ビゼー 組曲「アルルの女」 Bizet: L'Arlesienne Suites

 ビゼー 組曲「アルルの女」
Bizet: L'Arlesienne Suites
セミヨン・ビシュコフ パリ管弦楽団 1993年
Semyon Bychkov Orchestre de Paris

アルルの女 第1組曲
1 前奏曲
冒頭のフレーズは、わりと細切れフレーズになってて、きっちりしているとは言うものの、寂しげな感じがする。幾分、素っ気ない感じで、紋切り調ではないものの、カシカシ カシカシ系のフレージングだ。このアルルの女は、ワタシがとっても勘違いしてて~ とろり~っと甘い恋心を歌ったものだと思っていたのだが、恋いに狂った男の破滅物語である。そう思うと、この冒頭、イメージが一転してしまうのだが、なんとも、悲しげで、怖いほど空虚な、悲劇の幕開けだよなあ~って感じがしてきて、ビシュコフ盤の出だしから、一気に引き込まれてしまうのだ。で、有名な主題の繰り返しで、打楽器が入ってくると、一気にミリタリー調になっており、ケーゲル盤ほどではないものの、かなり、ひんやり、一途な思いが籠もっている。とっても有名な3人の王の行進は、なんとも、虚無感漂う後味の悪い音を残す。サクソフォンの音色は、甘みがあるものの、なんとーも、寂しさが漂ってきて、劇の雰囲気が、フレージングのなかで生まれてくる。

2 メヌエット~ 3 アダージェット
軽やかな舞曲だが、あまり粘らず、さら~っと演じているが、なんというか、空気感というか、間合いが巧いというか~劇の持っている空気感が感じられる。「ふぁっふぁふぁ しぃ~ら ふぁっふぁふぁ しぃ~ら」と、ささやくようなフレーズも、さりげない~ 柔らかい弦の歌わせ方が巧い。雰囲気があるのだ。フルートとハープの柔らかい、ふわっとしたフレーズも、気を含んでいる。録音状態に、奥行きがないのだが、それでも、膨らみ感を持たせている。

4 鐘(カリヨン)
「らふぁそ らふぁそ らふぁそ~」と、鐘が鳴っているのだが、う~ん。なんて奥行きのない、平板な録音なんだろ。目の前で、らふぁそ らふぁそ らふぁそ・・・と繰り返されているのだが、気持ちが悪いほどに、真っ平らな状態の録音である。ペタンっと一辺倒に弦も、ホルンも、木管も並んでいるかのような録音なのだ。えーっ なんか変だ。この録音? 残響が無いっていうか、ホルンの音色が、音符の形そのままに切り取られたように鳴ってくるので、立体感がない。ホールの奥から響くという三次元の世界から、二次元の世界に作り直されたような音で~ あれまっ。こりゃ だめだ。ティンパニーの音も、全ての音が、それぞれ目の前で叩かれているようで、頭がこんがらがって音が濁る。

アルルの女 第2組曲
1 パストラーレ
冒頭の「ふぁ~ふぁ~ふぁ~」という、金管が、重く響く。奥行き感が、あまり感じられないので、狭い世界だ。続いて木管が木霊のように鳴り出すのだが、イマイチ、牧歌的な世界は感じられない。音が重苦しく、カッチリしてて、締め付け感があるというか。木管の音色も、目の前で吹かれている感じがするので、少々きつい。

2 間奏曲~メヌエット~ファランドール
この「ふぁ~みどら~しど れ~み ふぁみふぁそらふぁ~みれ」というフレーズは、淡々と歌うのだが、フレーズに膨らみ感があり、間合いの美しさと、弦の表情は豊かだ。フルートの音色の優しいメヌエットだが、ハープが、ちょっぴり暗く寄り添っている。フルートの抜けが良くないのと、ハープとのバランスが、悪い感じがする。

