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スクリャービン 交響曲第5番「 プロメテウス 火の詩」
Scriabin: Symphony No.5 "Promethée, ou le Poème du Feu" (Prometheus)


スクリャービンの交響曲第5番「プロメテ 火の詩」(作品60)は、1910年に作曲されています。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
タイトルは、炎、焔、火が使われることがあります。
ハープとオルガンを伴う大編成のオーケストラと、ヴォカリーズによる混声合唱、ピアノ独奏のために作曲されており、実質的には、単一楽章による協奏曲です。
プロメテウス神話を描写するというよりも、人類に天界から火(叡智の象徴)を授けた英雄として、音楽を通じてプロメテウスを崇め奉る作品と考えられています。

スクリャービンの後期作品の常として、無調できわめて不協和です。
神秘和音を軸に作曲されているが、終止和音はスクリャービン好みの、嬰ヘ長調の主和音によっており、自由に変形したソナタ形式によって構成されています。
初演では、様々な色彩と、その組み合わせの照明を鍵盤によって操作できる色光ピアノが使われる予定でしたが、故障してしまい利用することができなかったそうです。
色光ピアノパートは、楽譜の最上段に五線譜で記載されており、現在でも、再現可能だそうです。
ちなみに、Cは赤、Gはオレンジ、Dは黄、Aは緑、Eは空色、Bは青、F♭は明るい青、C♯は紫、A♭はライラック、E♭はフラッシュ、B♭はローズ、Fは深い赤色 と 色が指定されています。
つまり、音のイメージを色彩で表現したものでしょう。

とても、個性的な交響曲で、どう聞いたらよいものか〜 戸惑ってしまう楽曲です。人の五感を総動員し、神秘の世界に誘いたいというのか、妖艶でカラフルで、あまりに個性的すぎて、う〜ん、ワタシ的には、とんでもない下品な楽曲のような気もするし、演奏を聴いた時の気分によって、アハハ〜っと笑えてしまえるか、眉をひそめてしまうか、両極端です。

スヴェトラーノフ ロシア国立交響楽団 1996年
Evgeny Svetlanov
Svetlanov State Academic Orchestra
(Russian State Symphony Orchestra)
ピアノ:ピョートル・ イゾートフ

 ← 楽曲自体の感想です。

録音状態は極めて良い。ホール感もあり、色彩も豊かなんだと思うが、、、ワタシ的には楽曲自体に、ついていけなくて〜 とほほ。

スクリャービンの交響曲第5番は、副題として「プロメテウス」、または「プロメテ、火の詩」とも呼ばれている。
プロメテウスって、人間に火を与えてくれた、ギリシャ神話に出てくる神さまの名前である。
全能の神ゼウスが、傲慢になった人間から火を取り上げたのだが、プロメテウスが、火を与えてくれたのだ。
そのため、ゼウスの怒りをかってしまい、プロメテウスは、カウカソス山(コーカサス地域)の頂上で縛られ、毎日、鳥に腹をついばまれるという罰を受けてしまった。
まあ、プロメテウスさんは不死身で、毎日、腹(肝臓)をついばまれても、元に戻っていたらしいが〜 ずーっと、拷問状態だったとのこと。 まっ そんなことを思い浮かべて、スクリャービンの交響曲を聴いたのだが・・・。

不思議な単楽章の楽曲で、交響曲第5番とはなっているが、ピアノが入っている。
冒頭、ホルンが鳴り始め、低弦がガシガシガシ・・・ 
とろとろとろ〜っと、ティンパニーが入ってきて、低音の木管が、旋律にならない音が出てくる。
「どれ〜 どれ〜」「どれふぁら〜」「しどれ どれふぁ」「そっど〜 そっど〜」とミュート付きのトランペットが入ってきたり。
怒りに狂ったようにピアノが入ってきたり。
「ふぁそ〜 れ〜」「そし〜 そしれ そしれ」「ふぁみ〜 ふぁそし〜」
「れみ〜れみそら〜 どみ〜」 なーんていう、細切れフレーズが、繋がっているような、繋がっていないような、う〜ん。
ワケわからん。ってな感じで奏でられる。
ピアノの役割は、装飾的で飛んでいる感じだし、フルートは神秘的な雰囲気を醸し出しているけど、ヴァイオリン・ソロは何を受け持っているのか。
そもそも、この楽曲のなかで、プロメテウスの役割は、何なんだろう。 どんな場面を描いたモノなんだろう。
なーんて、いろいろ考えては、イメージを湧かそうとするのだが、アーっ さっぱり湧かないのである。(笑)

