「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

サン=サーンス 交響曲3番「オルガン付き」
Saint-Saens: Symphony No.3


ミュンシュ ボストン交響楽団 1959年
Charles Munch
Boston Symphony Orchestra

ステレオ初期の優秀な録音で、名盤と誉れ高い。
特に聞きづらいという感じはしないが、オルガンの音はやっぱり古い感じがする。オルガン独奏は、ベルイ・ザムコヒアン

1楽章前半
冒頭、ふわ〜っと出てくる。音の膨らみがある。柔らかく重低音があり、まろやかな感じを受ける。
響きが柔らかく、太い。穏やかな父性の暖かさを感じる。
骨っぽくなく、幾分、ほんわかした 肉厚の男性と一緒に歩いているような気がする。バレンボイム盤では背の高い 骨っぽい若い男性と一緒のような気がするが・・・。穏やかな中にも熱い。 なにか燃えているような気がする。

1楽章後半
かなり優雅に、ゆったり〜 厚みがあり、豊かにオルガンが鳴っている。
弦のピチカートは、やはり古いだけあって靄がかかっている感じがするが、息遣いがたっぷりで、深く吸い込んで、ゆっくり吐き出すという人の呼吸にかなったリズム である。
自然な息遣いで、マルティノン盤のような、サラサラ感はない。あくまで太く、深く、ゆったり、まったり〜
純朴な日常的な敬虔さを感じさせる。

2楽章前半
スケールの大きさを感じる。シンバルの音や木管の音は幾分貧弱に感じるが、全体的には太く、しなやかに流れていく。サン=サーンスの3番では、息遣いが 深い方がいい。
ミンシュ盤は、豊かに呼吸している感じがする。
この気持ちよさは、なにかな〜? と、ぼんやりしていたら。えっ いつの間にかテンポが速くなっている。
初めは深々と吸っていた呼吸が、中段以降、荒くなってくる。
息もつかせない感じとなって畳みかけてきたので・・・ やっぱり、ミンシュだ。半端ではないと思い始める。
弦も木管も、ひえ〜っ あの1楽章は、どこへ行ったのか。急に慌ただしくなる。はやーっ!

2楽章後半
かなりのバリバリ感で、オルガンが鳴る。今の時代に聞くと貧相な音であるが、速いテンポと音圧。
この威圧感に圧倒される。ひやー 速い。めちゃ速い。
ペダリングは大丈夫だったんだろうか。ミスが無いやん。と、驚く。
ミンシュは激しい。熱い。トランペットが鳴り始めると、これまた速度が上がる。メチャはやい。
1楽章と2楽章とは、うってかわって・・・ 変貌ぶりがすごい。
格闘技ぽっくなってしまって、最後には大蛇に飲み込まれるような気分にされる。

聞き終わって・・・ う〜っ疲れたというのが実感。名盤なのかもしれないが、私的にはダメ。
C・クライバーと同じく、1度拝聴させていただいたら十分って感じである。アンセルメ盤は、終始ゆっくり1つ1つの石組みをきっちり積み上げていくかのような雰囲気だが、このミンシュ盤は、深く息を吸って一気に吐き出すかのような様相である。
神の逆鱗に触れて、吹き飛ばされたのか、自然を侮って土石流に飲み込まれたのか。
そんな恐ろしい流れが発生している。私的には怖いっ。
アンセルメ  スイス・ロマンド管弦楽団 1962年
Ernest Ansermet
Orchestre de la Suisse Romande

ミンシュ盤と同様の往年の名盤。
オルガン独奏は、ベルイ・ザムコヒアンピエール・スゴン

1楽章前半
冒頭、かなりゆったり〜低音が1歩1歩かみしめるように歩いていく。弦は、それに寄り添うように奏でてくれて盛り上げもよい。スイス・ロマンドの木管の音色によるものか、 明るく感じられる。
じわじわと音量をあげてくるところがニクイ。かなりの低音が入ってくる。
音の伸びに弾力があるので、大変心地良く、音色の明るさと共に、かなり楽しめる。
テンポは遅いんだけどね。太めで、がっしりとした堅牢な演奏で、よく言われるようなフランス的な、さらさら感はない。あくまで重量級で、どっしり。威風堂々タイプ。

1楽章後半
ぶ〜んっとした感じでオルガンが入ってくる。すごい低音のうえに、弦の響きも厚めに重る。
録音の性格によるものとは思うが、アンセルメ盤は、テンポは遅いものの平板にはなっていない。
弦と木管のバランスがよいのか、違う旋律をゆったり聞き分けられて嬉しい気分になる。
オルガンの音も安定感があり、敬虔な気持ちまでには至らないが、まったりしてくる。
弦の上昇音の伸ばし方に、かなりの心地よさがある。オルガンが消えた後の弦の合奏部も、美しく聴ける。オルガンと弦のピチカート部分も美しく、受け渡しもうまく響きの隙間ができない。
重低音のオルガン音がいい。
デ・ワールト盤は、線が細く、ひんやりした感じがするが、このアンセルメ盤は、対照的に暖色的。

2楽章前半
うってかわっての早いテンポ 1楽章の音が消えないうちに畳みかけるように始まる。
蠢く弦にはなっているが、かなり落ち着いている。ミンシュ盤のように煽るのではなく、安定・安心感あり。
音が分厚い分、あまり走れないのかなあ? 
歌って欲しい部分もあるのだが、あまりにも落ち着いていて〜 うぅ。ちょっと私の好みとは違う。
重いから嫌というわけではないのだが、もう少し、弦のピチカートに軽快感があるようがよかった。

2楽章後半
つんざくような出だしではなく、ふわーっと、ぼわっと膨らんだオルガンである。
オルガンの音が前面に出てきており、遠い感じはしない。オルガンだけが響いているというわけでもなく、旋律としての流れは少し欠けるが、音をザクザクと刻んでいくようで、硬い石造りの無骨な建物を目の前にしているような気がする。
ぐいぐいと勢いや音圧の迫力で押していくタイプではない。お相撲さんのように、どっしり腰が重い。
最後、金管が入ってくると迫力が増す。最後の最後で、ようやく加速。よっ待ってました!
ティンパニーの打ち込みも加速され、いったん膨らまして〜 と思ったのだが、えっ オルガンは?  
最終コーダでのティンパニーの硬い響きはよいのだが、オルガンの登場が遅い。
やっと出てきたと思ったら、金管じゃまーーーーっ!

