「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

13240544132300220991054505530014

ドヴォルザーク 交響曲第7番
Dvorak: Symphony No.7


ドヴォルザークの交響曲第7番ニ短調(作品70)は、1885年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

第1楽章 ニ短調 6/8拍子 ソナタ形式
D音の持続音と遠雷を思わせるティンパニーが冒頭に表れ、ヴィオラとチェロによって第1主題が提示されます。この後に序曲「フス教徒」の主題に由来する動機が表れます。第2主題は、フルートとクラリネットによる穏やかなものです。 木管が、第1主題を次々に奏して展開部が始まり、しだいにクライマックスを形成します。頂点で第1主題が再現され、コーダは第1主題が回想されクライマックスを築いたあと、最後ホルンが第1主題を奏でて終わります。

第2楽章 ヘ長調 4/4拍子 自由な三部形式
クラリネット、オーボエ、ファゴットが、対位法的に絡みコラール風の導入句を奏でた後、フルートとオーボエによる主要主題が始まります。ヴァイオリンとチェロによる副次的な旋律が続き、中間部は、ホルンの牧歌的な主題で、 クラリネットとホルンの応答の後、フルートとファゴットが残り、チェロが主要主題を奏して主部が回帰します。第1ヴァイオリンで副次旋律も続きますが、対位法的に複雑に処理されます。オーボエが導入句を再現し、消え入るように終わるもの。

第3楽章 ニ短調 6/4拍子 三部形式
弦楽器が、チェコの民族舞曲フリアントのリズムを刻むなか、ファゴットとチェロが主題を提示します。中間部は、ト長調に転じて速度を落とし、明るいカノンを思わせるもので、第3部では、長いコーダが付けられています。

第4楽章 ニ短調 2/2拍子 ソナタ形式
第1主題は、クラリネットとホルンによるうごめくような主題で、第2主題はイ長調、チェロによって演奏される民謡風のものとなっています。展開部では、これらの主題に提示部の最後でヴァイオリンが演奏する小結尾主題とが対位法的に処理され、 やや変形された再現部の後コーダとなっています。小結尾主題を扱って盛り上げたところで、第1主題の冒頭部分を力強く奏でて速度を上げると、ニ長調になって速度を緩め、変形された第1主題を壮大に演奏して、ニ長調で全曲を閉じるものです。

ドヴォルザークの後期交響曲というような位置づけで、牧歌的で、のどかで、聴いていると、ほっとするような懐かしさを感じる楽曲です。弦のしなやかさや、木管のハーモニーの美しさに、うっとり。休日に聴くのにうってつけの楽曲です。

1324

バルビローリ ハレ管弦楽団 1957年
John Barbirolli
Hallé Orchestra

これもありかっ

録音状態は良くない。さすがに古い。EMI原盤。
さっぱりしすぎて、う〜ん、違う曲に感じてしまう。
カップリング:ドヴォルザーク 交響曲第7〜9番までの3枚組BOX
7番とのカップリングは、ブラームス二重協奏曲イ短調

 

1楽章
木管のフレーズが、録音状態のために、モコモコしていて明瞭ではない。
「みふぁそ ふぁそみ ふぁらそ しどみ ふぁっれみっ〜 ふぁっれみ〜」 
弦が絡んでくるのだが、低弦の響きも薄めであるため厳しさがなく。う〜ん。なんとも牧歌的な雰囲気だ。畳みかけてくるフレーズは、ちょっとあるのだが、勢いだけだなあ。って感じ。
でも、最初っから熱いのだ。ひぃ〜 テンポがすごく速い。
「ん〜たらっらっ〜 たらっら〜」 粘りが無いので、メチャ速い。
「し〜 れ〜 ふぁ〜 ら〜」っと、パン パン パンっと、階段をのぼっていくところも、3段飛ばしぐらいで駆け上がってしまう。「ら ら ら〜」という合いの手の金管のフレーズも間髪入れず。
「らそふぁ みふぁら そふぁそ み〜 ふぁれっみ〜 ふぁれっみ〜」
優美なんだが、この演奏は、せっかちだねえ。
「み〜れ ふぁ〜み れ〜どしら そ〜ら そ〜ら そ〜ら そらふぁ〜」木管のフレーズは綺麗なのだが、なにせテンポが快速であるので、音符はなぞっているのだが、さらり〜とし過ぎてて唖然とさせられる。
まあ。こんな調子で進んでいくので、ドヴォルザークって感じではなく、抑揚はそこそこあるものの、粘りけのない、土俗的な要素なんぞ、さーっぱり無し。
アクが抜けきった綺麗さはあるのだが、歯ごたえ無しで、う〜ん。味も無いに等しい状態になっちゃっている。で、楽章最後、メチャ勝手に盛り上がって、一気にヒートアップ。
「みどしらそふぁ・・・」低弦が繰り返して、「しどし みそふぁみ しどし みそふぁみ」と繰り返して、段々と大きくなってくる。
まるで、津波が起きたようになってくるのだが、弦と金管があわさってくると、一段とギアチェンジされ、「しそらしど しそらしど・・・」と繰り返して、メチャ、ヒスを起こしたオバサンみたいに奏で出す。
で、ティンパニーが、アホほど狂ったように速く叩くのだ。
人を食っちゃったみたいに熱く、快速で駆け抜けて終わってしまった。あっけにとられてしまう。
なんで〜 どーして。こんなに熱くなれるのぉ? シンジラレン。こりゃ、と盤か。

2楽章
あまりの速さに驚き、骨抜きにされちゃった前楽章だけど、ここでも基本的には同じ。
「み〜み れ〜し らしれ〜し しど〜し ら〜そ ふぁそし〜そ しそ〜ふぁれ どれみ〜し」
この楽章は、かなり牧歌的なフレーズが続くので、懐かしい気分になれるし、一気に時間が飛んでいって、昔昔の古き時代に想いをはせることができる。
でも。さらり〜っと流れていくことは確かで、「どれ〜み そっ〜 ふぁそ〜ら れれっ らし〜ど ふぁそら」というフレーズも、スパイスには鳴っているけど、想いを止めてくれるような要素にはならない。
ホルンの音色は、バッチリ曲想にはマッチしていると思う。ふふっ これは良い。
「そ〜どぉ〜ら〜 そっそっ れ〜 みみ ら ふぁふぁ し れっれ・・・」
この盛り上がりのフレーズは、大きなうねりになっており、まったり。

3楽章
「しっし しら そっそ そらっし どっど どしら らしっど」
このスケルツォ部分も、流れるように、とろけた状態で流れていく。アクセントのついていない舞曲風の演奏で、なんだ〜これっ。歯ごたえが感じられず、平板的に聞こえる。 で、テンポだけメチャ速いのだ。
「れ〜そ〜らしっ ど〜みふぁっそ〜 ら〜みふぁみれっ」
主となるフレーズも粘らず快速なのだが、合いの手も、充分に入っていないんだと思う。
例えば3拍子、1、2、3 これメトロノームと同じように、同じ長さで振ってしまったら、実際には踊れないし、揺れないし、雰囲気が台無し。1拍目は、のばして〜というのがあたりまえ。
しっかし、バルビさんのフレーズだと、みんな同じ調子に聞こえてしまう。
初めは、気持ち、ちょっとぐらい拍をのばして〜 たららん。と語尾は巻いてくれないと。独特のリズム感が生きてこないと思うんだけど。(← って言っても、プロの演奏かだもん。こんなこと、承知だよねえ)
うんじゃ〜 もうちょっと、オーバーアクションで、振って欲しかったよなあ。
「れっれ れどし らっら らしど・・・」の特徴あるフレーズも、遊び心っていうか、余興がないっていうか。
杓子定規になっちまって。これじゃーっ。とほほだよ。

