「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

シベリウス 交響曲第3番
Sibelius: Symphony No.3


マゼール ウィーン・フィル 1968年
Lorin Maazel
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

録音状態は悪くない。リマスターされているようなので、驚くほどクリアーに聞こえる。レンジも広く、低音も充分。なにより勢いが良く、メチャ、タイトで、すごみがある。


←下のCDは、交響曲全集盤である。
はじめは、録音状態がわからなかったので、代表格の2番を収録したCDを購入したのだが、こりゃー すごいっ。ということで、全集を買った。
後年、ピッツバーグ交響楽団との録音があるが、いや〜 このVPOの方が、ずーっとインパクトがあって強烈っ。断然、このVPO盤をお薦めしちゃう。

 

1楽章
冒頭こそ静かだが、そのうち一気に立ち上ってくる。コントラバスが力強い。チェロもかなり強く弾いている。小春日和というより、冷たい風が吹いている。寒いっ。嵐でも来るような冷たい風が吹いている。
厳しい世界が待ち受けているようで、不安な心境に陥ってしまう。
かなり速く、リズムが小刻みに揺れる。マゼールが意識して、かなり揺らしているようだ。
この点は、ベルグルンド盤とは異なっている。あくまでも、マゼール盤は氷の世界に閉ざされているようで、ほんわかしたフレーズが出てくるものの、分厚い氷の世界に閉じこもって出てこられない心境だ。
すげ〜 怖いティンパニーの雷鳴と、弦のピチカートが鳴って、えらいこっちゃー 急いで家に帰らないと。
と、身がすくむ。
ベルグルンド盤が、おどけた道化師が踊っている風情だったのが、マゼール盤は、どこまでもクール。
情け容赦なく。っという感じで、この曲に対する解釈が正反対っぽい。
楽章の最後は、ちょっと荘厳なイメージを醸している。氷の城の女王さまが、お待ちかねです〜とでも言われているようで、突然ファンファーレが鳴って、氷の世界にご入場って感じになっている。
まあ。ホントは、そんなメルヘンティックな世界でもないんだけどね。

2楽章
まるで死後の世界のように冷えている。ひぇ〜っ。やっぱ。氷の城だったのか。
妙に、外は明るいのだが、うすら明るいって感じで、芯は冷えている感じがする。
誰かに暖めて欲しい〜っと歌っているような、まるでマッチ売りの少女的世界のようだ。
どことなく、先の楽章から、童話の世界でも語られているような雰囲気がするのだが。
う〜ん。私だけだろうか。何故なんだろう。マゼール盤は、なんだか、語り部の世界が広がっているような気がする。
チェロやクラリネットの音色が、人の声に似ているからか? う〜ん。どうだろう。
中盤から、ますます透明度があがってきて、ひんやりしたフルートの音色が、澄み切った世界に奏でる。
こんな冷たく、澄み切った氷の世界に、ひとりぽっちに居ていると、メチャ寂しい。
暖かいフレーズがチェロで奏でられているが、なにか、元に戻りたい。家に戻りたいような心境になってくる。
これは幻想、夢のようで、まるで現実ではなく、はかない憧れの世界のように聞こえる。

3楽章
強く、らー クラリネットの音色が吹かれる。かなり変わったフレーズで、オリエンタルっぽい。
え〜 ここ北欧なのに。と、ちょっと土地勘が無くなってしまった。
これきっと、オーボエとクラリネットの音色のせいだ。
チェロだと思うが、ら〜〜しどれらっ どしら〜〜 
かなり面白い付点がついている。
最初に休符があって、途中から出てくるみたい。う〜ん。合いの手が、独特で、民謡調に感じる。
ん たぁ〜ら たたた た〜 ん たぁ〜ら たたた た〜 これが続く。 
バックで、しらそ〜ら しらそ〜ら と揺りかごに揺られてている。
ん〜 いかにも、独特の調べなのだが、これが妙に、民謡調に聞こえて唸りたくなってくるんだなあ。
(民謡なんぞシランのだが) なんだかハマルな。この音のリズム。
う〜ん やられたっ。3番、おもしろいヤン! と、マゼール盤に、すっかり、はまってしまった。
ベルグルンド盤でも、こんなに乗れなかったのだが・・・。
きっと、ベルグルンドは、自然に振っていたのだろう。
マゼール盤は、ことさらに不可思議なリズムを強調して、強烈に振っているのかもしれない。
しかし、これ〜良いっ。

