「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

シベリウス  交響曲第6番
Sibelius: Symphony No.6


シベリウスの交響曲第6番(作品104)は、第5番、第7番と共に、ほとんど並行して作曲され、第一次世界大戦の勃発による中断を経て、1923年に完成しています。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

第1楽章
自由な構造の楽章で、冒頭、ヴァイオリンにより、ゆったりとした聖歌風の序奏主題が提示され、この主題から派生した第1主題が、オーボエとフルートが問いかけるように奏でられます。木管と弦により発展し、第2主題は、弦のトレモロに乗って、フルートで提示される牧歌風の急速なパッセージです。第1主題がチェロによって再現され、第2主題の伸びやかな音楽がしばらく続きます。ホルンの和声的なフレーズと弦のトレモロにより、コーダが導入され、強いアクセントで総休止し、音階的上昇・下降を繰り返します。最後は、冒頭主題が回帰して終わるもの。

第2楽章 自由なソナタ形式。
フルートとファゴットが奏でる冒頭主題は第1楽章の主題を受け継いでおり、楽章全体に寂寥感をもたらしています。
ヴァイオリンが主要主題を提示し、上昇音型が繰り返されて、主要主題が変奏され、最後は簡潔に終わります。

第3楽章 展開部を欠くソナタ形式。
付点風のリズム(実際には8分音符+16+16)が支配的な楽章で、スケルツォ風です。下降して上昇する短い導入が楽章全体を支配しており、第1主題が木管で提示されてから再び導入句が現れると、第2主題がフルートで提示され、オーボエが繰り返します。弦と木管が交互に騎行のリズムで進行し、導入なしで第1主題が再現されますが、曲は徐々に高揚し、荒々しい結末に至ります。

第4楽章 自由な三部形式のフィナーレ。
ドリア旋法を基調とした宗教的雰囲気が漂う楽章です。ソナタ形式や変奏の要素を応用した自由な展開を持っており、木管、ホルン、ヴァイオリンの問いかけに、ヴィオラとチェロが応答する主要主題で開始されます。クライマックス後、主要主題が回帰します。変奏的な再現をした後、最後は弦の清冽な響きを残し消えて行くもの。

教会旋法や対位法を多用した思索的な作品となっています。パレストリーナを初めとするルネサンス時代の宗教音楽も影響しているのではないかと言われています。
ニ短調と表記はされているものの、ニ調のドリア旋法などが使われて、静謐な楽曲です。

マゼール ウィーン・フィル 1968年
Lorin Maazel  Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

めがまわる〜

録音状態は良い。超快速バージョンの演奏で、ついていけません。速すぎてクラクラしちゃう。
交響曲全集、カレリア組曲、交響詩タピオラ 1963年〜68年録音 3枚組BOX
最近、Blu-ray盤として発売されている。
1楽章
冒頭、ヴァイオリンが輪唱のように旋律を重ねて奏でていく。
「しぃ〜 らぁそぉ〜 ふぁらしぃ〜 み〜れどぉ〜 れぇ〜どしぃ〜」
6番は、とても神秘的な交響曲で、森の精が、木々のなかで遊んでいるかのような雰囲気がする楽曲だ。
でも、マゼール盤は、速い。木管の呼応に緊張感はあるのだが、弦のフレーズが、段々と速くなっていく。
えっ・・・ これは速いだろう。と思いつつも、森の入り口で、すーっと引き込まれていくのだが、やっぱり速い。これでは森の精たちは鳥のようで、あちこちに移動しつつ、囁いているかのようだ。
節操がないわけではないし、緊張感が途切れるわけでもないのだが、ひとことで言っちゃうと忙しい。怖ろしい風が吹いて、鳥たちは粉砕されるかのようで、雷のごとく、ティンパニーがリアルな叩き方で、仰天っ。