神秘的で、神話の世界観的を描くというより、環境音楽っぽい。
激動的なフレーズがあるわけでも、呻くような、動的なフレーズがあるわけでもなく。 全体的には、静かで、チロチロしているだけで、うねりが生まれ、怒りが爆発するようなモノではなく、いたって、おとなしい。
ハープの音色も重なって聞こえてくるが、あまり効果的には鳴ってこない。

「みしら〜 ふぁしら〜」と、いうようなごくごく短いフレーズで、断片的に鳴ってくるし、いろんな楽器が使われているのだが、そられが重なって、連なって、和音や旋律を構成していくわけでも・・・ないんだよね。

う〜ん。不思議なピアノの和音が、ベースなんだと思うが、ぴろぴろぴろ〜っと装飾する木管、 「れみ〜 れみそら れみ〜」「そら〜 そらどれ〜」と、吹かれるトランペット。 「そっそぉ〜 みら〜 ら どし そしふぁ ふぁら〜れ〜」 怪しい勇壮なトロンボーン。
これらの音のなかに、 半音がイッパイ入ってて、音も取りづらいし、鉄琴が入ってきたり、ピッコロが鳴ったり、結構忙しく、オケのあちこちで音が出てくるのだが、結局、大事な音は3つぐらいで終わる。
ストーリー性を求めるものではないらしく、大筋の太い1本の線が、底流で流れてくる〜ってわけでもない。
1本の筋がないので、骨格となるモノを感じないのである。

「どみそ〜 らどみ〜 れどそ〜 れみそら どみ〜」「そしら〜 そしら〜 みしら〜」
↑ かなり怪しい音で鳴っているし、全然〜まともに音が採れず、正確とは言い難いので、どうか鵜呑みにしないで〜 雰囲気だけです。
映画のBGM的には、まあ。良いんだろうけど、耳だけのご馳走ってワケには、どうもいかない。
視覚を欲する楽曲で〜 なんか足らないっ。
リズム、旋律、和音、う〜ん。どれが主体なんだろ。不思議な和音ですかねえ。神秘和音・・・。

いつも聴いているようなロマン派の楽曲ではないし、不思議な和音が、鳴っているようだが、音の繋がりがあるわけでもないし。 音が点描のように描かれ、遠くから見ると、具象になって見えるのかと思いきや、なんかまとまっているのか、全くまとまってないのか、見えるようで見えないような、摩訶不思議さ。

まあ、現代曲、抽象的な作品のなかでは、まだまだ聞きやすい方だし、 キンキン、きゃんきゃん、カンカン、ギシギシ〜ってなワケの音が鳴ってくるわけではないので、う〜ん、不快ではないだけど。
もっとも、スクリャービン自身は、光るピアノ(色光ピアノ)を使用して欲しいという指定をしている。
でもね〜 今時、これで神秘な演出を求める、求めて喜ぶ人も、いないと思うけど・・・。コンサートで、様々な色の光を使って、演出するという試みもあるらしい。う〜ん。
はあ〜 今のワタシには、全くワカランです。

このスヴェトラーノフ盤は、金管のフレーズは、結構力強く入っており、ノビもあり、勇壮。
で、ピアノも、まずまず綺麗に入っているし音響も良い。
しかし、火の詩という副題のわりには、火が、ちろちろ〜 燃えているようにも、あまり感じないし、人類が火をが得て喜んでいる様を描いているわけでもなさげだし、プロメテウスがゼウスに縛られ、拷問のような責め苦で苦しんでいるわけでもなさげなんだけどなあ・・・。
人間の火を得て、進化したことを賛歌風に描いているのか、プロメテウスに感謝しましょってことなのか。
う〜ん。どうなんだろ? う〜ん。わかんない。

