「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

092307701847-2001809910015055200190553

ドヴォルザーク 交響曲第8番
Dvorak: Symphony No.8


セル クリーヴランド管弦楽団 1958年
George Szell  Cleveland Orchestra

まっ こんなモン

録音状態は、さすがに58年なのでイマイチ。ちょっと甲高く硬い。
人工的なリマスタリングの雰囲気が拭えないが、やっぱアンサンブルは、おみごと。小気味よい響きが広がる。
1楽章
れーれれ そーふぁー れーみど しれふぁ〜みれ どふぁみど〜
どどーどどどーれみ ふぁふぁふぁふぁふぁ〜 
静謐な透き通るようなアンサンブルで、まず驚かされる。テンポは、かなりゆったりめ。
チェロの渋い音色と落ち着いた雰囲気。
クラリネットが合いの手のフレーズを入れる。ホルンが鳴ったあと、ぐぐぐ〜っとテンポをあげる盤があるが、セルはテンポをあげない。ヴァイオリンが几帳面に音階を弾いている。
再び、チェロが奏でるが、ここの弦の響きは大変美しい。
決して派手ではないし、艶もさほど無いのだが、なんて美しいのだろう。
ティンパニー2音叩いたあと、タメをつくって念押しする。
フルートの音色が、強めにストレートに吹かれているのだが、それが爽快で・・・
晴れた日の抜けるような秋空のなかで、鳴きながら飛んでいくシーンを思い浮かべてしまう。
ボヘミア地方には訪れたことがないので、なんとも言えないだけど、渋い鈍色の空だと思っていたのが、なんだか見当違いに思えてしまう。(苦笑)
しかし、ここの弦は、しっかり弾くなぁ〜 ガシガシはしてないけど、一音一音の音符が見えてくるようだ。
カラヤン盤の滑るようなレガート奏法とは、全く違っている。
そのくせ気持ちが良いんだから、笑えてしまう。なんとも小気味よい響きが広がっている。

2楽章
弦の安定した和音 そらし どーしらしー みふぁそーふぁみふぁー
フルートが鳥の鳴き声 そらしどーそ どーそ どーそ 
う〜ん。夕暮れ時なのかなあ。物悲しい雰囲気に誘われる。異なる楽器での和音の響きが、ものすごく心地よく響く。
そーそー そらしどー れみふーそーみれどしどー
ヴァイオリンのソロの音色も透き通っているだよなあ。あ〜 このアンサンブルってみごとだねえ。
ドヴォルザークって、あざといことなーんにもしてなくて、少ない楽器編成で、無駄のない音で、なんて自然に、美しい旋律を書いてくれたんだろ〜。なんか感謝って気持ちになる。
ティンパニーは、さほど大きく叩いていない。弦があくまでも主体で、そこにフルートとオーボエなどの木管があわさっているだけ。という感じ。金管なんぞ、ほとんど出番がないんだもん。
ブロムシュテット盤のシュターツカペレ・ドレスデンの方が、確かに音色は良い。
でも、セルとクリーヴランド管の組み合わせは、きちんと書かれた楷書体の文字で、本当に見通しが良く、木管類の音が、鼻から、すーっと抜けるような感じがする。ちょっとダミ声気味なのだ。

3楽章
もう少しテンポが速くても良いんだけど〜 なんだか音を確かめながら進んでいるように感じる。
ヴァイオリンの音が、幾分ピッチが高い感じもするが、木管のフレーズの受け渡しも、思わず微笑んで聴いてしまう。なんて、のびやかな〜 清潔な演奏なんだろう。
もう少しスムーズに歌っているのがブロムシュテット盤なのだが・・・
ヴァイオリンが、少し擦れた声で歌う。しーしーれー みーみーみし〜 どーそどしれー どーしらし 
なんか、この声を聴くと、いつも泣けてくるのだ。

4楽章
コガネムシバージョンのところは、テンポをあげているが、音が割れていたりする。やっぱ凄いんだが〜
録音がイマイチだ。ちょっと残念。
クーベリック ベルリン・フィル 1966年
Rafael Kubelik  Berlin Philharmonic Orchestra



録音状態は極めて良い。リマスタリングされており、甲高く聞こえるほど。演奏は熱いっ。まるでライブ盤のようだ。
1楽章
冒頭から、66年の録音とは・・・。と、録音状態の良さに驚かされる。
「れーれれ そーふぁー れーみど しれふぁ〜みれ どふぁみど〜」
「どどーどどどーれみ ふぁふぁふぁふぁふぁ〜」 
「そ〜し れしみしっ れしみしっ」 透き通っており、フルートの音色の良さと、奥行きのある響き、チェロの囁くような甘い音。う〜ん。こりゃすごいわ。
次に、立ち上がってくる勢いには、目を剥いてしまった。
颯爽とスマートな演奏で、頂点にたったあとの低弦の響きが、すごい。ティンパニーの響きも良い。
切れも良くってスピード感があり、情熱が迸っている。
「そそーし れしみしっ れしみしっ れしみしっ れしっ れ〜そ〜みふぁそら〜」
この、ティンパニーの合いの手が入った後の、タメが凄い。ひえぇーっ。熱いっ。
このフレーズだけで★5つ状態だった、ブロムシュテット盤にも圧倒されたが、このクーベリック盤も、相当に熱くて、やけどしそう。音色は、シュターツカペレ・ドレスデンよりも、さすがにベルリン・フィルだけあって、もっとクールで、がっしりとした堅牢で、黒光りしている。
それにしても、なんとストレートで強いのだろう。自信に満ちて鋭く、一本気で、まっすぐに突き進む。
フレージングに柔なところがなくって、怖いぐらいだ。
トランペットの響きの分離度も高いが、音量一杯に強く弾いているところは、少し高音域が、ヒスっているように感じる。でも、これがまた〜 自信に満ちあふれた情熱的な演奏と感じるところで・・・。
弦の強いボーイングが、耳に突きささってくるところがあるのだが、まあ。これだけ強く、そして、アンサンブルをみごとに決められると、ただただ、圧倒されて終わり。

2楽章
春ののどかな雰囲気だとは思うのだが、のどか〜というよりは、こりゃ深刻だねえ。
1楽章で疲れてしまったのが癒えるかと思ったのだが、いやいや。なかなか。
フルートの響きは、まろやかではあるのだが、少し冷たく、初冬の訪れを告げているかのようだ。
ティンパニーが鳴って、木管と弦が「みみら〜み ら〜み  どど ふぁ〜ど〜ふぁど」と、呼応するところは、かなり厳しい雰囲気が漂っている。
牧歌的なフレーズに入っていくところは、確かにみごとなのだが、舞曲風ではあるものの厳格で開放感は少ない。「みれどしらそふぁみ・・・」「そそ〜 そらしど〜 れみふぁそ〜みれどしど・・・」
おおっ。歌っているやんというフレーズなのだが、どこか、ギクシャクして聞こえてしまうのだ。
木管(クラリネット)が、なんか怖くて指が震えているのか? と思うほどだ。ヴァイオリンのソロは綺麗なんだけどねえ。どことなく冷たく感じる。
ティンパニーと、「そどしらそ そどしらそ〜」と弦の強い弾きっぷりと、金管の鋭い咆吼に圧倒されて。
これ、ホントに2楽章だったの〜っ?