清潔感のある、すがすがしい感じや、伸びやかさには、少々もの足らない。活気がないというか、う~ん。どうなんでしょ。空気が重いねえ。通俗的とさえ言われているポピュラーな楽曲だけに、心地よさはないし、あまり満足できない。弦の表情は良いのだけど、いささか、フレーズの切れが細かく細分化されている。これは、この曲を舞曲として意識したものなのか、通常からフレージングが短めなのかは、よくわからないが、テンポ良く進むものの、やっぱ紋切り的だ。ドイツくさい演奏より、色彩が明るめかな~と、パリ管のCDを買い求めたのだが、色彩感には乏しい。それと、空気が狭くて重い。せっかく、明るいトーンと、伸びやかさを期待していたのだが。かなり音が重くて、う~ん。なんだか中途半端で、抜けきらない。最後、ファランドールで、一夜漬けの追い込み状態で、熱っぽく演奏される。


 ビゼー 組曲「アルルの女」
Bizet: L'Arlesienne Suites
シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 1986年
Charles Dutoit  Orchestre Symphonique de Montreal (Montreal Symphony Orchestra)

アルルの女 第1組曲
1 前奏曲
主題フレーズが、テンポを変え、変奏曲のように奏でられていく。中間部では、行進曲のようになっているが、繰り返して使われるモチーフなので、一度聴いたら忘れない印象的なフレーズである。しかし、こんなに悲しげな旋律だったとは。思いもよらず、意外だった。デュトワ盤では、その哀しみ、悲しげな雰囲気は、あまり漂ってこない。デュトワ盤では、きれめなしに~ とろみたっぷりに仕上げてくれている。

2 メヌエット~ 3 アダージェット
「た~らったた タッタッタ~」 舞曲風に、弦が軽やかに踊り始める。ブンチャッチャ~のリズムで、木管のフレーズが美しい。弦がユニゾンのように「ふぁ~ふぁっ ふぁ~ふぁっ」と、力強く弾いたのち、甘いフレーズに変わる。甘いような悲しいような、不思議な感覚だ。ストーリーから受ける盲目的な愛情表現ではないし、燃え上がる感じもないし。純朴な青年をコミカルに仕上げているわけでもないし。どんな場面に使われたのだろう。続く、アダージェットも、かなり短い楽章で場面転換に使われたのだろうか。幻想的なフレーズになっている。思い出を綴ったような、ふわーっとした フレーズで、回顧しているイメージだ。

4 鐘(カリヨン)
これは、文字通り冒頭より鐘が鳴っている。ホルンで、「らふぁそ らふぁそ らふぁそ~」と鳴るなか、ヴァイオリンの旋律が、優美で華麗に奏でられている。ああ これが結婚式の場面なんだろうねえ。「ど~そらそふぁ~ど れみふぁらそみど ど~そらそふぁ~ど みふぁらそみど~」ただ、この主題が終わると、フルートの和音が奏でるフレーズは、憂いに満ちている。デュトワ盤では、底抜けに陽気になれない悲しみを感じる。陰影のつけかたはソフトで、決して鋭くないのだが、底に悲しみが張り付いているのだろうか。再度、カリヨン(鐘)が鳴り始める。

アルルの女 第2組曲
1 パストラーレ
「ふぁ~ ふぁ~ し~どれ ふぁそら~ し~どれふぁそら~し~れそふぁみれ どれど そらしど~」牧歌的と言えば牧歌的なのだが、半音のあがりさがりが変な感じを受ける。テンポは、まるで牛の歩みのように遅い。不思議な楽曲。

2 間奏曲
「ふぁ~みどら~しど れ~み ふぁみふぁそらふぁ~みれ」くら~っい間奏曲で陰鬱に満ちている。この第2組曲は、暗い旋律ばっかり集めてるのかなあ。中間部は、神の子羊と呼ばれるフレーズだ。なんとも、悲しみを押し殺した歌曲風のフレーズである。でも、どこかコラールになっており、教会で歌われる讃美歌のようなイメージだ。素朴ながら美しい。

