「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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ベートーヴェン 序曲「プロメテウスの創造物」、劇付随音楽「アテネの廃墟」序曲
Beethoven: Overture "Die Geschöpfe des Prometheus(Prometheus)""Die Ruinen von Athen"


ベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」(作品43)は、バレエ音楽なのですが、序曲のみが、もっぱら演奏されます。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
なんと、ベートーヴェンは、2作のバレエ音楽があり、このプロメテウスと騎士のバレエという作品があるそうなのですが、バレエ音楽があることすら、ワタシは、知りませんでした。
このプロメテウスの創造は、1800年から翌年にかけて作曲され、01年3月に初演されています。
この音楽は、当時、詩人ゲーテとシラーのあいだで論議されていた一種の「総合芸術作品」としての趣をもつ例となったと言われますが、う〜ん。どういう意味なのか、イマイチ解っていません。
で、このプロメテウスの素材を、エロイカに活用しているそうですが〜 う〜ん。どこの部分なのでしょう。

で、ベートーヴェンの序曲は、プロメテウスの創造物、レオノーレ序曲第1番、レオノーレ序曲第2番、レオノーレ序曲第3番、フィデリオ、コリオラン、エグモント、アテネの廃墟、シュテファン王、命名祝日、献堂式序曲があります。

  スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 1981年
Otmar Suitner
Sächsische Staatskapelle Berlin (Staatskapelle Berlin

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。残響はちょと多めだが、和音の響きが美しい。しなやかで軽やかに推進力の高い演奏で、モーツァルト風って感じである。
←ジャケット写真は交響曲全集 CD1枚モノの序曲集には、エグモント序曲(84年)、コリオラン序曲(81年)、プロメテウスの創造物(84年)、レオノーレ序曲(84年)、フィデリオ(84年) が収録されている。

スウィトナーさんの序曲集は、ベートーヴェンも、モーツァルトも大好きである。
なんとも軽快で、アンサンブルは巧いし、残響も適度にあり、特に、弦の推進力があって愉悦性が高い。
また、ティンパニーの威力も凄まじく、劇的な効果も高い。

このプロメテウスの創造物も、最初の和音の美しく、そして怖いこと。
「どぉ〜 ふぁ〜 そぉ ど ど し そっそぉ〜〜」
ここのティンパニーは、面白いほどに鳴ってくる。

で、全奏でのハーモニーは渋いのだが、和音の力強さと共に残響が、すわーっと広がって行く。
音の広がりが、なんとも言えない。フルートは上に昇っていく感じがするし、ティンパニーは地面を揺るがしそうだし、この立体的な広がり感は、言葉に表現しきれない。
で、木管の音質が艶っぽく、それでいて、オケのなかであまり目立たないように調和されている。それでいて、吹き方が、ノビがあって、すーっと膨らんで自然に萎んでいく。この膨らみ感が、なんとも言えないのだ。
で、ソロになったら、俄然めだって、フルートなんぞ、ホンモノの鳥のように歌うのである。
また、弦のしなり具合が、なんとも言えないですねえ。おおっ〜 耳のご馳走っ!
きゃーっ ホント素敵で、思わずモーツァルトかと思ってしまうほど。今時、こんな美しいベートーヴェンを聴けるなんて。と、大喜びしちゃうほどである。身震いしちゃうほど、シアワセ感が感じられる。

誤解を恐れずに言うと、古楽器の演奏なんて〜 なんとも耳にツンツン、あんな尖った音は、刺激的すぎて、とても好きいなれないのだ。ありゃ〜このスウィトナー盤に比べると騒音じゃ! と、思ってしまうのだ。(ごめんなさい)
あぁ〜 スウィトナー盤だと、何度でも繰り返して聴けちゃうが、スカスカの音は嫌いだ。
この盤は、奥行き感のたっぷりある録音で、ラストにいたっては、音が、奥へ奥へと吸い込まれていくかのような、雰囲気がする。

それにしても、これが、バレエ音楽の序曲なの?
幕開けには、いささか、格好良すぎて、速すぎるかもしれないんだけど・・・。勢い良すぎて止まりませんねえ。
この後に、どうやったら、アン・ドゥ・トワっ・・・のリズムで(あっ フランス語ではマズイか)、バレエを踊るんだろう?って、思っちゃいました。これでは転けるわ。

