「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

0993012019590941

モーツァルト 交響曲第40番
Mozart: Symphony No.40


0993

セル クリーヴランド管弦楽団 1967年
George Szell
Cleveland Orchestra

ばっちグー!

録音状態は、リマスタリングされており、録音状態はすこぶる良い。すっきり系の演奏で、職人芸を見ているみたいで〜
「ジョージ・セル・プレイズ・アンド・コンダクツ・モーツァルト」10枚組の輸入盤ボックスからの1枚。

1楽章
この盤は、モーツァルト生誕250周年の2006年に発売された「ジョージ・セル・プレイズ・アンド・コンダクツ・モーツァルト」という10枚組のセットである。
交響曲は、28番、33番、35番、39番、40番、41番と、ディヴェルティメント等が収録されている。
交響曲としては、まとまってないのだが〜 録音状態も良いし、すっきりとした演奏だと思う。
今日聴いたのは、67年に録音されたクリーヴランド管弦楽団との演奏。
ひとことで言っちゃうと精緻だな〜 破綻のない、きっちりとした楷書体の演奏だ。

「ふぁみみ ふぁみみ ふぁみ〜ど どしらっらそ ふぁっみっれっれ」
「みれれ みれれ みれれ〜し  しらそっそふぁ みっれっどっど」
冒頭は、ため息型と言われている短二度の動機が出てくる。
ワタシでは、アナリーゼは無理で、解説はできないのだが、この冒頭は、とても印象に残る。
モーツァルトの割には・・・ちょっぴりほろ苦く、渋い。 ヴィオラとかヴァイオリンの音も良いんだけど、裏で、出だしから「んタラ んタラ んタラ・・・」と鳴っている響きが、なんとも言えない影がある。
モンゴゴ モンゴゴと奏でているチェロの響きも、しっかり聞こえてくるし、歯切れも良い。
フルートやクラリネットの透き通るような響きもあるし、う〜ん。結構、ワタシには苦手意識が強いのだが、モーツァルトって聞き込めば、スルメなのかもしれない。
セル盤のテンポは、キビキビして、速くもなく遅くもなく。伴奏になる木管のリズミカルさも感じる。
「ふぁみみ ふぁみみ ふぁみ〜ふぁ〜れ ど〜みれしどっ」と、テンポが、とっても小気味よい。

2楽章
「どぉ ふぁ〜ふぁ〜ふぁ〜  どぉ〜そ〜そ〜そ〜」 「ふぁど〜れ ふぁ〜しど みそっ そみふぁっ」 
2楽章は、テンポが、がくんと落ちて、ゆったりした楽章になっている。
木管の「しらっそっふぁっみっれっ・・・」と雨だれのように落ちてくるフレーズが印象に残る。
「どぉ〜しらそっ」っと、また、ため息をついているのだが、何を、そんなに、ため息をつかないで〜
まあ。悲嘆にくれているワケでもないのだが、低弦の響きのなかで、タラン タラン タラン タラン・・・と繰り返されるリズムが、セル盤だと、重くもなく軽くもなく、適度な硬さで繰り返される。
結構、セル盤って、淡々としているのだが、フレーズが、蠢くわけでもないし、時空間の広がりも大きいわけでもなく。かといって、鬱陶しさも、かったるい重苦しさもない。

3楽章
「みっら〜 どぉ〜 しらそしら  みっら〜どぉ〜 み〜 れどしれど」
「みっら〜 どぉ〜 しそふぁらそ ふぁみれふぁみ れどしれど どっしららそ ふぁ〜らっ れみ・・・」
メヌエットだというけど、宮廷舞踏のような軽さはなく、重くて固くて、あらら〜っと驚かされる重厚さだ。
まっ 何度か繰り返されるなかで感じるのは、渋い雰囲気よりも、むしろ無機質的な印象を受ける。
中間では、ほっとさせる明るさ、軽さが、木管で奏でられる。
セル盤のホルンは、柔らかくて良い響きがする。「らどみ れし〜 しれふぁ みどっ しっしら しどふぁ〜」
弦の硬くて重いフレーズと、管の柔らかい響きが、妙にマッチしたサンドウィッチ構造。