うっ。最後は期待はずれだった。サラサラした流れと言えばマルティノン盤が一番だが、このどっしりタイプか、さらさら流れるマルティノン盤か? 選ぶのは難しい。
確かに堅牢だとは思うし、色彩も豊かなのだが、もう少し切れも欲しいな〜。
マルティノン  フランス国立管弦楽団 1975年
Jean Martinon
Orchestre national de France

マルティノンの指揮ではエラート盤もあるが、これは75年のEMI盤 で、サン=サーンスの全集として発売されていたもの。3番「オルガン付き」以外にも聴きたいと思って購入した。録音状態は少し乾き気味。フォーカスが甘いかも。オルガン独奏はベルナール・ガヴォティ

1楽章前半
ヴァイオリンとフルートで、最初のふわ〜っとした神の息が降りかかる。
弦がサラサラと ふわ〜っと流れていく。ところどころ、弦と木管の出だしが合っていない等、アンサンブルの乱れが 感じるのだが・・・。これは演奏のせいなのか、楽譜がそうなっているのか。わからない。
重々しい盤が多いなか、このふわっとした感覚は独特である。
サラサラしすぎかも〜とも思うが、これがイワユル、フランス的なのかなぁ。と納得したりする。
ティンパニーの響きが、この軽めのサウンドを引き締めてくれる。

1楽章後半
厳かに、パイプオルガンが、神妙に鳴り出す。前半とはうってかわってテンポがゆっくり〜 静かに歩みを変える。かなり深く長い息づかいなので、別世界に吸い込まれ そうだ。
サラサラした感覚は残っているので聴きやすいが、ちょっと深みが足らない気がする。
音の最後がきっちりしておらず、アクセントが明瞭ではないので、どことなく緊張感が足らない。
しかし、ま〜 あまりカッチリと演奏されると息苦しく感じることもあるので・・・
その微妙なところは、好みの問題かも。

2楽章前半
めまぐるしく動く弦にティンパニーが響く。単調な繰り返し ぱかぱかぱか ぱかぱかぱか ぱかぱかぱーん
このリズムが、ずーっと続く。ピッコロの音が、軽やかに合いの手を入れている。
弦と木管が溶け合っているように感じないので、旋律に隙間が見える。
ヴァイオリンの高音の伸びが、その隙間を埋めていくようなのだが、やっぱ隙間が見えて・・・。
どことなくパラパラしてい。アンサンブルがダメなのかも。

2楽章後半
オルガンの響きはいい。ピアノもよく聞こえる。ただオルガンの余韻が少なく、細切れになって聞こえる。
オルガンの息継ぎ的なところが、私的には好みではない。
あ〜あっ・・・。下降する際にアンサンブルが団子状態になってるやん。
テンポを変える際には、アンサンブルが乱れるようで、ちょっとクシャクシャ〜っとなってしまうところがある。
ティンパニーが締めの役割を果たしているのだが・・・。重低音も他の盤と比べて見劣りする。
私的には、アンサンブルに不満があり。イマイチ。
バレンボイム  シカゴ交響楽団 1975年
Daniel Barenboim
Chicago Symphony Orchestra

オルガン独奏は、ガストン・リテーズ  シャルトル大聖堂で、別に収録されたオルガンを合成したもの。録音は明瞭。
ピアニストだったバレンボイムが、指揮を始めた頃の録音。
カップリング:交響曲第3番、歌劇「サムソンとデリラ」〜バッカナール〜、オラトリオ「ノアの洪水」〜前奏曲〜、交響詩「死の舞踏」

1楽章 かなりテンポ良く前に前に進んでいく。かなりパワフル。
骨太で、どっしり〜として壮大である。そして切れも十分あり。
ひえ〜っ 鳴りっぷりが、さすがシカゴだと感じさせる一枚。

1楽章後半
前半とは、うってかわって、すごくまったりしている。美しく響いている。あのパワーはどこにいったのか、あまりの落差に驚く。これなら、初めからもう少し穏やかに振ってくれたらいいものを。
ヴァイオリンの音色など美音で、ほれぼれしてしまう。艶っぽさや、しなやかさには欠けているが、太い筋が1本入った筋肉質で、情感には溺れていない。

2楽章前半
太いがっしりした安定した響きになっている。木管が心地よい。ここでは重厚さという感じはしない。
分厚いだけでもなく、モコモコしているわけでもない。木管の音色が軽やかだからだろうか、艶やかさも持ちあわせている。弦は太い。ピチカートの響きは余韻があっていい。
ヴァイオリンは、直線的な雰囲気がする。
柔軟性とか、しなやかさとは無縁だが、これだけハッキリ、クッキリしていると爽快に感じる。
デュトワ盤は、しなやかに流れていくが、バレンボイムは、いかにもガッシリ。マッチョ。