3楽章
ワルツなのだが、暖かみの少ないワルツで、優雅というよりは、パンチの効いたワルツで・・・。
なんだか、骨っぽくて〜 笑えてしまった。なんで、こんなに怖いんだ。
ヴァイオリンの音色がきつくて、強く弾かれており、まったり感が感じられない。
緊張感が、ずーっと強いられているような気がする。
特に、ヴァイオリンの高音域で、「れれ〜れみ〜 ふぁそらら〜そ どれみらそ ふぁみれ〜」
うっ なんてキンキンした声なんだ。
イチバンの美しいフレーズなのだが、これだけ甲高い声で、喋られたら う〜ん。
大変心地良いフレーズが続くだけに、このヴァイオリンの音色だけは、なんとかしてくれ〜っ。
ダメっ。1楽章では、録音状態は良いって言ったのだが、う〜ん。確かに良いのだが・・・。
これ、困ったもの。
で、小節まわしは、特徴がないように感じる。トリルが、さほどスパイスになって効いておらず、う〜ん。
土臭さには繋がっていない。丁寧すぎるのか、演歌調にはなっていない。
この点は、憮然とするほど面白くない。お国モノだと期待して聴くと、完全に裏切られる。

4楽章
ぎゃっ。なんと速いファンファーレで、高らかに自信に満ちて・・・。なんと甲高い声で叫ぶのだろう。
これには、度肝を抜かれる。熱いねえ。
「そっ しれ〜 どれみど〜 しどれ〜し らどし〜ら そしれみ〜」と、低弦が歌い始める。
ようやくチェロの甘い声が聞こえてきて、ほっとする。潤いが出てきて、豊かさが出てくる。
やっぱいい音だ〜っと、せっかく、惚れ惚れしていたのに、でも、また、甲高いヴァイオリンが、しゃしゃり出てきて〜 雰囲気を、ぶち壊してくれる。
う〜ん。これでは、穏やかな旦那に、キンキン声の奥さんの組み合わせで、なんともバランスが悪い。
弦が全合奏してくるところは、まあ勢いが良い。フルートの響きは豊かなのだが、せわしく吹いている。
お決まりのコガネムシのフレーズは、確かに、キッチリ、かっしり。みごとなアンサンブルだ。
テンポもリズミカルだし、金管の短いパッセージも決まっているし、力強いし、文句なしに良い。
熱いし、これだけ聴いても、そりゃ〜バッチリ。タメもあって、う〜ん。なかなかの演技派だ。

でも、このクーベリック盤には、私的には、共感することが、あまり出来ない。
何故なのだろう。演奏は良いと思うんだけどなあ。
郷愁を感じるわけでも、牧歌的な雰囲気を味わうわけでもなく。感情移入のしづらい演奏だ。
クーベリックさんの熱情は、熱い気持ちは、ビンビンに感じる。しかし、聴き手のこちらが、段々と火照ってくるというワケではないのだ。熱い。熱すぎて、思わずひいてしまう。そんな感じだ。
中間楽章が、もう少し、ほっとさせてくれる演奏だったらなぁ〜。
セル クリーヴランド管弦楽団 1970年
George Szell  Cleveland Orchestra

まっ こんなモン

録音状態は、リマスタリングされているのだが、幾分、こもり気味である。58年盤よりは、音色が柔らかく、ふんわりして聞こえる。
カップリング:スラヴ舞曲第10番、第3番
1楽章
「れ〜れれ そ〜ふぁ〜 れ〜みどしれふぁ〜みれ〜 どふぁみど〜 どど〜どどど〜れみ ふぁふぁふぁ」
透き通るようなアンサンブルが、冒頭から聞こえてくる。
弱音から、どこからともなく水が集まって、川になるような雰囲気で、いっきに幅が広がってくる。
アンサンブルの綺麗なことは言うまでもないのだが、ことに、チェロのまろやかな音色が美しい。
音の余韻も充分にあって、暖かく、まろやかな響きに驚き、あらためて、ドヴォルザークの中低音域の響きに、うっとりさせられる。
フルートの音色がストレートで、硬いと感じるほどなのだが、まろやかな響きのなかにあるため、さほど気にならない。いや、むしろ印象的に響いている。録音状態は、CBS盤(58年)は、クールな音色に感じたのだが、EMI盤(70年)は、暖かみと深みが加わり、柔らかく聞こえる。アナログのLP盤に近い音だ。
それが、きっと暖かみを感じさせ、中音域の響きが良いと聞こえてくるのだと思う。
で、チェロの響きに惚れ惚れ〜っ。
低弦の力強さを感じさせつつ、すぱっ。と弦の厳しいエッジも感じるのだが、重厚さもあって、いつものクールなアンサンブルとは違う側面が見られる。いつもの緻密で厳格っていうよりは、どこか、しなやか〜なのだ。へぇ〜っ。驚かされる面がある。
テンポは、58年同様に、弱冠遅めで、基本的に、あまりテンポは変わらないが、ところどころ、テンポを揺らしている。

2楽章
弦のフレーズが、「そらし どーしらしー みふぁそーふぁみふぁー」
あれっ。こんなに、しなやかだ。柔らかい。
フルートが、鳥の鳴き声のように、「そらしどーそ どーそ どーそ」と吹かれているが、まろやかだ。
その後、ティンパニーが鳴るのだが、少し弱い。
弦のピチカートが、あまり響いていないのが惜しいが、その代わり、木管とヴァイオリンの高音域が浮きあがって聞こえており、バランス的にはどうかと思うが、柔らかさが感じられる。
低弦の音域が、もう少しあれば嬉しいが、これはナイモノネダリか。