4楽章
暗い風景にはなっているのだが、あ〜 のんきだねえ。って感じがする。
弦が、美しいが厳しい、冷たいフレーズを奏でるのだが、嵐の前の雰囲気って感じがしない。
牧草地で、ちょっと雲がかかってきたねえ。って感じ。
う〜ん。まろやかすぎて。とほほっ。
なんか深さが足らんぞ〜って文句を言っても、もはや仕方ないねえ。テンポも速いねえ。
アンサンブルは、まずまずだと思うんだけど、ガサガサした音色の弦であるためか、カサカサした牧草地帯風景がイメージされる。 木管 フルートやクラリネットは、明るめの素朴な良い音がしている。
コミカルなフレーズも登場するので、さらに、明るくなってしまって。あらら〜 どーしましょ。
楽章最後は、荘厳な和音に持ってきて、結構たっぷりめに盛り上げている。

高音のヴァイオリンの声が、ちょっと裏返って聞こえてしまうし、金管がちょっと割れたりしているけれど、ハレ管って明るい音色だったんだな〜と思う。もちろん、違う楽曲であれば、このオケとバルビローリさんの良さが出てくると思うのですが〜

0544

セル クリーヴランド管弦楽団 1960年
George Szell
Cleveland Orchestra

ほぉ〜良いヤン

録音状態は、リマスターされているので、とても綺麗に聞こえてくる。およそ1960年の録音とは思えない。
演奏は極めて楷書体で、几帳面な 感じがして、最初は、ちょっと戸惑うかも。カップリング:ドヴォルザーク 交響曲第7番、スメタナ「モルダウ」

1楽章
すっきり、はっきり〜 アンサンブルもみごとで、文句がつけられない。出だしからして、う〜ん。すごい。
不安定な冒頭では、ちょっと変な音のホルンが入るのだが、これが楽譜どおりらしく、いつも笑えてしまう。(まるでオナラみたいで・・・) 繰り返しでは、この音が変わるんだけどね。
主題が変わるとフルートの美音の響きが心地よく、大変穏やかな気持ちになれる。フルートのトリルも。
弦は、几帳面ななかにも、しなやかだし、ホルンもかったるい甘さはない。
一糸乱れぬアンサンブルには、いつもながら脱帽。
このシンフォニーは、相反する味の旋律が絡んでいるで、そこが変なところでもあるし魅力でもあるのだが、甘いフレーズでも、セル盤は、抑揚があまりつかずクールである。
穏やかで平和的なフレーズを、歌うという心境には至らない。あくまで第三者的な感覚のようだ。

2楽章
牧歌的な楽章なのだが、えへへ〜 穏やかで、いい音色の音型が続く。
でも、やっぱセル盤は、息が抜けないというか、弛緩できず・・・1楽章から緊張が持続している。
フルートやオーボエなどの木管と、弦の艶やかな音色が、更に高音域にのびる〜 
すかっとした、贅肉をそぎ落としてはいるが、艶やかさが、う〜ん絶妙。
演奏は、あまりに几帳面すぎるようで、ちょっと息苦しい・・・というのがホンネだが、本当、上品な香りがして、これでは文句が言えない。
ボヘミアの香りってどんなモノなのか、知らないのだが・・・この演奏には、感じないのではないか。
ただ、なんとなくイメージとしては、田園または草原地を思い浮かべるのだが、
あまり・・・ 余分なモノがないだけに、イメージが膨らみきれない。

3楽章
舞曲的なのだが、あまり強烈なアクセントや粘りはない。杓子定規ってわけでもないのだろうが、う〜ん。
ただし、第1音にアクセントが、きっちりついているため、歯切れの良いスケルツォになっている。
オーボエなどの木管が、パラパラパラ・・・という吹く音に色彩があり、これがスパイスになっているし、チェロなどの低弦の強めの響きが、アクセントにもなっている。
この部分は、声部が透明度が高いだけあって、活き活きと感じられるし、生命感あふれる瑞々しさがある。
適度な速さもあるし〜 ボヘミア的かどうかはワカラナイが、なかなか良い楽章になっている。
ここは、やっぱ〜 木管の色が聞こえてこないと、ドヴォルザーク独特の香りがしないようだ。 この楽章の終わりは、テンポをあげて、幾分、強めで弦が駆けめぐっている。

4楽章
1楽章のように、雲行きアヤシイ出だしから始まる。
わりとリズミカルで、破綻しそう〜っと心配しそうになるところもあるのだが、う〜ん、そつがない。
トランペットの音が、コガネムシの親戚みたいで、変だな〜って感じるところがある。変な音だと感じるのだが、これが、ドヴォルザークならではの音かしらん。ティンパニが1発叩いて、弦が一斉奏でるのだが、ん? ティンパニー出たし間違えた? 1つ多い?  う〜ん。
弦が歌い出すところは、ちょっと速いのだが、高音域のところは、そんなキンキンには鳴っていない。
だが・・・ ちょっと疲れてくるかも。
この曲のちょっと、しんどいところが、この最終楽章で・・・ ヴァイオリンの旋律がキツイのである。
なんだか相反する旋律が存在してるようで、突き上げてくるような、ちょっとせかされる旋律があるため、最後には、ちょっと疲れてしまう。
この曲は、最後、ゆったり〜した楽想になっておらず、いいメロディーばっかり詰まっているわけでもなく、どす黒い雲に、せき立てられているような切迫感がある。 常に相反するものが 同居しているような気がする。
セル盤では、最後には、ヒス起こしそうなぐらいのヴァイオリンの高音でせっつかれ、明るいのか暗いのか、完全には結論が出ず、よくワカラナイまま ・・・終焉を迎えてしまう。

セル盤は、明晰そのもので、克明に描かれた細密画のようである。 繰り返し聞いていくうちに、個々のフレーズに、しなやかさを感じてくるので、これは絶妙だな〜っとも思う。
ただ、あまりに潔癖というか完璧すぎるというか、緩んだところがないので、感情移入がしづらいのが欠点で ・・・。なんとも、もったないような〜 贅沢な悩みである。


1323

ノイマン チェコ・フィル 1972年
Vaclav Neumann
Česká filharmonie
(Czech Philharmonic Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。なんとも言えない美しさがあり、自然体で、柔らかさと穏やかさを持っていて、耳から鱗。
かなりの美音である。素材の良さが結集したような演奏だ。
カップリング:ドヴォルザーク交響曲全集ほか 7枚組BOX 旧盤のアナログ時代のもの。80年代にデジタル録音している。

ノイマンさんのドヴォルザークの交響曲全集は、アナログ時代のものと、デジタル時代のものがあるのだが、ワタシ的には、断然、旧盤であるアナログの方をお薦めしちゃう。

1楽章
冒頭は、ティンパニーの弱音のトレモロがあり、チェロとヴィオラ が、「そふぁそ みふぁら そふぁそ み〜ふぁれみ ふぁれみっ そみどっ ど そみっしっ」と奏でる。
この弦の響きが、とっても渋くて、暗いフレーズなのだが、どことなく甘みがある。
「しどれ〜どれ しどみ れどれ〜 し〜 そみふぁっ(そそっれ)〜 そみふぁっ(そそっれ)〜」 
木管のハーモニーも音色も、これは良い音で〜 この冒頭だけで、う〜ん。こりゃ良い。って感じなのだ。
特に、低音の響きにノビがあって、艶があり、適度な明るさもあり、弾力性に富んでいる。
で、フレーズが、とってもリズミカルだ。
ちょっと、飛んでいるんじゃ〜って思うぐらいキレがあり、弦が、特に活き活きとしている。
ヴァイオリンの弓が、先端から末端まで使われ、弓の幅イッパイに使われて、揺れて返っているのが見えてくるようだ。キレのある、うねるようなノビがあって、聴いてて気持ちが良い。
音色が、全く80年代と違う。これが、同じオケとは思えないぐらい違うし、金管も、適度に煌めいて、パカン パーン パカン パーンっと鳴っている。
(あ〜 言葉で表現するのって、とっても難しいっ。もどかしいぐらい)
スウィトナー盤も綺麗にフレーズを歌うが、ノイマン盤は、ちょっと厳しい面も持ちながら伸びやかに歌う。やわなチェコ・フィルではない。キチンとした楷書体ではあるが、艶がある分気持ちが良い。

