「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

モーツァルト 交響曲第38番「プラハ」
Mozart: Symphony No. 38 "Prague"


モーツァルトの交響曲第38番(ニ長調 K.504)は、1786年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
1786年に、オペラ「フィガロの結婚」が、プラハで上演され、それが大成功を収めたので、プラハに招待されたそうです。
1787年1月、この曲は、フィガロの結婚を自分で指揮し、それに先だって、この曲はプラハで初演されたそうです。
で、この交響曲は、プラハというニックネームを持っています。楽器編成は、フルート2、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、
トランペット2、ティンパニ、弦5部です。

第1楽章 4/4拍子 ニ長調 序奏つきソナタ形式
アダージョによる導入部から始まり、D音のシンコペーションが、やがて8分音符の快活な連打となり、そこから第1主題が流れ出てきます。この第1主題の対旋律は、歌劇「フィガロの結婚」の有名なアリア「もう飛ぶまいぞこの蝶々」から、 とられています。また、第2主題が、短調を経た後に同じく「フィガロの結婚」より、スザンナのアリア「膝をついて」が現れます。
再現部は、展開部の流れを受けて、第1主題が提示部における発展順序と一部入れ替わっており、再現部と展開部とが相互浸透的になっているもの。

第2楽章 ト長調 6/8拍子 ソナタ形式
第3楽章 ニ長調 2/4拍子 ロンド・ソナタ形式 第1主題の旋律は、「フィガロの結婚」第2幕 スザンナとケルビーノの二重唱「早く開けて」に似ています。

歌劇「フィガロの結婚」と双子のような関係の交響曲で、とっても楽しい楽曲です。

ベーム ベルリン・フィル 1959年
Karl Böhm
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)



録音状態は良い。リマスタリング盤。59年の録音とは思えない。
演奏は、きりり〜と引き締まって、二面性を有しており、どこか謎めいて聞こえる。
モーツァルト全46曲交響曲集10枚BOXより。

1楽章
「みっ!〜〜 しどれみ〜 しどれみ〜 しどれみ〜 しどれみ〜 そっしっみぃ そぉ〜みぃ」
冒頭から、ちょっと硬めだという印象を受ける。
一発目のティンパニーから硬いし、ちょっと紋切り調。ちょっと表情が険しい。 弦が、「しらそふぁ〜み〜 れしらどしらそ ふぁ〜みどしれどしそふぁ」 弦も美しいことは美しいが、まろやかさではなく、硬質で、すーっっと抑揚をつけず、下手な感情移入はお断りって感じで弾かれている。
テンポは中庸。59年の録音とは思えないほど蘇っているし、響きも良い。
「しっ ど〜しら〜そふぁ〜」というフレーズが、かなりブキミで、弦の硬めの「っしぃ〜っら っど〜しらっ」
冷たい息を吹きかけられたような感覚があり、す〜っと冷気が漂うため、背筋がちょっと寒くなる。
ミステリー風劇の幕開けに聞こえる。クリップス盤のような、まろやかさとは違っている。 で、序奏が終わって主題が出てくるところも、ちょっぴり、ひんやり〜  ベーム盤は、弦が、「んちゃー チャカチャカチャカ」と、リズム を生んでくるところの木管もすっきり。 弦の線は細めで、きっぱりした口調で奏でられる。 で、小節まわしが、ちょっと早口になってくる。
「そしらそ どっ ふぁらそみ ふぁっ・・・」 「たららら らったたたっ たらら らったたたっ」
「う〜たら らった う〜たら らった」
「れーど し〜みれどしらそふぁみれ」 
えっ 速いっ。もうちょっと 間合いを〜 あのぉ〜 ちょっと間合いが欲しいんだけど。 ありゃ、やっぱ、早口だ。
抑揚があるのだが、ボーイングが速くて硬い。綺麗だけど、うっ ちょっと詰問されているような、せかせかした雰囲気がしてくる。 ちゃんんとフレーズが変われば、ゆったりもするのだが、全体的には、筋肉質っぽく、情けはあるが許さないぞ〜風で、すいすいと推進していく。 「そら〜みっ そら〜みっ」というヴァイオリンの高音域にくると、ついに、聴いている方の筋肉が強ばってしまうのだが、聴いている内に、快感にもなってくるので不思議だ。

2楽章
「ら〜ど し〜ら れ〜〜ど そら・・・」
前の楽章とは違って、テンポはゆったりとしており、たらららら〜っと、山なりにフレーズが続いていく。
でも、区切りは良くって、弦は弱音ではあるが、「らっしっどっみっ〜 そっらっしっみ〜・・・」となっている。
木管のハーモーニーなんぞ、うっとりする音色で、「みれみれ そふぁそふぁ らそらそ〜」
ホルンに引き継がれている。う〜ん。さりげないけど、前楽章とは違って柔らかい。 決して、テレテレしてないし、絹のような光沢もないのだが、フレーズは優しい。 主題の「れ〜ふぁみれ そぉ〜ふぁ」の音色も優しいが、底辺では硬いし、厳しさが垣間見られる。 弦の音色と、弾き方だと思うし、低弦の響きが、どっしり安定していることと。
てれ〜っとした音階と、パパパっ と区切る音型とで、雰囲気が変わっている。その変化は、結構意識してつけているんじゃーないだろうか。

3楽章
「みみそしみ〜」 「みみそし ど〜 みみそし れぁ〜」
テンポは、ちょっと速め。冒頭は弱音だが、ティンパニーが絡むと迫力が出る。で、ソフトタッチではあるけれど、長い音をあまりのばさず、すっと進んでいく。
「そししし れ〜 ししし れ〜」と、迫ってくるフレーズは、弦のタッチが強め。
で、変わり身が早く、優しかったり険しかったり、その表情は一様ではない。
「んたらら〜らっ〜」と、ガシっと弾いているところもあるし、かなり劇的に変化している。
ひ〜っ ワンフレーズで、表情が変化していく。こりゃ 大変だ。
合いの手の木管はソフトだが、弦の硬いタッチ、険しい表情づけ。この二面が、交互に変わって、驚かされる。
この変わり身に、ついていくのが大変だが、これがモーツァルトのおもしろさなのだろうか。 いや、怖さだろうか。 ようやく、ベーム盤を聴いて「プラハ」ってどんな曲なのか、ちょっと考えるようになった。
ふ〜む。しかし総体的には、品があって、キリリ〜と引き締まっており、これを聴くと、クリップス盤が、ちょっと楽天的だと感じられる。ベーム盤は緊迫感が漂って、謎めいている。
う〜ん。これは、何度も聞き直さないと・・・ ちょっと癖になりそうな1枚。

カラヤン ベルリン・フィル 1970年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

録音状態は良い。リマスタリング盤。演奏は、わりと淡泊で表面的。77年グラモフォン盤もある。
カラヤンのEMIへの録音全集(コンプリート・EMI・レコーディングス)より カップリング:モーツァルト交響曲第39番とリハ風景

1楽章
すごく厳めしく、硬めに出てくるが、冒頭1音目は、わりとポンっと投げた感じ。2音目からは長め。
「み〜ぃ しどれみ〜ぃ しどれみ〜ぃ そぉ〜っしっ みっ〜どぉ ど〜ら」
その後、慎重にイミシンに音を出している感じがする。
わりとメリハリがついてて、硬めに移動しており、ふわ〜っとした感じは受けない。
音によって強弱がはっきりしてて、ティンパニーが硬めに悲劇の幕開け的に叩いているし、テンポは遅めで、ちょっとご大層風。まあ。劇的要素が強いって言えば、強いってわけだな。
「どぉ〜しらぁ〜 そふぁ〜」 というフレーズは、横で息を吹きかけられ、さあ。どうします? と、脅迫されているみたいに感じる。
「たららら〜ら〜 たらら ら〜」と、響く弦も、なかなかに意味深である。さて、どうなるんだろ。
この劇は、どんな風に進展していくんだろう。不安ながらも、怖いもの見たさに、ドキドキするほど、ミステリー風に響く。まあ。長い序奏は、持ってまわった言い方ってワケだわな。
で、ここまでは良かったんだけど、これ以降が、はあ? なんで〜こうなるの。なのである。
メチャ 快速で、ひーっ どうしてこうなるの。っていうほど、速いのである。それも軽い軽い。
早口に勝手に喋りだして、しゃかりきに走り出すのだ。
「う〜たら らった う〜たら らったっ  ・・・ そぉ〜らみ〜そ らみぃ〜そぉ〜」
途中でテンポは緩めにはなるのだが、う〜ん。よくワカラン。テンポ変えすぎ。
ギアチェンジを入れたら、ひぇ〜っと飛んでいくし、緩いところは、まあ綺麗だけど、声は裏返ってしまうし、これじゃ、ついていけないよぉ。

2楽章
「ら〜ど し〜ら れ〜〜ど そら みふぁそら・・・」
たらららら〜っと、山なりにフレーズが続いていく。この曲線は綺麗だと思うし、弱音も美しい。
弦のアンサンブルも良いと思うし、和音が響いている。低弦が入ってくると深みを感じさせるし、う〜ん。
弦と木管が絡んで、「れど しどしど しみれみれみ そふぁそふぁ そらそら」
ホルンが入ってくるところ、「し〜どしどれみふぁそらそふぁみ〜」
決して、うっとりさせられるわけじゃないけど、まあ。ホント、木管とか弦が綺麗に揃っている。
後年のような、とれ〜っ てれ〜っという風情はないし、ちょっと素っ気ないほど、あっさりしている。

3楽章
「みみそしみ〜 しららそふぁ〜 そふぁふぁみ そふぁふぁみふぁ〜」
「みみそし ど〜 みみそし れぁ〜」 フルート等のフレーズはとても綺麗である。巧いねっ。やっぱ。
「そししし れ〜 ししし れ〜」 弦の力強さがあるが、しなやかでは、ちょっとないみたいが、弱音は綺麗である。
低弦の入ってくる重みのある暗い感じのフレーズは、テンポは快速で、すごく飛ばしている。
高い弦が、ちょっと浮いた感じがするが、まっ。ベーム盤のような二面性は、あまり感じないが、その雰囲気は、ちょっぴりあり。でも、綺麗すぎて迫力に欠けちゃってるというか。 ぐい〜っと押してくるパワーが無いようで残念だ。低弦の勢いを増してくれたら、不気味さが出るんだろうけど、少し表面的かな〜って思う。

クリップス コンセルトヘボウ 1972年
Josef Krips
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

録音状態は良い。極めて自然なフレーズの運びと、音色の美しさで、唖然とするほど。拍手するどころか放心状態に・・・。
モーツァルト交響曲第21番〜第41番 6枚組BOX

1楽章
「み〜 しどれみ〜 しどれみ〜 しどれみ〜 しどれみ〜 そっしっみっ そ〜みぃ」
重量感もあって、かろやかさもあって、不思議なふんわり感がある。
体重移動が巧いって言うか、長めの序奏だが飽きさせない。
ティンパニーは個別に浮いてこないが、低音の美音が聞こえてくる。
弦が、「ど〜しら〜そふぁ〜」「どぉ〜しら〜」と歌うところは地味だけど、思わせぶりもないくせに、綺麗に流れてくる。で、序奏の終わりかけ、弦が、「んちゃーチャカチャカチャカ」と、リズム を生んでくるところから、音色が明るくなってきて、主題が変わるところが、すごい。木管が良いんだよなあ。
「そしらど ふぁらそみ みそふぁみら〜」 うわっ なんだ、この美音は! うわ〜っ こりゃすごい。
「う〜たら らった う〜たら らった」「れーど し〜みれどしらそふぁみれ」
「れ〜れっどっ〜 そ〜そっふぁ〜」
「しそみそ しししし・・・(ふぁそふぁそ) しみれど しししし・・・(ふぁそふぁそ)」
「どーし どーし れーど れーど らららそ」「ら〜ららそ」
クリップスのモーツァルトは、と〜っても美音である。ホントに美音なのだ。 コンセルトヘボウの音色は、昔から木質感があると言われているが、ホント、「う〜んたら らった」の弦の響きと、ビートの効いた低音の響きには、一発で、めろめろにな るほど。 感想を文字にしてしまうのも憚られるほど、こりゃ脱帽だ。 音の膨らみ萎ませ方、山なりのフレーズの曲線、歌い方、節の転がし方、オケのアンサンブルの巧さ。
オケの音質、音色など、言えばきりがないほど、ハイ、私は、これ大好きです。
モーツァルトが超苦手で、どのフレーズを聴いても、あまり区別がつかず金太郎飴だと思っていたのだが、この盤は、絶品だと思う。優美で流麗で、豊穣感があり、一度に 扉が開いて、開放的になって、とても幸せ感イッパイになってくるようだ。豊かな気持ちになれちゃう。

2楽章
「ら〜ど し〜ら れ〜〜ど」「ら〜ふぁっそっしっみっ」
テンポはゆったりとしており、山なりにフレーズが続いていく。艶やかで軽い絹の布をイメージする。
歯切れも良いのだが、柔らかいなあ。弦に艶があるし、明るい。で、木管の響きが特に美しい。
余韻も感じられるし。う〜ん。唸ってしまう。
どこが、他の盤と違うのだろう。このしなやかさは、どうすれば生まれてくるのだろう。
81年のアーノンクール盤と、同じオケだとは、ちょと信じられないほど。フレーズの作り方だろうか。
息づかいまでもが違うのだが・・・。強めのフレーズでさえ、芯がありながら柔らかい。弦の響きも豊かだし。テンポの刻みもソフトタッチだし。

3楽章
「みみそしみ〜」「みみそし ど〜 みみそし れぁ〜」
テンポが速めだが、決して強くなく、オーボエの音が弱音でありながら渋い。
「そししし れ〜 ししし れ〜」と、迫ってくるフレーズもあるが、決して強くなく、木管の音色が、ふわ〜っとした隙間から入ってくる風のように聞こえてくる。
クラリネットとオーボエの声が、丸みがあり、立体的に響く。
弦の響きも、古楽器やビブラートのない弾き方とは、まるで異なるアプローチである。かといって、乾いた音でもないのだ。太い響きでもなく、オケの厚みはことさらに感じない。
う〜ん。余韻の響きだろうか。でも、ホールの良さだけじゃーないだろうし。
う〜ん。録音で蘇ったのだろうか。でも人工的な響きじゃないし。ずーっと自然な音の響きなのだ。
う〜ん。どーしたらこんな音色が出てくるんでしょうねえ。まるで羽毛に包まれて、寝ているかのような気分になってしまった。 うっとりしつつも、驚いてばかりで、他との盤との違いが、しっかり見極めできずにいる。
上品で、敬虔で、神々しいような響きで満ちあふれており、終わっても拍手するどころか放心状態になってしまった1枚である。

クーベリック バイエルン放送交響楽団 1980年
Rafael Kubelik
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)

録音状態は良い。透明度が高く、アンサンブルも精緻で、美音である。ここまで、神々しくしちゃってよいのだろうか。と驚いた1枚。
カップリング:モーツァルト交響曲第38番、第39番

1楽章
「みぃっ〜〜 しどれみ〜 しどれみ〜 しどれみ〜しどれみ〜 そっ しっ み そぉ〜み」
「み〜ど ど〜ふぁ」
「しらそふぁ み〜れしらどしらそふぁ〜 みどしれどしそふぁ〜られ〜そみ ふぁ〜ら れ〜そみふぁ」
すごい透明度が高い。で、メチャ丁寧で慎重に音を出している。ワンフレーズだけで、こりゃ凄いわ。
息を詰めて出てくる。うはっ。こりゃ息づかいが他の盤とは違うっ。と思ってしまった。
テンポはゆっくりめ。弛緩せず、息を潜めて、いや詰めて詰めて、そろっと揃って次の音を出しているのが、空気感で漂ってくる。
出てくる音は硬質的だが、しかしソフトだ。
芯が硬いし一本通っているのだが、音の響きはソフトで、まろやかでも厚みもないが、肌合い的にはソフトに感じる。どうして、そう感じるんだろ。ほとんどが弦で、木管の音色がプラスされているぐらいなのに、どーしたら、こうなるんだろ?  う〜ん。唸ってしまう。

口調がきつくないこと。フレーズが細かく分断されていないこと。間合いが呼吸的で、均一であること。
アンサンブルが精緻で綺麗なこと。弦や木管の音色が木質的で、檜のように硬いが、呼吸しているように感じること。特に、木管 こりゃ〜すげっ。
弦の中高音域の美しいこと。おったまげ〜 昔から持っている盤でありながら、モーツァルトに苦手意識があり、ずーっと聴いてこなかったことが、メチャ悔やまれる。あ〜っ  モッタイナイことをしちゃったよぉ。
で、劇的な要素がなく、余計なイメージが湧かないほど、
「しっ ど〜しら〜 そふぁ〜」というフレーズも、そのまま受け取れる。かなりブキミで、いかつく、劇的に「っしぃ〜っら っど〜しらっ」 と奏でる盤もあるのだが、クーベリック盤では、そのまま。自然の流れで、スムーズに移動していく。
「どれ〜し どれ〜し ・・・ た〜たったたぁ〜 れ〜どらふぁ〜 れ〜どらふぁ〜れ」
「そしらそ どっ ふぁらそみ ふぁっ・・・」 
クーベリック盤では、切り替えずに、自然にリズムが生まれてくるようで、雲のように自在に形を変えていくようで驚いちゃった。他の盤だと、んじゃ、変えますって感じで、主題が変わるのだ。 弦の美しいこと。この上ないっ。
「う〜たら らった う〜たら らった」 と書いてきたリズムが、こんなアホみたいな旋律じゃーないし、滑稽でもないことが、わかった。コミカルさや諧謔さを感じてきたフレーズなのだが、ひぇ〜 クーベリック盤だと、恐ろしく、美しく、極めて上品なのである。 「う〜たら らった う〜たら らった」・・・「れーみふ〜れ みふぁ〜れ ど し〜みれどしらそふぁみれ」
なーんて、アホみたいな表現だった。と猛省させられた。(汗)

2楽章
「ら〜どし〜ら れ〜〜ど そら・・・」
たらららら〜っと、音は山なりにのぼっていくのだが、静謐すぎて〜 怖いぐらいの音色である。
どんなヴァイオリンを使っているんだ〜と言いたくなるほど、神々しく聞こえてきて、鳥肌が立つ。
うっとりするとか、よく響いてまろやかだ。なんてアホみたいなことは書けない。
余計な言葉は、この際、要らないよなあ。と思ってしまった。

3楽章
「みみそしみ〜」「みみそし ど〜 みみそし れぁ〜」
テンポは、ちょっと速め。音が濁らず、長い音をあまりのばさず、すっと進んでいく。 サクサクした歯ごたえだが、ソフトで、スピード感にあふれ、瑞々しい。
「そししし れ〜 ししし れ〜」と、素直に走っていく。
決して力づくしで、押しの強い圧迫感はないが、しなやかでありながら、びくともしないような意志力を感じる。 セカセカしたリズムではなく、あくまでも品が良く、柔らかいが硬い。
線の細い、すーっとした絹のような風合いのモノなのだ。起伏の激しいドラマでもないし、身振りも大きくはないけれど、物腰は柔らかいが、一本筋の入った頑固で、信念を持った演奏 だな〜と感じる。 既にひれ伏す状態で、畏怖すら感じてしまう。ホントに恐れ入りました。
モーツァルトって、変な天才って感じがしてて〜 私的には、あの映画がトラウマのようになっている。
下品に、ガハハと笑っているイメージがあって、諧謔的な人だと思っていた。 神々しいタイプの人ではないっと思っているので、このクーベリック盤のように、磨かれた美音に接して、う〜っ。思わず唸ってしまった次第。

クリップス盤のような、柔らかさでも親しみやすいノリではない。フワフワ感は、雲の上のようなフワフワ感ではなく、クーベリック盤は、高級ホテルのベットのようなしつらえである。 枕で言ったら、羽毛ではなく、低反発の枕って言うか。(あ〜っ やっぱり俗っぽい表現になってしまった)  で、優しさは、ちょっと近寄りがたいほど。雲の上の人的、オカミ的オーラがある。
また、冷静になって聴いてみる必要がある。

ホグウッド シュレーダー エンシェント室内管弦楽団
1981年
Christopher Hogwood
Jaap Schroder violin
The Academy of Ancient Music on authentic

録音状態は良い。テンポが速く目が回ってしまった。古楽器による演奏で、音色に馴れず、セカセカした感覚だけが残ってしまった。
う〜ん。38番は、ちょっと〜ひいてしまった。
カップリング:モーツァルト交響曲第25番、38番、40番、41番

1楽章
「みぃ〜しどれみ〜しどれみ〜 しどれみ〜しどれみ〜 そっ しっ み そぉ〜み」
冒頭、ドスンという感じで出てくるのだが、そのうちに勢いが良く、「たらら たらら〜ん」と軽いなってくる。
でも、ささくれだった音色がしてて、古楽器の音には、ちょっと馴染めない。
ヴァイオリンの音色には、艶があるのだが、ちょっと硬めのフレージングだ。ティンパニーも、小さな太鼓風で、硬めの響きで柔らかさがない。う〜ん。総体的に硬いかなあ。
それに厚みがなく、残響が少なめで、抑揚が、あまり感じられないような気がする。
テンポはホント速め。木管の声が明るく、すっきり、のびてくるところが好ましいし、ヴァイオリンの音色が、とっても綺麗に、艶やかに磨かれている。
のびやかで、軽快で、スマートで、上品すぎるほど上品で、格好が良いような気がする。
切れもよく、木管も気持ちよく響いている。
ただ〜聞き進むと、重さも暗さも、ほとんど皆無って感じだなあ。という感覚に。
おチャメに響くのだが、もちっと〜っ ねばれよ〜っと言いたい気分。
でも、これはこれで、納得させられちゃう軽妙さもあり。フレーズの冒頭に、ちょっとアクセントがついてて、リズミカルである。
木管が前にでてくるフレーズもあり、反対に、弦が前にでてくるところもあって、バランスで、えっ と感じるところもあるのだが、でも、意外と違和感を感じない楽章である。

2楽章〜3楽章
ちょっと速い。もっと、そろ〜っと出てきて欲しいのだが、軽いわ。やっぱ。
木管が重なってくるところは、綺麗にまとまっているが、深い音色が足らないので、重さが足らない。
たっぷり〜 深く掘ってあがってくるフレーズも、重量感がないので、ちょっと惜しい。でも、意外といいな〜というのが感想。
「たたた た〜 」最後ののびが、妙に気に入って、軽妙だが、たぁ〜とのびるヴァイオリンの艶っぽいことと綺麗さに耳がぴくん。でも、テンポが速く、ホントに早口で、最後で、 低音が入ってくるのだが、ついていけなくなってしまった。しっかり聴こうとすると、するり〜と、逃げられているようで、悲しい。
「ららら れ〜 らられ〜」
ここまで、テンポアップしなくてもよいんじゃ〜と、いささか感情に浸れない悲しさがある。 トリルが、綺麗にまとまっているのに、やっぱり速すぎて〜 う〜ん。 ティンパニーの打ち込みも、畳みかけてくる感じがする。セカセカしてて、落ち着かない。
最後に至るまで、このセカセカ感が、快感から、ちょっと不快感に変わる。表裏が、かわりばんこに、出てくるような楽章が、めまぐるしく、最後、勘弁してください。という気分に・・・。
まるで、回転度数の速い、遊園地の「コーヒーカップ」に乗って、目が回った、酔った気分・・・に。
ホグウッド盤は、メリハリの効いた演奏が好きなのだが、38番は、ちょっと〜  総体的に、軽くて速め。息が持たないのか、響かないから速めに切り上げて、さくさくと進むのか。
セカセカした気分だけが、最後に残って〜 う〜ん。浸れなかった。

ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン 1982年
Herbert Blomstedt
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

録音状態はまずまず。あまりクリアーではないが、響きがまろやかで暖かい。全体的に細めだが、上品で、ティンパニーで締めている。
カップリング:
1〜3 モーツァルト 交響曲第38番
4〜7 モーツァルト 交響曲第39番

1楽章
「み〜 しどれみ〜 しどれみ〜 しどれみ〜 しどれみ〜 そっしっみっ そ〜み」
第1音が長めで、テンポは序奏という感じでゆったり出てくる。冒頭こそ、いささか遅いかな〜って感じだが、重さも適度で、おもっ、ごっつ〜という感じはしない。
「しどれみ〜っ」と、畳みかけてはいるが、最後もゆったりめ。 「み〜ど ど〜ふぁ しらそふぁみ〜 れしらどしらそ ふぁ〜」 
長めの序奏なので、少し重々しい感じがする。
ティンパニーを充分に叩き、弦は、幾分ふわ〜っ。と奏でられている。
特に、弦が、「ど〜しら〜 そふぁ〜 ど〜しら〜」と、どうしようかしら。と悩んでいるようなフレーズを弾いているところの音の膨らみ萎ませ方が、歌うように感じるし、機微に富んでいると言えるかも。
気づかないところで、微妙なニュアンスを持たせている。長い序奏だが、この演奏だと飽きない。
弦と木管が不安なフレーズを奏でたあと、ようやく長い序奏部が終わる。
「んちゃーチャカチャカチャカ」と、リズムが生まれる。「そしらど ふぁらそみ みそふぁみら〜」と軽やかで、ブロムシュテット盤は、展開が速い。
「う〜たら らった う〜たら らった」
「れーど し〜みれどしらそふぁみれ  れ〜れっどっ〜 そ〜そっふぁ〜」
「しそみそ しししし・・・(ふぁそふぁそ) しみれど しししし・・・(ふぁそふぁそ)」
「どーし どーし れーど れーど らららそ」「ら〜ららそ」
この軽やかな身のこなしは、優雅で細身の体をひねって、身をかわしているような感じがする。高音域がスマートで、すわーっとした軽やかさがあり、ブロムシュテット盤は、かなりスマートだ。 淡泊すぎるかな〜と、ちょっと心配するほどで、テンポも速め。変なアクセントはついていない。 幾分渋めに響くシュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団と昔は呼んでいた)の音色だが、ここでは上品にまろやかに聞こえる。
「そみれど〜 ふぁみれど〜」というフレーズが、音を変えて、暗くなったり明るくなったり微妙に表情を変えるのだが、ブロムシュテット盤でも、飄々と表情を変えていく。
弦の細めの響きが、嫌みな高音に鳴らず、素直に上品に聞こえてくる。なにより、音にしなやかさがあって好ましい。

2楽章
「ら〜ど し〜ら れ〜〜ど」「ら〜ふぁっそっしっみっ」
テンポはゆったりしているが、歯切れを持たせてフレーズを揺らしている。冒頭は抑えているが、次の主題に変わるところでは、「どどどどどどど・・・ ど〜しらそふぁれれ〜ど」 
同じ音のところは、少し強く速めにテンポを変えている。単調にならないようにしているようだ。 ブロムシュテット盤では、可愛く小市民的だ。演奏が、ダサイっていうわけではない。 洗練はされているが、ご大層ではないのだ。素直で素朴感がある。 「ふぁ〜ら ど〜れ」 フルートとクラリネットの和音が綺麗だ。暗さ、明るさの揺れを描いている。
私的には、モーツァルトって怖い人で、1音で、ころり〜と変わる表情が、空恐ろしい。明るそうに振る舞っていながら、急変するんだもん。ヤダよ。 いつも顔色を窺っていなければならない。そんな気がするのだ。表裏一体型っていうか、騙されそうで〜 腹の底からはシンジラレンのだ。
まっ ブロムシュテット盤は、この表情づけが嫌みにはなってないし、ブロムシュテットさんの人柄で聴いてしまうところがあるので・・・。安心だ。(←こりゃ〜正確とは言い難い)

3楽章
「みみそしみ〜」小鳥と遊んでいるようなフレーズで始まる。
「みみそし ど〜 みみそし れぁ〜」テンポが速めに、かろやかに響いている。
快活っていうよりも素朴。ふわふわ感があるが、ぶよぶよしていない。ティンパニーが要所を締めているし、木管や弦が、メタボ系の響きではない。必要不可欠な音の量しか出しませんって感じ。
「ししし れ〜 ししし れ〜」と、迫ってくるフレーズもあるが、軽く、いなしている。
幾分乾いた感じもするが、自然な湿度があって、流れもスムーズに出ている。で、ティンパニーの叩き方が良いねえ。ティンパニーが、しまっていこうぜ〜って感じに叩かれている。 シンプルな構成、シンプルなフレーズ、でも、フレーズが交錯し、主題が入れ替わる時、単調な旋律の割には、どう繋がっているのか・・・。たった数音で、ころり〜っと雰囲気が変わる。
あ〜 だからモーツァルトって苦手なんだよなあ。
こんな素直な演奏のブロムシュテット盤を聴いてても、そんな風に感じちゃった。

バーンスタイン ウィーン・フィル 1985年
Leonard Bernstein
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

録音状態は良い。ライブ盤 ウィーン・フィルの転がるフレーズは、とても綺麗だな〜って感じたのだが、2楽章はかったる〜い。
カップリング:モーツァルト交響曲第38番、第36番「リンツ」

1楽章
「み〜 しどれみ〜 しどれみ〜 しどれみ〜しどれみ〜 そっしみ そ〜み」
「み〜ど ど〜ふぁ しらそふぁみ〜れ しらどしらそふぁ〜」 
冒頭の響きは、ごっつ〜いモーツァルトである。ひぃ〜 なんだこれ。と思ったのだが、聞き進むにつれ、木管の涼やかな響きもあるし、ティンパニーの重々しい響きもある。 「たららら〜 たららら〜」の続く部分では、多少は不安感を持続し、緊張感もあって、弦のふわ〜っと、なびくところも描かれている。
長い序奏部が終わると、「んちゃーチャカチャカチャカ」と、リズムが生まれて「み〜そしそみっ」と軽やかに鳴ってくる。まっ でも軽やかであるといっても、ピリオドではないので、そこそこ重量感はある。 ウィーン・フィルなので、木管のふわり感や、そろっ弦の細やかな動きが心地良い。ちょっと厚ぼったい重量感のある布きれを持たされているような感じがする。
印象的なフレーズ 「う〜たら らった う〜たら らった」 粘りがあってとても面白い。
「れーど し〜みれどしらそふぁみれ  れ〜れっどっ〜 そ〜そっふぁ〜」
「しそみそ しししし・・・(ふぁそふぁそ) しみれど しししし・・・(ふぁそふぁそ)」
「どーし どーし れーど れーど らららそ」「ら〜ららそ」と転がるフレーズが、メチャ おちょくられているようでもあるのだが、弦の高音域の重量感と、歯切れ感が、頃合いに聞こえる。
冒頭は、重いっと感じたのだが、テンポが良く、さくさくしてて段々と軽く感じはじめた。で、違和感を感じないどころか、この印象的なフレーズを存分に楽しんでしまった。
ヴァイオリンの高音域のしつこくないノビと、木管のキレの良い響きが、めちゃ効果的だと思う。
聴く時は、え〜 バーンスタイン盤かあ。と思っていたんだけどなぁ。意外や意外っ。

2楽章
「ら〜どし〜ら れーど」
「ら〜ふぁっそっしっみっ」 憂いを感じる楽章で小声で喋っているような雰囲気がする。
ここのテンポは、ゆったりめ。私的には、もう少し速めであれば嬉しいのだが。
2声で歌うようなフレーズがところどころあって、「ふぁ〜どしら そ〜ふぁ」と、とろけてしまいそうになる。
う〜ん。甘美だし、ゴージャス感があって〜 退廃的なお貴族さま風なのだ。小市民的な暮らしをしているモノなので、もちっと速めに、さくさく動いてくれ〜と叫びそうになるのだが、このかったるさが良いのかもしれず。つい、まどろみの猫状態に〜。
日曜日、ぽかぽか天気のランチタイムが終わった後の、昼下がりに聴くような演奏になっている。

3楽章
フルートと弦のセッションで、「ふぁふぁどしふぁ〜 ししどしど〜 ししどしれ〜 ししどしど〜」
テンポが壮快で、快活なフレーズになっている。
フルートだなあ。この生命線は。と思いながら聴いていたのだが、あ〜巧いなあ。
弦のアクセントも、転がるフレーズのなかで、くっきりついて、次のフレーズへのつなぎができてて開放感がある。
「ししどしふぁ〜」この語尾の「ふぁ〜」の伸ばしと強さが心地良い。 「ポポポポ」「ぺぺぺぺ」と言っている木管のリズムとか、もちろんあっての弦で、この合間の手が無いと、メチャ単純で聴いてられないぐらい退屈なの筈だが、う〜ん。これ乗せられるなあ。 1楽章、3楽章は、濃密感もあるし凝縮感もあり、きっちりとした構成美も感じる。特に、フレーズを追いかけていると、フィガロの結婚を聴きたくなる。
どことなく、コミカルでありながら紳士的でもあり、その微妙なバランス感に聞き惚れた。 でも、2楽章は、う〜ん。これ、ワタシ的にはだれてしまう。
バーンスタインさんと相性が悪いのだろうか、テンポが遅めで、うぅ〜と痒みが発生。

ブリュッヘン 18世紀オーケストラ 1988年
Frans Brüggen
Orkest van de Achttiende Eeuw
(Orchestra of the 18th Century)



録音状態は良い。すっきりとした硬めでリズミカル。1楽章は、格調高さがあるが、2楽章は二面性有り、3楽章はタイトです。ワタシ的には、窮屈なモーツァルトだ。
カップリング:モーツァルト交響曲第38番、39番、歌劇「フィガロの結婚」序曲 
ライブ盤

1楽章
「れぇ!〜〜 らしどれ〜らしどれ〜らしどれ〜らしどれ ふぁっ らっ れっ そぉ〜れ れぇ〜し」
「しぃ〜そぉ らそふぁみれ〜 どらそ しらそ ふぁ〜み みどし どしら〜ふぁ〜そ どそっみ・・・」
まず、冒頭から、なんか怒っているかのように硬いっ。
特に弦の響きが冷たく、硬めで、ツーンとしている感じがする。表情の冷たそうな麗人だ。
冒頭で、わっ 取っつきにくそう・・・。というイメージを、既に抱いてしまったのだが、聞き進むにつれて〜  なんだか乗せられちゃうんである。
で、むしろ、これぐらい格調高く、ちょっぴり、スマシテいなければいけないかな〜と思うように。
ホント、音は綺麗ですねえ〜 冷たく、硬質感があり、キラっと輝いているというか。
堅牢な石造建物のような、天に突き刺すような尖塔を持った教会というか、そんなイメージがする。

さすがにモダン楽器ではないので、音の響きが持続しないし、最初は、キツク聞こえちゃうのかもしれない。
しかし、低音の響きがしっかり入ってくるので、決して高音域だけのフレーズだけで流れていかないですね。 まあ、はやく言えば軽すぎないで、硬めの響きが流れてくる。
序奏の部分は、硬いな〜って思ったが、「そしらそ しっ みそふぁみ らっ れそふぁみ らっ そっふぁ〜」と展開していくところは、「う〜たら らった う〜たら らった」 というフレーズは、快活に弾む、弾む。
フレージングが、キリリと引き締まっていて、筋肉質に感じるが、厚ぼったくないので、必要な筋肉だけついてます的なイメージがする。
音のノビ感も、すわーっと伸びてて気持ち良く、フレーズによっては柔らかいし。うむ。 とても不思議な演奏だ。
こりゃ、カラダの構造は、どうなっているだろ。と、覗き見したくなるような気分になって、すごく不思議な感じがする。 透けて見えそうな見通しの良さがあり、クールな音質が熱も帯びてて〜 これがライブ盤なんですか。ギャボーン。

木管類が、ワタシの耳には、管の細い響きがイメージされて、最初は、うぷぷっ。と感じていたのだが、(ふくよかな響きが少ないので)、そのうち、品よく、気迫がこもってくるというか、なんというか。
これでなくては〜という強い意志を持った演奏で、迫力に押されてしまうというのが正直なところ。
聞き進むにつれて〜 劇を見せられているような感じだし、完成された芸術品を見ている感じになってきます。
まっ フィガロの結婚のように、ウキウキした感じではなく、あくまでも冷静なんですけどねえ。 そこがニクイかなあ〜
人だけ乗せといて、するり〜っとカラダを捻って、後ろを向かれてしまうような麗人って感じで、なかなかクールな芸達者って感じがする。

2楽章
「そぉ〜しら〜そ みどど ど〜し〜 しそら ふぁれみふぁそらど・・・」
「そぉ〜しら〜そ れどど ど〜し〜 しらふぁ れみふぁそらしど・・・」
フレーズが、山なりのように続くのだが、弦のフレーズより、するっと、はぐらかされて、パパパパっと弾んでいく。木管の和音は綺麗だし、レースの綺麗なカーテンが、風にそよそよと揺れているような感じ。
弦の刻み音も、すーっと弾むし、リズム感もある。
「ししし ししし し〜 らそふぁみ どどど し〜」「らそそふぁみみれれど れ〜みれど」

モーツァルトの凄いのは、ところどころ、場面場面で、顔の表情が変わるところ。 さっきまで、暢気に遊んでいたと思っていたのに、えっ いつの間に、表情が変わるの?
今度は、険しい表情で、落ち込んでいるし。えっ また元気に〜  えー 今、何考えているのか、ワカラン。ってところが、まー 凡人のワタシには、怖いところなんである。 感情だけなのか思考まで変わるのか、この変わり方が怖いんだが〜
まあ、揺れる女心というヤワな感じよりは、やっぱ、完全な二面性でしょうか。 ブリュッヘン盤は、光と影を、なーんか、さりげなく、微妙に描かれている演奏で、気づかないように、両面描かれているような気がします。

3楽章
ちょっとテンポは速めで、スイスイ行かれてしまう。高音域の弦の、すわーっとした響きがあるのだが、ティンパニーの打ち込みが強めで、すごく引き締まっている。
ポコポコ言っている木管のフレーズは柔らかい。
ポコポコ「ら〜しどれみ ら〜しどれみ」ポコポコ ポコポコ・・・「らそ そっふぁ ふぁみれっし」
せっかく楽しんで、可愛らしく、プチプチ囁いているところを、バンっと打ち込んでくるティンパニーが怖い。
「れれそみぃ〜しぃ〜 れれそみ どぉ〜」「れれそみ らぁ〜」 結構、険しいフレージングで、可愛いんだけど、怖いっていうのが、代わる代わるお越しになりまして、ハイ、あまり気が休まることがありません。 これじゃー ファゴットさんが可愛そうな気がする。

まっ 総体的には、引き締まった筋肉質的演奏で、なかなかにリズミカル。
最後には、古楽器というイメージが少し遠のいていくが、ワタシ的には、少しタイトで、厳しい演奏のように感じる。
1楽章は、クールな麗人で格調が高いかな〜 2楽章は、さりげない二面性が出てて、3楽章は、やっぱ、怖いじゃん。って感じでした。 特に、3楽章は、ワタシ的には、もう少し可愛らしく演奏して欲しいかなあ。
もう少し伸びやかで開放的でもよろしいんじゃーと思いました。ちょっと、いや。かなり〜ティンパニーが怖いっ。(笑)
ヤワなワタシにとっては、ちょっと窮屈なモーツァルトに感じられる。これは好みですけど・・・。

C・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン 1990年
Colin Davis
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

録音状態は良い。ちょっぴり硬めでフレーズが短めで強弱強め。
カップリング:モーツァルト交響曲第35番、39番、40番、41番 2枚組BOX

1楽章
「みぃ〜 しどれみぃ〜 しどれみ〜 しどれみ〜 しどれみ〜 そっしっみっ そ〜み」
録音状態が良く、透明度も高い。
た〜らら た〜ららっ。と柔らかいし、かといって硬めだし。
弦の「し〜そししみっ」という響きは柔らかいが、ちょっぴりティンパニーが硬め。で、低弦の響きが、渋いというか、くぐもっている感じがする。
弦の「ど〜しら〜そふぁ〜」というフレーズでは、ら〜が強いし、木管とのつなぎがイマイチ。
木管の「どぉ〜しら〜」 ら〜と、ふぁ〜のノビでは、ばらけ気味。
さあ、明るくなってくるぞっ。というところでは、木管が綺麗だし、弦も良い。華やかさもあり、花もある。
ワタシ的には、「ん〜たららった ん〜 たららった」のフレーズが、これ命っ。と思っているところなので、ここが綺麗に決まってくれると嬉しい。デイヴィス盤はリズムが良い。低弦のビートも効いているし、 高い弦のふわっとしたところも、さすがと思わせる。 でも、なーんか粒立ちがよろしくない。丸くなっていない。
ティンパニーと共に、低弦のビートのパワーは良いし、メリハリがあるし、強弱が結構ついているのだけど〜細部の詰めが甘いって感じがするかなあ。

2楽章
「ら〜ど し〜ら れ〜〜ど」「ら〜ふぁっそっしっみっ」
テンポはゆったりとして、弦のフレーズは綺麗だが、全体的に息が少し短め。
フレーズが、「れ どしどしどし みれみれみれ そふぁそふぁそふぁ そらそら〜」と合わさってくるところも、綺麗だけれど、木綿風の肌触り感がある。まっ、オケの音色だと思うんだけど。
木管群のフレーズの移動は、まあ。ちょっと単調すぎて、もっと、歌ってよぉ〜という感じがする。
強く弾いたところでは残響が綺麗なのだが、短めのフレーズに仕上げているようで、他盤と比べると、細切れ風に聞こえて、リズムが生きてこないのが、ちょっぴり残念。

3楽章
「みみそしみ〜 らそふぁみ そふぁふぁみ そふぁふぁみ そふぁふぁみふぁ〜」・・・
「みみそし どぉ〜 みみそし れぇ〜  みみそし どぉ〜 みみそしれぇ〜」
このテンポの少し速めの楽章は、ノリが良いのだが、なーんか密度が弱い感じ。
細かいフレーズが決まってくれてないような気がする。低い音が強いのかなあ。いや高いところが薄いのか。よくわからん。
木管 特に、フルートは、めちゃ可愛いのに、弦の、タタタタ たぁ〜 タタタタ たぁ〜 の高い域へと、伸びるところが、イマイチ軽く、あがってくれてない。
「みみそし れぇ〜」って感じのフレーズだと、冒頭のティンパニーが硬く打ち込まれているし、逆転して、語尾にアクセントが付いているところとかは、中間の弦の音が、どこかへ行っちゃったの?という感じで薄い。
うっとりさせてくれるタイプでもないし、剛毅でもないし。中庸な演奏も好きなんですが、個性盤も多いなか、う〜ん。なーんか中途半端に感じてしまった。悪くないんだけどなあ。スミマセン。
1959年 ベーム ベルリン・フィル ★★★★
1968年 スウィトナー シュターツカペレ・ドレスデン DS  
1970年 カラヤン ベルリン・フィル EMI ★★★
1972年 クリップス コンセルトヘボウ Dec ★★★★★
1977年 カラヤン ベルリン・フィル G  
1980年 クーベリック ベルリン放送交響楽団 SC ★★★★★
1981年 ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 OL ★★★
1981年 アーノンクール コンセルトヘボウ  
1982年 ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン De ★★★★
1984年 ヨッフム バンベルク交響楽団  
1985年 バーンスタイン ウィーン・フィル ★★
1986年 レヴァイン ウィーン・フィル  
1988年 ガーディナー イギリス・バロック管弦楽団 Ph  
1988年 ブリュッヘン 18世紀オーケストラ Ph ★★★★
1990年 C・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン Ph ★★★
1991年 コープマン アムステルダム・バロック管弦楽団
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved