「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

05052275

モーツァルト 交響曲第35番「ハフナー」
Mozart: Symphony No.35 "Haffner"


0505 カラヤン ベルリン・フィル 1977年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

これもありかっ


録音状態は良い。モダン楽器を使っているので、木管群が浮かび上がってこないが、弦の響きだけで結構ご馳走である。
これはこれで、やっぱ〜 綺麗な演奏ってことになるのだろうと思う。
カップリング:モーツァルト 後期交響曲 3枚組BOX
SHM-CD 下記のとおり
1楽章
全曲を通して聴くと、はあ〜 もう終わっちゃったの?って感じで、速いです。
スイスイと進んでいき、格好が良いというか、颯爽としてて香りが高く、豪奢な演奏だ。
70年代後半にまとめて録音されているので、当然、モダン楽器が使われている。
で、木管の音が、パコパコ・・・と響いてきて欲しいのだが、埋もれがちで明瞭には響いてこない。
総体的に、弦が主体となって聞こえてくる。

弦の華麗で、綺麗な演奏っていうか、ヴァイオリンの硬めの響きがメインとなっており、その響きだけで飛び跳ねてくるモーツァルトって感じだ。
「みぃ〜 そぉ〜そぉ そ ふぁっし」「みぃ〜 そぉ〜そぉ そ ふぁっし」
「みらどぉっ れふぁしぃっ どっし らっしっ」
この弦の語尾の綺麗なこと。響きが長いような、切れがあるというか不可思議な響きが残る。
弦の響きが、羽のように重なって、長い部分と短い部分の響きを合わせ持っている感じ。
低弦の響きはあるが、やっぱ木管群の響きが弱いかなあ。もっと、活躍しているはずなんだけど・・・。
弦の軽やかで、きらびやかさが、とっても出ている演奏になっている。

2楽章は緩やかな楽章だが、特段、暗いわけでもないし〜深みって言われたら、う〜 あんまりございませんが。
これは、この楽曲が機会音楽、つまり祝祭、お祝い用に書かれたものだから、サロン風で良いんじゃーないだろうかとも思う。

3楽章は、力強いメヌエットと、ゆったりしたトリオと、交代で登場してくるが、一気に花開いたような華麗な音が広がっている。

4楽章は、超速く、「みっしっそっ」「みっしっそっ」「みれみれ みし らしど」・・・ 
できる限り速く弾くように。という、モーツァルトご指定のとおり、速い。
弱音の響きも、綺麗にきっちり描けているし、一気に爆発するような大きな音を出す場面も、メリハリがきいてて格好が良い。 スマートな細身の剣を振りかざして、華麗に踊っているかのような感じがする。
劇的とも感じちゃうし、流しているって言えば流しているかもしれないし〜 う〜ん。難しいけど。
特に、高音弦の華麗な身のこなしを、見ているような感じで、これはこれで、すごく綺麗だと思う。
(かといって、何か残るの? って言われたら、はあ〜 それまでなんですけど)

モーツァルト後期交響曲集
CD1 29番 1965年、32番 1977年、33番 1965年
CD2 35番「ハフナー」1977年、36番「リンツ」1977年、38番「プラハ」1977年
CD3 39番 1975年、40番 1976年、41番「ジュピター」1976年
2年にまたがって録音している(例:35番だと、76年の5月、77年の10月)ので、表記が異なる場合があるかもしれません。 何度めの録音か。ちょっと調べていないのでわかりません。
70年にEMIに録音した後期交響曲(2枚組BOX)もあります。


2275

クーベリック バイエルン放送交響楽団 1980年
Rafael Kubelik
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。 クールすぎず、自然な格調の高さを持ち合わせている。
特に弦の響きに、独特の強さと芯があり、張りつめているのだが、しなやかな余裕があって堂々とフレージングされている。
カップリング:モーツァルト 交響曲第35番「ハフナー」、36番「リンツ」

