「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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シベリウス 交響曲第4番
Sibelius: Symphony No.4


シベリウスの交響曲第4番イ短調(作品63)は、シベリウスが40歳半ばの1911年に作曲された作品です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

第1楽章 イ短調、自由なソナタ形式
第1主題は、導入の動機に続いて6小節目からチェロによって奏でられます。様々なモチーフが、楽章を形成し、第2主題は、金管が奏でます。木管が応えたのち展開部となり、第1主題を中心に扱われ、再現部は第2主題に始まり、コデッタも型どおり再現されます。その後、短いコーダとなり不気味な余韻を残して静かに終わるもの。

第2楽章 ヘ長調 形式的には短いトリオと極めて長い終結部をもつ不規則な三部形式
3/4拍子のスケルツォ主題は、オーボエによって提示され、短いトリオは2/4拍子で、弦による主題が奏でられます。
長大な結尾は、スケルツォから次第に幻想曲風になり、あっけなく終止します。

第3楽章 嬰ハ短調 自由な形式
瞑想に富んだ楽章で、主題の全容はなかなか明らかにされず、39小節目になって、チェロが奏してその姿が明らかとなります。短いモチーフをモザイクのように組み合わせ、その有機的なつながりは精妙で、思索へと導くものとなっています。

第4楽章 イ長調(イ短調で終わる) A−B−A−B形式
主題は、第1ヴァイオリンによって提示され、モチーフがロンド風に絡んで行きます。グロッケンが要求されているが、グロッケンシュピール(鉄琴)が用いられることが多く、副主題は弦に現れ、薄気味悪い雰囲気を醸し出す。両主題が再現された後、弦によって重苦しく結ばれるものです。

初演は、晦渋な作品として批評家等の評判は高くなかったそうですが、シベリウスの自信は揺らぐことはなかったとか。確かに、いささか暗さが感じられ、すっと終わってしまう楽曲です。ですが、解りづらいというモノではないように思います。

ラトル バーミンガム市交響楽団 1986年
Simon Rattle
City Of Birmingham Symphony Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。音が吸い込まれていくかのような、とても不思議な演奏で、単に静謐っていう言葉では、ちょっと言い表せない感じがする。

1〜4 シベリウス交響曲第4番
5〜8 シベリウス交響曲第6番  
1楽章
この4番の冒頭は、すごい低音の響きで奏でられている。
「れみ そぉ〜 ふぁ〜 そぉ〜ふぁ〜 そぉ〜ふぁ〜 そぉ〜ふぁ〜・・・」
地の底から、這い上がってくるかのような低弦の響きがあるが、 チェロのフレーズがとても美しい。
軋むような不協和音なのだが、すーっとした音で、もわっとしておらず、通る音質なので、ラトル盤で聴くと、密やかで清冽な泉のような感じがする。
熱いマグマというよりは、綺麗な泉のような、ヒンヤリした感覚で、形の整った響きというか、明晰さが感じられる。
もちろん、金管も入っているのだが、弦楽合奏曲のように、とても整った弦のフレージングで、まるで、ヒンヤリした美術感で、八頭身の大理石の彫刻を見ているかのようだ。整った息づかい、フレージングは、ホントにみごとで、弦と木管のフレーズが特に素晴らしい。

2楽章
この木管、 「しぃ〜〜 らそふぁみ れしふぁそっし れぇ〜しそ どぉ〜れみ れしそみ れぇ〜」
「れそられぇ〜 れ〜 どら れぇ〜」というフレーズは、ホント、ここだけ切り取って飾りたいぐらいに美しい。
オーボエの音を始めとして、木管群のフレージングは、本当に透明度が高く、純度が高い。空気の波動が感じられないほどに、それだけが存在しているかのように聞こえてくる。
あらま〜 とっても良いっ。思わず息をのんでしまった。
これに合わさってくる弦の鋭さと、弾力のあるノビ感が、柔らかくも鋭く、空気を突き破ってくるような感覚が味わえる。
録音状態も良く、シャカシャカした雰囲気もあって、直線的なのだがスマートでありながら柔らかい。
どういえばよいのか、言葉が見つからないのだが、洗練されたバランス感覚というか、隅々まで、神経の行き届いた感じというか、神秘的な雰囲気と静謐さが、同時に存在しているような気がする。
生命体と無機質な雰囲気があって、樹木の間で、精霊たちが爽やかに飛び交っているような感じというか・・・。
あーっ 言葉にするのが、まどろっこしいぐらい、感じるものがあるのだが、それが何なのか、ワタシにはわからない。