テンシュテット ロンドン・フィル 1984年
Klaus Tennstedt  London Philharmonic Orchestra

いかすぜっ

録音状態は良い。しなやかで推進力のある演奏で、意外と柔らかい。
カップリング:ベートーヴェン序曲集 フィデリオ序曲、レオノーレ序曲3番、プロメテウスの創造物序曲、序曲コリオラン、エグモント序曲 全5曲

 

クラシックを聴きだして、結構な年月が経っていると思うのだが〜 お恥ずかしいお話ながら、ワタシ、ベートーヴェンさまが、バレエ音楽をお造りになっているとは知らなかったのだ。

ベートーヴェンの序曲集は、割と好きで、たまに手に取るのだけど、今日、よく見たら、バレエ音楽「プロメテウスの創造物」って書いてある。えっ バレエ・・・? 勝手にオペラの序曲だと思っていた。(ありゃりゃ〜 知らなかった)

で、この曲、結構ノリノリの楽曲なのだ。
冒頭だけ、和音で、「どぉ〜 ふぁ〜 そぉ〜 どどし そそぉ〜」
そこから 弦が細かく振動して、「どぉ〜どぉ〜 どどど れぇ〜れぇ〜 れれれ」「みっそぉ〜そ みっらぁ〜ら ・・・」
木管群が小鳥のように囁き、「みっ らぁ〜ら そふぁみれ〜」と、付点のリズムのノリで、軽やかに走って行く。
イチバン可愛いのが、フルートさんのフレーズ 「どそどみ そぉ〜 っそ ふぁみふぁ れふぁらし らそふぁ〜」
飛び交うリズムと、なだらかなレガ-トの組み合わせで、のどかでありながら、リズミカルで、「っそ そぉ〜そ ふぁみれど」
単純な音の組み合わせで、「ど み どっ」っ、締められて、お開きになってしまう。
なんて、すばらしいシンプルさっ!

特に、テンちゃんの演奏が素敵だというわけではないが、軽快で、4分55秒の楽しさが凝縮してて、フルートの軽やかな音色に絶賛してしまいました。 メチャ軽快で楽しい楽曲なので、演奏会の幕開けに持ってこい。拍手っ。

あまりに簡単な感想では申し訳けないので、ついでに、プロメテウスの創造についてウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、・・・「プロメテウスの創造物」(Die Geschöpfe des Prometheus)は、ベートーヴェンが作曲したバレエ音楽。
現在は、もっぱら序曲のみが演奏される。
ベートーヴェンは、生涯で2作のバレエ音楽を残している(もう1作は「騎士のバレエ」WoO1)。
作曲の詳しい経緯は知られていないが、振付師のサルヴァトーレ・ヴィガノー(Salvatore Viganò)との密接な協力によってこのバレエ音楽が生まれ、1800年から翌年にかけて作曲された。ウィーンのホーフブルク劇場で初演され、好評を博したと伝えられている。しかし、現在は序曲以外ほとんど演奏されることはない。

ベートーヴェンは、バレエを、ドラマと舞踊と音楽の緊密な結びつきを実現しようとし、当時、彼がバレエ音楽として舞台にかけたとき、きわめてモダンな意図が秘められていた。そしてこの音楽は、当時既に詩人ゲーテとシラーのあいだで論議されていた、一種の「総合芸術作品」としての趣をもつ例となった。ベートーヴェンは作品の中にあるプロメテウスの素材をその後も活用した。交響曲第3番、エロイカ変奏曲などに、このバレエ音楽で用いた音楽的な素材を流用している。・・・
とのこと。

ひゃ〜 へぇ〜 ワタシ、こんな軽快で楽しい楽曲があるなんて知らなかった〜。目から鱗状態です。
ハイ、勉強不足でした。もっとベートーヴェンさまをお聞きします。申し訳ありません。(ぺこん)
カラヤン ベルリン・フィル 1965年
Herbert von Karajan    Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

ふむふむ。

録音状態は良い。快速で響きもまろやかだが、意外とコクが薄めのような気がする。
カップリング:ベートーヴェン序曲集
プロメテウスの創造物、シュテファン王、アテネの廃墟、エグモント、コリオラン、命名祝日、献堂式、レオノーレ1番、レオノーレ2番、レオノーレ3番、フィデリオ 全11曲 2枚組BOX 

