「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ショスタコーヴィチ 交響曲第7番
Shostakovich: Symphony No.7 "Leningrad"


バーンスタイン シカゴ交響楽団 1988年
Leonard Bernstein
Chicago Symphony Orchestra

これもありかっ


録音状態は良い。まろやかな太めの響きがあり、ゆったりとしたテンポで、分厚い金管のパワーが炸裂する。人肌の温かい人間味のある演奏だと思うが、一方緩いとも思う。もっとシャープで良いかも。遅めなので、1楽章で疲れる。
ライブ盤
カップリング:ショスタコーヴィチ 交響曲第1番、第7番
最近は、7番と9番とのカップリングで売られているようだ。
1楽章「戦争」
冒頭、低弦の響きが、力強く弾き出す。
「どそれぇ〜そ みぃ〜 どぉ〜そふぁ〜 (ちゃんちゃかちゃん) られら ふぁられら みぃ〜」
「られどら れ〜 しれどしら らみ〜ら れっらそぉ〜」
なんとも変な音が連なって、不安定な半音型のあがりくだりが続く。
あー ショスタコさんの5番以外って、どーも馴染めない。7番のレニングラードは、一応人気らしいのだが、まるで、苦虫をかみ殺したかのような音が連なって、暴力的で、怒りが満ちている。
あまり親しめない、ご遠慮いただきたいような冒頭のフレーズなのだが、この、へんてこりんな主題が「人間の主題」だという。
はぁ・・・。(もう疲れている)

で、一転して「平和な生活の主題」といわれている、穏やかな旋律が、木管と弦で奏でられる。
平和な生活の営みというよりは、どことなく、天上的な響きとなっている。
録音が良く、ライブ盤とは思えないほど、大変澄み切っ た感じがしている。バーンスタインさん特有の、ゆったりとした、とろみ感あふれる、バーンスタイン盤で聴くと、太めのフレージングが、どこなくマーラー的だ。
柔らかく、暖かく、高い音の響きが、すーーーっと伸びていく。 この主題は、ハイ、うっとり〜。冒頭の主題とはうってかわって、生き返る感じがする。それにしても、なーんて両極端な主題を、最初から、ぶつけるように提示してくるのだろう。

次に、いったん静まったなか、遠くから「戦争の主題」と言われている別名「ちちんぷいぷい」(昔、アリナミンのCMで、パロディ的に使われた)が登場する。
ここは、レニングラードに侵攻してきたドイツ軍の行進だと言われているが、遠くから、ふざけたような、ピッコロとフルートのフレーズが流れてくるのだ。

で、オーボエとクラリネットが呼応する。こっから、入れ替わり立ち替わり、楽器が登場してくる。
「ふぁ〜そらどどっ ふぁ〜そらどどっ そ〜らそれれっ そ〜らそれれっ」
「ふぁ〜そ〜られれっ ふぁ〜そ〜られれっ そ〜ふぁみれどししっ そ〜ふぁみれどししっ」
「ふぁみれどしららっ  ふぁみれどしららっ れ〜そ〜らさそふぁふぁっ・・・」
そのうちに、ブンチャカブンチャカ・・・始まる。ここはラヴェルの「ボレロ」を真似していると言われるが〜
とっても、とっても、、、ボレロは明るく情熱的に高揚していくのだが、このレニングラードは凶暴化していくのだ。 このフレーズは、コミカルだし、楽しそうでもあって〜
木琴の可愛さも手伝って楽しいのだが、 バーンっとシンバルまで鳴って賑々しい。
豪快で、堂々としてて、ゆったりと、大きく左右に振られていく振り子のように進んでいく。