3楽章
丁寧なワルツで、ガチガチにはなっておらず、ソフトで優美だ。
録音状態が、幾分、こもりがちに聞こえるのが悲しいが、でも、70年だもんねえ。
柔らかいし、穏やかだ。幾分、オケの厚みが薄いかな〜とは感じるのだが、自然体で良いねえ。
土の香りがしないセルだと思っていたけれど、ここでは、土臭さが、ほどよく聞こえる。
ティンパニーが強めに叩かれている盤もあるのだが、ここでは幾分抑え気味。弦の音色が主になって響いている。
テンポは遅め。活き活きとした若い歌うフレーズに鳴る盤もあるのだが、このセル盤では、せつないぐらいに、夕暮れ時のような雰囲気を漂わせている。どとことなく、懐古的で、まったり感が感じられる。
最後のふわっと尻切れトンボ的終わり方が、印象的。

4楽章
ストレートなファンファーレで始まる。
ティンパニーが抑え気味なので、少し幕開けとしては暗い。弦の切れはあるが、録音状態の加減か、低弦が少しこもっているので重く感じる。泣きが入っているように感じられて〜 いつもの弦の切れが弱いような感じだ。段々とテンポをあげ、いきなり、せっかちに奏で始める。
でも、狂ったように奏で始めるわけでもなく、あくまでも理知的。
フルートの音色が、ここでは透明度をあげている。ホルンのトリルは、う〜ん。埋もれがちで弱い。
あまり分離度が高くないのだが、段々音量をあげてくるので、土臭く感じられる。
弦が、シュシュポポ・・・と、まるで機関車のように弾いているのが、よくわかる。これ、面白い。
トロンボーンとトランペットが、あまり通ってこないので、派手さには欠ける。う〜ん。もったいないかな。
なにも、派手なドボ8が好みではないのだが、少しおとなしく、しんみりしているかな。って感じだ。

セルが亡くなる直前の録音で、名盤の誉れも高い。
だが、ワタシ的には、リアルタイムでは聴いていないし、懐かしさも希薄なので、手放しで、これがイチバンとは、とても思えない。どこかレトロで、懐かしい雰囲気がするな〜という印象だけが残る。
でも〜 カップリングされているスラヴ舞曲第10番には泣ける。まるでセルの辞世の句のようだ。
ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン 1974年
Herbert Blomstedt  Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

 こりゃ良いわ〜拍手

録音状態も良く、豊かな演奏。抑制がきいてストイックに燃える。あまり有名ではないが、名盤だと思う。
1楽章
しぶ〜く、静かに厳かに始まる。くすんだ音色に、まず驚かされた。
透き通ったような木管、フルート チェロの甘い音 この音色は独特で、う〜ん 猛烈にいい。
何度も繰り返してきくと、他の盤との違いが明瞭である。
颯爽と加速しながらも、一気呵成に盛り上げてくれ、これは違う!と感じる。
この加速度具合には病みつきになりそうで、まるで、エンジンの違う外車スポーツカーに乗っている感じがする。
一気に上り〜 また、ゆったりと歌い始める。この序奏部分で、勝負あった。
低弦のリズミカルなこと。デイヴィス盤なんか聴いてられない。フルートがメチャ良い。
先制パンチをくらって ノックアウト。この盤、ここだけで、★5つ状態。
弦はしなやかにパンチがある。まろやかで黒光りしている。フルートうまいなあ。ヴァイオリンがヒスをおこさず、バランスもいいし、録音状態も文句なし。弦の下降音も、まるでワーグナーの楽劇を聞いているような壮大感がある。
あくまでも上質・上品である。ネチネチしておらず、抑制がきいてストイックに燃えている。
欲望をたぎらせて、ぎらぎらしているのとは、本質的に違う。ひえ〜 すごい盤である。

2楽章
緊張感のある、溜息をつくかのような歌い出し。
木管を弱音にして憂いをたっぷりにさせておいて、弦には逞しく強く引かせて・・・。
管はリズミカルにさせておいて、弦には歌わせて〜 う〜 うまい。この対比がいい。
計算しつつ、自然に歌わせて〜 これが身についてないとダメだが、こりゃすごい。
ヴァイオリンの哀愁漂うソロに、まったりする。
弦と木管 弦と金管 主旋律と副旋律の絡みあう歌わせ方と、呼吸の間合いに絶賛してしまった。
風雲急をつげるさいも、かなりゆったり間をとる。心理的に不安にさせる間になっていたりするわけで、
この弦の刻みと、ティンパニーの音の響き(前面にでず)かなり後方で、弦の響き 余韻に酔える。
この響き・・・ これだけで、うっとりする。一呼吸おいて、違う旋律に入るところは絶妙で、こりゃ絶品!
これでなくっちゃ〜 また歌ってくれる。至福で〜祈りの心境にはいってしまいそう。

3楽章
ワルツ 丁寧なトリルが聴くことができる。最後の一音までもおろそかにはしていない。
ヴァイオリンの艶やかな音色とのびきった音 副旋律のフルートのトリル あ〜 美しい 溶け合っている。
これほど美しくていいのかしらん。どぼはっちゃん。
もっと泥臭くてもいいんじゃーって思うほどなのだが、しかし、しっかりと大地が光景として浮かび上がってくる。少し枯れた秋の ただ、そこには、実りがあり、ほのぼのとした感覚で〜 草の香りが漂っている。
弦の下支えで木管が歌い 大地を耕している風景で、そこにはほほえみがあり、汗を流しながらも、協力しあって幸福感に満たされ、仕事をしている感じがする。
このアンサンブルのなかにも、きっと至福の時が流れているに違いない。
そこには、支えられ 支えることによって、満たされる 満たされた 喜びが素直に感じられ、涙出そうになる。
実りに感謝しているのかもしれない。素朴だが、大地の実りに、品のよい感謝の気持ちがあるように思える。なにも教会のなかで、神に向かって祈るだけでなく、謝念でしょうなあ。これは祈り=感謝かな。
単なる牧歌的というより、日々の感謝の気持ちの楽章だった。
これが、最終楽章の4楽章に繋がっているようだ。踊る部分も、酔いつぶれている感じはしない。