4楽章
オチャメな楽章だが、セル盤で聞くと、ちーっとも楽しくない。
なんだか模範演奏のようで、杓子定規するような気がするのだけど。(笑) 
それでも、切れがあるのと、さっぱりしたヴァイオリンの音色が、キッチリとしたアンサンブルと共に、喉ごし爽やかに入ってきてるし、フレーズが、活き活きとしている。
適度に太い音色が出てきており、弦のキビキビ感は、妙にワビサビの世界のように感じられ、う〜ん。あえて言うなら、燻し銀的で、ちょっと、無機質的な感じがしないでもないが、妙にてらった、人に媚びた、まったり系の演奏ではないので、無骨な職人さん風、古風な雰囲気を与える。 ソフトタッチでもないし、柔軟でもないし、オチャメでもないし。

さっぱり、さーっと、演奏されちゃって、通り過ぎて終わってしまう。ありゃりゃ〜と思うが。これで良いのかもしれない。
余計な味付けがされておらず、キビキビした感覚が残りつつも、あまりモノ言わずに去っていく演奏だ。

カラヤン ベルリン・フィル 1970年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra) 

ばっちグー!

録音状態は良い。美音で彩られ、するっと聴けてしまう。都会的な美しさがあり、美女を連れて歩いているかのような流麗な演奏だ。
←カラヤン コンプリート・EMI・レコーディングス BOXからの1枚。

1楽章
このCDは、カラヤン コンプリート・EMI・レコーディングスとして、カラヤンさんの生誕100年にあたる2008年に発売されたBOXの1枚である。で、リマスタリングされて録音状態は良い。70年だとは思えないほどで、その頃、録音会場に使っていたベルリンのイエス・キリスト教会で、ほどよく残響が残って、綺麗に録音されている。
出だしの「ふぁみみ ふぁみみ ふぁみ〜ど どしらっらそ ふぁっみっれっれ」というフレーズからして、流麗だ。
意外に思うほど、スピード良く、すいすい〜流麗に華麗に流れて行く。ホント、流麗という言葉が、そのまま、ぴたっとマッチした演奏だ。たぶん、カラヤンのレガートというのが、これなんだな〜っと、今更ながらに聞き惚れてしまった。
意外と、この曲の出だしは、みなさん速いのである。セル盤も、スウィトナー盤も、ホグウッド盤も、全て速い。
ワタシとしては、もう少し心持ちゆったりでも良いのに〜と思ってしまう。
で、意外と、なんていうのか〜 そつがなさ過ぎて、ちょっと面白くない演奏だな〜って思っていると、その内に、熱くなっていくのである。どうも、低弦の響きに乗せられて、カシカシ カシカシっと弾いているうちに、自然に乗ってくる感じだ。
特に、ヴァイオリンの美音には驚かされるけれど、フレージング自体には、あまり、タメ感はないので、スタイリッシュな感じがする。陰影をつけて、まったりとは演奏されておらず、スマートに一気に行きましょうっという感じ。スイスイっ〜

2楽章
「どぉ〜 ふぁふぁふぁふぁふぁふぁ〜  どぉ そっそっそっそ〜・・・」
「ふぁ〜どれ ふぁ〜しど ふぁふぁ ふぁ〜みそ みそっ・・・」
カラヤン盤は、優美というかエレガントである。ちょっと、気怠さを感じさせる盤もあるし、陰影の濃い演奏もあるのだが、ちょっと、すました都会風のお嬢さんを連れて歩いているかのような感じだ。
弦のフレーズに乗っかって、木管のちょっぴり飛んでいるフレーズが、なんとも、チャーミングで綺麗だ。
室内楽的に響き、まろやかだが、まろやかだけではなく、やっぱり、流麗で、磨き抜かれた、ちょっと気の強そうな美女が想像されてしまう。
「どぉふぁ〜〜ふぁふぁふぁふぁ そそそそそそ れし・・・ ふぁ〜どぉれ ふぁ〜しどぉ ふぁみそっ みそっ(ふぁ〜)」
陰影のつく場面も少し見えるが、弦の低音の響きが、高いヒールを履いたお嬢さんの足取りのようで、そこに美しいフルートが、「れどっしらそっ しらっそふぁみれっど・・・」と乗っているのだ。う〜ん。やっぱりこの頃のカラヤンさんは、巧い。
綺麗な音が詰まっている。そう〜素直に感じられる。