このCDは、65年のカラヤンさんのベートーヴェン序曲集である。

冒頭 ボンっという低弦の響き、間を置いて、ふぁーーっ。という木管の薄気味悪い響きが続く。
幽霊でも出てきそうなアテネの廃墟だ。
「らどれ みっ どしらぁ〜 らしどっ みどしらぁ〜」
「れみ ふぁっ れっどし〜 しどれ れっしら そぉ ふぁみれしらそふぁみ」
ここのフレーズは、大変重々しく、ものすごく遅い。
レーグナー盤が、さらり〜っと流れていたのに比べて、ものすごく気持ち悪いほど、これは、やっぱホラー映画のようで、ものすごく暗い。荒れた、暗くてゴツゴツした岩肌の間を、亡霊が佇んでいるようだ。そこに、一筋の光が差し込んでくるかのような、オーボエのフレーズが加わるが〜
「らぁ〜 らしら どらみぃ〜 どみら〜 みらど〜 しら そしら らぁ〜そ」
「み〜 ふぁみれ みそし〜 そしれ〜 しそみ ふぁそら〜」
それでも、メチャテンポが遅めで、2度目の繰り返しになると、これが快速に変わる。

急に柔らかくなって、スイスイ走っていくのだが、では、冒頭は、どんなシーンで、どう変化させているのか、そこのところのアプローチが、う〜ん。イマイチ、解らない。
女神が寝ている間に、トルコに占領されちゃって、この間、意気消沈していたのかなあ。

オーボエとファゴットと絡むシーンも良いが、ちょっとストーリー性が解っていないだけに、ツライ。
フルートが入ってくると、一気に明るくなるのだが〜 フルートが入ってきたところで、ミネルヴァ神がお目覚めになったのかしらん。軽やかに、やっと祝祭が始まりました〜的な感じになるのだが、いかんせん、冒頭のテンポの遅さと暗さが、払拭されないまま。
劇作家コッツェブーの祝祭劇「アテネの廃墟」っていうのが、わからないだけに、どこか未消化。

アテナイ(ギリシャのアテネの古い呼び名)の守護神は、アテナだった筈。あれっ ミネルヴァだっけ? 
と、思ってウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら・・・あっ そうでした。アテナ=ミネルヴァになるのでした。ギリシャ神話でゼウスは、ローマ神話だとユピテル(=ジュピター)になるのと同じ。
ミネルヴァ神(=アテナ神)さまは、知恵の象徴である、梟フクロウを携えておられるが〜 黄金の武具を身につけて、人々に勇気を与え、戦争での勝利を導くという戦いの神さまでもある。

ミネルヴァが2千年後、眠りから覚めた時、メルクリウスによって、アテネに連れていかれる。 ということになっているが、このメルクリウスは、ヘルメス(=マーキュリー)でした。この神は、商業の神でもあるが、
いずれも、軍神に近い存在ですねえ。カラヤン盤は、冒頭、かなりテンポが遅めで、劇的効果を狙っていたようにも思うが、う〜ん。
あまりに落差が大きくて、ワタシ的には、ちょっと腑に落ちませんでした。
そのわりには、ちょっとコクが薄めだったかな。
写真は、ルーブル美術館所蔵のアテナ神です。
レーグナー ベルリン放送交響楽団 1982年〜83年
Heinz Rögner  Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。まろやかな響きがあって、適度に歌う。硬くもなく柔らかすぎず。自然に劇的な感じがして盛り上がる。いや〜やっぱプロですねえ。渋い、匠の技って感じ。
カップリング:コリオラン、エグモント、アテネの廃墟、シュテファン王、命名祝日、献堂式、レオノーレ3番、フィデリオ、プロメテウスの創造物 全9曲

この盤は、レーグナーさんのベートーヴェン序曲集で、全部で9曲収録されている。

ベートーヴェンの序曲のなかで、「アテネの廃墟」って、あまり人気がない。
でも、さらり〜と描かれた小品でありながら、描写的だし、主人公が女神さまだからか、女性的なフレーズが詰まっている。
「らっ らしどれみ ふぁ〜 (低弦のカシカシ) そっ ふぁ〜」
序奏部分は、いかつい感じがして、ホルンの響きが警告のように発せられている。
まるでスリラー映画のようだが、すぐに展開して、明るい雰囲気に変わる。これが廃墟の悲しさだというが、う〜ん。

イチバンの聴きどころは、「らどれ みっ どしらぁ〜 らしどっ みどしらぁ〜」
「れみ ふぁっ れっどし〜 しどれ れっしら そぉ ふぁみれしらそふぁみ」という弦のフレーズ。
そして、続く、牧歌的なホルンの音色の柔らかい響きと、透き通るオーボエのフレーズが、とても印象に残る。
「らぁ〜 らしら どらみぃ〜 どみら〜 みらど〜 しら そしら らぁ〜そ」
「み〜 ふぁみれ みそし〜 そしれ〜 しそみ ふぁそら〜」
メチャシンプルな3つの音があるだけなんだけど、優美なワルツが始まるような冒頭だ。
 
う〜ん。メチャクチャ綺麗で、透き通るような、ふんわりした華麗な残響が漂う。
幾分、残響が多めなのだが、この奥行き感が、なんとも〜 タマリマセン。
アテネの廃墟が、とっても幻想的な舞台になってて、女神さま登場と言われても、信じちゃいますね。

さて、この「アテネの廃墟」(Die Ruinen von Athen)は、アウグスト・フォン コッツェブー(August von Kotzebue)の戯曲が元になった付随音楽である。
この序曲と、ピアノに編曲されたトルコ行進曲ぐらいしか、今は、ほとんど演奏されていないらしいが、もったいない感じだ。メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」に負けないぐらい、軽やかで、とっても楽しい楽曲の幕開けって感じがするんですけど・・・。

で、どんなストーリーなんだろうと、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、
「知恵の女神ミネルヴァは、ソクラテスに対する嫉妬心から裁判所で彼を弁護をせず、その罪として彼女はゼウスによって、2千年の眠りにつかされる。
2千年後、眠りから覚めた時、メルクリウスによって、アテネに連れていかれる。
が、愛するアテネは、トルコに支配され瓦礫と化していた。
ローマもにた荒廃ぶりだと教えられ、メルクリウスによれば、ミューズたちは、ハンガリーのペストへ逃れたという。そこで、ミネルヴァとメルクリウスはペストへ旅立ち、この地で人間が神々とミューズたちに忠誠を尽くしているのを見出す・・・」とのこと。

ペストって、ハンガリーのブタペストのことだが、作曲の理由が、この地の劇場のこけら落としのお祝いのために作られたモノだから〜 まっ 当地を持ち上げておかないといけない。ってワケだろうか。
アテネとブタペストねえ。えらい違いやん。とは思うが〜 
最後は、ハンガリーのフランツ一世を讃えることになるらしいので、作曲家も、パトロンさまたちには、媚びを売らないと・・・。作曲家も、ツライ商売なんだろう。

この序曲「アテネの廃墟」「シュテファン王」「命名祝日」の3曲は、ほとんど同時期に創られているし、実際、シュテファン王も、同時に発表されたんだっけ。(←確か、そうだったと思いますが〜)
シュテファン王の方も、親しみやすい楽曲だが、いずれも、晴れやかで、お祝い用という感じがしますねえ。祝祭劇って言う言葉が本当に、ぴったりの序曲。
いつ聴いても、朝の陽射しのなかで、鳥がさえずりっている・・・という感じがする。
特に、ホルン、オーボエが、フルートが、「らどれ みっどしらぁ〜 らしどっ みどしらぁ〜」
「れみ ふぁっれっどし〜 しどれ れっしら そぉ〜」というフレーズを奏でるところは、やっぱり絶品です。
中間部は、ファゴットとフルートの二重奏が奏でられているし、弦よりホルンに木管。
ホント、この楽器たちが大活躍してて、透る音色が、この盤のハイライトである。

「みぃ〜 ふぁみ どど れど らら そら み〜」
「みぃ〜 ふぁみ どど れど らら そら み〜」「らっみ らっら みっ」
「ら〜そ ふぁみれど しっふぁ みっ そ ら〜そ ふぁみれど しっふぁ みっ」
なんて良い音色なんでしょっ。うぐぐっ 涙が浮かんでしまうぐらい巧いっ。
極上の4分49秒でした。

ヨッフム バンベルク交響楽団 1985年
Eugen Jochum  Bamberger Symphoniker
(Bamberg Symphony Orchestra)

ほぉ〜良いヤン

録音状態は、まずまず。リマスタリング盤 柔らかいベートーヴェンだが、アナログ時代の良さみたいなのを彷彿とさせ、馥郁たる香りがある。落ち着いた中年女性の魅力〜を感じさせる演奏だ。カップリング:ベートーヴェン序曲集 全7曲
エグモント序曲、アテネの廃墟序曲、プロメテウスの創造物序曲、序曲コリオラン、フィデリオ序曲、レオノーレ序曲1番、同3番 

このCDは、ヨッフムお爺ちゃんのベートーヴェンの序曲集である。

で、まず、げっ!と、怒り心頭になって怒ってしまったのは、このRCAのジャケット写真のまずさ。
ヨッフム爺ちゃんが、苔むしたみたいに、緑色に染まっているのだ。超ダサイっ。
ホルスト・シュタインさんのバンベルク響とのCDも数枚持っているけれど、あっちは、小豆色に染まっていた。なんじゃーこりゃ。もちっと工夫してくれえ〜 デジタル時代の新進気鋭の指揮者ではないのは、知っているし、ショボイ写真しかないだろうとは思うけれど、うーん。これは、ホント、知恵と工夫が足らない。
あんまりだよぉ〜と思う。

さて、開口一番怒ってしまったけれど、アナログかと思ったのだが、一応、CDにはデジタル録音だったようで、リマスタリング盤である。晩年のベートーヴェンの演奏だ。
柔らかい音質のバンベルク響なので、ガツガツしたエッジの鋭い演奏ではない。
でもねえ〜 ふくよかな中年の色香の漂う女性のようで、捨てがたい魅力を持っている演奏だ。
馥郁とした、昔ながらの古風な、上品な香りのするベートーヴェンなのだ。クリアーな録音が好きなのだが、むふふっ。劇的な要素が強くでており、残響がまろやか。

この楽曲、冒頭こそ、メチャクチャ、ブキミでホラー映画のように不協和音が奏でられる。
人々の恨みが積もった廃墟のように、「らっ らしどれみ ふぁっ ふぁふぁふぁ〜 そぉ〜っ ふぁっ〜」
「ぞぉっ らしどれみ しししぃ〜 ふぁっ ふぁふぁふぁ〜 れっれ れぇ〜」
この「アテネの廃墟」は、冒頭こそ〜聴き応えあり。って感じの曲なんである。
ホルンの響きが、これほど不安定なモノだとはねえ。
ホルンって、いつも穏やかに、牧歌的に使われるモノだと思い込んでいたし、木管だって、穏やかな音色の楽器だと思っていたんだけど、違うんですねえ。
どろっとしているのだが、廃墟に陽が昇ってくると、やわらかな陽射しに変わる。

ゆったりとした序奏のなかなから、穏やかな柔らかいオーボエが出てくる。
「らぁ〜 らしら どらみぃ〜 どみら〜 みらどぉ〜 しら そしらぁ〜そ」
「みぃ〜 ふぁみれ みそしぃ〜 そしれ〜 しそみふぁそら〜」
バンベルク響のオーボエさんの音色は、むふっ。清潔だ。そこから、モーツァルトのオペラのように可愛く流れてくる。
「みぃ〜み ふぁみ どどれど ららそら みぃ〜」「みぃ〜みふぁみ どどれど ららそら みぃ〜」 
「みっ ららら みっ」「らぁ〜 そふぁみれど しっふぁみそ らぁ〜らそ ふぁみれど しっ・・・」
柔らかいけれど、柳みたいにしなやか。
フレーズが綺麗に続いており、紋切り調の硬いイメージではない。
旋律の柔らかい曲線が、なだらかに、ふわーっとした空気感を漂わせて、かといって、てれっとしたレガートでもなく、で、音が、低弦と高音域に分離せずにいる。
きっと、中音域の弦が良い響きを持ってて、弦がハモっているんだと思う。
そこが、気持ち良いんだと思うなあ。

録音状態は、決して褒められたモノではない。暖かい録音状態なので、クリアーじゃーないのだが、木管の音色は柔らかいものの、通りが良く、可愛い。この木管が、隠し味のように、味を締めてるし、高音域のヴァイオリンの語尾が、キリッと締めてて、お尻がピンっと跳ねているんである。
あー 可愛いフルートさん。オーボエさん。キュートだあ。
アルトの女性の声って、ちょっぴり太めの声でビブラートで喋られると、ぞくっとするほど色気を感じることがあるが、う〜ん。そこに、少女のような可愛さ要素を、ポツンっと一滴足したような感じの演奏だ。
落ち着いてて安心できて、ふんわりしてて穏やか〜っ。

まるで、奈良・秋篠寺の「伎芸天」のような、腰のどっしり系、顎は二重顎になりかけているけれど、ぷっくりしてて、包み込まれそうな感じだ。 アテネの守護神もお美しいけれど〜 ワタシ日本人ですから、日本人感覚としては、むふふっ。
序曲「プロメテウスの創造物」 
1984年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン De ★★★★★
1984年 テンシュテット ロンドン・フィル EMI ★★★★
劇付随音楽「アテネの廃墟」序曲 
1965年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★
1983年 レーグナー ベルリン放送管弦楽団 DS ★★★★★
1985年 ヨッフム バンベルク交響楽団 ★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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