4楽章
最終楽章は、軽やかで勢いがいい。収穫祭の幕開けだろうか。ブロムシュテット盤を聴いて、これが豊穣だったことの感謝の気持ちだと感じた。
田舎ではあるが厳かな儀式が行われているようだ。ホルンのトリルは品が良い。
さあ お祭りだ〜っ 舞曲に変わる。子供たち 大人たちが和をくんで踊っているようである。
あくまでも弦が主体で、ぱぱんぱんぱーん 金管の音量は抑え気味である。
リズミカルである。
他の盤だと、ただ、酔ったおじちゃんが踊っている〜という雰囲気になっていたりするが、ブロムシュテット盤は、あくまで品が良く、情熱を前面に出してはこない。
最後コーダは、祭りのクライマックスであるが、感謝の気持ちがあるので、羽目をはずしていないのだろう。
祭りが終わって、夜になった。
満ち足りた日々・・・就寝前の祈りのような気配が漂う。きっと、満ち足りた1日であったに違いない。
最後は、爽やかに、それでいて情熱的に一瞬にして去っていく。
かなり癒し系の演奏で、かなり豊かな気持ちになれる1枚である。おそらく、この盤との出会ったことに喜びを見いだせると思うなあ。
スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 1977年
Otmar Suitner  Sächsische Staatskapelle Berlin
(Staatskapelle Berlin

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。ベルリン、キリスト教会での録音で、77年とは思えないほどの透明度の高い録音である。
暖色系の暖かい美しい音質で、東ドイツ時代の美しい音色が堪能できちゃう一枚だ。
1楽章
序奏のチェロとフルートの掛け合いで、心豊かな旋律で始まる。と思ったら、弦が鳴り始めたと思うとボリュームを上げ、一気呵成に走り抜けてしまった。えっ こんなに速かったっけ?
チェロは歌ってくれるのだが、ヴァイオリンやフルートが、ヒスを起こしそうになっている。ティンパニーも打ち込みが速い。
フルートが、鳥の声を奏でたと思ったら、弦が鳴り始めて、春が一気に花々が開花したような勢いで走る。走るたびに勢いが増しているようだ。めちゃ速い。耳を疑いたくなるほど・・・。
しかし、この木管は、いいですね〜 第2主題の木管は聴き応えあり。透き通ってて可愛く、小鳥たちが寄ってくる感じがする。低弦も豊かに演奏してくれる。
しかし、なにせ速い。弦が走り回っているなか、金管が鳴り出すと一気に終息に向かう。
堪能して聴いている暇がないほど。主題は明るく、かなり伸びやかだが、走る。走る。
もしかしたら、「ドヴォ8」一番の速い盤かもしれない。
まるで、第1楽章が、最終楽章のように終わってしまった。

2楽章
深々とゆったりしている。第1楽章の速さから解放されて、ほっとひと息。 フルートの独奏部分は、春ののどかさ そのもの。 ヴァイオリンが引き続いて演奏してくれるのだが、なんて穏やかなのだろう。ほのぼの〜 
渋くて甘い。太い音色ではなく、少し枯れた音色なのだが、ほのかに甘い。木のぬくもりや暖かさを感じさせ、素朴感たっぷり。ぽかぽかとした春の小春日和で、まるで縁側の猫状態になってしまう。日本人の感性に合うかもしれない。
金管が風雲急を告げ、ティンパニーが鳴り始める。どうやら嵐が近いらしい。ヴァイオリンの高音の響きは幾分高い感じがするのだが、総体的に、まろやかを感じて終わる。

3楽章 舞曲風 しなやかに踊り 歌える楽章になっている。
木管の歌っぷりが、それみよがしになっておらず、他の盤より、ゆったりとしたワルツのようだ。
1楽章が速かった分、ここでは、かなり、まったりとしてくれる。

4楽章
冒頭のトランペットのファンファーレは、通俗的にはなっていない。
1楽章のようには一気呵成にはならず、ゆったりした最終楽章だ。
ホルンのトリルが、悪魔的に聞こえる。
コガネムシが金持ちだ〜ってフレーズのところは、ゆったりしてる。
渋い合奏音になっており、抜けるような青空とは言い難いが、かといって重いわけでもなく、ホルンのまろやかな音色は独特である。
コーダ前には、テンポをいったん落としているが 、最終コーダは幾分加速して終わる。
渦巻きのような下降線を描いて、聴き応えもあり。全体的に、弦の合奏部分は、暖色系で穏やかで、落ち着いて聴ける。心に、じわじわ〜浸みてくるようだ。さりげない。スウィトナーさんは、ぼそ〜っとしている中年おじちゃん風だが、冒頭からすごい。結構やるじゃん。人は見かけによりませんな。こりゃ〜見直した。やられたと感じた1枚である。
C・デイヴィス コンセルトヘボウ 1978年
Colin Davis  Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

ふむふむ。

録音状態は、少しこもりがち。音色も少し重い し硬い。結構ゴツイ感じがして、コンセルトヘボウと、C・デイヴィスさんの演奏イメージが、中庸だと思っていたイメージが崩れる。
 
1楽章
もう少し、ためて歌い出すのかと思いきや。わりと〜あっさりとした出だし。
木管に心持ち、タメが欲しいなと思う。音色も、透き通った音色になっておらず、ぴーーっと木管が鳴りっぱなしで耳障りだ。
ティンパニーや低弦の迫力はあり、地鳴りがしているようだが、う〜ん。バランスが悪い。
駆け下りてくる下降音は、スカートを、まるでまくしあげて降りてきた感じがして、イマイチ品がない。 木管に上品さが欠けているというか。強めに吹かせているのか、ぴゅーっと鳴っており、馴染めない。 録音状態が、こもりがちで、低音がかなり入っているが、木管類の荒っぽいと感じてしまう。
う〜 弦も丁寧ではなく、逞しいというか、筋肉マッチョ風だが、下品なおじちゃんぽい。 ひとことで片付けてしまうと、かなり、あらかくたい。 え〜っ コンセルトヘボウなんだけどなあ。どうして、こんな風に感じるのだろう。ふ〜む。
ゆったりしていると言うよりも、弛緩しているような感じを受ける。 弦と木管と金管と う〜 溶け合っていないような感覚がするし、かなりゴツイ感じで、格闘技じゃないんだから。もちっと大事に歌ってくれよぉ〜 と言いたくなる始末。 
力まかせにねじ伏せられているような気がして、ちょっと違和感を感じてしまった。
この楽曲は、牧歌的じゃーなかったけ? ひで〜っ ティンパニーも力任せで、ひどい。
ドボ8というイメージが、がらがらと崩れ、これ、ホントに、コンセルトヘボウだよねえ。
う〜 何か曲を間違ったのかなあ。途中でやめたくなった。