3 メヌエット
フルートで奏でられる有名な旋律 「らっら~そ ふぁそらし どらふぁどら~」アルルの女って言えば、これしか知らない。って状況だが、中間は舞曲風なので聞きやすい。文字どおりメヌエットなので軽やかである。 

4 ファランドール
最後の締めとして、「れっられ~み ふぁっみふぁれ~ら~ふぁ」第1組曲のフレーズが再度登場する。2つのフレーズが、交互に登場するのだが、これが綺麗に渦巻いて、高揚していく。単純って言えば単純なのだが~ この太鼓と金管のオブリガートが効いている。デュトワ盤は、陽気で流麗な面が出ているものの、ビゼーの楽曲は思いのほか、暗い。デュトワ盤は、楽天的と言われそうだが、むしろ、この方が健康的で良いかもしれない。


 ビゼー 組曲「アルルの女」
Bizet: L'Arlesienne Suites
ヘルベルト・ケーゲル ドレスデン・フィル 1986年
Herbert Kegel  Webpräsenz der Dresdner Philharmonie (Dresden Philharmonic Orchestra)

アルルの女 第1組曲
1 前奏曲
「れっられ~み ふぁっみふぁれ~ら~ふぁ そらしらそふぁ みらそふぁ」冒頭から、しっかり、きっちり弾かれていて、ひんやり~とした空気感が漂う。テンポは幾分速めで、デュトワ盤と違って、とろり~としたところがなく、爽やかというか、秋風がすーっと通っていくような涼しげな雰囲気。南欧のイメージから遠く、スカンジナビア半島に飛んだみたい。一瞬、ペール・ギュントかと思ったほど。「れっられーみ ふぁみふぁれ らー」と、かなり歯切れ良く、チャカチャチャーンと合いの手の入るブラス部分なんて、まるで軍隊なみ。えっ ミリタリー調かあ? あのぉ~これ、行進曲じゃーないんだけど。

2 メヌエット~ 3 アダージェット
「た~らったた タッタッタ~」 舞曲風に、弦が軽やかに踊り始める。ブンチャッチャ~のリズムが、しっかり粘りながら、きっちり小股が切れ上がった感じで仕上がっている。また、ティンパニーの響きが、よく聞こえて歯切れも良い。よく響くティンパニーで、ちょっと暖かいメヌエットというよりは、クールだ。「ふぁ~ふぁっ ふぁ~ふぁっ」と、弦の波打ったフレーズの後、本来、甘いフレーズに変わるのだが、甘いどころか、ひんやりしてくる。確かに甘めなのだが、情感たっぷりとは歌わない。それも、段々とフレーズが重なってくるほど、つめたーくなってくる。続く、アダージェットには仰天させられる。デュトワ盤でも幻想的には感じたのだが、ケーゲルで聴くと天上の音楽に早変わりしており、誰かが言っていたように、マーラーの5番のアダージョに近い。弱音でフレーズの切れ目がわからないほど、弦が繋がって、息のながーい延々とした旋律になっている。

4 鐘(カリヨン)
「らふぁそ らふぁそ らふぁそ~」と几帳面に鳴っていく。そのなか、ちょっとクールな、ヴァイオリンの音色が重なっていくのだが、優美で華麗~という言葉より、低音のリズム感が強く、メトロノーム的なリズム感が強い。せっつかれたようなミリタリー風だ。で、主題が変わるとフルートの音色が、メチャ沈んでて、婚礼の場からいっきに、憂いに変わる。えっ ブルーマリッジか?なんだか楽しいのか、憂いが占めているのか、将来の不安感に怯えているのか。 弦のアンサンブルはみごとだが、抑揚があまりないため、クールに響くようだ。で、弱音の美しいこと。カリヨンが弱々しく響き、ティンパニーの響きで終わる。

