「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ブラームス 大学祝典序曲
Brahms: Akademische Fest-Ouverture


ブラームスは、演奏会用の序曲を2つ書いています。
大学祝典序曲(ハ短調 作品80)は陽気な楽曲、「悲劇的序曲」(作品81)は、文字通り、悲劇的な楽曲です。
なんとも、対照的な楽曲なのですが〜

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、
1879年、ブレスラウ大学(ポーランドのヴロツワフにある大学)から名誉博士号を授与されたブラームスは、感謝状を書いただけで満足していたのですが、もっと盛大な感謝のしるしを示すものだと説得され、80年夏に、本作を作曲しています。引用された学友歌と、自分で書いた主題を繋いだ作品で、演奏時間は約10分となっています。

ハ短調 2/2拍子の第1主題で開始され、ヴァイオリンが歯切れの良いリズムを奏でます。
次に、全合奏でスタッカートを用いた経過句となり、ティンパニの連打に乗って学生歌1を引用します。
また、頂点で、第1主題となり壮大な行進曲を、次にヴァイオリンの経過句を経て、学生歌2を引用します。
コデッタは、ト長調2/4拍子で、学生歌3を引用し、祝祭的な雰囲気を出してコーダ学生歌4を引用します。

引用された学生歌は、
"Wir hatten gebauet ein stattliches Haus"(『僕らは立派な学び舎を建てた』、民謡に基づく)
"Landesvater"(『祖国の父』)
"Was kommt dort von der Höhe?"(『あそこの山から来るのは何』、狐乗り (Fuchsritt) の歌)
"Gaudeamus igitur"(『ガウデアムス』、ラテン語で「いざ楽しまん」)とのこと。

ブラームスは、「学生の酔いどれ歌のひどくがさつなメドレー」を作って「大学祝典序曲」と名づけ、自分の任務(感謝の気持ちを表するもの)を果たしたと語っているそうです。まあ、ユーモアがあるのか、ホントの毒舌家なのか。
ちょっと・・・ ホントのところはわかりませんが、作品は、やっぱりそれなりに立派なので、苦笑しちゃいます。

マゼール クリーヴランド管弦楽団 1975年
Lorin Maazel
Cleveland Orchestra



録音状態はまずまず。歌謡風フレーズが、単なる歌に終わらないで、精緻で堂々と鳴ってくる。う〜ん。凄い。まるでワーグナーの序曲みたい。
カップリング:ブラームス交響曲全集、大学祝典序曲、ハイドンの主題による変奏曲、悲劇的序曲 ← スクリベンダム復刻盤(原盤はDECCA)
マゼールさんのブラームス。バイエルン放送響と入れたものもあるが、このCDは、クリーヴランド管との演奏である。
ワタシ的には、歌うブラームスが好きなので、よく歌ってくれる演奏が好きなのだが〜
巷では、ブラームスなんだから、かっちりした演奏でないと〜 どうもイカンって感じである。
ブラームスの1番なんぞ、寒々しい、凍えそうな、空怖い演奏は、苦手なのだが、マゼールさんのクリーヴランド管弦楽団演奏は、どっちかというと、ガツンっと1発怖いティンパニーが叩かれたりして、寒々しい演奏に近い。

でもねっ この大学祝典は、柔らかいんですよぉ〜 
端正であり、推進力もあって、ぴしっと揃っているんですが、そのくせ弾力があって、スマートなのである。
均整のとれたアポロ的演奏で、これは、ばっちり。お気に入りである。
「れれしそ れれしそ れっどしら ふぁそ ら〜 ふぁそ ら〜」
「ららしそ ららしそ ららしそ・・・ ららしそ ららしそ ららしそ らぁ〜」という、ファゴットで奏でられるフレーズと、低弦の響きは、ちょっとゴリ気味だが、しっかりと硬いくせに弾力を持って刻む。
木管の、ぱらら〜ぱらら〜っと雲のかかったようなフレーズ。木管のころころ〜っとした、もわっとした霞のかかったようなフレーズ。ホルンのもわっとしたところも、ティンパニーの小さなロールがあるんだと思うんだが、すごく雰囲気がある。なんたって、ホルンと木管だな〜 これは良いよね。
ボンボンっと鳴ってくる低弦の響きが、すごい効果的に響く。

で、段々と音量をあげてくるところも、かなり雰囲気あり。
ジャジャ ジャジャ ジャジャ ジャジャっという歩みを奏でる弦のキレが良いんですねえ。
で、木管の「らそぉ〜 れみ〜 そふぁ〜 どれみふぁそしら そふぁみっ みっ」というフレーズの呼応など、間合いが、とっても素晴らしい。
で、その後に、「れれ しぃ〜 れら〜ふぁ らぁ〜らそふぁそみ ふぁ〜」「れれ しぃ〜 れしら〜ふぁ ら〜そふぁそらふぁ〜 れれしぃ〜れみふぁ〜・・・ 」と、トランペットで朗々と歌われる フレーズが、なかなかに神々しい。アカデミック・フェスティバルで、神々しいっていうのも変なんですけど・・・。

ファゴットで吹かれる「らららら らぁ〜し どどど どぉ〜れ みみみふぁ みれれ どぉみ〜どししっ」というフレーズも、 可愛いし、その前のフレーズも、メチャ可愛い。
マゼール盤で、可愛いって? と自分の印象に驚きながらも、ハイ、良いです。
ごろごろ〜っと鳴っているティンパニーも印象に残るし、キッチリ演奏してて、端正だし、スイスイ流れていくものの、ぱちっと、ぴしっと、した音が、1本にまとまった音が通過するんです。
弦と木管、金管のバランスが良いというか、ガシっとしているところと、柔らかいところの妙というかなあ。
やっぱ そのメリハリがすごくついてて、巧いと思う。う〜ん。こりゃ、やっぱ凄いわ。