2楽章後半
ダイナミックに鳴り響く。オルガンは合成であるが、堂々として鳴り響くので圧倒される。
ピアノの音も粒立ちがよく、綺麗に聞こえていた。オルガンの中音域も、これまた美しい。
和音も快活で、こりゃ〜上手い! 音もとぎれず、余韻もたっぷり。残響が濁っていない。
団子にもならず、爽やかな高音域の音である。アンサンブルも見事だし、音量の調整もいい。
かなり整った感じがする。オルガンの音は、独特で〜 う〜ん。これも満足。

このバレンボイム盤のオルガンは、シャルル大聖堂のもの。正真正銘フランスだろう〜。(笑)
ミキシングの力量に屈した感じはするが、ここまでやられると、苦笑いしつつも満足してしまう。
これには参った。いい表現だな〜と、大いに賛同しちゃう。
デ・ワールト  ロッテルダム・フィル 1976年
Edo de Waart
Rotterdams Philharmonisch Orkest

オルガン独奏は、ダニエル・コルゼンパ
オルガンだけを別録して合成する盤があるが、これは、一緒に演奏されたものらしい。「死の舞踏」等がカップリングされているが、そちらの方がお薦め。骸骨のレントゲン写真が並んだ「死の舞踏」というデザインがユニークで、ジャケ買いをしたもの。
カップリング:交響詩「死の舞踏」、交響詩「ファエトン」、交響詩「オンファールの糸車」序奏とロンド・カプリチオーソ」以上、演奏はデュトワ/フィルハーモニア管

1楽章前半
なかなかに軽快で、低音にも重みがある。しかし、総じて息は短め。まったり系ではなく、すっきり系。線は細いが、アンサンブルがきちんと整って おり、いい感じがする。

1楽章後半
しずか〜に、そろそろと、オルガンが入ってくる。
幾分、平板に感じるところがあるが、聞き込むと穏やかさのなかに、ほんのりとした美しさを感じる。
透明感が高く、ゴツゴツした無骨な演奏ではない。少しボリュームをあげて聴くと、静謐さが感じられる。ここは、オルガンの重低音が綺麗に入っている。じーっと耳を澄ませて聴きたい。

2楽章前半
穏やかに始まっている。弦が右往左往している感じがない。テンポは遅い。ガンガンに深く彫り込まないので、立体感が出ていない。音の伸びもなく〜 ティンパニーの迫力が 、いまひとつで。
う〜ん。なんかスパイスが足らないような気がする。まっとうすぎるのか。
過激な盤を聞き込んでしまったからか。ちょっと面白くない。
うわっつらだけ演奏されているようで、気合いが入っていないというか。スケルツォの要素がないので、1楽章からの気分が変わらない。高音部分 がサラサラと流れていく感じ。
単調なリズムなのだから、もっと弦を深く刻ませてくれないと。う〜っ、もったいない。

2楽章後半
伸びないなあ〜。オルガンだけが、ぶつ切りになってしまっており、ちょっと、がっかりさせられる。
(オケとオルガンと合体して、きっちり演奏する方が無理なのだろうが)
やっぱり、この「オルガン付き」は、ミキシングに頼らざるをえないのかなあ。オルガンの音はいいんだが、、、
最終コーダは、テンポもあがって、重低音の迫力も圧倒的である。
しかし、聞き手にしては、いきなり燃えもらっても困るわけで・・・ 最後に向かって、じわじわ〜盛り上げてくれないと。ちょっと残念かな。
カラヤン ベルリン・フィル 1981年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker

録音状態はよいのだが、オルガンの音を合成する際、あまりにも整形しすぎて、最後、ぼろぼろになった感じがする。オルガン独奏は、ピエール・コシュロー
ノートルダム大聖堂のオルガンを、別に録音して合成したもの。

1楽章
静かに美しく流れていく。出だしでカラヤンだとわかる。
これはハマル。音の伸びもあり、艶やかさもあり、勢いもあり。う〜っ これはいい。この楽曲の響きにマッチしているように感じてしまう。
私的には、この楽曲は雰囲気で聴いている部分が多い。
さほど深刻にも聴けないし、敬虔さを求めているのでもない。適度に重量感がなければ面白くもなく、適度にサラサラ流れてもらわないと、これまたツマラナイ。
この曲は、歌舞伎タイプであって、能タイプではないから、大見得を切ってもらわないと・・・。
せっかく歌舞伎をみているのに、大げささに騙され、絢爛豪華さに酔わないと、いいい気分で帰れない。
そうなら〜そんな演出してもらわないと。と思う。
カラヤン盤には、大スペクタルの要素があり、劇的空間になっている。

1楽章後半
かなりゆったり〜 静かである。深く弱音が美しい。低弦の美しさ。重厚感あり。
ゆったりしているのだが、音のふくらみがあるので、やはり上手い。BPOだけに聴かせてくれる。
オルガンは別録音で合成されているが、ふかぶか〜と聞かせる。
ヴァイオリンの高音の音色は、やはり白眉である。文句のつけようのない華麗さ。
弦のピチカートの響は、耳を傾かせるような弱音で、ここまでテンポを落とすのかあ。と関心する。
すこぶるナルチスト的に、どっぷり耽美的に、、、う〜ん 毒っぽい。と苦笑いさせられる。

2楽章前半
畳みかけるように音量アップして、激動の弦が蠢く。変わり身の素早さにインパクトあり。
ピアノも駆け回っている。あらゆる楽器が駆け回る。
リズム感があり。流麗に流れていく。小刻みに揺らめきがあり、う〜っ美しい。
木管のふわふわ〜波のように寄せる。再度、ティンパニーが響き、重量感を増している。
う〜 こうでなくっちゃ。と思ってしまう。
めまぐるしく場面展開してくれ、弱音・強音のメリハリが大きい。

2楽章後半
冒頭、すごい音量で、げっ!と、のけぞる。慌ててボリュームを絞る。
ピアノと弦の高音が絡むところは綺麗なのだが、低音の響きがありすぎ。
オルガンの音自体は、全くの人工物である。
自然な音ではない、嘘っぽすぎ〜 残響を取り入れ過ぎ。金属すぎ〜 大げさすぎ〜
総じて、いじりすぎ〜!