最後は、銅鑼まで登場するのだが、ここでは、爆弾でも炸裂した感じだ。叩きのめされる。
バーンスタイン盤は、冷たい録音ではなく、人肌の暖かさが感じられるが、これをクールに、ヒンヤリ感でやられると、段々と感情がこわばってくる・・・ まっ、レニーさんの演奏は、反対に、高揚感があふれてくる。
最後の、「らっらっ らーそふぁ みっみ〜」 という金管の咆吼があって〜 悲痛な叫びに変わる。
シカゴ響の金管のフレーズは、さすがに綺麗で〜 悲痛なのだが、綺麗だな〜って思ってしまった。
しかし、ふぅ〜 何度聴いても、疲れるなあ。
さて、その後、静まりかえってしまい、魂が抜けたみたいな〜 廃墟状態なのだが、しばらくすると綺麗なフレーズがただよう。立ち上がれ〜って言っているような主題なのだが、よく沈むのである。
ワタシの所有している盤は、「ちちんぷいぷい」の高揚感の頂点 シャンっと鳴った時に、ふっ と息が抜けたように一瞬、音が途切れちゃうんですけどね。(どーしたのかなあ)

2楽章「回想」
弦の涼やかなフレーズと和音が、すわーっとした雰囲気のなかで流れてくる。
室内楽的な響きがあって、庶民の暮らしのような情景が広がる。
「ん タタ タッタ そら〜そら〜」という音色に、オーボエの悲しげなフレーズが被さって流れてくる。
嘆きのような、どこか田舎臭い響きだ。
「どみぃ〜 どみぃ〜 どみ〜ふぁ〜そしら〜 らぁらそふぁ〜 ふぁ〜み ら〜みふぁ〜」
バーンスタイン盤は、奥行きも豊かだし、柔らかい響きで、これこそ平和的って感じがする。 半音イッパイの暗さで〜 涙目になったピエロのように・・・ 悲しさイッパイを秘めて、苦笑いしているかのように奏でられている。

弦の響きと、フレージングの長さは、「どれぇ〜どしら そぉ〜 ふぁ〜 みっ どぉ〜しらそふぁ〜み〜 れみふぁぁ〜 み〜」どこか、オリエンタルチックで、マーラーの大地の歌のような感じがする。
突然、甲高い高いクラリネットの音が、コミカルに吹かれて、壊れた3拍子のメリーゴーランド風のフレーズが奏でられる。
なんとも滑稽だフレーズで、最後の方では、劇的な金管の咆吼が鳴り響く。

3楽章「祖国の大地」
「れぇ〜 そぉ〜〜 らぁ〜 どぉ〜(そられぇ〜)れぇ〜み〜み〜み〜 そらし〜 み〜」
どこか変なハモリのある バロック調の和音から始まる。
コラール風なのが教会の音楽のようでもあるのが、格調は高いのだが、どっか壊れて悲痛だ。つんざくような響きだが、バーンスタイン盤では、さほどエッジは効いていない。まっ これが救いでもある。
この部分はアダージョになっているので、ゆったりした響きと長さがあるし、開放的ではあるが、独特の暗さがある。
バーンスタイン盤は、とっても高音域の弦の響きが大きく出てきており、抑えた悲鳴となっており、教会の鐘のような響きが、ぼわん。ぼわん。と響く。
神々がお怒りじゃーっとでも言っているようでもあり、その後の沈みが、諦めのようでもあり、この悲痛な心情的な響きは、大変美しく悲しい。う〜ん。まっ メンデルスゾーンのような淡い和音では決してないので〜 複雑なんである。 フルートの旋律も悲しいけれど、美しい。
テンポがあがってても、中低音の弦の響きが、大変豊かで、歌謡風に流れるように歌う。
バーンスタイン盤は、哀惜というような感情がこもっていて、この3楽章が白眉となっているようだ。
ここは、メチャ聴きどころである。

4楽章「勝利」
ティンパニーが静かに鳴るなか、「らふぁ〜 らみ〜 れみふぁそ らどら そらしふぁ〜」という序奏が流れる。
なんとも凍りついたような響きがあって、エネルギーをためているかのようなティンパニーの音だ。
で、その重さを振る払うように、低弦がスキップを初める。
それが終わると、弦は軋んだ音を奏でているが、弦も短く、金管も、短いフラッター音のように、タタター タタターっと何度も執拗に鳴ってくる。木琴も、「ん タタタ たっ」を繰り返す。
金管の明るく破裂するような、よく通る響きと、ぶっとくチューバの音が、まあ。凄い鳴りっぷりである。
「ららら〜 ららら〜 小太鼓まで鳴ってきて、「たらら〜たらら〜たらら〜」
低弦が、ゴシゴシ、ガシガシしているし、ムチは何度も撓るし・・・
最後の盛り上がり方というか、狂気的な響きは、耳を覆いたくなる感じだが〜 一種の快感もあって〜
なんとも言えない高揚感はあるし、最後は、ちょっと、とってつけたような俗っぽさが出てきちゃうのだが、感動的です。
あー でも、やっぱ疲れる〜