アルルの女 第2組曲
1 パストラーレ
この出だしは、本来、牧歌的な筈なのだが・・・ 冒頭の「ふぁ~ふぁ ふぁ~ふぁ」で、のけぞってしまった。「ふぁ~ふぁ~ ふぁ~ふぁ~ し~どれ ふぁそら~」アルプス交響曲でもないんだけど、山に木霊しているような金管なのだ。「し~どれふぁそら~し~れそふぁみれ どれど そらしど~」なんだ~これっ。超スローテンポで重々しい重々しすぎる。葬式じゃーないんだから。と思いつつも、牛の歩みのような、ちょっと田舎風だけど、充分に、荘厳にした葬列のようだ。中間部分は、フルートが、もの悲しくも素朴なフレーズを奏でる。再度、主題が繰り返してくるところで、ついにたまらず、滑稽すぎて笑ってしまった。何をイメージしたら良いのやら。頭がこんがらがっているが、笑えてしまったものの、響きはやっぱり美しい。ハープの音色もよく響いているし、ひんやりしてるものの、まるみを帯びる残響も美しい。

2 間奏曲
「ふぁ~みどら~しど れ~み ふぁみふぁそらふぁ~みれ」あのとろとろ、テレテレとした、デュトワ盤でも、くら~っい間奏曲で陰鬱に満ちていると思ったぐらいだ。で、案の定、ケーゲルで聴くと、美しいのだ、美しすぎる。「ら~しられ~どふぁ ふぁ~みふぁ そ~らそ~ し~らふぁれ~どらそふぁ ふぁみふぁ みれど」「ふぁ~そふぁ ら~しどみれ ら~しどれど しらそ そーらしふぁ らしどら れみふぁそ そ~」確かここは、サクソフォンとホルンだと思うのだが、ん? これ、トランペットで吹かせてるの?え~っ何の楽器だ? 高くのびる音を聞くと、トランペットに間違いないとは思うが・・・。で、厳かにさえ感じられて、頭が自然と垂れてくるのだが、通俗的すれすれような気もして、ここだけでの単独で聴いても、充分に不思議な感覚となり、聴き応えがある。

3 メヌエット
フルートで奏でられる有名な旋律 「らっら~そ ふぁそらし どらふぁどら~」透明度が非常に高く、凍り付いたような張りつめたなかで、フルートが奏でられている。メヌエット、舞曲いう動的なモノが感じられないんだが、静かに絵画を見ているような感じだし、遠い目で景色を見ているかのようだ。

4 ファランドール
最後の締めとして、「れっられ~み ふぁっみふぁれ~ら~ふぁ」という、第1組曲のフレーズが再度登場している。躍動感のある弾みと、えっ と思わせる長めのレガートの対比が、すごい極端に奏でられている。この2つの潮流が、渦潮的になってて、海の底にひきずり込まれそう。ぎゃ~っ このオブリガートは、シンプルに見えて強力だ。これが長く続けば、ぐったりしてしまうだろうが、ありがたいことに短い楽章なので・・・。ほっ。決して、高揚させる演出タップリの演奏じゃないのだが、それが逆にクールに作用してて、結構面白い演奏になっている。天の邪鬼的と言えば天の邪鬼。そもそも、さほど聴いてこなかった楽曲なので、えらそうには言えないが・・・。一般的に演奏されているパターンとは、ちょっとひねりの効いた、逆バージョン的発想で、エンターテイメント性は皆無。ストーリーを知ったら、はあ。それもそうだなあ~と納得するのだが、それを知らなかった無知で、単純ノー天気だったのは私の方だったわけだ・・・。単に、イメージとして持っていた南欧の明るさ、陽気さ、きっと~ 明るくて元気なんだろう的なところは、正さねばならないのだが、結構、複雑な心境に。


 ビゼー 組曲「アルルの女」
Bizet: L'Arlesienne Suites
イーゴリ・マルケヴィッチ コンセール・ラムルー管弦楽団 1959年
Igor Markevitch Orchestre Lamoureux

