「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

R・コルサコフ 交響曲第2番「アンタール」
Rimsky-Korsakov:
Symphony No.2 "Antar"


R・コルサコフの交響曲第2番「アンタール」(作品9)は、1868年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記載すると、コルサコフの24歳頃の作品です。
1875年、97年に改訂しており、内容が標題的で、多楽章形式の交響詩に近いためか、交響組曲にしたのですが、現在、交響曲第2番として、第3版の97年版が演奏されます。

4つの楽章で構成されており、6世紀アラビアの詩人アンタールの見る夢と、彼が夢の中で実現を約束される3つの願望を表現しており、実際に、中東の民謡などが主題として使われているそうです。
ストーリーとしては、現世をはかなんで、パルミラの廃墟に隠遁していたアンタールは、ある日、一頭のカモシカを襲う巨大な鳥に、槍を投げつけて追い払います。すると、カモシカの正体は、パルミラの妖精の女王ギュル・ナザールでした。
彼は、夢の中で、女王の宮殿に招待され、彼女から礼として「人生の3つの喜び」を贈ると約束される・・・というもの。

第1楽章 「アンタールの夢」
 廃墟の描写とアンタールの主題〜女王の主題、鳥の攻撃と撃退〜宮殿の描写〜女王とアンタールの会話〜宮殿
第2楽章 「復讐の喜び」
第3楽章 「権力の喜び」
第4楽章 「愛の喜び」

交響曲は、1〜3番まであるのですが、交響組曲「シェヘラザード」が有名すぎで、あまり交響曲は聴かれていないように思います。でも、千夜一夜物語のように、オリエンタルな雰囲気がたっぷりで、ちょっと俗っぽい夢に〜思わず笑えます。

マゼール ピッツバーグ交響楽団 1986年
Lorin Maazel
Pittsburgh Symphony Orchestra



録音状態は良い。細部は細かく積み重ねられているようなのだが、総体的には、まどろみのなかに、ずーっと居ますという感じで、あまりのテンポの遅さに、うっ ぎゃー。
カップリング:チャイコフスキー 交響曲第2番、R・コルサコフ 交響曲第2番 アンタール

可愛いっと、ついついジャケ買いをしてしまったCDである。なんともロマンティックでしょ。
CD棚をゴソゴソ整理していたら発見っ。で、ピッツバーグ響を振っている指揮者が、ロリン・マゼールさんなのだ。 えっ ウッソーという想定外の可愛いCDジャケットのイラストで、意外な組み合わせのCDで、思わず笑ったぁ〜
で、肝心の演奏なのだが、これが、う〜ん。なーんか緩いのである。もっとも、アラビア詩人「アンタール」の夢のなかの3つの願い事が、主軸となったストーリーなので〜夢うつつ ということで正解なのかもしれないが(ってことないか)。う〜ん。

1楽章 「アンタールの夢」
冒頭は、ぼわ〜っと、ゆったりとした響きで、黒い雲がモクモク〜としている。
ランプを磨いたら、魔法使いの巨人が出てくる〜って感じだ。← ワタシの想像はかなり貧しい。
低弦の響きのなかで、ティンパニーが、どろどろ〜と叩かれる。
「れぇ〜みぃ〜  れぇ〜  れっ みっし〜 し どぉっ〜 れぇ みっしぃ〜」
「しぃ〜 し どぉっ そぉ〜」「れ〜みそしどぉ れぇ〜そしどぉ れ みぃ〜 そ〜し〜どぉ〜れ みぃ〜」と、弦が立ち昇っていく。
この感覚は、スピード感がないので、ちょっと面白みに欠けちゃうが、ぼわ〜とした膨らみ感がある。
「れそぉ〜ら ふぁみれら しらそ れみぃ〜」というフレーズに掛かってくると、テンポは遅いものの、ようやく幕が開くという感じがする。
フルートの「しっ しぃ〜 どみどし〜 らしら そら」「ら らっ〜し らしら そらぁ〜」というフレーズは、きっちりアラビア風って感じで、怪しげな妖艶なフレーズで、 彩りのタイルが綺麗にはめ込まれた構築物って感じがするし、前のフレーズとは区切りがハッキリしている。

