「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

シューマン 交響曲第3番「ライン」
Schumann: Symphony No.3
"Rhenish"


セル クリーヴランド管弦楽団 1960年
George Szell
The Cleveland Orchestra

さすがに古い録音なので、低音が多少くぐもっているが、耳慣れしてくると気にならない。それより快適に聞こえてくる。

 

1楽章
ヴァイオリンの切れが良い。テンポとアクセントが、ほどよく、冒頭から、これはいい!と感じた。 ひとことで言うと、ものすごい弾力があるのだ。 駆け下りてくるところは、元気よく、小気味よく下りてくるし、昇るときも同様。駆け上っていく伸びやかさがある。それでいて、とてもキッチリしている。
小刻みな、弦の上げ下ろしなのに揃っている〜 うぉ〜これは巧すぎだ!

それに、めいっぱい弾いてます〜と、無理矢理という感じがせず、まだまだ余力がありますよ〜と感じさせるところが凄い。う〜ん。ヤラレタ!
高音のヴァイオリンは綺麗だし、ホルンは優美。ヴァイオリンもの軽やか。人の息づかいに似ている。
息を、吐いて〜吸って〜という、全員の呼吸が揃っているという感じで、舌を巻く。
録音は古いものの、断然、この弾力性は、セル盤がピカイチだ。アンサンブルのみごとさと、弾力性の高さは、これに勝るもの無しって感じがする。
昔からの名盤と言われている、クーベリック盤(ベルリン・フィル)と甲乙がつけられない。
録音状態は、セル盤は、幾分、靄がかかっているものの、生命感があふれているし、生き生きしている。
フレーズに弾力性があるのは、低音の返りが弾むから? ティンパニーの叩き方にあるかも?
う〜ん。専門家でないので、よくワカラナイが、刻み方も微妙に変化しているように感じる。
のびやか〜 この絶妙な感覚は、すげーーっ。ハイ、そのノビに絶賛です。

2楽章〜最終楽章
明るい音色で終始しており、豊か。音量もたっぷり〜 こぼれんばかりの幸せ感が漂ってくる。
若々しい喜びに満ちあふれている。う〜ん。すごい。
3楽章は、ばーん!と冒頭に強い音が出て、そこから、荘厳な和音が鳴り響く。
大がかりな悲劇という感じ。

4楽章
重厚な感じはするが、軽やかさも持ち合わせているし、リズミカルだ。
ホルンも甘過ぎず、きびきびしたテンポがいいなあ。かなり幸せな感じがする。
なお、セルは楽譜を改訂しているとのこと。でも、その箇所がどこなのか、私にはワカラナイ。
このセル盤、昔から名盤・名盤・・・と言われ続けていることだけのことはある。
録音が古いから〜と、侮ってはいけないなあ。

クーベリック ベルリン・フィル 1964年
Rafael Jeroným Kubelík
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

楷書体のきっちりとした、はっきりした出だし。録音状態も良く 歯切れもいい。
カップリング:シューマン 交響曲全4曲、「ゲノヴェーヴァ」序曲、「マンフレッド」序曲 2枚組BOX
1番・4番1963年、その他は1964年の録音
当盤は旧録にあたり、79年にベルリン放送響と再録している。

1楽章
弦を、端の端まで弾ききっているというか、ビブラートがかかっていないように聞こえる。
セル盤とは異なり、柔軟性や弾力性は、ほとんど感じられない。でも〜最終音にアクセントをつけているのか、テンポがよく聞こえる。
出だしが揃っていないと感じた部分もちょっとあったが、極めて端正なタイプである。
録音状態は、セル盤より、クーベリックの方がクリアーに聞こえるが、弾力性がない ため、「ライン」が、ゴツゴツとした岩山のようになっている。う〜ん。川の流が堰き止められて、固まっている感じ。
やっぱ、クーベリック盤は、質実剛健なのかなあ。
ホルンの音色は、まろやかというより門切り調で、ちょっと愛想がないが、団子にもならず、短めのフレーズで 吹いているようだ。シューマン特有とされる、ちょっと旋律が団子状態になるところがあり、字余り気味に聞こえるところがあるのだが、テンポを変えているのかなあ。
7分00秒付近で、うまく処理しているような気がするのだが、でも・・・ちょっと気になった。
高音が細身で、艶やかさに欠けており、いささか厳めしい感じのシューマンの「ライン」だなあ。

2楽章
わりとそっけない。歌うってイメージじゃない。低音がテンポをとっていて、ブンチャッチャをイメージさせる。
振り子のように、低音の方に耳がいっちゃう。
慣れると、これが心地よく思えてくるのだが、まろやか〜とはいかないので。好みが分かれるかも。

4楽章〜5楽章
ストイックに聞こえた。懺悔している雰囲気。高名な精神学の学者風情の音となっている。
ハイティンクのようにホルン優先型ではない。いくぶん、もわ〜とした感もぬぐえず。

カラヤン ベルリン・フィル 1971年
Herbert von Karajan
Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

録音状態のせいなのかもしれないが、弦がかすれ、こしげているかのような感じで、ちょっと残念。
← シューマン交響曲全集より

 

1楽章
冒頭、えっ もっと太い音で出てくるのかと思ったが、意外と細い線で出てきたような気がした。雄大なラインって感じではなく、上品で華麗な感じがする。
でも、流麗って言葉がぴったりくるような、文字どおり流れる「ライン」になっている。
ホルンが遠くから鳴ってくる。幾分遠め。そして、中音域が少し不足しているのが気になる。
ヴァイオリンの音が、この楽章に限っては、少し耳に刺さる感じがする。
71年だもんな〜 カラヤンとベルリン・フィルの最盛期かなぁ。

2楽章
ホルンのほの甘い音が聞こえてくる。まったり〜こってり〜という感じではなく、さりげないのだが上品なまろやかさ。木管との絡みの部分なんぞ、う〜ん。さすが! 聞き惚れる。
ヴァイオリンの音の艶やかなこと。ひぇ〜 これは、白眉じゃ。
1楽章で言ってしまった中音域の不足は、撤回。これは、甘み控えめの上品なくちあたり。絶品。

3楽章
とろり〜 白昼夢のような気分にさせられる。弦部だけで、かなりゆったりめ。歯切れ良いという感じではなく、まったり〜 睡魔に襲われる。

4楽章
ゆったりとした歩みで始まり、まるで、深々とカーペットの上を歩いている感じがする。
頭が垂れているなあ。音の調和がみごと。幾分、高音域重視なのだが、聴かせ上手なのかな。
吸い込まれそうだ。
弦にきっちりした感じがあり、厳粛な感じを雰囲気として醸し出している。
小股が切れ上がった感じの紋切り調ではないが、きっちりとしている。
音色としては渋い感じがする。金管部の和音の響きも幾分渋め。華麗で壮麗ではない。黒光りしているような黒檀の柱のようだ。
カラヤンにしては、地味な感じがするが、息のながい〜 旋律をゆったりさせて、持っている。