2楽章
ぶあつーーーい 音色は、ヘボウだなあ。と思いながら聞き始めるが・・・ヘボウは好きだが、流れない。
牧歌的なところにさしかかっても、なにか、フレーズが細切れになっており・・・ もったいない。
ヴァイオリンのソロは、少し擦れて聞こえるし、いつものコンセルトヘボウ特有の木質的な豊かさがない。
ティンパニーの音量が大きすぎるのだと思う。金管も、始終、ファンファーレを吹いているような豪快さ。
ちゃうんじゃーないの? 勘違いしてるような気がする。
悲劇的になっているとろこは、なかなかいい。邪魔なティンパニーが、もったいつけて厳かに鳴っている。
かなり音を分解しているのか、フレーズが細切れ肉のように分解されており、隙間だらけ状態。
ここでは、淀みなく歌って欲しいのに、これでは・・・ う〜ん。唸るばかりなり。あきらかに期待はずれ。

3楽章
重々しいワルツで、テンポに乗れない。哀しいワルツやねえ。
なんか、貧乏人のおばちゃんが、重い裾をひきづって踊り続けているような状態。
やっぱり、ここでも、ティンパニーと低弦の音が、主旋律のヴァイオリンの音色より気になる。
コンセルトヘボウの木目調の音色が、この楽章では、盛り返している。
しかし、テンポが遅いように思う。
ヴァイオリンの高音が、まったりと聞こえるようになってきたが、ティンパニーが繰り返し叩き出すが、イマイチに乗れない。

4楽章
ティンパニーのロールが入って、ゆったり始まる。弦にメリハリをつけ、区切ったように弾いている。
コントラバスが、ボンボン弾んでおり、ホルンのトレモロなどは、分厚く動いている。
この盤に限っては、この木管は、ちょいといただけない。
1回目の、ぱんぱんぱ〜ん ぱぱぱぱ〜ん の合いの手が消えている。何の楽器が聞こえないだろ?
で、金管が 頑張っていて、特に、まろやかなトランペットが良い音色で響いている。
最終楽章だけを聴くなら、デイヴィス盤では、マッチョなドボ8が聴ける。ただし、この楽章以前は、う〜んと唸ってしまう。
最終楽章で、パワー全開。炸裂状態で、狂ったようになっているが、右のスピーカーから金管、左からティンパニーが、ド迫力 で迫ってくるのだが、これには唸ってしまった。
クリーミーな音ではあるが、最終楽章だけ盛り上がっていただいても・・・ う〜ん。困るよなあ。
4楽章は、かなりいいと思う。この楽章が大好きな方には、お薦めだが、最終楽章のみ変貌して、あとは付録だと思っているのか。弛緩しすぎて〜 
ここだけ取り上げて聴くというのも、イレギュラーで好きではないし。 外見はかなりマッチョだが、本当は体脂肪をため込んだメタボ系でもあるようで、よくワカラナイ。
マゼール ウィーン・フィル 1981年
Lorin Maazel  Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

はぁ?

録音状態は良い。何かやらかしてくれるだろ〜と期待したのに・・・。ちょっと肩すかし。結構あっさり終わった。ある意味残念だ。期待してたのにぃ。
カップリング:ドヴォルザーク交響曲第7番〜9番 2枚組

1楽章
れーれれ そーふぁー れーみど しれふぁ〜みれ どふぁみど〜
どどーどどどーれみ ふぁふぁふぁふぁふぁ〜 
冒頭から、ウィーン・フィルの音色が豊かに響いている。フルートが柔らかい。しれ〜どれ〜 
ティンパニーが鳴ってから一気呵成にいくのかと思ったら、あんがいとおとなしい。
弦の最後の音が、ちょっとばらけているところなんぞ、色が良い。(笑)
そ〜し れしみし れしみし れし〜 しっ ふぁ〜れし・・・ あっ タメがない。
あーあ これは即物的な演奏なのか〜と、ちょっとがっかりしたのだが、いやいや、その後、結構、ゆったり演奏してくる。
マゼール特有のギクシャクした感じは、ほとんど感じられず、ほぉ〜っと意外なほど安定している。
バンッ!と出てくるアタッカも強いし、弦のボーイングも結構強い。
ヴァイオリンの音が、時折、裏返るような、ひっくりかえりそうな感じがするほど声高で、短めのフレーズ感で、ガシガシ弾いている。しかし、低弦の響きなんぞ、結構重いし、ボリュームたっぷり感があり、木管がやっぱ美しい楽曲なので、バランス良く聞こえるのかも。
楽章の終わりになると、テンションがあがってくる。

2楽章
そらし どーそ どーそ 木管が、ふぁーど ふぁーど と美しい音色で鳴いている。
珍しく叙情的な雰囲気を漂わせている、弦は少し強めに弾いている。甘みが深く、低音の木管の響きが、とても良い。舞曲風にフレーズが変わってくるところは、そそ〜 そらしど〜 れみふぁそ〜みれどしど・・・ おおっ。歌っているやん。まったりしてきた。ヴァイオリンのソロは、やっぱ美しい。低弦が、音階を下ってくるところは、迫力満点で響く。
変に泥臭くなく、かといってクールでもなく、暖かみもあって、かなりバランスが良いような気がする。音色が良いので〜 それだけで良いと思っているのかもしれないけど。
ホルンが風雲急を告げ、ティンパニーが鳴り始める が・・・ ゆったりと奏でている。重々しいティンパニーが鳴ってくるが、ちょっと無表情なぐらい硬い。弦もゆったりめで、マゼール盤だと畳みかけてくるだろうと予想していたのだが、完全に裏切られた。驚くほど、しなやかである。薄気味悪いほど、まったり〜 穏やかな演奏である。

3楽章
れそし〜 みーれど どしら どーしら らそふぁ・・・ 
まるで、軽やかなウィンナーワルツのように奏でてくる。
冒頭の「れそし〜」のところが特徴的で、れそ し〜(力を抜いて、間合いを充分に取って) み〜
と、独特のタメを使う。なんとも演技派だねえ。臭すぎなんだけど。まっ いいかあ。
これぐらいしないと、マゼール盤だとはワカラナイかもしれない。
その後、テンポよく、軽やかにワルツが進む。
ちょっと速めかもしれないが、粗野になっておらず、まずまずのテンポだと思う。弦がちょっと古風に、まったり気味に弾いており、たたた たら〜っと、幾分声が裏返る傾向にあるが、転がるところも良さげ。
さすがウィーン・フィルだと思える、軽やかな品がある。

