「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

シベリウス 交響曲第2番
Sibelius: Symphony No.2


モントゥー ロンドン交響楽団 1959年
Pierre Monteux
London Symphony Orchestra

録音状態は、良い。最終楽章で、金管の咆吼が少し割れて聞こえるが、その他は豊かに響いて文句はない。
「デッカ&フィリップス レコーディング1956〜64年 7CD」ボックスからの1枚

1楽章
「ふぁふぁふぁ ふぁそそそ ららら〜」 冒頭のまろやかなホルンと、低弦の響きが良い。
録音は59年になっているのだが、信じられないほど良い状態で、ホールトーンの豊かな響きを持っている。
初めて聴いたシベリウスの2番が、この演奏で・・・ かつてLPで、聴いていたことがある。
単純に息が深いと表現するだけで良いのか、ちょっと考えさせられるほど、適度な速さと、適度な深さ。
単に速いとか遅いとか、言いづらい。勢いがあることと、瑞々しさを感じる。
弦が、特に美しく、表情が豊かだ。
ピチカート部分で、こんな活き活きとしてて、美しいな〜と感じた演奏は、あまりないような。
幾分、中間音域が、少し薄い感じがしないでもないが、密度は高い。
いわゆる、北欧風味が感じられるという演奏ではないのだが、ザンデルリンク盤のように重々しくはない。
リズミカルなので、跳躍感があって心地良い。

2楽章
この楽章の冒頭、コントラバスのピチカートは、音を置きに行っている感じがするのだが、耐え難いという沈痛な面持ちではない。幾分沈んだ感じもするが、気がついたら、底辺でうごめいていた音符が、いつの間にやら、活き活きと動いている。
この楽章が、政治に対する民衆の苦しみだと解するのであれば、重い十字架は背負っていないものの、希望は持ちながらも、けなげに日々の暮らしを営んでいます。という感じに聞こえる。
質素ではあるのだが、どことなく明るさが感じられる。
この2楽章、バーンスタイン盤では、ジメジメ〜鬱々とした、くら〜い演奏だったのだが、モントゥー盤は、わりと、さらり〜っ。(決して、軽いっていう意味ではない)
でも、執拗なぐらい、音量がめいっぱいで演奏しているので、盛り上がったところで、ちょっと息切れ。
聴いているのが辛くなるところがあった。
う〜ん。元気な振りをしていたのかなあ。って感じだなあ。

3楽章〜4楽章
低弦の蠢き、ティンパニーの響き、金管の咆吼があるのだが、モントゥー盤は、この楽章は、苛烈でも厳しさでもない。運動能力は高いのだが、かなり自然体で、特に、厳しさをことさら前面に出しているわけではないようだ。さらり〜 からり〜とした感覚。
主題が変わって、オーボエとクラリネットの旋律が出てくると、ゆったりと歌わせており、胸がいっぱいになるほどの感傷に襲われる。良い意味でのロマンティックさ。中庸感だろうか。
いや〜 聞き進めていくうちに、ラテン系の良さが、特に、弦の響きに出ているような気がする。
音色が違う。これって、やっぱモントゥー盤でないと、出ない色なんじゃーないだろうか。
前楽章では気づかなかったのだが、4楽章に入るちょっと手前のチェロの甘い響き、ふわ〜っ ふわ〜っ感、弦の響かせ方が波打っているじゃん。と、超驚いてしまった。
(おいおい、ドビュッシーの「海」じゃーないよぉ〜 笑)

いや〜 氷のように、硬い弦の動きで、ガンガン カシカシ・・・している盤を聴いていると、やっぱ、この弦の表情は、柔軟で、しなやかなで、暖かみがあって、表情豊かだと思うはず。
何も弦だけではなく、金管だって、そうなんだけどね。
テンポは変えてないし、さほど揺れてもいないし、とりわけ変わったことはしてないのだが、後半2楽章は、表情が軟らかで、喜びに満ちあふれてくる楽章なので、一般的によくいわれるラテン系のノリが、 さりげなく感じられると思う。
ワタシ的には、この感覚は、好意的にうけとめられるが、どうでしょう。