オケの演奏は、やっぱりすごい。弦の美音に惚れ惚れ〜 金管の迫力としっかりした安定のある響きは、すごいと納得。しっかし、この楽章の最後まで、 やっぱりオルガンだけ浮いているのだ。
昔のLP時代は、こんなオルガンの音じゃなかったと思うんだけどね。
CDになってから、こんな音に成り果てたのかなあ。

いずれにしても、2楽章後半の冒頭はいただけない。残りのオルガンの音は、なんとか聞ける範囲に落ち着いているのだが・・・。
僭越ながら点数を付けるとすると、2楽章前半までは★5つだけど、最後は0点って感じだろうか。
これ〜 もしかして、オルガンの音を整形しすぎて、変になったんじゃーないだろうか?
これは、もうオルガンの音ではない。ベツモノに変形しており、すっかり興ざめしてしまった。

ワタシが所有しているのは、昔に買った西独輸入盤(400 063-2)という盤である。
リマスタリング盤が出ているそうなので、最近買われた場合は、ワタシの感想とは異なることがあるかもしれませんので、ご了承ください。
デュトワ モントリオール管弦楽団 1982年
Charles Edouard Dutoit
Orchestre symphonique de Montreal

豊かな音量でよい録音。巷で人気のある盤だと思う。オルガン独奏は、ピーター・ハーフォード 聖ユスターシュ教会のオルガン
 

 

1楽章前半
弦の細かいフレーズを丁寧に歌いながら、テンポを上げてくる。弦の動きが激しいなか、管楽器が伸びやかに歌う。主題が循環するなかを、弦の音量は微妙に変えているようで、かなり動きがある。
決して重くならず、重量感を増しながら弦が奏でる。
ティンパニーの音量も微妙に変えているようだし、インパクトがある。細かな8分の6の動きのなかの変化は気持ちいい。同じ繰り返しのフレーズだったら、必ずと言ってもいいほど、音量を増やすか減らすかしていて、アクセントをつけている ようで、特にトランペットの音色が明るい。

1楽章後半
かなりテンポが速い。めちゃ速い〜という感じがする。サラサラ流れていくが、なんで〜こんなに速いの?
本来は、この1楽章後半が白眉であるはずだが、う〜 なんでかここはサラサラ行かれて〜
改めて聴いて、がっくりした。フランス風と言われたら これは違うだろうと思う。
この曲の白眉を飛ばしたら、モトモコモナイ。

2楽章前半〜後半 
すごいパワーと音量で、「ハ」が、どーんと出てくる。
暖かみのあるいいオルガンの音色で、確かに、どーんとは出てくるが、荒っぽいのではなく丁寧。
その後のピアノの音色が、ほっとさせてくれる。静かにパイプオルガンの音色が響く。
ヴァイオリンの音色やピアノの音色も、しっかり聞こえてくる。
オルガンの力強さが心地よい。さほどテンポが遅いわけでもないのに、きちんと等間隔にオルガンの音が出てくる。他の盤には隙間を感じたのだが、これは、余韻も適度にあって快活である。
音の色と、伸びが美しく文句がない。
また、華やかな金管類があり、トロンボーンとトランペットの音色が総じて明るい。洗練されている。
オルガンと弦とマッチしているし、とんがった金管でもなく、とろけた感覚で、全編を奏でている。
あでやかではないんだが、チューバの音量もいいし、弦の明るさと弾力性が絶品。躍動感あり。
金管の華やかさも、オルガンの音量もバランスが良く。一気に畳みかけて終わる。

もう少しテンポをさげて、一気に行かず、盛り上げて欲しい〜というのが、実は本音。
この一気に終わるというのは、この盤だけだったかも。
荘厳に盛り上げて堂々と終わるのがほとんどなのに。この点が納得いかない。
「オルガン付き」を、CDとして初めて聞いたのが、このデュトワ盤で、私的には刷り込みがある。
今、他の盤と比較すると・・・録音は良いし名盤とも言われている。
でも、1楽章後半がなあ。ちょと私的にはイマイチな感じなのだ。
プレートル ウィーン交響楽団 1990年
Georges Pretre
Vienna Symphony Orchestra

オルガン:マリー=クレール・アラン
録音状態は良い。(SHM-CD) 柔らかく、軽い音色でさらり〜と風のように演奏されるが、そのくせ結構熱い。カップリング:サン=サーンス交響曲全集、交響詩 「ヘラクレスの青年時代」2枚組

1楽章前半
かなり上品な立ち上がりで、フレーズが柔らかく静謐な感じがする。
弦は、ばらけず、さらさらした感覚である。一瞬、フランスのオケかと思ったのだが、これがウィーン交響楽団なのだ。へえ〜うっそぉ。ドイツくさい匂いが せず、清潔で爽やかで、特に木管(フルート)の音が、すーっと直線気味に伸びてくるし、金管類もかなり上品な吹き方なのだ。
へえ〜 清々しいっ。で、フレージングは楷書体に近いが、伸びやかさも柔らかさも感じさせる絶妙なモノとなっており、かなりバランスが良く精緻である。
弦は腰が柔らかいが、芯が強い。トロンボーンも明るい音色だし、細かい動きをする弦もいいし、金管もまろやかで輝いているし、ティンパニーの音は硬いが、よく鳴り響く。
フレーズにノビがあることや、さらりとした感覚が、どこから生まれてくるのか、素人のワタシにはよく解らないけれど、音色が全然違うのだ。へぇ〜指揮者が違うと、こんなに違うのかなあ・・・。 と驚いてしまった。