4楽章
冒頭のトランペットのファンファーレは、歯切れ良くストレートに伸びている。
充分な間合いをとって、そしれ〜 どれみど しどれし・・・と弦が始まる。
高い弦の音色が、やぱり美しい。歯切れも良いのだが艶がある。木管のフレーズも、フルートの音色が特に、優しく柔らかい。美声の鳥の声だ。
ホルンのトリルは柔らかいし、低弦の底力もある。弾力性も充分。
コガネムシのフレーズは、ちょっと声が割れている。音色が合っていない。ん? 何の楽器がアカンのだ?
低い方の音がおかしいような気がする。
2回目のコガネムシ・フレーズも、う〜ん。なんか変。アンサンブルがおかしいのかなあ。ばらけて聞こえる。
弦はよいのだが〜 盛り上がりに少し欠けている。

ブロムシュテット盤のような、豊かさがないしなあ。最終コーダにさしかかってくるところも、もう少しパワフルであって欲しい。快速にギアチェンジをしているが、、、う〜ん。イマイチ迫力に欠けてしまった感じ。
え〜っ もちっと頑張ってくれよぉ〜 何かやらかしてくれるだろうと期待したのに・・・ちょっと残念だ。
ノイマン  チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1982年
Vaclav Neumann  Česká filharmonie
(Czech Philharmonic Orchestra)

なんじゃ こりゃ〜

録音状態は、イマイチ。少しこもっている。
チェコ・フィルって、弦が良い筈なんだがなあ。せっかくオクニモノだと期待したのに、超がっかり。緩い感じがする。
1楽章
かなりまろやか。息遣いも丁寧 加速してはいくが、弦が、少し艶っぽく感じる。
いい意味で素朴。弦が伸びてはいるが、十分に伸びきっていない。どことなく詰めが甘いような気がする。
燃えていない。なんだか鈍重に聞こえる

2楽章
まろやかな出だし。わりと最初はいいんだが〜 深いなあ。といいな
と感じるのだが、期待させておいて、、、録音が鮮明でないのかと思ったりしたが、
木管の響きもいい。だが、重ねて木管が鋭く吹くところなどは、感情がまろやかすぎてメリハリがつかない。
牧歌的というか、緊張感がないというか、牧歌的にするならするで〜 もっと、まろやかに、吹ききって欲しい。主張が足らないような気がする。ヴァイオリンの伸びも ちょっとかすれ気味で、、もったいない、ソロなのに。
もうすこし伸びて欲しい これで精一杯なのかなあ。
ティンパニーが入ってきた時には、伸びたのだが、う〜 これで精一杯なのかなあ。
気合いだ!気合いだ!と応援したくなる。まったりしすぎて 弛緩しているような雰囲気になっている。弛緩しているというのがキツイとすれば、無難すぎると言えるかな。

3楽章
ワルツ これはいいけど、なんとなくもの悲しく踊っている。しかし弦に、もっと深みがないと。乗せてくれないと〜 こっちが消化不良おこす。なんとなく2巡目は艶ぽっくなってくれたが、木管下手や。 木管に音色がかかっているとしたら、強く吹けば音が割れる ヒスを起こす。下手

4楽章
ファンファーレは、甲高い声ではなく、落ち着いている。夕暮れ時のイメージで、お疲れさん。
軍隊式の終了時間のチャイムのようだ。
だれてるとも感じる弦 覇気がないの。弦が汚い。歯切れよく引くのだろうが、どうも細切れになってるのと、レガートで引くのと、相反しているようで、、、、
遅い。鈍重な渦巻きになっている。
腰回りの太い メタボおじちゃんとおばちゃんが踊っているようで、なんじゃーこれは。
これがチェコの国ものかあ。これが国の踊りだとしたら、あまりにも、素朴すぎで、すうぃっとなー盤がいい。
青いインテリでも、もちっと狂ってたぞ。奧にものだと思って購入したが、これでは、鈍重すぎて聴くに堪えない。また、テンポの悪さに、中間部分で、それ以上にテンポを落としてしまった。まるでダメ。
途中で聴くのをやめたくなる。
総じて、メタボ型で、ちょっと、ぶよぶよしているようだ。
ドホナーニ クリーヴランド管弦楽団 1984年
Christoph von Dohnányi  The Cleveland Orchestra

ばっちグー!

録音状態は良い。演奏に自信と覇気、それに気概がある。上質感の漂う演奏だが、あまりにスマートで、好みは分かれるかもしれないが、とても 今風のスタイリッシュな演奏だ。
交響曲第7番、8番、9番 3枚組BOX
1楽章
哀愁を漂わせながら、ゆったり〜 まったり〜 弦が美しいところに、美しいフルートが合わさってきて
おお〜 これは期待できる。と、数分の間に感じさせる。
チェロの深さと甘さ これぞ〜っと嬉しくなる。
弦の太さとティンパニーの響きが、勢いがあり、弦が艶っぽくて良い。フレーズの伸びも充分にあり、それに、歯切れも良い。スウィトナー盤が、このドホナーニ盤のようなテンポで演奏してくれたら良かったのだが。なかなか、全て満点というわけにもいかない か・・・。
途中、急にテンポを落としているが、ギアチェンジした後は、乙女の心理のように揺らめいてくる。
音の膨らませ、萎ませるテクニックがニクイ。
主題が帰ってきたところも、かなりまったり〜 深く 太く まるで、上質のブランディーでも飲んでいるような気になる。 
すごく、いい録音状態で、高音も低音の響きもなかなかのもの。高音は透き通っているし、チェロの声がいい。この演奏にあわせて歌える。
う〜ん ティンパニーの響きが固めだが、これはこれで、スマートな聴かせ方で、歯切れが良い。
甘いだけでなない、きちんとした歯切れのよい楷書体のちょっと堅めの推進力あふれる演奏。
弦と金管のバランスが、ん 他の盤と逆転している〜と感じる部分もあるが、ふむ。木管の音色に惚れ惚れしていたので、これでいい。几帳面な感じもするが、窮屈には感じない。