2楽章
この楽章も、颯爽と奏でていく。
ポンっとティンパニーが叩かれ、冒頭こそ、 「しぃ〜どぉ〜 れぇ〜みぃ〜 れえ〜どぉ〜 しぃ〜 どぉ〜 れぇ〜」と、豊かな音色なのだが、木管のゆったりした余韻を楽しむどころではない。
フルートとファゴットだろうか、この掛け合わせが楽しいし、不可思議な文様を描いていくところが、 とても神秘的なのだが、あれれ〜 ちょっと、怪しいセッションだ。また、イメージが膨らみかけたところで、テンポが変わり、快速で飛ばしていくので、置いてけぼり〜状態となってしまった。
ティンパニーの叩きは、音が波打つかのように、とてもリアルな響きで面白いのだが、旋律そのものは、聴いてて、ひぇ〜っと叫びたくなるほど、テンションマックス状態となっており、超快速で、すっとばし。
ひゃーっ 速いです。
ありゃ〜 金管咆吼と共に、マゼールは怒っているんでしょうか。この速さについていけないのか、縦糸が合わない感じで、ちょっと怪しくなってくるセッションである。木管のフレーズが、段々と速くなって、これでは、小鳥たちの囁きというより、ツバメ返し のツバメ状態で、急降下を繰り返すような速さとなっている。オケ全体で、無機質的に、無窮動風に奏でていく。
シベリウスの抽象的な雰囲気を出したかったのだろうか。

3楽章
「そっ  し そ ふぁ み し み ふぁ そ し み ふぁ そぉ〜」
細かいリズムが刻まれて風のように通り過ぎていく楽章で、ラトル盤で聴くと、しっかりと、細やかなリズムが、動いている。
のっぺりしておらず、素速く、スピード感にあふれている。
アクセントもついて、メリハリがありながら、キツクならず、柔らかくもスマートだ。
弦のフレーズが、低音の響きを重ねて、グングン グングンと押してくる。押してくるようなところが、とても心地良く、細やかなリズムを刻み、繰り返しつつ、大きなうねりをつくる。
で、楽章ラスト近くで、ひゅん〜っ!っという違和感を感じる音が聞こえる。
えっ 何のグリッサンド? 木琴? まるで電子音なのだが・・・。

4楽章
どっ どぉ〜しぃ しら らっそぉ〜ら そみれぇ〜」
「らっ らぁ〜し どれみふぁ そぉ〜 ふぁ みれ どし どぉ〜」
とってもシャープな演奏で、冷やっこさは充分に出ているのだが、リズム感が鋭く、抽象的な近代絵画のような演奏となっている。とても鋭いリズム感で、とっても速く、すばしっこく動く旋律で、無窮動というより、飛び跳ねて飛んで行ってしまうかのような勢いがあり、 ますます、テンポアップされていく。
音の響き自体は、奥行きがあり、美しい響きも残してくれるのだが、なにせ速いため、こっちの情緒がついていかない。
ふわっとした雰囲気はあるのだが、それが残らないうちに、次々と繰りだされてくる旋律で、充実感を味わうどころではなかった。いやー これは、速すぎでしょう。
総体的に、速すぎて〜 聴いてて楽曲の美しさを楽しむどころではなく、超残念だ。 抽象画的すぎて、スッパスッパ、パキパキしすぎて、ついていけない。
頭がクラクラしちゃうほどの超快速バージョンで、何を意図して、こんなに速く、巻いてしまったのだろう。
どひゃん・・・ トンデモない快速演奏でした。これは、ずっこけた。
ベルグルンド ヘルシンキ・フィル 1986年
Paavo Berglund
Helsinki Philharmonic Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手


録音状態は良い。弦の響きが柔らかく、温かみのある音に包まれる。
自然をさりげなく気づかせてくれて、うれしい演奏である。
カップリング:シベリウス 交響曲第5番〜7番
1楽章
シベリウスの交響曲のなかで一番聴かれているのは、2番、そして5番だろうか。
この2つの曲は、とっても恰幅が良いのだが、この6番は、とても美しい旋律に彩られてて、小さな氷の結晶のような曲である。で、こっそりと、秘密にしておきたいような〜 お気に入りの曲、いつまでも大事にしたい曲である。
シベリウスを知っていながら、この6番を聴いていないのは、なんだか、もったいないような〜 そんな気がする。
冒頭、ヴァイオリンが輪唱のように旋律を重ねて奏でていく。
「しぃ〜 らぁそぉ〜 ふぁらしぃ〜 み〜れどぉ〜 れぇ〜どしぃ〜」
フルートとヴァイオリンのなかに、オーボエが力強く「みぃ〜 ふぁそらしぃ〜」と入っていく。
「れどら みふぁそ しぃ〜」「みぃ〜 ふぁそ ふぁみぃ〜(られどぉ〜)」「どぉ〜れ みれどぉ〜(られどしぃ〜)」