アルルの女 第1組曲
1 前奏曲
「れっられ~み ふぁっみふぁれ~ら~ふぁ そらしらそふぁ みらそふぁ」う~ん。のっけから、素っ気ないというか、紋切り口調で、くっきり、ハッキリ、キッパリ。冷たいこと、このうえなし状態で、愛想のないというかブキミというか、怖い演奏である。
この冒頭のフレーズ、確か、ヴァイオリンだよねえ。弦って、ヴィブラートがかかるのが、当然のように思っていたのだが、音に響きがない。音が発せられているのだが、ひや~っと伝わってくる。音の幅が無いというか、音の波が感じられないっていうか。ヴァイオリンが、おそらく何名もおられる筈なのだが、うはあ。人の気配が無いっていうか。木管も、感情がないっていうか、素っ気ない音で、フレーズに山形の曲線が描かれていない。ひぃ~ なんで~ こんなに直線的なのだろう。ノビが全く無いって言うか、遊びの要素がないっていうか。クソマジメな堅物の裁判官が、表情ひとつ変えず、判決を言い渡しているという雰囲気だ。

2 メヌエット ~ 3 アダージェット
「た~らったた タッタッタ~  ら~っらっら らっらそらみ らっらそらみ どっれみふぁみれ・・・」な~んか、しゃくし行儀で、関節が外れたようなメヌエットだ。で、テンポが速い。ペトルーシュカと間違っているんじゃーないだろうなあ。いや、「死の舞踏」風かな。愛想のないヴァイオリンのフレーズに、ティンパニーの冷たい響きが合いの手を務めており、うへっ 氷の上で踊っているわけじゃーないだろうに。また、このティンパニーが良く響くのだ。59年の録音って、嘘でしょ~という感じで、よ~く響き、残響の多いこと。ひ~っ。弦は響かないくせに、ティンパニーの皮の張りは、緩めなのだろう。「ふぁ~ふぁっ ふぁ~ふぁっ」と、弦の波打ったフレーズの後、甘めのフレーズに変わるのだが、甘いどころか、 メッチャ冷たい。マルケヴィッチさんのコワモテの顔が浮かんでくる。冷気が漂っているのは、どーしてなんでしょうねえ。アダージェットは、さすがに甘めで。ゆったり~ 死体が生き返ったように感じる。で、柔らかく変貌している。すーっと秋風の漂ってきたケーゲル盤とは違って、春が来そうな雰囲気がある。ほっ。フレーズは、少し短めに区切っており、弱音部分は、冒頭の紋切り調のヴァイオリンとは別人のよう。

4 鐘(カリヨン)
「らふぁそ らふぁそ らふぁそ・・・」「ど~そらそふぁ~ど れみふぁらそみど ど~そらそふぁ~ど みふぁらそみど~」
几帳面っていうか、無表情っていうか、1音目は確かにボリュームを持たせているが、決して、踊れるようなワルツではないし、楽しさとか明るさとは、ご縁がない。結婚式風カリヨンでもないし、葬式風カリヨンとも違うし、風に揺れて几帳面に繰り返しているだけのような感じがする。フルートの音色もなあ。物悲しいし、目の前に美しい風景があっても、目には風景が映っていないような、そんな虚ろな風情になってしまっている。指揮者の個性が、こんな演奏になっているのか。やっぱ虚無感が広がってるねえ。フルートに、オーボエの音が、メチャ悲しい。ヴァイオリンも音の響きや、残響が、ほとんど無いって感じなのだ。カリヨンって言うけれど、鐘が鳴っているのではなく、風のように、音に響きが無いのがなんとも。鐘って、残響が良いんじゃーないのかい。えっ。そうでしょ~ 厚みのある金属音 打てば響くじゃん。打ってはいるが、心に響かんぞ。オブリガート、無窮動でも、同じフレーズを繰り返すと、段々と熱くなってくるモノだと思うのに、あ~ どーしてなのさ。どうして響かないんだ~ どーなっとるんじゃ。

アルルの女 第2組曲
1 パストラーレ  2 間奏曲
「どっ ふぁっ~ふぁ~ ふぁっ~ふぁ~」 この冒頭は、明るい色彩が入っている。1音目にアクセントがついてて、文字で書くと、ぱっ ぱ ぱぁ~あ~ というノビの部分もあり。このフレーズは、ラムルー管らしくなっている。「し~ どれふぁそ ら~し~ どれふぁそ ら~しれそふぁ みれ どれど~ そらしど~」金管の和音は美しい。美しいってたって、色彩的には渋い。でも和音として、綺麗にまとまって聞こえている。なんとも不思議な重さで、すげ~重いという雰囲気ではないし、渋くてたまらん。というほどには渋くないし。へんてこりんな光のあたり方である。なんとも変な旋律だなあ。明るいのを無理して暗くしているような、風変わりなフレーズだ。とっても、素直とは思えない。変わっている。金管の音色は、まずまずで、わりとラテン的に聞こえる。クラリネットかオーボエなどの木管が、下降線をたどって、また冒頭に戻っていく。はあ。変なフレーズの再来なのだ。中間部は、マルケヴィッチ盤では、ピッコロの存在が目立っており、甲高い音が奇抜である。

3 メヌエット
「らっ ら~そ ふぁそらし どらふぁどら~ そそら そふぁみれ どみそみど~」ようやく、まともな耳慣れたフレーズになる。明るいフルートではない。楽しげでもないし、開放感があるものでもない。う~ん。抑えて、端正には鳴っているが、小鳥のようにさえずるわけでもなく。う~ モノタラン。「ららし~っ どっ どしらふぁみれど・・・」 ここだけ、気分転換のように厳かになってはいるが、バロック的に響いているっていうか、神経質なんだろうか。慎重っていうか。恐る恐るという~音の置き方になっている。のびのび~ どーして吹いてくれないのだろう。これじゃー ストレスが溜まるわ。この間奏曲は、どんより曇り空風である。

4 ファランドール
最後の締めとして、「れっられ~み ふぁっみふぁれ~ら~ふぁ」第1組曲のフレーズが再度登場 では、こりゃ 軍隊か。というほど激しい。トランペットが明るい音色を出してて、色彩が出ている。これで、ようやく普通の音の響きと明るさだと思うんだけどねえ。紋切り口調ではあるが、弦に明るさがやどり、で、「れみふぁそ ふぁみれど れみふぁれ み~」 遠くから木管が鳴り出した。ヴァイオリンが、小声で「れぇ~ し~ぃ」 この音は何だろう。どんな風に弓をあてているんだろ。ひ~っという風を切る音を出してくる。テンポが、めちゃめちゃ 速くなってきて目が回る。ひ~ 熱いっ。で、ようやく最後になってきて、ラムルー管だよなあ。マルケヴィッチ盤だよなあ。道理で熱いっ。と思った途端、終わりました。マルケヴィッチ盤を聴いて、「アルルの女」って、現代病のような楽曲だなーって思うようになった。鬱病的っていうか、妄想的っていうか。素人なので、病名はつけられないのだが、勘なのだが、こりゃ。心の病にかかった人のような楽曲だなあって思う。

フレーズが単純なわりには、音が不安定であること。調が明るいところと暗いところが、混じり合ってコロコロ変わり、安定しづらいこと。明るい筈だと思うフレーズなのが、明るくなりきれず、暗く転じており、素直じゃないこと。いきなり激しく、切れた感じで激昂して踊りはじめ、最後、やっぱり、キレテしまうことなど。どこが、どーだから、心の病にかかったような楽曲に感じる。とは明確には説明しづらいのだが、どーも変なのだ。誰の演奏が、どうだから、こうだから~というより、やっぱ、楽曲が変なだろうと思う。そういったんそう感じてしまうと、う~ん。聴きたくない。病が伝染しちゃって、もらいそ~。やだな~と思う。デュトワ盤を聴いていたら、まあ。その点は、安心だろう。ケーゲル盤とマルケヴィッチ盤を聴いてしまったから、そんな風に感じちゃうのかもしれない。



ビゼー 組曲「アルルの女」
1959年 マルケヴィッチ ラムルー管弦楽団 Ph ★★★★
1974年 レーグナー ベルリン放送交響楽団 DS 未聴
1986年 デュトワ モントリオール交響楽団 L ★★★★
1986年 ケーゲル ドレスデン・フィル BERLIN Classics ★★★★
1993年 ビシュコフ パリ管弦楽団 Ph ★★★

南欧の陽気なフレーズだろうと思いこんでいたが、「アルルの女」について、ストーリーを改めて調べると、仰天してしまった。以下・・・Wikipedia ウィキペディアより引用 アルフォンス・ドーデの戯曲。その上演のためジョルジュ・ビゼーが1872年に全27曲の付随音楽を作曲しており、ここから編まれた2つの組曲が広く知られている。南フランスの豪農の息子フレデリは、アルルの闘牛場で見かけた美女に心を奪われてしまった。フレデリにはヴィヴェットという許嫁がいるのだが、彼女の献身的な愛もフレデリを正気に戻すことはできない。日に日に衰えていく息子を見て、フレデリの母はアルルの女との結婚を許そうとする。それを伝え聞いたヴィヴェットがフレデリの幸せのためならと、身を退くことをフレデリの母に伝える。

ヴィヴェットの真心を知ったフレデリは、アルルの女を忘れてヴィヴェットと結婚することを決意する。2人の結婚式の夜、牧童頭のミチフィオが現れて、今夜アルルの女と駆け落ちすることを伝える。物陰からそれを聞いたフレデリは嫉妬に狂い、祝いの踊りファランドールがにぎやかに踊られる中、機織り小屋の階上から身をおどらせて自ら命を絶つ。(Wikipedia ウィキペディアより引用)
なんと、悲劇だったのだ。で、劇中に「アルルの女」という人物は登場しないらしい。へえぇ~ ビゼーと言えば、歌劇「カルメン」が有名なので、「アルルの女」も、てっきり歌劇だと思いこんでいたのだが、これは劇付随音楽だった。全27曲中、4曲のみ本人が選曲しており、これが第1組曲。後日、友人のギローが選曲したものが第2組曲となっている。


 

YouTubeでの視聴

Bizet: L'Arlésienne Suite No.1, WD 40&No.2, WD 28
パリ管弦楽団 - トピック ビシュコフ
Provided to YouTube by Universal Music Group
1-1 https://www.youtube.com/watch?v=BtEzR0b0J4k
1-2 https://www.youtube.com/watch?v=mWGRBp1fF-k
1-3 https://www.youtube.com/watch?v=m6TxMc_8RoI
1-4 https://www.youtube.com/watch?v=mE-PdLhzPvw

2-1 https://www.youtube.com/watch?v=qksstsg_ArA
2-2 https://www.youtube.com/watch?v=XUYVIxJtLRs
2-3 https://www.youtube.com/watch?v=7qfd_ThmyRw
2-4 https://www.youtube.com/watch?v=07KBSZCqvE8


Bizet: L'Arlésienne Suite No.1, WD 40
モントリオール交響楽団 - トピック Orchestre Symphonique De Montreal - Topic
Provided to YouTube by Universal Music Group デュトワ
アルルの女 第1組曲 第1組曲は、ビゼー自身が通常オーケストラ向けに編成を拡大して組曲としたもの。
Bizet: L'Arlésienne Suite No.1, WD 40
1 前奏曲 https://www.youtube.com/watch?v=P2s9EypfWik
2 メヌエット https://www.youtube.com/watch?v=kIyN8PouoJI
3 アダージェット https://www.youtube.com/watch?v=Kfi90ldYHRQ
4 鐘(カリヨン)https://www.youtube.com/watch?v=KR4Lgn1kiNo

アルルの女 第2組曲 第2組曲は、ビゼーの死後1879年に、友人エルネスト・ギローの手により完成されたもの。Bizet: L'Arlésienne Suite No. 2, WD 28
4 ファランドール のみ掲載します。
https://www.youtube.com/watch?v=Dl-psahrS7M



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