2楽章
「み〜み れ〜し らしれ〜し どしら〜そ ふぁそし〜そ しそ〜ふぁ れ どれみ〜れどし」
木管のフレーズが、静かに、穏やかに、悲しげに吹かれている。
静謐さと共に、ホントに心穏やかな、広がり感があって〜 まるで、母親に抱かれた子供のような気分で、安らぎ感と、のびやかさ、日だまりのなかの居心地の良さを感じる。
あー なんてホルンが綺麗なのだろう。綺麗という言葉だけでは表現しつくせないぐらい、慈愛に満ちた世界が広がって〜 天上の世界のような〜 
う〜ん。この楽章って、これほど豊かな愛に満ちてるのか。と、改めて聞き入ってしまった。
ついついオーバーな表現になってしまうが〜 ホント、美しい、柔らかいフレーズが惜しげもなく流れてくるなかで、幸せなひとときが過ごせるって感じ。いやいや、ホント、ノイマン盤の白眉である。

3楽章
「しっしっしらそ そっそらっし どっどし らっらっ しどっ れぉ〜そぉ〜っそ らし〜」
このスケルツォは、躍動的ではあるが、ノイマン盤で聞くと、柔らかいモノ腰なのだが豊かな声量で、声を震わせている。
粘りのある、どことなく泥臭い演歌調の節回しで歌う盤もあるのだが、あ〜っ こんなに自然で良いんだ。と思わせるほど、幾分、あっさりして癖のない節回しだ。
この楽章は、ねちっこい楽章で、泥臭いと思っていたのだが、思いこんでいたフレーズが、すっ〜っと入ってくる。アッサリしているがコクがあるというか、なんて、美しく自然体のフレーズなんだろ。
フルートだって、自然な感じで、(ホント、素直に聞き入ってしまう) 
爽やかで、まろやかで、さっぱりした風味を持っているけど、柔らかい陽射しのなかの草原のような、広がりがあって〜 あれれ〜 こんな自然感の漂う楽章だったのか。と、耳から鱗状態。
ワタシって、癖のある盤を聴きすぎてきたのね〜
特に、運動機能が発達しているわけでもないし、かちっとした、タイトな体型でもない。でもヤワな演奏でもないのだ。柔らかいのに、妙に色気があって、心豊かに聴けてしまう。
弦の響きが、なんとも美しい。

4楽章
この楽章は、さすがに暗めで、ドスンっと厳しい演奏になっている。
最初のテンポは、ゆったりしているし険しい感じがするものの、嵐が巻き起こるというような劇的な雰囲気というより、心情的な内面の葛藤という感じで、ジワジワ染み入 ってくる感じがする。
金管が入ってくると、ッパカパッカっというフレーズとティンパニーのフレーズはあるが、ワザとらしくないというか、のけぞるような唐突感はなく、また、眉間にシワをよせるような 厳しさでもない。
「っしっし れっみふぁ〜」「そっ! ら! ふぁ! (パッパラッラ)」
「そどし しふぁみ れふぁそ みふぁそ しどみ」

で、裏で鳴ってくるホルンの柔らかいフレーズが、色を添えている。
(色を添えるって変な表現だが、へえ〜 こんなフレーズで鳴っているのかと、改めて耳がそば立つ)
牧歌的な面と、野性的な面を併せ持った楽章だ。という印象を持っていたのが、ノイマン盤で聞くと、いや〜 なんて言うんでしょう。両面あります。という印象を持たずして、そのまますーっと入ってくるのだ。
わざわざ分析したくない。って感じかな。ホント、木管たちと、ホルンの響きが、気持ちよい。
で、最後の荘厳で豊かな和音に至るまで、一気に持って行かれる。

素材1つ1つを、何が入っているんだろ〜って舌で試して、確認して食べたいような料理ではなく、全体まるごと、おいしい。ハイ、理屈抜きに美味しい。と言えるような演奏って言うんでしょうかねえ。
(↑ 我ながら、変な表現ですけどっ 笑)
いつもなら、聴きながら、感想を書いているんですけど・・・  ホント、理屈抜きに、耳に神経が集中してしまい〜 
あまりにも美味しいご馳走なので、つい写真を撮るのを忘れたみたいに〜
勝手に耳がご馳走に走ってしまう感じで、この盤を聴きながら、感想を書くのは難しいデス。(笑)
あー クラシック音楽って素敵。最高っ。と言いたくなるような演奏で。とってもシアワセ。

演奏は、ワタシ的にはダントツに良いです。素材の良さが、オケの音色を決める。素材の良さが見事に結集したって感じの演奏で、この7番は、素晴らしいっ。そう思います。
この盤を聴いていただくと、7番の良さが、もっともっと見直されると思うんだけどなあ。


C・デイヴィス コンセルトヘボウ 1975年
Colin Davis
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

いかさねぇ〜

録音状態はまずまず。結構タイトで、ティンパニーの鋭い叩きで推進力がある。
2楽章はコンセルトヘボウならではの白眉です。

カップリング:ドヴォルザーク交響曲第7番〜9番 2枚組

1楽章
演奏自体は無骨なほどにがっしりしてて怖いぐらいにタイトに演奏されている。スピーディだし、きびきびしている。
特に、「そふぁそ みふぁら そふぁそ み〜ふぁれ みっ〜」という弦のフレーズが厳めしい。
ジュリーニ盤のように歌うように演奏してくるのかと思っていたのだが、予想に反して意外と厳めしいのだ。
ホント、結構タイトに締め上げてくるような厳しさがあって、タタン タン タタン タンっ。と弾んでくるリズムを生かしている場面と、歌うフレーズをミックスして、木管フレーズを浮かび上がらせてくる。
にくいねえ〜 ドヴォルザークさん。って、思わず言いたくなるような演奏になっている。
冒頭から、ぶっとい音で出てくる。えっ マスタリングしてないのかな。と思ったのだが、低音部が、幾分こもっているように思うものの、 70年代の録音としては良いと思う。
3枚組セットのCDと、もう1枚 7番と8番のセットを(輸入盤)を持っているのだが、そちらの方も、残響が幾分、もわっとした感じが否めないが、低音がインパクトあり、総じて良いと思う。

2楽章
のびやかだし、コンセルトヘボウの音色が好きなので〜 えへへ〜と、ニヤニヤ頬が緩んでしまう楽章である。
「み〜み れ〜し らしれ〜し どしら〜そ ふぁそし〜そ しそ〜ふぁ れ どれみ〜れどし」
木管のフレーズが穏やかに流れてくる楽章で、美しい、柔らかいフレーズが、波間に小舟がたゆとう〜って感じだ。
特に、まろやかな木管、特にフルートとホルンの響きが良い。
うっとりしてしまう。コンセルトヘボウの音の世界が広がっており、 至福の時を過ごせること間違いないっ。
このホルンの出てくるフレーズだけ聴くだけでも、結構、値打ちがあると思う。

その柔らかいフレーズの後のティンパニーの打ち込みが、厳めしいのだが、大地にしっかり根ざして生きて行こうとする決意のような叩き方で〜 いやらしくない。すがすがしい。ホント、清々しさを感じますねえ〜

3楽章
柔軟さよりも、ごつい。えーっ いかにも堅い。
弦のタイトなボーイングと、ティンパニーの怒濤のような鳴りっぷりに、いささか驚かされた。
えーっ こりゃ〜 堅い。堅すぎる。
「しっしっしらそ っそっそらっし っどっどし らっらっ しどっ れ〜 そぉ〜っそ らし〜・・・」 
このフレーズが、この楽章の命ですよねえ。粘りというか、舞曲特有のしなやかなリズムというか、跳ねた、アクセントの効いた小節のまわったフレーズが楽しいところなのだが、う〜ん。これじゃー ドヴォルザークのスラブ舞曲ではないですねえ。
ガチガチに固まった舞踏って感じで、ちょっと・・・ ひいてしまった。マッチョすぎ。