3楽章
「みっ らぁ〜どぉ〜 しらそしら  みっらぁ〜 どぉ〜み れどしれど〜 らっみふぁ〜」
流麗に、素直に出てくるが、ホントに綺麗ですね〜っというアンサンブルで、歯切れが良い。
アクのない、一糸乱れないフレージングの妙というか、難癖つけられない美音に彩られて、力強さもある。アクセントも妙についておらず、無駄なところのない磨きあがった一級品の音が詰まっている感じだ。
ホルンの響きも、「ら どぉ〜み れし  しれ〜ふぁ みど しっしらしど ふぁ」
ど素人のワタシだと、 どこかに、アクセントを置きたいフレーズなのだが、変なアクセントはつけておらず、するっと聴けてしまう。 淡々としたフレーズなのに、妙に流麗に聴けてしまうところが、すごいかも。

4楽章
「みっ らどみら どぉ〜し (らどしら らどしら らぁ〜)」
「みっみぃ〜 みっみぃ〜 み ふぁらしれ ふぁ〜み らどしら らどしら ふぁ〜」
軽やかな弦が、すごく揃っており、細い糸のように、そのくせ舞っているかのような軽やかさを持ちつつ、緊張感があり、強さもある演奏で、やっぱ巧いっ。
単に流麗という言葉以前に、ビブラートをかけ過ぎずに、これだけ流麗で、スマートな演奏って、できるんだな〜と感心してしまった。聴かせ上手というか、乗せ上手というか、するっと音がスムーズに入っていく。
変な小細工をしていないかのようで、やっぱりスタイリッシュに計算されているのだろうなあ。
あー もっと聴いていたいね〜と思わせるぐらいの演奏で、モーツァルトならではの旋律なのかもしれないが、素っ気ないぐらいの弾き方でも、妙にくすぐるようなチャーミングさがある。
それだけ良い曲なのだが、やっぱり、そこにプラス、流麗にまとめ上げてくるテンポの良さと、小気味よさ。流れるフレーズの匠ならではの仕上げの良さ。う〜ん、やっぱり巧いと思います。
ただ、巧いと感心するけど、なんか、情感が詰まっているかと言われたら、どうでしょ。やっぱ綺麗です。としか言いようがないような、磨き上げた職人芸って感じがする。これはこれで、やっぱ一級品なのだと思います。
もしかしたら、良い曲には、余計な、情感は要らないのかもしれません。


0120

スウィトナー シュターツカペレ・ドレスデン 1975年
Otmar Suitner
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。極めて良いと言いたい。 教会での録音だと思うが、弦の響き、木管の響きがふわっと広がる。人肌の温かい軽快で爽快な演奏。オーソドックスな演奏だが、まるでスルメのようだ。
スウィトナー&シュターツカペレ・ドレスデンBOX 10枚組
モーツァルトの交響曲は、28番〜41番まで収録されている。

1楽章
スウィトナーさんのモーツァルトは、爽快だ。
「ふぁみみ ふぁみみ ふぁみ〜ど どしらっらそ ふぁっみっれっれ」
「みれれ みれれ みれれ〜しっ しらそっそふぁ みっれっどっど」
「どしし〜れ そしらみ どしし〜れ そし〜らど〜しらそふぁ み〜」
なーんか、何も足さない 何も引かないって感じの、えっ もう少し粘っていただいても良いんですけど。という思っちゃうぐらい、ちょっぴり速め。でも、まるでスルメのように、味わいがある。音の響きも、70年代中期とは思えないほどに良い響きがあって、超良い録音である。
オーソドックスって感じで、特に歌うわけでもないのだが、柔らかすぎず硬すぎず。
フレーズ語尾の、「っれっ っどっ っみっ」という最後の音が、ふわっと弾んで綺麗に萎むのだ。 思わず、うわぁ〜 音が見えるっ。 「みれれ みれれ みれれ〜しっ」というフレーズだとすれば、最後の「〜しっ」ってところ。
3つの音が最後に来る時も、ホント、語尾の音が、美しい〜っ。
弾む時の響きは、もう絶品っ。
フルートの「〜たららっ」「ん ぱぁ〜」っという響きや、「ふぁみみっ ふぁみみっ」と合いの手を入れてくる時も、うわっ 美しいっ。人の声の囁きにも似て、ふわっ。と吐き出した吐息のようで、思わず、ぞくっ。
鳥肌が立つほどにしびれちゃった。あー これはヤラレタっ。

2楽章
ちょっとテンポが速め。もう少し遅めでも良いかもしれないが、弦のフレーズの綺麗なこと。
「どぉ ふぁふぁふぁ〜 どぉ そっそっそっそ〜 ふぁふぁふぁ ふぁ〜らどしらっ」
基本的に小編成なのだと思うが、特に、弱音の雰囲気が抜群だ。
フルートさんの綺麗なこと。あー 良いお声の持ち主で、シアワセ。
モーツァルトの暗い表情はなく、明朗で、穏やかで柔らかい木質的な響きを、宙に放ちながら、爽やかで清潔感の残る爽快さだ。弦の響きに濁りがなく、清潔なのだ。そのくせ人肌の暖かさがあり。う〜ん。この音の響きに、痺れちゃいますね。 特に、木管の響きが、教会で録音されたモノなので、残響が良く残っている。
「しらっそ ふぁみっれどっし・・・」と落ちていくフレーズなんぞ、天使さまが歌っているかのような、宙に浮いたような音が響いてくる。はぁ。すごい。

3楽章
「みっ らぁ〜どぉ〜しらそしら  みっらぁ〜どぉ〜み〜れどしれど〜」
アクセントの強い演奏も多いし、粘りのある演奏、サッパリしてる演奏、味けの強い、クセのある演奏もあるが、スウィトナー盤は、いっけん、ものすごく平凡な感じ。
でも、これがなんか、最高という感じがする。
弦の、フルートの、ホルンの、音色にワタシは負けました。特に、ここのフルートは、惚れ惚れする音です。几帳面すぎない?と言いたくなるほど、テンポは一様で揺れないし、アクセントもつかないし、変にレガート臭くないし、すごい精密機械みたいな演奏なのだ。そのくせ、音の響きが良いためか、まろやかさ、馥郁とした香りが、もれなく付いてくる。
表情付は濃くないのに、ものすごく引きこまれる。中庸という表現は、どちらかと言えば平凡という感じで、あまり良い印象を与えないが、基準になりそうな演奏だと言えば、ハイ、宜しいかと。
ワタシにとって基準点になりそうな〜良い演奏です。

4楽章
「み〜 らどみら どぉ〜し みそふぁみ みそふぁみ み〜」
「み〜 ふぁらしれ ふぁ〜み らどしら らどしら ふぁ〜」
「みっみぃ〜 みっみぃ〜 み ふぁらしれ ふぁ〜み らどしら らどしら ふぁ〜」
出だしの音は弱いのだが、軽やかに弦が舞っていくので、ふわ〜っとした響きが、あたりに広がって、これは絶品です。特に、「みっみ〜 みっみ〜」という響きの広がり方が、ハンパ無いですねえ。
軽快なテンポでよどみなく、推進力を保ちながら、辺りに響きを放ちながら、ふわーっとしてて語尾が柔らかく、透明度のある暖かさの弦が、う〜 美しいっと、唸るばかりなり。
聴けば聴くほどに、音の響きとは、こう言うモノなのか。と、惚れ惚れとさせる。
低音の響きがさほど入っているわけではないのに、奥行き感もあり、強めに奏でるところも、しなやかだし、さらっとしているのにコクがあって。えっ もう終わっちゃったの。
ハイ、この演奏には完全にやられました。
オーソドックスに聞こえちゃうが、さりげなく、これだけ演奏されるなんて〜これは凄い。拍手っ。


1959

ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1981年
Christopher Hogwood
Academy of Ancient Music

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。極めて良いと言いたい。レーベルは、昔、オワゾリールだったが、今は、ユニバーサルになっている。
テンポは速く、キビキビしてて快活明朗。スマートで格好良い。小股の切れ上がった、キャリア美人OLを見ているみたいで、嫌みなく聴ける。
カップリング:モーツァルト 交響曲第40番、41番

この盤は、第1版という断り書きが書いてある。何が第1版なのか、よくわからないままに聴いたのだが、何かの楽器が足らない。ん? 聴いてて、あぁーっ クラリネットが入っていない。
えっ クラの入っていないのが、初版だったのか。と初めて知った次第。

クラリネットって、モーツァルトの時代に出てきた楽器だっけ?と、気になって調べてみたら、ハイ、このモーツァルトの時代に、新しく出てきた楽器みたいですね。
もっとも、今に至るまでには改良は加えられているようですが〜 
バセット・ホルンだとか、バセット・クラリネットなんて名前の古い楽器もあるようだし、今では、もちろん音程の違うクラもある。まあ。ワタシには、楽器の歴史までは、手が余るし、それだけに、古楽器と言われても違いがわからない素人なので・・・(恥)ご容赦を。まっ、それにしても、クラリネットって、通常、オケでは無くてはならない楽器だ。吹奏楽だって入っている楽器なんだもの。それだけに、ちょぴり、この初稿版の演奏は意外だった。
モーツァルトが、この曲を何度改訂したのかは知らないが、とりあえず、クラリネットの入っていないのが初稿であり、2稿目でクラリネットを追加したらしい。ちなみに、モーツァルトは、クラリネット協奏曲や五重奏曲も作曲している。

1楽章
で、このホグウッド盤、最初に聴いた印象は、メッチャ 速いっ。速い。速すぎ〜。
なんとも軽くて速い、すばしっこい演奏である。
録音状態は良い。極めて良いと言いたくなるほど良い。で、この盤は、オリジナルな古楽器を使った草分け的な存在の演奏である。80年代だもの・・・。録音当時聴いた人は、腰が抜けちゃったほど画期的な演奏だったのではないだろうか。
ワタシは、昔、古楽器を使った演奏やピリオド演奏が、どうも馴染めず、敬遠してしまった経験がある。元々、ロマン派以降の演奏ばかりを好んで聴いていたから、モーツァルトもバッハもベートーヴェンも疎遠となってしまい、全く聴かなくなってしまった。なんだか苦手意識が強くて〜 今も、あまり好まない。
しかし、この演奏、う〜ん。新鮮だ。新鮮すぎる。(笑)
大層な演奏が主流だった時代には、全く次元の違う演奏だったろうが、今聴くと、ふむ。こりゃ、もっと早くにCD棚から、引っ張り出して、聴いていたら良かったのにな〜と、ちょっぴり残念。苦笑してしまった。

クラリネットが省かれているので、軽いし、フレーズにもちろん幅が無いが、ため息まじりの暗い、鬱っぽい楽章だと思っていたのが、ため息場面が、ちょうど良い間合いに変貌しており、息継ぎだけだ。
語尾が、ピンっと上に跳ね上がってて、ため息どころではない。
「ふぁみみ ふぁみみ ふぁみ〜ど どしらっらそ ふぁっみっれっれ」
「みれれ みれれ みれれ〜し  しらそっそふぁ みっれっどっど」
↑ 音が違っているような気がするけど〜(絶対音感欠如)
伸ばすところは、しっかり伸ばして〜 弦の艶もありながら、柔軟性もあって、明朗そのもの。
・・・ 「ん〜 そらし ど〜れどしら み そ〜ら そ〜ら そ〜ら ん タララ ラン」ってフレーズもメチャ軽 快だ。
キツイ音かと思っていたのだが、いやいや。
なかなかに色彩豊かで、南欧風というか、まるでラテン系の音楽みたいに感じてしまう。暗い短調というイメージが、ぶっ飛んでしまうほど。 軽快すぎて〜 速い、速すぎる〜っと言いつつ、聴いてくると馴染んじゃって、こりゃ面白い。瑞々しいというか、オキャンな演奏で、別次元のアプローチ だ。
別次元の演奏で、古楽器を使用した演奏というよりは、プログレ、シンフォニック・ロック風にさえ聞こえちゃう。不思議とロックのビート感に似ているような気が してくるのだ。
(もちろん、バンド演奏ではないのだが)

2楽章
「どぉ ふぁ〜ふぁ〜ふぁ〜  どぉ〜そ〜そ〜そ〜」
2楽章は、テンポが、がくんと落ちる。ちょっと憂鬱さが出ているのだが、それでも明るい。
さっぱり系というか、他盤と比べると、あっけらかんとしているというか。 装飾音を強調し、出だしの音を伸ばしつつ強奏しているので、リズミカルな気配がする。 弦の艶のある輝きが印象に残る楽章だ。

3楽章
「れっ そぉ〜し〜 らそふぁらそ れっそ し〜れぇ〜 どしふぁらそ」
歯切れの良いメヌエットでありながら、伸ばしの部分が強調されている。 ちょっと耳慣れないフレーズになってて、癖があるのだが、これがまた、活き活きしているというか、現代風というか、キッパリした歯切れのよいモノになっている。
宮廷舞踏風というよりは、出来の良い、活発なサバサバしたOLのようで、小股の切れ上がっている感じがする。
ある意味、つけいる隙が無いような気もするんだけど・・・(笑)
中間部分の柔らかい木管のフレーズが、まあ、クラリネットがない分厚みが無いのかな。と思ったけど、いやいや、弦の軽さとオーボエかしらん。それと、ホルンの柔らかい音がマッチしている。
ちょっと割れた音のような感じもするが、まあ・・・。甘さは無いけど、素振りだけは素朴で可愛い。
キビキビしたやり手のOLさんと、素朴な可愛いOLさんが、2人いて比べているような感じ。

4楽章
あはは〜 速いっ。速いっ。
「れっれぇ〜 れっれぇ〜 みそしど み〜れ ふぁらそら ふぁらそら そぉ〜」
この「れっれ〜 れっれ〜」の部分が、ハイ、快活で、歯切れがよろしい。ますます小股が切れ上がった美人OLのような感じで、ピチピチしている。
オーボエの活躍もあるし、弦の艶のある音色と、明朗さに唖然とするほど、からり〜とした演奏で。
スピード感は抜群だし、柔らかさ、優美さというよりは柔軟に飛び跳ねるオキャンさが良い。
まあ、これほど、モーツァルトがオキャンになるとは面白いのだが、すっきりしてて、好感が持てる。
弦のボーイングが、きつくないのが嬉しい。

キンキン、カシカシっていうのが耳に触るかと思ったのだが、いやいや、意外と柔らかい。
むしろ、軽快で明るく、リズミカルで、現代的に聞こえる。
まったりした大柄な演奏も良いのだけど、これは、さっぱり、ちょっと甘みも感じる、フルーティな喉ごしの日本酒という感じがする。まあ、とにかく、斬新だわ。
耳が洗われるような感じで〜 既成概念が飛んじゃいました。
改めて、もっと昔に、毛嫌いせずに聴いておけばよかった。と、ちょっと残念、悔しがっちゃった演奏です。
もっとも、斬新であるために、う〜ん。これは、ちょっと違うだろぉ〜っと文句をつけたくなる方も居られるとは思う。ワタシも、唖然としたことは事実です。
でも、おおっ。耳からウロコ〜って感じで、これも有りだと、納得させられちゃう1つのアプローチで、存在価値は高いと思う。
それに、過激じゃーないんですね。やり過ぎだろ〜ってことはないんです。確かに癖はあるけど、21世紀でも充分通じる、古楽器での演奏だし、聞きやすさもポイントが高い。
それにしても、この小気味良さは、どこから来るのやら・・・。
録音の良さ、弦の艶、軽妙さ、アクセント、ノビの良さ。音質かなあ。う〜ん。これは、拍手でしょう。


0941

ブリュッヘン 18世紀オーケストラ 1985年
Frans Brüggen
Orkest van de Achttiende Eeuw
(Orchestra of the 18th Century)

めがまわる〜

録音状態は良い。少し音量をあげて聴きたい。かなり素っ気ない演奏に感じてしまって〜表情づけが薄いのに起伏が大きく、人肌の温かみを感じない。最後に拍手入り。ライブ盤。
カップリング:モーツァルト交響曲第40番、41番

1楽章
まず、お断りしなきゃーならないのだが、40番の冒頭、第1楽章のメチャ快速盤っていうのは、どうも、ワタシ的には好きではない。
ブリュッヘン盤の40番の出だしは、速い。速いだけではない。まるで、素っ気ないのである。
まず、最初出だしの「ん〜たら ん〜たら」ってところから、気にくわない。
なんじゃ、こりゃ〜 音が出そうで出てこないところに、魅力があるのに、そこから、まず色気がないのである。この冒頭から、吐き気がしそうになった。まるで雰囲気が無い。
空気感っていうか、恐る恐る〜出てくるところが、無意味に、はしょって飛ばしているみたいに思う。
 
「ふぁみみ ふぁみみ ふぁみ〜ど どしらっらそ ふぁっみっれっれ」
「みれれ みれれ みれれ〜しっ しらそっそふぁ みっれっどっど」
「どしし〜れ そしらみ どしし〜れ そし〜らど〜しらそふぁ み〜」
うぷぷっ なんじゃーこりゃ。
ペチャペチャ喋って、節操のないフレーズである。まるで下品で、うぷっ。
最初から、お尻を出して、○をかましているんかっ、スカンクみたいな奴なのだ。ホント失礼だな〜って思う。(って、ワタシの方が下品になってるんですけどねっ)
まっ とにかく、ショッキングピンクのドレスを着た、キャピキャピの若い女の子が、デート喫茶(←古いっ)
まっ なんでもいい。オッチャンの前を、腰を振って歩いているみたいに思えちゃう。
あっ〜 チラチラ、クラクラしちゃう。キショ悪い。目眩がしてしまう。
ダメっ〜 ワタシの肌には合いません。
このCDを買った当初もダメで、お蔵入りにしちゃたが〜 今もダメですね。

2楽章
「どぉ ふぁふぁふぁ〜  どぉ そっそっそっそ〜ふぁふぁふぁ ふぁ〜らどしらっ」
なんとも、気怠い。気怠すぎて〜 まるでやる気のない、フーテンのようで、ふてくされているような感じがする。もっと健全な演奏はできないのか。と思えてしまって気分が悪い。
やる気のない部下を見ているようで、1楽章に続き、憤懣やるかたなし状態になってしまう。
そのくせ、ペロンっというフレーズが出てきてくるし、まるでお尻をなでているみたいで〜 あー下品っ。
聴いているワタシが、なんで〜 こうムキになって、怒らなければならないのか。
そして、しらっそふぁっ・・・と、タラン タラン タラン タラン・・・と、巻き舌風に音が落ちていくところは、おちょくられているようにも思えて、また腹が立つ。
木管の音色も、ヴァイオリンの音色も良いですよ。でも、妙なところで音量をあげて、展開を促しているようで、眠気を覚ませと言わないばかりに奏でる。主張が強すぎて〜辟易しちゃった。

3楽章
「れっ そぉ〜し〜 らそふぁらそ れっそ し〜れぇ〜 どしふぁらそ」
まっ このメヌエットは普通っぽい。
サッパリしてて、あく抜きされたような清潔感があるのだが、どーも色気がなくって。
素っ気ない、素のままという感じがしちゃう。無味乾燥って言ってしまっても、過言ではないほど。
ワタシの感覚がおかしいって言われるかもしれないが、木管が入ってくれば、幾分、可愛く感じるのだが、弦のフレーズが、イマイチ乾燥気味だ。弦と木管の掛け合いは、まずまずだし、ホルンだって良い音が鳴っているんだが〜 少し音割れしてる。まあ、可愛いって言っても、色気がねえ〜
どっか、よそよそしく、情緒に欠けている。人工的に感じてしまって、人肌の温かみが〜 う〜ん。
ワタシ的には、弦の伸ばした音が、やっぱり好きじゃーないですね。

4楽章
想像していたほどには、快速版ではない。
1楽章が、あれだけ速かったのだから、きっと4楽章も快速だろ〜って思っていたのだが、まずまず。
「れっれぇ〜 れっれぇ〜 みそしど み〜れ ふぁらそら ふぁらそら そぉ〜」
「れっれ〜 れっれ〜」の部分は、もっとピチピチしているのかと思ったのだが、さほどでもない。
中音域の弦の響きは、とっても良い。
高音域のヴァイオリンの音色は、中音域の音量に比べて少なめなので、いささかバランスの悪さを感じてしまう。でも、中音域の音質は、とっても良いし、クラリネットも艶のある音質を持っている。
この4楽章は、普通ぽいので、歯切れも良く感じられるし、良いですねえ。
低音の響きの方が、音の量も多いし、艶もあるし〜 すこぶる良いのは何故なんだろう。
見通しの良い構成で、フレージングも色彩的で、華やか。
でも、底辺では、素っ気なさが顔を出して、仏頂面のような感覚は拭えない。 どっちかというと、表情づけが淡泊で、可愛いふりしても、結局は仏頂面だな〜って感じが、総体的に感じられてしまうことと、人肌の温かみが少ないのが、どーも好きにはなれない。
これは、ほとんど、生理的なモノで〜 ワタシ個人の好みです。

総体的には、透明度も高いし、良い録音だな〜って思うが、弱音と強音の差が大きく、リズミカルで、ビートが効いている。ワタシ的には起伏が大きすぎて、ちょっと疲れてしまい、もう少し、まろやかで、ふわっとして欲しいというのが、ワタシの勝手な好みかもしれません。 今風のクールな演奏って言えば、それまでかな・・・。

それにしても、媚びない演奏だし、まあ。ここまで素っ気ないと、箸にも棒にもかからず、、、
まあ、このブリュッヘンのようなクールな演奏も好きな方は多いと思うのだが、このようなアプローチの演奏なら、別にモーツァルトでなくても良いのではないかと思ってしまう。
モーツァルトの魅力って、素直に考えると、ワタシ的には、ふわっとした空気感とチャーミングなところだと思う。
弾んだリズミカルな楽曲は、他にもイッパイあるし、なにも、モーツァルトでなくても良いのでは?と思ってしまいました。
このブリュッヘン盤は、素っ気なさ、身振り手振りだけが大きい、かなり勝手な思い込みだとは思いますが、 とにかく人を食ったような演奏に思えちゃって、ワタシ的にはダメです。

ワタシはモーツァルトが好きではない。どっちかというと嫌いというか、超苦手である。
その昔、ピリオド、古楽器が登場して流行した。その時に、苦手意識が出来てしまい〜 すっかり、トラウマになっちゃったのだ。そんな苦手意識を培ってしまった〜CDである。
(あっ なにも、ストレートに演奏が悪いとか、CDが悪いって言うわけではありません)
流行っているからといって聴いたらダメですねえ。聴いているうちに、ワタシの聴き方が悪いのかと思いこんでしまうようになってしまって〜 で、迷路にはまり込み〜 すっかりトラウマに・・・。 あー でも、やっぱり〜 今、聴いてもダメですね。
肌に合わないんです。そんなワケで、スミマセン。


1959年 ワルター コロンビア交響楽団 SC  
1967年 セル クリーヴランド管弦楽団 SC ★★★
1970年 カラヤン ベルリン・フィル EMI ★★★★
1975年 スウィトナー シュターツカペレ・ドレスデン DS ★★★★★
1976年 ベーム ウィーン・フィル  
1980年 クーベリック バイエルン放送交響楽団 SC  
1980年 アバド ロンドン交響楽団  
1981年 ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン De  
1981年 ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 OL ★★★★★
1984年 バーンスタイン ウィーン・フィル  
1985年 ブリュッヘン 18世紀オーケストラ Ph ★★
1988年 C・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン Ph  
1989年 ガーディナー イギリス・バロック管弦楽団 Ph  
1989年 レヴァイン ウィーン・フィル  
1991年 アーノンクール ヨーロッパ室内管弦楽団 TELDEC  
1994年 ヴァント 北ドイツ放送交響楽団  
1994年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI  
1994年 コープマン アムステルダム・バロック管弦楽団  
2006年 ノリントン シュトゥットガルト放送交響楽団 Hanssler  
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「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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