マゼール ウィーン・フィル 1964年
Lorin Maazel
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

ひぇーぇぇ〜

録音は古いが、透明度が高くクリアー。演奏は、マゼールの圧倒的な迫力に打ちのめされてしまう。


←下のCDは、交響曲全集盤である。
はじめは、録音状態がわからなかったので、代表格の2番を収録したCDを購入したのだが、こりゃー すごいっ。ということで、全集を買った。

後年、ピッツバーグ交響楽団との録音があるが、いや〜 このVPOの方が、ずーっとインパクトがあって強烈っ。断然、このVPO盤をお薦めしちゃう。
1楽章
冒頭、テンポはゆったり、静かに刻まれる。オーボエが、ちょっと平べったい声で鳴いている。
最初は、おとなしく潜行している。
「チャンチャンチャン チャンチャンチャン チャンチャカチャカ チャーン」 ヴァイオリンのフレーズでは、息を大きく吐き出し溜息をつく。
弦のピチカートが終わった途端、なんだか、ふっきれたように動きが大きくなってきて、振幅の激しいうちに、木管が下降線をたどる。このマゼール盤の木管の音色が、なんとも言えない、ひんやりした空気感じを与える。特に 、オーボエとクラリネットが、涼しい感じを与えてくれる。
反対に、弦は激しい。熱っぽい。なんだか初めっからテンションが非常に高くって、アチチ・・・。
圧倒されてしまって、息をのんでしまう。う〜ん。冷たいような熱いような。不思議な感覚。
ティンパニーが叩かれるフレーズあたりになると、う〜ん。熱くたぎるような激しい内面と、能面のような微動だにしない冷たい感覚の差に愕然とさせられる。
弦のピチカートは、テンポが遅くても、かなりピリピリした緊張感があり、上昇してくるところなんぞ、あたりの空気をばりばり びりびり 振動を与えて駆け上ってくるようだ。

2楽章
コントラバスの重めのピチカートなのだが、リズミカルで、跳ねている雰囲気がする。
モノが落ちた反動のようなモノではなく、自ら跳ねているような跳躍感がある。
「しーらそ ふぁみふぁー みふぁふぁー どれれー」 「みみーふぁふぁー  みーふぁー」

このフレーズは、思いっきり、のばしてはいるが、歯切れが良い。アクセントを大きくつけて、息を吐き出している。動物的で、生きる意欲のようなモノを感じる。 まるで、手負いのライオンが、息を荒々しく唸っているような感じだろうか。その後、熱い。
テンポを速くして細かく動き回っている。木管も、ぴゅーっ。と吹いている。前のめりに、走っているような感覚がするが、これが、また生命力を与えているようで、熱い。 熱いっ。
ティンパニーも硬めで叩いており、威勢が良い。ぶっ壊れそうなほど、怖い顔して叩いてるんだろうなあ。
金管の 「みみー ふぁふぁー」 最後の音は、大きく吹き出している。
う〜ん。諦念も感じるが、決して諦めていないような・・・。
深く深く、身を挺して、くねくね〜と動き回ったあげく、最後は、とどめの一発をくらって終わる。
う〜ん。悲しいっ。かなり動物的なイメージを受けた。なんだか哀れだよなあ。

3楽章〜4楽章
激しい。すごく良く動く。弱音でよく小回りがきくな〜と驚くほど。
で、上昇傾向にあり、上昇するきっかけ、のぼっていく気配を、じーっと窺っているよう感じがする。
穏やかなフレーズに展開すると、平べったいオーボエと、柔らかいクラリネットがあわさる。なんだかミスマッチなペアなのだが・・・。ハープが鳴ると、ほっと 一安心。
その穏やかな世界を、弦が破って出てくる。かき乱す旋律で、一気に不安な気持ちに陥れられ、そのテンポも速い。なにせ速い。 一気呵成っていうのは、怖いもので〜 背筋に緊張感が走る。
ヴァンスカ盤も、メチャ速かったが、マゼールもすごい。驚くほど速いねえ。