3楽章
弦楽合奏は、ずーっと続く感じで、木管の受け渡しが行われている。ここの木管は、ホントに透明度が高く、そのまま、すーっと永続的に続くかのように通っていく。目の前を絹糸が1本、横に張られているかのようだ。とても密やかで、ビブラートがほどんど感じられずに、素のまま出て行くかのようだ。
金管のフレーズも、同じように、シンっとした張り詰めた空気のなかを、波動も起こさずに鳴っているかのようだ。
音が、どこか目の見えないところに、すーっと吸い込まれるかのような不思議な感覚となっている。
なんともいえない無音の世界のようでありながら、音が出てくるって感じで、う〜ん とても不思議な現象が目の前で繰り広げられているような感じだ。

4楽章
音の分離が良いので、弦の弾むリズムと、金管と鉄琴の響きが、すごく響いてくる。
さらっとした流れがありながら、弾むリズムが、ぶっとんで行かないで、一定にコントロールされているというか、やっぱり弦楽合奏的な雰囲気のなかで、溶け合うところと、水面から一瞬顔を出すかのような面白さを感じる。
テンポはさほど速くないが、さらさらと、こぼれ落ちるかのような、手ざわりがあり、弦も木管も、溶け合うかのようでありながら、溶け合わず、しっかりと、パーツで組み合わさっているかのような感じがする。
1つのオケなのだが、木管群なら木管群で、室内音楽のように、しっかり分離しており、ハッキリと目に見えるかのように聞こえてくる。離れた距離を感じつつも、1つにまとまろうとしている、どう言えば良いのか、客観的でありながら、主体をもった存在のように音が、ひっついたり、離れたりして有機的に動く感じがして、う〜ん。 動きながら、パーツが呼応して、行き交っている感じがする。
熱いのではなく、完全にヒンヤリしているのに、ロマンティックでもあって〜 完全に無機質にならず、適度に、人肌の暖かさも感じられ、大変、不思議な感覚に包まれる。いや〜 なんでしょ。この不思議感は・・・。
(あまり余白を持たずに、6番に進む)


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ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 1989年
Herbert Blomstedt
San Francisco Symphony

ばっちグー!

録音状態は良い。暖かく明るい音質で穏やか。グラデーションのように音が響き、まろやかさに包まれた優しさが感じられる。最終楽章は、チューブラベル使用している。
カップリング:シベリウス 交響曲第4番、第5番
シベリウス交響曲全集も発売されている。

1楽章
「れぇぇ〜みぃ そぉ〜ふぁ〜そぉ〜ふぁ〜そぉ〜ふぁ〜そぉ〜ふぁ〜・・・」
ものすごく力強い低弦の引きから始まり、「そぉ〜ふぁ〜 そぉ〜ふぁ〜っ」と揺れている間に、徐々に形を消していく。最初の一音めが強烈なので、振り子的な印象と強く受ける。
「しれれ〜ふぁ ふぁ〜 ふぁそみれみ み〜 れふぁれ〜れどれ・・・」と、悲しいチェロのフレーズが流れてくる。最初は沈痛なのだが、 時間の経過とともに、上昇しヴァイオリンが加わると、音質が少し明るめに変化する。そして、低弦の蠢きが後方から、暖かい空気を送ってくるように聞こえる。
金管が鳴り出すと、まろやかかな光が射し込んでくる。
この空気の暖かさは、録音状態と、オケの音色によるところが大って感じだろうか。
音の陰影、コントラストが強めで、分厚い音から薄い音まで、音のグラデーションを作り上げてくるようだ。
音質の幅が広く、ダイナミックに響いてくるのだが、ガツガツした重さではなく、重さまでもがグラデーション化されてて、すごい。聞き惚れてしまった。
メチャクチャ暗くて、晦渋で、苦虫を潰したような4番だという感覚には、う〜ん。これは陥らない。

ヴァンスカ盤で聴くと、夜、生命体が成長しているような感じを受けたのだが、ブロムシュテット盤で聴くと、夜明けの太陽が昇ってきた頃、大地から、水蒸気が立ち昇っていくような雰囲気がする。
ミュート付きの金管のフレーズが、太陽の煌めきを感じさせ、金管の明るいサウンドが、放射線状に、広がっていくような、伸びやかで、爽やかなイメージを受ける。
う〜ん。受けるイメージは、かなり異なるなあ。

冷たく、押さえつけられた悲痛な悲しみって感じではなく、前向きになれるような、自然的な感覚が生まれてくる。確かに、不協和音は鳴っているし、重いんですよ。楽曲自体 は。でも、なーんか、明るいですね。希望が感じられるようなモノを、ブロムシュテット盤には感じられるんだけど。う〜ん。すごい。
金管のファンファーレも、柔らかくて開放的だし。
ノビをして、さあ〜頑張ろうって、新鮮な空気を吸いたくなっちゃう。うん。朝起きたときのような気分だ。