4楽章
いささか強引で・・・ はあ〜 何か違うシンフォニーを聴いているようだ。
堅い。ほとんどティンパニーの強烈な堅い叩き方が推進力となっているが、圧倒的な重低音の響きが、塊のように化しており、これが堅牢さを感じさせる。
それと優美な弦の旋律美、この対照的なところが特徴なんだと思うが、しかし〜 う〜ん。総体的には堅い。堅すぎ。
楽器の響きには柔らかさがあるのだが、フレーズ自体に柔軟さがないので、聴いてて、ちょっと苦しくなってしまって、、、
ワタシ的には相当に息苦しい。

ごりごり感がたまらない。という方もいるとは思うが、ドヴォルザークの7番っていう楽曲では、どっちが良いんだろう〜
厳めしい、堅牢なブラームス的な響きが良いのか、その後のドヴォルザーク特有の歌謡風のフレージングを主体とした優美さ、それを前面に押し出すべきなのか。
う〜 悩ましいっ。(笑)

総体的には、少し強引な感じで、がっちり、堅い演奏である。
弦のごりごり感ではなく、ティンパニーの堅い叩きが印象に残る演奏で、タイトというか、引き締まった塊が、投げつけられてくるような感じ。2楽章のみ、柔らかな響きが印象に残る。


0022

スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 1981年
Otmar Suitner
Sächsische Staatskapelle Berlin
(Staatskapelle Berlin

ばっちグー!

録音状態は、透明度は高くないが、独特の低音と木質感があり、まったりしている。
残響は幾分多めで、シュターツカペレ・ベルリンのオケの色が出ていると思う。響きで聴かせるタイプ。

1楽章
冒頭は、ティンパニーの弱音のトレモロから始まり、チェロとヴィオラの重々しい幕開けとなっている。
ほの暗い重低音が十分に入っているので、迫力があるが、その後の展開が速い。
スウィトナー盤は、旋律が豊かに歌い、低弦のテンポが良く、なだらかに展開していく。
弦の動きがスムースで、すぐに明るく雲が晴れてきて、フルートが伸びやかに歌い出す。
このあたりの展開の軽快さは、ほんと、生き生きしてて気持ちが良い。
弦が一本化しているというか、太い響きで奏でられており、そこに、のびやかさと清潔さがあふれている。
また、いたずらにフレーズを引きずらないというか、大げさでないところがいいと思う。
厚苦しいぐらいの重々しい盤もあるのだが、ティンパニーの音量や弦、木管の音量のバランスが良く、主題の展開が心地よく聞こえてくるのだ。
なんたって、全体の音の響きがまろやかなことと、弦と木管のリズミカルさが、この盤の生命線か。
でも、爆発したように大音量で奏でるところや、いきなり走るところもあって、なかなか刺激的。
まっ アンサンブルが乱れたりもするんだけどね。ご愛敬か。

2楽章
ちょっと、ばらっと出てくる。でも、音色が豊かなことと、まろやかさで、穏やかさが十分に表現されている。
なんともいえない旋律だよなあ。いいなあ〜 
あまりクリアーな録音じゃないので、ドホナーニ盤のように美しい〜というところまでには、至らない。
幾分、こもりがちなのだ。これが残念なのだが・・・ 録音状態さえ許せるのであれば、音響として各パートが、バラバラにならず、太い糸になって奏でられているので心地よい。

3楽章
このスケルツォは、スウィトナー盤は、優しく、しなやかである。この盤の白眉かも。
弦のリズミカルな舞曲と木管のテーマが絡み合っている楽章なのだが、その双方を、際だてて演奏しているので、聞き取りやすい。浮き上がってきているのだ。
スウィトナー盤は、 うまく料理してくれているようで、まろやかに溶け合っており、音が優しい。
いろんな声部が絡まった糸が、太くなったり細くなったり、風合いが変わりながら、目の前で揺れているようだ。こんな演奏をされてしまうと、とろけてしまいそうだ。
最後には、盛り上げて〜 ヴァイオリンの高音域が活躍するが、中間部は絶品だと思う。

4楽章
弦の響きの豊かさと金管のまろやかさが〜 う〜ん。いいのだが、ところどころ、アンサンブルが乱れているように思う。
残響があり、低音も充分迫力があり、ヴァイオリンの高音域の旋律も、まろやかに響いて気持ちや良い。これが教会の響き・・・特典だろうか。
フレージングは、多少荒っぽい気もするが〜 陰影がついており、これが特徴になっているように思う。
この楽章は、相反する気持ちが出ているようで、不安な気持ちと安らぎがない交ぜになっており、表裏一体になっている。それを、対位法で表しており、主題の入れ替わりが 大変面白い。
スウィトナー盤は、この点、スムーズに展開しており、機敏に入れ替わっている。
ドホナーニ盤は、わりとくっきり明快に、変わり方が見えるのだが、
スウィトナー盤は、自然に入れ替わっており、あっと気づくと変わっているという始末である。
う〜ん。これは、もっとよく聴かないと・・・

スウィトナー盤は、対位法の旋律を、ホント楽しげに自然に見せてくれる。
例えば、弦の旋律に、合いの手を入れてくるホルンが、わりと大きく吹かれ、かなり特徴的に聞こえてくるとか・・・ 主題の入れ替わりは、わずか1音のイメージで変わるよう だ。
ドヴォルザークの交響曲は、8番、9番が有名だが、7番もなかなか含蓄ある楽曲である。
スウィトナー盤で聴くと、穏やかで、まろやかだな〜 とは、単純に表現しえない。もっと深さを感じる。
といいつつ、もちろん単純には紐解けず、感動を表現する語彙が少ないので、頭を抱えてしまう始末。
ホント、いい交響曲である。大好きだ。

0991

マゼール ウィーン・フィル 1983年
Lorin Maazel
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

いかさねぇ〜

録音状態はまずまず。低音がイマイチ響いておらず、もわ〜っとしている。少しボリュームをあげて聴きたい。3楽章は、タメもコブシもまわっているが、最後、キワキワに 、キリキリ〜っと追い込みをかけてくる。このきわどさっ。
カップリング:ドヴォルザーク交響曲第7番〜9番 2枚組
1楽章
低弦の艶のある音を期待していたのだが、イマイチ、もわっ〜っとしている。
「そふぁそ みふぁら そふぁそ み〜ふぁれ みっ〜」
クラリネットとホルンで呼応する「しどれ〜どれ しどみ れどれ し そみっふぁ〜 そっそれっ そっそっれ」
えっ こんな音だっけ。ホルンの音が1音下がっているような気がするんだけど。
どうも、ワタシの耳が悪いのかなあ。
ティンパニーの音も、イマイチ、もわっとしてるんだけど。ぶよぶよ〜っとしている感じがする。
切れがイマイチ感じられないのだ。
しかし、「しっしみ〜 みふぁそふぁみれ〜 みっ〜」というフレーズには、粘りとタメがある。
っていうか、ここだけ音量がデカイし、タメがある。

う〜ん。なるほど、ちょいと粘着性なのね。と感じていると、弦が流れるようなフレーズを奏でてくるし、木管のフレーズが綺麗に聞こえてくるのだ。摩訶不思議。 中間の音域が、わりと重視されているのか、中の音のフレーズが良く聞こえる。フルート好きな人には、結構受けがいいのではないだろうか。
ホント、ちょっとボリュームをあげてきいてあげないといけないんだけど、木管フレーズと中域のフレーズが、妙に絡めて、まろやかに聞こえてくるし、木管大活躍なんだなあ。って感じられる。 また、ティンパニーとの絡みも、他のパーツとねちっこく絡んでて、ティンパニーの叩き方が、ボボボ ボンっ。と、ねちっこいのが妙に気になったり。