5楽章
これまた渋い。華麗というより重々しい。ただ、弦や木管の歯切れは良いので、ひきづった感じはしない。
身のこなしは重厚だが、かなり貴族的。意外と、すっぱりした感じがする。もたれない。
字余り的な旋律のところは、木管を強めに吹かせているような気がする。
テンポは変わらないし、揺らさない。
段々と速くなるのでは?と予測していたのだが、テンポは始終変わらない。旋律も揺らしていない。
これで、どうやって盛り上げていくのだろう? と、いぶかしく思ってしまう。
最終コーダの部分では、幾分、はやめにしていくが、快速でもなく、あくまでも重厚さを失わず上品に華麗に、弦の歯切れ良さ、金管の歯切れ良さなどで、最後まで行ききった。
重厚なくせに軽めな感じがする。う〜ん。なんとも不思議な演奏。

サヴァリッシュ シュターツカペレ・ドレスデン 1972年
Wolfgang Sawallisch
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

乾いたカサカサ音 低音もモコモコ 残響が多いのかな。
録音状態は、中音域がすっぽり抜け落ちた感じがする。

1楽章
冒頭から、かなり〜速め。乾いたカサカサ音が聞こえていた。エキセントリックだな〜と感じる。
こんなに速くなくてもいいような気がする。勢いが良い言えば聞こえが良いが、これは速い。速すぎ。
セカセカしている。おいたててられている。
テンポも落とさず〜 一気呵成で、弾力性も感じず、これじゃ〜まるで競馬。
ゲートが開いた途端、先頭きって、いきりたった馬が飛びだしたみたいで。鼻息の荒い、暴れ馬状態で、いきいきした情熱というより、こりゃ品もありゃしない。
高音のヴァイオリンが、キンキン響いて耳障り。
変なところにアクセントのついている日本語を聴いているみたいで、、、 ダメ。期待していたのに、裏切られた感じがする。低音は分厚いし、高音はカサカサだし。
う〜ん。高音と中音、低音がバラバラになってて、みんな一気に強奏しているような気がする。
極端の状態で、振り子が振りきってしまう。
低音と高音のなかを行き来されて、それもすごいスピードで
目の前の近くで、振り回されているようで、疲れた。
このサヴァリッシュ盤のホルンには、ほっとさせられるのだが、余裕のない1楽章で〜どっと疲れた。

2楽章
ここでは、ゆったり。ホルンは、のびやかなのだが、弦部が息が短くて歌えず。
牧歌的なのは金管で、弦の伸びがないので、ちぐはぐな感じがする。旋律がホルンなのだが、下支えの弦がない状態で、ほとんど聞き取れない。何、このCD?
録音が悪いのかなあ。

3楽章 2楽章同様。パス

4楽章
ホルンと低音のチェロコントラバス系統が聞こえるだけで、中抜けているようで、
ヴィオラとヴァイオリンの中音域が、聞こえないように思えて、和音になっていない。美しい響きに欠けているようで、イマイチ。最後の音も響かない。和音になって 聞こえてこない。

5楽章
なんか録音ばっかりに文句をつけているようだが、やっぱり。好みじゃない。不快感が残ってしまった。

ムーティ フィルハーモニア管弦楽団 1977年
Riccardo Muti
The Philharmonia Orchestra

録音状態は良い。クリアーだし、歯切れもいい。
カップリング:シューマン 交響曲第3番、第2番


1楽章
なんだかセカセカした、ちんまりした そのくせ、いいかっこしたがる男性のようで、いまひとつ。なんで〜 こんなに、せこく感じてしまうのか。
息が短いからか、伸びて欲しいところが伸びてくれないのか。
音が伸びきらないうちに、次の音が出てくるようで、慌ただしい歯切れがいいと言えばいいのだが、病的なイライラ感があるような、そんな感覚である。
河だろ? えっ ちがうの? どことなく、滝壺近くで、渦が巻いているような感覚。そんな中には、巻き込まれたくないものだから、どことなく引いてしまう。遠目で眺めているしかない。
音は悪くないのに、もったいない。

2楽章
さすがに、ゆったり〜と演奏を始める。1楽章では感情移入できなかったが、さあ〜歌えるかなあ。
と期待を持ったのだが、ぶつ切りタイプのフレーズ感覚で、金管と弦がまろやかに絡まっておらず、テンポも歌うというよりは、どことなくギクシャクしているような気がする。
オペラのように、主人公が1人だけ、ドラマティックに歌いあげると良いのかもしれないが、牧歌的な風景を眺め、自然と鼻歌を歌っていた〜という風にはならないのだ。
なんか違うなあ。と感じてしまった。

3楽章〜4楽章
ささやくように出てくるが、眠気を誘う。もちっと歌ってよ〜 心地よくない。
4楽章は荘厳な感じが味わえる。ここはいいと思う。ただ、もう少し、内面的に深みがあればいいんだけど。なんか欠けているよなあ。って感じてしまった。

5楽章
さすがに盛り上げ方が旨いな〜。派手さが適度にあって、金管のおかげか、明るくなっている。
アンサンブルが、ちょっと団子状態になっているところがあって、これは譜面によるものかどうか不明だが、耳障りに感じた。深みがないっていうか。どことなく薄っぺらく感じてしまって、ムーティとシューマンって、やっぱ どこか場違いのような感じがしちゃう。ごめんなさい。
バレンボイム シカゴ交響楽団 1977年
Daniel Barenboim
Chicago Symphony Orchestra

まっ こんなモン

録音状態は、まずまず、ヌケが良くなく、幾分こもった感じがするが、勇壮なラインで、勢いがある。
カップリング:
シューマン交響曲全集、マンフレッド序曲

1楽章
冒頭 暴れ馬のような出だしで重々しい。刻み方がちょっと他の盤とちがって、微妙に合いの手が入っているようで 違和感があるのと、繰り返しがない。フレージングが、息が浅く、どことなくせっかちだ。
金管の強い演奏で、ぶわん〜っと力強く吹かれており、旋律が、フライング気味に飛び出した感じを受ける。
で、弦と金管、木管の密度というか、音が抜け落ちたような、間の悪さというか、旋律が絡み合った感じがしないで、響きとして、パラパラと乾いてしまっている。

また、旋律が、同じ音量ぐらいで、ティンパニーの叩きも、う〜ん 愛想がないというか、バンバン叩いているようで、重厚感はあるが、ちょっと、力任せというか、整理されていないかもしれない。
勇壮と言えば良い風に聞こえるが、ちょっと、うるさい傾向にあり、その勇壮さの合間に、木管の貧相な音が聞こえてくるという感じで、なんともバランスが悪いように思う。
スピードは速いが、硬いフレージングなので、しなやかさが足らず、小刻みに刻むように進んで行くので、小さな震えがずーっと続いている感がして、イマイチ安定感を感じない。