2楽章
弦が、やっぱ〜 良いなあ。惚れ惚れする。このクリーヴランド管は、木目調の感じがして弾力もある。
弱音の部分でも弛緩せず、耳を楽しませてくれる。
弦のボーイングが強いのかな〜と思うところもがあるが、几帳面さが表面に出ているのかもしれない。
多少、強めに引かせているのだろう。
弛緩しがちな楽章なので、メリハリがついて良い。牧歌的なところだが、フルートの音色が響き、ヴァイオリンの音色と、他の楽器とのコラボ(?)、そしてソロ も充分に聴かせてくれる。
金管も歯切れよく音量もちょうどよく。小股が切れ上がった若い美女風。ふむふむ。

3楽章
出だしがいい〜 ふわ〜っと出て踊り出す。こぶしまわりも効いて良い〜。
ヴァイオリンの音色はまったり レガート気味で フレーズの終わりにトレモロがあるのかな? レガートをかけているのだが、この終わりとの対比が面白い。(楽譜は見てないので 詳細不明)
ドホナーニ盤は、多彩な音色を持っている。
弦のピチカートやハープの音色がするのだが、こんな音色は、なかなか他の盤では聞こえてこない。
この3楽章は、なかなか聴かせどころが多い。
単調なメロディだけを追っていたが、副旋律に耳を傾けないと・・・。改めてそう思う。
ティンパニーの響きも耳にできるし。弦の膨らみも、すけて見えるようだ。
アンブルもいいし〜 心地ちい。耳のご馳走だ。 
主題が戻ってきて 民族的な音色にも感じるが、泥臭さはない。
ノイマン盤でも感じなかった舞曲のふしまわしが、スパイスのように、味が出ているような気がする。
ちょっとした演出なのだろうが、味わい深い。う〜 この3楽章は良い〜。やられたっ。

4楽章
軽めのファンファーレに勢いあり。スマートに演奏している。
弦のまったりフレーズに、低弦があわさり、和音の響きも、あまり重くなっていない。
歯切れの良い弦のフレーズが、強くならず弱くもならず、頃合いなのだ。
ホルンのトレモロが、団子状態にならず、透き通った透明度の高い演奏になっている。
特に、木管が美しい。
爽快感あり。颯爽と〜楽器の受け渡しも慌てず急がず。スムーズだ。
金管も吠えずに抑制されており、いわゆる「合奏」という感じがする。

ドホナーニ盤は、ストイックな感じを受ける。理知的で、飲んでも踊り狂うのではない。
とても酒豪らしく、酔わない。決して自分では酔わないし、オケも酔わない。静かに潜行するところは潜行しつつ、また、煽りたてるタイプでもない。
あくまでも上品・・・。
宴席に座りながらも、酔わないまでも、場をわきまえて、ほほえみ返しをしている。
泥臭く、相手をあおり立てるのではなく、品よく ゆっくり 酔っている人を見ている感じがするする。
最後は、さすがに、渦巻きのように一陣の風が吹き舞うが、あくまでも品よく、テンポよく颯爽と駆け抜ける。煙にまいて、美女は宴席から去ってしまったような。。。酔ったおじちゃんは、もう少し、美女にそばに居てもらたかっただろうが。酔ったおじちゃんは名残惜しそうに思うだろうが、ざーんねん。終わったのでありました。

全体的な感想は、若いスマートな商社マンタイプである。颯爽とし、気概もあり、切れもあり、やり手である。ただ、総じて青臭い。策略かのようではあるが、壮年からみるとその策は透けて見えるかもしれん。
しかし、騙されてやろう。見えるが見えないふりをしてやろう。気概があるなら、やるだろう。
ふむふむ。聴いていると、ほい。みごとにやりおったな〜って感じである。自信と覇気が気概があるのだ。
とてもスマートな演奏。
ジュリーニ コンセルトヘボウ 1990年
Carlo Maria Giulini  Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

 あちゃ〜

録音状態は良い。晩年のジュリーニの代表的名盤。超ゆったりとしたテンポで、芳醇な響きがいっぱいに広がる。 ちょっとドヴォルザーク臭さは無いけれど、良い演奏を聴かせていただいた満足度は高い。 
1楽章
超スローなテンポで、晩年のジュリーニさんの代表的な盤である。テンポを一気呵成にあげていくタイプの演奏とは異なり、チェロの魅惑的なあまい声をきくと、う〜 あかん。この耽美的演奏に抗しがたい。
粘着性のある魅惑的な女性が目の前にいるようで、ドヴォルザークの8番とは思えないほどの、とろみ感がある。うぅ〜 とろけちゃう。
音の形を借りた、女性のトルソを造っているようである。音のトルソ・・・ ジュリーニは音楽家だったが、彫刻家だったとしたら、晩年は、すげー エロチックで、格調高い、生き生きとした女性美を追究した彫刻家になったかもしれないな。って思う。
まるで、恍惚とする法悦状態のトルソである。法悦・・・ふむ。ジュリーニに、スクリャービンの演奏はなかったな〜と、思わず苦笑してしまったが、残念。 

2楽章
かなりゆったり〜 壮大な美音が続いている。曲想とは違うのかもしれないが、コンセルトヘボウの豊かさと、広々とした時空間が待っている。
耽美的といえば耽美だし、彫刻でいうとバロック的 ベルリーニの エロス的 恍惚感ただよう 宗教とエロスを重ねたような恍惚感が漂う。
一筆書きというか、淡麗から朽ちではなく、まったりとしたコニャック 香りを楽しむのがいい。
油絵的かもしれないが、美音で、至福の時ではある。
クラシックの醍醐味とも言えるし、、、
たっぷり〜 まったり〜 響きと音色の豊かさに身を任せた方がいい。目を閉じていれば、大きな空間の包まれる。おおよそ人間界の苦など存在しないような気持ちになる。

3楽章
このうえない優美で華麗で、上質なワルツ 高貴な方々のワルツである。
ジュリーニの晩年の演奏は、私的には、ヴィスコンティの映画を見ているような気持ちになる。
アブノーマルで、セクシャルである。怠惰な世界と言えばそれまでだが、どことなく気怠く、蠱惑的で危なっかしい。しかし、妙に抗しがたい一面を持っている。
耽溺しきるか、しきれないか。自分を試すのもいいかもしれないが、この魅力に、ほくそえんでしまう自分がいるかもしれない。 しかし、音楽は消え去ってくれるので、この世界に入るのもいいかもしれない。
物腰が貴族的である。たんに遅いだけではない。エレガントである。
ふかぶかとした上質な椅子に座り、
心理的にも時間的にも、あらゆる余裕がないと、この世界には入れない。優雅に聞き入りたいものである。