柔らかくホルンが吹かれて、暖かい日射しや息づかいが聞こえてくる。朝の光のように昇ってきて、そこから音が連なっていく。 ハープかな。フルートの二重奏が絡んで、そこから、木管たちが遊び、小さなぽぽぽぽ・・・という音符が出てくるのだ。
それが、ベルグルンド盤で聴くと、無機質のような感じがしなくて、新しい生命が宿ってくるみたいに、まるで生酒の気泡のようなのだ。
で、とってもワクワクしてくる〜。
ここのオケのオーボエの音色は、ぺちゃんとしてて、だみ声で、ベこべこ〜とした音に聞こえる。
リードが割れているの? と思ったりするのだが、(そんなことないか〜) まるで、ホントの鳥の声のようで〜面白いっ。
だみ声のガチョウのような声なんだけどね。
「そそれみ ふぁどらし そそれみ ふぁどらし・・・」「ふぁみれ そそれみ ふぁふぁみれ・・・」
「ん タタタ タタタタ ん タタタ タタタタ・・・」
弦のピチカートに、渋いチェロの音色が、寄せる波のように短く絡んでいく。 クラリネットの音色が、水鳥のように飛んでいく。あー いいですねえ〜 目の前に、すわーっと広がって見えてくるんですねえ〜  ワタシ的には、この曲を聴いていると、特に、ベルグルン盤を聴いていると、ものすごーく、イメージが膨らんできます。 この自然界の広がり感が、たまりません。この視界を楽しんで、何度となく繰り返して、1楽章ばかりを聴きたくなります。

2楽章
「しぃ〜どぉ〜 れぇ〜みぃ〜 れえ〜どぉ〜 しぃ〜 どぉ〜 れぇ〜」
「みぃ〜れっ どぉ〜しっ ら〜そっ ふぁー」「みぃー(ふぁっ) みぃー(れっ)」
みとふぁの音を一緒に奏でるかぁ〜 フルートとファゴットの響きが、不可思議な文様を描いていく。
なんだか、この不可思議な2楽章なのだが、この盤で聴いていると魅惑的で、ちょっと興味津々で穴をのぞいてみたい気分になる。そんな好奇心がわいてくる。
弦の響きが柔らかく、温かみのある音で構成されているのと、息遣いが深めだ。
それと、木管の響きが、特に太めのアルト声というのか、深くて穏やかに、ちょっと襞がついてて〜 ビブラートのように響くので、とても心地よい。 オーボエは、だみ声なので、少し笑えちゃうところがご愛敬だろうか。
オーボエの響きもクラリネットも、フルートの音色も優しい。低弦の響きもよく入っているし、耳に優しい響きであり、心が和らぐ。 耳にとっては、とてもご馳走だ。

3楽章
「そっ  し そ ふぁ み し み ふぁ そ し み ふぁ そぉ〜」
「みぃ〜 そらしぃ〜( れどしら〜) みそらしぃ〜 れっどっし みどらぁ〜 れしそぉ〜」
風の滑るようなフレーズが、続いたあとに、「ふぁふぁ ふぁみふぁ そぉ〜らふぁ〜 み〜ふぁれ〜 ど〜れ らぁ〜」
タラン タランっと、滑るようにフレーズが流れていったり、 足元を踏み固めるようなフレーズが入ってきたり、「みどし らみらしどみらしどぉ〜」と、抽象的な音の並びが続く。
それが自然に、すっと違和感なく受け入れることができる。
章立てて、こまめに切って、わかりやすく区切って演奏しているというか、構成の見通しが良いというか、ゆったりと演奏しているので、余裕があるというか。なんだろ〜 わかりやすい。聞きやすい。
それに、 オケの音質もあいまって、穏やかな印象を与えてくれる。
「そそっ ふぁふぁっ」と刻むリズムと、「そそらしっ そそらしっ」と荒ぶる金管が入ってくるのだが、どんっと構えていられるというか、演奏自体も悠然としている。
せかせかした気分にさせる盤もあるのだが、このベルグルンド盤は、心理的に安定しているというか、下手に切迫感を抱かせず、いらっとさせない。
結構、シベリウスって抽象画なのだ。でも、わかりやすく見える。 抽象的ではなく、ありのままに姿が見えてくるような〜
自然界の風を感じさせて、安心感があるというか、とてもナチュラルだ。

4楽章
「どっ どぉ〜しぃ しら らっそぉ〜ら そみれぇ〜」
「らっ らぁ〜し どれみふぁ そぉ〜 ふぁ みれ どし どぉ〜」
ヴァイオリンのちょっと強めに、クールに演奏させて、続くチェロには、小声で柔らかく受け止めさせている。
この 柔らかいアクセントと、曲線の美しさ。
奥ゆかしさ、対比させての呼応なんかが感じられ、宗教的なフレーズが、よりいっそう親しみやすく感じられる。
ホント、とても大事に、そっとした息遣いで、包み込まれるような感覚は、大変好ましい。

旋律を、それぞれの楽器、木管や弦で受け継いでいくところが、美しく描かれている。
柔らかく、ふわーっとした、ほんわかした幸せ感を醸し出しおり、ご家族そろっています〜的な響きに思える。
ある意味、凄いとは気づかない、スペシャル感はないのだが、日常的だが、これが、ハイ、平凡だけど〜シアワセなの。
って感じだろうか。

中間部になると、「しぃ〜ど れどぉ〜し みらぁっ」と風が吹いてくる。
この場面では、 フレーズに強弱がついてくるので、荒々しさも垣間見られるが、弦も、木管も、ホルンも残響が美しく残っているので、あくまでも暖かい風が吹いている感じがする。 それに、ゆったりしたテンポで、弦のエッジが鋭くない。
フルートだって、金管だって、強く吹かれている場面もあるのだが、そこではメリハリが出ており、弦の美しさ、ふくよかさを、かえって強く印象に残すものとなっている。
で、最後の弦楽合奏のようなフレーズの場面にさしかかると、目頭が熱くなっちゃうような〜気分に。
う〜ん。やっぱ、総体的に、 じわじわ〜と来る暖かさで、奥ゆかしい。ふくよかさや暖かさ感じさせる演奏だと思う。
ラトル バーミンガム市交響楽団 1986年
Simon Rattle City Of Birmingham Symphony Orchestra

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。繊細なリズムが織りなす芸術という感じがする。
1〜4 シベリウス交響曲第4番
5〜8 シベリウス交響曲第6番
1楽章
6番は、とても抒情的な楽曲だと思う。どことなく、森のなかの神に出会ったかのような雰囲気があり、吸い込まれてしまうかのような雰囲気がある。
人の気配がせず、冷たい空気が立ちこめており、オーボエの旋律と弦の響きが美しい。靄のなかで、迷子になったかのような気がする。冬の日の放射冷却のように、すわ〜っと空気が立ちのぼっていく。
このバーミンガム市響を振った時のラトルさんは、31歳頃になると思う。もちろん、後年のベルリン・フィルのCDもあるのだが、ワタシ的には、バーミンガム市響の時のCDに馴染んでしまった。
特に、弦の推進力が素速く、カシカシと鳴らすのではなく、するするっと動いているかのようだ。
どことなく、腹を地面にすりそうになりながら、身を潜めて動く、動物的って感じがするのだ。
それに、弦と木管のコラボレーションが、とてもリズミカルだ。
弦が蠢くなかを、ボリュームをあげて、「れぇ〜っ どしらぁ〜 れぇ〜っ どしらぁ〜」というフレーズのところが、とてもスマートで、大変美しい。なんて美しいのだろう。惚れ惚れしてしまう。
機能的なフォルムを持った、美しさを感じる。

2楽章
「しぃ〜どぉ〜 れぇ〜みぃ〜 れえ〜どぉ〜 しぃ〜 どぉ〜 れぇ〜」
フルートとファゴットが、とても不思議な静謐さを持って奏でられている。 音が響くというより、うぉぉぉ〜ん という感じで、まるで鐘をついた時の残響のようだ。音が揺らぐところが、とても不思議さを醸し出す。
弦のフレーズは、タタタ タタタ タタタ・・・と、次々に繰りだされるが、鋭利な響きではなく、柔らかい。
乳白色系の音がする。

3楽章
「そっ  し そ ふぁ み し み ふぁ そ し み ふぁ そぉ〜」
細かいリズムが刻まれて風のように通り過ぎていく楽章で、ラトル盤で聴くと、しっかりと、細やかなリズムが、動いている。
のっぺりしておらず、素速く、スピード感にあふれている。
アクセントもついて、メリハリがありながら、キツクならず、柔らかくもスマートだ。
弦のフレーズが、低音の響きを重ねて、グングン グングンと押してくる。押してくるようなところが、とても心地良く、細やかなリズムを刻み、繰り返しつつ、大きなうねりをつくる。

4楽章
フルートの音色が、教会旋法のようなフレーズを吹いていき、落ち着いた感がする。
ハープと細かな弦が、パパっ〜 パパっ〜と音を開放的に鳴らしているが、とても、リズミカル。
ラトル盤は、細かなフレーズに、踊るかのようなリズムが、活き活きと織り込まれている。
さらっとしているのだが、細やかに弦の膨らみ感が感じられるし、繊細だ。充分に計算されているように思う。
金管とティンパニーの響きで、圧倒的に強くなって、迫力のあるトゥッティとなっている。
いっけん、平凡に感じるが、織り込まれているリズムをいったん感じると、虜になってしまいそうだ。

サラステ フィンランド放送交響楽団 1993年
Jukka-Pekka Saraste Finnish Radio Symphony

こりゃ良いわ〜拍手


録音状態は、まずまず。ライブ盤なので、完全にクリアーとは言えないが、この楽曲の持つ、優しさが大変良く出ており、木管や弦の絡みが美しい。ライブ盤
カップリング:シベリウス交響曲第3番、6番、7番 
1楽章〜2楽章
サラステ盤は、すわーっと、幾分冷たいかなぁ〜という風が通り抜けていく感じがする。
弦の小声で歌謡風フレーズを歌い、オーボエやフルートが軽やかに旋律に顔を出してくる。その乗り方が、やっぱ巧い。
オーボエの音色が、ちょっともの悲しいのだが、それを慰めるように弦が寄り添う。
で、ホルンが、ふわっと、ホント、ふわっと雲のように浮かんでは消えていく。
また、それを、客観的に眺めて、感じられるところがあって、そう、まるで、丘の上に立っている気分になるのだ。

なーんか、他の作曲家の音楽とは違う独特のフレージングだな〜っと、サラステ盤を聴いていると、そう思う。
で、その気づきが、すごく楽しい。
サラステ盤で、6番の旋律を聴いていると、すごく楽しい、晴れやかな気分になる。
サクサク・・・ワクワク・・・プクプク・・・ピコピコ・・・というような音が、イメージとして浮かんで来る。
これは主に、もちろん木管フレーズなのだが、弦だって、細やかにピチカートを刻んでいくし〜
「そそれみ ふぁどらし そそれみ ふぁどらし・・・」「ふぁみれ そそれみ ふぁふぁみれ・・・」
「ん タタタ タタタタ ん タタタ タタタタ・・・」

小さな、ワクワク感があって、ホント小さな楽しみがあって、それを胸に秘めているかのような〜
少女のように恥じらいながら、ちっぽけな楽しみを待っている。または、楽しみを持っていることを、内緒にしておきたい心境にいるような〜 そんな感じで、聞き進むことができる。弦のトレモロが、心の開放を促してくれる。
チェロの柔らかいフレーズや、ホルンの響きが、夢から引き戻すかのような感じでコーダへ導いていくが、少し、ここは弱いかなあ。あまり強引には導いていかない。

3楽章
「そ、 し そ ふぁ み し み ふぁ そ し み ふぁ そぉ〜  みぃ〜そらし〜」
足元の雪を踏み固めるかのようなフレーズがあって、そこから、目の前を風が渡っていく。
柔らかいフルートと、爽やかな弦のの音色と、このコラボが、とても素敵で、この3楽章冒頭、ここだけで結構シアワセ感が得られる。 「みどし らみらし どみふぁしどぉ〜」
声の割れたカエルみたいな音色を挟んで、タラン タランっと、滑るようにフレーズが流れていったり。
「みどしらそらしどみふぁそ らしどぉ〜」という、変わったマーチ風の音が入ってくる。
この声の割れたカエルみたいな音や、「そそっ ふぁふぁっ」と刻むリズムと、「そそらしっ そそらしっ」と荒ぶる金管。
でも、不安感や恐怖感を抱かせず、サラステ盤は、終始優しい。

4楽章
「どっ どぉ〜し しららっそぉ〜ら そみれぇ〜」
室内楽的で、明瞭な線を描く木管と、チェロを主体とした適度に甘く、控えめで、内省的に包み込んでいく弦の響き。
あぁ〜 この冒頭だけで、6番が好きになっちゃう。シアワセだ〜そう思う。
シベリウスって、2番、5番がダントツ人気だけど、ワタシ、この6番が好きよぉ〜という方もおられると思う。
その方は、きっと、優しくて、控えめで、木質的なんだろうと〜 そう思う。(笑)

この冒頭の宗教的な主題は、何を意味しているのか、日曜のミサなのか。
日々の営み感があり、ほんわかした暖かみがあり、暖炉の前に座っているおばあちゃん、編み物をしているおかあさん。
そんな光景が見えてくるかのようでもあり、外には、小さな動物たちが走っており、森林での暮らしぶりを描いているかのような、そんな視点もあり、また、周りの風景も見渡してごらんよ〜と促されているかのようでもある。
後半は、今までの主題が顔を覗かせたりする。
しかし、主体となっているのは宗教的な調性で、大変穏やかなものである。

サラステ盤は、ライブ盤だが、とても完成度が高いようにワタシは思う。
優しいが芯のある音が通っており、木管や弦の旋律は、大変美しく描かれているし、和音の響きも、緊張感を持ちながら暖かみがある。最初に6番を聴く時にはお薦めだと思う。

ヴァンスカ ラハティ 1997年
Osmo Vänskä Sinfonia Lahti (Lahti symphony orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は極めて良い。残響が少し多めなので、好みが分かれるかもしれないが、特に1楽章は幻想的で、カラダが少しふわっと浮くかのような、浮遊体験ができるかもしれません。
カップリング:シベリウス 交響曲第6番、7番、交響詩「タピオラ」
1楽章
冒頭、ヴァイオリンで、ゆったりとした聖歌風の序奏主題が提示される。
「しぃ〜 らぁそぉ〜 れぇ〜 ふぁらしぃ〜 みぃ〜れどぉ〜 れぇ〜どしぃ〜ふぁらしぃ〜 みぃ〜れどぉ〜」
まるでヴァイオリンの輪唱のようで、大変美しい。
オーボエが力強く、「みぃ〜 ふぁそらしぃ〜 れどらみふぁそ しぃ〜 」と入ってくる。
「れどら みふぁそ しぃ〜」「みぃ〜 ふぁそ ふぁみぃ〜(られどぉ〜)」「どぉ〜れ みれどぉ〜(られどしぃ〜)」
オーボエとフルートが呼応して奏でられ、もう、このフレーズを聴いているだけで、すっかり心が洗われる。

ヴァンスカ盤での録音は、ふわーっと、教会の天井に向けて、音が広がって行くような感じがあり、少し残響は多めだが、教会旋法独特の懐かしい雰囲気のする、旋律の美しい交響曲にふさわしいかもしれない。
ふぁーっと弦のトレモロに乗って、フルートが少し踊るかのように奏でられる。
「そそれみ ふぁどらし そそれみ ふぁどらし・・・」「ふぁみれ そそれみ ふぁふぁみれ・・・」というような階段をのぼり、くだりするようなフレーズが、結構長く続くのだが、 それが、チェロの甘いフレーズが絡んだり、金管が、ふわーっとサポートしてみたり、低弦の響きのなかで、のびやかに、「れぇ〜 どしらぁ〜 れぇ〜 どしらぁ〜 らぁ〜そふぁみぃ〜・・・ れらっふぁ〜」と歌う。
いや〜 この1楽章は、とても美しい。
つかの間の幻想の世界に誘われ、瞑想しているかのようでもあり、ふわっと、カラダが浮き上がってくるかのような雰囲気さえしてくる。最後の強いティンパニーの音で、はっ! と我に返る感じだ。
弦と木管、金管が、互いに絡みあっているが、ことさらに主張しないまま、よじれたかのように、流れるように奏でられる。
主題を、クッキリ、強く描かないで、幻想的なまま、1楽章を終わるというのは、う〜ん、シベリウスの独特の世界なんだと思う。他にいたっけ、こんな風に作曲した人って。
う〜ん、抽象絵画のようにも思えるが、具象的な感じもするし。ヴァンスカ盤を聴いてて、ワタシ的には、晩年のターナーの絵画を思い浮かべてしまった。

2楽章
ティンパニーのトトンっという音の後に、
「しぃ〜どぉ〜 れぇ〜みぃ〜 れえ〜どぉ〜 しぃ〜 どぉ〜 れぇ〜」というフルートとファゴットの響きが聞こえる。
「みぃ〜ふぁ〜 れぇ〜ど」と、すごく不思議な音が続く。不協和音的な響きなのだが、とっても優しい。
音の重量感が失われるかのような、フルートの響きがあり、宙を漂うかのような和音で・・・。
乳白色のような優しい光と、ふわっとした羽毛のような軽さ。ゆらゆらと漂い、手に取れないまま、瞬間に形でなくなるような音の型がある。
「ふぁみふぁ そふぁみ ふぁっ どれどしっ・・・」という、木管のコラボがあり、キラキラしたスターダストのようなヴァイオリンのフレーズが挟まってくる。音が踊り始めるという楽しさがあって、まろやかな響きとなって、またまた宙に浮き始める。
う〜ん とっても夢幻の世界のようで、大変美しい。

3楽章
まず、弦で、「そっ  し そ ふぁ み し み ふぁ そ し み ふぁ そぉ〜」と奏でられ、 「みぃ〜 そらしぃ〜(れどしら〜)」とフルートが続く。
滑るようなフレーズと、弦の短いフレーズ、たらん たらん たらん・・・というリズムを刻む。
ヴァンスカ盤で聴いていると、弦のたらん たらん・・・のリズム、刻みは深くないし、あくまでも木管のパッセージが主体で、速めには奏でていないので、力強さには欠けているけれど、金管の音で、はっ!と、我に返るという感じになっている。
意外とあっさり、もっと弦の力強さがあってもよいかな〜とは思うし、スケルツォならではの、沸き立つようなリズムがあっても良いのだろうが、淡々としてて、そこが、魅力にもなっている。
無機質的な感じのする楽章だが、ヴァンスカ盤は、あくまでも夢幻的で、雰囲気の柔らかさ、優しさが満ちあふれている。
このリズムが、音量を段々と大きくして、最後は、金管の開放的な音が締める。

4楽章
「どっ どぉ〜しぃ しら らっそぉ〜ら そみれぇ〜」「らっ らぁ〜し どれみふぁ そぉ〜 ふぁ みれ どし どぉ〜」
弦楽合奏のような優しさと、教会旋法ならではの懐かしい雰囲気のするチェロ、ヴァイオリン、オーボエなどの音で彩られており、とっても和むフレーズが続く。
主体となる旋律が1本あって、そこにフレーズが絡むのではなく、均質的に奏でられている。
テンポをあげて、ティンパニーの勇壮な響きが、要所要所を締めていくし、リズミカルに踊って、らっら そふぁ〜っと、昇っていく感じのするフレーズが続く。
少し金管の音が強いかな〜 ティンパニーの柔らかい響き、教会の雰囲気のする音の広がり感が、いつまでも、夢見心地の世界に誘ってくれる。

最終楽章においても、ティンパニーは派手で、豪快には鳴っているのだろうが、録音のまろやかさでオブラートに包まれている感じがしている。なので、もっとクールに、ピシャッと焦点を定めて演奏してぇ〜と言いたくなるかもしれない。
まあ、その点は、録音の好みが強く出てくるかも。
また、弦の響きをクローズアップしてくれないと、気持ち悪い。という向きもあるかもしれない。
さらに、テンポは速めに、さらさらと流れて行くが、いつまでも、胸を締め付けるような、せつなさが感じられ、どこまでも夢幻の世界にとどまっていたいような、いたくないような、まどろっこしさと、存在のありかが、不思議感を超えて、気味の悪いかもしれない。 この点は、聴いている際の心情に左右されるかも。

すっと消えていく終わり方にも、なんか、置いてけぼりにあってしまったような〜 
えっ 今、何処にいるの?という怖さに繋がるかもしれませんね。
まあ、ヴァンスカ盤は、すぐに7番に繋がるので、一体化したかのような楽曲の魅力が味わえるが・・・。
しかし、この6番は、とっても魅力的であり、夢幻の世界に誘われ、心が洗われ、なごみが感じられると共に、存在の重量感までが、感じられないような気持ちになり、そのことによる怖さみたいなのが、裏に感じられるようになると、う〜ん。
ヴァンスカ盤のティンパニーで、我に返るのも、嬉しいかと・・・ワタシ的には思います。(笑) 

サカリ・オラモ バーミンガム市交響楽団 2003年
Sakari Oramo City Of Birmingham Symphony Orchestra

まっ こんなモン

録音状態は、まずまず。透明感の高いものではなく、幾分残響が多め。
冷たいクリアーな演奏が好きな方には、向いていない。初めて聴く方、取っつきやすさが必要な方とか、柔らかめ、優しいのが好きであれば〜よいかも。
カップリング:シベリウス 交響曲第6番、7番、交響詩「タピオラ」

1楽章
シベリウスの交響曲第6番って、爽やかな透き通ったレースのような交響曲である。
春風のように、爽やかに、すーっと心のなかを通り抜けていく。
清楚で、清潔、敬虔なフレーズもあって〜 大変美しい。
指揮者によっては、極寒というイメージの時と、初夏の日射しを感じる時もあれば、春の初めのような気持ちになる時もあるし、ワタシの聴いている季節によっても、受け取る印象が異なるような気がする。