端麗辛口系のような、スッパリしていないが、そうかといって、インバル盤のように暗くて陰湿な面もないが、妙な粘りけがある。まあ。しかし、まずまず、普通という感じがする。
どっかで、やらかしてくれるだろ〜っと思って聴いていたが、うーん。普通じゃん。
尻上がりに良くなってきて、ジャンジャンっと鳴ってくるし、ティンパニーの音に広がりがでて、壮大な雰囲気が出てくる。
それにしても、最後の方、弦が、こんなにカシカシ一生懸命弾かないといけない楽曲だったっけ。

2楽章
「み〜み れ〜し らしれ〜し どしら〜そ ふぁそし〜そ しそ〜ふぁ れ どれみ〜れどし」
木管のフレーズが穏やかに流れてくる楽章で、美しい、柔らかいフレーズが惜しげもなく流れてくる。
しかし〜 イマイチ、すかっと響いてこないのが、まどろっこしい。
フルートのノビはあるが、弦がもわ〜っとしているのと、膨らみが少し足らないような気がして。
すかっとしない。総体的に、ぼんやりとしており、てれ〜っとしてて、かといって艶が足らない。
むしろ、フルートが浮いてしまっているような感じがする。
ホルンが入ってくると、「しぃ〜それぇ〜 そらそふぁそ どぉ〜し しらそら ら〜」というフレーズは、まろやかなのだが、奥のフルートとの音色が、う〜ん。あっていないような。
で、いきなり音量があがって、「そ〜どぉ〜 ら〜 ティンパニー っそっそ れ〜 どれし〜」と入ってくるのだが、う〜 いきなり盛り上がるのね。

3楽章
「しっしっしらそ っそっそらっし っどっどし らっらっ しどっ れ〜 そぉ〜っそ らし〜・・・」
このスケルツォは、躍動的なのだが、スピード感がイマイチ。フレーズが独特で粘りがたっぷり系。後ろにアクセントがついてて、音を回している。
ヴァイオリンの音が、ふふふ〜 癖がある。歌うのだが、ねちっこい。
「どぉ〜れどれ どぉ〜れどれ〜」と、ことさらに、節を回して歌う、演歌歌手さながらに、音を回している。
で、面白いのは、ころころ〜っと奥で猫が喉をならして鳴いているような、木管の音色があって。思わず笑ってしまった。
言葉では、なかなか表せないのが、もどかしいのだが・・・。
チェコ民族舞踊フリアントのリズムが、こんな風に回っていて、これが正しいのかどうかはワカンナイ。しかし、このねちっこさを、ウィーン・フィルが、これでもか〜式に、妙に振り回していて、ど演歌です。
結構、臭いなー。と、思わずニヤリとしてしまう要素あり。
もっと、録音状態が良ければ、いいのだが〜 (ちょっと惜しいよねえ) 
しかし、ウィーン・フィルがねえ。こう鳴るのかねえ。へぇ〜 やるじゃん。(笑)
セル盤のようなスタイリッシュさはなく、ドホナーニ盤のような機能さは少なめ。美しい柔らかい音も、中間部には用意されているが、ゆ〜らら ゆ〜らら〜っと奏でる節回しに耳がそばだってしまって〜。笑
この3楽章だけ、他のオケと聞き比べるというのも、なかなかオツかもしれない。
それぞれに癖が出るし、出やすい楽章だろう。

4楽章
「し〜しぃ〜らぁ〜 ふぁ みふぁそみ れ〜み どらし そらふぁ〜 そらふぁ〜」
最初のテンポは、ゆったりしているのだが、段々とテンポアップしてくる。
金管が入ってくると、ッパカパッカっというフレーズとティンパニーのフレーズ、
「っしっし れっみふぁ〜」 
「そっ! ら! ふぁ! (パッパラッラ)」
「そどし しふぁみ れふぁそ みふぁそ しどみ 〜」 以降が、畳みかけてくる。

で、ゆったりとした弦のまろやかで甘いフレーズになると、テンポが、一段落ちる。
このテンポの切り替えは、独特で、どうも分断されているような気がするんだけど。
果断なく、畳みかけるという感じイメージと、焦燥感がある。また、少しギクシャク感が残る。

後半に入ってくると、ティンパニーが、リズム合ってます?と言いたいほど、なんだか、バラバラになってしまいそうな軋みまで感じられ〜 これは相当に、怪しいっ。
インバル盤のように、怖いところまでは至らないものの〜 タイトって言えばタイトだし、単に牧歌的に終わらないところは、やっぱりマゼールか。
野性的な面と、穏やかな牧歌的な面が、この楽章では混在してて、最後は、キワキワに追い込んで行くところは、悲痛な感じを受ける。壮絶な盛り上げ〜もう少し所有している盤の録音状態が良ければ〜 最後、拍手っ!だと思う。

0545

ドホナーニ クリーヴランド管弦楽団 1985年
Christoph von Dohnányi
Cleveland Orchestra

いかすぜっ

録音状態は良い。透明度もかなり良い し、残響も適度にあって響いているのだが、高音域が音が拾い切れておらず、硬いかも。
端麗辛口が好きな方には良いと思う。すっきり、キッパリ系。
でも、2楽章は絶品だ。
 

1楽章
冒頭は、静かに流れるように出てくる。木管の音色もクリアーだし、弦の響きも、ズシズシ弾いている。
もわもわ〜としていない。ぼわ〜っと出てくる盤が多いなか、輪郭が極めて、くっきりしている。
ティンパニーの響きも適度で、極めて透明度が高い。
どよ〜ん。ぼよ〜っ ぶよぶよ。という重苦しさやブキミさではなく、なんだか問題提起をパンっと出してきて、すかっと解決しているような感じ。
序奏後は、かなり伸びやかだし。う〜ん。この冒頭からして、すげーっ。
端麗辛口系だが、歌うところは旋律を歌ってくれており、変に、のばさないので、しつこく後に残らない。
高音域のヴァイオリンの旋律が、多いが耳障りにはならない。
もう少し、高音域がクリアーであれば良いのだが、高い音域は、あまり響いていないように思う。
弦の音色が、艶やかではなく、ちょっと硬いため、厳しい音・・・と感じるのかもしれない。
その音色が、端麗辛口と感じるところだと思う。
金管もくっきり系で、まろやかさではないが、 1楽章最後のホルン音は、クリーミーである。ドホナーニは、都会的と言われているようだが、確かに・・・。多少語尾がきっちりしてて、ハッキリ言うからだと思う。
ドヴォルザーク特有の泥臭さは、ほとんど感じない。つまりドヴォルザークらしくない。
なんで〜 そう聞こえるのかなあ。と、考えるのだが、やっぱ、小節まわりなんだと思う。
付点のついたリズムが、ちょっと他の盤より、あっさりしているからなんだろう。変に引きずらないので、そう感じちゃうのだと思う。

2楽章
木管の音色が、かなり哀愁の漂う良い音色で、メチャ泣きそうになってしまった。
このドホナーニ盤の白眉になっている。弦の響きも木質的で、う〜ん。フルートの音色と相まって、ここは惚れ惚れさせられた。
クリーヴランド管弦楽団ではなく、バイエルンかと思ったほど。(あっ こんなこと言っちゃマズイか)
木目調で、決して硬質なだけでも、冷たい感じは受けない。
う〜ん。温かいなあ。この音は。おおっ このホルンの音色も・・・。決して明るいわけじゃーないけど。渋い音色でありながら、深い森のなかから響く音色に聞こえてくるし。すげーっ。
ティンパニーの響きの重みもあって、低弦の響きと共に、引き締まっているものの、残響を伴って、穏やかに聞き入れる。こりゃ〜すげ。
ヴァイオリンの弦の音も、う〜ん。さすがに、アンサンブルもおみごと。ここだけ聴くだけでも、値打ちあり!

