「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

モーツァルト 交響曲第25番
Mozart: Symphony No.25


ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1979年
Christopher Hogwood
Academy of Ancient Music



録音状態は極めて良い。発売当時、古楽器を使用した先駆的な盤で、目から鱗状態だった。今も、バッチリ。
カップリング:モーツァルト交響曲第25番、29番

ワタシが所有している盤は2曲だけの収録だが、現在31番もカップリングされている盤もある。
結局、ダブリ買いをしているのだが、下のジャケット写真のように、4大交響曲集(25番、38番、40番、41番)の2枚組もあり、他に交響曲全集(19枚組BOX)もある。
原盤は、オワゾリール(L'Oiseau-Lyre)

 

モーツァルトは苦手だぁ〜と言いつつも、ハイ、この25番は知っています。
映画「アマデウス」に使われた曲っていうことで、とても有名な楽曲だ。
で、41曲もある交響曲のうち、短調で書かれているのは、この25番と40番しかない。というのも有名なお話である。が、ワタシ、お恥ずかしながら、映画「アマデウス」に使われているフレーズ、25番の1楽章しか聞いたことがなくって・・・ このホグウッド盤も、昔に買っていたものの、ずーっとお蔵入り。
まっ CDを買った当初は、何度か繰り返して聴いてたとは思うんですが、今、さらっとしてて、気持ちが良い演奏だな〜って思えるんだけど。何故、お蔵入り状態なってしまったでしょ。あ〜 モッタイナイ。
(多分、トラウマの直接原因は、アーノンクール盤だと思うんですけどねえ。)

1楽章
有名な、「そそぉそそ れれれれ みみみみ ふぁふぁふぁ そしれそ しらそら そしれそ しらそら」
この冒頭、ものすごーく響きの良い録音状態で、エコーのように、倍音状態になって出てくる。
コンマ何秒という輪唱状態っていうか。とっても不思議な響きになっている。
ちょっとオーバーに書いちゃうと、「そ そぉーぅそうそうそうそ れれぇーれぇれぇ みみーみぃみぃ」って聞こえるのだ。この冒頭のヴァイオリンのフレーズが面白い。
低音の弦の響きも、ものすごーく響いているし、もちろんオーボエも印象的だ。
タランっ タタタ タランっタタタ、ホルンの響きも力強いし、ん タタタ ん タタタっとよく響いているし、
いや〜 この演奏楽しいわあ。

で、このCD、通奏低音がチェンバロになっていると思う。
だから、ものすごく透明感のある響きのよい、極めてリズミカルで弾むような、快活な演奏なのだろうな〜と思う。25番のイメージとしては、もう少し暗くて、じめっとしてて〜 なにやら、どこか謎めいてて、どこか底を覗いている感じでも良いんだけどな〜と思ってしまったが。

ホグウッド盤は、繊細な響きを持ちながら、清潔で、さほどアクの強い演奏ではない。
やっぱチェンバロが入っているからか、独特の煌めきのある響きがあって、特に冒頭のフレーズを何度聴いても、飽きない新鮮さがある。
さほど、強いアクセントが付いているわけでもないし、アクの強い、癖の強い、なーんとも嫌みな音ではないので、とっても聞きやすい。古楽器というので、とっつきづらかったが、今や主流だし〜 
この綺麗な響きは、う〜ん。21世紀に残れるCDだな〜ってホントに思えちゃう。
今、聴いても、とーっても新鮮で、目から鱗状態だ。
何故、このCDが発売された当時、もっと聞き込んでこなかったんだろうなあ〜。ちょっぴり後悔。
特に、チェロだと思うんだが、良い音でバランス良く入っているし、良い響きでリズミカル。
怒り爆発っ、という、疾風怒濤のような演奏ではなく、落ち着いた快活さだと思う。モノ足らないという方もおられるかもしれないが、ワタシ的には、すこぶるOKっ。

2楽章
「どしら〜 れどし〜 しらそ〜 どしら〜 っふぁふぁっそぉ〜」
1楽章とはうって変わって、とっても柔らかい緩楽章。ホルンの柔らかい響きが、ベビーベッドに寝ている赤ちゃんの寝顔を、ずーっと眺めているような感じさえする。
弱音のヴァイオリンの柔らかい音、「しっしっしっしっ れしそふぁ み〜ふぁ ふぁ〜っそ どらそっ」
「ふぁっふぁ〜ど れっれ〜ど どっし〜 し〜れ〜 そふぁ〜 し〜らっ」って感じのフレーズしか奏でてこない。すーすーっ まるで赤ちゃんの寝息のようだ。