かなり個性的な演奏だと思うが、この個性が生きているように思う。
一般的に人気のある2番なんぞより、この3番の方が、ずーっと、マゼールにあっているような気がする。
これは楽しい! リズミカルに明晰に、澄み切って、割り切った世界を描ききっている。
ちょっと派手めに最終コーダに向かって、一直線っ。ぶっちりぎーっの世界である。
ここまで、徹底的にやられると拍手しかないでしょう。

ザンデルリンク ベルリン交響楽団 1970年
Kurt Sanderling
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)

録音状態は、まずまず。豊かな木質感あふれる演奏である。

 

1楽章
テンポはゆったりめ。豊かな低弦の響きがある。チェロは甘い。メチャ甘っ。木管も太い音である。
たかたかたぁーんたん たかたかたぁーんたん
豊かな残響を伴って、のびやかに〜 浪々と歌っている。後期浪漫派的な演奏となっている。
ひや〜 いやぁ〜 最初に聴いた時は、まるでシベリウスではない・・・と感じてしまったのだが、聴いていくうちに、なんと暖かい、ほんわかしたシベリウスだろうと思うようになった。
ホント、これは端麗辛口の味わいではないが、これはこれであり? ・・・かな?
セレナーデでも奏でているような、甘めなシベリウス。

2楽章
まるで少女が初恋をしているかのようだ。ちょっと恥ずかしそうに、うつむいている感じがする。
歯切れの良い盤も多いのだが、ザンデルリンク盤では、ふかふかの落ち葉で一杯の公園の、とあるベンチでの語らい。という風情になっている。

3楽章
木管の透き通ったような吹き方と、甘めの音色が特徴的。
ぱら〜ららっ ららら〜 どこか風変わりな旋律なのだが、あまりアクセントを強調せず、自然になめらかに演奏している。たらら〜ら ららら〜 揺りかごのように響く。
弦は、全体的に伸ばしぎみ。
ザンデルリンクは、弦主体の旋律は、歌うように、最後をのばしてフレージングしている。
この3番は。シベリウスの1番と同じように、前期交響曲という位置づけなんだろうなあ。
初期と後期では、シベリウスは、変化しているんだが・・・この曲の位置づけは難しい。
テンポがあがってくるところでも、不協和音的でもないし、付点を強調していないので、なめらかすぎるほど、なめらかな楽曲になっている。
う〜ん。ザンデルリンクは、2番シンフォニーのように、豪快にフィナーレを飾りましょう。という、祝典的に演奏したかったのだろうか? う〜ん。
しかし、最大公約数的に演奏されると、この曲の面白さは半減しちゃうかもしれない。
ちょっと面白くない。

ベルグルンド ヘルシンキ・フィル 1987年
Paavo Berglund
Helsinki Philharmonic Orchestra

録音状態は極めて良い。クリアーで文句のつけようがない。

 

1楽章
冒頭、弱音で奏でられ、ほとんど序奏らしきものを感じることなく、主題へ。
コントラバスとチェロとだと思うのだが、不思議な東洋風5音的とも言える牧歌的フレーズが響く。
そこに、たらら〜ん フルートなどの軽やかで爽やかな木管が響く。ホルンが、まるでR・シュトラウスみたいに響く。最初に聴いたとき、ききとれたのは、ちゃかちゃか ちゃーんちゃん。
それに、あちゃ。音が採れないやん。
・・・ そふぁそふぁ〜 しらしど れれれどし ふぁふぁ〜ふぁ ししどしふぁふぁ〜
たかたかたーたん たた たかたか??? えっ。どこで区切るの。拍子が変だよ。 
う〜ん 不可思議な音の連なりと付点に惑わされ、何度聴いても首をひねって考え込んでいた。
いつも聴いている音階でないようなのだが、なんだろ?この変なヨナ抜き的音階。
でもヨナ抜き(ふぁ・し)のヨナは、しっかり入っているようだし。
ってなわけで、完全に唸ってしまった。なんとも不可思議な旋律だ〜。
そのくせ、なにやら懐かしいような横笛的、または、おどけた道化師が踊っているかのようなのだ。

とにかく、よくわからない、つかまえどころのないフレーズは、春の到来を喜んで、弾んでいる雰囲気にあふれている。
複雑な付点のリズムで、舞曲風にも聞こえるのだが、かなり抽象的だ。
1番、2番までの雰囲気とは一変しており、難解な楽曲だが、風変わりで、なんか面白い。
底抜けに明るいわけじゃ〜ないが、ちゃかちゃかちゃか ちゃーんちゃんー のリズムに乗れる。
木管と、弾むような弦との絡み。ホルンもよく似たフレーズをサポートしている。
室内楽的で地味だけど、なんか不思議と、うきうき気持ちよくなる音楽である。
ホントは、この3番をマゼール盤で聴き始めたのだが、リズムがよく分からず、困り果てて、ベルグルンド盤で聞き直してみたのだ。 ベルグルンド盤で、目覚めたんだよなぁ。

2楽章
ちょっと困った〜と瞑想しているのか、ちょっと憂いのある旋律を、フルートが物悲しく吹いている。
散策しているような、立ち止まって考えたり、もの思いに沈んだり〜 シンプルだけど優しい。
このフレーズは覚えやすい。(笑)
ベルグルンド盤は、静かに思索しており内省型っぽい。
マゼール盤は、ぐいぐい押すタイプで、かなり強引に散歩に出かけたのは良いが、帰る時間が決まっているように、どことなく落ち着かず忙しい。
かなり美しい旋律で満ちあふれており、うふふ。と微笑んでいるような幸福感がある。
小さな家だけど、家族がいて、とてもシアワセ・・・という感じなのだ。こちらまで嬉しい気分に。

3楽章
浮かれたような旋律もあるが、自然の風景を描いているわけではなく、暗くなったり、明るくなったり。
ちょっと風変わりなフレーズが続く。
不安定なところと、ダイナミックに動きだそうとするフレーズが交錯している。
リズミカルで、フレーズが形をつくっていくようで、すぐに消えてしまったり。
シャボン玉のように形ができたと思ったら、弾けて目の前から消える。
ヴァイオリンだけが主旋律ではなく、伴奏に徹していたりするし、ヴィオラの音色が前面に出てくるところもあって、フレーズが多種多様。
続いて、弦と木管だけのセッションがあり、シンフォニーというより、こぢんまりした室内楽的風。
いたって穏やかで、ふわっと〜した爽やさにあふれている。
ベルグルンド盤は、見通しが良いことと、金管やティンパニーが入ってきても、その室内楽的な雰囲気を壊さないところがいい。
ふわーっと、弦に乗ってくるような感じ。この感覚ってスゴイなあ。
ティンパニーなんぞ、ダメ押し的に叩く盤が多いんだけど。最後、綺麗な和音で終わる。
聞き比べると、ベルグルンド盤が、一番、まっとうなんじゃないかと思う。いや、この表現だとトテモ失礼である。安心して心地よく聴け 、じんわりしてくる名盤だと思う。

C・デイヴィス  ロンドン交響楽団 1992年
Colin Davis
London Symphony Orchestra

録音状態はイマイチ。ドンシャリ傾向で、全体的に籠もっている。
デイヴィス2度目の全集版 1度目はボストン響と、3度目は同じロンドン交響楽団とのライブ盤が出ている。

1楽章
まろやかな音が響いて出てくる。かなり豊かな音響で、コントラバスとチェロがまろやかに溶け合って、1本の太い線で奏でられる。
風変わりなフレーズなのだが、ぎくしゃくしていない。
マゼール盤なんぞ、何度聴いても変なアクセントに、変な節回しに聞こえるのに、デイヴィス盤だと、まろやかに聞こえてくるのだから、すごい違い。
しっかり4拍子の枠のなかで、たかたかたぁーんたん たかたかたぁーんたん とリズムを刻む。
ちなみに、トロンボーンの部分を何度も聴いてみたが、らー そらふぁ〜みふぁれ どれふぁ〜 
最後、もにょもにょと4つの音を、縮めて折りたたんでいるような気がした。楽譜なんぞ見ていないので、4つの音とは正確には言えないのだが・・・ 
う〜ん。かなり大きな金管なんだが、弦の音に隠れてよく聞こえない。
でも、次のフレーズに力強く移行することで、リズムを大事にしているようだ。
弦がまろやかに、ゆったりと弾かれている。決して、マゼールのようにガシガシに弾かない。ティンパニーは、ちょっと緩めで大きく響かせている、チェロの音が太い。(つま弾いているのか?)
ものすごーく、聞きやすく、まろやかに中和されている。驚きっ。
雄大な世界が目の前に広がっていくような、そんな心境だ。
心地よく、ティンパニーが連打されているし、弦のチャカチャカ チャカチャカ 鳴っているのだが、前の方は強め、後ろの方は弱めというように、強弱が自然につけられている。
そこで心地よいリズムが生まれるようだ。う〜ん。演奏者によって、こんなに大きく違うなんて〜すご。

2楽章
ほんわか〜とした演奏で、フルート協奏曲でも聴いているようだ。柔和な表情づけである。
シベリウスの楽曲とは、ちょっと感じないほど。
ベルグルンド盤は、爽やかに駆け抜ける風のなかで、散策しながら物思いに耽る。瞑想する人を描いているような気がするのだが、デイヴィスは、まったり。じっくり。
豊かな森のなかの幻想的な雰囲気を醸し出しているような気がする。
う〜ん。なんか、あくまでも雰囲気なんだよなあ。内省的とは言いづらい。心象風景という感じになっていないのは、どうしてなんだろ。どこで、どーして、こんな受け止め方に違いがでるんだろ。う〜ん。
でも、ホント柔らかい。まろやかだ。

3楽章
風変わりなフレーズが、ことさらには強調されていないのだが、太い線で、ぐいーっと描かれている。
強調しなくても、フレーズそのものが独特で個性的なので、めだつ。というか、音色が変わっている。
なんか1音違っても、こんなに違うの〜っ。という雰囲気だ。
う〜ん。音楽の知識がないので、なんとも言えないのだが、分散和音なのかなあ。
ベルグルンド盤、マゼール盤、デイヴィス盤の3つを聴いたのだが、ふと。 
不協和音を、1音1音つらばらかせて旋律にし、前もって聴かせて不安定な気持ちにさせておいて、最後は、穏やかな和音で締めくくる。
そんな構図いや、作戦に見えたのだが・・・。どうなんだろう?
交響曲3番なんて、シベリウスのなかでもマイナーだし、詳しく書いた解説書も持っていないんで、作曲者の意図がよくワカラン。
でも、デイヴィス盤を聴いていると、なんとなーく、心地よい和音を重視しているようで、弦の和音を大事にしているように思える。
心地よさの和音が、どこにあるのか、その一点に集中しているような気がする。
それまでは、なんとなく変奏曲みたいに、コロコロ音が変わっているだけのようで・・・
抽象的で、不協和音的な要素を多分に含んでいる旋律があるのだが、あまりそこは、強奏していない。
う〜ん。しいて反対もしないが、主張もしないってワケか。
なんだよぉ。ずるいやん。とは思うのだが。
デイヴィス盤は、最後の和音、つまりコーダの最後の和音一点だけにフォーカスが当たっている。
そんな気がするのだ。う〜ん。勝手な推理なのだが・・・

デイヴィス盤は、録音状態があまり良くない。残響が多めで、低音がドンシャリ傾向にある。
透き通った、ヌケの良い状態ではないので、暖かく、幾分ゆるめに聞こえる。それが良いのか悪いのか。なんとも言えない。オケの音色にも違いもあるし、最終は、好みに大きく左右されると思う。
しかし、ひんやりしたシベリウスが好きな方には、イマイチ・・・だと思う。

サラステ フィンランド放送交響楽団 1993年
Jukka-Pekka Saraste
Radion sinfoniaorkesteri
(Finnish Radio Symphony)

カップリング: 3番 6番 7番 ライブ盤 
録音状態は悪くはないのだが、ホールの響きがイマイチ。あまりヌケが良くない。マイクが遠いらしく、ボリュームをあげてききたい。

1楽章
テンポは速め。さくさくさく・・・とフレーズを刻んでいく。なんとも爽やか。
春風が吹いているようで、頬を、さらさら〜っとなでていく。フレーズの立ち上がりの速いこと。速いこと。
メチャ快速である。あの、もったいつけた厳しいマゼール盤とか、まったりしたデイヴィス盤なんか、ぶっ飛んでしまうような、快速バージョンである。
しいていえば、ベルグルンド盤より、もう少し若くて、勢いのある速さかな〜と思う。
カシャカシャカシャ・・・と、弦が動いているし、風変わりなフレーズも、一気に流れていって、止まるということがない。ひえ〜 こりゃスゴイわ。

2楽章〜3楽章
テンポはゆったり落ち着いてくれるが、さらさらのひとこと。小気味よく音符が跳ねているし、揺れている。
なんだか、このリズムの心地よさは、天性なモノなのだろうか。決して、ギクシャクせず、かといって、ただ単に流れいくというわけもなく、グサグサ楔を打ち込んでいくわけではないんだが。
打つポイントは、はずしていないようだ。
いつのまにか、それまで弾んでいたリズムが、おとなしくなて消えており、変わって低弦が主体に入れ替わって、自然に〜するする〜っと、厳かな和音に入っている。
気がつけば、へっ 主題が変わってるやん。とびっくりするのだ。いつ変わったのぉ〜っ。
シベリウス特有の冷たさや重厚さはないが、親しみやすい。

何度か繰り返していくと、口ずさめるようになって、自分で驚いてしまう始末。
あまりに、サラリとしすぎて、なんじゃ〜こりゃ。という向きもあるかとは思うが、このサラステ盤は、浸りきって、他の盤と聞き比べるという聴き方よりは、BGM的に繰り返して流してフレーズを体で覚える。
そんな聴き方でも良いかなと思う。晦渋さとか考えなくても良いぐらい、颯爽としていく。痛快だ。

ヴァンスカ ラハティ交響楽団 1997年
Osmo Vänskä
Sinfonia Lahti(The Lahti Symphony Orchestra)

録音状態は、極めて良い。透明度が高く、ひんやりしている。
ただ、かなり弱音部分があり、ボリュームをあげて聴きたい。
 

 

1楽章
テンポは速め。
いつ出てきたの〜というほど、冒頭は、音が聞こえないほどの弱音。
何度聴いても、途中から出てくるような気がする。 ・・・しらしどし れれれどし ふぁふぁ〜ふぁ ししどしふぁふぁ〜  なんか数小節は聞き逃していると思う。
でも、さらさら〜っと聴けて、ふわーっと伸びていく。合いの手の木管も良い音で、気がついたら、ゆたかでまろやかな金管が吹かれている。
弦の音色が軽やかで、他の盤とは、また違ったフレーズの揺れを感じる。
ベルグルンド盤のような小春日和的な、うきうき感は少なめである。
で、ヴァンスカ盤は、ベルグルンド盤より、もう少し抽象的な表現である。
ちょっと、つかまえどころがないようにも思うが、なかなか〜この盤は、フレーズそのものより、もっと違う感覚が、とぎすまされる。ヴァンスカ盤は、空気感が張りつめていて、透明度が高い。で、ティンパニーが強烈で、怖い。というのが私的には定説になっている。
実際、盛り上がってきたところで、この楽章でも、ティンパニーが響き渡って、カッシと叩かれる。
風変わりなフレーズ、ちゃかちゃか ちゃーんちゃ〜ん。(パンパンパン) ちゃかちゃか ちゃーんちゃーん。
3連続が何度か叩かれるが、まあ。この3番では、さほど恐怖の連打はない。
むしろ、チャカチャカ チャーンチャーンの後の、木管の鳥が鳴いているような、ッパパパ ッパパパ の背後で叩かれるティンパニーや、楽章最後の和音の響きは、とても雄大である。

2楽章
C・デイヴィス盤のような柔和な表情づけではない。ベルグルンド盤は、内省型っぽい表情だった。
マゼール盤なんぞ、氷の世界が広がっており、マッチ売りの少女的だった。
で、ヴァンスカ盤は、暗いとか、冷たいという感覚的な言葉では、なかなか表現しずらい。
なんどか繰り返して聴いてみたが、前半は、感覚が麻痺して、死んだように感じる。
中盤以降は、フルートが生命力を蘇らせたようなのだが。フルートとクラリネットかなあ。木管が、ふわふわ〜っと空中を漂っているようだ。
うはっ これ。もしかして、魂の抜け殻&空中に漂う魂かあ。と感じて、ちょっと・・・ぞっ。
実は、この楽章は、変奏曲なので形が変わっていく。で、奏でられる楽器で、かなり印象が変わるのだ。

3楽章
前楽章とはうってかわって、コミカルな風変わりな楽章である。
木管がコミカルに序奏をした後、ら〜しどれしっら〜 と印象的な短いフレーズが鳴る。
この 〜んた〜ら ららっら ら〜 舞踏風のコミカルで悲しいリズム。これが何度も繰り返されている。
他の盤だと、なんだか味付けが、まったりしているというか。
ことさらに、コミカルさが強調されておらず、中庸的なのだ。(但し、マゼール盤は除く)
でも、ヴァンスカ盤は、弦の和音が続くところも美しいが、木管の風変わりで安定しないところが、わりと面白く聴かせてくれる。スパイスが効いているとでも言うべきかな。

ホルンを初めとした金管や、木管を聴いていると、これっ 蒸気機関車が走っているように聞こえた。
う〜ん。そうだ。機関車だっ、弦のカシカシ・・・が、回転度数だろう。
そう思って聴き出すと、う〜ん。白い大地に、真っ黒な蒸気機関車が走っているような光景が、ふわーっと広がってきた。(ハハハ・・・幾分、妄想に近いが)
最後の楽章は、マゼール盤のような、大袈裟な演出はしていない。むしろ、静かに盛り上がっている。
力まかせでもないし、奇抜さが前面に出ている盤ではないが、いつもだと、あまり気にしない中音域や、木管の音色、木管間のフレーズの出入りなどが、とても印象に残る演奏となっている。
これは、分析したい〜と思われる方は、何度でも繰り返し聞ける盤である。
1968年 マゼール ウィーン・フィル Dec ★★★★
1970年 ザンデルリンク ベルリン放送交響楽団 Brilliant ★★★
1987年 ベルグルンド ヘルシンキ・フィル EMI ★★★★★
1992年 C・デイヴィス ロンドン交響楽団 ★★
1993年 サラステ フィンランド放送交響楽団 Fin ★★
1997年 ヴァンスカ ラハティ交響楽団 BIS ★★★★★
所有盤を整理中です。

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