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ヴォーン・ウィリアムズ 「南極交響曲」 交響曲第7番
Vaughan Williams: Sinfonia Antartica Symphony No.7


南極交響曲は、イギリスの作曲家レイフ・ヴォーン・ウィリアムズが、1947年に作曲した、第7番目の交響曲です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
元は、映画「南極のスコット」のために作曲された音楽を、交響曲の形に改作したもので、ソプラノ、合唱、パイプオルガン付きの楽曲です。で、この作品は、もともとのタイトルが「南極交響曲」なので、交響曲 第7番「南極」のように、副題として扱うことは適切ではないとの意見があります。

さて、ロバート・スコットの南極探検隊を描いたイギリス映画「南極のスコット」を1947年に作曲したのですが、これを再編成して、交響曲を創っており、53年には、バルビローリ指揮ハレ管弦楽団により初演が行われています。
チェレスタ、ピアノ、パイプオルガン、さまざまな種類の打楽器やウィンドマシーン、さらに女声合唱とソプラノ独唱のヴォカリーズが用いられるという大編成で、5つの楽章で構成され、3楽章と4楽章は繋がっています。
また、各楽章の開始に先立ち、文学作品の引用句が掲げられているとのこと。

1楽章 前奏曲:アンダンテ・マエストーゾ(引用句:シェリーの詩『鎖を解かれたプロメテウス』)
2楽章 スケルツォ:モデラート〜ポコ・アニマンド(引用句:詩篇第104篇)
3楽章 風景:レント(引用句:コールリジ『シャモニー渓谷の日の出前の讃歌』)
4楽章 間奏曲:アンダンテ・ソステヌート(ジョン・ダン『夜明けに』)
5楽章 終幕:アッラ・マルチア、モデラート(ノン・トロッポ・アレグロ)(スコット大佐の最後の日記より)

ハイティンク ロンドン・フィル 1984年
Bernard Haitink  London Philharmonic Orchestra
ソプラノ:シーラ・アームストロング Sheila Armstrong
オルガン:マルコム・ヒックス Malcolm Hicks

ガタガタガタ・・・

録音状態は良い。う〜ん、悲痛ですわ。

夏だから涼しい楽曲を・・・と、最初は気楽な気分で聴き始めたのだが、これは、大失敗だった。
この映画の主人公であるロバート・スコット大佐のプロフィール、南極大陸へ上陸してから南極点を目指すルート、ノルウェーのアムンセン隊に先を越されたこと、パーティの遭難という結果に至るまでを知ってしまうと、うぐっ。と喉が詰まる。

映画のストーリーについても読んでみたのだが、ちょっと〜 いや、かなり凍り付いてしまった。
とても気楽に、楽しんでは聴けない。限界に挑戦する人の壮絶な戦いなのだ。
映画「南極のスコット」(Scott of the Antarctic)は、ご縁がないので拝見してないし、探検モノは、どうも苦手で・・・。
ドンビキしながらも、冷静に、客観的に聴こうと思って、ハイティンク盤を聴いたのだが〜

1楽章から、すでに、怖ろしい世界が広がっている。
ソプラノの声は、凍り付いた大地で、朦朧としつつ、歩いている探検家が、ゆらゆら〜と見えてきそうだし、ウィンドマシーンは、凍る大地の上を滑るように流れる風を描いて、鳥肌が立ちそう。

2楽章は、キラキラした夜空を仰ぎ見ているような気もするし、宇宙にいるような雰囲気もあり、こりゃ〜 地球じゃないでしょう。という感じの別世界である。
そうかと思ったら、まだ生物が住んでいるかのような大地も見えてきたり、自然の営みが描かれているような場面もある。
まあ、どうしてそう感じるの? と言われたら、う〜ん。何かが歩いているような、ポッコポッコ ポッコポッコという木管フレーズが出てくるから。まあ、これがペンギンが歩いているシーンなんでしょうね。

3楽章は、もう絶壁に立っているというか、大きな壁を仰ぎ見るというか、クレパスにハマりそうな気分で、ぞっとする。
もはや、退路を断つ。という絶望の気分の時に、パイプオルガンが聞こえてくるのだ。ワタシは、この楽曲を聴いてて、椅子に座っているのに腰が抜けそうになった。3楽章は、色彩を感じない暗闇の世界という雰囲気がする。

4楽章は、ノスタルジックな楽章で、優しいのだが、なんだかねえ〜 帰るに帰れない、閉じ込められている閉塞感というか、絶望的な心情が、落ち込んでいくようなフレーズで奏でられる。
不協和音の木管フレーズに、打楽器の音が、そして鐘が鳴る。時が止まる・・・ようだ。

5楽章は、金管ファンファーレが登場し、えっ・・・。
帰還すれば・・・という仮定を描いたものなのだろうか。帰還したい。帰還すれば、英雄視されファンファーレで迎えてもらえるのだろうが、無残だ。
その後、凍りの世界に閉じ込められて身動きできないような、ブリザードに襲われているような場面が、音楽で描かれている。で、ラストは、南極大陸は、何事もなかったように、ウソのように静寂を取り戻すのだ。
う〜ん なんとも・・・。涙でそうっ。これは参りました。
ハイティンク盤は、結構、リアルに演奏されており、ラストは、レクイエムのように感じるものとなっていた。
ハイ、涙なしでは聴けません。
1984年 ハイティンク ロンドン・フィル EMI ★★★★
所有盤を整理中です。

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