ほとんど、音に膨らみをもたせることなく、一直線で・・・ 4楽章に突入していく。
弦の大きな刻み。荒々しい刻みで、ズカズカ・・・ 有無を言わさず、顔をこおばらせて、いざ、突入っ。
一応、音は、タメてはいるのだが、これじゃ〜ためたうちに入らないヤン。という状態なのだ。
もう一呼吸、欲しいんだよねえ。(まっ ここらへんが、マゼールさんらしいのだが)
で、金管の音が割れているのが、ちょっと情けない。気分が変わらないまま、チューバの音色が、「ばお〜ん。ばぉ〜ん。ばぉ〜ん」
あちゃー ユニゾンで、各楽器の美しい合唱が始まるのだが、う〜ん。歌心ってないんかよぉ〜
フレーズが丸くなく、平べったい。まるで人工の鉱物のようで、光ってはいるのだが、、、感心しない。
ユニゾンも、なんだか、心の底から歌っているとか、開放された感じではない。
う〜ん。なんだか、奥歯にモノが挟まってますよん。といった感じを受けるのだが。

まるで、ノミで木を粗く削りとった跡がクッキリ残る彫刻とか、書き殴ったような荒々しいタッチの絵画のようで、それが魅力と言えば魅力である。
グサグサ・・・ 突き刺して突進してくる怖さ、短気っぽい、せかせかした動き。妙に、あたりを窺い、俊敏にくねくねと動く冷たい動物的な感性。もっと世の中が見えてきて、ほんわかしたものにも接していると、 こんな風にならないと思うんだが・・・。まっ。ひねくれているのかなあ。
かなりアクの強い、自己主張の強い、行く末を案じさせられるような・・・怖い演奏である。


バーンスタイン ウィーン・フィル 1986年
Leonard Bernstein
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

  

録音状態はまずまず。ライブ盤。
重々しく、暗く、最後まで救われないような気分になっちゃって〜 やりきれなさが残る。テンポ設定からついていけない。疲れて、げっそり〜 トンデモ盤だ。
1楽章
「ふぁふぁふぁ ふぁそそそ ららら〜」
何かのうごめきのなかから、オーボエとホルンがあわさる。朝靄の雰囲気が出ていて、鳥が目覚めたらしい声がして、そのなかから、ホルンが。水蒸気のように立ちのぼってくる。
テンポは遅め。バーンスタインの濃厚さがこの楽曲には向いているようで、ふかぶか〜っと旋律が進む。
テンポの速い盤もあるが、バーンスタイン盤は、なかなか目覚めないようで〜 低血圧らしい。(笑)
ちょっと〜気怠い囲気も漂うが、弦のピチカートと低弦で、カシャカシャカシャカシャーーっと、エネルギーが出てきたようなのだが、テンポが遅いため、活き活きとした感じ がしない。
北欧の重苦しい感じがする。ほのぼのとした牧歌的なフレーズでも、暗いなあ。重苦しい。
それに反抗するように、違うフレーズが対抗して出てくる。
弦のモコモコ 木管のモコモコ・・・それを押しのけて、紋切り調に、「みー れみれどっふぁっ」という金管の音色が、無言のまま抵抗しているエネルギーに聞こえる。
「たーららら ららっ!」
ウィーン・フィルなのだが、いつもの弦の艶は消しているようだ。暗い粘りのある雰囲気が漂っている。

