「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

0712

ハイドン 交響曲第96番「奇蹟」
Haydn: Symphony No. 96 "The Miracle"


ハイドンの交響曲第96番(Hob.I:96)は、1791年に作曲された曲で、「奇蹟」という愛称で呼ばれています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
この「奇蹟」という愛称は、楽曲そのものとは関係はなく、初演時に、会場のシャンデリアが、天井から落下したにも関わらず誰も怪我をしなかったという出来事に由来しているとされていますが、近年、どうやらこれは交響曲第96番のことではなく、第102番ではないか〜とのことです。

第1楽章 ニ長調 3/4拍子 序奏付きのソナタ形式(提示部の反復指定あり)
序奏部で主短調のニ短調へ転調し、第1主題は4小節ずつの2つのフレーズからなります。第2主題は、イ長調で始まり、コデッタ(小結尾部)はフォルテで開始されます。再現部は、第1主題部が劇的なもので、第2主題は短縮されています。コーダは第1主題に基づくもの。

第2楽章 ト長調 6/8拍子 三部形式
シチリアーノ舞曲のリズムに基づくものの舞曲としては弱いもの。中間部は、ト短調に転じて展開されます。
後半は、ユニゾンでクライマックスが築かれた後、主部が再現し、長大なコーダで2つの独奏ヴァイオリンが登場します。ト長調、変ホ長調、ト短調と転調を繰り返して静かに終わるもの。

第3楽章 ニ長調 3/4拍子三部形式
メヌエットの主題は王朝風の旋律で、トリオではオーボエが主題を奏でますが、レントラー舞曲の旋律法によっています。

第4楽章 ニ長調 2/4拍子 ロンド形式に近いソナタ形式
第1主題は、軽快な舞曲的楽想で提示され、第1主題に挟まれ、第2主題というよりも副次的旋律ともいうべきヘ長調のエピソードが弦で提示されます。再現部では、第1主題の再現が静まると管楽器が呼応した後、第2主題が再現され、そのまま短いコーダになだれ込むものです。

シンプルだけど、明るくて明晰なところがハイドンの良さかもしれません。で、構成がわかればいっそう面白いかも。

C・デイヴィス コンセルトヘボウ 1981年
Colin Davis  Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。爽やかなフレージングと、ピュアな木管のフレーズが絡み、きちんとした、楷書体で描かれて気持ちが良い。← 2枚組BOX 1976年〜81年
ディスク1: 1〜4  交響曲第95番 5〜8 交響曲第98番 9〜12 交響曲第104番「ロンドン」
ディスク2: 1〜4  交響曲第96番「奇蹟」 5〜8 交響曲第102番  9〜12 交響曲第103番「太鼓連打」

1楽章
序奏部分は、「みぃ〜しぃ〜そぉ〜みぃ〜 (みそし) み〜ふぁみふぁ そらそら しぃ〜みぃ〜 どしらそふぁみ らぁ〜 」
「みぃ〜しぃ〜 そぉ〜 みそ そぉ〜ふぁ らそしぃ〜ら どしれ れぇ〜 らみみ〜れ」
この序奏の部分で、えっ 長調から短調に変わるの? この変わり身には驚かされる。
で、ブリュッヘンさんの18世紀で聴いたときのは、出だしの音は、「れぇ〜」って聞こえて来たのだ。でも、C・デイヴィス盤で聴くと、「みぃ〜」って聞こえるのだ。 ワタシには、絶対音感は宿っていない。やっぱり・・・。
どひゃん。この曲は、ニ長調なのである。
気を取り直して聴くと、C・デイヴィス盤は、適度にキレがあり、シャキシャキした食感を残して進んで行く。
弦も木管も、音の通りが良く、録音状態も良いので、とっても聴きやすい。明るいが明るすぎず、これぞ中庸という感じで、まろやかさも適度にある。
「しぃ〜し しししふぁ〜」「しししっ しししっ そそそっ」
フルートとティンパニーの掛け合いも、チャーミングだし、チャカチャカチャカ・・・と進む弦が、とっても好ましい。

