「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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バルトーク 5つのハンガリー・スケッチ
Bartok
: Hungarian Sketches


「ハンガリーの5つのスケッチ」は、バルトークが、自分のピアノ曲から5曲を選び、管弦楽のための組曲として編曲したものです。1931年には、同様にトランシルヴァニア舞曲やハンガリー農民の歌をピアノ曲から管弦楽曲に編曲しているそうです。
ユニークさと、素朴さを感じるタイトルで、全部約15分ぐらいの5曲です。
第1曲 トランシルヴァニアの夕べ
第2曲 熊踊り
第3曲 メロディ
第4曲 ほろ酔い
第5曲 豚飼いの踊り

日本人であれば、どこかで聴いたような気がする。どこの民謡?って言いそうな5音音階独特のフレーズと、文字どおり、ちょっぴり臭いそうな、リズミカルでコミカルな要素を持ち合わせた楽曲となっています。

フリッツ・ライナー シカゴ交響楽団 1958年
Fritz Reiner Chicago Symphony Orchestra

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。リマスタリング盤で問題なく聴ける。意外と、さっぱり〜っ。
カップリング:
1〜5 管弦楽のための協奏曲(55年)
6〜9 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽(58年)
10〜14 5つのハンガリー・スケッチ(58年)
フリッツ・ライナーさんっていえば、20世紀を代表するハンガリー生まれの名指揮者で、バルトークといえばライナー盤でしょう〜というぐらい、弦チェレやオケコンは、昔からの名盤となっている。
ワタシは、96年に収録されたフィッシャー指揮のブダペスト祝祭管弦楽団で、5つのハンガリー・スケッチを初めて聞いたが、ライナー-さんの定番CDにも収録されてて、ちょっぴり嬉しい気分に〜。
全体的には、さっぱりと演奏されているが、やっぱり五音階調にはノスタルジックに、打楽器が使われているリズミカルな曲は、弾む気分に。
で、この盤では、チェレスタが使われているようにも聞こえるんだけど〜 どうでしょう。
もしかしたら編成にアレンジを加えておられるのかもしれません。

ショルティ シカゴ交響楽団 1993年
Georg Solti
Chicago Symphony Orchestra

ばっちグー!

録音状態は良い。ショルティの最晩年のライブ盤。ふわっとした夕暮れ時、野外コンサートを聴いているような気持ちに。
カップリング:リスト 「メフィスト・ワルツ」「ハンガリー狂詩曲第2番」、バルトーク「5つのハンガリー・スケッチ」「ルーマニア民俗舞曲」、コダーイ「ハーリ・ヤーノシュ」、ヴェイネル「チョンゴルと悪魔 序奏とスケルツォ」

ここでご紹介するのは、ショルティ ハンガリー名曲集と題されたCDで、ライブ盤である。
ショルティさんって、ずっとシカゴ交響楽団のシェフをされていたので、すっかりアメリカ人っぽく感じていたが、元々は、ハンガリー生まれの方。

さて、バルトークの「5つのハンガリー・スケッチ」は、 「ハンガリーの風景」とも表記されるが、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、バルトークがピアニストとして、演奏会でよく演奏していた曲を5つ選んで編曲したものらしい。 続けて、曲の紹介も、抜粋して掲載させていただくと〜

第1曲 トランシルヴァニアの夕べ 別名「セーケイ人との夕べ」「セークレルとの夕べ」
クラリネットが導き出す五音音階の主題と、フルートが導き出すもう一つのやや活発な主題が交代しながら出現し、最後は最初の主題が現れて静かに幕を閉じる。なおどちらも旋律はバルトークの自作である。

第2曲 熊踊り
熊の足音を模倣したリズムをティンパニー・テューバが表現し、踊りの際に叩かれる太鼓をスネアを外した小太鼓と低弦が、時にはスネアをつけた太鼓と弦楽器が模倣する。その上で木管楽器が踊りの主題を吹く。

第3曲 メロディ
民謡調の五音音階的なメロディが次第に印象派ばりの色彩感あふれるオーケストレーションで彩られ、また静まっていく。

第4曲 ほろ酔い
「千鳥足で歩く酔っぱらいが酔いつぶれるまでを描いた」ことが容易に想像できる、非常に描写的な曲。

第5曲 豚飼いの踊り
弦楽器のシンコペーションするようなリズムを背景にはじめは切れ切れに、そして全体に踊りのテーマが現れる。ひとしきり盛り上がって静まりかえるが、再び最後は急速に盛り上がって(原曲は静かに終わるため、組曲向けに結尾が新たに書き加えられた)終わる。