2楽章
「しぃ〜〜 らそふぁみ れしふぁそっし れぇ〜しそ どぉ〜れみ れしそみ れぇ〜」
「れそられぇ〜 れ〜どら そぉ〜 しぃ〜ど〜れみれ〜」
なんて、柔らかくて可愛いオーボエなんだろ。冷たい空気を突き破ってくるようなオーボエではなく、人肌の温かい音がする。
「れそられぇ〜」「ん タタ〜」という短いパーツが飛び交う楽章だ。
森林のなかを迷うなか、自分の周りを、樹木の精霊が飛び交っているような感じがする。
「しらそぉ〜 みっそみ れぇ〜どぉ〜(ふぁどっ)」「ふぁみれ〜 しれし らぁ〜そぉ〜(ふぁどっ)」
決して暗くないのだけど、急に不安に駆られる。すっと、いつの間にか、消えるように終わってしまう楽章で、夢を見ていたのかな。って感じに。

3楽章
瞑想的な楽章で、フルート「しぃ〜 どれふぁみ〜 らぁ〜 しどみ そ〜 れぇ〜みふぁら」と奏でられる。
小声で誘われるような音型で、語尾をふっとあげてくる。
音の響きが、ふわっと丸く響くので、幻想的な雰囲気が、すごーくする。

不安な感覚が支配しており、冷たい録音ではない分、余計に生き物的な息づかいがすることと、自分を取り巻く不思議な世界に、ひとり置いてけぼりをくった感じにもなって〜。
はっ。と寂しさに、虚無感に気づく感じがするのだが、どこかで見守って貰っているような気もするし。
ふっ。と、辺りを見回す気持ちに・・・。

フレーズ自体は、厳しいモノではないし、驚愕に駆られるモノではないし、訴えかけるような旋律ではないのだが、聴きようによって、何とでも感じられるような楽章だな〜って思う。
自分との対話をするための楽章なのだろうか。 ブロムシュテット盤では、穏やかな弦の響きと、金管のソフトな響きが美しく、息づかいが深いので、まるで、目に見えないものに包まれているかのようだ。
そして、時折、木管の響きが、何かを語ってくる。言葉にならない言葉みたいで〜 耳を傾けたくなる。
フレーズが、散文詩のように短く、禅問答のように問いかけてくる。
ブロムシュテット盤では、なーんか落ち着いて聴けるので、さほど長く感じない。

4楽章
通常は、鉄琴が使われているのだが、ブロムシュテット盤は、チューブラベルを使っている。
このチューブラベルの「しどれ どっし〜」「ふぁそら しっら」という音色が、すごく柔らかく、教会で聴いているかのような雰囲気を醸し出す。
草原のなかの小さな教会の鐘であるかのようで、ふふっ。とっても可愛い。
ブキミなフレーズにも受け取れる弦のうねりなのだが、外で嵐が吹いているわけでもなく、時が流れて、タイムスリップしたような、幻想的な雰囲気だ。
チェロを主体とした弦の響きが、とても柔らかく、ヴァイオリンがコミカルに笑いかける。オチャメだなあ。
ここのヴァイオリンの主題は、ちょっぴりニヒルだが、はにかんだような、コミカルさも感じられる。

チューブラベルは、何を象徴しているんだろ。ワタシには、教会の鐘だと思われるが〜 
これは、救われたい、救ってあげるよ〜という気持ちの表れだろうか。
ヴァンスカ盤では、鉄琴(グロッケンシュピール)が使われていたけれど、そう考えると、柔らかいチューブラベルは、嬉しい起用である。
「しぃ〜 らぁ〜 しぃ〜 らぁ〜」っと、木管が鳴り、クラリネットの短いグリッサンドが、楽しげに響く。
あーっ きっと、村のお祭りが遠くで始まったんだ。って感じだ。
幻想や瞑想の時間は終わり、少し現実の世界に戻ってきたのだろうか。
いや、瞑想に戻ろうとしているのか、弦の細かいフレーズが、心の揺れを感じさせる。
楽章最後には、主題が戻ってくるものの、弦によって沈み込んで、すっと消えちゃうんだけど〜
ありゃ 終わり? あー 救済されなかったんだ。という感じで終わっちゃう。

ちょっと、やりきれないなぁ〜って感じる難しいシベリウスの4番なのだが、ブロムシュテットさんの演奏で聴くと柔らかい。
そして優しい。多分、ホールの残響が豊かで、音の余韻が、ふわっとした膜のように覆われているので、優しいと感じるのだと思う。特に、ブロムシュテット盤では、可愛いチューブラベルの音が綺麗に入ってくるので、 最終楽章が、まるで様相が異なって聞こえる。
現実の世界で、救済されるのかと思いきや、最後がなあ。やっぱダメでした。みたいな終わり方なので、かえって切なくなってしまったのだけど、でも、ブロムシュテット盤で聴いて、なんだか、かえって安心しました。 ワタシ的には、人となりの感じ方が、4番のなかで感じられて〜 4番に親しみを感じることができた。そんな演奏です。


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サラステ フィンランド放送交響楽団 1993年
Jukka-Pekka Saraste
Radion sinfoniaorkesteri
(Finnish Radio Symphony)

う〜ん。どうだろ

録音状態は、まずまず。幾分こもりがち。さらっとした爽やかさのある演奏で、木管に色彩が感じられる。サンクトペテルブルグでのライブ盤
カップリング:
1〜4 シベリウス 交響曲第2番
5〜8 シベリウス 交響曲第4番 
1楽章
余談だが〜 ユカ=ペッカ・サラステさんって、良く似た名前のサロネンに押され気味なんだろうか。
ヴァンスカの後釜として、ラハティの常任に就任したらしいが・・・。
で、発売された当時は、結構話題になった盤なのだが、ライブ盤だからか、録音状態が、イマイチ悪く、スカっとしない。しかし、シベリウスの交響曲のなかでも4番は、なかなかに難しいが、サラステ盤は、結構、すーっと聴けて、さっぱりワタシ的には好きである。
なんていうか、深刻ぶっているというか、メチャ落ち込んでいるという感じではないのだ。
で、良い意味で〜聴きやすい。

録音時間そのものは速めだが、弦のフレーズに爽やかさがあり、間合いも充分に取っている。
この4番の1楽章は、低弦に重みを持たせる加減って難しいなあって思う。
低弦よりも、中音域を下支えにして、そこから上の弦のフレーズに軽さがあると嬉しいかも。
透明度のある、軽さが欲しいかなあ。って思う。それに、あまり粘られると、うぷっぷ〜 ごっつい怖いティンパニーが鳴り響くと、う〜 ちょっと〜血の気が、引いてしまう。
ラハティ盤の、冒頭の低弦の響きだけで震え上がってしまったからなあ。

でも、このサラステ盤は、結構、モノクロームの世界ではなく、しなやかに、奥ゆかしいけれど、色彩があるのだ。ブロムシュテット盤ほどではないのだが、さらっとした肌合いで、爽やかで、木管が可愛い。
それに、「どれみ そぉ〜」というホルンの柔らかい響きと残響。
「そぉ〜〜 どっれ みぃ〜 れ〜 しれ ふぁ みそそしぃ〜 しそそれ しっれれ そそぉ〜」
あー 美しい。美しいなあ〜って、柔らかい、豊かな弦の響きの余韻に浸れる。
「そぉ〜 らどしぃ〜っ」というフレーズは、次は、木管に受け継がれる。
弦の和音がら どしぃ〜」というフレーズは、高音域の残響を残して、合間を充分にとって、金管のフレーズが入ってくるし、抽象画っぽいフレーズを描く、チェロのフレーズも泣かせる。
ホント、ライブ盤だということを、すっかり忘れてしまうほど、弦のフレージングに耳が、ずーっと釘付けになった。ライブ盤だから、録音状態はイマイチなのだが、そのなかで、立ち上がってくる弦の響きが、細身なのに強くて、豊かな音を響かせている。

2楽章
明るいオーボエが、「しぃ〜 らそふぁみ れしふぁそっし れぇ〜しそ どぉ〜れみ れぇしそ ふぁみれ〜」
「れそられ〜 どら れぇ〜」「どら そぉ〜」
ここのオーボエさん、なかなかに歌心あり。で、清々しい。
弦の細かい動きもテンポよく、で、低弦の響きが入ってくるものの、快活に動く。
弦とティンパニーのせめぎ合いみたいだが、さらっと、弦フレーズが、こともなげに、かわしていく。
ルートたちは、軽やかに鳥のように鳴いているし、木管の長く伸びるフレーズが印象的だ。
「しぃ〜〜 らそふぁみ れしふぁそし れぇ〜」
「しぃ〜〜 らそふぁみ れしふぁそし れぇ〜しそ どぉ〜れみれしそ ふぁそみれ〜」
「れそられぇ〜 ど〜らそ」
「ふぁ〜どし み〜らそ れそふぁ〜ど れそふぁ〜ど・・・」と、木管群と弦が絡んで、爽やかな空気を運んでくる。幸せ感があるのだが、そこに深刻なフレーズが、すぐに割り込んでくる。
「しらそぉ〜 みっそみ れぇ〜どぉ〜(ふぁどっ)」
「ふぁみれ〜 しれし らぁ〜そぉ〜(ふぁどっ)」
まあ、この深刻さに焦点をあててしまうと、サラステ盤は、う〜ん。
クレパスに突き落とされるかのような怖さは、あまり感じないので、もっと、厳しさがないとダメじゃん。って言われちゃうかもしれませんが・・・。風が巻き起こる感じはする。