1楽章
冒頭、いきなり、びよ〜ん。と跳躍して出てくる。「みぃ〜 みぃ〜 みれっれ どっどど どっどど しっ」
「み〜み〜 れっれ れどっどど」
「みぃ〜そぉ〜そ ふぁっし みぃ〜そぉ〜そ ふぁっし」というフレーズを繰り返す。
パッパラ パッパ パッパラ パッパと、勢いがあって、快活だ。
可愛く音が、パラん パラん パラん パッパパ パパパっ・・・と、リズミカルに弾む。キレるというより、弾むというより、可愛く丸く転がっているって感じ。

総体的には、クーベリック盤は、弦のキレが良く跳躍度も高い。
ふわーっというふんわり感よりも、鋭さがあるのだが、クールすぎず、嫌みにならず、可愛らしさに繋がる。
この装飾音の高音域のフレージング、弦の透明度の高さ、ちょっとした祝賀ムードを漂わせ、気品があって格調も高い。ノーブルな雰囲気がありながら、さりげないというか、ツンツンとんがってない。
まずは、やっぱり高音域の弦の強い撓り、しなやかさだろうか。
まあ、それにしても、可愛い音で聴きやすいな〜って思ったら、超シンプルな音が並んでいる。
それが、転がって跳躍して〜 単なるシンプルな音の並びが、華やかに着飾った音楽になっているんですねえ。へぇ〜 (今頃感心して、モーツァルトを聴いているワタシ・・・)
クーベリック盤は、1980年の録音だが、かなり透明度の高い録音だ。
弦のしなやかさ、ゆったり感、どことなくクールな響きを持っているのに、柔らかく、緩みがないのは、凄いなあ〜と思う。弦の張りが、瑞々しさと品の良さ、強さを兼ね備えている。

2楽章
「らぁ〜どぉ〜み みぃ〜れ どしら らっらっらっし しぃ〜ど」
「ふぁ〜 ららら れ〜ら ららら れ〜ら」「ららら どぉ〜ら どぉ〜ら」
ふんわりした弦主体の夜想曲で、キュートなフレーズを奏でる。フレーズの柔らかさと、芯の強さ。
そしてトリルの素早さ、語尾の間合いとか、音が跳ねるというより回転するリズムかなあ、素敵だ。

3楽章
「みぃ〜(みそし)み みそし みそし みっみっれっ」
「ど しらっ そふぁっ みれ どし どれっ みっ」
なーんて音にしたら、とっても平凡なのに、この付点のリズムが心地良いんですねえ。
はあ。モーツァルトって、超簡単な音を使って、どーしてこんな感覚で書けちゃうんだろ。
今更ながら、驚きっ。
滑るような タラン タランっ というフレーズを多用しながらも、品良く書けるのか、とても面白いと思う。
音が、硬くもなく柔らか過ぎず、低弦の「みそしみ」と音を置いていく間合いと、「どぉ〜〜」と伸ばすところの長さ加減が、まるで、そのままステップを踏むような感覚だ。
メヌエットだもんね〜 ファゴットかなあ、ポンポンっと・・・。
中音域以上の弦が主体となっており、低い弦や木管が目立たないのだが、密やかに良い仕事をしてて〜しなやかな、適度な硬さと柔らかさを、もたらしているように思う。

4楽章
プレストの楽章だが、「みっしっそっ」「みっしっそっ」「みれみれ みし らしど」 「しらしら しら そふぁみ」
さほど速くなく、落ち着いていながら、低音の響きと、木管、ティンパニーの適度にリズミカルさ、合いの手のリズミカルさ。「ふぁっどっふぁ ふぁふぁ らら ふぁっ」という木霊のような、余韻を含んだ響きとリズム。
舞踏的でもあり、知らず知らず「みっしっそっ」って口ずさんでしまう。
音の並びが、自然と弾んでいくのだが〜 クーベリック盤は、自然と締まった、キュートさが感じられる。
総体的にバランスが良く、品良くまとまっており、これ以上のバランスの良さは無いんじゃーないだろうか。
きっと、誰もが聴いて直ぐにわかる、品の良さを持ってて、納得〜という感じがする。


アーノンクール コンセルトヘボウ 1980年
Nikolaus Harnoncourt
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

断固抗議!

録音は良い。冷たく言い放つ〜的に、何か怒っているの?と驚いてしまうような乱暴で激しい演奏で、のけぞってしまう。音のバランスが悪く、弦は主体となってフレーズを奏でてこない。まるでケンカ腰で、聴いてて不愉快だ。
カップリング:モーツァルト 交響曲35番「ハフナー」、36番「リンツ」
1楽章
先日、レヴァインさんのウィーン・フィルで、この交響曲を聴いたのだが、なんともまぁ〜これが、コンセルトヘボウの演奏とは思えないほど、冷たく、激しく、怖く、怒りに満ちた、突き放したかのような、乱暴な演奏に思えてしまった。
まず、冒頭、「みぃ〜 みぃ〜み れっれ っどっどっどっどっ しっ パッパラ パッパラ パッパラ パッパ」
2オクターブの跳躍だったと思うが、いきなり、強烈な長い槍で、えいやーっ!と、けんか腰で出てくる。
で、ラッパの音が、ホント、ラッパ的な自己チュウなバカっぽい、こいつ、ここだけ目立って、どーすんねん的な、吹き方をして飛び出してくる。

で、当然のごとく超バランスが悪く、聴いたことのないような旋律になっている。バランスの悪さで、耳障りなフレーズになっている。あーっ 最悪・・・破壊的で、とっても凶悪的な出だしだ。
えっ ラッパが間違ったの? 譜面が違うの? 版が違うの? えっ これライブ盤?
それに、打楽器と管楽器の音が、大きすぎて〜 美しい弦の音が、ほとんど聞こえないのだ、
「そぉ〜 しぃ〜そ ふぁっしっ どぉ〜 みぃ〜ど しっ」と、最後の弦の切った音しか聞こえない。
弦の音が、音になっていないのだ。

また、ティンパニーの大きな音 目の前で叩かれているかのようで、う〜ん。派手というより。こりゃ〜乱暴でしょ。
けんか腰だよなあ。
で、ホント、弦の旋律が、ほとんど聞こえてこない。
威勢が良いのはオケのなかのラッパだけで、和音が成り立っていない。また、弦が弦だけで単独で存在しているみたいで、ハーモニーが無い演奏というか、感じられない。
で、速いテンポが感じられるのみで、音楽として主旋律が出てこない。で、主人公のいない劇を見せられているかのようだ。全く、ストーリーがワカラナイ。ここまでくると、唖然というより、気持ちが悪いというか〜
音楽というより、音じゃーないような気がしてくる。これは〜まるで騒音だ。
音が鳴っているのだが、むなしいというか、空洞化しているみたいで、気味が悪い。

2楽章
「らぁ〜 どぉ〜み みぃ〜〜れどしら らっらっらっし しぃ〜どど」
「ふぁ〜 ららら れ〜ら ららら れ〜ら らふぁみ〜」
「ららら どぉ〜ら ららら どぉ〜ら らみぃ〜れ」
まるで幽霊のような、足のない演奏って感じです。気味が悪い〜 不可思議な。キショ悪い演奏です。
腰の据わった音が鳴ってこないので、どーなっているのか。さっぱりわかりません。
壊れているみたいですね〜 素人集団のようで、やる気の無い人が演奏しているみたいで〜 

3楽章
「みぃ〜 みそしみ みそし みっみっれっ」
力強いメヌエットな筈なのだが、リズム感が乏しいというか。あの1楽章が、あれだけ激しかったのに、元気がない。
オロナミンCでも飲まないと、元気はつらつ〜って感じにならないみたいですねえ。
いったい。どーなっているんでしょう。とっても不思議な演奏で〜 
モーツァルトの艶っぽさもなければ、ふくよかさや、活発な感じが全くありません。
いろんな形容詞があるんですが。この演奏には、やる気がないみたいに、思えて仕方ないですね。
全くもって。面白くない。ふてくされて演奏しているみたいに、投げやり、あさって向いて仕事をしているみたいで〜

4楽章
弦楽器の弱音のユニゾンで始まり、打楽器、管楽器が加わり主題が爆発的に演奏されるという プレストの楽章だ。
最初のフレーズが、ほとんど聞こえてこないのです。まるで、舞台裏で演奏しているみたいに弱音なんですが〜
で、2巡目のフレーズから音量が普通に戻ります。このCDは、欠陥商品なんでしょうか? 
この演奏は、ホント、実験的なんでしょうか〜 意図が、わかんないですねえ〜
なんじゃー この金管群は・・・ 野蛮だ。野蛮すぎる〜 これが、コンセルトヘボウ??? 単なるヘボやん。

この盤も、当時は、結構新鮮だ〜と、もてはやされたことがあったと思うのですが、今でも、みんなに続けて聴かれているんでしょうか。モーツァルトの虚像を、破壊してやる〜的に、破壊しちゃって・・・さて、その後。どうなってしまったのでしょう・・・。って感じです。
やっぱり、どう聞いても、乱暴ですよ。
凶暴すぎるし、破壊的で、壊してしまったのち、きちんど自分で後始末つけてね〜 アンタできるの?って思ってしまう。
レヴァイン盤のことを、弦の響きが、ゴージャスで、綺麗な音では演奏されてますねえ〜と、綺麗すぎてダメじゃん。
と、多少嫌みっぽく思っていたのだが〜 う〜ん。このアーノンクール盤、破壊されて荒れ地状態に・・・感じられる。
これだと、レヴァイン盤の綺麗さが懐かしい〜という気分に。(苦笑)
とにかく従前のモーツァルト演奏のスタイルと壊したかった〜のかもしれませんね。
ワタシ的には、こんな演奏は、まったく受け入れられないです。聴いている意味を感じないですね。スミマセン・・・


レヴァイン ウィーン・フィル 1987年
James Levine
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

まっ こんなモン

録音状態は良い。元気で明るく伸びやか。モダン楽器使用の演奏で、ちょっと昔風のスタイルであり、良くも悪くもゴージャス感が漂う恰幅の良さを感じる演奏だ。
カップリング:モーツァルト 交響曲第35番「ハフナー」、36番「リンツ」 
1楽章
「みぃ〜 みぃ〜み れっれ っどっどっどっどっ しっ パッパラ パッパラ パッパラ パッパ」
2オクターブの跳躍だったか、 冒頭、いきなり、びよ〜んと跳躍して出てくる。
「らそふぁみれどしらそっ! らそふぁみれどしらそっ!」
レヴァイン盤は、とっても元気で明るく健全だ。
ふくよかで、太い声で、良く歌う。とても豪勢な音で、良くも悪くも、ひとむかし風の演奏である。
ホグウッドやアーノンクールさんのようなピリオドや、古楽器を使用した演奏とは、全く違う。まったく真逆の演奏なので、好き嫌いは激しいかもしれない。

リズミカルな弾むような旋律なのだが、どこか腰が重めで〜  モダン楽器だからかもしれないのだが、キレの良い演奏ではない。
まあ、そんなキレキレだと、ウィーン・フィルではないし、ゴージャスなのがVPOの特徴だ。それでも、ホントの昔風の優美で、てれ〜っとした演奏でもないので、かなり現代風にアレンジできているとは思う。
相当頑張って、弾んでいると思うんですけどね。 しかし、演奏者が何人いるのかわかりませんが、ちょっと人が多めかも。
で、弦の響きが、ゴージャス感があって、ゴツイのかも。それより、やっぱり綺麗な音で演奏されてますねえ〜

2楽章
「らぁ〜 どぉ〜み みぃ〜〜 れ どしら らっらっらっし しぃ〜どど」
「ふぁ〜 ららら れ〜ら ららら れ〜ら らふぁみ〜」
「ららら どぉ〜ら ららら どぉ〜ら らみぃ〜れ」
もう少しキュートで、若々しい軽やかさがあれば、もっと嬉しいかも。ちょっと〜 少し太ってしまったおばさんのようで、ゆったりしている。
弦の響きが厚めで、空気感も暖かめ、弦は、しなやかだが、太めのしなり具合という感じがする。
重々しいという領域までは行かないし、重量オーバーで、どうしようもない〜って感じではない。ピリオドを聴いた耳だと、確かに太めには感じるが、結構、利発な感じがするし、初めて聴く分だと、受け入れやすいと感じるかもしれない。
音は、うえに昇った感じで弾むわけではないが、横に広がって、つややかな弦の響きが適度に緊張してて優美だ。

3楽章
「みぃ〜 みそしみ みそし みっみっれっ」
「どぉ〜 しらっ そふぁっ みれっ どし どれっ みっ」
「みぃ〜 みそしみ みそし みっみっれっ」
大きな振り子をまわすように、力強いメヌエットなのだが、重々しい感じを与えず豪勢な舞踏会が始まる。
弦のふくよかで、艶のある音質が、荘厳さに一気に香り付けをしていく感じだ。もう少し弾んでも良いだろうが、スピード感が少なめなので粘りに感じられる。
中間部が、とくにテンポを落として木管フレーズに渡ってしまうので、う〜ん。少し、粘りがある。憂いを帯びた、ちょっと思わせぶりな舞踏風フレーズで、もっと、若々しさが欲しい。

4楽章
弦楽器の弱音のユニゾンで始まり、打楽器、管楽器が加わり主題が爆発的に演奏されるという プレストの楽章だ。
「みっしっそっ」「みっしっそっ」
「みれみれ みし らしど」 「しらしら しら そふぁみ」
金管の軽やかなファンファーレ風の合いの手が入ってくるので、とても楽しい楽章なのだ。
知らず知らず「みっしっそっ」「パッパ パラらら〜」と、口ずさんでしまう楽しい大団円だ。

ハフナー家の舞踏会は、やっぱ上品で、ゴージャスなんでしょうねえ。
もう少し、快活で少し速めに、ピチピチしたリズムで演奏することもできるとは思うんですが〜 あまり羽目を外して、下品に、おちゃめに演奏しちゃうとまずいのかもしれません。(笑)
まあ、それでも、この主題は、歌劇「後宮からの誘拐」から、とられているとのことですが〜。やっぱ、結局は、おちゃめなモーツァルトなんでしょうけど、上品にするか、羽目を外すか、迷ったあげく〜 突き抜けきれなかったかのような〜
中途半端さが、レヴァイン盤に感じられます。
ここは、やるんだったら、もっと演じて、おバカになってやらないと〜ちょっと残念・・・。(笑)


C・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン 1988年
Colin Davis
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

ばっちグー!


録音状態は良い。ルカ教会での録音で、少し残響が多め。溌剌としており、弾力性のある優美さよりは、意外と逞しく引きしまった筋肉質な、硬派なモーツァルトである。カップリング:モーツァルト 交響曲第35番「ハフナー」、38番「プラハ」、39番、40番、41番「ジュピター」 2枚組BOX
1楽章
「みぃ〜 みぃ〜 みっ れっれ れっ どっどっどっどっ しっしっ パッパラ パッパラ みぃ〜れ パッパラ パッパ・・・」
2オクターブの跳躍が、豪勢なティンパニーのロールと共に、テンポ良く、ヒョウかチーターのようなネコ科の動物が勢い良く飛びかかってくるかのような勢いで飛び出してくる。
「そぉ〜 らそふぁみれどしらそっ たらら たらら たらら」
歯切れが良いというか、カッ カッ・・・と、キレキレだ。飛び出すというより、飛びかかられるような感じで、仰天してしまった。
木管が、パパパパパパパ・・・と吹かれているところは、まるで、軍靴をカカカカっと鳴らしながら、早足で歩いているみたいに鳴っており、ものすご〜く威勢が良い。
威勢が良いというレベルではなく、う〜ん。どういえばよいか、ミリタリー風というか、ちょっと怖いぐらいの厳めしい鳴りっぷりというか、硬いというか、モダンオケならではの分厚い鳴りっぷりで、う〜ん、こりゃ〜正当派すぎるかも。

肩をいからして歩いているというか、厳ついというか、軍歌みたいになってしまっているのは、ぎゃふん。
きっと、ティンパニーの音量と豪快さに、驚いているんだと思うのだが、スピード感もあるし、スイスイと推進力の強い。とっても良い演奏なのだが、悲しいことに、一直線すぎて・・・
音が広がっていく感じがしないで、カラダが、がちがちに固まってしまってて、弾力性が、ほとんど無い状態なのである。
ありゃりゃーっ これでは、まず、柔軟体操から始めないとダメなんじゃーないでしょうか。
モーツァルトの可愛らしさ、この楽曲ならではの明るくて、ふくよかさが、ちょっと・・・
いや〜 硬めの演奏ではあるが、ホント、透明度の高い綺麗な演奏である。
正当派というか、硬派すぎるほど硬派なので〜 ちょっと、驚いてしまったけれど、ふにゃふにゃ〜 柔らかめのモーツァルトが好きな方は駄目かもしれないけれど、ちょっと、硬めのモーツァルトが好きな方には、抜群に気に入って貰えそうである。

2楽章
「らぁ〜 どぉ〜み みぃ〜〜 れどしら らっらっらっし しぃ〜どど」
「ふぁ〜 ららら れ〜ら (ららら) れ〜ら らふぁみ〜」
弦の美しい軽やかなフレーズと、精密機械のように動くファゴット、芯はあるが柔らかい木管(オーボエ)が、呼応するところが、とても美しい。ファゴットのつぶやきに似た音や、通りの良い弦のフレーズが、感触の良い織物を創作する。
夕暮れ時のセレナードのような優しさと共に、フォーマルスタイルの女性が佇んでいるような、ちょっぴり品格が感じられる。

3楽章
ティンパニーが登場して、先程の楽章とは異なり、とても男性的に変貌している。
最初の出だし、ポンポンポンっと弾むところは、ダイナミックだ。もちろん優美で立派な品格を持っており、縦の線が、ぴしっと、きちんとあってないと〜失格です。という感じで演奏されている。
美しい。美しいが、流れるような美しさ、流麗さというよりは、やっぱり硬派、硬質的な美なのである。
中間部分は、優美で、控えめな舞踏会のような感じで、柔らかいが本質的には硬めである。

4楽章
・・・「みっしっそっ」「みっしっそっ」「みれみれ みし らしど」「しらしら しら そふぁみ」  ん パンパンっ!
イチバン楽しくて、明るくて、華々しい祝祭的なムードの漂う楽章である。
ここは、硬派だが、ピチピチしてて、ヴァイオリンを初めとした弦のちょっぴり硬めの響きと、見通しの良い木管、残響が少し多めのティンパニーが、派手に残響の波を立てて演奏してくるのは、とっても好ましい。
音の広がり感が、ふっ わぁ〜と広がってくる。
プレストの楽章ではあるが、さすがに上品で〜 爆発的に演奏されているわけではなく、誤解をされるかもしれないが品の良い、ホント上流貴族の舞踏会のような雰囲気が目に浮かぶ。
弦の芯のある軽やかさ、音の柔らかい広がり、弱音で弾かれているところ、大音量で弾かれているところの機微が、呼吸が合うというのか、ニクイほど楽しさが伝わってきて、聴いている人までがワクワクしちゃう。最後の一音が、また、ワンテンポ遅らせて、ふわっと終わるところが、テクニシャンだなあ〜って思わせる。

総体的には、相当手慣れた職人芸って感じを受ける。このオケを最大限活かしたという感じで、ちょっぴり硬めのモーツァルトにはなっているけれど、硬派なのが、とっても生きている感じがする。
VPOならVPOのオケの音質を活かすべきだし、カペレだからこそ、この音質、この硬さなのかもとしれないと思う。
クーベリック盤より、ちょっぴり硬めかもしれないが、いや〜 なかなか美音で、硬めのモーツァルトも、なかなか良いな。と見直しました。(← すぐに感化されやすいのです。スミマセン・・・ 苦笑)

ピリオド、古楽器での演奏に慣れている方にとっては、この残響と、鳴りっぷりには驚かされるかもしれない。
シュターツカペレの大変美しい音色、旋律の美しさは、大変ありがたく聴ける。これは確実、保証付きという感じがする。
でも、VPOのモーツァルトでもないし、古楽器の演奏とは、これまた別次元のモノで〜
で、聴く前に、この違いを、ちょっと〜理解していないといけないように思う。


コープマン アムステルダム・バロック管弦楽団 1991年
Ton Koopman
Amsterdam Baroque Orchestra

完全に怒っちゃった

録音状態は、まったくダメ。お話にならない。
カップリング: 2枚組BOX
モーツァルト 第41番、35番、34番、38番、36番、31番
このCDは、1991年、東京芸術劇場でのライブ盤だが、まったくもって、お話にならない。
録音状態は、最悪で、いまどき、こんな録音状態で売ることに良心がとがめないのか〜 あきれてモノが言えない。
ホールトーンどころの話ではなく、まず音が拾えていないように思う。
少数で25名程度の演奏だというが、ボコボコしてて、ティンパニーの音しか聞こえない。
海賊版?  演奏そのものも、なんとも・・・ 演奏のミスもあるし。ワタシ的には、素っ気なさすぎてスカスカの音で、愉悦性が感じられないし、 美音でもないし、どうきけば良いのか、わかりません。
ブラボーって叫ぶ声が入っているが、演奏より、その叫ぶ声と拍手を聴かせるためにCDを作成したのかなあ。
アマゾンやHMV等の掲載されている商品説明やレビューを読んでも、ホントに、この演奏を、録音を聴いて、書いたコメントなのかどうか・・・これは、信用問題だと思ってしまいました。

ノリントン シュトゥットガルト放送交響楽団 2006年
Roger Norrington
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart des SWR
(Stuttgart Radio Symphony Orchestra)

あんたもやるね〜


録音状態は良い。ライブ盤だが、見通しも良く、活き活きとしている。とっても元気で豪快な演奏だが、なーんか、バタバタとせっかちだな〜と思う。
6枚組BOX ← 全集からの1枚で、第6巻目で、28番、31番、32番、35番が収録されている。NAXOS(ナクソス)でも聴ける。
1楽章
このノリントン盤は、2006年、モーツァルト生誕250周年記念コンサートのライブ盤である。
先日、アーノンクール盤を聴いたのだが、激しく冷たいし、乱暴な演奏だと感じてしまったのだが、このノリントン盤も、強烈な感じを与える演奏だ。
「みぃ〜 みぃ〜み れっれ っどっどっどっどっ しっ パッパラ パッパラ パッパラ パッパ」
2オクターブの跳躍だったと思うが、いきなり、強い音で出てくるのだ。

柔らかい音で跳躍するという感じではなく、音がまろやかに響くなんぞ、遠い世界で〜 破裂音に近いというか、派手というか、まあ、良く言えば、活き活きしているというか、とっても元気な演奏である。
しかし、おしとやかとは言いがたく・・・ ひとことで言っちゃうと、品が無い。
あちゃーっ バタバタとせわしなく動く、落ち着かない演奏だ。
「らそふぁみ れどしら そぉ〜 らそふぁみ れどしら そぉ〜」というフレーズでは、バタバタバタ・・・
ちょっと太めのおばちゃんが、お掃除をするために、階段をバタバタバタ・・・と降りてくる姿を想像してしまい〜 思わず笑ってしまった。小節回しの強いこと、振り回されて、抑揚が強すぎて、う〜ん。
ちょっと、何度も繰り返しては聴けないかもしれない。ハードロックみたいで、ビートが強い。

2楽章
「らぁ〜 どぉ〜み みぃ〜〜れどしら らっらっらっし しぃ〜どど」
「ふぁ〜 ららら れ〜ら ららら れ〜ら らふぁみ〜」
出だしから、ひやぁ〜 すごく速くて、加速度的に速くなっていく感じで、気持ちが悪い。
「ららら どぉ〜ら ららら どぉ〜ら らみぃ〜れ」の繰り返しなんぞ、はしょりすぎ〜
何かに憑かれたように、足早に逃げていくみたいで、とても落ち着いては聴けない。
この繰り返しが優雅に聴けないのだったら、う〜ん 何のために聴いているのか、ちょっとわからないですね。気持ち良く、同じフレーズに身を任すという楽しみもあるわけだが、ここまで、合理的に徹したいのであれば、モーツァルトを演奏するのをやめたらいいのに〜って思ってしまうほど。(あらま〜 そこまで言う?)
でも〜 どう聴いても。時間に追われているみたいで、相当、せっかちだ。
なんか恣意的に、テンポを変えているのか、もて遊ばれているみたいに感じて、くらくら〜目眩がしちゃった。

3楽章
「みぃ〜 みそしみ みそし みっみっれっ」「どぉ〜 しらっ そふぁっ みれっ どし どれっ みっ」
「みぃ〜 みそしみ みそし みっみっれっ」
ここは、結構、ゆったり気味に演奏しており、テンポはゆったりしている。
弦の美しさよりも、フレーズの楽しさよりも、第一はテンポなんですねえ。でも、テンポの落としかたとかが、軋んでいる。
あらま。ぐぐっと圧がかかった感じがする。
弦があまり美しくないので、優雅なメヌエットではないし、可愛らしいという表情も見えてこないし、う〜ん。困っちゃう。
何が楽しくて聴いてなきゃいけないのか、ちょっと、わからなくなってしまった。

4楽章
「みっしっそっ」「みっしっそっ」「みれみれ みし らしど」「しらしら しら そふぁみ」
このハフナー交響曲の、イチバン楽しい楽章なのだが、う〜ん。あのぉ〜 やっぱり品が感じられないよぉ。
派手すぎて〜 まぶしい。色彩が原色系というか、蛍光色というか、ネオンサインの派手な場末の居酒屋風というか。
まあ、ここまで言っちゃうと言い過ぎかもしれないが・・・。(ファンの方に怒られるかも ごめんなさい)

快活なのだが、ピチピチとしたという感じを突き抜けてしまって、バタバタとした感覚で、鳴り物が派手に聞こえてくるのと、テンポもフレーズも凸凹してて、滑らかさが少なく、聴いていて疲れてしまう。
少々エッチな、やんちゃ系の演奏で、下世話な、そんなモーツァルトが見てきて、面白いと言えば面白いのだが〜
演奏としては、総体的にバタバタしている感じが否めない。
で、それが好ましいと思えるか、否か〜で、好みがはっきりと分かれてしまうと思う。
最後に大きな拍手が入っているが、確かにライブだと、この派手さには、思わず拍手しちゃいますね。
(↑ この拍手には、変に納得しちゃっている。) 


1977年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★
1980年 クーベリック バイエルン放送交響楽団 SC ★★★★★
1980年 アーノンクール コンセルトヘボウ T ★★★
1987年 レヴァイン ウィーン・フィル ★★★★
1988年 C・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン Ph ★★★★
1991年 コープマン アムステルダム・バロック管弦楽団
2006年 ノリントン シュトゥットガルト放送交響楽団 Haenssler ★★
所有盤を整理中です。

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