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マルチヌー 交響曲第6番「交響的幻想曲」
Martinu:
Symphony No.6


マルチヌーの交響曲第6番は、「交響的幻想曲」という副題があり、1953年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
ボストン交響楽団の依頼で1953年に書かれ、55年にミュンシュの指揮で初演されています。
当初は、この作品を第6番と呼ぶつもりはなく、「3つの交響的幻想曲」と名付けたベルリオーズにあやかって「新幻想交響曲」の名称を冠する予定だったそうですが、最終的には「交響的幻想曲」に変更したそうです。
ロジェストヴェンスキーは、この作品について「なんと豊かな世界だろう。もう50年生きられるのであれば、マルティヌーの全作品を演奏したいのだが」と語ったのだそうです。

第1楽章 Lento 
フルートと弦を伴って2本のトランペットが、第1主題を奏します。第2主題は、ドヴォルザークのレクイエムからの引用によるもので、この主題が全曲の中心的役割を果たしています。
独奏チェロに現れる主題は、フルートに橋渡しされ、弦が高潮してから、フルートが主題を繰り返し、弦のみによる経過部でキリエ主題を提示します。オーボエがこれに続き、管楽器と弦のかけあう内に、トゥッティとなって盛り上がります。
これが収束すると、ピッコロが旋律を繰り返し、打楽器を伴ったヴァイオリンの独奏により、カデンツァ的な旋律となります。弦のみキリエ主題を再現し、冒頭の主題が回帰してきます。フルートが旋律を奏した後、ヘ長調で幕を閉じるもの。

第2楽章 Scherzo Poco allegro
弦のトレモロを背景に、フルートがスケルツォ主題を提示します。ヴィオラが、叙情的なトリオ主題を提示します。
トロンボーンのコラールの上で、弦のピッツィカートが旋律を繰り返すと、オーボエが主題を奏し、直後にトランペットが動機を提示し、トッテイで進むもの。

第3楽章 Lento
ヴァイオリンと木管が主題を提示し、ティンパニとコントラバスのピッツィカートを背景に、チェロがキリエ主題を逆行したものを提示します。弦だけの経過句で木管が入り、フルートに天上の音楽が現れる。
トランペットが吹かれ、同じ旋律が繰り返されます。
これが下火になるとクラリネットが先の主題を提示し、木管が加わって管楽五重奏により望郷の歌が現れます。
その後、歌劇「ジュリエッタ」からの引用があり、トランペットが、キリエ逆行主題を吹いた後、タムタムの一撃があります。
弦のユニゾンを経て、ヴァイオリンがキリエ逆行主題を奏し、管と弦が変ホ長調で終止するもの。
演奏時間は、約25分です。

ノイマン チェコ・フィル 1984年
Vaclav Neumann
Ceska filharmonie
(Czech Philharmonic Orchestra)



録音状態は良い。この楽曲自体、どう聴けば良いのだろう〜ちょっと困っている。
カップリング:
1〜3 マルチヌー 交響曲第3番(1982年)
4〜6 マルチヌー 交響曲第6番「交響的幻想曲」(1984年)

1楽章
「そぉ〜 そそそそ そそそそ そらぁ〜 らららら らららら そぉ〜 そぉ〜そそそそ ・・・しししし どぉ〜」
なんだか、蚊が鳴いているような音が聞こえる。
弦のもわもわ〜 そこにミュート付きのトランペットの短い音が断続的に吹かれている。
バックの弦の揺らめき、木管の(クラリネットだと思う)もごもご〜とした雰囲気が、まるで幽霊が出てきそうな感じで、ふわふわした音から始まる。薄気味悪い出だしだ。

チェロが、「そぉ〜 らふぁそ らふぁ〜そ そぉ〜ら そぉ〜ら」と、ヴァイオリンの高音の「そぉ〜 らふぁ〜」が奏でられたあと、同じようにフルートが「しぃ〜らふぁみ しぃ〜」と吹かれていく。
「そふぁ〜らふぁ どぉ〜ふぁ〜みどぉ〜」「そふぁ どぉ〜 そふぁ どぉ〜」 
不気味な出だしだったが、「らふぁみ しぃ〜っ」て感じで、フルートが同じ音型を吹いていくところは、とても美しい。
冒頭こそ、これは、前衛のゲンダイオンガクか。と身構えたが、いやいや〜随所に、和音の美しさが感じられる。