3楽章
「そっ れっ そぉ しぃ〜どら そっふぁっそ らふぁれっ」
「どっどっどっ し〜どれど ふぁふぁふぁっ〜 み〜ふぁそふぁっ」
「そっそっそっ ふぁ〜どっしっ しら そふぁそっ」
メヌエットの楽章で、ノビのある艶のある弦の響き、活き活きとしているが、少しくぐもったフレーズだ。
大人びた憂いのあるフレーズだ。
中間部は、オーボエのフレーズが登場する。
「れぇ〜しそ そふぁ ふぁっふぁっ ふぁ〜ど しらそふぁ そしれ」
「そふぁみ ら〜 そふぁ ふぁら そふぁ」
オーボエとファゴットの二重奏って感じだ。「れどしら そふぁみれ・・・」と可愛く落ちていく。
木管のフレーズが、柔らく、柔軟性が高く、軽やかでありながら、艶があって、すーっとした柔らかい曲線を描きながらも、伸ばすところの力強さがあって、しっかりリズムが生きている。

4楽章
小さい音で始まるのだが、歯切れの良い1楽章が甦ってくるらしい。
「どっそ み〜れ」「どそみっそ」「そっれ しぃ〜らっ」「それしっら」
柔らかいが、どこか渋い音のホルンが、歯切れのよく、リズムをつくっている。
チェンバロが奥まったところで、カチャカチャ言っている感じがするのと、柔らかいけれどホルンの音の広がり感が出ていて、そのくせ、アセアセっと、しているかのように奏でられる。
どっか、焦りのようなフレーズで、ちょっと焦燥感というか、不安定で〜 音の濁り感が面白い。
あっ そうか。シンコペーションが入っているから、そう感じるのかも。

それにしても、ホグウッド盤は、ストリングスの軽やかさが良く表現されてて、「みぃ〜れ どっそ みぃ〜れ どっそ」と、明るく締めくくられるところが良い。
そして、カチャカチャと2つの弦の間を行き来する音が、合わさっている。
この当時、ホルンって、ナチュラルホルンなのか、バルブ式じゃーないんだろうね。ホルンが4本使われているというが、ワタシの耳では、、、あはっ。心許ない。
それにしても、この曲、なんでもモーツァルトが17歳の時に創ったモノだったらしい。
ぎゃふん。恐れ入りました。この曲、クラリネットは使用されていないのに、木管もしっかり2楽章、3楽章で活躍しているし〜なかなか楽しい曲です。
ホグウッド盤は、快活に演奏されており、キビキビした動きが見えるようで〜 メチャ楽しい。
もっと早い時期に聴いてれば、、、ワタシ、モーツァルトに親しめたかもっ。
ちょっとは苦手意識が薄れるかもしれないですねぇ。録音状態もメチャ良いし、、、
今更ながらに、全集買おうかしらん。って思っています。初心者でスミマセン。(笑)

コープマン アムステルダム・バロック管弦楽団 1988年
Ton Koopman
Amsterdam Baroque Orchestra



録音状態は良い。少し残響は多め。
テンポは速めだが、柔らかく響くし、適度に翳りもあるのだが、なんか、客観的過ぎて〜素っ気ない気もするが、耳には心地良い。
まあ、別のシンフォニーを聴いている感じもするんだけど。
カップリング:モーツァルト 交響曲第29番、33番、25番

1楽章
有名な「そそそそ れれれれ みみみみ ふぁふぁふぁふぁ そしれそ しらそら そしれそ しらそら」
録音状態は良いのだが、残響が少し多めで、教会で録音されたのだと思うが、エコーがかかっているように聞こえる。でも、どこか響きが、天使の羽ばたきのように浮遊感のある響きだ。
冒頭にアクセントがついてて、スピード感もある。スイスイしているが、軽やか。
で、コープマンの演奏は、オーボエの響きが、すごく特殊で、古楽器という感じが、ものすご〜くする。
ツーンとした響きで、音が直線的に出ているので、素っ気ない感じがするのだが、筒状になっている楽器というのが視覚に浮かんでくる。
ホグウッド盤も特徴的だったが、モーツァルト時代には、こんな音だったのかなあ。とイメージを膨らませて聴くことができる。で、大変新鮮な感じを受けるのだが、ちょっとイメージが明るめで、何度か聴いていると、楽天的な感じがするのだ。なんだか、映画「アマデウス」の受け売りなのだと思うのだが、25番のイメージとしては、もう少し暗くて、じめっとしてて〜 なにやら、どこか謎めいてて、どこか翳りがあって、底を覗いている感じでも良いんだけどな〜と思ってしまったが。
まあ、これはワタシの勝手なイメージだから・・・。
まあ、それでも、青春時代の翳り、焦りみたいなモノは、音質としては感じるが、ホグウッド盤のような快活さは、リズミカルさ、伸びやかさはあまり感じず、フレーズによって、明暗のクリアな感じは、印象としてはあまり受けなかった。
何度か繰り返すと、どこか客観的で素っ気ない距離感を感じてしまったことと、平板な感情の無表情さを感じるのだが。う〜ん。どうだろ、ワタシだけだろうか。
まあ、サロンで演奏される少人数演奏としては、軽やかで、明瞭さを感じて楽しいかもしれないけれど、どことなく、平板な感じがしてしまったことと、なんか聴きなれない装飾音も気になってしまった。