3楽章
座禅でも組んでいるかのような楽章で、う〜ん。いつもこの楽章は、瞑想的な胸中になるのだが、サラステ盤でのフルートは、邦楽風の横笛に似た感じを持ちつつ、柔らかいホルンに包まれていく。 厳しさより、優しさのある感じだ。
虚無感までには至らないまま、チェロの主題が顔を覗かせ、「ふぁ〜 られ〜 みふぁ〜そぉ らぁ〜しぃ〜ら〜し〜 どぉ〜」と、途切れ途切れの息づかいで語る。
ファゴットとフルートのフレーズが、寄り添うというより、互いに、別の次元に心を奪われていくようだ。
旋律が絡まないまま、楽器が、別々に奏でられていくのだが、そのうちに、強い主題に集約されていく。
まあ、こんな構成なんだな〜と、何度か繰り返して聴くウチにわかってきたのだけど・・・。 サラステ盤で聴くとわかりよい。というか、流れがつかみやすいように思う。

4楽章
リズミカルな最終楽章なのだが、弦の柔らかさは感じられるものの、もう少し弾んだ感じがあっても、良かったかもしれない。カシっとした、腰の強さが、あまり感じられないのだ。
ブロムシュテット盤は、チューブラベルを使っているが、サラステ盤は、通常の鉄琴が使われている。
で、この鉄琴が、心なしか弱いんだよなあ。
しかし、クラリネットなどの木管群は、とっても、カラフルで、活気がある。
シベリウスの旋律は、細かくて短い糸が織り込まれていく感じがするのだが、ここでの弦の役割って何だろ。チャイコフスキーのように歌うようなフレーズは出てこないし、弦が主体でまとめていくわけでもない。
でも、金管フレーズだけではないし。
短い弦の「れどれど〜」という繰り返されるフレーズのなかに、木管が入り込み、色合いを付けていく。
練り込まれていく過程で、強さが出てくるのかなあ〜

サラステ盤は、やっぱ、木管が綺麗ですねえ。きちんと主張しているんだけど〜 でも、主役になれない悲しさがあって、楽曲自体も、すーっとフェードアウトして終わっちゃうし。う〜ん。
サラステ盤で聴くと、1、2楽章はわかりよかったのだが〜
3楽章と4楽章は、特に、難しいっ。楽曲の難しさでしょうか。とほほ。


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ヴァンスカ ラハティ交響楽団 1997年
Osmo Vänskä
Sinfonia Lahti(The Lahti Symphony Orchestra)
orodin Trio

こまちゃったなぁ

録音状態は良い。息づかいが深く、形にまだ成りきっていない生命体が、成長過程にあります。って感じがする。楽曲の持つ晦渋さが、う〜 まず、とっつきづらい。
カップリング:シベリウス 交響曲第1番、第4番
ヴァンスカさんは、ミネソタ管弦楽団と2012年に再録しているが、このラハティ響とのCDは、旧録にあたる。
1楽章
「れみ そぉ〜ふぁ〜 そぉ〜ふぁ〜 そぉ〜ふぁ〜 そぉ〜ふぁ〜・・・」
ものすごい低弦の響きから出てくる。「そぉ〜ふぁぁ〜」を何度か奏でた後、すっと消え去る。
チェロの悲しいフレーズが起こってきて、「ふぁら〜ふぁみ ふぁ〜 れふぁれ どれどし ふぁ〜」「らしれ ふぁふぁ〜」と、沈痛極まりない。
なんとも、やるせない悲しみにくれたフレーズだ。
4番の冒頭を聴くと、うわぁ〜難しそう。暗くて晦渋そうな楽曲だなあと感じる。
ウツウツとしてて、うわぁ やりきれん。思わず尻込みしたくなるのだが、金管が鳴り始めると、ああ。いつものシベリウスだ。と安心できちゃうのだ。柔らかいホルンの「どれみ そぉ〜」、「そぉ どれっみ れぇ〜」と、 唐突に吹かれてはいるが、力強さとノビあがる新鮮な空気が吐き出された感じだ。

ヴァンスカ盤の冒頭フレーズは、遅い。
遅いが、なーんか自然体っていうか、息づかいが深く、大地から、ふわーっと立ち上ってくる水蒸気のように、ふわぁ〜 じわっ〜と、気体が、ゆっくりと湧き起こるかのような感じを受ける。
木管やチェロのフレーズが、とても温かみがあるが、「どぉららら ふぁぁ〜 どぉらら ふぁふぁ〜」
不安定な、半音のついた、とっても、つかみどころのない上昇するフレーズがある。
このあたりのフレーズは、不気味さよりも、いろんな生命体が、それぞれに成長していくような感じがして、難しい旋律を、活き活きとさせながら、多くの楽器に音を受け渡していく。
で、「そらど しぃ〜〜〜」と、とても長い残響を持った金管が、大変美しい。
なんだか、神さまが、いろんな生命体を作り出している作業中って感じで、えへっ。神妙な面持ちで聞き入ってしまう。

オーボエさんのフレーズや、弦の細かい動きを聴いていると、軽やかに、ほんわかしてて〜 中音域の不可思議な音の響きが、ずーっと続くのだ。
そして、個々の楽器の持つ音質の柔らかさ、音の長さが、特筆しているように思う。
なんだか、シベリウスって、独特の波長があるのかなあ。
ヴァンスカ盤で聴いていると、フレージングが細切れになっておらず、各楽器の鳴りが消える前に、次の楽器が鳴ってくるので、息の長さ、深さが持続するように思う。
それが、聴いている人にもよるのかもしれないが、ワタシ的には、深く、長く、音が遠くに、そして高いところに響いていくような気がするのだ。で、描いている世界観が広いなぁ〜って感じるのだと思う。
テンポが遅めっていうのも、良いかもしれない。ブキミな感覚が続くので、それにしても長い11分半である。う〜ん。もっと長く感じちゃうかも。

2楽章
快活なオーボエになっていて、「しぃ〜らそふぁみ れしふぁそっし れぇ〜しそ どぉ〜れみ れぇ〜」
「れそられ〜」「れ〜どら そぉ〜」
オーボエと弦の柔らかく、清々しい音から始まる。
「れれっ みふぁ れれっ みっふぁ〜」軽やかな弦とは好対照に、ティンパニーが鳴ると、またまた地球のカオス状態に逆戻り。
フルートたちは、軽やかに鳥のように鳴いてくれるし、オーボエは冒頭の主題を繰り返す。
あー 救いは、オーボエさんたち木管群だ。でも、なんか、すぐに不安定なフレーズが入ってくる。
「しらそぉ〜 みっそみ れぇ〜どぉ〜(ふぁどっ)」
「ふぁみれ〜 しれし らぁ〜そぉ〜(ふぁどっ)」
ミュート付きの金管が、後ろで、鳴ってるし、山の頂で、遠くから黒い雲がやってきそうな雰囲気なんである。でも、突然終わっちゃう。ラハティ盤は、透明度が高いので、低弦の響きや空気感が伝わってくる。
不思議な主題で、まるで1つの音詩のようだ。

3楽章
木管群が、とっても瞑想的で、神秘的な雰囲気を醸し出す。
「しぃ〜 どれふぁ みぃ〜らぁ〜し〜らしどみ そ れぇ〜みふぁら」
「らぁ〜 しどみ そぉ ふぁ〜そらし み〜ふぁ〜そらし」
日本の横笛の演奏を聴いているような錯覚を起こすぐらいで、すーっと澄み渡った月夜の晩に、ススキが生えた草原、いや〜 墓地に近いぜ。という雰囲気で、亡霊でも出そうなのだ。
ホルンが入ってくると、人肌を感じて、更にチェロが入ってくると、人の気配を感じるんだけど。
またファゴットさんが、邪魔をして、地を這う精霊が出てきそうな雰囲気に・・・。
とにかく、木管大活躍の楽章だが、交響曲という枠を、飛び越えており、う〜ん。なんて言えばよいのか、神霊学者の説教を聴いてているような、山のてっぺんで、静かに瞑想でもしているような、そんな楽曲だ。
ヴァンスカ盤は、すごくテンポを遅めにとっており、透明性よりも、深く沈静し、神秘的な雰囲気が、ものすごーく感じられる。聴いていて難しいというよりは、アナタの想念を安定し、更に増幅させましょう。って感じだろうか。 わずか14分程度の楽章になっているのだが、時空間が、停滞しちゃう感じで。う〜 ワタシ今、どこに居るの?って、一瞬不安になりかねない。 目を閉じて聴けば、一番良いのかもしれないが、うっかりすると寝ちゃう。(笑)

4楽章
この楽章は、アレグロではあるが、さほど速く感じない。
ティンパニーを多用し、鉄琴の「ふぁそら しっら しどれっ らしらっ」というような、小さなパーツが、煌めきを放つのが、印象的な楽章だ。
主題がねえ。どこに出てくるのかと思ったら、ヴァイオリンの蚊の鳴くような細かいフレーズらしいのだが〜
断片的なフレーズが、次々の登場してて、どこか交響曲7番のような感じがする。
細かい線の細い糸が、次々と流れては織り込まれていくような感じなのだが、ロンド形式っていうのだが、う〜ん。耳に馴染まない内には、う〜ん、やっぱ唸っちゃうか。
不可思議な世界に放り込まれた感がして、難しいかも。で、突然、唐突に終わってしまうし。
えーっ 盛り上がりがないやん。と思うのだ。

楽曲の難しさ、とらえどころの難しさがあるが、その後のシベリウスの交響曲の変遷を知っているものにとっては、4番って、なーんとなく、6番、7番に続く世界が垣間見られる存在だ。 まあ、難しいフレーズが続くが、さほどアタマを抱え込まず、素直に受け入れられちゃう要素が、ヴァンスカ盤にあるかな。って思う。
なーんでしょうねえ。懐が大きいっていうか、クールすぎず、暖かさが感じられることと、結構、劇的に仕上げてくれているような気がする。 (あくまでもワタシの感覚で、どこがどーって言われても、う〜ん。巧く言えない)
まっ、1楽章が乗り越えられたら、とりあえず、最後まで行けるかなあ。って感じ。

なかなか、とっつきづらい楽曲なので、他盤を聴いて、比較する気持ちにも、なれず。
ホントは、う〜んと唸って困っちゃっている。
なにせ、開放感のほとんど感じられない、内にこもったような内省的な楽曲なモノで〜。聴くにも覚悟がいるっていうか。
また、深夜に、そして秋から冬にかけて聴くのが良いかもしれない。お馬鹿なワタシは、 5月のGWに聴いちゃったが、うららかな季節に聴くモノじゃーないな。って思っちゃいました。あー 大失敗。
いずれにしても、この盤を最初に聴くよりも、ブロムシュテット盤の方が、とっつきやすいかもしれません。


オラモ バーミンガム市交響楽団 2000年
Sakari Oramo
City Of Birmingham Symphony Orchestra

まっ こんなモン

録音状態はまずまず。あまりクリアーではない。人肌の暖かさのある優しい演奏で、ツーンとした冷たさや、怜悧さはあまり感じられない。
カップリング:
1〜4 シベリウス交響曲第2番
5〜8 シベリウス交響曲第4番
1楽章
4番の出だしは、悲痛な低弦の揺れから始まる。
「れぇ〜みぃ〜 そぉ〜ふぁ〜そぉ〜ふぁ〜そぉ〜ふぁ〜」
で、ぱっくり空いた闇の孔があり、ぐぐっと地の底にひきづり込んでしまうかのような感じで始まる。
最初に聴いたときは、怖ろしくて〜 先に進めなかった。
まあ、今は、どってことないんですけど〜 オラモ盤でも、まあ、悲痛な感じはするが、暖かさもあり、さほど冷え切った感じはしない。すぐに地面から暖かみが伝わってきて、チェロのフレーズが始まると、ふわっとした暖かみのある空気が流れ込んでくる。
低弦の厚みのあるオケだと、やはりインパクトが強く、そこに、ティンパニーと金管の響きが、色彩を加えてくるのだが、オラモ盤は、どちらかというと、モノトーンに近い。
「そぉ〜 どれっ みぃ〜 れぇ〜」っと金管が柔らかく囁くと、ヴァイオリンが呼応してくる。
オラモ盤で聴くと、さほどエッジは鋭くなく、丸み感があり、優しい感じがする。

チェロの不協和音フレーズは、苦虫をつぶしたかのような渋みがあるのだが、ゲンダイオンガクのようでもあり、歪んだ景色を描きだしてくる。で、続く、ホルンの柔らかい音色は、やっぱり希望が見えてきたかのように吹かれており、和音の美しさがある。ティンパニーのロールも力強く、壮大なスケールが味わえる。
「ふぁそらしぃ〜〜  しぃみふぁそぉ〜 ふぁ〜〜」
優しい音色だと思う。
木管のフレーズが始まると、精霊たちが立ち上がって踊り出すかのような、キュートな場面に変わっていく。
いっけん、変なフレーズなのだが、音質が柔らかいせいか、気味の悪さは感じさせないし、かなりソフトに奏でられている。
展開部は、柔らかく、フレージングが軽やかだ。木管が、楽しそうに吹かれている。
どうなんだろ〜 木管は、良く聞こえているし、重要な役割を果たしているんだけど、木管の音質に深みも感じるのだが、少し弦が弱いような気もする。というか、どこかフレージングが、横に流れるのではなく、妙に縦に揃っているのが気になるんだけど・・・。もっと、曖昧模糊と、ふわふわ、さらさら、形がなくなってくるかのような雰囲気でも良いのではないかしらん。

2楽章
「しぃ〜〜 らそふぁみ れしふぁそっし れぇ〜しそ どぉ〜れみ れしそみ れぇ〜」
「れそられぇ〜 れ〜どら そぉ〜 しぃ〜ど〜れみれ〜」
ここは、ツーンっとしたオーボエのフレーズが、暖かい空気のなかに、冷気を運んでくるかのような場面かな〜っと思ったのだけど、春風のようでもあり、弦が、木管をすぐに柔らかく包んでしまう。
弦の細かいリズミカルなフレーズが柔らかいし、木管の長い音が一定のツーンっとした響きではなく、揺れてしまう。
もっと、ぐぐっと圧があっても良いかもしれないが、ここは、柔軟に揺れて行く。
金管の鈍い音と、木管群が呼応するのだが、少しメリハリがないというか、強靱なものではない。
もっと、コミカルさが感じられるか、色彩的に強いか、鋭利さが感じられるか、何か主張してきても面白い場面なのだが、どうも主張が強くないというか、個性が見えないというか、いささか、控えめなのかもしれない。

3楽章
空になげかけるかのような、木管のフレーズで始まっていく。 「しぃ〜 どれふぁみぃ〜 らぁ〜しどみそぉ〜 れぇ〜みふぁらぁ」クラリネットの響きが、まろやかに広がり、フルートが引き継いでいくのだが、最後が、少し強くなってしまう。
録音によるのか、音がすーっと飛んでいかず、少し残念な気がする。
ホルンの響きは、まろやかに響くが、ツーンっとひえた空気感は、少なめなので、どこか怜悧さや神秘的な感じはしない。
低弦のピチカート、低音の木管の響きは、さほど寒々しいものではない。
う〜ん、それが良いとも悪いとも言いづらいのだけど、ピンっと張り詰めた空気感がないまま、ずっと人肌状態の温度では、この曲の深みが削がれてしまうのではないだろうか。
フルートの音が濁り気味だし、ちょっと、その点は、いただけないかもしれない。
ワタシ的には、この楽章は禅問答のように、とても神秘で、厳かで、内省的な弦楽を主体とした楽章だと思うのだが、大きなうねりを持って、弦が少し甘めに歌ってしまう。

4楽章
弦が遠いのか弱いのか、あまり、しっかりと聞こえてこない。弦は、風のように通っていくので、もう少し、しなやかに強くてもよいのだが、録音状態のバランスが悪いのかなあ。イマイチ、インパクトが弱い。
柔軟性は感じるのだけど、弦が弱々しく、鉄琴の方が、良く聞こえてて、ちょっと浮いちゃった感じだ。
弦のピチカートは、柔らかく、弾んだ感じが良いし、幻想的な雰囲気と、少し不気味さがない交ぜになった感があるのだが、オラモ盤では、高音域のさわーっとした風の雰囲気が出ている。不気味さよりも、この楽章は、テンポが速めで、木管のすばやい動きが生きているし、爽やかさを描いているのだろうか。
ラストに至るまでには、弦の重たさ、苦しさが垂れ込めてくるかのように終わるのが常なのだが、オラモ盤で聴くと、どこか爽やかさが残る感じだ。う〜ん、他盤で聴いたときには、救いがなかったのだが・・・
あれっ 尻切れトンボ的に終わってしまった。あれぇ〜っ こんな楽曲だったけっ。

1965年 カラヤン ベルリン・フィル  
1968年 マゼール ウィーン・フィル Dec  
1977年 ザンデルリンク ベルリン放送交響楽団 Brilliant
1984年 ベルグルンド ヘルシンキ・フィル EMI
1986年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI ★★★★★ 
1989年 ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 Dec ★★★★★
1993年 サラステ フィンランド放送交響楽団 Finlandia ★★★
1994年 C・デイヴィス ロンドン交響楽団  
1997年 ヴァンスカ ラハティ交響楽団 BIS ★★★★
2000年 オラモ バーミンガム市交響楽団 ★★★
所有盤を整理中です。

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