幕開けまでのテンポは遅いが丁寧に描写している感じがする。
それに、フレーズの線がスッキリしてて、スヴェトラーノフ盤のような甘美さやとろみ感は少ない。
でも、甘くはないが、全く面白くないってワケでもなく、フレーズは、キッチリと描かれている ので、精緻な織物を見ているようで、結構、面白い。
まっ フレーズに対するワタシの聞きこみ能力と、耳の悪さが、、、う〜ん。致命的なんだけど。きっと、アヤシイ重い空気感の方を描いているんだと思う。
覆うような空気感から、すーっと立ち上ってくる光のようなモノが木管のフレーズに聞こえる。
この木管は、鮮やか。ぼわ〜としたなかでクリアーで輝いてますね。

で、「しれっし そぉ〜 どみっど そぉ〜 みそっし そぉ〜」という渦巻くような低弦、それにブラスが入ってくると、テンポも重量も上がってくるので、 ぐぐっと〜 かなり聴き応え感あり。
録音状態は、音の輪郭がはっきりしない気がするので、ちょっと損している感じがするんだけどなあ。

「れぇ そぉ〜らふぁみれら しら それ みぃ〜  みっ そぇ〜れぇ み〜」というフレーズは、官能的とは言えないし、ホルンの柔らかさは良いんだが、テンポの遅さがあって、流れるような滑りの良さが少ないかなって思う。で、執拗に感じられちゃって、ちょっと緩くなって退屈だ。
また、木管の鮮やかが特筆すべきところだろうが、もっと、音に鮮やかさがあればなあ。
ところどころに、木管の鋭い音が印象に残るが、、、眠くなっちゃう。

2楽章 「復讐の夢」
「らしぃ〜どぉ〜れ〜どぉ〜 らし〜どぉ〜れ〜どぉ〜 ら〜っし〜ど れ〜らっしっしっしっ」
「どれぉ〜み〜ふぁ〜み〜 どぉれ〜み ふぁみ ど〜れ ふぁ〜どれっれれ ふぁど〜れっれれっれ」
「られぇー みっ どしらみ ふぁみれみふぁっ」というフレーズが繰り出してくる。
ちょっと勢いがないので、鈍重な感じがする。アクセントの付け方が鈍いのかなあ。
重いだけで、どーも勢いが無いんだなあ。
ティンパニーが入ってきても、どーもキレが悪いというか。弾まないっていうか、やっぱ重い。付点のリズムが、ちょっと鈍いっていうか、面白くなくって、、。うっ。
シンバルも、シャンシャン入ってくるし、馬力が感じられる、ドンドン、ジャンジャンっと鳴ってはいるのだが、勢いが感じられないのと、どこか、輪郭のはっきりしない、ぼんやりした音の広がりのようで、嵐のような音は出てくるんだけどなあ。音の立体感は感じるのだが、丸いっていうか・・・。
う〜ん。どーもイマイチ。押し出しの悪さを感じてしまった。

3楽章 「権力の夢」
「どれみ〜っそ ふぁ〜そふぁ れ〜みれ」・・・「どれみ〜っそ し〜どし そらそ らしら〜 みふぁみ ふぁ〜 ドンっ」 マーチングバンド風のフレーズで始まる。
いろんな音が詰まってて、ドンっ。シャンシャンって感じがあるのだが、残響が丸くて響かないっていうか、もっと直接的に音が出てきても良いんだけど、なーんか気になる籠もった感じ。
テンポは遅めで、なんか、かったるい。
木管のフレーズは、綺麗に入って良く聞こえるし、高音域のフレーズと絡むところも、確かにフレーズの整理が出来てて精緻さがある。
楽器の分離は良いし、奥行き感もある。
「れみ ふぁ〜み れしどぉ〜 れ〜ど しそら〜 し〜ど らそら そぉ〜ふぁ」
「れみ ふぁ〜み れしど れ〜ど しそら し〜ど らそら〜」

斉唱風というか、コラール風のフレーズは、堂々としていて、カラフルさもある。
「しっどぉ〜 れ〜 み〜 れ〜  しど〜れぇ〜」 
「みっし どっどど どっどど みっし れ〜 どっどどっ どっど」
「みっし〜ふぁ れどし みっら〜し どしら」
音の芯が柔らかいんだな〜 録音している場所は教会だと思う。
まっ もう少しテンポアップしていただければ、もっとテンションあがって、綺麗だったのに。
鐘とタンバリンの音も良く聞こえて、あっ そうか。こんな音が入っていたのね〜と思った。丁寧に聞き出すと、ハイ、いろんな楽器が重層的に聞こえてくる。(←単にワタシの耳が悪いだけ)