オラモ盤は、ワタシ的には、春の初めの頃という雰囲気を受ける。
録音状態は、キリキリっとした超辛口でもないし、冷たい〜ってわけでもない。
柔らかめで、残響の広がりも適度にあって、どちらかというと、もわ〜っとしている録音状態なのだが、この6番は、7番とは違って、昇華した後の氷の結晶って感じでもないし、5番の男性的な勇壮なイメージでもないし。
ワタシ的には、女性的なイメージがするので、オラモ盤のように、ソフトフォーカス気味かもしれない。という録音状態の方が、かえって良いのかもしれないとも、ちょっぴり思う。

弦が、ピチカートを刻んでいくところ、クラリネットの響きも、残響多め。
「そそれみ ふぁどらし そそれみ ふぁどらし・・・」「ふぁみれ そそれみ ふぁふぁみれ・・・」
ちょっと音がとれないんだけど〜 なんだか不可思議な音がだな〜って思う。
「れ〜 しそらし〜」 「どぉ〜 しらそぉ〜 どぉ〜 しらそぉ〜 そぉ〜 ふぁみれ〜」
弦のフレーズと、ピチカート。そして、フルートの軽快なフレーズが命って感じがする楽章である。
力強く波のようにうねりを伴って、厳しく冷たく、強くパッセージを弾いていく盤もあるが、オラモ盤は、木管の響きの太さと共に、暖かく柔らかい印象を受ける。
(あ〜 やっぱり、ぴしっとピントは合ってて欲しいかも)

2楽章
「し〜どぉ〜 れぇ〜みぃ〜 れ〜どぉ しぃ〜 どぉ〜れ」
ファゴットの響きのなかで、ぽわんとフルートが水滴のように落ちる。
暖かい水滴が落ちて、流れだしていくような、「み〜ふぁ〜 み〜ふぁ〜」 
波紋の広がりのような、形が生まれてはすぐに消えていくような、そんな儚げな印象を受ける。木管の音の近い和音が、くっついたり、離れたりするのが、そういう印象を与えるのだと思う。
ある一種の抽象画なのだが〜 イメージは、受け取り手の自由って感じだ。
弾んだような、タンタタ タンタン・・・て動きが生まれたりするけれど、すぐに終わってしまう。

3楽章
「そ、しそふぁみしみふぁそしみふぁそぉ〜」
冒頭、弾むリズムのなか、不可思議な階段をのぼっていく。
上昇したり、下降したり〜 フルートのリズミカルさのなかで、タラン タランっと、滑るようにフレーズが流れていったり。

そこに、足踏みするように、平坦な変な音なんだけど〜
「みどしらそらしどみふぁそ らしどぉ〜」という、変わったマーチ風の音が入ってくる。
ちょっと音が怪しいのだが〜 この風変わりな音が、とっても印象的だ。
オラモ盤は、アクが強くないので、さらっと聞けちゃうが、他盤だと、えっー 不気味だ。怖いっと感じることも・・・。

4楽章
「どっ どぉ〜し しららっそ そぉ〜らそみれ〜」 宗教的なフレージングで繰り返される、木管と弦の優しいコラボ。
室内楽的な響きがあって、とても、ほわ〜っとした優しい気持ちに包まれる。
和音の響きが柔らかすぎて〜 ちょっと、はっきりしない印象を受けるが、初めて聴く方には、優しいかも。
ワタシ的には、かなり柔いかな。
快速になっていく旋律のところは、きっちりフレージングして欲しいな〜って、もっと、厳しさも必要ではないかしらん。
もっと芯の硬い演奏が好きな方もいるだろうし、もっと、彫りの深い、内省的な演奏が好きな方もいると思う。
総体的には優しい。冷たいクリアーな演奏が好きな方には、向いていない。 取っつきやすいのが〜とか、柔らかく優しいのが好きであれば〜よいかもしれません。
6番なので、女性的で優しい〜という雰囲気でも良いかもしれませんが・・・。
1968年 マゼール ウィーン・フィル Dec ★★
1986年  ベルグルンド  ヘルシンキ・フィル  EMI  ★★★★★ 
1986年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI ★★★★  
1993年 サラステ フィンランド放送交響楽団 Fin ★★★★
1997年 ヴァンスカ ラハティ交響楽団 BIS ★★★★★ 
2003年 オラモ バーミンガム市交響楽団 ★★★
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「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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