4楽章
アホほど遅い。信じがたいほどに。しかしチェリとは違う。まったく方向性が異なっているようで。気怠い。
チンボツ型のようだが、アジアの巣窟で、チンボツしているタイプではなく、事足りて何もする必要に迫られない貴族世界的だ。 どっぷり浸かりきって、時間とお金をもてあますので、別世界でも言ってみようかと、危ないものに手をだそうかとするような、貴族的な遊び風である。
なにもすることがなく〜 気怠く 物憂げな感じがする。
ブロムシュテットのように日々の暮らしのなかで、シアワセを見つけて感謝する気持ちとはほど遠い。
満ち足りた老境か? 夕暮れ時のまったり感か、充足感なのか? う〜ん。
いずれにしても、エネルギッシュに労働をして疲れた〜とは違うような気がする。
想念は、はるか時空間を飛んでしまって、どちらかというと懐古調である。
でも、この独特の世界が、なかなかによくって。私的には好きである。
さあ 明日に備えてリフレッシュ・・・とは違う世界だ。
ドボ8の中でも、土俗性はあまり無く、農耕仕事もしておらず、けだるさナンバーワン。
労働意欲撃沈とまでは行かないが、最後の狂ったような舞曲も、う〜 意味がなくなってしまう。
自分の想念のなかの渦巻きのようだ。でも、これがなかなかに味があるのだ。
ストイックなくせに内面の情熱が抑えきれないブロムシュテット盤、素っ気ないぐらいの端正で、余計なモノを削ぎ落としたセル盤 、そして、このジュリーニ盤。
いろいろと聞き比べて、自分の内面を試すことをお薦めしちゃうが〜 かくいうワタシは、どれも魅力的だ。
インバル フィルハーモニア管弦楽団 1991年
Eliahu Inbal The Philharmonia Orchestra

ガタガタガタ・・・

録音状態は、まずまず。91年のわりにはヌケが良くない。
演奏にとても癖があり、ものすごーく暗い。陰気で貧相で、完全にベツモノになっている。8番で怖いとは・・・。 アッケにとられた演奏だ。恐怖の館風の演奏だ。ホント怖いっ!カップリング:ドヴォルザーク 交響曲第7番、8番で1枚。
1楽章
出だしは、まろやかに始まってくれるものの、チェロの音色は沈んでいる。木管は、鳥のようだが、かなり憂鬱そうだ。弦の音色が歯切れがいいが、スウィトナー盤のようには溶け合っていない感じがする。
弦は弦 金管は金管 木管は木管というように、いささか分断された感じを受ける。
テンポは普通・・・。
透き通った音色であるが、ヴァイオリンの高音域は、ちょっと高めに聞こえた。木管が、頭の上を通過していくような感じもした。
憂鬱なのかしら。この人?
ティンパニーが入ってからは、なにやら悲劇的という感じがする。悲痛に叫んでいるような金管。
あれま。せっかくの春の風景だったのに、風が吹き荒れて〜 これじゃ、まるで悲劇やん。

2楽章
わぁ〜 やっぱり、インバルさんが振ると、憂鬱な感じがする。
チャイコの悲愴じゃないが、どことなく非痛で、か細い声で助けて〜と叫んでいるようだ。
ティンパニーが鳴っているとろこは、苦い青汁でも飲んでいる感じがする。甘味がなく、温度が低く、素っ気ない。いい録音状態だし、壮大な演奏にも感じるのだが、冷たい感じがする。
そのうち・・・なんだか冷え切った死体でも見ているかのような・・・。鳥肌が立ってくる。
冷え切った間柄の男女が、いかにも、つくろっているかのような素っ気なさ。怖いなあ。
ティンパニーの音なんぞ、処刑台へ引き出される行進曲の太鼓のようだ。
弦の響きはいいんだが、、、甘くない。 牧歌的な旋律では、お願いだから、どうか歌ってくれ〜 と言いたくなった。こんな、空寒いドヴォ8を聴いたのは初めてだ。

3楽章
まるで氷のうえのスケーターワルツのようだ。美しいが、冷え冷えとしている。
ドヴォルザークの響きは、優しく豊かで、まろやかだったはずデワ? なんじゃーこりゃ。

4楽章
録音が透明度が高い分、冷え冷えしている。ファンファーレが鳴っても、シーン・・・。
聴いていても、まるで、笛吹けど踊らず・・・ みたいな雰囲気になってしまった。あまり理知的すぎて〜 周りが乗らないのか。一人踊っているのが好きなのか。 なんだか空疎な世界が広がっていて、いつもなら、楽しげなドヴォ8なのに、まったく乗れない。
最後のコーダなんぞ、ものすごいパワーで押してくる。速い。とても速い。
だが、徹底して周りを巻き込んでの馬鹿騒ぎになれない。
インバルさんは、徹底して馬鹿になれない。おどけられない人物なのかもしれない。

総じて、かなりの変わり盤。1人芝居でもやってんだか〜 なんだかつき合いきれないよなあ。と思ってしまった。名盤鑑定百科によると「ていねいに仕上げるも、やや陰影薄くこの指揮者としてはもうひと息。」とあったが ・・・
えー こんな楽しくない。また、怖いと感じた「ドヴォ8」は初めてである。寒々とした荒涼たる大地を、痩せた体で耕し、一心不乱に、無言で、ひたすらクワを入れているような感じだ。
何かに取り憑かれたような風景になってしまっている。恐怖の館に、どうぞ〜って感じで、こんな一生はいやダーっと叫びそうである。 寒くて冷え切って、凄みがあって、怖くて〜
最後には哀れっぽい雰囲気が漂うドヴォルザークとなっている。
えぇっ〜そんな筈はないと思うのだが・・・。ホント怖いデス。
1958年 セル クリーヴランド管弦楽団 CS ★★★
1966年 クーベリック ベルリン・フィル ★★★★
1970年 セル クリーヴランド管弦楽団 EMI ★★★
1974年 ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン DS ★★★★★
1977年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン DS ★★★★
1978年 C・デイヴィス コンセルトヘボウ Ph ★★
1981年 マゼール ウィーン・フィル ★★
1982年 ノイマン チェコ・フィル Sup
1984年 ドホナーニ クリーヴランド管 Dec ★★★★
1990年 ジュリーニ コンセルトヘボウ SC ★★★★★
1991年 インバル フィルハーモニア管 T ★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved