「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

メンデルスゾーン 交響曲第2番「賛歌」
Mendelssohn: Symphony No.2 "Lobgesang" (Hymn of Praise)


  カラヤン ベルリン・フィル 1972年
Herbert von Karajan  Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)
テノール:ヴェルナー・ホルヴェーク Werner Hollweg
ソプラノ:エディット・マティス Edith Mathis
ソプラノ:リーゼロッテ・レープマン Liselotte Rebmann
ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団



録音状態は良い。端正に、瑞々しく流麗である。← 交響曲全集
メンデルスゾーンの交響曲第2番「賛歌」って、マイナーな曲である。交響曲っていいながら、2部にわかれていて、前半はシンフォニーになっているが、後半の2部は、カンタータ風なのだ。
一応、下記のとおりの構成となっている。

第1部
第1曲 シンフォニア
 1楽章 マエストーソ・コン・モート−アレグロ(アタッカ)
 2楽章 アレグレット・ウン・ポコ・アジタート
 3楽章 アダージョ・レリジオーソ
第2部
第2曲(合唱) 息づくものはすべて、主をたたえよ
第3曲(アリア) お前たちは主により救済されたと唱えよ
第4曲(合唱) お前たちは主によりて
第5曲(ソプラノ・合唱) 私は主を待ち焦がれ
第6曲(アリア) 死の絆は、われらを囲み
第7曲(合唱) 夜は過ぎ去ったのだ
第8曲(合唱) 今やみなは心と口と手をもって
第9曲(アリア) こうしたわけで、私は自分の歌で
第10曲(合唱) お前たちの種族よ、主に栄光と権力を与えよ


簡単に言っちゃえば、ベートーヴェンの第9番「合唱」のような感じ。(えっ ウッソ〜 笑)
年末に、あちこちで取り上げられる「合唱」のような構成だが、まーったく違った雰囲気を持ってて、ウジウジと、ベートーヴェンが、まどろっこしく悩み苦しみ、そっから、なんだか唐突に吹っ切れたように、どひゃ〜ん。と、人間臭く歌い始めるのに対して、メンデルスゾーンは、当初から疑いもなく、素朴に賛歌を歌う。
まっ 作曲家2人の性格が違うっちゃー、全く違うのである。

で、2番ってことになっているが、作曲された順番は、1番→5番→4番→2番→3番である。
有名な4番のイタリアと、3番のスコットランドの間に挟まれた曲で、ドイツに戻ってきた作品って感じだ。
教科書にも載っているグーテンベルクさんの印刷技術400周年のために作曲されたんだそうである。

カラヤン盤は、耽美的にもならず、すっきり端正で格調も高いし、整然としている。
第1部の冒頭、コラールのトランペットが高らかに鳴ってくる。
「そ〜らそ どどど〜 れふぁみみ〜」 続いて弦が同じフレーズを奏でる。
「み〜れみ どど〜 しらみ〜」「みふぁみ ららら〜」「ど〜れど ふぁふぁふぁ」
「そ〜らそ どどど れ ふぁみみ〜」「そらそ どどど〜 れふぁみみ〜」

まあ、この冒頭だけで、ノックダウン。
力強く、少し抑え気味の艶のある金管が、整然と吹いてくる。
印象的なコラールで、第2部にも登場してくるし、これがモチーフとなって循環して曲を構成している。
第5番の「宗教改革」と、よく似た雰囲気を持っており、まるで双子のようだ。
ちなみに第5番の「宗教改革」は、冒頭に「ドレスデン・アーメン」が、4楽章では、ルターのコラール「神は、我がやぐら」がモチーフに使われている。