4楽章
木管 が鳥の鳴き声のように、「しし そそ ふぁふぁ みみ れれ しし そそ ふぁふぁ・・・」と音が飛んでいく。めちゃ綺麗。えっ 録音悪いって言っていたのを撤回しちゃうぐらい。
木管群の綺麗なこと。木管の清潔感、妖艶さ、官能さ、エキゾチックさが、まるで 美術館のように作品展示されているようで、いや〜 木管好きな方には、垂涎って感じだと思う。
この楽章は、お薦め。
ハープも入ってくるし〜 ゆったりとしたアラビア風の旋律が流れてくる。
「れぇ〜しぃ らぁ〜 しらそぉ〜 (パラン パラン)」
ゆったりとしたまどろみの、かったるいぐらいのテンポで、マジメに聞いていると、どひゃーん。って感じだが、木管とその後に続く、豊かな弦のフレーズが、柔らかく、ソフトフォーカスされた写真のように、包まれて出てくる。

まっ ごつい音が入ってくる楽章は、イマイチだと思ってしまったが、4楽章については、絶賛しちゃった。
録音状態は、テラーク盤だから俄然良いと思ったのだが、どっか音像がクリアではなく、ぼんやりしているので、かなりボリュームをあげてきかないと、その効果が解らないのかな〜っと思ったのだが、そうでもない。
ワタシ的には、なんか距離感がよくわからない録音で、これは好みが分かれちゃうかもしれない。
それに、総体的にテンポが遅めで、うぅ〜っと唸ってしまう。音は確かに流れているって言えば流れているのだが、ゆるやかすぎて〜 ゆるゆる気味で、 ワタシ的には、なんだか緊張感が途切れっぱなし・・・
結構、何度も繰り返して聴いてみたのだが、も〜だめ。うぅ〜っと唸ってしまった。 CDジャケットは可愛かったのにぃ〜

スヴェトラーノフ ロシア国立交響楽団 1993年
Evgeny Svetlanov
Svetlanov State Academic Orchestra
(Russian State Symphony Orchestra)



録音状態は良い。楽章によって印象が異なるが、ゆったりとした演奏で、やっぱ馬力があることと、木管が優美で、かなり満足しちゃいます。
カップリング:R・コルサコフ 交響曲第1番、2番「アンタール」(1876年版)

同じ演奏ですが、2枚組CD (交響曲第1番〜3番、音画「サトコ」、貴族たちの行進〜歌劇「ムラダ」、歌劇「プスコフの娘」序曲、歌劇「皇帝の花嫁」序曲、 歌劇「サルタン皇帝の物語」 〜3つの奇跡〜)BOXもあります。

R・コルサコフと言えば、まず「シェエラザード」だと思う。この曲は、とっても有名だし、アラビアンナイトのような船乗りシンドバッドとしてのストーリー性もあって、昔から良く聴いてきた。
管弦楽の手法は長けているし、スケールは大きいし、華麗なブラス、甘美で優美、ふんわりした長い旋律が、ホント綺麗だし、大変魅力的な曲だ。
しかし、交響曲を作曲しているのに・・・あまり顧みられていないというか、全く、有名じゃーないのである。
ワタシも、昔1番を聴いて、へっ。と思って、それから以降、全く聴いて来なかった。
久々に、このスヴェトラーノフさんの交響曲を取り出して、聴いてみたのだが、ハハハ〜 超シンプルながら、なかなかに綺麗なフレーズが詰まっている。
また、この2番「アンタール」は、交響曲というより、交響詩的というか、組曲に近い。
従来どおり交響曲として呼ばれているようであるが、完全にストーリーもあるし、形式には、とらわれていない自由な設計なのだ。

このアンタール 実は、6世紀に実在した詩人のお名前である。
ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、アンタラ・イブン・シャッダード(Antara Ibn Shaddad)さんということだが、この詩人の夢のなかの3つの願い事が、ストーリーとなって出てくる。
はあ〜 これが詩人の夢か? と、あきれてモノが言えないような、世俗的なタイトルが付いてて驚き。
とりあえず、1楽章はアンタールの夢、2楽章は復讐の夢、3楽章は権力の夢、4楽章は愛の夢だそうである。復讐だの権力だの、愛だの。う〜ん。すごく、アブナイ 願い事だが・・・。