2楽章 特段の印象なし。
3楽章 ゆったり、たっぷり〜 歌ってくれる。ただ柔軟性 弾力性には、いまいっぽ乏しいかも。
4楽章 荘厳な感じがする。重厚感あふれる演奏 ちょっと硬いかなあ。
5楽章
テンポよく始まるのではなく、レガートたっぷりで華麗 そこだけ気になっただけで、あとはいいと思う。
ジュリーニとは違うけど。上品さがあまり感じられない。バラバラしている部分も気になった。 最終コーダ部分も、鳴らすことができているが、力任せで、無理矢理畳みかけている感じがする。 ここは余裕をもって、ゆったり〜優雅に盛り上げて欲しかった。

クーベリック バイエルン放送交響楽団 1979年
Rafael Kubelik
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(The Bavarian Radio Symphony Orchestra

録音状態は、さほど良くない。高音がゆがんでいるような気がする。クーベリックのソニー盤で、グラモフォンより、艶やかで伸びやかに聞こえる。

 

2楽章
小春日和的 穏和な感じがして、日差しのような軽やかさが味わえる。
しなやかだ〜 これは絶品。名盤と言われているゆえんかなあ。これは惚れ惚れしてしまう。

4楽章
少し暗めだが、陰影がきつくなく 枯れたなかにもしぶーく幻想的なほど〜 光を感じる。
ただ〜 やっぱ暗い。厳格ではないが、もちっと悲壮感があってもいいかもしれない。
録音が明確でないからか、ピントの甘い写真を見ているような気がする。
もうすこし、ここは、厳格でした方がいい。と感じてしまう。

5楽章
可愛く始まる ふくよかな感じよりキュートさを感じる。明るめの軽快な最終楽章で、
重々しくなっていない。アンサンブルは、やっぱBPOが勝っているようで、ちょっとコチャコチャしているように聞こえてしまう。残響のせいかもしれないけれど、、、、残念だなあ。
もう少しのびがあれば、和音の ホルンも録音に透明度があれば綺麗に聞こえるだろうに。
捨てがたいが、やっぱBPOになるかなあ。弾力性も十分 歌心を知っているな〜って感じがする。
演奏については、申し分なし。すごい〜 これはええ〜
上品であり、豊かである。重いかな〜って思うところもあるが、いいな〜 BPOより弾力がある。
BPOは硬いけど。のびやかで明るい。最後には録音状態の不満は飛んでしまった。

ジュリーニ ロサンジェルス・フィル 1980年
Carlo Maria Giulini
Los Angeles Philharmonic Orchestra

録音状態は、ちょっぴり古めかしい感じがするが、たっぷり鳴るので満足度は高い。マスタリングされて、ベートーヴェン第5番とカップリングされているようである。
カップリング:マンフレッド序曲

1楽章
ゆったりめの冒頭で、勇壮で英雄的な出だしとなっている。立派すぎるほどで〜 驚く。
弦が、さざ波を立てているのが、かすかに聞こえ、それがより一層、心地よい揺らめきとなっている。
ジュリーニらしく、ゆったり、たっぷり、慌てず騒がず、こざかしくなく、堂々としながら、しなやか。
音色は明るいがノー天気ではない。もちろん歌心があり、上品で甘い。
マーラー編曲版を使っているとのことだが、ぱーんぱぱーん。と、振り子のようになったところから、主旋律がホルンと弦の入れ替わるところは、気がつかないほどスムースに流れている。
主に、ホルンを吹かせているようだ。それにしても、ジュリーニ盤は、重厚である。
ただし、重々しい 息苦しいとはならない。
これがロスフィルとは、、、と驚くほど、弦も明るい。ホルンの音色も甘い。ウィーン・フィルには及ばないだろうが、う〜ん。すげっ。ティンパニーのテンポも良いし、文句のつけようがない。

2楽章
上品な高級ワインを賞味させていただいているような気分で、おいそれとは聞けないほど。
まあ。なんともいえない至福感でいっぱい。深々とした椅子で、貴族的に聴きたい。(笑)
シューマンって、病的で暗く、陰気な旋律ばかりだと思っていたのだが、ジュリーニ盤を聴くと、イメージが一転してしまう。
こりゃー 優雅な貴族的青年だったのかあ。と、驚くほど。身のこなしが優雅である。
どこが、どうなると、これほど優雅や典雅に変わるのやら。同じ楽器を持って、あちこちのオケが奏でているだろうに。ふーむ。はあ〜 この盤のホルンには、ほれぼれ〜。うっとり〜 とろけちゃう。

3楽章〜4楽章
3楽章で、ついまどろみの世界に没入してしまった。4楽章は、ケルン大聖堂での儀式をイメージした楽章だというが、典雅で、かなり格調が高い。旋律の美を感じさせてくれる。

5楽章
ふわーっと出てくる。いや〜すげっ。神の息かと思うほど。
ジュリーニらしい楽章で、軽やかでありながら、これほど上品とはなあ。尻軽な盤も多いんだが。
アンサンブルが気になる楽章でもあるのだが、まあ〜 木管は音量を落として、無難に切り抜けた感じがする。もう少し木管が聞こえても良い感じはするんだが、、コチャコチャしちゃうパートでもあるので、抑制されているのかもしれない。
このジュリーニ盤は、弦とホルン、それと弾力性が勝っている。しっかし、難しい楽章だなあ。ここは。
つくづく・・・感じてしまう。それにしても、何度聞いても良いなあ。
この盤は、私に、取っつきにくいと思っていたシューマンの「ライン」の良さを開眼してくれた。

ハイティンク コンセルトヘボウ 1981年
Bernard Haitink
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

録音状態は、極上とは言い難い。幾分音量をあげて聴かないと、不十分さを感じてしまう。
フィリップスのわりには、透明度に欠けているような気がする。

 

1楽章
慌てず騒がずの安定感があり、のびやか〜 この安心・安定感は、たまらなく良い。コセコセでもなく、感情過多のコテコテでもなく、恰幅の良い、品のある大人のシューマン。
長年使って、自分の体にフィットした椅子に座っているような感覚である。安心して聴いてられるし、長くつきあいたいタイプ。
ラインの冒頭の独特の出だしも、スムースに出てくる。暴れ馬のように走り出したりはしない。
刺激が欲しい人にはモノ足らないかもしれないが、この安定感は、ハイティンク盤ならではだと思う。
なんとなーく 自然に流れていくのだが、この「ライン」は、いい意味で、清濁併せ呑む大河のような寛容さを感じる。
いや〜 なかなかの人物だと。そんな言葉を使いたくなるような演奏だ。

2楽章
音の響きの幅も大きく、テンポも恰幅あり、安心して自分の感情を預けることができる。
なんて、まろやかで自然なんだろう〜 ゆっくりと、一歩一歩、味わって歩いているような。
なんだかんだと言っても、健康が一番なのよぉ〜という感覚ですね。ここまで来ると。すでに悟りを開いて、老境に入ったのかなあ。と言う演奏になってるなあ。
まだ私的には若いんだけど。この演奏を聴いて、そう感じてしまうところがある。(苦笑)

3楽章〜4楽章
少し、もの悲しい雰囲気が漂っているが、歌心ありの演奏で、良いな〜と感じる。
ただ、もう少し揺らめいてくれてもいいのだが。やっぱりハイティンクは、伊達男的には振る舞わない。