3楽章
スケルツォは、あまり伸びやかとは言えない。
ジュリーニのようには、浪々とは歌わない。センテンスが短めで、くっきり さっぱりになっている。
この楽章は大好きなのだが・・・ ただし、深い音が出ている。下支えしている弦の響きが心地よいのだが、バチの音が所々入っている。バシッという音が・・・
金管のアクセントも、短めで。
でもリズミカルなんだよな〜 音量で調節しているのかなあ。
木管の音が、中音域部分の響きがかなり入っていて、おおっ と思わしてくれるところが嬉しい。
泥臭く感じないのは、このスケルツォの要素なんだろうと思う。テンポはいいと思うのだが、強烈なアクセントをつけていない。それに、あまり〜 金管類がバリバリしていない。粘っていないので、こぶしが効かず、あまり舞曲風にはなっていない。

4楽章
リズミカルな最終楽章だが、ちょっと軽く感じられる。総体的に弦の厚みや粘りが、もう少しあったらな〜。
トランペットの短いパッセージが小気味良いが・・・ ハハハ ここだけ聴いてもドヴォルザークとは判るのだが、しっかし、薄めかなあ。
弦の音は良いし、木管のフレーズも美しい。アンサンブルもみごと。
しかし、フレージングがやっぱ短めなので、ほんと、わずかに、もう少しだけ粘ってくれたら〜。
ホント、このフレーズで、もう少し弦がのびていたらな〜っという場面が多い。
合いの手を入れてくる金管と、弦や木管との絡みが面白い場面なのだが。
ドホナーニ盤は、もう少し粘って欲しいが、わりとあっさり行ってしまう。
え〜っ。アッサリ過ぎるよぉ。 1楽章と同じで、やっぱ弦の高音域が苦しいなあ。高音域だけ響いてこないような気がする。

アプローチは良いと思うのだが、ワタシ的には、ドヴォルザークのイメージとは違っているので。う〜ん。
2楽章が、ドホナーニ盤の白眉になっていると思う。つい、1楽章、4楽章を主体に聴いてしまうが、2楽章のアダージョは絶品。メチャ感動しちゃった。

0553

インバル フィルハーモニア管弦楽団 1990年
Eliahu Inbal
The Philharmonia Orchestra

ひぇーぇぇ〜

録音状態は、まずまず。90年のわりにはヌケが良くない。
素朴には聴けず、メチャ怖い。ここのティンパニーと弦は、ホント怖くて凍り付いてしまう。素朴な牧歌的な演奏ではなく、恐怖感が立ってくるという異色盤です。
カップリング:ドヴォルザーク 交響曲第7番、8番で1枚CDだ。

1楽章
冒頭、低弦で「そふぁそ みふぁら そふぁそ み〜ふぁれ みっ〜」と、くら〜く始まる。
クラリネットとホルンで呼応する「しどれ〜どれ しどみ れどれ そみっふぁ〜 そみっふぁ〜」のフレーズも、くらっ。インバル盤だと、どろっとした液体のように感じる。
しかし、弦が、4つの音をかき鳴らしてくると、段々と明るくなって靄が晴れてくる。

って言っても、インバルさんの演奏するのは、どこか暗くて、ぼんやり〜としているのだが、「ん〜たらっらっ〜 たらっら〜」という粘りが あって、このタメ感が、独特の執拗さを生んでいて、結構面白い。
意外と、暗い感じが合うような気がする。
で、この暗い粘りけのあるフレーズの中から、フルートの透き通った音が救いとなって浮かび上がる。
ちょっと、天の邪鬼なのかもしれないが、ふふっ。
なんだか、ぼこぼこっとした鈍重な中から、繊細な音が聞こえてきて、面白かったりなんかしちゃうのだ。
もっとヌケの良い録音であれば良いのだが、トーンとしては、どよ〜んと憂鬱な感じがする。
しかし、木管の静謐で端正な音色が浮かんでくること。弦の高音域における清潔な匂いがしてくるのが、結構、アンバランスな感じで楽しめる。爽やかに浮かび上がってくるのが、ナイス。
中音域の素朴で、中間色からくすんだ色彩感のなかに、フルートや風のそよぐようなフレーズが、分かれて生まれてくる、そして、金管の迫力と切迫感が、高揚感を生む。
「ど そ らぁ〜 どっ そ らぁ〜」
「み〜れ ふぁ〜み ら〜そ ふぁ〜み れ〜み ど〜み れっみれみど れどれし〜 どしどら〜」
最後には、熱く、たぎったようなパワーもあって、なかなかに好演だと思う。
特に、ティンパニーと金管が怖いほどのキレを生んでいる。結構、キレがあるのね。それに、金管の上にヴァイオリンが、「しっし〜 しっし〜 どっ ど〜 れっれ〜」と上昇していくところなんかは、切れてて、すっぱりとした音が、 はあ。鋭くて怖いねっ。と思わせる。
これが、ボヘミアの匂いと熱さなのかなあ。決してスマートな演奏じゃないんだけど、低弦のごつさと、高弦の鋭さの両面を持っている演奏で、単なる、のどかな牧歌風の演奏で終わらないところが〜 インバルさんかしらん。
そういえば、ドヴォルザークの8番も、かなり凍ってて不気味で、怖いっ凄みのある演奏だったよなあ〜。

2楽章
「み〜れし らしれ〜し」「しそ〜そ ふぁ〜れ どれみ〜し」
のどかで、牧歌的な歌謡風のフレーズが流れてくる。へえ〜1楽章では、ちょっと不気味な怖い演奏だったのだが、ここでは、ふふっ。まったりなんだね。ここは安心して聴けるなあ。
ホルン 「しぃ〜 それぇ〜 そらそみそ ど〜し しらそ〜ら」
「そぉ〜 どぉ〜 (らしどれ みふぁそら しどれみ ふぁ〜) そそぉ れ〜 どれらっれ〜」
ここのフレーズなんぞ、なかなかに壮大で美しいが、しゅっ〜と萎んでいくところも、なかなかに良いし。
木管の色彩感、ヴァイオリンの高音の色彩感が綺麗だと思う。
でも、そのうちに暗雲がたれこめてきて〜 不安にさせて、やっぱりメランコリックに。
このあたりの巧さは感じる。のどかな牧歌的なフレーズが、同じパターンでは描かれてないし、自然の移り変わりの険しさみたいなのを感じちゃう。
同じように見えて、決して同じじゃーないぜ。みたいな。

3楽章
っしっし っしらそ っそっそらっし っどっどし らっらっしどっれ・・・
(↑ どこで切れているのか、曖昧なワタシ。)
低弦のキレの良いこと。すげ〜鋭い。で、ガシガシ、ゴシゴシ、すっぱりとした切り口に、またたく間に、唖然とさせられる。スッパリ切られる容赦のなさが、なかなかに快感だ。
でも、その切り口が鮮やかで、ホント 快感〜っ。
ティンパニーの音と、弦の細身の硬い音が、鋭い鋭利な刃物のように、サクサクと切られていく。
旋律の息の長さというよりは、縦のスッパスッパと切られる方が勝っていて〜 ちょっと違和感もあるんだけど、まあ。これはこれで多彩な面を持っているようだ。
そのくせ甘いフレーズは残っていて、ホルンとか、木管は綺麗なんだよなあ。
かぁ〜 二面性のある演奏っていうんだか。
舞曲風のフレーズなんぞ、スッパスッパ切ってて硬いくせに、コーラングレのような甘い音も含まれていて、結構、面白い。へえ〜 こんな面白い楽曲だっけ。7番って。う〜ん。これ聴き応え有り。
それにしても、弦が、スッパスッパ。ティンパニーの怖くて硬い音。う〜 汗が出ちゃう。

4楽章
出だしから怖い。「し〜し ら〜そ みふぁそ〜みし れ〜み どらし そらふぁ〜 そらふぁ〜」
夏の肝試しのような怖さを煽るようなフレーズが登場する。
「しどれ しどふぁ しどそ〜」 冷や汗が、たらり〜 何か起こるような気配。
で、トランペットが、切迫感を煽ってきて、弦が渦巻いて〜 
「そっ! ら! ふぁ! (パッパラッラ)」「そどし しふぁみ れふぁそ みふぁそ しどみ 〜」
このパターンが6回繰り返された後のティンパニーの一撃っ。ここのティンパニー、すこぶる怖いっ。
首をはねるかのようなギロチン刃が、うえから落ちてくるっ。
ひぃーっ! 亀のように首がすくむっ。 ホント、心臓に悪い。