最後は、盛り上げて、「れそ〜 れそど〜 そっどみ〜 そどみ そ どぉ〜〜」
オルガンに、コーラスまで入ってきてるんだけど。
なーんか中途半端で、ワタシにとっては不完全燃焼で。ありゃりゃ〜 おわっちまった。という感じ。
管は4管いるし、楽器も沢山いって、コーラスに、打楽器に、ハープに、オルガンに・・・。 されど、あまり効率的に響いて、効果的とは言い難く。ホント、この曲の良さがわからないのです。
トランス状態に至るような高揚感なんぞ、音楽と関連づけることに、ちょっと縁がなく、神秘主義だの宗教や哲学、神秘学、神智学との関連が、どうも?
はあ。これらを勉強しても、音楽との関連づけが〜わかるかどうか、全く自信がありません。

ゲルギエフ マリインスキー(キーロフ)劇場管弦楽団  1997年
ピアノ:アレクサンドル・トラーゼ  Alexandr Toradze
Valery Gergiev
Kirov Orchestra of the Mariinsky Theatre
(St.Petersburg Kirov Orchestra)

これもありかっ


録音状態は良い。繊細かつ分厚く、ダイナミックで、ラストで、音が盛りあがってくるのが見えてくるかのようだ。
カップリング:
1〜15 ストラヴィンスキー 火の鳥(1910年版) 1995年
16 スクリャービン 交響曲第5番「プロメテウス」 1997年
ひとことで言っちゃうと、なんとも濃密で、濃厚で、ラストのど派手なこと。げぼっと、むせっかえてしまった。

冒頭は、もわもや〜っと怠惰な感じがするが、くねくねと、ねっとりと粘りを持って描き出している。
テンポは、ゆったりとしており、まどろみ感があり、このねっとりした空気感は、どうやって表現しているのだろう。
うわぁ〜っとした金管のもわもわ感がすごい。
で、ピアノがダイナミックに叩かれたあと、ますます帳が重厚になってくる。

奥行き感はあるのだが、音像は、あまりクリアーではない。オブラートにくるまれたような、膜というか、幕を感じるというか、
あまりクリアーでないことが、この曲にマッチしている。
ちょっと、ワタシ的には途中でだれてしまうのだが、ピアノの響きと、奥まった金管、意外とクリアーな木管で、官能の世界を描いていく。この楽曲は、ちょっと、どう聞いたらワカラナイのだけど・・・ 妖しいって言えば、かなり妖しい。
ゆったり、くねくね〜っとしているが、音としては、とっても繊細なのではないだろうか。響きとしては、まあるいのだが、パートごとの音は、意外と線が細く、細密っぽいが、かといって、音をダイナミックに出してきているような気がする。

撚った色彩豊かな糸を、どうやったら、このように見せられるのか、かなり計算されているようにも思えるのだが、金管のフレーズや、木管のフレーズ、ピアノの音を分解して再構成するには、とっても難しそうで・・・ よくわからない。
特に、金管は、音の押しの強さ、粘りがあって、波のように押し寄せて出てくる。それでいて、鋭い感覚もあるので、う〜ん いったい、どうなっているのやら。
色彩感のある混沌とした世界を描きつつ、どろっとした液体が、垂れ下がってきて、いっきにラストでは、放出されてくる。
このどろっとした液体は、ラストでど派手に、強く、強く圧がかかって、爆発している感じもするし、轟音をあげて、瀧のようにうえから落ちてくる感じがする。

歌う旋律があるわけではないが、音が洪水のように、わきかえるっというのかな。
光が降り注ぐ感じもするが、ゲルギエフ盤は、どちらかというと、液体が落ちてくるような感じで、どこかにぶつかって、分かれて落ちてくるような瞬間が見えるかのようだ。
落ちる瞬間に、盛り上がってくる。その盛り上がりぐあいが、まるで津波のようであり、大きく膨張した盛りあがり感じが、まるで、見えてくるかのようだ。
で、落ちる瞬間、飛沫を感じ、そして、わずかな残響を残して消えていく。
う〜ん なんとも、妖艶で、やっぱり官能的という言葉が、適切でしょうか。聴いている人の感覚が試されているようでもあり、どうにでも受け止めて〜って感じでもあり、なんとも・・・はや。変な楽曲です。
アハハっ〜っと大きな声では笑えず、口を半開きに、ポカンとしたあげくに、アハっと、小さく笑えてしまいました。

1971年 マゼール ロンドン・フィル Dec  
1990年 ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 Brilliant  
1996年 スヴェトラーノフ ロシア国立交響楽団 EXTON ★★★★ 
1997年 ゲルギエフ マリインスキー(キーロフ)劇場管弦楽団 Ph ★★★★★
所有盤を整理中です。

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