透き通る音色で、厚みもあるが、さほど重さを感じない。弦の厚みは結構ある筈なのだが〜 これが、重く感じないのである。で、テンポは、結構速い。軽快な感じがするなか、要所要所を締めてくれて心地よい。特に、ティンパニーのパパパンっ パパパ パンっと鳴り響く音には、凄みもあって、う〜ん。良いわ。 
演出過剰気味でもないし、すわ〜っと、さらっとした感覚で流れていくのだが、熱いんだよなあ。
時折垣間見られる、どす黒さもあって・・・ 緊張感もあり、かなり好感が持てる。
マルティノン盤より、よっぽどいい演奏だし、縦糸のずれた感じのするアンサンブルのバラバラな感じより、ぜーったいいいと思う。 ホントに、ウィーン交響楽団の演奏なんだよねえ。う〜ん信じられないっ。
音色の変わり具合に驚いちゃった。プレートルさん すげっ。

1楽章後半 
透き通ったレースのような感じがしてて、それでいて、どこか哀愁の漂うフレーズになっている。
他の盤だと、哀愁まで感じなかった。カラヤン盤は上手かったが、演出過剰気味だったし、コテコテ感覚なのだ。綺麗な演奏だし、さすがに、カラヤンには、まいった〜と思わされ る華麗さを持っている。
それに比べたら、そりゃープレートル盤は地味だし、抑制されている。でも、プレートルも負けていない。
抑制のきいたストイックさかな〜 すごい透き通ったレースのように、儚げで、そっと触らないと壊れそうな曲想になっている。弱音部分に美しさが感じられる。
低弦のピチカートも、オルガンの低音と共に響いて〜 弦の下支えをしてくれ〜 強く主張しないが、しっかり寄り添って音を紡ぎ出している。
じんわりと聴かせるのだ。響きがワルツのようにしなやかに〜しずかに弾ませているし、静謐さを失っていない。決して力任せでもなく質が高い。このプレートル盤で、ようやくマシな〜宗教的というか 、いや、ちょっぴり敬虔な盤に出会ったような感じがする。

2楽章前半 他の盤のように間髪入れずに出てくるのではなく、あまり派手に飛び出さない。
少しアンサンブルが乱れるところがあるが〜 う〜ん。ままあいいか。
弦の響きを、もうすこし膨らませ欲しい部分もあったが、ティンパニーの響きがいい。
音量をあげて、ちょっと速めにテンポを急かして、畳みかけてくる勢いが、結構スゴイ。
どことなく弦が艶やかではないのだが、フルートの音色が響いてかなり美しい。可愛い〜 綺麗だ。と思わせてくれる。
主旋律のフレーズは力強いし、そこに添えてくる木管群の魅力が、クローズアップされていて、細かい襞襞がいっぱいついている曲だと、目から鱗状態に教えてくれる演奏だ。
無粋で、ノー天気っぽい目立ちたがり屋の曲ではないんだなぁ〜っと、改めて発見。
プレートル盤で聴くと、まるで別のモノを見ている感じ。細かな手芸、繊細な彫刻を見ている感じがしてくる。ピアノの音が、もう少し、はっきりしていたらよかったんだけど。このピアノはイマイチです。

2楽章後半
ゆったりとしたオルガンで、ペダルのところは、かなり力強さがあり、オケもすごい音になってくる。
幾分、テンポは速め。でも、底辺の音が少なめなので、荘厳な雰囲気には、ちょっぴり欠ける。
アランさんのオルガンは、ずしーん・・・と響くが、いきなりボリュームがあがったのかと思うほど インパクトはあり。最後にはヒートアップして熱い情熱的な演奏で、揺れる揺れるところもある。
総体的には、雄弁ではないが、語りかけてくるモノは多く、1つ1つのフレーズが、とっても丁寧に扱われているように感じる。また、けっして慌てず騒がず 、堂々としており、しかし音質は、音色は、これだけ重なってくるフレーズが、決して重くなっていない。
う〜ん。どうしてだろう。とっても気持ちのよい不思議感がある。

プレートル盤は、録音はわりと明瞭だし〜透明度が高い。音の幅は太くもなく、爽やかである。
オケのバランス、金管と木管、弦部の見通しもよい。

ところで、楽章の4分38秒付近で、音がダブったように一部変になっている。
ん?編集のせい? それとも演奏? この音があるん?  と、首をかしげる部分があったが、きっと編集で変なのだろう。音がテープに移ってしまったというか、ダブっているような感じだ。その点だけ気になったけど、いや〜 演奏は ホント良いっす。感動しちゃいました。最後まで堂々とテンポをあげない。しかし、決して鈍重ではない。確信をもってインテンポで行くし。最終の音で盛り上げた。おおっ これはこれで、すごい!熱いやん。 って感じだ。プレートルの盤では、1楽章後半と2楽章後半が、超魅力的に感じた。
荘厳な感じの演奏ではないし、ハッタリをかました演奏ではない。
結構地味な 演奏なのだ。
しかし、結構、そのなかで熱さを帯びていく。この熱くなってくるところが面白いっ。拍手っ!
マゼール ピッツバーグ交響楽団 1993年
Lorin Maazel
Pittsburgh
Symphony Orchestra
オルガン:アンソニー・ニューマン

なんじゃ こりゃ〜


録音状態は、う〜ん良いとは言えない。金管の野太い音が支配的で、オルガンは魅力に欠けてるし、どうもぬるい。
カップリング:サン=サーンス 交響曲第3番、交響詩「ファエトン」、「死の舞踏」、「サムソンとデリラ 〜バッカナール〜」
1楽章
総体的に言うと、どってことのない素朴な演奏である。
で、弦部よりも、金管群がダイナミックに鳴ってくるので、野太い声で、低音のブラスがなり始めると、威力は、すごい、やっぱ凄い〜 と、苦笑いすることになる。

