「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ラフマニノフ 交響曲第1番
Rachmaninov: Symphony No.1


1968

アシュケナージ コンセルトヘボウ 1982年
Vladimir Ashkenazy
Amsterdam Concertgebouw Orchestra

ばっちグー!

録音状態はすこぶる良い。
コンセルトヘボウの豊かな響きもあり、クリアーで聞きやすい。 指揮者は誰でも良いのかしらんって感じるほど、オケの魅力がある。

← 上のCDジャケットは、交響曲第1番と交響的舞曲がカップリングされた1枚もののCDである。

← 下のCDジャケットは、3枚組BOX
ラフマニノフ 交響曲第1番〜3番、独唱、合唱と管弦楽のための詩曲「鐘」、交響的舞曲、交響詩「死の島」

1楽章
「みふぁそ みぃ〜」「みぃ〜れぇ〜み どぉ〜し(みふぁそみ〜) みぃ〜れぇ〜み どれしど ら〜」
「みぃ〜 みみぃ〜」という、とっても重々しいフレーズで始まる。
続いてクラリネットで、「しらぁ〜し そふぁ〜み しらし そらふぁそみ」と、軽快にフレーズ変わる。
歌謡風に、「そ どぉ〜み〜そみ〜 どしら」と続いていくのだが、このフレーズは、カリンニコフのような作風で〜 「そふぁそ みれっみっ そふぁそ みれっみ〜」
クラリネットなどの木管の爽やかな歌謡風フレーズが、この楽章の前半を支配している。
冒頭は、ロシア正教の聖歌をモチーフにしているらしいが、この歌謡風フレーズとのパッチワーク的な使い方には、ちょっと驚かされちゃう。だって〜 全く と言っていいほど、色彩や風合いの違うモノだから。
ラフマニノフの交響曲第1番って、初演が大失敗。酷評を受けて、その後、ノイローゼになってしまうという、いわくつきの曲である。グラズノフが指揮を振っていたそうだが〜 いい加減な指揮者は、その時、飲み過ぎだったという噂もある。

う〜ん。若い曲だとは思うが、さほど悪い曲じゃーないと思う。爽やかじゃん。
オーボエやヴァイオリンなんぞ、エキゾチックすぎて〜 おいおい、ここは、アラビアじゃーないだろうに。と、思うほどの官能的なフレーズが流れてきたりする。
あちゃちゃ・・・。ヴァイオリンで、「みふぁ ふぁ〜そ〜 どぉ〜し そふぁみれ みど〜し し〜そ どぉ〜しそふぁふぁみみどしそ ふぁそどぉ〜」 へっ 変なフレーズだ。
半音が多すぎて音がつかめない。どうも、このエキゾチックなフレーズは、ラフマニノフが当時つきあっていたロマの血をひく年上女性の影響らしいが・・・。そういえば、映画「ラフマニノフ〜ある愛の調べ〜」で 、ラフマニノフの半生が詳しく描かれていたなぁ。と思い出した。
いずれにしても、多彩なフレーズが、イッパイはめ込まれており、ストーリー展開は速い。展開方法やその身の変わり身の変化は、ちょっと違和感あり〜というぐらい多彩すぎて〜散漫な感じがするが、後の曲を見ていると、当初からこの傾向があったのね〜と、変に納得させられる。
ティンパニーが、ドンっとなって、「しっらぁ〜し そっふぁ そっみ しらし そらふぁ みふぁそ〜」
弦の細やかな、爽やかなフレーズが戻ってきて幕を下ろす。
コンセルトヘボウのサウンドの魅力、これにつきる。金管の華やかで明るいサウンド、弦のまろやかで艶やかな音色、録音の良さ。これだけで、この演奏は、う〜ん。魅力的だ。

2楽章
弱く「らしどし〜」という第1楽章のモチーフであるフレーズが聞こえるが、全般的に、おとなしい軽やかな楽章で、木管が風をそよがせ、ホルンが柔らかく、「そふぁそ〜 そふぁそ〜」と吹く。
フルートの「みふぁ〜み みら〜そふぁみ」という断片的なフレーズが、随所に顔を出す。
「そふぁそ み〜」という断片も出てくるが、いずれにしても、木管やホルンが受け持つ短いフレーズが、まるでピースをつなぎ合わせたような出てくる。
短いフレーズが多用されて構成するのって、難しそうだが、使い回しって感じもするし〜
アシュケナージ盤は、音質がとっても柔らかい。金管が混じってきても、肌合いは、すこぶる柔らかいのだ。楽曲に対しては、ちょっと冗長すぎるかな〜とは思うけど、正直、嫌みなくやり過ごせてしまう。

3楽章
これも第1楽章のフレーズが変化して冒頭に現れるが〜
クラリネットの鬱ぽいフレーズが、「どれみ〜 どれみ〜ど らしど〜れみ どれふぁ〜みれみふぁふぁそ ど〜し〜そ・・・」 柔らかいが、官能的で、エキゾチックな感覚が底辺に流れている。
オーボエやフルートが出てくるが、官能的なフレーズを引き継いでて〜 う〜ん。1楽章のピースが、ここにもはまっており、色彩的にカラフルなのだが、オブラートに包んだみたいにソフト。
ラフマニノフって、オブラートに包むような柔らかい、ほどよいエロティックさが魅力なんだけど。よく、こんな甘いフレーズが、次から次へとめくるめく出てくるものだ〜と感心させられちゃう。
ふ〜む。これ1番なんだよねえ。
中間部分で挫折。絶望しちゃうような、ちょっと落ち込んだフレーズがティンパニーと金管でイメージさせられるものの、柔らかい。ところどころ、神の怒りに触れそうな〜「らしどし〜」という主題が登場。
はあ? 官能の後には、改悛かねえ・・・。ちょっと単純な感じもするが。自らの戒めなんでしょうなあ。
アシュケナージ盤の神は、どうも優しく甘いらしい。縛りが緩いっていうか・・・。するり〜と抜けちゃうところが嫌みなく描かれているようで。厳めしいフレーズの筈が、まあ〜よいじゃん。と登場している。

4楽章
「らしど  しっしっしっしっ しどれっ」 を2回繰り返して、「ぱんぱか ぱ〜ん」
まるで競馬の開会式のような、華麗なファンファーレで驚いてしまう。
小太鼓付きで、華やかな幕開けで、舞曲が始まる。
「みっれ みっ どっしっ どっどっれみ ふぁそっ みふぁっみれ どみれっ」 このラフマニノフ最初の曲は、なんとも華麗に終わる。この最終楽章は、リズミカルでミリタリー調 。まるで、ロシアに皇帝がいた時代を彷彿する貴族的なイメージしている。
このファンファーレのあとは、暗いイメージすごい展開があって、低弦の「し〜ししし しどれ、らしどっ しどれっ」という渦巻く混沌とした感じから、「ふぁ〜ふぁみっ ふぁ〜ふぁみっ そ〜ふぁそ そ〜ふぁそっ」という、スキップが出来そうな、明るい、タンバリンの入った西部劇のような舞曲になっている。
で、しばらくすると、その後、歌曲風フレーズが出てくる。
「れっれ〜し そら〜し れっれ〜し そら〜し  れみふぁ れ〜 ど〜し」

随所にラフマニノフらしい旋律の繰り返しが、挟まってくるのだが、妙な節回しで、明るいのかと思ったら、暗いし。ノー天気風でもあり、とって変な感じがする。
続いて、木管のフレーズで主題が変わり、色彩も渋くなってくるのだが・・・。「られ〜しら そら〜ど しら〜 れ〜 そら〜しれ ふぁし〜ら ら〜 どしら れ〜」
↑ フワフワした妙に揺らぐ主題で、アラビア地方のようなエキゾチックさがあり、サックスの旋律が、まるで、蛇使いみたいなフレーズとなっている。半音だらけの女性的な官能的なフレーズである。
最後、最初の荒々しい主題が、ティンパニーと共に戻ってくるし、歌謡風フレーズを織り込みながら、騒々しく、大仰に銅鑼が鳴って終わるのだが・・・。

この展開には、なかなか、ついていけないよぉ〜。
流れがパッチワーク的で、トータルとしてのイメージが、散漫としそうで、つかみづらい。
最初に出てくる教会フレーズ、間に挟まった官能的なフレーズが、ダイナミックに使われていることは解るのだが〜トータルで 何を表現したいのか、う〜ん。ワタシ的には、まだ理解できていないのだ。
ロシア正教の聖歌が理解できていないからかな〜。ちょっとこの構成に馴染めないかなあ。結構、ダイナミックな構成だと思う。
まっ、まだ若書きの1番だからなあ〜 冒険したいんでしょうかねえ。
とにかく、アシュケナージ盤は、録音がとても良いし、オケの芳醇な音、ダイナミックで色彩感豊かな風合いの演奏に脱帽してしまった。 楽曲自体のワタシ的感想はともかく〜演奏はとっても良いと思います。
1982年 アシュケナージ コンセルトヘボウ Ph ★★★★★
所有盤を整理中です。

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