「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

20932092

バルトーク 舞踏組曲、弦楽のためのディヴェルティメント
Bartok
: Dance Suite, Divertimento


「舞踏組曲」Sz.77は、バルトークが、1923年に行われたブダペスト市政50周年の記念音楽祭のために作曲されたもので、ドホナーニ、コダーイ、バルトークの3人に対し、書き下ろしの依頼があったようです。

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、
第1舞曲 三部形式で、ファゴットが狭い音程間の「部分的に東洋・アラブ風」の旋律を導き出して始まり、やや盛り上がって終わると、ハープのグリッサンドで雰囲気は一変し、リトルネロに入り、ハンガリー民謡風の静かな旋律がヴァイオリンに乗って現れるもの。
第2舞曲 三部形式で、ヴァイオリンが荒々しいリズムに特徴があるハンガリー風の旋律を奏し、怒濤のような舞曲が静まると、ハープのグリッサンドで再び雰囲気は一変してリトルネロに入り、クラリネットが旋律を奏するもの。
第3舞曲 ロンド形式で、ハンガリー・ルーマニア(特にリズムで)やアラブ風舞曲が、華やかなオーケストレーションで次々に現れます。ロンド主題の音階は五音音階に基づくもので、リトルネロなしで休みなく次の曲に続きます。

第4舞曲 ほぼ三部形式で、夜の音楽を思わせる静かな舞曲で、アラブ風の旋律が静穏な弦楽器の密集和音の中から出現してきます。その雰囲気を引き継ぐように、リトルネロもまた静かに、切れ切れに出現するもの。
第5舞曲 バルトーク自身が、非常に原始的な舞曲でどこに由来するとも言えないと述べているそうです。
終曲は、第5舞曲のリズムで、弦楽器が低弦から4度間隔で積み重なっていくと金管楽器が合いの手を入れてきます。これが、「中国の不思議な役人」の冒頭部に用法が似ているとのこと。
で、各舞曲やリトルネロが次々と再帰し、最後は第3舞曲のテーマから派生した動機で曲を華々しく閉じるもの。

コーラングレ、バスクラ、コントラファゴットに持ち替えが必要であったり、ヘ調のホルン、変ロ調のトランペットや、多彩な打楽器、チェレスタまで登場し、華やかだけど民謡風で、でもバルトークのオリジナリティのある約17分の楽曲です。
日本の夏祭りに似た、ひょろひょろ〜っと横笛が聞こえてくるような、そんな懐かしい気分になります。

ブーレーズ シカゴ交響楽団 1992年
Pierre Boulez  Chicago Symphony Orchestra

いかすぜっ

録音状態は良い。意外と、さっぱり系で粘りが少ない。ワクワクしないが、木管のフレーズなどは、よく聞こえてくる。
カップリング:
1〜6 舞踏組曲 7〜8 2つの映像 9〜13 ハンガリーの風景
14〜16 弦楽オーケストラのためのディヴェルメント
バルトーク 舞踏組曲

1曲目
ブーレーズさんのバルトークの作品は、たくさんCD化されているが、そのうちの1枚である。
で、メチャ期待して聴いたのだが、冒頭、打楽器がロールした後、シャンっと鳴らされ、ファゴットで、「ふぁどっしっどぉ〜 らどっし〜 らどっしっ しぃ〜 ど  らどしっし〜ど」 
「ふぁっ〜どっしっし〜 ど らっどし〜 どどし どどっし どっし どどっし どっし・・・」
確かに、録音状態は、とっても良い。
低弦の鋭い響きと、なんとも言えないリアル感があるものの、ブーレーズ盤で聴くと、不気味さが、あまり感じられない。もっと軋み感が漂ってくるのかな〜って思っていたのだが、意外と、さらっと演奏されている。
重量感はそこそこにあるのだが、粘りは、意外とないのだ。
いろんな木管や金管が活躍しているのだが、粘っこく、うねるような勢いが少ないように思う。
メスト盤を聴いた時には、独特の脂っこさがあって、ぎらっとした、こってり味の豚骨味だっと思ったのだけど、さっぱりしている。するっと、中間部のフレーズに移行 する。
中間部の方が聴き応えアリという感じ。で、するり〜と、2曲目に入ってしまった。

2曲目は、蛮族襲来って感じのフレーズが演奏される。
「れぇ〜 しれし〜 れし れ〜しれしれしれしれ どら しぃ〜 し〜そぉしぃ〜」と、トロンボーンを初め、チューバも加わって、粘っこ く金管が咆吼する。でも、「れ〜しれし〜 れし れ〜し しれしれ〜」
独特のアクが抜けて、シンプルなフレーズになってしまっており、スマートに演奏されている。
「しらぁ〜 しらぁ〜 どぉらぁ〜 どぉらぁ〜」と、押しの強い、うねるような金管の咆吼フレーズも、意外と、そのまま。えっ あらら〜 どっしたのぉ?
もっともっと、語尾を、ぐいっと押してくれてないと、面白くないやんっ。

3曲目は、大変軽快な、夏祭りのような舞曲である。
「どっそ ふぁれふぁれ どっし どれどれ ふぁっし」 
「どぉそ ふぁれふぁれ どぉ〜 どれどれ ふぁっれ どっし ふぁれふぇれ どしっ〜」
愉快なフレーズが続くのだ、ここは確かに明るく開放的で、ノリ感もある。
録音状態も良いので、とっても良いのだが、ヴァイオリンのフレーズにしなりが少なく、もっと弾むように鳴ってくれても良いんだけどなあ。
いやいや、なかなか良い演奏なんですよ。でも、なーんか、ホント、のっぺり系で、弾む愉快さが、どっか感じられないんだけど。何故かなぁ。もう少し派手に、演出気味に鳴ってきても、よいと思う なあ。

4曲目は、夜をイメージしているのか、コントラファゴットのフレーズが、「らしどしらぁ〜 しらふぁらどしら ふぁららぁ〜」の後に、ハープとか、チェレスタの綺麗な、ふわーっとした音が広がる。
録音状態が良い分、空気感が、ふんわりと漂ってきて〜
アラジンの魔法使いのように、もわっと、空想の世界が広がってくる感じだ。
この楽章は、暖かい空気を流し込んでくる木管のフレーズと、チェレスタの冷たい神秘的な音と共に、不思議な世界を描き出す。

5曲目は、「ふぁっふぁっふぁ どふぁっふぁふぁっ・・・」と 、音が連なっていくが、そのなかで、トリル音が良く聞こえてくるので、草原の向こうから、馬に乗った侵入者がやってくるかのような気配がある。
さて、テンポが速くなってくると、いよいよ襲来である。
2曲目のフレーズが再来して、金管の音は迫力満点だが、もう少しパーカッション群の音が入ってくると、重量感が増すだろうなあ。と思う。
で、大円団って感じに盛り上がってくるのかな〜って期待したのだが、さほど盛り上がらないんである。
う〜ん。

ブーレーズ盤は、意外とのっぺり系というか、期待したほどには、ノリ感が少なめだった。
ワタシ的には、ヴァイオリンのフレーズに、もっと動きが欲しいかな。って感じがしたんだけど、、、その分、木管の音色は、よく聞こえてくる。 ブーレーズ盤は、メスト盤に比べて録音状態が良いので、楽器の使われ方とか聴いてて、見えてくるように聞こえるのだ。そう言う意味では、精緻さがある。
ホント、難しい曲だなあ〜っと思いつつ耳を傾けたのだが、重くて、渋くて、金属的で、そのくせ、しなやかで、軽妙さも持っていて欲しい難しい曲だと思う。ブーレーズ盤、素人が聴くには。巧く言えないのだが、なぜか、ワクワク感が少ない。若々しさ、瑞々しさ、破壊的なエナジー、破天荒さ。危なっかしさ、鋭利的な、ピンっと張りつめた緊張感が、どっか抜け落ちているような気がするのだ。
2曲目が、もっと派手だった方が、ワタシ的には嬉しかったんだけど・・・(← 素人感想ですけど 笑) 良い意味で言えば落ち着いているし、精緻さもある。

ウェルザー=メスト ロンドン・フィル 1992年
Franz Welser-Möst
London Philharmonic Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手


録音状態は良い。少しくぐもっているが、軽快で、しなやか。迫力も充分にあり、金管に色彩感があって聞きやすいと思う。カップリング:ストラヴィンスキー 火の鳥 全曲版(1910年版)、管楽器のシンフォニー(1947年版)、バルトーク 舞踏組曲
バルトーク 舞踏組曲

舞踏組曲は、その名前のとおり、5つの舞曲と終曲の6つの部分に分かれている。
とっても、土俗性の高い、とっても楽しい曲だ。明るく飛び跳ねるような舞曲ではなく、とーっても暗い。どす黒い。しかし、なーんか聴いているうちに、どこか癖になる曲で、そうだなあ〜 ラーメンで例えると、とっても脂っこい豚骨味の、ぎらっとした、こってり味スープで、太麺が絡んでいるって感じの楽曲なのだ。
最初は、うへっ 濃いっ。と叫んでしまうのだが、どことなく東欧風でもあり、日本の夏祭りに似た、ひょろひょろ〜っと横笛が聞こえてくるような、そんな懐かしい気分にもなる。
大変短く、1曲が2分〜3分半ほど、5曲目なんぞ1分に満たない。