2楽章
コントラバスの響きが、ピチカートなのだが、かなりゆったりなので、相当に重々しい。
圧政に苦しむ民の姿なのだろうか。モノも言えずに苦しんでいるのだろうか。
う〜ん。悲痛感が漂う。
ジメジメした地面、先の長〜い道程を、まるで重々しい十字架を背負って歩いているように聞こえる。
う〜ん。くらっ。金管の「しーーーーーーらそっ。。。。」 ティンパニーのドンっという音。
「ふぁみふぁ〜〜  みふぁふぁ〜 どれれ〜 みみっ−− ふぁあふぁーーーー」
↑ このフレーズが相当に長い。これほど長くのばしていた盤は、あっただろうか。唖然っ!
再度、このフレーズが戻ってくるのだが、また同じように長い。
もう絶句する以外にないほど、かなり大袈裟に感じる。雄大さを通り超えてしまって、あっけにとられるほどの世界だ。
この後、弦と木管が、可愛いトレモロのフレーズを吹いているのだが、全体に救いのない世界が広がっており、もはやワタシ的には立ち直れない。 どひゃ〜ん。トンデモ盤である。

3楽章〜4楽章
重い低弦と、ティンパニーの重い響き、金管の悲鳴で3楽章が始まる。
なんだか、まるでヘレン・ケラーの三重苦かなあ。という雰囲気だ。
のどかさが、あまり感じられない。恐ろしい3連符 「ドドド〜 ドシラソ〜」 これは怖すぎ。
初めテンポは速めなのだが、中間部は、これまた遅い。

続いての4楽章は、これは、バーンスタインの息の長い、ゆったりさが再度甦り、「う゛ばっ〜 う゛ばっ〜」と 唸るチューバが特徴的で、これは、凄い粘りである。
ホントねばこい演奏で、うわ〜っと、ぞっとするほど粘る粘る。
前楽章でもテンポは充分に遅いのだが、最終楽章の中間部は、ほとんど微速前進。

台風の目のなかにいるようで、一瞬無風状態になる。弦のほそーい旋律が、もうすぐ止まってしまうかのように奏でられる。ほそっーい蜘蛛の糸状態で、脆くも崩れそうな、危うい感じがする。
再度、低弦とファゴットかな。テンポを刻んで蘇ってくるのだが、ここからの上昇エネルギーは、ジワジワ吹き上げてきて、金管が呼応するたびに雷鳴が起こり、チューバの唸りと弦のユニゾンで地響きが起こる というありさまである。

それにしても、1楽章、2楽章 そして最終楽章まで、ものすごく重々しい。
最後で調が変わるのだが、、、救済される気持ちになれないまま、終わってしまった。
こうなると、もはや、げっそり〜 最後には賛歌で終わると思っていたし、祝祭的で、最後には、救われて晴れやかに終わると思っていたのだが、、、えーっ。うっそ〜 バーンスタイン盤 って、なんて異色なのだ。
これほど暗く終わったのは、、、、初めて聴いたような気がする。まあ、なんと大胆で奇抜なんだろう。大袈裟すぎる〜と文句を言いつつも・・・これほどまでに悲しく、救われないと、やりきれなさが残るんですが。
シベリウスの2番で、こんなに疲れるとは・・・。これはトンデモ盤ではないでしょうか。あれまっ。


ベルグルンド ヘルシンキ・フィル 1986年
Paavo Berglund
Helsinki Philharmonic Orchestra

  

録音状態は良い。しみじみ・・・させられ、目頭が熱くなってくる。
あ〜じんわり泣ける。
カップリング:シベリウス交響曲第1番〜4番

1楽章
ベルグルンド盤は、テンポが良く、1音の終わり方が、特に、弦の弾き終わりがシャープだ。
切れ味爽やかな感じがする。
弓を引き下ろし方とか、弦全員が、すぱっと切れている感じがしてリズミカル。
これは金管も同じで、すぱっと終わる。とても小気味よい。
多少暗めな楽章なのだが、陰鬱にはなりきらず、ふわっとしていて楽しめる雰囲気。