5楽章
この楽章は、もっと明るく派手やかでも良いのだが。やっぱ、しぶっ〜い。ヘボウの音色はやっぱ他とは違う。あ〜暖かみのある響きはいいなあ。って呟いてしまう。
でも、テンポが早めで愛想がないっていうか、なんてセカセカと奏でていくのだろう。なんか焦燥感が漂うほどに、音が、カスカスになってしまうような速さだ。浪漫的な演奏とは言いがたい。
たっぷりとは歌わないのだが、ようやく最後には盛り上がってくれる。
う〜ん やっぱり、やるじゃん。激情にはならないが、やっぱ、熱い部分もなきゃ〜面白くない。コンセルトヘボウ独特の響きの良さを実感できる。
ホールトーンも十分だし、弦は渋いし、管はまろやかだし〜 音色に文句はない。これで録音状態が良かったらなぁ〜

メータ ウィーン・フィル 1981年
Zubin Mehta
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)



録音状態は良い。最初の楽章は、なんて速くアッサリしているのだろう。と思ったが、最終楽章に行くまでに様相が変わる。健康的。
カップリング:同第1番「春」

 

1楽章
「ふぁ〜ど どら〜ら れどしど そ〜そらし〜ふぁ みら そ〜み れ〜ら・・・」
冒頭のフレーズが、あまり膨らみもがなく、リズミカルでもなく、体重移動もなく、一本調子風に奏でられている。う〜ん。速いだけの感じかなあ。颯爽と駆け抜けて行ってしまう。
オケの厚みは薄めだが、音量はまあ〜ある方だが、あっさり風味で、淡泊と言っちゃ淡泊。粘りけが少ない。で、置いてけぼりをくらった気分で寂し〜いっ。
やっぱり、何度か聴いてみても、へえぇ〜っ なんともアッサリである。
ホルンの音色は、これは明るいし、開放的に鳴っているが、なにせ速いもので。
「ふぁ〜ど どっら〜ら れ〜どしど そっ〜そらし〜ふぁ みっら〜そ れっらっそ〜」
スイスイと進んで行くので、響きを楽しむとか、アクセントのついたリズムを楽しむ。と言う感じではない。
あのぉ 楽しみは、、、無いんですかい。って感じなのだが、でも、爽やかさ、後味の良さは残っている。
細い蛇口なのだが、幾分パワーで押し出してくるような流れ。
朗々と歌っているわけではないし、流れの勢いがあるので、この勢い任せてしまうと、心地良いという感じになるかと思う。
木管の音色が明るく、ちょっと高めなことと、ホルンの音色の明るさが、際立っている。
ホルンは、美しい〜っと言って陶酔できるような感じではないのだけど、ポンポンと弾んでいるし、腰の高い音の構成になっているので、よく言えば競走馬風。
単純だが、フレーズのノビがよく、最後の語尾に重みがあったり、キレがあったり、語尾で乗せられたという感じで、あっさり終わってしまった。
まあ。元気だわ。若いわ。さっぱりしとるわい。でしょうか。

2楽章
「そどみ そ〜ら そどそみ ど〜みれそ どみそ〜ら そみどら みふぁそ〜」
この楽章は、前楽章とは違って意外と粘りがある。
ティンパニーが、トントンと入っているのと、そど〜みそ。と、どぉ〜の粘りがあって、ほっ。テンポを揺らしているし、伸び縮みして、とろみがついている。
ホルンや金管、カシャカシャなっている弦 木管の明るい音色に彩られている。
特に、木管の吹き方に特性が出ているような気がする。「ふぁれどしぃ〜 どらふぁ〜」「しぃ〜 ふぁ〜」にアクセントがついてて、ふふっ。ここで強調すんだぁ・・・
繰り返しの前も、ねばっこく、引っ張っているし、高い音に移動するときも、ねばって上にのぼるし、強めにアクセントつけている。まあ。ちょっと古風な感じもするが。
ホルンで、「れそし〜れ〜みれど どみそ〜らそっみ らどみ〜っみっらっ れみそ〜らそどし・・・」
ふふっ なんと大きなフレーズに化けるんでしょ。「そみ〜どそ みふぁ〜れそ」 

3楽章〜
室内楽風のフレーズが続くのだが、木管に続いて、チェロの甘い二重奏的なフレーズが聞こえてくる。
「らぁ〜どぉ〜しぃ〜らぁ〜 そ〜ふぁふぁ〜みぃ」
「ふぁ〜そぉ〜らぁ〜どぉ〜ふぁ〜そ ふぁ〜みぃ・・・」 まろやかだ。

4楽章
ホルン「ふぁ〜 どど〜し そ〜ふぁ〜し ら〜そ ど〜しみ〜 し み〜ふぁそ〜ふぁ ふぁ〜み」
荘厳な和音が響いている。
う〜ん。綺麗だが、華麗でも、宗教的な響き風にも聞こえないけれ。ちょっとテンポは速め。
軽めに響いて、ちょっとモッタイナイかなあ。再度、弦の響きが入ってくると、厚みがでてくるが、悲愴感も漂わないし、う〜ん。薄いっ。もちっと、ぐい〜っと入れ込んだフレーズにしてもわらないと。
低弦の「そどしれ どっれみ」 金管の「そどしれ どっれみ」 
このフレーズが、もう少し重みがあれば。もっと生きてくると思うのだが、でもホント綺麗な和音でフレージングされている。「み〜そそ ど どぉ〜れみ〜」 「そそどぉ ど〜れみ」
ホント、金管の和音は綺麗だ。輝いているし、まろやかだし、響きとしても充分な解き放たれた雰囲気もある。悲しみとは、ちょっと違うけど。・・・ でも、最後は充分に堪能させてもらえた。

5楽章
メータさんの良さが出ている楽章って感じだ。鷹揚でおおらか。のびのび〜 
軽快でありながら結構、金管と低弦の響きもあって、芳醇に響いている。シアワセに満たされて祝福された雰囲気が醸し出されているように思う。
「どっれみふぁ〜っ どどっど〜しら どどっど〜しら そらふぁ〜」
オケの音色に依存しているって感じもするが、これは、これで〜 良いんじゃないだろうか。木管のトリルも軽快で、美しいし。う〜ん。オーボエも特徴あるが良い音だ。
「どみそど みっみれ〜みらっそみ〜」

豪快でもないし、特に流麗でもないけれど、そつがないとい感じがする。
このメータ盤を聴いて、感動するってことはないんだが、まあ。軽くもないし、重々しくもないし。
ごつくも細くもなく、って・・・ これっといって特徴が無いっていうか。
最初は、メチャ速く、どーしようかと思ったが〜 楽章によって変わる。総体的には健康的かな。

スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 1986年
Otmar Suitner
Sächsische Staatskapelle Berlin
(Staatskapelle Berlin

録音状態は良い。イエス・キリスト教会での録音なので残響が長く、響きが柔らかい。でも、この残響は好みが分かれるところだと思う。
ワタシ的には、ほんわか〜心地よい透き通るような音が流れてくると感じる。
カップリング:シューマン交響曲第1番、第3番