総体的には、分厚い響きとゆったりとしたテンポ、人としての熱い感情の発露が見られるかな〜と思う。
クールで空虚な演奏ではないので、ワタシ的には、まだ聞きやすい方だとは思うが、他盤を聴いて比較してしまうと、メチャ遅めで、ねっとりしている。春の重たい雪のようで、足元がとられるというか、ホントながい。
長い楽曲で、1楽章ですでに疲れてしまう。ふうぅ〜

しかし、 もっとクールな演奏もあるけれど、ワタシ的には、実は、なかなかCDに手が伸びないっ。。。。。。。。。。
う〜 相当な覚悟を持って聴かないと・・・(って、ちょっとオーバーですけど)  ホント、ショスタコさんを聴くには抵抗があり、今、所有しているCDを数えたら8枚もあって〜  どひゃー どうしようと思っている。
ホンネを言うと、なかなか手が伸びない楽曲のうえ、手が伸びないCDが多いです。バーンスタイ盤は、 緩いかもしれないけど、鳴りっぷりの良いシカゴ響で、音量小さめにして、何かをしながら、バーンスタイン盤を聴いている。
そうしないと、もたない。3楽章は、ホント白眉だと思う。こりゃ〜綺麗だわ。と絶賛しちゃうものの、正直、とても長いっ。
あっ そうそう。「レニングラード」はニックネームであり、楽章の副題も、作曲家本人が削除しています。


ロストロポーヴィチ ナショナル交響楽団 1989年
Mstislav Rostropovich
National Symphony Orchestra

なんじゃ こりゃ〜


録音状態はまずまず。あまり奥行きが感じられない。
ねちっこいうえに、キレが悪いため、生ぬるく感じられ、長いと感じる楽曲が、さらに長く感じる。
1楽章
久々に、7番のレニングラードを取り出したのだが、やっぱり長いですねえ。のっけから、この1楽章が相当に長く、重いことを感じてしまった。
ロストロ盤は、録音状態は良い。フルートの音は、響きが良く捕らえられているのだが、奥行き感が、あまり感じられない。
低弦の響きやヴァイオリンの音は、かなり良く伝わってくるのだが、木管のフレーズは、ちょっと〜という感じがする。
ペタンっとした音質と、もわっとした空気感を少し感じのだ。
シーンっとしたクールな音ではなく、どことなく、暖かみの感じる録音かな。
チチンプイプイは、太めのフルートで奏でられる。で、フレーズが、垂れて長いっ。うへっ。
小太鼓が入ってきて、 「ふぁ〜そふぁどどっ ふぁ〜そらどどっ そ〜らそれれっ そ〜らそれれっ」のフレーズを奏でるが、このフレージングの語尾が上がらず、どっどぉ〜っと長いのだ。シャキっとしない感覚なので、どろっと粘っこく、重く感じられる。
同じフレーズを繰り返して、段々と、楽器が重なっていくし〜 キレが悪いなあ。

金管の、ねばぁ〜っとした汚い音が入ってくると、もう、聴いてられなくなってくる。金管は、お世辞にも〜 ちょっと、よろしくない。歯切れの悪いことに加えて、目の前に、小太鼓と、トランペットがいるみたいで〜 
(う〜っ 我慢っ ここが我慢のしどころだっ!と、言い聞かせなければならない) 
うわぁ〜 アタマが破裂しちゃいそうだ。まだ続くのぉ。やめてぇ〜! 
16分ぐらいで、もう、耐えかねて、銅鑼が鳴ったあたりで、思わず、スルーしそうになったのだが・・・ ぐっとこらえる。
ロストロポーヴィチ盤は、強奏になると、直接音が、気持ち悪いほどに迫ってきて、こりゃー気持ちが悪い。
この録音は、どうなってるのかなあ。
演奏も、これは諧謔的にやっているのだろうか、やけくそではないよなあ。マジメだよねえ。品のなさを露呈してくるようだ。
で、なんだか、銅鑼が鳴って頂点を極めると疲れ果てたのか、オケも、たれん〜っとした感じで、モソモソと続く。
ワタシも、どっつかれ〜 なのでヌケガラになった感じで・・・ 26分24秒の1楽章を、とにかく聴いたという感じ。