あのぉ〜 この楽章って、他の盤で聴いていると収穫祭のような気分になるんですけど。
どーして、インバル盤だと、こんなに怖いんでしょう?
「れみふぁっふぁ ふぁふぁらそ ふぁみどみ れしら・・・」
なーんで、金管のフレーズがずれたように聞こえるんでしょう。
う〜ん。「らしどっど み〜」って、怖い不安を煽るような音で吹くんですか。
あ〜 なにかインバルさんって、ドヴォルザークの怖い一面を描き、暴こうとしているんでしょうか。ボヘミアの色って、こんな怖い一面があるんでしょうか。

単なる牧歌風でなく、自然界の厳しさを描きたいんでしょうか。ま〜解らなくもないんですけど。
こんな険しいんですかねえ。大地と向き合うことの厳しさでしょうか。う〜ん。
「しどれ〜しどふぁ〜しどそぉ〜」
ん〜チャチャ ん〜チャチャ と合いの手の入った怖い舞曲ですねえ。
これは、ボヘミア風死の舞踏なんでしょうか。ハイ、相当不気味で、単なる熱気ではないです。凍り付くような演奏でありました。

もしかしたら、8番も、再度聞き直すと、いろんな面が見えていたのかもしれない。う〜ん。
もう一度、聞き直した方が良いのかもしれないが、でも〜怖いんだよなあぁ。
かなり勇気が要ります。とっても幸福感を味わえる演奏では無いですね。これは。
特に、弦のキレとティンパニーの怖い音。これは、恐怖で震えます。
この演奏を聴いて幸福感を味わうという人の感性を、我が輩は疑います。良い悪いは単純に言えないですし、単に素朴には受け止められないっす。クワバラクワバラ・・・。ご勘弁を〜

ヤンソンス オスロ・フィル 1992年
Mariss Jansons
Oslo- Filharmonien
(Oslo Philharmonic Orchestra)

あんたもやるね〜

録音状態は、あまりよろしくない。音が高音域に偏り気味で、軽量級。泥臭い雰囲気はないし、かといってスマートな都会風かと言われたら違うし〜。
カップリング:
1〜4 ドヴォルザーク 交響曲第7番
5〜8 ドヴォルザーク 交響曲第8番
1楽章
録音状態は、EMI盤なので、あまり透明度は高くない。どことなく、もわっとしている。
冒頭は、ティンパニーの弱音のトレモロがあり、チェロとヴィオラ が「そふぁそ みふぁら そふぁそ み〜ふぁれみ」と奏でる。
弦の響きも、どこか、かすれており、あまりハッキリとしない。
「しどれ〜どれ しどみ れどれ〜 し〜 そみふぁっ(そそっれ)〜 そみふぁっ(そそっれ)〜」 
木管の音にリズム感が少なく、ティンパニーの音は、はあ。これホントに90年代の録音なの?
ちょっと田舎クサイというか、ボコボコしているように思える。スタートとしては、歯切れが悪さを感じてしまった。
タタン タンっと弾んで欲しいのだが、弾力性がイマイチかもしれない。
主題が変わると、ようやく、クラリネットの音は良く聞こえてきて、木管群のハーモニーの美しさが奏でられて、ヴァイオリンの音色も綺麗に絡んでくる。
高音域のフレーズは総体的に綺麗に聞こえてるのだが、低音部分が、もわーっとしている感じだ。

ヤンソンスさんとオスロ・フィルの組み合わせは、颯爽としてて、爽やかな演奏を期待しているし、また、実際にそんな演奏なのだが、低音域がご活躍〜という場面になると、もわっ〜と沈没してしまうのだ。
低音のキレが悪いのかなあ〜 また、音の構成バランスが悪く、綺麗な音のピラミッドが形成されていない感がする。

2楽章
柔らかいクラリネット、オーボエ、ファゴットの木管が絡んで美しいハーモニーを奏でる。
「みぃ〜み れぇ〜し らしれぇ〜し  し どぉ〜し〜ら〜そ ふぁそしぃ〜そぉ」
柔らかく、穏やかな田舎の風景を、すーっと水彩画風に描いてくるという感じだ。
ホント、ドヴォルザークって、なんて素敵な旋律を、さらっと書けるのだろう〜と感動しちゃう場面だ。さっすが〜っ。
ホルンも、とっても柔らかいし、牧歌的で、まるで高原に出かけて、森林浴をしているかのような気分で、リフレッシュできちゃう楽章です。
でもね。ヤンソンス盤は、低音がやっぱりイマイチで〜 しまりがないんですよ。
美音とは、お世辞にも言えないし、スマートと言えないし、いい人なんだけど〜ちょっと野暮ったいという風でしょうか。

3楽章
スケルツォの楽章で、舞曲風の楽しい楽章で〜
「しっし しら そっそ そらっし どっど どしら らしっど 」 「れぇ〜そ〜らしっ どぉ〜みふぁっそ〜 ら〜みふぁみれっ」
まあ、こんなモノかなあ。弾むようなリズムは形成されおらず、かといってとろけるような美音でもなく、流麗さは少ない。
なーんか、弾力性に乏しく、うねるような、まわるようなリズムが感じられない。
弦の受け渡しで、リズムも感じさせて欲しいし、低音の部分で、下から突き上げてくるような、低音のぐん ぐん〜という音の押し上げがないと、オケ全体で、うねりにならなように思っちゃった。
弦の高音域、特に、ヴァイオリンの旋律は、よく聞こえるし、キレもあるように感じるのだが、オケ全体で弾まないので、中途半端だ。それに遅いし〜 
また、弾むなか聞こえてくる、木管のぴろぴろ ぴろぉ〜っというフレーズが、スパイス的に聞こえてこないと、なんか悲しくなっちゃう。あー やっぱ田舎の人の良いおじちゃんとお喋りしているかのようで、もっさり〜

4楽章
「しぃ〜し らぁ〜そ みふぁそ〜みし れ〜み どらし そらふぁ〜 そらふぁ〜」
アヤシイ雲行きのなかで〜 「ししどど れ〜 ししどど ふぁ〜 ししどど そぉ〜っ」と登っている。
で、それを打ち消すように、トランペットのパッパラというフレーズが祝祭的に聞こえる始まりとなっている。
このあやしげな雲行きから、さーっと空気感が変わっていく、この場面の切り替えが、ドヴォルザークさんの面白いところだと思うのだが、パパンっと入ってくるティンパニーの音が、どよん〜なのだ。
あちゃっちゃ〜 また落ち込んでしまうのか。
ホント、この録音はお世辞も良いとは言えないよなあ〜っと、眉をひそめてしまう。

チェロによって演奏される民謡風フレーズの主題になると、のびやかさが出てくるのだが、綺麗に聞こえてくるのはヴァイオリンだけでは、ちょっと・・・なんとも〜 
思わず、苦笑いしちゃう感じだ。ちょっと、アンサンブルもアヤシイし、隙間が見えたり、木管の繊細で緻密なところが欲しいところでは、もごもごしているし、クライマックスに至る場面でも、音が分離しちゃって、あれまっ・・・
なにが、どう悪いって言うのも難しいのだが、ぴたっと音がハマってないので、オケが1つになってフレーズを作っていくところでは、ほころびが見えるし、やっぱ田舎のオケを聴いているんだ〜という感想に終わっちゃうでしょうか。