フレージングは長めで、「たぁ〜ら ららら たぁ〜ら ららら」 と、弦と木管が奏でているのだが、ティンパニーが、「パーン パンっ」、金管が、「しーれ しーれ しーれ」「れーふぁ れーふぁ」、煌びやかな「パラパラパラ〜」という、パッションが炸裂して入ってくる。この場面が、まあ〜おもしろいというか、楽しいというか。やや期待どおりというか。

後半のオルガンが登場する場面は、ワタシ的には、フレーズが長すぎて、息が続かない。
別に収録したものをダビングしているとのことだが、録音状態が、イマイチ、抜けが悪くて期待ほどよろしくない。
総体的に言えることだが、生暖かい空気感のなかを、ぼわーっと、のっぺり気味に響いてくるので、生あくびをかみ殺して聞いている感じになってしまう。
ヴァイオリンをはじめとした弦の爽やかさは感じるが、素朴だし。
低弦の音は途切れがちで、もっと低音部分の響きがないと、厚みが感じられず・・・ 
ぼわ〜とした、生ぬるい蜃気楼的演奏で〜 メリハリがないっていうか〜 
昼下がりの気怠いオルガンというか、はっきり言ってしまうと、つまらない。(って言うか、珍しい演奏である)

2楽章
1楽章が、あまりにも生ぬるい演奏だったので、この2楽章は、シャキシャキ演奏して欲しいんだけど〜
まあ、それなりかも。
木管たちが、「れれれみ ふぁふぁふぁみ れれれらぁ〜」っていう、可愛いフレーズを音を変えて吹いていくんだけど、そこは、ゆっくり吹かれている。
いろんな音が聞こえて面白い部分ではあるのだが、もっと、テンポアップで、快活に演奏してくれないと〜
う〜ん。不満が残った。弦のフレージングは、はためく感じで、風のように聞こえるが〜 ピチカートが弾まないのだ。
やっぱ、メリハリに欠けている感じがする。木管の見通しの良さはあるのだが、金管が入ってくると、ダイナミックに様変わりしてしまうし〜 なんとも、バランスが難しそうな楽曲である。

2楽章後半は、オルガンの響きがイマイチで、立体的に響いてこないのと、押し出しが弱い感じがする。
う〜ん これは、録音状態のせいかもしれないのだが〜
奥行き感が無いというか、ホールの響きが感じられない。
響きが後ろに行ってないというか、音がまわっていないというか、広がっていない。
とっても平面的で、後ろにすぐ壁があって、どんづまり感がある。聞いてて気持ちが悪い。
この演奏に限っていうと、オルガンより、響かないシンバルの音と、ごついチューバの音の方が凄いと思う。
それと、ラスト 最後の音、伸ばしすぎなんだけど〜 はあぁ? なんじゃーこりゃ。

カップリングされている交響詩「ファエトン」が爽やかに感じられて、お口直し的存在になっており、これが救いです。(笑)

プラッソン トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団 1995年
(トゥールーズ・キャピトル管弦楽団)
Michel Plasson
l'Orchestre National du Capitole de Toulouse

教会での録音なので残響が多い。あまりの残響の多さに、辟易する人もいるかもしれないが、私的にはいい。
雰囲気に飲まれる。 オルガン独奏は、ティアス・エザンベール

1楽章前半
重層的な響きで心地よく 陶酔ムードに陥る。この響きは、和音を通り越したところにある。
1音1音かみしめるタイプではないが、教会のなかの響きあう音の膜に包まれ、この雰囲気に飲み込まれる。
旋律も、リズミカルでかなり美しい。しなやかで柔らかく、かといって流されず。メリハリがある。
まるで教会の奧で聴いている感じがする。あくまでもホールではなく、ここは教会である。
さすがに、最近の録音なので、流れはマルティノン盤より軽快で、いいと思う。

1楽章後半
敬虔な気持ちになり、頭が垂れる。この演奏の白眉である。
まるで、神の前で厳かな歌を聞かされているかのようで、雲の上にのぼった気持ちになる。体から魂が分離するかのような、そんな錯覚に陥る。この世のモノではないような ・・・。
オルガンは、この演奏では前面には出てこない。低音の一部になっており、オルガンの迫力を求める人には不向きかも。弦の響きに圧倒される。
なんとなく、色彩的で明るいというイメージかな。
音の伸びも、弾力も艶やかさもあり、すごいと思う。残響は多いが、カラヤンの人工的・機械的とは、まったく異なった様相だ。

2楽章前半
健康的で、きびきびとした躍動感があり、明るい響きがする。 ティンパニーが遠く聞こえて、弦が全面に勝っているので、その分、迫力に欠けて締まりがよくないと感じるし、ピアノも粒立ちが良くない ので、ちょっと、その点は不満だ。

2楽章後半
後半の冒頭、オルガンの「がーん!」って音に、げっ! と、のけぞった。
あまりいい音のオルガンではない。他の盤と比べると、かなり割れた音がする。
うぅ〜 どういえばいいのか。
しゃがれた音というか、まるでお酒を飲み過ぎて、声をつぶしたような。
そう〜 だみ声オルガンなのだ。

でも、カラヤンのベツモノ整形お化けのようなオルガン音に比べて、なんと自然なことか。
私には、このだみ声オルガンの音に合わせて、バックで女性の歌声が聞こえる感じがした。
もちろん幻聴なのだが。(コーラスなんぞ、楽譜には載っていない)
でも、弦楽か木管の音が、女性のソプラノに聞こえるような・・・そんな気がした。
テンポについては、かなり速い。弦の音が小刻みに揺れ、その波動が1つの声になって耳に届いてくる。
う〜 ステレオのスピーカーから出てくる音には聞こえん。すげーーっ この音の響き!
やっぱり、まるで教会のなかに座っているようだ。