2楽章
市民の暮らし描いた楽章ということだけど、オーボエのフレーズが悲しい。
「 んっ チャカ チャチャ・・・ そ〜ら そ〜ら」
「どみぃ〜 どみぃ〜 どみぃ〜ふぁ そしらぁ〜 らぁらそふぁ〜 ら〜そふぁ〜」
芯の硬いオーボエで、音の広がりが少ないが、それだけに、ツーンっとしたクールさ、寒々しい雰囲気があって良いかも。

3楽章
「れぇ〜 れぇ〜 ら そぉぉ〜 れぇみみぃ〜 そらし れみふぁ〜 みぃぃ〜」
冒頭、不思議な和音ではあるのだが、ここが美しいのだ。
でも、ロストロ盤で聴くと、壊れたオルガンのように、どこかで空気が漏れているかのように響きわたる。
金管がファンファーレのように奏でるのだが、どうもねえ。いやいや、やっぱり弦は、美しく、切なく迫ってくる。
主題が、メリーゴーランドのように、んちゃ〜チャチャっと、トロンボーンが回転を始める。
主題が冒頭に戻ってきて、教会のなかに居るような雰囲気になるのだが、もう少し音が綺麗だと嬉しいのになあ〜っと思ってしまった。

4楽章
ティンパニーが静かに鳴っているが、なんだか緩いというか、 ぴーんと張り詰めた緊張感が少ない。
低弦がスキップを初めていくのだが、重さを引きづっているかのように、もごっとした感じがする。で、金管が、短いフラッター音のように、タタター タタターっと、鳴ってくる。
ここからは、スピードをあげて、弦や木琴が勢いよく走り出し、チューバやトロンボーンのフレーズが重なってきて、嵐のように舞い上がっていく。ロストロ盤は、まあ、鳴りっぷりもよいし、ごっつい、 嵐のような津波がやってくる〜という感じが出ていたように思うが、金管のハモり具合は、あれで良いのかなあ。
鞭がしなるような、小太鼓のピシャっとした音は、あまり印象に強く残らない。
抒情的な部分では、まったりしているが、彫りが浅めで、弦の強いエッジ感が少ないため、空虚さが、どことなく削がれているようにも感じる。段々と盛り上がっては行くのだが、金管と弦とのバランスが、 立体的には響かず、ペタンとした感じなので、迫力がイマイチだし、生ぬるい感じで、聴き終わったあと、どっと疲れてしまいました。

スヴェトラーノフ スウェーデン放送交響楽団 1993年
Evgeny Svetlanov
Sveriges Radios Symfoniorkester

   

ライブ盤 録音状態は極めて良い。ライブ盤なのに、信じられないほど、透き通ったすごく良い音で収録されており、演奏も精緻で熱い。
リズム感があって弾むし、静謐さもある。最後の爆発的な音の盛りあげには、これは参りました。これは文句なしに絶賛でしょう。

1楽章「戦争」
一般的には、レニングラードって、バーンスタイン盤が有名なのだが、いや〜 このCDは良いです。
冒頭、低弦の響きが、力強く弾き出すし、弾み方が綺麗だ。
バーンスタイン盤は、雪のなかを足を取られながら歩いている感じがしたのだが、スヴェトラさんの演奏は、スカッとしてて、弾みながら進んでいく。この冒頭からして、全く勢いが違う。
「どそれぇ〜そ みぃ〜 どぉ〜そふぁ〜(ちゃんちゃかちゃん)」
「られら ふぁられら みぃ〜 られどら れ〜
「どれみしら っら み〜ら ふぁ れっらそぉ〜 ら しどれみ ふぁっみっふぁ そふぁみれ どっら〜そ」
「しっそ〜ふぁっ みれどしらっ・・・」