でも、ホント濃い味で、一度耳にすると、とっても個性的なので、耳について離れないんだなぁ。
お祭好きな人だと、ワクワクしちゃう〜 パーカッション大好き人間なら、むふふっ。 思わずDNAが騒ぐっ。って感じになると思うのだが〜 しかし、悲しいかな、あまりにも個性的すぎて、馴染みがないというか、特に、女性には敬遠されちゃうかもしれない。 さて、メスト盤を聴いてみる。

1曲目
ファゴットで、「ふぁっ〜どっしっどぉ〜 らどっし〜ど らどっしっ しぃ〜ど」 
「ふぁっ〜どっしっし〜ど らっどし〜 どどし どどっし どっし どどっし どっし・・・」
低弦の鋭い響きと、なんとも言えないリズム感がある。これが東洋・アラブ風って言われたら、そんな風にも感じるのだが、う〜ん。わかんない。コントラファゴットも入っているように思う。
最初の金属的な音は、鐘なのか、
金管が、「どぉ〜っ しぃ〜 そぉ〜 ふぁぁ〜」と、警告を発するようなフレーズを吹いてくる。
このあたり、ヤナーチェクのシンフォニエッタみたいな感じもするのだが〜
主には、低弦の響きが、掻き鳴らされている感じだ。
クラリネットなんかの木管群は、「しどれ〜 しふぁれ〜 みっみっ しらしられ〜」って感じの短いフレーズを間に入れてくるし、フレーズとしては、「みっみっれ みっみっれ みっれぇ〜」が並んでいる。

中間部は、柔らかい優しい、甘い弦のフレーズがはまっている。
「ら〜 ら〜 そらし どらみそ れ〜みふぁ そっふぁ みふぁれみ どぉ〜」
「れ〜みふぁ そっふぁ み〜ふぁそ ら〜」 ハイ、ここは郷愁を感じてしまいます。
続く、クラリネットの甘さも、2曲目の恐ろしいフレーズに戻ってかき消されてしまう。

2曲目は、蛮族襲来って感じだ。
「れぇ〜 しれし〜 れし れ〜しれしれしれしれ どら しぃ〜 し〜そぉしぃ〜」と、最初はヴァイオリンで奏でられているのだが、トロンボーンを初め、チューバも加わって、粘っこ く金管が咆吼する。
こりゃ、フン族襲来っていう感じだなあ。
う〜ん。ローマ帝国を滅亡させたバルバロス(バーバリアン)が、全部かっさらって、今のハンガリーに侵入し、反対に居座っちまったぜ。って感じなのだ。
こりゃ、まるで、略奪され、虐殺シーンのようですわ。ハイ、怖いですねえ。
蛮族って、教科書で習ったゴート族なんかもいますし、決して蛮族の侵入だけでローマ帝国が滅んだわけでもないんでしょうけど。まっ この蛮族襲来っていうのは、ワタシ的空想ですけどね。

3曲目は、大変軽快な、夏祭りのような舞曲である。
「どっそ ふぁれふぁれ どっし どれどれ ふぁっし」 
「どぉそ ふぁれふぁれ どぉ〜 どれどれ ふぁっれ どっし ふぁれふぇれ どしっ〜」
伸びやかで、ターン ターンっという、金管の太い響きも、横笛的なひゃーっと鳴ってくる音もある。
五音階というところが、なんとなく懐かしいフレーズに聞こえてくるのだ。
最初の木管の音色は、もう少し綺麗に決まってくれたら良いのだが、少しくぐもっているものの、色彩感は豊かだ。「しぃそぉ〜 しぃそぉ しぃそぉ〜 しぃそぉ しぃぃ〜」
どす黒く、グロテスクというよりは、軽快で、明るく、しなやかさがあって、ワタシ的には聞きやすい。

4曲目は、ハープのような弦を鳴らす音、チェレスタの静か〜なフレーズのなかから、ファゴットのフレーズが出てくる。「らしどしらぁ〜 しらふぁらどしら ふぁららぁ〜」
生暖かい、ふわーっとした底に流れてくる空気感があり、砂漠近くの草原で、夜空を見上げているようでもあり、生々しい動物のうねりにも聞こえる。

5曲目は、声にならないような音で、「ふぁっふぁっふぁ どふぁっふぁふぁっ タララ ララララ・・・」と低く呟くような音が鳴っているが、次第に高揚してきて、ぴらっらっらっ んぱっ んぱっ と鳴っていたと思ったら終曲に続いていくので、まあ、序奏的な役割を果たしているんだと思う。
最後は、蛮族襲来フレーズ「れぇ〜 しれし〜 ふぁし〜」が顔を出し、大太鼓等のパーカッションも加わって、どっそ ふぁれふぁれ どっし・・・という3曲目のフレーズも戻ってきて、雄叫びみたいになって〜
ド迫力の大円団となって終わる。

メスト盤は、もう少し録音がクリアであれば良いのにな〜と思う。
ちょっぴり、かさついたところがあるのが残念だ。しかし、すごくアクの強い楽曲で、特に、3曲目が、ド迫力なので、 原初的だが、聴いてて、とっても楽しい。
あまりに濃厚で、分厚すぎると〜 う〜ん。のけぞってしまって、引いてしまうかもしれず。硬すぎても困るし、メスト盤だと、まずまず、この頃合いで、最初に聴くには良いかな〜って思ったりする。力強さもそこそこあり、金管の音色に鮮やかさがあるので、ちょっぴり明るめ。
リズム感は、これは〜 う〜ん。専門家でないと、なんとも言えない。大変個性的な楽曲で、素人には、このリズムは難解すぎて〜  とても、とても、ひとくちに言い表せず、解りません。スミマセン。
でも、この盤を聴いていると、楽しいデス。

ショルティ シカゴ交響楽団 1989年
Georg Solti  Chicago Symphony Orchestra



録音状態はまずまず。乾いた勢いのある演奏で熱い。
カップリング:
1〜4  バルトーク「弦楽、打楽器とチェレスタのための音楽」 1989年
5〜7 バルトーク 「ディヴェルティメント」 1990年
8 バルトーク 組曲「中国の不思議な役人」 1990年録音
弦楽のためのディヴェルティメント

バルトークのディヴェルティメントは、次のとおり、有名な弦チェレとオケコンの間に創られた楽曲です。

 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽(Sz.106) 1936年
 弦楽のためのディヴェルティメント (Sz.113) 1939年
 管弦楽のための協奏曲(Sz.116) 1943年

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
「弦楽のためのディヴェルティメント」 (単にディヴェルティメントという表記もあります。)は、バルトークが、ハンガリー民謡やルーマニア民謡の分析作業に没頭する日が続いたなかで、作曲されたもの。
指揮者のパウル・ザッハーの招きで、スイス グリュイエール地方の山小屋で暮らしていた頃、ザッハーの率いる旧バーゼル室内管弦楽団のために、弦楽五部による作品を、休暇中に一気に作曲したそうです。

ディヴェルティメントの名前のとおり、民族的な素材にして、バロック時代の合奏協奏曲のスタイルを取り入れています。
弦楽五部を基調としながらも、時には、独奏楽器群とオーケストラの総奏に分かれ、2群が交代しながら演奏します。
調性的にも(特に両端楽章では)明快ですが、中間楽章はバルトークらしい「夜の音楽」と共に、半音階的な晦渋さをも併せ持つものとなっています。

弦楽五部(スコアの扉には、第1、第2ヴァイオリン各6、ヴィオラ、チェロ各4、コントラバス2以上を必要と記している。)
3つの楽章で構成されており、演奏時間は約24分

第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ (ソナタ形式) 8分16秒
第2楽章 モルト・アダージョ (3部形式) 7分27秒
第3楽章 アレグロ・アッサイ (ロンド・ソナタ形式) 6分32秒

なんと、作曲者は、上に記したように楽章での演奏時間を書いており、全曲は22分13秒と書いているそうです。
まあ、これは指定されたわけではないと思うんですが〜 そんな、ピタッと演奏できませんよねえ。

さて今日聴いたのは、ショルティ盤である。

1楽章
いきなりジャジャジャ・・・という鋭い弦の切れ込みが見えてくる。
「そっふぁみ ふぁみれ〜 れどれ〜 れどれふぁそれ〜 れどれふぁしぃ〜」
独特のアクセントというか、ふにゃっとした語り口なのだが、硬いという、ちょっと矛盾したフレーズが流れてくる。
で、ヴァイオリンが、ふにゃふにゃ ふにゃ れ〜って感じで、歌い始めるという感じだ。
シンコペーションのリズムがあり、そぉ〜 そぉ〜っそそ そぉ〜っ しー しー ししっー って感じのリズム感で構成されている。なーんとも、嫌らしいリズムなのだが、これがバルトークでしょ〜って感じで、一筋縄ではいかない。

確かにクラシカルな伝統を重んじたソナタを用いたスタイルだし、でも、この方の語法は、ローカルなのである。
これを、古典的スタイルに押し込めちゃうというか、両立しちゃうところが、すごいところだ。最初は、ヘ長調なのだが、どこかで、するっと短調っぽく変わっているし、不思議な和音が出てくる。
そぉ〜 そ〜 そそぉ〜 と全員で弾いていたところにソロが入っていったり、ソロの弦楽と、弦のトゥッティが入れ替わっていたりする。
ところどころに聞こえてくる旋律は、ん? あれっ。という古典的な旋律が垣間見られる。
この弦合奏は、軋んだ感じなのだが、なぜか美しく感じるという、とても不思議なものだ。ヴィオリンの高い音域の独特の周波数で、どうも、アタマがやられちゃうらしい。一種の快感を感じる周波数なのだろう。

2楽章
この楽章は、かなり暗い。最初は、聞き取れないほどの弱音で、揺れのあるフレーズが、もわっとした感じで動く。
もぞもぞ〜とした、ぬめりを感じる遅さで、「みぃ〜 れぇ〜」と、軋んだ音となって出てくる。
弦の引き延ばされた、か細いが、強い波動となって伝わり、「しぃ〜しぃ〜しぃ〜 れしぃ〜らそ み そらし れ しらそ みふぁ ふぁ らふぁ れしぃ〜」と続いていく。
ショルティ盤で聴くと、乾いた軋み感があって、ドライな感じがするのだが、バルトークさんの作り出す音は、本質的には、ぬめっとしており、どろっとした粘着性のある液体が、ひたひたと足元忍び寄ってくる感じがする。
相当に不気味だ・・・。
低弦の重ねた音と重量感が、そう思わせるのだろうか、どうも、音の響きが独特で、海の底が揺れているかのような、気持ちの悪さがある。音の不安定さが独特で、安定しないというか、一定の高さを保ってないような〜
足元が揺れているのに気づくと、なーんか、気持ちがわるい。また、ところどころに入ってくる高音域の音が、その格差を助長してくる。ひぇ〜っ この効果は抜群だ。

3楽章
この楽章は、前楽章とはうってかわって楽しい舞曲が始まる。
「そぉ〜れみふぁみれ そぉ〜 そ〜れみふぁみれ れっそ  らしど〜しどれ どれみふぁ み〜れそ れっそ」
「らぁ〜〜 ふぁそらふぁ そぉ〜らふぁ そぉ〜らふぁ そらふぁ そらふぁ・・・」と続いていく。
独特のヨナ抜き風フレーズが続いていくのだが、このリズムが、とっても楽しい。

朗々と歌われていくので、とってもノリノリ感がでてくるのだが、これは、マジャール風というのか、ロマ風と言えばいいのか。
ムチがしなるような音や、ヴァイオリンが悪魔のように、踊り狂ってくるって感じがする。
「らぁ〜みぃ〜 らしどしらっそふぁみ そぉ〜どぉ〜 しどれみれっら」と、ごつい、低音のユニゾン風フレーズが出てきたり、飽きることなく進む。
虻や蜂が飛び交っているかのような、ブンブンとした弦が奏でられ、なんだか、バルトークの晦渋な弦楽四重奏曲を聴いている気分となって、うへっ。もう耐え難いと思った瞬間、あっ しまった、この曲は、可愛く、古典風のディヴェルティメントだった・・・と、ふと、我に返ったように古典に戻る。だが、これも一瞬で・・・。
で、また、現代の軋みに戻っていき、えっ・・・と思った瞬間に終わってしまう。まるで、線香花火の光の玉が落ちたみたいに、すこんっ。
なーんだか、狐につままれた感のする楽曲で、みごとに、やられてしまう。
どこがディヴェルティメントなんだ〜と、思うのだが、外側は、そうなんでしょうねえ。でも、中に入っている具材は、強烈なスパイスの効いた、中央アジア風ティストなんですよね。
このギャップが、妙にハマります。
舞踏組曲        
1992年 ブーレーズ シカゴ交響楽団 ★★★
1992年 ウェルザー=メスト ロンドン・フィル EMI ★★★★
弦楽のためのディヴェルティメント      
1989年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec ★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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