1楽章 「アンタールの夢」
冒頭は、どす黒い響きを持った 、ゆったりとした響きで幕があく。悪夢だな〜こりゃ。という感じで、低弦の響きのなかで、ティンパニーが、ぼわわっ ぼわわっと叩かれる。
パルミラ遺跡で、夢を見ているという設定らしい。とにかく、パルミラ遺跡で、隠居生活していたアンタールの夢のなかに、カモシカが現れる。大きな鳥に追いかけられているカモシカを助けたところ、カモシカは、パルミラの女王であった。この女王 が、ありがと〜ございます。では、御礼に、3つの願い事を実現させてあげましょう。と、始まるのだそうだ。
えっ パルミラ遺跡に、カモシカが、そもそも現れるわけないじゃん。って言う感じなんだが・・・。山羊じゃ〜ないのかなあ。とは思いつつ、それは、さておき〜

フルートのフレーズが、とってもアラビア調だ。れ〜みっ れみっ れっどっ・・・と可愛く吹かれてて、メチャメチャ雰囲気出ている。オーボエもこれに続く。まあ、このアラビア風のフレーズが、女王さまなんだろうか。
「しどれぇ〜 みれっどしっ しっどれぇ〜 ふぁみれ・・・ しぃ〜ど しどしら そら し〜どしら」
「みっらぁ〜 しそふぁみし どしらみ ふぁぁ〜 らみ ふぁぁ〜」
「そぉ〜ら ふぁみれら しらそれ みぃ〜」っていうのが、テーマなのだ。
「どぉ〜 れ しらそれ みれしそ らぁ〜」「どぉ〜そ らぁ〜」
この旋律が、何度も、何度も繰り返されて出てくる。
耳に残って仕方がないほど甘めだし、テンポは遅めで、ぐえっ と最初は思ってしまったが、やっぱり馬力はあります。ドンドンっと入ってくる大太鼓は、存在感は抜群。
でも、とろみ感と共に、弦のフレーズや木管のフレーズには、透明度があるのと録音状態が良いので、これが、エキゾチックさをボリュームアップするものの、嫌らしさには繋がらない。

乾燥地帯の砂漠、パルミラ遺跡周辺が舞台じゃーなかったっけ、こりゃないでしょ。って感じの甘さが、旋律自体はあるのだが、思ったほどには、ココナッツ風味の砂糖菓子を、口いっぱいに、ほおばっているような感じにはならなかった。スヴェトラーノフ盤は、さすがに濃密度が抜群で、やっぱりねえ。って感じがすると思ったのだが、聞き込むと、さほど重さは気にならない。
ただ、のっぺりしてて〜起伏の変化に乏しいんだよねえ。この曲。
「みふぁ そっれ みっみみみっ」「しっみ〜ふぁ れどしっ しっみ〜ふぁ れどしっ」を、繰り返してて、えっ これで終わっちゃうのぉ〜。という恨みは残る。
しかし、この単純なフレーズを繰り返すなかで、いろんな楽器が参加していくし、彩りがアップするんです。
あっ そうか、これが、後に開花するんだ! 色彩感を磨く、技術習得過程なんですねえ〜。

2楽章 「復讐の夢」
「しっどぉ〜 れ〜 み〜 れ〜  しど〜れぇ〜」 
「みっし どっどど どっどど みっし れ〜 どっどどっ どっど」
「みっし〜ふぁ れどし みっら〜し どしら」という、フレーズの塊が繰り返して出てくる。
冒頭から、いきなり、ずん ドコドコ ずん ドコドコ・・・という響きが鳴ってくる。 
大太鼓のドスンという響きと、いひひ〜っという笑い声と、やっつけてやるぅ〜という挑戦的で、扇情的、アクロバット的な、ずんどこ節が炸裂している。
で、なかには、木琴かな〜 乾いた哄笑が聞こえそうなフレーズも詰まっている。
金管の力強さと、割れそうなトランペット、シンバルの組み合わせは、もっと、密度を高めて、テンション高く、締めた感じで演奏すると、もう少し面白いかもしれない。スピード感もイマイチで、がっちりとやって欲しい感じがする。最後、ティパニーの叩き方が、ガツンっと入っているところもあるんだけど〜  この楽章は、ちょっと緩いかなあ〜って感覚も残ってしまった。