で、この2番、冒頭のトロンボーンの主題が、とにかく圧倒的だが、押し付けがましくなく、いきなり神々しい世界に引きこまれていく。つづく弦の柔らかな響きが、爽やかだ。う〜ん。メンデルスゾーンの良さは、柑橘系のような爽やかさ。これにつきる。って思ってしまう。
弦部も、「み〜ふぁみららら し〜れどど〜」を繰り返し、金管の力強い「そ〜らそ どどどぉ〜」が、バックにて推進力となっている。
カラヤン盤では、軽やかなくせに厳かで、柔らかく、細かい弦の動きを交えてスイスイと奏でていく。
この楽曲は、明るいし晴れやかなのだ。ベルリン・フィルの弦のアンサンブルが整然としているし、重々しくなっていない。1楽章から3楽章まで、清々しく一気に駆け抜けていく。
これが、結構意外だった。カラヤンとメンデルスゾーンって、相性が、よろしくないだろうと思い、ゴテゴテと装飾的なのかと思ったが、意外や意外、端正で、すっきり系でまとまっている。
3番のスコットランドも流麗だったが、この2番でも流麗さは健在だ。やっぱり、みごとだと思う。
2楽章 「どれみ〜そふぁみ〜 どれみ〜らふぁみ〜 れみふぁ〜どし〜ふぁみ〜しみ み〜れそふぁみ」
歌謡風でありながら、弦のピチカートが爽やかで春風のような心地よさがある。
全編が、歌詞のように流れ、広がっていくのがわかるのだが、いかんせん賛歌の歌詞が、イマイチわからないことと、宗教観がつかめないのが悲しい。
が、しかし音の響きが、素朴な幸せにあふれてて伸びやかさを感じられる。

〜第2部の冒頭だけ〜

Alles, was Odem hat, lobe den Herrn!
Hallelujah, lobe den Herrn!
Lobt den Herrn mit Saitenspiel,lobt ihn mit eurem Liede!
Und alles Fleisch lobe seinen heiligen Namen.

Alles, was Odem hat, lobe den Herrn!
Molto più moderato ma con fuoco
Lobe den Herrn, meine Seele,
Und was in mir ist, seinen heiligen Namen!
Und vergiß es nicht, was er dir Gutes getan.

息づくものはすべて、主をたたえよ!
ハレルヤ、主をたたえよ!
弦を奏でて主をたたえよ!
汝らの歌で主をたたえよ!
そして生きとし生けるものはすべて、かの聖なる御名をたたえよ。
息づくものはすべて、主をたたえよ!
主をたたえよ、わが魂、わが内なるものよ、かの聖なる御名をたたえよ!
主をたたえよ、わが魂、 そして忘れるな、主がお前に慈しみを与えられたことを。
 

ドホナーニ ウィーン・フィル 1976年
Christoph von Dohnányi  Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)


録音状態は良い。すっきり端正辛口なのだが、静かに燃えていくところが、格好良い。カップリング:メンデルスゾーン 交響曲第1番〜5番、序曲「静かな海と楽しい航海」、序曲「フィンガルの洞窟」
ソプラノ:ソナ・ガザリアン Sona Ghazarian
ソプラノ:エディタ・グルベローヴァ Edita Gruberova
テノール:ヴェルナー・クレン Werner Krenn

ドボナーニさんって、クール系の演奏をする方というイメージがある。
確かに、そうだし、もっとダサク演出してくれてもよさそうなモノだが、結構、淡々と進むのだ。
第1部の冒頭、コラールのトランペットと弦が絡むところ〜
「そ〜らそ どどど〜 れふぁみみ〜」 「み〜れみ どど〜 しらみ〜」
「みふぁみ ららら〜」「ど〜れど ふぁふぁふぁ」
「そ〜らそ どどど れ ふぁみみ〜」「そらそ どどど〜 れふぁみみ〜」
ゆったりした歩みで、ウィーン・フィルの美音で始まるが、大して、美音じゃーないような。他のオケと、差がないような気もする。
もっと、優美に華麗かと思ったのだけど、へえ。意外と素っ気ない。ホントに冒頭はゆったりしているくせに、弦が絡み始めると、結構テンポアップしてて速いのだ。
この楽曲、オケの部分だと、もっとな〜外向的でポジティブに演奏して欲しいと感じちゃうのだ。
言うなれば、クサク演じて欲しいってところだろうか。
あー ちょっと、もちっと、粘ってくれてもヨサゲなのに。と、欲を出して〜って感じちゃう。
でも、この方、演技しないんだよねえ。
まあ今風としては、淡泊で良いんでしょうけど・・・。私的にはやっぱ、大層なクサイ演出が欲しいって思うところなのだ。
演技は演技で、みられるんだけどなあ〜
(年を重ねると、そんなモン。 ハッタリが、ハッタリとして面白く感じる余裕が出来るってことだろうか・・・)
せっかくウィーン・フィルなんだから〜と、ちょと文句を言いたいところ。
だが〜 カンタータ風に流れてくる第2部になると、結構熱くなってくる。たとえ、BGMに流してきてたとしても〜 ん? と耳がそばだってくるのだ。う〜 何故なのか。推進力があって、スイスイと力強く出てくるからだろうか。いや、違う〜 余裕が感じられる。
カラヤン盤も、壮麗さはあり、優美、流麗だ。でも、ドホナーニ盤は、オケ部分が、素っ気なく感じられた分、ここで取り戻されるかのように、演じられているように思う。