2楽章
「れそしれ〜 れどしらそ しらそら ふぁ〜れしらそ みそしれ どしらし ど タララん タララ・・・」
フルートの音色が、とても可愛い。オーボエがさりげなく横にいる。
ティンパニーが入ってくると、ちょっぴり勇壮に変わっていくが、細身の木管が、とても美しい。ラスト近くのヴァイオリンも、小編成になっているのか、ソロで弾いているようだ。モダン楽器を使って、これだけ、小股の切れあがった軽快で、楽しい演奏は、なかなか味わえないように思う。

3楽章
「しっ みそふぁみ〜 (そらしどれみ) みどら そぉ〜」 パン パカパカパ〜ん、と、ちょっぴり威勢よく、胸を張って、踊ってますという感じのメヌエットだ。
とても、古典的な楽曲なのだが、小股が切れあがったところがあり、低弦の響きも、しっかり〜 パラパラパラ〜と奏でられる弦のフレーズも、硬すぎず、柔らかすぎず、丁寧に
中間部の木管は、「しぃ み〜 しそみ〜 しそ ふぁどしら そふぁみ・・・」と小声で囁く。ちょっと弱い感じがするが、豊かな弦が、ちゃんと絡んできておりエスコートをしている。

4楽章
この楽章の当初は、小さな音で奏でているが、なぜ、こんなに弱音で奏でているんだろう。
「らふぁれし らふぁれし・・・」という低弦の音しか、ほとんど聞こえないほどで、う〜ん。で
2つめの主題は、モーツァルトみたいに短調になって、「みぃ〜しし ふぁ〜しし れ〜ししっ」と、「ふぁ〜そぉ〜しぃ〜らっ」と力強く低弦で弾かれていく。
「ん〜チャチャ ん〜チャチャ」と、奏でながら、ラストに持って行くところも、アハハ〜 とっても面白く、意外な展開で、このちっさな主題で、超シンプルな主題を、拡大していくところの手腕には、舌を巻くというか。このシンプルさをモチーフに、交響曲を創り上げてしまうハイドンのテクニックには、完全にまいりました。
この仕掛けは、さすがっ、交響曲を100曲以上、作曲できる方ならでは〜だと思う。

C・デイヴィス盤も、さりげなく演奏しているが、きっちりした仕事人だと思う。ピリオドではないが、愉悦性も高く、ユーモアも感じられて、知らず知らずに口ずさんでしまう。
引き締まった演奏だが、硬くなりすぎず、柔軟性が高い。明るく、くすんでいる。このあたりが絶妙なのだ。
柔らかい筋肉で、総体的に、引き締まった体躯という感じがする。
クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1984年
Christopher Hogwood  Academy of Ancient Music

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は極めて良い。とってもチャーミングで、暖かみがあり、こんな楽しい楽曲だったなんて〜カップリング:
1〜4 ハイドン 交響曲第96番「奇蹟」
5〜8 ハイドン 交響曲第94番「驚愕」
原盤はオワゾリール
1楽章
ホグウッドさんのハイドン交響曲全集は、途中で頓挫してしまったが、この94番と96番、100番と104番を録音した後に、年代順に、全集にするべくスタートしたとのことだ。もうちょっとで全集が完成するところだったのに〜と惜しむ声が多いらしいが、ワタシ的には、ずーっと古楽器演奏は苦手にしていたので、リアルタイムでは知らなかった。
また、ハイドンの全曲を聴こうなんて、そんな怖ろしい無謀なことを試みるつもりもなく〜
いつも、ぼんやり聴いているのだが、ハイドンって、明快というか、ハッキリしててわかりやすい曲が多い。のびやかだし、ジメジメしてなくって、単純なワタシにはうってつけ〜と、最近になってようやく気づいたところだ。
で、ホグウッド盤は、「たたた」「たたた たぁ〜」というリズミカルが強調されており、とっても楽しい。
「ぱん ぱかぱぁ〜ん」というトランペットの音も入ってきて、とっても明るく響く。
ティンパニーっとトランペットの弾む「ん たたた たぁ〜」という音型が続くことの面白さ、明るく活発に、きびきび動くところの動きが、とても明晰に浮かび上がってくる。ブリュッヘン盤と、一緒に聴いて比較しているわけではないので、他盤との比較は難しいのだけど、一気呵成に聴かせる勢いがあって、楽しい。