ひゃあ〜 これは爽快だっ。クールな録音なのだが、筋肉質で、弾む勢いがある。このCDを一番最初に聴いていたら、全く違う印象を受けていたと思うなあ・・・。
変な音が連なって、不安定な半音型のあがりくだりが続くと思っていたのだが、いや〜こりゃ 違うわ。
ずーっと、ショスタコの交響曲って、馴染めないと思っていたし、この曲のどこが良いんだろ。と思っていたのだ。このCDを聴いて、目から鱗状態に。いつも疲れてたんですよぉ〜
クラリネットが、突拍子もない高い音で出てくるが、柔らかいフルートの音色が、それを包み込み、さらっと場面転換して、ふわーっとした静けさが訪れる。

「平和な生活の主題」のフレーズも、静謐で、よく通る木管が、柔らかく、しっとりと奏でてくる。
いや〜 いや〜すごい。スウェーデン放送響って、こんなに巧いオケなんですか。
ゆったり、とろみのあるフレーズではなく、すーっと、冷たい空気が、頭のうえを通っていくような感じ がするんだよなあ。これが、氷の上をトレースするように走る。ショスタコさん特有の世界を描き出す。
はぁ〜 陶酔しちゃいますねえ。ピッコロの音色なんぞ。すわーっとしている。
冬の夜空を見上げているような感覚だ。
このCDを聴くと、バーンスタイン盤が、妙に、ぶよぶよしていたような気がしてくるんですけど・・・。(笑)

で、いったん静まったなか、遠くから、「戦争の主題」と言われている別名「ちちんぷいぷい」 が登場。
結構、この場面転換は、しっかりと区切りがついている。
まるで、別の楽章に移ったみたいだ。
録音状態が良いので、オーボエとクラリネットの響きが、立体感ある響きとなっていて、
「ふぁ〜そふぁどどっ ふぁ〜そらどどっ そ〜らそれれっ そ〜らそれれっ」のフレーズを、追いかけていく。
あー 「ちちんぷいぷい」の場面だけ、別にインデックスを設けてくれたら良いのに。(笑)
特に、アイロニー色が激しいとか、コミカルさがあるとか〜というわけではないが、リズミカルで、楽器を替えて、ズンズンと進んでいくパワーがあって、少しずつ大きくなって、強烈なパワーに膨らんでいく。
大きな音響で、当然圧倒されるのだが、熱いだけの荒くたい炸裂型ではなく、落ち着き感がある。
終わり方が、ストンっと、憑きものが落ちたみたいに〜なっているのが、面白い。

2楽章「回想」
クールな響きが、ぴしっと決まっていて、綺麗な響きとなって流れてくる。
不協和音の響きが、夜の静寂を彷徨う怪しげな、フワフワ浮遊物にも思える。
かと言って、都会のしじまに消えていく人影のようでもあり、、、ふわふわ〜っと形がない。
弦の響きが、待ち伏せされているかのような、ますます怪しいっ。
「 んっ チャカ チャチャ・・・ そ〜ら そ〜ら」
オーボエ「どみぃ〜 どみぃ〜 どみぃ〜ふぁ そしらぁ〜 らぁらそふぁ〜 ら〜そふぁ〜」「みふぁ〜」
音としては、とっても芯があるのだが、透明度の高い音だからこそ、どっか、虚ろで〜  心ここにあらず的な不可思議な、空中に浮かぶ軽やかさ、虚ろさが出ている。

3楽章「祖国の大地」
大変きりっと締まった室内楽的な響きを持つ楽章だ。コラール風のフレーズで、神秘的だ。
「ふぁ〜そぉ らぁ そられ〜れぇー みーっ ふぁそぉ〜 れみふぁ〜みみ〜」
高揚感のある緊張した面持ちで、木管と弦の高音域の響きが、ピーンっと奏でてくる。
チェロの響きと、弦の高い音と、キーンっと鳴ってくる木管の不思議な和音は、大地の広がりを醸し出す。和音には、凍てつくような冷たさ、乾いた大地の広がりが目に浮かぶようだ。雪の世界だよな〜
そこにトロンボーンだと思うが、短い音で重なってきて、祖国への思いや誇りが表出してくる。
フルートの爽やかで、柔らかい響きなど、いろんな音が重なり、静かに進む。
録音状態が良いので、室内楽のような柔らかい響きと、どこからともなく響く、鐘の音〜 いろんな風景がイメージされ、走馬燈のように流れる。
この楽章の叙情的なシーンは、大変美しく胸を打つ。
最後には、低弦の響きが、リズムを揺らし、大きな波打つ響きとなって〜スネアが被さってきて〜
緊張感を引きずったまま終わる。