まあ、ほころびが見えた方が、この楽曲の作りが見えてくるっていう場合もあるし、あー こんな風にドヴォルザークはメロディーを作っているのか、とか、楽器ごとに、音を配分しているというか、役割を分担をさせているののね〜とか、
ヴァイオリンの旋律と、低音域の弦の組み合わせが、ぴたっとしていたら、1枚岩になって綺麗に聞こえるようになっているのね〜とか、ティンパニーと低弦でリズムを作っているのねえ〜とか、ある意味、お勉強にはなるんですけど。
分解しかかっているので、さらに分解して聴こうとする方には、うってつけの教材って感じですけど・・・
まあ、ワタシは、指揮者になりたいワケじゃないので、う〜ん。ちょっとね〜と思いました。
えらそうに言っちゃって。スミマセン。

0014

ジュリーニ コンセルトヘボウ 1993年
Carlo Maria Giulini
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

昇天しちゃいました

録音状態は良い。豊かな響き、朗々と歌うカンタービレ主調の演奏だ。テンポは遅め。晩年のジュリーニさん独特の世界が広がる。
こんなに優美なドヴォルザークで良いのかな。とは思うが、思わず広がってくる桃源郷のような世界には、うっとししてしまって抗しがたいのです。

1楽章
ティンパニーが、静かに、ぼろぼろ〜っと叩くところから始まる。
チェロとヴィオラが、「そふぁそ みふぁら そふぁそ み〜ふぁれみ〜 ふぁれみ〜そみどぉ〜ど そみっしぃ〜」「しどれどれ しどみれどれ〜 しぃ〜 そみふぁっ(そそっれ ぇ)〜 そみふぁっ(そそっれぇ)〜」
と奏でるのだが、低弦、特に、チェロの響きが大変美しく、レガート気味のフレージングを聴くと、はあ。やっぱりジュリーニさんの晩年の、ゆったりとしたテンポだと気づく。
ひとことで言っちゃうと、大変美しく優美で、耽溺しちゃうかのような美意識が、イッパイ詰まった演奏。

他盤でドヴォルザークを聴いて、このジュリーニ盤を聴いちゃうと、えっ 遅い。遅すぎじゃん。
なんじゃーこりゃ。と言って、売り払ってしまうか、お蔵入りにしてしまいそうなCDなのだが。
ちょっと待ったぁ〜 アナタがお若いなら、もう少し年齢を重ねてから、お聞きになってください。と下手なアドバイスをしたくなりますね。
ワタシも、実は、お蔵入り状態にしちゃったCDだけど、ホントに美しい、コンセルトヘボウの音色、魅力がイッパイ広がった演奏である。これは、ドヴォルザークではない。民族的なニオイの抜けきった別世界なのだ。 まるで、桃源郷の世界を描いたような演奏だし、テンポも、メチャ遅め。

2楽章
おおっ 凄い遅い。しかし、一方で、大変美しいカンタービレ ジュリーニの歌が聞こえてくる。
コンセルトヘボウの木管の柔らかく、馥郁とした香りが、ふわーっと、大きな柔らかいフレージングのなかで、香り立ってくるのだ。
ハイ、ワタクシが桃源郷の世界が広がってますよぉ〜っていうのが、この2楽章の出だし。
もはや、この世のモノとは言い難いような世界で、憧れの一ページのように美しい世界が描かれている。
ワタシは、このCDを聴くと、頭のなかに、一気に、美しい世界が描き出されてしまう。
空っぽだった頭のなかのキャンパスが、一瞬に、自分の憧れる世界に置き換わってしまうかのような感じで、かなり視覚的に広がるのだ。

3楽章
「しっしっしらそ そっそらっし どっどし らっらっ しどっ れぉ〜そぉ〜っそ らし〜」
このスケルツォは、 鳥が鳴いているなかを、自分が自由に、開放的に、子供のころに戻って跳ね回っているかのようで〜 優しさや慈愛が満ちてて〜 前楽章からの世界に浸ってしまう。
柔軟でしなやかな動きがあり、弦の弾む音の響きが豊かだ。
物腰が柔らかく太めの響きと、高音域のヴァイオリンの響き、そして、声を震わせて泣く木管の響きが、ティンパニーの残響のなかで、構築されていくのだが〜
テンポとかリズム感よりも、横に広がった雰囲気がする。スケルツォと言いながらも、突き進むようなパワーとかは感じられず、精悍な表情とは無縁で、好々爺のような風情を持っている。
ティンパニーが、縦糸として締めているのだが、いかんせん、カンタービレ主体の演奏なので、ところどころ停滞気味でもあり、アダージョ風のような顔を見せたりする。
特に中間部は、またまた桃源郷の世界が広がっている。詩情豊かな演奏で、永遠に続くか〜と思わせるような普遍的な世界が続く。

4楽章
さすがに最終楽章だから、重厚さが増してくるのだが、巨大な構造物って感じの硬めの響きとは無縁である。で、ブラームスの交響曲ように、迷いに迷ったあげく、憑きものが落ちたように、最後で開放される。という、心理的な開放感を描いた演奏とも違う・・・。
えへっ ドヴォルザークの7番って、滋味な存在だけど、結構、好きなんですけど。その好きのなかには、ちょっぴり、土臭いニオイが含まれているのだが〜

まあ、頭のなかに描かれるイメージは、ベタで〜  桃の花がイッパイ咲いてて、遙かには山が見え、丘陵地帯が広がってて、ホルンの響きが鳴り出すと、暖かい陽射しのもと、高原地帯の澄んだ空気のなかで見る、青い山脈〜って感じでしょうか。 鳥がイッパイ鳴いてて、喧騒の世界から離れて、アナタ一人で、さあー あの世界に入っていきましょうねえ。と言われているようで、はあ。魂が遊離していきそうーーーーっ。
音が色彩を持っているというよりは、ワタシの頭のなかにスケッチブックが持ち込まれ、白いキャンパスが運ばれて、さあ 絵筆を持って描きましょう。アナタの憧れの世界を!と促されているようなのだ。

ワタシの場合は、音が、絵を描きだす瞬間って感じがあるんですけど、音が絵筆に変わる。
糸になっちゃって、線のように、布を織り込んでいくように見えてくる場合もあるし。まあ、とにかく、別世界。
天上の世界のように、もはや、あの世的じゃーん。と言いたくなっちゃう演奏ですね。
ドヴォルザークで、天上の世界と言われても、全く、ピンっと来ないんですけど、 まあ、天使のいる世界というよりは、やっぱり、自分の描く、心のなかの、桃源郷の世界がひろがってくるような演奏って感じでしょうか。

ジュリーニ盤は、この土臭さは抜けていて、かなり優美なのだ。

嶮しいとか、厳しいとか、イカツイという言葉とは無縁で、包み込まれるような暖かい響きがあり、あくまでも優美、流麗で、豊かな横の流れが主体となっている。
で、締めつけられた響きがしない。
そういう意味では、甘いんですけど〜 緩いとも違ってて、しなやかなで、詩情豊かに歌いあげていく。
かなり個性盤ではあるが、このツボにハマル方は、ハマルと思う。
弦の響きがゆったりとしており、呼吸が深く間合いが長めに、優美に歌う。歌いあげる。ということに主眼が置かれているように感じる。特に、コンセルトヘボウの弦、木管の響きには、耳を持って行かれちゃう。 人によっては、こんなの変っ!と激怒しちゃうかもしれませんがねえ。
ワタシもこんなに優美なドヴォルザークで良いのかな。とは思うが、目の前広がってくる桃源郷の世界には、抗しがたいのデス。

1959年 バルビローリ ハレ管弦楽団 Pye ★★
1960年 セル クリーヴランド管弦楽団 CS ★★★★
1972年 ノイマン チェコ・フィル Sup ★★★★★
1975年 C・デイヴィス コンセルトヘボウ Ph ★★★ 
1981年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン DS ★★★★
1981年 ノイマン チェコ・フィル Sup  
1983年 マゼール ウィーン・フィル ★★★
1985年 ドホナーニ クリーヴランド管弦楽団 Dec ★★★★
1990年 インバル フィルハーモニア管弦楽団 T ★★★
1992年 ヤンソンス オスロ・フィル EMI ★★
1993年 ジュリーニ コンセルトヘボウ SC ★★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved