「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」
Prokofiev: Symphony No.1 "Classical"


プロコフィエフの交響曲第1番は、古典交響曲と呼ばれている1917年の作品です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
サンクトペテルブルク音楽院在学中に、ニコライ・チェレプニンの教室で研究したハイドンの技法をもとに、「もしもハイドンが今でも生きていたら書いたであろう作品」として作曲したので、「古典交響曲」と名付けたそうです。
モダンな作風で知られていたプロコフィエフが、この曲で一転して軽快で解り易く美しい作風を示したことは、周囲を驚かせたそうですが、転調などは、魅力的なもの。約14分の楽曲です。

第1楽章 ニ長調 2/2拍子 ソナタ形式
 第1主題がニ長調で現れた後、派生動機がフルートに提示され、第2主題がイ長調で提示され、第1主題から派生したクライマックスが現れるもの。
第2楽章 イ短調 4/3拍子 三部形式
 主部と中間部の動機を核として、強弱をつけて比較させるやり方で、古典派音楽が色濃く現れているもの。
第3楽章 ニ長調 4/4拍子
 メヌエットのかわりに、古典組曲に由来するガヴォットが用いられているもの。
第4楽章 ニ長調 2/2拍子 ソナタ形式
 分散和音による第1主題で開始され、展開部では、クライマックスがストレッタを形成しながら再現を図るもの。

交響曲とはいえ小品で、さらっと聴けます。その後のプロコさまの未来をイメージづけるもので、パロディっぽいけれど転調の妙があったり、古典という名を借りた、どこか不思議感の潜む、えへへ〜わかるかな。って感じの洒落た楽曲です。

アバド ロンドン交響楽団 1969年
Claudio Abbado
London Symphony Orchestra

まっ こんなモン

録音状態は良い。リマスタリング盤で、60年代後半とは思えないほど。
木管フレーズを強調してて、躍動感あふれる演奏だ。
カップリング:プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」(69年)、バレエ音楽「ロメオとジュリエット」〜抜粋〜(66年)、バレエ音楽「道化師」〜抜粋〜(66年)
2013年に、アバド「ザ・デッカ・イアーズ(Decca Years)」という7枚組BOXが、デッカから発売された。
アバドのデビュー盤は、ベートーヴェン交響曲第7番と記されており、60年代後半にデッカで録音した楽曲のなかに、メンデルスゾーンの交響曲や、ヤナーチェク、ヒンデミットなどと共に、プロコフィエフの古典、交響曲3番、ロメジュリがあった。
アバドさんのCDは、多くの枚数を所有しているので、今更ながら、買い直すことは考えていないが、60年代のロンドン響とのCDは、話題作も多かったように思う。
で、改めてプロコを聴いて、メチャ新鮮な感じがした。
それに、デッカってホント、録音が良い。
暖かい豊かな響きが、ぎゅーっと凝縮して詰まっており、それでいてすかっと開放的なヌケ感があって、すごく気持ちが良い。 奥行き感もあって、聴き応えのある伸びやで、煌めき度の高い演奏が、綺麗に収録されている。
クレジットを見て、え〜 これ、60年代の録音なの?と、驚いてしまうほど。

さて、このアバド盤の古典は、弦の切れも抜群だし、アップテンポで一気呵成に弾いていくので、颯爽としている。
ちょっと、金管が前につんのめって入ってくるところもあったが、それはそれとして・・・
全体的に木管が、俄然、前に出てきて〜 いつもと違うフレーズが耳に入ってくる。え? 
特に、1楽章、2楽章の木管群が、抜群に活躍してて、前に出てくる。
オーボエのペコペコした平たい甲高い音や、クラリネットが強調されており、他盤と聴いた感覚と違うので驚かされた。
最初に聴いた時は、版が違うのかしらん〜と思ったほどで・・・(まさか)

3楽章は、低弦の艶のある音の美しいガボットだ。テープの瑕疵なのか、最後が消えてしまっているんですけど、それもが新鮮に感じてしまった。(ありゃー これでは肩入れしすぎだ)
とにかく、ハイ、短い楽曲なんですけど、颯爽としててピチピチ〜 4楽章のヴァイオリンなんぞ、跳ねているのが見えそう。ピッコロと共に跳ねまくり状態だし、 強弱のメリハリがすごく大きくて、ロッシーニ・クレッシェンドを感じさせるダイナミックさがある。メチャクチャ楽しい、イタリア歌劇の序曲を聴いているようで〜
何度、聞いても飽きないというか、楽しさが、ビンビンに伝わってくる。
68年のカラヤン盤とは、全く真逆のアプローチって感じで、相当に違いが出ている。
ワタシ的には、個人的に、このラテン系のノリノリ感が好きなもので〜 相当に甘いが、こりゃー拍手でしょ。(苦笑)
ちなみに、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」とカップリングされている盤もあるし、 86年には、ヨーロッパ室内管弦楽団とグラモフォンに録音している。

カラヤン ベルリン・フィル 1981年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

録音はリマスタリングされており、68年とは、思えないほど良い。
音場も深く、たっぷり豊かに鳴っているが、やっぱり重厚さが勝っており、かなり硬くて、噛み応えあり、歯ごたえありの「古典」である。
カップリング:プロコフィエフ交響曲第1番「古典」、第5番

1楽章
あっという間に演奏が終わってしまう、短い交響曲「古典」。
カラヤン盤は、68年の録音なのだが、極めてクリアーで、特に、高音域の透明度が高い。
でも・・・ 室内楽風の楽曲なので、線が細いのは当然だが、蝶々のように、軽やかなデュトワ盤と比べると、う〜ん。なんだか中途半端でギクシャクしているような気がする。
やっぱ、ちょっと硬いというか、無理矢理、体重を落として軽量にしたような感じがするのだ。
弾むようなテンポ、踊るようなリズム、装飾音の節回しなど切れは良いのだが、どうも私的には硬すぎ〜
きつすぎ〜というタイトな感じがする。
いつも重厚なベルリン・フィルそのまま。という感じがする。もちろんアンサンブルは、絶品なんだけどね。
日頃の几帳面さが顔を覗かせており、キチンと演奏され、熱っぽくさえ感じられるが、冗談を言おうとすると舌がもつれそうなほど。いや、マジすぎて〜洒脱感がない かも。う〜ん。

2楽章
ヴァイオリンの高音とフルートが合わせあって、高い天上に届き、跳ね返ってエコーしているような感じに聞こえる。音色も底抜けに明るく、ちょっと堅めだが、すーっと透明度の高い響きである。
これには驚かされた。

3楽章〜4楽章
3楽章は、ガボット風の舞曲だと思う。後に、ロメオとジュリエット等にも転用されている。
カラヤン盤は、ちょっと重いかな〜やっぱ。 これでは、ガボットではなく、ロボットだよぉ。カクカク・・・ギクシャクしているぞぉ。
4楽章は、テンポが速く、推進力がついた。 今まで、テンポが遅めで、リズムに乗り切れなかったのだが、ここでは軽快。
フルートが猛烈に速い。とても忙しそうである。 アンサンブルもみごとなので、気持ちが良い。木管の音色は、さすがに清々しく心に染みる。
春風のように爽やかに、木管群の音色が横断的に移動している。これはおみごと。
カップリングされている5番の前座状態のようだが、いやいや〜なかなか。
几帳面に聞こえて、ちょっと違和感は残るが、アンサンブルは文句が付けられないし、熱狂的に盛り上がってくる。
洒脱ではないが、重厚なベルリン・フィルならではの 「古典」だと思います。

プレヴィン ロサンジェルス・フィル 1986年
Andre Previn
Los Angeles Philharmonic

録音状態はまずまず。ボリュームをあげて聴かないとだめ。マイクが、ちょっと遠いようだし、幾分ぼこっとした感じは否めない。フィリップスの割には、どうもねえ。
副旋律が良く聞こえる。
カップリング:プロコフィエフ交響曲第1番「古典」、交響曲第5番

1楽章
テンポが、ゆったりめ。快速ではない。「れっ れれらふぁらふぁふぁら〜っ」
冒頭の1音は、アタッカでしっかり出てくるが、あとは、ふわっ〜と流れる。
主旋律だけではなく、「そららそ そららそ・・・ らそみそそ・・・」など、副旋律の弦の下支えがしっかり聞こえる。木管の合いの手の「ぱららら〜」も、小気味よく聞こえて、かなりいろんな音が聞こえて楽しい。
そういう意味では、見通しは良いのだが、う〜ん。主旋律1本でも聴ける楽曲でもあるので、そこは、調整が難しいところかも。
録音状態は良く、ボリュームをあげると、多彩な音が出てくる。
透明度も高く、明るい音色で、楽しく、嬉しい気分になる。ほ〜っ こんなにいろんな音色が奏でられているのかと、ホント驚かされる。
ガチガチの几帳面なアンサンブルとは言い難いし、装飾音が微妙に揃っていなかったりする。
ふわ〜っと流してしまうパートがあったり、弦が細かく刻んでいないなぁ〜っと思うところもあるのだが、それを押しても、音色の多彩さは、良いと思う。
カラヤン盤のようなガチガチ系と、レヴィ盤のようなフワフワ感、デュトワ盤の弾力性。
う〜ん。プレヴィン盤は、やっぱ音色だろうか。ふと、プレヴィンの振るメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」を思い出す。音色は、ホント多彩である。

2楽章
透明度のある柔らかいリズムにのって、ゆたったりリズムを刻みながら、ヴァイオリンが「しーっ らしら そらそ ふぁみれどし・・・」と奏でる。ちょっと最後が擦れ気味だが、フルートの音色がたっぷり聞こえる。
コントラバスと弦が、指でつま弾く「ぽぽぽぽっ・・・」は遅め。えっ もう少し速い方がテンポよく聞こえるのになあ〜っ。ティンパニーの音は大きい。わっ デカっ。と驚かされた。
木管:「れらしど れらしど・・・ そど〜 そどそ〜 ・・・ふぁららら れられら〜」
弦:「しーっ らしら そらそ ふぁっ みれどし らららーれみれど・・・」
音が交錯しているのか、ん? 混濁しているようなところも見受けられるが、う〜ん。まあ。まあ。
全体的には、フルートと「パン ぱらら らんらん・・・」と刻むオーボエが大きく聞こえる。

3楽章〜4楽章
短いガボット風舞曲は、あまりテンポが良いとは言えないなあ。ちょっとレガートが多め。
4楽章は、出だしが、ん? 揃ってないような気がする。一発でエンジン全開にはなっていない。
「れどしらそふぁみれ」と、つま弾いて歌うところと、
「ど〜れみふぁそそ〜」と巻き舌風に歌うところと、弦の奏法が完全に違うのだが、テンポは良いものの、ちょっと荒っぽいかもしれない。
で、「そーど そふぁみれど〜・・・」と続く、ぱららららん。この巻き舌には、おもいっきし笑えてしまう。
勢いは良いのだが、うふふ〜 これじゃ。ジプシー風みたいだよん。

プレヴィン盤は、アンサンブル重視というよりは、舞曲風のイメージを大切に、熱狂的に演奏しているように思える。このテンポの良さは、おみごとで、自然とノリノリになってしまう演奏である。
まあ。もっとも、この楽曲で、アンサンブルが相当バラバラになってしまわない限り、怒るような人はいないと思うが・・・。
この盤でも、フルートも取り残されそうになりながらも、相当、頑張っている。おそらく、息継ぎができず、真っ赤になって演奏しているのではないだろうか。

デュトワ モントリオール 1番 1988年
Charles Dutoit
Orchestre Symphonique de Montreal
(Montreal Symphony Orchestra)

録音状態は極めて良い。しなやかでキラメキのある演奏である。
カップリング:プロコフィエフ交響曲第1番「古典」、交響曲第5番

 

1楽章
冒頭、ふわっ〜っと 「れぇっ〜 ぱっぱらららら〜っ」と出てくる。
金管とティンパニーのふわっとした吐き出した音色が、とても優しい。
木管は、しっかりと鳴っており、旋律の硬さを維持している。
フルートとクラリネットが綺麗だ。
音色が美しく、大きく活き活きと聞こえてくる。これが生命線という感じ。
木管の合いの手の「ぱららら〜」が小気味よく、「れしれし・・・」という弦の高い音も煌めいている。
「どみそど どれれど・・・」と低音の金管も、すかさず鳴っている。
「ふぁっ ふぁふぁ みみっ」のリズムが、木管の合いの手の上に、ふわっと、のっかっている。
弦の「れれれし〜 れれれし〜」と、小鳥が鳴いているにように、また、ワルツのように軽やかなステップで踊っている。
ちょっぴり流れているような気もするが、木管の刻みや、弦の刻みがアクセントになっているし。
う〜ん。これは良いわ。さすがっ。
高音と低音の掛け合いも楽しげだ。丁寧に旋律を受け渡しし、合いの手を入れている。
ひとことで言うと、優美で、しなやかだ。流麗すぎず、テンポも良いし。言うことないねえ。

2楽章
透明感のある弦が、「しーっ らしら そらそ ふぁみれどし・・・」と奏でている。
ふわ〜っとはしているが、キラメキがあって、木管の音が多めに出てきているので、それが下支えになっているようだ。
レヴィ盤も良かったが、腰がなかった。録音のためだとは思うが、デュトワ盤は、木管が良く聞こえて、メリハリがついている。コントラバスと弦を指でつま弾く「れみれど どれどし・・・」も、よく聞こえる。
ティンパニーが控えめに鳴っているが、その存在感は大きい。
「どそらし どそらし・・・ ららららら〜」 レース越しに、春の陽射しを感じているようで。かなり至福の気分にさせられる。
再度、冒頭のフレーズに戻ってくるが、テンポを変えず、「パン ぱらら らんらん・・・」と刻むオーボエの音色に瑞々しさを感じる。この楽章も、水滴を感じるほど瑞々しい。

3楽章〜4楽章
ガボット風の舞曲は、テンポも頃合いで、歯切れが良い。
弦の最後の「みぃ〜」という余韻なんぞ、水滴のように飛んでいる。はあ。すごいわ。
囁きが終わって4楽章に入ると、これ快速バージョンである。
最初のアタッカこそ遅めで弱いが、いきなり掃除が始まったように、弦が「ぱーぱら ぱっぱ ぱーぱら ぱぱっ」と鳴り出す。ありゃーっ いきなりだ。フルートの強い吹ききりっ。
つま弾く弦が、気持ちよさそうに「れどしらそふぁみれ・・・」と、駆けおりてくる。
「ぱーぱら ぱぁぱぁ ぱーぱら ぱぁぱぁ」のフレーズは、お尻が、ぴよんっ〜と、のびあがっている。
おおっ なんとも可愛いっ。小型犬が嬉しそうに尻尾が、ピクピクさせているような、そんな感じ。
パパパ・・・ パパパパパ・・・ 
同じ弦のフレーズでも、強弱をつけて小気味良い。
プレヴィン盤のような巻き舌風ではなく、舞曲風とはいえ上品である。中盤以降、フルートが大活躍。
主題を繰り返しているうちに、テンポがあがる。
フルートに寄り添っているクラリネットも、段々熱を帯びてくる。
アンサンブルの乱れもなく、熱気があがっていく過程は、大変楽しい。愉快である。 ラテン系というか、たっぷりの煌めきと、ほのぼのした音色に包まれ、大変嬉しい一枚である。

レヴィ アトランタ交響楽団 1991年
Yoel Levi
Atlanta Symphony Orchestra

録音状態は良い。残響がちょっと多めだが、色彩豊かにテンポよく進み、ふわふわ感が漂う。
カップリング:プロコフィエフ交響曲第1番「古典」、交響曲第5番

1楽章
テンポが、極めてよく 「れっ ふぁらふぁらふぁら〜っ」と出てくる。
録音状態は良く、余韻が多めだが、それが、かえってフワフワ感を醸し出している。
弦が強めにあわさった時でも、ドスンとならず、たらら〜っと流れていくので、大変気持ちが安らぐ。
「ふぁふぁ ふぁふぁ みみっ みみっ・・・ れれれそし れれれそし・・・」
なんて軽やかなのだろう。
口をすぼめて小声で、巻き舌風に、れれれ〜し。れれれ〜し。と、耳元で呟かれているみたいだ。
耳元に、ふっーっと息を吹かれたようで、快感〜とすら感じてしまう。
デュトワ盤と比べると、腰のある弾力とはいえず、幾分、腰砕け的に聞こえてしまうかもしれないのだが。
しかし、この軽やかさは、私が聴いたなかでは、随一だと思う。
蝶々が飛んでいるというより、妖精の囁きのように幻想的に聞こえる。装飾音の節回しなど圧巻。

2楽章
透明度のある柔らかいリズムにのって、弦がそっと「しーっ らしら そらそ ふぁみれどし・・・」と奏でる。
まるで、天上にのぼった気分にさせられる。
フルートの音色が良く聞こえる。コントラバスと弦を指でつま弾くぽぽぽぽっ・・・とリズムよく刻む。
中間部分は、ティンパニーが絡むので、そこそこ力強さも出るが、全体的にはフルートと、「パン ぱらら らんらん・・・」と刻むオーボエの音色とテンポが心地よい。
3楽章 〜4楽章
可愛いガボットのリズムが奏でられる。クラリネット、フルート、オーボエが主体の大変短い楽曲だが、
「どしらし〜みふぁ」という、まったりフルートの音色が良い。
4楽章は、「ふぁーらふぁ ふぁみれど ふぁーらふぁ・・・」色彩が豊かに演奏される。
木管がところどころ強く吹かれてアクセントになっている。テンポは、速いっ。
明るい音色が、とても印象的で、舌がもつれそうになるほど速いっ。「そーど そふぁみれど〜」
パパパ・・・ パパパパパ・・・ 
総体的に柔らかく、明るい音色なので、耳にも優しいが、う〜ん。ティンパニーがもう少し強く叩いて欲しい感じがする。締めて欲しいんだが。う〜ん。
やっぱ、ここは、もっと力強く演奏してもらえた方が、熱狂的に高揚していくのに。
4楽章だけは、弦も、もちっと強く・・・エッジを立ててもらった方が、エキサイト感があったかも。
リズミカルで、すごく楽しめるのだが、わりとあっさりと終わってしまった感がするので、ちょっと惜しい。

レヴィ盤は、色彩はカラフルで明るいし、楽天的で楽しく、天上的に響く良い盤だと思う。
まっ 録音状態が、ふわっとしているので、硬めの好きな方には、どうかなあ。ダメっと烙印を押されそう。

ドミトリー・キタエンコ ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
2005年〜7年 
Dmitri Kitaenko
Gürzenich-Orchester Köln



録音状態は極めて良い。大きなホールで聴いているような広がりと奥行きがある。低音は、もっとカッシリしてて欲しいという気もするが、いや〜 これは結構良いです。
ライブ盤 プロコフィエフ交響曲全集5枚組BOX ナクソスでも聴ける。

プロコフィエフの交響曲全集って、意外と選択肢が少ない。
キタエンコさんは、クライネフさんとのプロコフィエフのピアノ協奏曲全集を聴いていたのだけど、交響曲も出たので買ってみたのだが〜 結構良い。いやいや、グッド!
当キタエンコ盤は、ライブのくせに、ものすごく録音状態が良いので驚いちゃった。

1番は、馴染みのある曲だし、結構、競争相手も多い盤が、ひとことで言っちゃうと、爽やか。
デュトワ盤も好きなんだけど〜(柔らかめが好みのため)
このキタエンコ盤も、豊かな音量と、しなやかさがあり、聴いていて、メチャ単純な感想だが、気持ちが良い。テンポはさほど速めではないし、スピード感はさほど無いが、柔らかい残響のなかで、ふわ〜っとした包み込むような温かさがある。
カラヤン盤のような、硬めの縦糸重視型も聴いていて、タイトさが気持ち良いのだが、軟弱だ〜と言われても、ワタシ的には、柔らかい横への移動が好きである。
木管の響きが、特に、まろやかだ。見通しの良い、弾力性のある演奏だし、弦の小気味よい、まわりのよいフレーズが気持ち良く入ってくる。

テンポは、デュトワ盤の方が速く感じるし、サクサクとしていて流麗、華麗だが、こちらは、もう少しだけ遅めで、色彩的には渋め。しかし、高音域の細やかなフレーズが、よく聞こえているので、室内楽的で、こぢんまりした感じは受けないし、のびやか〜  アンサンブルについては、緩めかもしれないのだが、カラヤン盤のように、カッチリしたのがお好きな方は、どうかなあ。ダメとは言われないとは思うが。
ワタシ的には、弦の音質も艶があるしねえ。フレーズのノビと、膨らませ方、装飾音のまわしかた。
う〜ん。良いですねえ。好きですね。

デュトワ盤のように、最終楽章で、一気に熱気を帯びてくるってワケではないが、安定しているし、オケの音質的も、キラキラした煌めき度は少ないけど、ワタシ的には好感度が高い。
人によっては、もう少し低音がカッシリと響いて欲しいかもしれないんだけど、この曲に関しては、さして低音という重圧感は不要だしなあ。
デュトワ盤に近いって言えば、変に思われるかもしれないのだが、ドイツ西部のオケとは思えないような軽さが、どっから引き出されているのやら。(まあ、フランスに近いちゃ〜近いんですけど)
ロシアとドイツの混合の匂いがするのかと思ったら、意外や意外。
それに、木管の柔らかい木質的な音が、耳に残り、そして、奥行きのある大きなホールで聴いているかのような、広がり、臨場感があり、う〜ん。これは唸ってしまう。 これで全集が聴けるなら、御の字です。
あっ 一応言っておきます。ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団とは、ケルン歌劇場のオケです。まあ〜いわば、ケルン歌劇場管弦楽団ってところかな。ケルン放送交響楽団と、ケルン放送管弦楽団っていうオケもあるし〜 ややこしいですけど。

1969年 アバド ロンドン交響楽団 Dec ★★★
1981年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★
1982年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec  
1986年 プレヴィン ロサンジェルス・フィル Ph ★★★
1988年 デュトワ モントリオール交響楽団 Dec ★★★★★
1988年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI  
1989年 小澤征爾 ベルリン・フィル  
1991年 レヴィ アトランタ交響楽団 Tel ★★★
2005〜7年 キタエンコ ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団 Phoenix Edition ★★★★
所有盤を整理中です。

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