3楽章 「権力の夢」
「どれみ〜っそ ふぁ〜そふぁ れ〜みれ」
「どれみ〜っそ ふぁ〜そふぁ れ〜みれ」
「どれみ〜っそ し〜どし そらそ らしら〜みふぁみ ふぁ〜 ドンっ」
最初は、木管だけ、そのうちに打楽器が入って、低弦と共に力強く、勇壮にマーチングバンド風に演奏されていく。オーボエにフルートの音色は良い。
テンポはゆったりめで、サクサクと進まないが、この遅さが魅力になっているかもしれない。
ズンズン、ドンドン、バンバンっ。裏で聞こえるシャンシャンも残響ほどよく響く。この馬力は、さすが。
「れみ ふぁ〜み れしどぉ〜 れ〜ど しそら〜 し〜ど らそら そぉ〜ふぁ」
「れみ ふぁ〜み れしど れ〜ど しそら し〜ど らそら〜」
元々、ヴァイオリンのフレーズは、かなり色彩感があって、後のシェエラザードの様相を醸し出しているし、ホルンのフレーズも巧いっ。

「らし どぉ〜し らふぁそ らぁ〜そ ふぁれみ ふぁ〜そ みれみ れぇ〜」
ホルンの裏のオーボエやクラリネットの木管フレーズも、う〜ん。巧いっ。
この3楽章は、これぞ、R・コルサコフ真骨頂っ。ここだけ聴くだけでも値打ちはあると思う。
でも、これ権力の喜び? なんか違う雰囲気なんですけど。
つけたタイトルが悪すぎかもしれません。勇壮感はあるけれど、グロさが無くて、結構、健康的で明るく、斉唱風に流れていく。 

4楽章 「愛の夢」
この楽章は、爽やかな色気にやられてしまう。
なにせ、木管の美しいこと。エキゾチックで、まるで夢の楽園っ。
クラリネットやフルート、オーボエ、そして、コーラングレが使われていると思うが、すごい魅力的なフレーズと甘さと香りが、いっぱい詰まっている。
青空のもと、小さな小鳥たちが、すわーっと飛んでいるような、控えめで、涼しいのだ。
ハープも入ってくるし〜 ゆったりとしたアラビア風の旋律が流れてくる。
愛の喜びというタイトルが付いているが、このスヴェトラーノフ盤では、涼しげで爽やか。
もっと、ムンムンした色気にやられるのかと思って覚悟していたのだが、柑橘系っぽく、ハイ、青春風味のようで、1楽章とは様相が違っていた。
「どぉ〜れ しらそら みれどそ ら〜 どぉ〜そ〜ら〜」という、テーマ音楽が流れてくるが、さほど執拗な感じではない。優美だし、静かなパラダイス模様である。

最後には、ハープの音色に挟まれて、女王と愛をはぐくみ、ゆったりと〜 昇天しちゃうらしいのだが、楽章の当初から、これは、もはやパラダイスだよね。
想像していたような、どろり〜とした、世俗的な世界ではなかったデスね。
「らみふぁ〜 ふぁ〜そ みれどそ らそふぁ れどぉ〜 そふぁ れし〜 ど〜 し〜」
消え入るように音が無くなって行くのだが、そのなかでも、木管の響きが良く、すーっと静まる。
ふわっとしてて、夢のなかだということが、最後になって、あっ そうか。という感じ。
まっ こういう、シアワセ感を望むのも、わからないでもないですけど〜(笑) 

R・コルサコフの執拗さは、ラフマニノフと良い勝負だなあ〜と思いつつ、この濃密な旋律を、こってり濃密に演奏されると、やっぱねえ〜4楽章の最後には、こうなりますか。というオチがついているのだが。
意外と、スヴェトラーノフ盤で聴くと、そうでもなかった。
確かにロマンティックで、濃密度も高い。
1楽章は、どす黒くて、悪夢だと思っていたものの、最後になると、結構、パラダイスで、シアワセな天国のような静けさが漂っており、この夢の展開は、悪くないかな〜と思ったりする。
(毒気にあてられたかな?)
演奏の濃密さより、オーケストレーションの美味、フレーズの織り込みが、結構、気に入って聴いてしまったというところだろうか。代表曲の「シェエラザード」ほどではないけど、みごとに、完全に、芽が出ているじゃん!という驚きだった。

あっ そうそう、よく演奏されているのは、第2版とか第3版とのことだが、 う〜ん。素人のワタシには、スコアを見ていないので、この点は解りません。このスヴェトラーノフさんの演奏、CDには、1876年版と表記されているが、そもそも、版自体が存在するのかわかりません。 (違うみたいだけど)

1980年 ジンマン ロッテルダム・フィル Ph
1986年 マゼール ピッツバーグ交響楽団 Telarc ★★★
1993年 スヴェトラーノフ ロシア国立交響楽団 ★★★★★
所有盤を整理中です。

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