1楽章
かなりゆったりめの硬いテンポだが、残響が多めのため、柔らかく感じる。
録音状態の好みで変わるとは思うが、私的には好きである。
大型スピーカーで、たっぷりの音量で聴くほうがいいし、残響を計算して、ゆったりしたテンポを設定したのかな〜って思う。これ以上速めたら、もしかしたら、響きが団子になって 濁るかもしれないから。
「ライン」には、自由にイメージを彷彿とさせて聴く楽しみがある。
このスウィトナーさんの演奏では、朝靄のなかで、ゆったり流れる大河のイメージとなっている。
決して、慌てず騒がず、激流・急流タイプではない。いやいや、最近の盤から聞くと、遅いって言われるかもしれないんだが〜 この流れに身を任せたくなるかな〜。 ワタシ的には、いい感じ。
2楽章
ひとことで言うと「まろやか」 残響が、空気が漂っている。必ずしも演奏がいいというわけではないとは思うが、音に包まれる感じがする。
まあ、どちらかというと演奏そのものより、雰囲気に飲まれてしまう部分は否めないが。
もう少しテンポを揺らしてもいいかな?
1楽章と共に、ホルンのまろやかさには、ほれぼれする。うまい〜♪

3楽章
2楽章同様のゆったりめのテンポ設定なので、この楽章に入ってくると、ちょっと眠くなってしまう。
何度か睡魔に襲われて、何度となく寝てしまったことがある。ちょっと緊張感がとぎれる。
それほど気持ちいいと言えば、よいのだが。冒頭から最後の方まで、一環して同じテンポ設定で、あまり揺らさない。いいような、悪いような。
のんびり感。セカセカした世俗的な毎日を送っていると、つい、のんびりしすぎと感じるかも。

4楽章
まろやかさ これしか言葉が出てこない状態。厳格さからは遠い。
荘厳的なイメージはあるが、もうすこし厳格にアンサンブルをしてもいいのかもしれない。高音が、もう少しのびていれば、もしかしたら天上の音楽的響きになったのかもしれない。
シューマンの音楽としては、どうなのか。と言われたらわからないが、私的には、教会の響きとして、祈りに似た気持ちでもって、音響に包まれる幸福さを感じる。
人工的な美的感覚ではなく、わざとらしく盛り上げず、自然な感じで最終楽章に入る。渋い。

5楽章 
これまた、かなりゆったり〜 響きのなかで、ほほえみたくなるシアワセ感が、段々と充満してくる。
ホルンと弦楽の合奏のなかで、古色蒼然とした色合いが浮かび上がってくる。
特に、金管の和音の美しいさ。残響の豊かさにシアワセ感を感じる。
響きの良さでは、このスウィトナー盤は、「ライン」のダントツかもしれない。
最終コーダは盛り上がるが、じわーっと来る。ティンパニーの入ってくる、最後の最後しか盛り上げてはくれないのが、チト残念だが。
1楽章の雄大な楽章が、一番のお薦めかも。 シューマンの交響曲は、どことなく団子になりそうな、字余り的な要素が多い響きを感じるのだが、この盤では、さほど感じない。響きが心地よい。

チェッカート ベルゲン・フィル 1987年
Aldo Ceccato
Bergen Filharmoniske Orkester

チェッカートの演奏は、マーラー編曲版として有名。
全体的には録音は優秀だが、ちょっと冷たい感覚が漂っている。

 

1楽章〜最終楽章
ボリュームがなく、線が細い。のびやかさに欠けている。特に、弦がのびず、マーラーが編曲した際に団子部分をほぐしたのか、かなり間引いた感覚が残る。
ホルンのまろやかさ〜が欲しいが、低音部が力強く入ってくる。弦と管が合わさってくる時に、弦に遅れて同じ旋律をホルンが演奏するが、そこがなんともいえず木霊のように響いてくる。おおっ! ここは、すごい演出だと思う。
同じ効果の場面は、また繰り返して行われている。
ただ全体的には、演奏が律儀で少し柔軟性に欠ける。あっさりとしており、すきっとしているのだが、もっと膨らませて〜ボリュームを持たせて〜 ここで伸びて〜 ここでタメて〜と、つい感じてしまうかも。
ひとことで言うと、どうも「淡泊」にすぎるのだ。
ベルゲン・フィルの演奏に文句を付ける気持ちはないが、やはり艶やかさがなく、弦の色がくすんでいる。
くすんでいるのを好ましいと感じるか、感じないか。肯定か否定か、かなり微妙なところの判断になるのだが、、、
スピードはある。だからジュリーニ盤のようには、厚ぼったくならない。
ジュリーニ盤は、厚ぼったく聞こえるし、くどいな〜とも感じる面がある。だが、これが良さでもある。
チェッカート盤は、管楽器の音量は、幾分少なめにして木霊的に響かせているようで、さりげなく聞こえてくる。チェッカート盤では、あまり旋律を団子にしたくないのか、響きが濁ると思ったのか、テンポは遅い。
弦の動きは、ゆったり、ずっしりしているのだ。
ジュリーニが大河だとすれば、チェッカートは上流の清流である。
比較することが無理とは思うが、違いは違いで存在する。
どっしりした濃厚な英雄的なジュリーニ盤の「ライン」か、清楚で清流をイメージさせるチェッカート盤か。
好みはわかれるだろうが、まったく別モノである。
かなり性格が違うので、どっちが良いとは、言い切れない。分解して曲を覚えるなら、チェッカート盤を聴いても良いかもしれない。

チェリビダッケ ミュンヘン・フィル 1988年
Sergiu Celibidach
Munchner Philharmoniker

録音状態はライブなので、いいとは言い難い。低音が特にこもってるし。でも、ライブのなかでは良い方だと思う。
金管は遠いが良く聞こえている。

 

1楽章
おそっ。チェリおじちゃんの独特のテンポで超スローである。あ〜 やっぱ。遅すぎじゃ。
ものすごく遅いので、愕然。とほほ〜っ呆れてしまった。
だが緊張感があって気が許せないというか、耳が、馴染みの旋律を聞き逃してはイカン。と立ってしまう。
普通の1.5倍程度は遅い。アーノンクールだと、2倍近く遅いかもしれん。(測ってはいないけど)
遅いだけに、あのヤヤコシイ団子状態になるところ ホルンと木管のフレーズが交差する動きが、よくわかる。ハハハ、チェリさまの演奏は均等状態で、どっちつかず。
しかし、このテンポ なんとも言えん。胃が痛くなる。

2楽章
ゆったりした田園風景が広がっている。普通なら、遅すぎ〜って文句を言いそうなものだが、いや〜
これはいい。滔々と流れる川と、その周囲を、意識して、じーっくり広げて見渡すことができる。
人って見ているつもりでも、なんとはなしに見ていることが多い。
しかし、絵を描く キャンパスを目の前にして風景を見ると、よーく見ているよね。よ〜く見て書こうとする。そんな、聴こうとする。しっかり聴こうと意識させる点が、チェリさんにはあるのかも。