もっと厚みがあっても嬉しいんですけどね。実は・・・。
オケの最後と合唱が、引き継がれていく場面も、わりとすんなり移行しているし、弦の推進力パワーに支えられて、コーラス隊が清潔な歌声を響かせる。
まっ 端正というよりは、ホントは、すっきりし過ぎてるんですけど、感動はジンワリ〜後からやってくる。
今となっては、ちょっと古めのCDなのだけど、じんわーり、燃えてくれるところが嬉しい。
多分〜 多分ですけど、独唱者たちのパワーにひきづり込まれていくんじゃないだろうか。
このソロ部隊は、私的には気持ちの良い役者のように思える。私的にはドホナーニさんのオケより、う〜ん、役者が上だよなあ。って思ってしまった。

とびっきり録音状態は良いとは言えない。
で、メンデルスゾーンの交響曲だと、一般的には、アバド盤が、普通はお薦めになるんだと思うのだけど、素っ気ないふりしたって〜 結構、ドホナーニ盤は格好が良い。ワタシ的には好きである。
それより、もっと、メンデルスゾーンのシンフォニーって、選択肢があれば嬉しいんだけどなあ。
意外と、3番、4番しか録音しない指揮者の方が多く。悲しい状態である。
確かに、スコットランドもイタリアも好きなのだが〜 5番、2番が好きなワタシとしては、う〜、もうちょっと、選択肢が欲しいですね。

まっ 今的ではなく、流行らないとは思うんですけど・・・。(← 認めちゃう)
なかなかに味があって、懐古調 古き良き時代、そうですね〜 白黒映画でも見ようかな〜名画だし。というセンスをお持ちの方なら、結構、受け入れられると思います。
教会の雰囲気、教会旋法に興味があったり、襟を正して正座して聴きましょう〜という感じではなく、普段づかいの楽曲で良いのだけど、ちょっと静謐で、晴れやかさもあって、清潔感のある楽曲を聴きたいっていう場合は、メンデルスゾーンさんも選択可能だと思う。
  アバド ロンドン交響楽団 1985年
Claudio Abbado  London Symphony Orchestra
ソプラノ:エリザベス・コルネル、カリタ・マッティラ
テノール:ハンス・ペーター・ブロホビィツ

あれ〜変 だよ。

録音状態は良い。ついつい、自然体でする〜っと入ってきては、、、
ジャケット写真は、交響曲全曲と序曲の入った盤である。
第1部の冒頭のフレーズ、「そ〜らそ どどど〜 れ〜ふぁみみ〜」という冒頭が、まろやかに大きく膨らんで堂々と響く。
かなり恰幅の良い演奏である。
線のぐい〜っと伸びた、若々しい演奏だと思う。

さほどクリアーな録音ではないのだが、膨らみ感というか、暖かみのある響きには聞こえるし、低音部分の響きも悪くない。
柔らかく、柔軟なのだ。ドホナーニ盤のように、さっぱり系ではなく、明るくて開放的な粘着性って感じだろうか。
ただ、ごたいそうな荘厳さは感じないので、わりと、さっぱり聞けてしまう。