だみ声オルガンの音の悪さは、耳が慣れてくるためか、中盤以降、気にならない。
げっ!と、のけぞったのは、この楽章冒頭だけだった。 しかし、インパクトが強いので、このオルガンの音は、好みが分かれるだろう。きっと耳障りだと、いやがる人もいるにちがいない。

このプラッソンの盤でのオルガンは、単なる和音の底辺を担っているだけではなく、総合的な響きとして一役を担っているようだ。つまり、主人公にはなっていない。
やっぱ〜 オルガン付き、「付き」なんだね。それに、全ての音をバランスよく録音してもらっているように思う。単独でオルガンの響きを楽しむ楽曲と解するのではなく、オルガンを足しての響きとして十分に楽しみ充足感をあじわえばいい。と思う。
十分に重量感あり、重低音が響き渡っている。ボリュームをあげても、ひどくならず、タップリの音響だし音質もいい思う。なにせ、合成しているのではない。これは、シアワセになる 一枚だと思う。
だみ声オルガンの響きもインパクトあるし、ワタシ的には、ちょっと別格的存在のCDである。
小林研一郎 チェコ・フィル 1996年
Kenitiro kobayashi
Ceska filharmonie

録音状態はいい。演奏は、かなり重い。しぶーい サン=サーンスになっている。
燃える指揮者らしいが。う〜ん。実演を聴くと、めちゃ感動するんだけど。
オルガン独奏は、アレシュ・バールタ

1楽章前半
暖色だが渋い弦の音色で分厚い。さらさらしているわけでもないし、重厚な重々しいいかにもドイツです。という感じでもないし。少し違うかな〜って感じもするんだが、 なんだろ・・・丁寧に奏でてもらっているように思う。

1楽章後半
豊かなオルガンの響きが出てくる。まったりしている。ふかぶかと歌うので好ましい。
しかし聴いているうちに、自分自身が、この楽曲に何を求めているのか、何を感じているのか考え込んでしまった。
さらさらしたフランス風の? いや〜 このように手堅い演奏か?
チェコ・フィルだからなのか、渋いけれど・・・ 弦は、やっぱり豊かだよなあ。
サン=サーンスとチェコ・フィル う〜ん なんか、やっぱりマッチしてないよなあ。
コンセルトヘボウは、オルガン付きを演奏していたっけ? ドレスデン、ゲヴァント、う〜ん 合わないような気がするなあ。
金管のまろやかな響きは、すごい。やっぱ。オルガンと溶け合ってる。
重低音のオルガンが、低弦と一緒になっていると、重さが深くなる。ここで、ヴァイオリンが艶やかに歌うんだねえ。裏方に徹している演奏のようだなあ。高音の華麗さには欠けているが、天上の美しさというより
自然の素朴さとか、シンプルさを感じる。この太さでは、天上には昇れないよなぁ〜 と、演奏はとても良いのだが、ワタシ的には、ブツブツ考え込んでしまった。

2楽章前半
かなり重い。しっかり弦を刻むのだが、これでは鈍重になりかねない。
木管は透き通って綺麗に聞こえるのだが、もっと小刻みには刻んでもらいたいよぉ〜。
ピチカートには重すぎ。
蠢くような、さざ波のようにはならず、堅牢な石を、小さな斧で刻んでいるような感じがする。 もう少しテンポをあげてくれたらよかったのに。
ピアノまで登場しているのだから、小気味よく動いてくれないと、この楽章が生きない。オモシロクナイ!
綿菓子のように、次から次へと膨らませながら、軽くしていっていかないと、
う〜 まるで、凝り固まった沈殿物みたいになってるやん! なんで〜 こんなに重くするねん!
次のフレーズが生きないやん。
演出下手やなあ。まあ〜文句タラタラ言いつつ、コントラバスの重さに再度、驚かされた。
録音自身は、大変通った 明確ないい音である。響きが重層的で、かなり中間の音も入っていて好ましい。消えてしまいがちな木管や中音域の声が、響いている。

2楽章後半 
オルガンの音は好ましい。弦の美しいフレーズも見事。透きとおっている。わぁ〜弱音が、こんなに美しく録れるのかぁ〜と関心しきり。
堂々としたオルガンで、金管のまろやかな響きも好ましく、まろやかに響く。
ただ、残念なことに、スピードがあがらない。迫力もイマイチ。
いつまでまろやかに、たむろってくれているんじゃ。オルガンが入ってきてからも、シンバルが硬く、吠えない。
オルガンが団子になってどーするん。刻んでくれ〜!  ほれほれ 上昇するフレーズだぜ〜
最後の最後で、ようやく迫力で押し切って終わり。
オルガンが すごく〜テンポを落として 弦が少しスピードをあげて終わるのであった。 なんか中途半端 な終わり方で、かなりがっかり。 うぅ〜 なんだ〜 最後まで燃えなかった。がっくり。
金管もまろやかで、弦の音もいいし、オルガンも文句ないんだけどなあ。
ホント、期待していただけに、超ガックリ・・・
エッシェンバッハ フィラデルフィア管弦楽団 2006年
Christoph Eschenbach
Philadelphia Orchestra

オルガン独奏は、オリヴィエ・ラトリー
フィラデルフィア、ヴェリゾン・ホールでのライブ盤
カップリング:プーランク「オルガン協奏曲」、バーバー「オルガンと管弦楽のための祝祭トッカータ」

1楽章前半
最初聴いた際には、あまりピンとこなかったのだが、何度か聞き込んでくると、弦の響きが幽玄に聞こえてきた。ブルックナーの原始霧じゃーないけど。
弦の揺れ動くシンコペーションが、目覚めさせてくれる。はやく起きろよ〜っ。
それにしても、エッシェンバッハは、憂鬱 なのか?
へっ サン=サーンスで憂鬱になるとは思わなかったぞ。
なぜ、そんな風に感じるのか、他の盤だと「オルガン付き」は健康的だ。しかし、どことなく、メランコリックな感じになってくる。いや、罪を背負って歩いている人のように感じられてしまう。
もしかして・・・これは深い楽曲なのかも。と、再認識させられた。

1楽章後半
こりゃ〜心理ドラマ的になっているような気がする。げっ オルガン付きって、こんな楽曲だったっけ。
憂鬱感から、一層深みにはまって、哀愁以上の深刻な悩みになっているようで。
まるで、悲しみや悩みを、深々と胸にしまって、じっと佇んでいるような光景になっており、切ない気持ちを含んだ旋律に聞こえてくる。
そうして、そんな思いで聞き進むとと、一筋の光が見えてくる。これがオルガンの音だった。
そして、ついには、この悩みをどこかで打ち明けたいと感じるようになる。

そう打ち明けるのだ。と、弦が教えてくれる。すると気分が変わる。一筋の希望が見えてきたぞと。
このエッシェンバッハ盤を聴いてくると、弦が、人の声になって、私に語りかけてくる。
そんな錯覚に陥る。
で、教会で牧師さんに、「ごめんなさい」と、懺悔しているかのような・・・。
ひぇ〜 今まで、このサン=サーンスの「オルガン付き」を、なんと聴いてきたのだろう。
何も見えなかったものが、すーっと見えてくる。啓示を受けたみたいに。アハッハ〜(と、冷や汗タラリ〜)
デュトワ盤、カラヤン盤・・・ あのミンシュ盤も、どっか遠いところに霞んでしまった。
うわ〜っ すごい音楽だ。これは! げっ 目が覚めた。

2楽章前半
これは激動の嵐のような渦巻く世界が広がってくる。すげっ〜猛烈に速い。
揺らめく旋律が怒濤のように流れていく。1楽章後半が女性的であったのが、ここではうってかわって男性的なマッチョになっている。変貌しちゃった。
心理的にさざ波が立っていると外見まで変貌するのか。暴力的に変わる。
怒りが満ちている。憤懣やるかたない気持ちが、ささくれだっている。
そこにオルガンが登場してくる。慰めてやっておくれ〜というように、囁かれる。
それでも、しばらくは反発を感じているのだが、やがて怒りは収まってくる。弦が、母親の言葉のように囁き、ささくれだった心を慰めてくれる。癒してくれる。

2楽章後半
神の啓示のようにオルガンが鳴る。このオルガンは、それまで語っていなかったことを話そうと。呟く。
パイプオルガンは父性愛であり、弦は母性愛である。
いずれの愛も相まって、聞き手は包まれていく。ようやく意欲が湧いてきた。
怒濤のような風が吹き止み、心理的に落ち着いてきたのか、弦がインテンポに刻んでいく・・・
管楽器も、気持ちが収まったのか、ゆったりと歩き始める。
ようやく、普段の自分に戻ったかのように、一歩一歩、歩き出したような感じになる。
最終的には、シンバルが入って、応援歌のようには鳴っているが、希望をなんとか見つけ出した心理的な楽曲で終わっているようだ。
はあ〜 堅牢な建物でもいいが、呆然と眺めているわけでなく、この演奏には、建設的な意識や前向きなドラマが展開して、目の前が開いた・・・という感じで終わる。

往年のフィラデルフィア独特の華麗さや流麗さは、少し欠けているかもしれないが、もっと深い心理的要素を奏でてくれている。木管類は、すこし平べったい音がする。 録音の状態かもしれないが。。。
どこかメランコリックな音色に感じた。それにしても、この心理ドラマは圧巻である。

かつては、オーディオ効果的抜群のCDを聴いていたし、それを欲していたが、それが、この曲の解釈をゆがめてしまったのかもしれない。
今後は、録音の良し悪しだけでなく、この楽曲を再認識させてくれる盤が欲しい。

それにしても、深い息遣い、圧倒的な打ちのめさんばかりの荒々しさ、オルガンって独特のツールだね。
深々と吸って〜吐く。「さあ。吸って〜 吐いて〜」と、健康診断での看護士さんの台詞を思い出す。
この「吸って〜 吐いて〜」で、生きている。生かされている感覚を、再認識できるかもしれない。
オルガンって、表現としては原初かもしれないが、恐ろしいツール(楽器)なんだな〜
そう感じた1枚。
1959年 ミンシュ ボストン交響楽団 ★★★
1962年 アンセルメ スイス・ロマンド管弦楽団 Dec ★★★
1970年 マルティノン フランス国立放送管弦楽団  
1975年 マルティノン フランス国立管弦楽団 EMI ★★
1975年 バレンボイム シカゴ交響楽団 ★★★
1976年 デ・ワールト ロッテルダム・フィル Ph ★★★
1981年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★
1982年 デュトワ モントリオール管弦楽団 Dec ★★★
1990年 プレートル ウィーン交響楽団 ★★★★★
1993年 マゼール ピッツバーグ交響楽団 SC ★★
1995年 プラッソン トゥールーズ・キャピタル管弦楽団 EMI ★★★★
1996年 小林研一郎 チェコ・フィル Cn ★★★
2006年 エッシェンバッハ フィラデルフィア管弦楽団 Ondine ★★★
所有盤を整理中です。

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