「トランシルヴァニア」という地方は、今は、ルーマニアになっているようだ。
東欧とひとくちに言っても、かなり歴史的背景があって、オスマントルコ、神聖ローマ帝国、ハンガリー王国、ハプスブルグ家のオーストリア・ハンガリー帝国等。これだけ名前を並べただけでも、う〜っ 日本とは大違いの侵略されやすいエリアだとわかる。
ロシアも関与していたのかもしれないが、主には、ドイツの影響を受け、実行支配を受けてきたエリアだったようだ。まっ、俄に勉強しただけでは理解できない 、大国に翻弄された、とても複雑な民族の混在したエリアのように思う。
1曲目のトランシルヴァニアという地名も、セーケイ人という意味も、さっぱり解らなかったので、少し調べてみました。で、一応、下に地図だけ貼っておきます。
バルトークは、このハンガリー王国(現、ルーマニア)を訪れて、民族音楽に触れて、民謡や舞曲をベースにして出来た曲なのだそうだ。作曲家、コダーイと一緒に採譜していたらしい。

さて、ショルティ盤・・・。
演奏会を収録したCDなので、とびっきり良い録音とは言えないが、熊の踊りなんぞ、この変わった和音構成のなかで、パンチが効いた打楽器は、特に楽しい。 自然な演奏で、するり〜っと耳に、カラダに浸みてくるような感覚が味わえる。
重厚さがあり、温かみのある空気感があって、フィッシャー盤とは違ってて、これはこれで、野外でのコンサートを聴いているような感覚だ。
まるで、夕暮れ時のワンシーンのように感じられるし、草原に座って、ふわーっとした気分で聴いているような感じがする。
バルトークの楽曲を分析してやろ〜とか、理詰めで聴くなら、フィッシャー盤がお薦めかもしれませんが、ワタシのように、ふわーと、ぼけ〜っとしながら聴いみるなら、ショルティ盤が良いかも。(笑)

イヴァン・フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 1996年
Iván Fischer
Budapesti Fesztiválzenekar
(Budapest Festival Orchestra)

いかすぜっ

録音状態は良い。さっぱりしているが、精緻な演奏のように感じられ、詰め将棋のように論理的かも。
バルトークの「5つのハンガリー・スケッチ」(ハンガリーの風景)は、文字どおり、5つの風景が音で描かれている。素朴で、日本の風景を思い浮かべてしまう懐かしい雰囲気がする楽曲だ。
5つのシーンとは、村の夕暮れ、熊の踊り、メロディ、ほろ酔い、豚飼いの踊り。
えへへ〜 何か、へんてこりんなタイトルで、とても短い曲だが、大変印象に残る楽曲だ。

第1曲 「村の夕暮れ」
「そぉ〜 ふぁれふぁ そふぁぁ〜 れ〜」
「そぉ〜 ふぁれふぁ そふぁぁ〜 れ〜ど」
「れぉ〜 どれそ ふぁれ しそ〜 れ〜どれふぁれ しそ〜」
この冒頭のフレーズは、クラリネットで吹かれているのだが、これが、メチャ和風なのだ。 ひやぁ〜 まるで、NHKで、日本の風景紹介をしている映像のバックで流れているような曲なのである。
続いて、村のお祭りのようなフレーズが、フルートで奏でられる。 「ふぁそ〜 れどし ふぁそ〜  そふぁれ しど〜 れどし ふぁそ〜」と吹かれると、うむっ。
う〜む。これ、ホントにハンガリーっ? ウチの国の風景が浮かぶんですけど・・・。
このバルトークの村というのは、トランシルバニア地方の夕暮れ時の風景だそうである。3分にも満たない小さな作品ではあるが、しみじみ〜して、思わず、そうだっ田舎に帰ろう!っていう気分になってしまう。