長い74分の楽曲なので、ついつい、BGMにしてしまいがちなのだが、特に、アバド盤を聞いていると、その傾向が強くなってしまって〜(苦笑) あれっ もう終わっちゃった・・・ また最初から。として聞くことが多い。
実は、これを書くにあたって、休日、ずーっと、このCDをかけていたのだけど。改めて、言葉にしようと思うものの、う〜ん 湧いてこなくて、超困ってしまったのである。正直すぎるコメントで申し訳ないけれど〜
自然体っと言えばよいだろうか。すーっと入ってきて、すーっと抜けてしまうような、嫌みのない演奏です。(笑)

なんて罰当たりなコメントを書いているんだろ〜と思いつつも、いや、この演奏は、これで良いのかもしれないな〜と思っている。素朴だけど、すっと気持ちの良い演奏なのだ。ワタシ的には、冒頭こそ印象的なフレーズだが、そのうち、す〜っと耳に馴染んで、高らかに歌うわけでも田舎の教会のようで、親しみが持てるのだ。もちろん、高らかに歌っているところもあるのだが、胸を張って馬力のある演奏を聴きたい場合は、他の盤でも良い気がする。

  マーク マドリッド交響楽団 1997年
Peter Maag  Orquesta Sinfonica de Madrid
(Madrid Symphony Orchestra)

完全に怒っちゃった

録音状態は良くない。風呂場的で、ぼんやりしており、音量もボリュームをあげないと充分じゃないし。う〜困ってしまう。

 

マークといえば、メンデルスゾーン。メンデルスゾーンと言えばマークというのが、昔の定番だったようである。
3番の「スコットランド」が有名で、十八番だったようなのだが〜
アホなワタシは、1960年録音のロンドン響を買わず、録音年の新しい方を全集で買った。
う〜ん。90年代半ばだと言うのに、う〜 録音状態は、お世辞にも良いとはいえない。
ボコボコしてるのだ。風呂場的な残響で、演奏が良いとしても、今聴くのは、ちょっと〜どうかな。って感じなのである。
いや、ホンネを言うと・・・ がっくし。である。

1部のオケだけの部分、冒頭の金管は、まあまあだし、弦だってまずまず。
でも、ティンパニーが入ってくると、どーもスカンのである。大太鼓のように、ボンボン鳴ってきて、気になってしまう。(あくまでも個人的な意見だけど)  生暖かいぬるま湯につかって、ふやけてしまったみたいで〜 気持ちが悪い。
もっと、瑞々しい音の響きが欲しいかなあ。って思う。晴れやかな祝祭的な楽曲なので、ヌケがよろしくないと〜 それだけで、イマイチって言わざるを得ない。
それに、推進力が足らないって感じがする。
2楽章は、おとなしいフレーズで綺麗だと思う。でも、なーんか寂しさが漂ってきて、悲しくなっちゃう。
3楽章は、沈んだ内省的な演奏だ。小さな教会で祈りを捧げるって感じの雰囲気は、よくでているのだけど、心情的には共感できても、なーんかモノ足らないモノを感じさせてしまう。
どうしてなのかなあ。アンサンブルなのか、録音の悪さに文句があるのか、う〜ん。フレージングは綺麗だと思うんだけど。密度が薄いって感じちゃうのかも。
2部の声楽が入ってきたところは、穏やかに聴けるのだが、やっぱ平板的だ。響かないなー
演奏も、勢いが少なく、活気がないし、伸びやかさに欠けてて、やっぱ〜 ゴメンなさい。
録音状態が良ければ〜と思わなくもないが、やっぱり他の盤を買った方が良いと思う。スミマセン。
1967年 サヴァリッシュ ニュー・フィルハーモニア Ph  
1972年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★★
1976年 ドホナーニ ウィーン・フィル Dec ★★★★
1979年 シャイー ロンドン・フィル Ph  
1985年 アバド  ロンドン交響楽団 ★★★★
1997年 マーク マドリッド交響楽団 ARTS ★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved