここは白眉なのだが、ちょっぴり人間臭いアダージョ。
弦をガシガシ区切っているわけでもなく、膨らみのあるフレーズでもなく、メリハリもあまりなく、流し気味。
ブルックナーが好きな人だと、こりゃ〜 モノタランでしょう。
でもなんか、聞き流せるわ〜 さらさらと。耳に止まらないというか。残らないというか。
すーっと、なんか、どっかで、流れているってなぁ・・・という感じになってしまっている。
いや〜これ。カジュアル過ぎだわ、やっぱ。パジャマ姿のブルックナーかなあ。ひとことで言うとヌルイ。

3楽章
テンポに切れがないんで〜 もっさりしたスケルツォに聞こえる。最終楽章も、う〜ん。ワカラン。
弦は、透明度が高く聞こえるのだが、金管は細身。フレージングの取り方は、軟体動物的で、私的には、よくわからない。この曲を、どんな風に演奏したかったのか、その意思が読めない・・・。
う〜ん。中途半端に聞こえてしまうのだが。

4楽章
各声部を歌うように弾かせている部分があり、大変新鮮に聞こえた。ほぉ〜っ。すげっ。
フレーズを歌謡風に捉まえていたのか〜っ。ほ〜ぉ。横に流れていく旋律は、耳に心地良い。
最終楽章は、ホント、おおっ。ブルックナーが歌える。歌ってるわ。
これは意外だった。

しかし・・・ ブルックナーのなかでも、堅牢さで1、2を争う、このブル5だよん。 あーた、ブルックナーを歌謡風にはできないぜ〜 恐ろるべし果敢な、いや無謀な挑戦だろうが。と思っちゃった。
最後の最後になって、えっ。これ、マーラーの歌曲付きの交響曲だったの?って終わり方になっていた。
これは笑える。失礼ながら、おもいっきし笑い転げた。(スミマセン)
で、ようやく最後の最後になって謎が解けたのだ。シノーポリのアプローチのキーワードが・・・。
シノーポリさんは、マーラーとブルックナーの振り分けができなかったのかなあ。
それにしても、このアプローチは、一風変わっている。ハマルと癖になりそうだが。いやはや。違うだろ〜
1964年 ヨッフム コンセルトヘボウ Ph  
1970年 マタチッチ チェコ・フィル Sup ★★★
1974年 ヴァント ケルン放送交響楽団 ★★★
1975年 ケンペ ミュンヘン・フィル BASF ★★★
1976年 カラヤン ベルリン・フィル  
1980年 ヨッフム シュターツカペレ・ドレスデン EMI  
1980年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec ★★★★
1984年 レーグナー ベルリン放送交響楽団 DS ★★★★
1987年 インバル フランクフルト放送交響楽団  
1988年 ハイティンク ウィーン・フィル Ph ★★★
1989年 ヴァント 北ドイツ放送交響楽団  
1990年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン DS ★★★★
1993年 ウェルザー=メスト ロンドン・フィル EMI  
1993年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI  
1996年 ヴァント ベルリン・フィル  
1996年 スクロヴァチェフスキ ザールブリュッケン放送交響楽団 OEHMS  
1999年 シノーポリ シュターツカペレ・ドレスデン ★★★
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