3楽章
あ〜アカン。他の盤でも眠くなる楽章なのに。う〜 寝てしまう。と言いつつ、瞼がふさがった。

4楽章〜5楽章
ほほ〜っ。これは良い。テンポが普通程度までちょっと戻った感じ。(といっても遅いんだが)
ヴァイオリンの弦と、木管のアンサンブルが、珍しく乱れているような気がする。えっ。これ楽譜どおりかなあ。もしかして・・・。字余りの部分が、そのまま演奏されている。
たらっ〜 たらっ〜 んたららら〜 木管が、う〜 やっぱ変なフレーズだねえ。
ライブ盤なので、ちょっと低音は籠もり気味なのが惜しいが、しかし、第4楽章の壮麗さ、第5楽章のスケールの大きさは、圧巻の部類に入ると思う。

アーノンクール ヨーロッパ室内管弦楽団 1993年Nikolaus Harnoncourt
Chamber Orchestra of Europe

録音状態は良い。室内楽的な演奏で、迫力は十分だが、すっきり、きっぱり系である。ワタシ的には、何度聴いてもダメで、馴染めなかった。

 

1楽章
冒頭 かなり、ふわ〜っと出てくる。
このアーノンクール盤は、シューマンの独特のテンポを、頭出しの拍ではなく、最後の拍に重きを置いているようで、それがリズミカルに展開しているようだ。
最後の方が、よく伸びているので、その弾みを頭出しに重ねているみたい。だから、軽く爽快に感じる。
振り子状態のところは、力を抜いているかのようで、ふわーっ。
全体的には、まったり、こってり〜 ゆったり〜ではない。極めてすっきり系。ただ、すっきりはしているが、冷たくなく、暖かく人情味のある柔らかさを感じる。
但し、さっぱりホルンは活躍してくれない。う〜ん。ホルンの甘い声が聴きたいという向きには、満足させられないよなあ。これじゃー。どこへ行ったんだろう。
管楽器は抑え気味で後退。木管もその存在を感じず、金管も舞台にいないようだ・・・と思ったらおりましたけど。(笑) 吹いたら、ペタンとした音で、げんなり〜 なんだよぉ。メロウな感じではない。
アーノンクール盤は、あくまでも弦が、メイン。弦のユニゾンだけでは、モノ足らないんだけどなあ。
かなりのメリハリがありまして〜 弦を、ガンと引くところは、う〜ん。まっいいか。

2楽章
管楽器が活躍してくれる。ホルンの響きあり。まあ。うっとりするほどではないが、まずまず。
舞曲風の楽章なのだが、まったりした盤が多いなか、切れが良い。
刃物で切られるってほどではないが、やっぱ、あんた、クールだねえ。と感じる。ワクワクさせて欲しい楽章なのだが、フレーズの深さや長さより、句読点が多く、息が浅い。
盛り上げてはくれるのだが、頂点でのホルンなんぞ、途中で切るなよぉ〜 レガートで吹いて欲しいっ。

3楽章〜4楽章
3楽章はパスしてしまって、4楽章 荘厳な楽章がどんな風になるのか気になった。
アーノンクールに、三島由紀夫のような文体は期待しないが、う〜ん。これまた、いかにも散文的。
愛想がないちゃー無い。ゴリゴリしてる。
音に厚みがないので、ふかふかの絨毯の上を歩いているというより、ボコボコしてて、うすーい絨毯である。
息も浅いようで、歩みが深かまらない。荘厳さが感じられず、敬虔さも薄い。
う〜ん。和音の深みは、1音ぐらいのアクセントや強奏では到達できないだろうに。よく健闘しているとは思うが、響かない悲しさ。

5楽章
ふわーっ 流れるようだ。いや流している。あんなにゴリゴリしていたのに、この楽章は、いったい何?
一転して女性に転換したようで、ふにゃふにゃ・・・ 
かと思ったら、低弦は強奏するし。よくわからん。ここで木管が聞こえるようになった。
金管の音が割れているので、イマイチ。だみ声をあげていた。
歯切れの良さはピカイチなのだが、テンポをあげてあげて〜 最終コーダに突入。この歯切れの良さなら、インテンポで盛り上げても、十分よかったんじゃーないだろうか。
いかにも、紋切り調、木で鼻をくくる・・・って感じで、この口調はスカン。

インバル フランクフルト放送管弦楽団 1995年
Eliahu Inbal
Radio Sinfonieorchester Frankfurt

録音状態は、あまり良くない。
リマスタリング盤があるのかもしれないが、私の持っている盤は、くぐもっている感じがして、もっさりしている。 じみ〜で暗いっ。

 

1楽章
冒頭、いささか、もっさり〜という感じがする。なんだか、弦が引きづった感じがする。テンポは少し早め。切れが悪いというか、後ろ足が、多少残ってしまう感じがする。 切れを良くしたいのだろうが、なんか、う〜ん。やっぱ。もっさりだなぁ・・・。
他の盤とは違って、木管類の音が聞こえてくる。気になるほどの聞こえ方で、団子になりがちなシューマンの旋律が、クリアーに聞こえてくるように錯覚する。
パートごとに明瞭に聞こえてくるので、分析的と言えば分析的だが、その分、全体の調和としてはイマイチになる。
聞き込んだ耳には、わりと楽しめるだろうが、全体的には?マークがついてしまう。
残響も多少籠もっているし、ティンパニーは、遠くでボコボコ言っているだけで、ちっとも響かない。
金管も、シューマン独特のまろやかな響きが、皆無に近い。この点、かなり不満。
演奏が明晰かと言われたら、う〜ん、、、違うような気がする。
インバルさんらしく 急ブレーキがかかる部分があったりして、ところどころ、へっ? と、気が抜けてしまう。

2楽章
ホルンが甘くない、なんだかそっけない。う〜ん。甘い雰囲気にしているようだが、雰囲気だけかも。
録音状態については、そのうち、多少耳は慣れてくるのだが、う〜ん。
あまり甘くなく、どちらかというと塩っぽい。

3楽章〜4楽章
3楽章は特に印象に残らなかった。4楽章は、壮麗な厳かな楽想なのだが、イマイチ。
息を張りつめたような。緊張感というか、襟を正すところまではいかない。
立派な和音が連なっているのだが、張りつめたような空気感が漂っておらず、気が抜ける。間が開かないのだ。ずーっとどこかで、何かの音が鳴っているので、、、 ひんやりした空気が漂わない。
その点、カラヤンは巧い。
インバルさんだと、田舎のおっさんの葬列みたいになってしまう。

5楽章
あまり整理されていないというか。団子状態。メリハリが少ないので、あまり楽しめない。
音色も明るくもないし、歌えないし。また急ブレーキを掛けているし。なんやねん。この人? 
最後は、さすがに音量とスピードをあげて盛り上げて終わるが、最初から最後まで、どことなく、あか抜けず、もっさりしているという印象しか残らない。

ガーディナー オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック
1997年
John Eliot Gardiner
Orchestre Révolutionnaire et Romantique

録音状態はいい。低音の響きも十分。
木管類の部分が、幾分かすれている気分がするが、楽器そのものが違うのかも。
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1楽章
このガーディナー盤の「ライン」は、旋律などの構成は、わかりやすい。
演奏としては、弦の伸びない分が、他の盤と違っているため、ちょっと寂しい。 弦の厚みがあれば良いのだが、やっぱり、それは無い物ねだりになってしまう。 分厚いステーキか、豆腐料理か。と聴かれているようなもので。全く別モノとした方がいいのだろう。 1楽章については、さほど違和感はない。小気味良い感じがするぐらい。
テンポも少し早めだが、爽快だし、ひきずらないのてあっさりしているが、聞き込めばいいと思う。

2楽章
あまりワルツ的にはなっていない。いろんな楽器が、この楽章で奏でているのだな〜と感じる。
ホルンの音色はいいんだが、まったりしてない。伸びる要素がないんでね。ホルンぐらいしか。
あまりゆったりしていると〜 すきま風が吹くんだろう。
しかし、もっちっと弦ががんばってくれないと、楽しさがない。薄すぎ〜
ホルンの音しか聞こえてこない。
カサカサカサカサ・・・と小さくなっているだけで。秋の寒空のように聞こえてしまうところもある。

3楽章
寂しい。牧歌的というより、初秋 枯れ葉散る〜の雰囲気がしており、もの悲しい。
チェロの音色は良いのだが、秋の雰囲気というより木枯らし吹く冬のイメージである。
私的には、この楽章は、ライン川沿いの、のどかな田園風景のだが、う〜 街路樹の枯れ葉みたいで。

4楽章
まろやかさはある。でも、典礼風にはなっていないし、荘厳感はやはり厚みがないとダメだと感じる。
イマイチ乗れず、弱々しい。ヴァイオリン・ヴィオラの弦部が遠すぎ。もっと音をひろって欲しかった。

5楽章
ここの楽章はのびやかに聞こえる。ここの雰囲気がいいようだ。
宮廷舞踏会のように華やかで、タイツ姿の男性が踊っているみたいなクラシカル雰囲気がしている。
これじゃ〜 まるで、バロック音楽だわい。と呟いてしまった。
いつも団子に聞こえる部分なんかも、ふ〜ん この小節回しなんだな。と
なんで、木管がこれほど絡むのかなあ。和音そのものがおかしいんだ。

最終コーダ部分も金管類は十分に聞こえるのだが、弦がもう少しなあ〜やっぱり薄いと感じてしまう。
冒頭のホルンなんかは、いいな〜 爽快だなあ〜 軽やかでいいな〜っと思うのだが、そのうち、和音の美しさは綺麗なものの、やっぱり重厚さがモノ足らない。
なんでもかんでも、私的には、バロックに聞こえてしまう。

エッシェンバッハ  北ドイツ放送交響楽団  1999年
Christoph Eschenbach
NDR Sinfonieorchester Hamburg

録音状態は、良いのだが・・・。

 

1楽章
は〜 の音で分厚い音ではじまる。金管と弦部と、同じ音量の合奏ではじまっているという感じ。
ティンパニーも一緒の音量で、よーいドンって感じで始まった。どこかを強調しているとかではない。一緒に揃いましたね〜っていう状態。飛び出した感じではない。
アクセントも冒頭や後ろに付けるという感じでもない。むやみやたらと強調していないようだ。
アクセントをつけると、なんか変になるのも おもしろいんだけどな。このライン。ホルンを強調している盤が多いなか、ティンパニーも同じ、同じ旋律を一緒になって、また分かれてまた一緒になる感じがする。

同じ音量で・・・? えっ このバランスをとるのが指揮者じゃ〜なかったっけ。
なんか不思議な感じがする。主旋律がどちらか。従という感じではないので、、、交差する感じがしない。
どれもこれも混ぜ合わせた? いや。う〜 弦だけでなく鳴っている音が、全てユニゾンしているみたいで。なんか分厚い。ホルンもパッセージが短め。伸びていないと言えば伸びていない。
なんか固まった餅みたいで。弾力性ない。歌わない。何したいん?
振り子になっているところは、確かに 音符としては伸びているが、音がぐいっ〜としなやかに伸びない。
伸縮していない。最後で、ようやくホルン登場 う〜ん こうでなくっちゃ。今まで、いったいどこにいたのさ。と思ったらまた、一緒になっちゃった。おおっ最後歌ってくれるやん。ゆったりテンポを落として。
低音が、分厚く鳴ってる。ホルンの和音は、うん。いい。
でも、流れ的にはどうかな。一応。ラインやねんけど。

2楽章
分厚いけど、短いフレーズで、テンポが小気味いい。旋律を短めに捉えているようで、ワルツ的なように
どっしり〜厚めの踊る感じに仕上げる盤が多いなか。合いの手が短めで 
ホルンは、いい。歌えるで〜 きっちり合奏している感じがする。 
どみそ〜ら〜それそっそみふぁそ どみそ〜らみふぁそ〜 の旋律を奏でる。かなりいい。
膨らますところは十分に膨れてているんで。ハイティンクとかの盤と遜色なし。
哀愁が漂っているところまでは、ちょっとなかったけど。

3楽章
牧歌的なところもあって。ハハハ、偏見がとれる。
歌心もあるんや〜 即物主義の怪物かと思っていたが。レガートをかけているわけでもないけど、
なかなかよかったと思う。区切るところは、思い切って短く切っていたが、それがさほど鋭利でもない。

4楽章
深い内省的な演奏に思えた。かなりゆったりめ。和音が綺麗に出ていたし。
深淵に 弦の乗せ方もうまい。低弦と金管との絡みも、かなりねっとり気味しているが、隙間を空けているのか開いているのか。レガートでしたほうがねっとり からみつくんだが。
わりと 区切っているので残響が濁らない。これがおもしろいとおもうか、残念と感じるか。
私的には、区切らないでもいいかと思うだがなあ。フレーズが短じかめかな。この息が長いか短いかというと短め。長い文章を書いているくせに、句読点「、」の多い文章かもしれん。
響きを大事にしているためかなあ。最後は、極端に遅い。すごーく遅い。
ただ、カラヤンと違っているのは。これ 嘆美になっていない。甘いんじゃーないし。暗いんでもなく
カラヤンの方が、耽溺できるのだが、酔えない。

5楽章
げっ速い。極端に、速くしている。極端すぎて・・・。最後でのばす盤が多いのに、きゃー これはもったいないなあ。旋律がモコモコにはならないのかな〜 とおもったら、やっぱ、途中、木管グチャグチャと絡んじゃって。う っ。やっぱり〜 ホルンがまろやかなので、盛り上げといて、極端に急ブレーキかける。そこから早い部分になった途端。ヴァイオリンが絡んだ。
アクセントの付け方が、ややこしい音楽なんで。聴いている方が不安定な気分になるんだが。
う〜 整理して欲しい気持ちになってしまう。ここらへんは。
最終コーダ部分については、意外とあっさり。速い速度でパンで終わった。
う〜 期待させといて〜 あの4楽章は、なんだったのだーー!