2楽章
上品なシチリアーノの舞曲風フレーズで、 「そしれ〜 れどしらそ らそふぁそ み〜どらそ〜ふぁ」
弦のフレーズだけで始まるが、後に、フルートとオーボエが、弦のフレーズを追いかけていく。
キュートなフレーズで、「れそし れれれれ・・・」と、いうところの駆け足スタイルは、ホントに女性がつま先立って走っているかのようなリアル感があるし、機微があって、まるで映像が浮かぶようだ。
また、弦のまろやかさ、すっと転調して短調になるとこなど、モーツァルトみたい(って、彼の方があとなのだが)で、チャーミングで、ヴァイオリンの音はキレがあるが、ツンツンせずに美しいし、芳醇な香りがする、とっても上品なモノだと思う。

3楽章
「らぁ れ〜ふぁみれ れしそらぁ〜」というメヌエットだが、軽やかで優美だ。
弦の音質に艶があり、フルートがクラリネットのように聞こえ、少しだけ巻き舌風にトランペットの合いの手が入ってくる。
普通ならクラリネットかなあ〜と思う音が、フルートなんですよね。
古楽器だと思うんだけど〜 ちっとも違和感なく聴ける。チャルメラのようなラッパの音が鳴らないだけでも〜アハハ。
(ワタシ的には、トランペットのチャルメラ音が好きではないのだ。)
宮廷のワルツのような雰囲気に、なにこれ、ラーメン屋さんが来るわけないのに〜 このチャルメラはヤメテぇ〜っと、古楽器の演奏されるトランペットに、怖ろしく薄く、ぴらぴらしたオーボエの音も好きではないかったのだ。
でも、このホグウッド盤は、どんな楽器を使っているんだろ。
ここで吹かれているオーボエは、きりっとしているが、モダン楽器と違和感なく、弦のふわっとした旋律は豊かで上品に奏でられている。

4楽章
はじめは、とっても弱音で奏でられているが、「しそふぁ しそふぁ らふぁれ らふぁれ・・・」と、小鳥たちが鳴いているかのような旋律が可愛い。で、録音状態も良く、フルートの残響がとても美しく響いている。
なーんて可愛いのぉ〜っと思っていると、ちょっと怪しげな雲行きの音が挟まれるが、また、元の主題に戻って、今度はティンパニーが絡んでくる。
この一瞬短調になったの?と思わせるところと、また直ぐに元に戻るところの素早さ。そして、ジャンジャカ ジャンジャンジャンっという、粗いものではなく、ホグウッド盤は、あくまでもキュートで、弱音をとても大切に扱っていて、鳥の鳴き声のようんだったフレーズが、段々と、密やかに囁かれる、愛の語らいのようにも聞こえてくる。
とっても繊細で、へぇ〜 こんな美しくてチャーミングな楽曲だったんだ。
この4楽章は、ホント、立体的に響いてて、ウィットにも機微に富んでいて、あーっ とってもシアワセな感じになってくる。
軍楽隊の音楽のように、派手でもないし、無窮動のようにも、単なる同じ音型を繰り返してるワケでもなく、暖かみのある人の囁きのように聞こえてくるところが、やっぱり凄いっ。
すごいっ こんなチャーミングな楽曲だったなんて、知りませんでした。
あーっ もっとホグウッドさんのハイドンを聴いていればよかったと、猛省しちゃいました。