第2曲 「熊の踊り」
ちょっと滑稽なベア・ダンス ティンパニーとチューバが鳴って、木管の不協和音の二重奏っぽくなっている。
「みみみ ふぁっみみ ふぁみみれどど ふぁみれどれみ どどし しらら」
「そそふぁふぁ どれみ〜みみれれ どぉどぉ〜」
↑ こんな綺麗な音じゃーないんですけどねえ。
鼻が詰まったような、低音の木管や弦が、へんてこりんな音が鳴ってるんですけど。
小太鼓が、小さく音を鳴らしていたり、そのうち、同じフレーズを、金管で鳴らしてくるんですけど、これがまた、不協和音ですねえ。 弦が、そそそそそ〜 ららららららら〜 カシャカシャカシャ・・・と、想像できないような違う和音の1音を、持続して奏でるのだけど。う〜ん。
「そぉそぉそぉ ふぁふぁ〜 そぉそぉ ふぁふぁ〜」と、チューバが鳴ったり、
「ふぁっみみ ふぁふぁっ そそっ」と、ファゴットだと思うんですけどえね。ケッタイな楽曲。
しかし、合いの手の「ふぁ〜ふぁ〜 ふぁふぁ〜 そぉそぉ〜」と鳴ってくるところがオチャメ。
トライアングルも、密やかに鳴ってるんですけど、お子ちゃま風のお遊びみたいな楽曲ですけど。これが妙に面白い。

第3曲 「メロディ」
「れ〜らぁ〜 そら〜 どらそふぁそ〜 れみ〜 ら〜 み〜」
「れ〜ら〜  そら〜 どらそふぁそ〜 れみ〜 らし〜」
「れど〜 ふぁど〜 そしれふぁみ〜 れし〜ふぁそ〜 れど〜ふぁど〜 そしれ ふぁ〜」
↑ この木管のフレーズが曲者で、フラットがイッパイ付いてて、う〜 幻想的なフレーズで繋ぎが、これまた和音になってないんだなあ。
フルートって、怪しい音色も、茫洋とした音色でもあるんですねえ。
和音が、とにかく予測不能というか、ドビュッシーの海のようなフワフワした楽曲で〜。
弦と木管が、全く和音の違うフレーズとして、二種類は存在しているようで、違う和音が、はためき、流れていくような感じで、音が織り込まれていくような感じを受ける。
最後、音階を奏で、グリッサンドで、ぱらららららら〜 っとハープが入ってくると、もはや幻想の世界に。
それにしても、この和音、独特っ。

第4曲 「ほろ酔い」
「そっそ れっれ そそっれ〜  そっそ どっど そそっれ〜」
「そっそ れっれ そそっれ〜  そっそ どっど れっれ ふぁっれ〜どしら〜」
「ふぁっ れっど〜しっ ら〜」
酔っぱらって、ヒックっ!と、しゃくりしているような雰囲気の音も出てきて、可愛い楽曲で微笑ましい。
ふふふ。憎めないですねえ。
木管の使い方が、巧いねえ。
そのうちに、酔っぱらいさんは、寝ちゃったようで、プロコフィエフか、ショスタコのように、チューバが、ぼぉ〜ぼぉ〜っと入ってくるのだけど。
チューバの「ぶほぉ〜 ぶほっ」っていうのは、イビキですかねえ。うん。イビキですねえ。
とにかく、音のなかの木管や金管が、細かく合いの手を入れてくるし、なかなか、描写力の凄い楽曲です。ハハハ〜 これ巧いわ。

第5曲 「豚飼いの踊り」
タイトルは、豚飼いになっているけど、クラリネットのフレーズを聴く限り、村人たちのお祭シーンである。
フルート 「し〜ふぁし らそふぁ みっれみれ ふぁふぁ〜」
何拍子なんだろっ。
「ンっタラ タッタ ッタラ ラッラ ら〜ら〜」というフレーズが続く。あまり派手には演奏されていないけれど、熱いモノが走るんじゃーないだろうか。まあ、この演奏は、エキサイトせず上品に奏でられている。

イヴァン・フィッシャー盤は、全曲通して11分21秒の演奏である。
5音音階独特の音の持つ音色と、リズムが特徴で、ぎゅーっと圧縮されたように、ハンガリーの風景が入っている。11分程度の楽曲だと、あっという間に通り過ぎてしまうが〜 妙に懐かしい気分になることと、和音が独特で、大変面白い。最後の第5曲が、舞曲風であるが、さほど熱く演奏はされていない ものの、清潔感があって良い。

こういう作品は、ハンガリー出身の指揮者、東欧出身指揮者の盤だったら、いわゆるオクニモノになるので、あたりはずれはないように思うが、どうでしょう〜。発売されているCDは、さほど多くない。

1958年 ライナー シカゴ交響楽団 ★★★★
1993年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec ★★★★
1996年 フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 Ph ★★★★
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