バッハ 管弦楽組曲 J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4(BWV1066-1069)

 バッハ 管弦楽組曲 J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4(BWV1066-1069)
フランス・ブリュッヘン エイジ・オブ・インライトゥンメント管弦楽団 1994年
Frans Brüggen Orchestra of the Age of Enlightenment

柔らかいタッチで、ふんわり包み込まれるかのような演奏だ。バッハって、こんなにソフトだったの? 驚いたのが、第一印象である。へえぇ~っと、言ってしまったっきり、すぐに言葉が出てこない。リヒター盤が刷り込まれていたようで、偉大なるバッハは、硬くて巌が立ちそびえるかのようなイメージがある。まあ、ひとことでいうと厳格な演奏。だが、このブリュッヘンの演奏盤は、羽根の生えた天使が舞っているかのような風情なのだ。あの怖くてイカツイというバッハの印象は消えたようだ。優しくて、ふわっとしてて、柔らかで夢幻的な世界が広がってて、他の演奏とは次元が異なる感じがする。
アハハ~ 癒やしの楽曲だ~ 滅相もないことを口走ってしまいそうなほど、疲れない。BGMに聴いても邪魔にならず、穏やか。
目から鱗が落ちるような気持ちの良い、バッハの管弦楽組曲でありました。バッハが苦手という方に、お薦めでしょうか。


 バッハ 管弦楽組曲 J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4(BWV1066-1069)
ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1987年~88年
Christopher Hogwood Academy of Ancient Music

古楽器演奏の代表格だった演奏だと思う。古楽器演奏なので、渋くて太い、かすれた音色で、テンポを速めて駆け抜けていく。2曲目のロンドは、明るくて艶もある。3曲目のサラバンドは、ゆったりとして優美なチェンバロに乗っている。チェンバロがあってこそ存立している楽曲のようで、弦の響きは美しい。G線上のアリアは、あまり優美とは言えず、ちょっと残念な感じ。スタイル抜群の女優さんをイメージしていたのに、ちょっと違う。オワゾリール・レーベルの録音は、いつも感激しながら聴いているが、当演奏に関しては、う~んイマイチだと思う。


 バッハ 管弦楽組曲 J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4(BWV1066-1069)
トレヴァー・ピノック イングリッシュ・コンサート 1978年~79年
Trevor Pinnock The English Concert  フルート:スティーヴン・プレストン
   
あっさりした雰囲気で、リズムに乗れず、ワタシ的には、う~ん、好みではないかも。 1993年~94年にアルヒーフ(ARCHIV)に再録しているので、1978年~79年録音は、グラモフォン(DG)盤で旧録にあたる。古楽器での演奏が流行かけた頃になるのだろうか。先駆的な演奏だったのかもしれない。現代楽器での演奏に耳が馴れているため、少し薄口風味で、行間に隙間を感じてしまったが、少人数編成なのだろう。各声部の響きに厚みがなく、ぶつ切り、細切れに感じちゃう。幾分速めのテンポで、響きが残らないために居心地が少し悪いかもしれない。


 バッハ 管弦楽組曲 J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4 (BWV1066-1069)
ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 1970年
Neville Marriner Academy of St. Martin-in-the-Fields

快活で聞きやすく、親しみやすい演奏だ。マリナーは、1970年(Dec)78年(Ph)84年(EMI)と、異なるレーベルで録音をしているが、古楽器が流行る前の演奏だ。スピーディで快活、録音状態も良く、掘り出し物だと単純に喜んで聴いていたように思う。 古楽器に親しめず、クラシック音楽から、いったん離れてしまったので、現代楽器を使った演奏を、厚ぼったいとは感じない。古楽器でないとダメとか、バッハをBGMすることも厭わない。親しみやすい演奏なら、聴く機会が増えるかもしれない。昔の「名曲名盤○○○選」な~んて本には、1番目に1960年頃のリヒター盤がお薦めのように載っていたけれど、開き直って、どーせ素人なんだからと思う。同曲異演に浸るのも良いけれど、普通は、1曲=1枚=1回だよねぇ。


 バッハ 管弦楽組曲 J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4 (BWV1066-1069)
パイヤール室内管弦楽団 1962年
Jean-François Paillard Orchestre de chambre Jean-François Paillard

柔らかく、てれ~っと外向的な演奏だが、BGMとしても聴けないし、金管はどうも苦手で、やめてぇ~と叫びたいほど。管弦楽組曲は、今は全4曲になっているが、パイヤール盤は全5曲、1~5番まで収録されている。 第5番はバッハ作ではないとされているので、今では録音されなくなっている。そういう意味では貴重な演奏だったと思う。
管弦楽組曲のなかで、最も有名なのは「G線上のアリア」(エア)が入っている第3番が有名である。パイヤール室内管の2番目の録音を聴いたが。1957年、71年、75年と複数回録音されているようだ。 1962年録音CDが発売された当時は、かなりの評判をよんだらしい。古楽器がその後、流行になり、現代楽器での演奏が減ったわけだが、テカテカして、華やかな軽やかな演奏だろうか。
「っぱぱぁ~」と響く金管、怖いようなティンパニーに疲れてしまった。派手な音量とドライな音質、ねっとり官能的で、むせかえるような旋律が聞こえてくる。あでやかな一筆書きの太い筆さばき。表面的に聞こえてムード音楽っぽいというイメージをもってしまった。


 バッハ 管弦楽組曲 J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4 (BWV1066-1069)
カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 1960年~61年
Karl Richter Münchener Bach-Orchester

金管の割れた甲高い音に聞き疲れてしまい、タイトな演奏でかなりツライ。定盤中の定盤だとされているが、ワタシには修行だ。
リヒター盤は、昔から名盤との評価が高く、古楽器ブームが来る前からの有名盤。バッハを聴くのであればリヒター盤からというのが、もっぱらだったと思う。しかし、ワタシ的には、メッチャ息苦しく首を絞められた鳥みたいな気分。 特に、金管が、どーしても苦しい。「うぱっ ぱっぱぁ~ うぱ~ぱっぱぁ~」なんじゃこりゃ~と思わざるをえない。
力強いというより、リキが入ってて、締めあげられる感じで息苦しい。ご容赦ください、どうか、おやめくだされ~っと涙目になってしまう。タイトというか、神経がピリピリして神経衰弱的に参ってしまう。ティンパニーの怖い叩き方、 金管の余裕のない「ぱっぱ~ ぱぱぁ~」という音、装飾的なトリルでさえ可愛らしくない。学究肌らしい指揮者、演奏だと思う。
G線上のアリアで有名な2楽章は、ストイック。僧侶のような気分で、沈んでいく感じがする。物悲しい雰囲気がして、荘厳さは、あまり感じられない。3楽章は、嫌いな金管が登場して、割れ音に眉をしかめてしまった。 理路整然としてて、構築性は感じるし、堂々として、揺るぎのない筋の通った立派な演奏だと思う。そうは思うが肌に合わないとしか言いようがない。
こんな高尚な音楽を理解できないとはダメじゃんと、お叱りを受けそうだが、肌が合わないものは、どうしようもなくご勘弁を。


バッハ 管弦楽組曲
1961年 リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 Ar ★★★★
1962年 パイヤール パイヤール室内管弦楽団 E ★★
1970年 マリナー アカデミー・オブ・セント・マーティン Dec ★★★★
1978年 ピノック イングリッシュ・コンサート G ★★★
1983年 ガーディナー イギリス・バロック管弦楽団 E
1988年 ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 OL ★★
1994年 ブリュッヘン エイジ・オブ・インライトゥンメント Ph ★★★★★
1983年 ガーディナー イギリス・バロック管 E 未聴

バッハの「管弦楽組曲」は、ブランデンブルク協奏曲と共に彼の代表的な管弦楽作品の一つ。独立した4つの組曲から構成されバリエーション豊かな作品。当時の様々な舞曲や宮廷音楽の集大成で、フランス風序曲形式の一つの完成体だそうだ。成立年代は ケーテン時代(1717年~1723年)、またはそれ以前のヴァイマル(1708年-1717年)時代と考えられている。トランペットやティンパニーを含む第3・第4組曲の編成を見ると、当時のケーテン宮廷の小規模な楽団には不釣り合いではないかとのことで、ライプツィヒ時代(1723年以降)に、コレギウム・ムジクムでの 演奏のために大幅に加筆された可能性が高いとされている。また第4組曲の序曲は、ヴィヴァーチェ部分に合唱を加えて、カンタータ110番の冒頭の合唱曲に転用され、第5組曲は長男フリーデマンの作とされているそうだ。第1番 BWV1066 ハ長調  オーボエ2本とファゴットが、トリオソナタ的な独奏ポジションを与えられ(=コンチェルティーノ)、コレッリ様式の合奏協奏曲に近い編成となっている。第2番 BWV1067ロ短調 合奏協奏曲的な第1番に対して、フルートがソロ的な活躍する独奏協奏曲に近い形式。第3番 BWV1068ニ長調 第4番 BWV1069ニ長調
バッハといえば、音楽室に飾られた肖像画ぐらいしかワタシのイメージになく、暮らしていた時代や住んでいた地域の宮廷の模様なども知らず、漫然と聴いてしまった状態。300年以上前の楽曲なので、遠くて偉大すぎて、見知らぬご先祖さま的存在な楽曲なり。


 

YouTubeでの視聴

バッハ 管弦楽組曲
J.S. Bach: Suite No. 1 in C, BWV 1066 - 1. Ouverture
フランス・ブリュッヘン エイジ・オブ・インライトゥンメント管弦楽団
第1番第1曲
https://www.youtube.com/watch?v=3WQV8nMzIws


J.S. Bach: Orchestral Suite No.3 in D Major, BWV 1068 - 2. Air
カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 トピック
第3曲第2曲「G線上のアリア」
https://www.youtube.com/watch?v=YteKjputx4A


J.S. Bach: Suite No.3 In D Major, BWV 1068 - 2. Air
ピノック イングリッシュ・コンサート トピック
第3曲第2曲「G線上のアリア」
https://www.youtube.com/watch?v=vV_gcNwtcik


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