ジンマン  チューリヒ・トーンハレ管弦楽団  2003年
David Zinman
Tonhalle Orchester Zürich
(Zurich Tonhalle Orchestra)

録音状態は、う〜ん。何でしょ。マイクが遠すぎて聞こえないって感じがする。ボリュームを、かなり上げないと。で、演奏は苦手。

1楽章
音が伸びないんだね〜 ボコボコとしか聞こえず、なんじゃーこれ?
ところどころ、ん? この装飾音は何? 変!切れ切れの細切れブツブツで、やだーっ 
フレーズのどこの箇所に、強めにアクセントを持って行くか、これがシューマンの個性なんだろうけど、これが強調されているようで、あまり自然な感じでは聞こえてこない。
あまりにも強調しすぎかなあ。強弱つけすぎているためか、聞き手である私には疲れる。
また、弦の響き抑えているのか、心地よい筈の弦の響きが聞こえず、隙間だらけで、居心地が悪い。
歯の抜けた櫛のようで、違和感が大きかった。
ナチュラルホルンの音色は、飛び抜けて良い。でもなあ、弦がイマイチなんでねえ。

2楽章〜3楽章
ホルンは、さすがにまろやか〜 でも弦がキツイ。歯切れよすぎで、カリカリしたおばちゃんが横に立っている感じがする。金管の響きの上に、弦がふんわり乗ってくれたらいいのに、あまりにも堅い弦なので乗らない。ヴァイオリンは、キツク引きすぎなんだろうか。

4楽章 
猛烈に速い〜 ティンパニーは良く響く。なんだ〜 これなら冒頭を、きっちり録音しておけよぉ〜
団子のような旋律は、こちゃこちゃーーーっと進む。弦は相変わらず強いなあ。
カミソリのようなシューマンで、ホルンだけまろやかでも、、、ああ。
ティンパニーとホルンの響きだけ良くても、弦はサッパリだめ。
喜怒哀楽も感じず、単に、快速で、一人さらさら流れて行ってしまって、かなり独りよがりな感じがする。
ジンマンさんは、この録音で何をしたかったのか、私にはさ〜っぱりワカラナイ。

シャイー ライプツィヒ・ ゲヴァントハウス管弦楽団 2007年
Riccardo Chailly
Gewandhausorchester Leipzig
(Leipzig Gewandhaus Orchestra)

録音状態はまずまず。21世紀のわりにはヌケが良くない。マーラー編曲版。ゲヴァントハウスだけあって、低弦はゴリゴリ響くが、高音域もバッチリ。でも、どこか薄口。
シューマン交響曲全集(マーラー編曲版)

1楽章
冒頭、重厚な響きで出てくるが、勢いは良い。音色は、ひと昔前の、かすれた感じがする。
ゲヴァントは、潤いの少ない響きで、これが特徴でもあるのだが、いつも骨董品って感じを受けてしまう。低弦は、やっぱ、ものすごい。コントラバスが多いんじゃーと思うほど。ゴリゴリしてる。
実際には、しなやかには鳴っているのかもしれないが、ゴリゴリが耳を離れず、弦の弾き方が、荒くたいのかどうだかワカラナイが、なでるような、滑るような感覚ではない。
音色が、乾いており、まろやかさや艶っぽさがないため、響きが細切れになって耳に到達してしまう。
テンポは良いのだが、歯切れが良いという表現では言えない。
トランペットとホルンも、なぜか弱音器をつけているのだろうか、ジュリーニ盤のようには豊かな響きではない。まったくもって古色蒼然。
おまけに、木管の響きが悪いなあ。埋もれているし・・・ ただ、テンポは、やっぱ良いわ。演奏も熱っぽいし。

2楽章
なんともセカセカ・・・。なんじゃこりゃ。もっとゆったり演奏してくれぇ〜 
古めかしい館での舞踏会に参加しているようで、かなり居心地が悪い。
このホール残響が少ないのかなあ。デットではないのだが、録音はデッカなので悪い筈がなかろうに。
荒くたいラインで、音の膨らみが少ない。
旋律がブツブツ途切れているものの、演奏という仕事は流している感じがして、ホント嫌になる。
情緒不足で、こりゃダメだ。

3楽章
即物的というか、なんでこうも情緒が欠けているんだろう。いとおしくなるようなフレーズがなあ。
素っ気ないなあ。マズア盤でも聴いている感じ。ダメ。

4楽章
深みがないなあ。弦のピチカートだけが異様に聞こえる。もっと金管、がんばらんかい!
弦のビブラートが少ないのかなあ。音の出だしのアタッカだけが強く聞こえ、その後の1音のなかでの膨らみが少ないため、響かず終わる。この繰り返しのようだ。
特に、大事なヴァイオリンの響きが少ない。で、フレーズが途切れるように聞こえるし、薄いと感じるのだろう。それに、やっぱ、このホール自体に残響が少ないと思う。
この楽章の演奏は、荘厳な感じはした。確かに。でも、色が豊かではない。褪色してしまっており古めかしい。正倉院の古めかしい端布でも、もっと色綺麗に残ってるぞー。この演奏が瑞々しいとは、誰も言えないだろうなあ。

5楽章
なんとも、ペタコイ木管なんだねえ。ヘタクソ! 変な低弦の響きだけ聞こえる。
ようやく最後になって、熱っぽくなってきてくれたが、、、う〜ん。何とも弾力性のない演奏だった。
「ライン」といいつつ、川の流れなんぞ、まるで感じず・・・
これじゃ〜 まるで水が一滴も残っていない、干からびた涸れ川ですわ。
1960年 セル クリーヴランド管 SC ★★★★
1964年 クーベリック ベルリン・フィル ★★★★★
1971年 カラヤン       ベルリン・フィル ★★★★
1972年 サヴァリッシュ シュターツカペレ・ドレスデン EMI ★★
1977年 ムーティ フィルハーモニア EMI ★★
1977年 バレンボイム シカゴ交響楽団
1979年 クーベリック バイエルン放送交響楽団 SC ★★★
1980年 ジュリーニ ロサンジェルス・フィル ★★★★★
1981年 ハイティンク コンセルトヘボウ Ph ★★★★
1981年 メータ ウィーン・フィル Dec ★★★★
1986年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン De ★★★★
1987年 チェッカート ベルゲン・フィル Bis ★★★
1988年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI ★★★
1993年 アーノンクール ヨーロッパ室内管弦楽団 T ★★
1995年 インバル フランクフルト放送管弦楽団 De ★★
1997年 ガーディナー レヴォリューショネール・エ・ロマンティーク Ar ★★
1999年 エッシェンバッハ 北ドイツ放送交響楽団 ★★
2003年 ジンマン チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 Arte ★★
2007年 シャイー ライプツィヒ・ ゲヴァントハウス管弦楽団 Dec ★★★
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