で、金管の短いパッセージ、弦の短いフレーズが続いたあと、「そぉ〜 らしそぉ〜みれ みそぉ〜 そらしそぉ れみそ ふぁれみぃ〜」と、弦の柔らかい音が奏でられる。
が、金管によって破られる。ん〜 弦による美しいフレーズが、パコパコっとした金管や、ティンパニーの激しい叩きなどによって暴力的に、軋みによって破られる。
木管群も美しいハーモニーを奏でているのだが、これは、弦と管の戦いって感じだろうか。

ヴァイオリンのソロが入ってくるが、はあ? ちょっと壊れた変人のように奏でている。ああ〜 金管に暴力を振るわれて、やられちまったんだ。
しかし、「そぉ〜 らし そぉ〜 みぃれ みそぉ〜 そぉ〜らしそぉ〜れ みそ ふぁれ〜」という主題が戻ってくる。
不協和音的だし、短いパッセージで繋がっており、不安定な要素が多くを占めているが、随所に美しさが顔を覗かせる。
まあ、ラストは、冒頭のフワフワした蚊の鳴いているような幽霊のような場面に戻るのだが・・・。

2楽章
またまた、冒頭は、弦のかしげた音に、フルート、金管の壊れたような短いパッセージ
で、クラリネットが、蚊のような音で、うごうごうご・・・と半音の混じった、もわっとした音を出してくる。
いや〜 これって、何拍子なんですかね。3つの音で、うごうごうご〜っと鳴っているんだから、3拍子ですよね。
でも、金管って、2拍子なの? あーっ わかんない。
で、弦がまた美しい-旋律を奏でてくるのだが、このあたりの和音を聴くと、あっ これはマルティヌーってわかる。
トロンボーンが、「そぉ〜らぁ〜 そそ どぉ〜 らぁ〜 (そぉ〜)」 
低弦の「れど れど れど れどっ」のなかで、オーボエが、「そどそぉ〜 れ みふぁ〜 み〜れ〜 ふぁどぉ〜」
「そど れぃ〜し しぃ〜ふぁ〜 ら〜し どら〜 し〜 ふぁし れ どみ しぃ〜」 
とても不思議な、教会旋法かしらん。という旋律を奏でていく。

またまた、トランペットが怪しげなパッセージを吹いて、場面が展開する。
この金管は、暴力的というか、いろんな要素が、入れ替わり立ち替わり出てきて、とっても、慌ただしい。
次々に、パーカッション群も登場するが、美しい抒情的なシーンになって落ち着いたと思うと、打楽器と金管が、これを打ち破ってくる。これは、軍隊か?

3楽章
「そぉ〜ふぁ そぉ〜みぃ ふぁ〜 そ そし そふぁ らふぁ〜 みどぉ〜 らふぁ〜 ふぁみ〜」 
ポン ポポン・・・
「どふぁ〜み そふぁ〜 れふぁ〜 どみぃ〜ふぁぁ」と、チェロが入ってくる。
(あの〜 一応半音がイッパイついているので、音は正確ではありません。)
ああっ これが、キリエ主題の逆バージョンなのか。「らっら〜 そら しらぁ〜」と、フルートが入ってきて、ヴァイオリンの旋律は、とても美しいモノとなっている。
冒頭は、どこか悲痛な感じだったのだが、弦が入ってくると、宗教音楽のように、安定した穏やかなモノに変わる。
しかし、細かく動く弦と、金管が鳴り響くと、とても慌ただしく、きな臭く、不安な様相を表してくるのだが、すぐに静まると、次は、木管の室内楽的な調べになる。
う〜ん 美しい調べと、危険イッパイの警告的な音楽とが、交互に現れてくるので、とても慌ただしく、落ち着かない。
これが、このマルティヌーの作曲した頃の世情なのだろうか。
ラストは、弦のユニゾンで、レクイエムのキリエ このキリエ主題の逆行だというが〜 逆向きに移動している?
素人の耳では、ちょっと、わかりづらい。

総体的には、郷愁を醸し出すフレーズや、大都会の危険な雰囲気とか、教会での旋律や、軍隊の来襲とか、グローバル世界に突入したかのような、ごった煮の世界を描いているようだ。
美しい旋律は、随所に見られるものの、すぐに遮られ、対○○って感じで描かれている。
平和を祈念するかのような楽曲という気がする。完全に前衛ではないし、わかりづらいものでもない。
もっと聴かれても良い感じはするが、特に盛り上がるわけでもないし・・・。
ちょっと、困った感じで、う〜ん。静かに終わってしまった。
1984年 ノイマン チェコ・フィル Sup ★★★
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