ブリュッヘン 18世紀オーケストラ 1993年
Frans Brüggen Orchestra of the 18th Century Haydn

いかすぜっ

録音状態は良い。メリハリのある快活な演奏。
カップリング:ザロモン(ロンドン)セット 4枚組のなかの1枚
1楽章
序奏部分 「れぇ〜 ら〜ふぁ〜 れふぁら れっどれ〜み ふぁ〜みふぁら れ〜ど」
「しらそふぁ みれそ〜ふぁみ しらそ」「れぇ〜 ら〜ふぁ〜」
弦の調べが艶やかだなあ〜と感じるものの、何を聴いても印象に残らず金太郎飴のごとく聞こえてしまう。
しばらく経ってしまうと忘れてしまう。 長い音とパラパラした弦が挟まって快速。それしかワカラナイ。
リズミカルで心地良いのだけど、「う〜 パパパ ら〜 パパパ・・・」
1音目が弦と金管、ティンパニーが入ってきて活発だなあ。
「れ〜(らら らしどれれみ〜) ど〜 ど〜 ふぁ〜」← すこぶる単純な筈なんだけど。
「ら〜 ららら し〜 しっどみれどし ら〜パパパ・・・」「らっらら らっらら」
まあ、旋律がチャーミングなのだが、ついつい浪漫派的な楽曲を聴いている耳には、ツマランと思ってしまうところがある。
ハイドンって、本当は、基本中の基本だよなあ。と思いながらも、飽きちゃうんですね。スミマセン。
録音状態も極めて良いし、奥行きもあり、リズムもパラララ〜っと続くし、適度にアクセントを効かせてあるので、活発で良いです。(それしか言えない)

2楽章
「そしれ〜 れどしらそ らそふぁそ み〜どらそ〜」
この部分はアンダンテなので、ゆっくり。
「れそしれ(そしれ〜) れどしらそ(しれそ〜) らそふぁそ(らどみ〜)」フルートとオーボエが、弦のフレーズを追いかけていく。↑ 音が間違っているかも。
ここの楽章は、可愛い。牧歌的だし、ほっとひといきつける清涼飲料水みたいだ。
後半は、ティンパニーが入ってきて重量感がでてくるけれど、弦と木管の追い駆けっこが楽しいし、まるで、 お子ちゃま向けって感じだけど、童心に返る感じで、とても和む。
前半の主題が、戻ってきて繰り返される。 ブリュッヘンさんの演奏は、古楽器だけど、この曲に関しては音がキツク感じない。 ヴァイオリンの音は、さほど変わらない気もする。弦の弓が、今引かれているっていう感触というか、摩擦的な音がちょっぴり残っているけれど、そこが良いのかもしれないなあと思う。

3楽章
「らぁ れ〜ふぁみれ(そらしどれ〜) れっしそら〜 らら らど らど〜」
華麗なメヌエットで、すごく明るくて、パラララ〜っと吹かれており、ラッパ風に聞こえる。
この演奏で使われているティンパニーって、どんな形をしているのか知らないが、「タン タタタ タ〜ン タン タタタ タ〜ン」 いつも聴く響きと違って、緩めに聞こえる。 
オーボエだと思う。「れ〜 らふぁれ〜 らそ みしらそふぁみれ〜 みふぁふぁ らそそっそ〜」
メチャ細めの高い音で、う〜ん綺麗。チャルメラみたいな音とは、ぜーっんぜん違います。
この楽章で、この音を聴けたのが嬉しい。トリル部分も、ちょっとひらっぺったい音なのだが可愛い。

4楽章
最初は弱音器をつけているのか、小さな音量で弦が奏でてくる。
「らふぁ らふぁ らふぁらふぁれ〜」フルートと弦が絡んでしばらく奏でられた後、金管が絡むという仕掛け。
「ふぁみれど しふぁみれ どっしど〜」「ジャン ジャカジャカ ジャカジャカ」
カッコウが鳴いているような笛 フルートじゃないと思うんだけどなあ。清流沿いの風景のように聞こえてくる。音量がいきなりあがって、金管の開放的な艶のある音色が入ってくる。ちょっぴり強め。
ブリュッヘン盤は、全体的に快活で活気があるというか、メリハリがついている。
楽曲自体が平明で、わかりやすいこともあって、古楽器は苦手なのだが、あまり気にすることなく、するり〜っと聴ける。
ちょっぴり、音質としては彩度が強めな感じを受けるけれど〜。

1972年 ドラティ フィルハーモニア・フンガリカ Dec  
1981年 C・デイヴィス コンセルトヘボウ Ph ★★★★★
1984年 ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 Dec ★★★★★
1987年 アーノンクール コンセルトヘボウ  
1987年 ブリュッヘン 18世紀オーケストラ Ph ★★★
所有盤を整理中です。

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