2楽章
冒頭のコントラバスも、リズミカルに動き、よく響く。強弱もある。
ホルンは、なにかを予感させる吹き方だ。なにか起こりそうな〜予感。
弦のフレーズは、少し揺れる。金管は強くないが、予言とか予感を提示しているかのよう。
穏やかに、木漏れ日のような光を感じさせながら、ゆったりと主題が出てくる。
厳しいのだが、鈍重ではなく、ほっと一息できる雰囲気だ。ホルンの音色が気持ちよい。
ベルグルンド盤は、ヴァンスカ盤のように冷たくはない。氷の世界とは違う。
ヴァンスカ盤は、氷つくような。C・デイヴィス盤は、ぬるま湯的なのだが、ベルグルンドは
風というより、生命体の息吹のような気がする。
ヘルシンキ・フィルの金管は、あまり厳しくなく、わりとレガート気味にあがり、くだりするため怖くない。
総体的には暗いのだが、春を感じさせるような、春を待とうというような、希望の持てる演奏だ。
バーンスタインは、立ち直れないほど打撃を受けているし、デイヴィスは、それにくらべると、ノー天気気味に、ぬるま湯に浸かっているような感じだし。
私的には、ベルグルンド盤が嬉しい。若い生命体のうごめきを感じられるのはシアワセだ。

3楽章〜4楽章
生命体のうごめきが続く。う〜ん 風といよか。サワサワと動いている。地面より幾分高め。
風だとすれば、少し暖かい。なにが、この温度を感じさせるだろ。
音色かなあ。〜
いったん静まって、出直し。木管はゆったりめ。テンポは揺れている。
フルートとオーボエの音が、まろやか。強くない。
バリバリ〜は、怖いほどではない。強調的でもないし、怖くもない。慌てず、でも鈍重にならず、軽い。適度。重くない。金管は遠いので、それがいいのかも。全面にでてこない。
ティンパニーも、遠い 弱いので、いいかもしれん。
オーボエも、嫌みがない。控えめぐらい。
4楽章切り替わる直前は、ユニゾンにはいる直前、もう少しばらけないで、強めでもいいかもしれないんだけど、主体となる音が何か足らない。なんか音がたらん。
木管が同じフレーズを吹いているうえに、なんか乗らんとあかんのと違うの。金管忘れてない?

4楽章のユニゾンが始まる。金管
ぼわーん ぼわーん が遠い。チェロの音が強くてもいいような。
弦の太さとのびやかさがなあ〜 もう少しあれば。ここはな〜 押しの強さというか、もう少しねばっこくても良いような・・・低音の弦のした支えが、もう少しあってもなあ。と最初は感じたけど、この音量でいいのかも。耳をすまして聴いてる私
揺らめきを感じる度合いが少ない。弦の音量不足かな〜 遠い。もう少し全面にでてきて〜
地面すれすれというより、遠方で揺らめいているのを見ている感じがする。

2回目 コントラバスがよく聞こえて、いい。揺らめくさまが聞こえる。うう〜 これはいい。これにいろんな楽器が受け渡しをして、テンポアップ。しらずしらずに、3度のぼっていくのが快適。
上らせていくのが、とても自然に入ってて、気がついたら始まっているという感じ。
これはいい。テンポがいい。のびやかに、スピードも 快適快適・・・ 音量も増えてきた。
これはいい。こりゃー 静かに慌て騒がず、じんわりと盛り上がる。
だめ押しで、チューバも最後でてきた。ため〜 これええ〜 弦も絡んだ。
低音の弦がひっぱっている。ためも、適度に、ひつこくない。もちっとひつこくてもいいんだけど。と言いたくなるぐらいだけど、鈍重にならない程度に揺らめく。
気がつけば、私の方が自然に煽られている。ここは歌えるんだよなあ〜 
やっぱ ヴァイオリンの音は、生命体のうごめきに近いなあ。
温度もあり、人の声に聞こえてくるところが、ヴァンスカと違う。最終コーダは、コントラバスが聞こえる。
小さいけど、これはこれでいいのかもしれない。
やっぱ希望が見えるような、そんな雰囲気を醸し出している。
フルートが風だけど、これ、厳しくなく、少しだけ暖かい風をイメージさせる。
体感温度は、下がらない。外は凍りついているのかもしれないが、風も凪いだし、と、外にたっている私は、内面の温かさというか、人肌の暖かさが、このフルートの音で感じられるような気がするなあ。
少しだけ希望があって、暖かさがあって。という感じこのフルートの音で、冷たい風か、少し暖かみのある風なのか。ずいぶんと。イメージが変わるような気がする。

1楽章のヴァイオリンの弦と、この最終の弦では、全く違う。のびやかで、まろやかな音に変わっている。
まろやかな終わり方でいい。和音を作っている低弦に、金管がやらしくない。ふわっと乗っている。
荘厳さまで感じさせてくれる和音で、神の手のような宗教的音になってるように思う。これは良いっ〜 すごい。
これは確かに。ベルグルンド盤の評価が高いのは納得だと思ってしまった。 しみじみ・・・させられる、じんわり泣ける。
4楽章の2回目のユニオンあたりから、目頭が熱くなってくるのが解る。太鼓判!


マゼール ピッツバーグ交響楽団 1990年
Lorin Maazel
Pittsburgh
Symphony Orchestra

録音状態はイマイチ。こもりがちでパッとしない。演奏も、う〜ん。往年のあの鋭さは、何処へいっちゃたのぉ。と心配しちゃうぐらいで。とほほ〜でした。
カップリング:シベリウス交響曲第6番

1楽章
冒頭のテンポが、驚くほど超スローで・・・。なんだぁ〜これっ。メチャ遅い。というのが第一印象になってしまった。サラサラと流れていく他の盤より、かなり遅い。
これは、超鈍重と言ってもいいかもしれない。ぴーんと張りつめた空気感・緊張感がなく、切れた凧のように、フワフワとしている。
これ、シベリウスなんだけどなあ。ゆったり大河でも流れているかのような感じで、とろり〜っとしている。
音の受け渡しをしている部分も、ふわ〜っと、緊張感が無く送っている。
あれれ〜と思っている間に、なんとな〜く この楽章が終わってしまった。

2楽章
弦の低音のピチカートが、ぼよ〜ん ぼよ〜んと弾かれている。
リズミカルという感じも、寒々しいという感じも少ない。ファゴットが、鬱鬱と吹いていく。
もっとやっぱ、テンポアップしていってもらわないと、と、ブチブチ文句を言っていたら、ようやくエンジンがかかったのか、途中から、金管が咆吼する直前で、テンポが あがる。
どうやら、エンジンが冷え切ってたらしい。「どれれ〜みみ〜ふぁふぁ〜」
いったん静まったあと、フルートが奏でてくるところは静謐な感じがしているし、ここからは 良くなるのだろうか。ちょっと期待するものの・・・、あのピリピリして緊張感が走っていたウィーン・フィル盤とは、雲泥の差。
楽章途中からは、録音も良くなったような気がするし、弦も、木管の響きも、よくなったような気がする。
特に、金管が音のヌケが良くなった。
かなり聴き応えがでてきたな。
「どれれ〜 みみ ふぁふぁふぁ〜 みれー 」 ティンパニーの音も響いている。でもなあ。テンポがなあ。
イマイチ迫力がなく、勇壮でも、熱くもない。
金管の咆吼が、異様に大きく聞こえきて〜 どーして、ここだけ? と疑問に感じてしまった。
楽章最後になると、ほのかに ゆったり燃えてくる。ところどころ。いいな〜とは思うように。
ヴァイオリンの揺らめく音、チェロの音色が良い。最後の咆吼も音が良いが、リズム感がなあ〜イマイチ。

3楽章〜4楽章
後半の楽章は、ここは、テンポアップ気味に演奏される。
このマゼール盤、1・2楽章は聴かないで、3楽章から聴くのが良いぐらいで・・・(そんな〜っ)
雷のような金管は、しっかり音が、聞こえてくるので良い。
中間部分は、音の受け渡しが、あまりスムーズではなく、隙間が、ぽっかり見えてしまう。
4楽章では、ヴァイオリンよ、もっと歌ってくれ〜っ。しっかり歌うんだぁ〜と、応援するもののイマイチ。
テンポが、やっぱ鈍重なのだ。
これではシベリウスの値打ちなし。弛緩してしまい、冷たさ、怜悧さが、う〜ん。聞こえてこない。
それか、もちっと、雄大に奏でてもらわないと。中途半端になってしまうのだ。
低弦が、ゆるやかで、滑り落ちているというか、ぬめ〜っとしており、自然の厳しい風景が彷彿としてこなあい。
う〜ん。どうしちゃったのぉ。 あのマゼールは、何処へいっちまったんだい? 切れ味鈍くなっちまって。
信じられないっ。
3音で上昇していくところの出だしは良い。でも、期待していたら肩すかしをくらう。
オケが充分に力を発揮していないようで、音の切れがイマイチ。引きづった感じが、つきまとってしまって。
テンポと音の切れが感じられず、小春日和のシベリウスになってしまって、眠気を誘う。
ティンパニーの叩き方は、おもしろい。金管の和音もいい音ですよ。

でも、全体的に、冷たい風が吹き荒れているというより、ゆるやかに、花びらでも散ってるようで・・・。
まるで、桜のしたで、まどろんでいるような、BGMに聞こえてしまった。まあ。これも一興だと思ってみても良いのだが、ワタシ的には、凍り付くようなウィーン・フィル盤が懐かしいです。 マゼールさん、どうか復活してくれぇ〜っ。


サラステ フィンランド放送交響楽団 1993年
Jukka-Pekka Saraste
Radion sinfoniaorkesteri
(Finnish Radio Symphony)

なんじゃ こりゃ〜 ← 録音状態に、ぶーっ!

録音状態は、幾分こもりがちで、スッカとしていない。演奏自体は、爽快さを感じるものの〜 競合盤の多い曲なので、これでは・・・。
サンクトペテルブルグでのライブ盤
カップリング:
1〜4 シベリウス 交響曲第2番
5〜8 シベリウス 交響曲第4番 
1楽章
ライブ盤だからか、録音状態が、イマイチ籠もりがちで、靄がずーっとかかった感じでスカッとしない。
ホールトーンも、もちろんあまり感じないので、少し不満が残る。
テンポは、冒頭はさほど速くなく、ゆったり〜と出てくるものの、弦のピチカートが始まるや、快速に変わる。
えっ! と思う暇もないほどに、サクサクサク・・・と進むし、さらさら〜した感覚となる。2/2拍子に変わっているんだね。
で、拍子は、再度、6/4拍子に変わっている。
小股のきれあがった〜という言葉が適切かどうかワカラナイが、サワサワした風の雰囲気が良く出ている。
金管のフレーズは、「たぁ〜ら たらら たったぁ〜」と、上昇していくノビのところは、とても力強いし、金管の和音も美しいが、木管のフレーズは、もう少し丁寧であっても良かったかもしれない。
また、少しテンポをあげたりする場面では、アンサンブルはそこそこついて行っているが、次々と音が繰りだされてくるので、音が濁った感じを受ける。弾み方もどうも、中途半端な感じ。

2楽章
ティンパニーのロールで始まり、シーンとした緊張感が欲しいところだが、ファゴットのフレーズは聴かせてくれる。
ふぁ〜そふぁみふぁそふぁ みみぃ〜 と繰り返したのち、弦が、厳かに力強く奏でられるのだが、厚みとキチッとしたタイトな感じがあれば、もっと嬉しいかも。もわっとしており、ティンパニーのロールも、緩く感じてしまう。
もっと、厳しくタイトに、ハードにっ、ぐぐぐ〜っと押してくるような圧があれば良いのに。
確かに、ティンパニーは鳴っているんですけどねえ。金管がコラールのように吹かれているが、イマイチもわっとしているので、訴える力が不足しちゃう。張り詰めた、息をこらして〜という雰囲気が感じられず、 演奏そのものは、きりっとしていたんでしょうが、録音で大損しちゃった〜という感じでしょうか。

3楽章
ヴァイオリンが動くと、春だ〜と喜んで飛び回るミツバチのように聞こえてしまう。あれっ? そんなわけないですよね。
ティンパニーも低弦も、忙しく細かいパッセージを奏でているのだが、粉雪が舞っている嵐のような雰囲気が伝わってこない。スピード感は感じられるのだが、荒ぶる雰囲気がイマイチだろうか。
悲鳴をあげそうなツーンっとした冷たさが、どうも・・・
トリオの部分は、クラリネットに、オーボエが活躍するが、穏やかで平和な感じがする。
音が長くのびて〜 柔らかい弦の旋律が受け継がれていく。
もう少し木管が丁寧に甘く吹かれていれば〜 バリバリっと雷が鳴り響いている感じが、いっそう怖く感じられただろうに。
まるで、真っ白な銀世界のなかを、雷が鳴っているかのような、おっそろしい〜世界なのだが、アンサンブルも乱れそうだし、もっと前につんのめっても、ライブ盤ならではの迫力が出るように思う。
なにせ、もわっとしている録音に大損っ! あーっ もったいない。

4楽章
この楽章は、チューバの音が、ぶわっ ぶわっと吹かれていくが、その座りが悪いと安定しない。
弦がレガートというより、少しギクシャクしつつ降りてくるとこは、かえって個性的に聞こえて、なかなかによさげ。
低弦の響きがあまり入ってこない。木管だけが浮いたように聞こえてくるし、その吹き方が、う〜ん。もう少し丁寧に吹いて欲しいっ。なんとも愛想がないというか、リズミカルではないし、色気がないというか。荒っぽいというか。
もっと、弾むような感じで吹いて欲しいのに、どこか投げやりというか、雪が間に挟まっているかのような〜
金管の音の出し方もねえ〜
また、低弦の響きが薄いため、モゴモゴしているように鳴っており、明瞭ではない。
弦がもちっと頑張れ〜っ。ユニゾンで奏でられるところの、フレージングもねえ。粘りがなく〜
ペコペコ パコパコ・・・という木管の方が浮き上がってきて、どうも、オケ全体のバランスが悪いようだ。
盛り上げていく、フレージングの膨らませ方は良いのだが、オケのテクがついて行けてないように思えた。
う〜ん。ラストは、いささかオーバーだな〜と思うほど、壮大な楽曲だが、それはオケの鳴らしっぷりによるところが大きいし、それが、もっと緻密で、細かなフレーズが寄せ集まってくる、その集大成であるべきだと思う。
で、うねり、うねって〜 大きな渦になってこないと面白くないのでねえ〜

総体的にはラストの持って行き方は、堂々としているのだが、オケが、ちょっと・・・ ワタシ的には録音状態と共に、緻密さの点でイマイチでした。スミマセン。


1959年 モントゥー ロンドン交響楽団 Dec ★★★
1964年 マゼール ウィーン・フィル Dec ★★★★
1974年 ザンデルリンク ベルリン交響楽団 DS  
1979年 アシュケナージ フィルハーモニア管弦楽団 Dec  
1980年 カラヤン ベルリン・フィル EMI  
1986年 バーンスタイン ウィーン・フィル ★★★
1986年 ベルグルンド ヘルシンキ・フィル EMI ★★★★
1990年 マゼール ピッツバーグ交響楽団 SC ★★
1993年 サラステ フィンランド放送交響楽団 Fin ★★
1994年 C・デイヴィス ロンドン交響楽団 R  
1996年 ヴァンスカ ラハティ交響楽団 BIS  
所有盤を整理中です。

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