4楽章「勝利」
最初は、静かに静かに、弦が蠢いているのだが、そのうち、木管がリズムを奏で始め、亡霊のように彷徨ってくる。
なーんか、不気味な蠢きが、小さな人間がうずくまって、モゾモゾと動き始めたようでもあり、怒りに満ちて立ち上がっていくようでもある。
段々と、テンポをあげていって、低弦が風を巻き起こし、弦の切れ切れの音が、勢いよく湧き起こる。
「みみみ・・・・ららら・・・」と言っているかと思ったら、いきなり、「らららっどっ らららっど!」と、紋切り調で、ぐわっと高揚してくるのだ。弦が、軋んだ音を立て始めて音が飛び跳ねる。
キンキン音をあげてトランペット等の金管が鳴り始める。
「れーみー れしどっ れーみ れしどっ れっれしどっ れっれしどっ」  

そこに輪をかけて、木琴が鳴り響き、けたたましく鳴ってくる。
「れーみー どれみっ ふぁっ れみ ふぁそらしらっ どどど〜ふぁっ どどど〜ふぁっ どどど ど〜ふぁっ」
短いパッセージで、フラッター音のように、まき散らされて、最後には、ぶっぱーっ!っと鳴り響く。
ものすごい執拗に、タタ タタっ タタっ タタっ・・・・・・だはっ、やっぱショスタコさんの短いパッセージが重なり、重さをくわえ、激しさを増してくる。喧騒的で挑発的、う〜 破裂寸前の膨らみ具合。
オケの音はスッキリしてて、テンポよく勇ましく、かといって重さも適度にある。
まずは、キレが良い。
歯切れが良く、音が切れて飛びだしてくる。すごくリアル感があって、直接的なパッセージだ。
鈍重さがなく、スパークのように、火花が飛び交う感じがする。
瞬間湯沸かし器のように、ボンっと火がついて、一気に盛り上がる。

大太鼓の音も、すっぽり綺麗に収まっているし、ムチも撓っているし〜  録音状態が良いのが、超嬉しい。
中間に落ち着いたフレーズも入ってくるが、総体的に、テンションの高い楽曲だ。
しかし、このテンションの高さが、スヴェトラーノフ盤では、痛快で爽快な気がする。スペクタルで冷徹なクールさも持ち合わせてるくせに、メチャクチャ激しい演奏で、熱い。
低音から超高音域まで、すごい音の高低差と、圧力が感じられ、聴き終わったら手に汗握っている感じがする。う〜ん。これは参りました。
最後には、ものすごい音が重なり、伸ばしに伸ばして、大音量で〜 メチャ壮大に終わってくれる〜
う〜 ド迫力っ。リズムも良いし、この勢いと、エネルギーの放出度合いには恐れ入りました。
これが、ライブ盤とは〜。エネルギーを吸い取ってしまうが、ホント、どっひゃーっ! 最後、すごいっ。
一緒に盛り上がって、拍手っ! やられたっ。


1972年 ケーゲル ライプツィヒ放送交響楽団 WEITBLICK  
1979年 ハイティンク ロンドン交響楽団 Dec  
1988年 バーンスタイン シカゴ交響楽団 ★★★
1988年 ヤンソンス サンクト・ペテルブルグ・フィル EMI  
1989年 ロストロポーヴィチ ナショナル交響楽団 ★★
1991年 インバル ウィーン交響楽団 De  
1993年 スヴェトラーノフ スウェーデン放送交響楽団 Daphne ★★★★★
2001年 ゲルギエフ キーロフ歌劇場管弦楽団 Ph  
所有盤を整理中です。

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