2楽章
「しらそ〜(しらそ)どしら〜(どしら)らそふぁ〜(らそふぁ)」
う〜ん。少しテンポが速めで、柔らかい緩楽章の筈なのだが、息が短く感じる。
弦の音は柔らかいのだが、ワタシ的には、天使か赤ちゃんが寝ているイメージを受けるのに、畳みかけるようにフレージングが出てきて、まずもって速っ。なのだ。
低弦の響きが余韻として残らない感じがする。まあ、これが古楽器の特徴かもしれないのだけど〜
しかし、タイトで、カツカツしてなくって、ギリギリした音となってない。ものすごく柔らかい音の響きが、優しく、耳に馴染みやすい。
テンポが速いな〜と思ったのも最初だけで、ホルンの音が、弦に続いてスムーズに出てきて、ホント嫌みなく聴けちゃうので、この楽章は、とっても嬉しい。

3楽章
「そっれっそぉしぃ〜どら そっふぁっそ らふぁれっ」
柔らかい響きが、そろっと出てくるのだが、なかなかにテンポが良く、少なからず弾む感じがする。
で、翳りのある音の響きとして存在しており、れどれどれど〜っと続く弦の揺らぐフレーズが、ますます翳りを落としていく。なかなかに、翳りのある美形の女性って感じがして、むふふっ。
色気が結構あって、ふわっとした蜻蛉のような感じがする。
曲線をすーっと描いていくというよりは、フレーズそのものは短いのだが、弾んだ感じがするので、細切れにはなっていても、中間のオーボエと、ファゴットの木管群の響きが、可愛いし〜 軽やかに、ぷるんぷるんとしている。美形の翳りのある女性と、天使のぷるんとした頬のようで、面白いな〜と感じた。教会の残響も、良い方向に働いた感じがする。

4楽章
スピード感のある「どっそ し〜ら そしらそ ふぁっら ど〜ら ふぁらそら・・・」という出だしだ。
これも、速いなあ〜とは思うのだが、スウィングしていて、爽快感がある。アクセント臭くもないし、ホルンの音色の良さに支えられて弦が、スイスイ走っていく。
このテンポに乗せられてしまうのだが、速いがチャカチャカとしないで、あくまでも、ふんわり感がある。
通奏低音風の響きがないので、チェンバロは弾いておられないと思うが〜 低音部が少なめ。
でもフレーズの終わりには、しっかり和音が強調されているし、上の弦が主体となって、軽やかに響いている。柔軟性のある演奏で、弦の柔らかい音が心地良く、すーっと響く。特に金管の音の柔らかさが、すごく効いていて、まろやかさも充分に感じる。躍動感もそこそこにあって、結構新鮮だ。

総体的には柔らかく嫌みはないのだが、ただ、繰り返して聴いていると、なーんか、主体的には聞こえないんだけどなあ。余計な情緒は不要ですって感じで、耳には心地良いのだが、あまり後に残らないのだが〜 ふ〜む。これで良いのかどうかはワカンナイ。
嫌みは感じないのだけど、インパクトは強くはない。聴きようによっては素っ気ないし、平板だし、かといって、カツンカツンとした鋭角的な演奏でもない。他の盤とは、ちょっと違って新鮮さはあるのだが、なんだか別のシンフォニーを聴いている感じもする。部分的には可愛さもあるのだが、全体的には可愛げさは少なめだし、さっぱりしすぎて、はぁ。やっぱつかず離れずの社交界サロンかな〜って感じです。
1979年 ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 OL ★★★★★
1988年 コープマン アムステルダム・バロック管弦楽団 ★★★
所有盤を整理中です。

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