録音はとびっきり良いとは言いません。リマスタリング盤だっと思うけれど、なんたって70年代中期ですから。でも、入れ替わり立ち替わり現れてくる歌謡風のフレーズが、もののみごとに、立派な彫像が建ち並んでいるかのように聞こえてくるところは、やっぱさすが。
最後のシャンシャンとシンバルまで入って大衆的になりそうなところも、単なる歌謡風フレーズに終わらないで、交響曲のなかの1つの楽章のように立派に仕上げてくる。
いやいや、最後なんぞ、ワーグナーの楽劇、前奏曲か序曲みたいになっている。
めちゃ精緻だし、堂々としてて、これだけ立派だと脱帽っ。う〜ん。これはやられた。
これは単なる小品ではないぞっ。圧巻。拍手っ〜!
アバド ベルリン・フィル 1987年
Claudio Abbado Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)



録音状態は良い。華麗な演奏で、まるでオペレッタを聴いているような雰囲気だ。コミカルで軽妙だが、上品である。
まあ、天下のベルリン・フィルだからねえ。品がないと困るかな〜
カップリング:交響曲全4曲、ハイドンの主題による変奏曲、悲劇的序曲、大学祝典序曲、アルト・ラプソディ、運命の歌、悲歌、運命の女神の歌
大学祝祭序曲は、なんでもブラームスが、ブレスラウ大学というところから名誉博士号を授与された代わりに、作曲されたものらしい。
ブラームスらしくないというか、はあ。ド派手な、チャイコフスキーの序曲みたいだけど・・・。
いや、イタリア・オペラか? 明るめの、ドタバタ、オペレッタか?

祝祭的なフレーズねえ〜っと首を傾げていたら、元は、学生の歌だった旋律を引用しているとのこと。
あらら〜 なるほどねえ。演奏家によっては、アメリカっぽい、ブラスバンドっぽい音楽のように聞こえてしまっていたんだけど・・・。
しかし、あまり当たらずも遠からずか。(いや、違うなあ)

この曲は、4つのパーツに分かれているというが、それぞれに、引用があるらしい。
特に印象に残るのは、「ららしそ ららしそ ららしそ らぁ〜」ファゴットで奏でられるフレーズかな。
で、「れれしそれっ れれしそれっ」 
で、トランペットで朗々と歌われるフレーズだ。
「しれら〜 ふぁ〜ふぁ〜そみふぁ れれし〜 れしら〜 ふぁ ら ら〜そみふぁれ〜っどれしど」
これは、「僕らは立派な学び舎を建てた」というフレーズらしい。
まあ、他にも歌謡風のフレーズが、入れ替わり立ち替わり表れるが・・・。

ファゴットの「らららら ら〜し どどどど ど〜れ みみみふぁ みれれ どみ〜どしし」
のフレーズが、やっぱ、耳に残るオチャメな曲である。
アバド盤は、さすがに上品というか、ハチャメチャになりそうなフレーズを巧く流している。
木管も艶やかだし、巧いよねえ。フルートが、アメリカ西部のような歌謡風フレーズを奏でていくものも面白い。もちろん、作曲家のフレーズの繋ぎが 、とっても面白く、巧いわけだけど〜
「ららしそ ら〜 ららしそ ら〜」
ファゴットを使っているのが面白いかなあ。呟きのような、口笛のようにも聞こえるし。酔っぱらいの若いお兄ちゃんが、小躍りしているかのようにも聞こえるし。

最後、ティンパニー、大太鼓付きで、最後、オペレッタ風に華やかさも醸し出してて、大円団、大賑わい。宴もたけなわ〜という感じで終わる。
ブラックユーモア的な祝祭、華やかに「れれしそれ〜 れれしそれ〜 ふぁ〜みどれっ」
ジャンジャン ジャジャジャン・・・  
アバドが振れば、間違っても、ブラスバンド曲には感じないんですけどね。
しかし、これブラームスとは、ちょっと思えないほど、明るくノー天気ですが、ハイ、上品にまとまっていると思います。
まあ、天下のベルリン・フィルの演奏なので、品がないと困るんですけど・・・。
初めて聴いた時、えっ あのベルリン・フィル? ミラノ・スカラ座じゃーないの?とは、思っちゃたけど・・・。
シャイー コンセルトヘボウ 1987年
Riccardo Chailly
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

あちゃ〜


録音状態は極めて良い。豊かなホールトーンで、軽やかで、ホント煌びやか。
えっ ブラームスで、煌びやかって? ちょっと、マズイかもしれません。
既成概念が、ぶっとび状態になりますから。(笑)
カップリング:ブラームス 交響曲第1番、大学祝典序曲
シャイーのブラームスは、とっても録音状態が良い。
また、この大学祝典序曲は、ブラームスの楽曲のなかでも、ウィットに富んでいる楽曲である。
学生の歌だった旋律を採り入れているとのことで、冒頭こそは、モゴモゴと低音で入ってくて、大太鼓が叩かれ、ボンボコ ボン ボンボコ ボンという響きのなかで、「ららしそ ららしそ」と、刻みがある。
クラリネットで、風が舞うようなフレーズもあるし、 木管とホルンかな〜 コラールのような響きも流れるなか、「ららしそ ららしそ ら〜 ししっ ししっ ふぁみ〜ど そらっ しそっ ら そ〜らふぁっ」と元気になる。

巧いフレーズの繋ぎがあって、その後、
「ら ふぁ〜 みみ れぇ〜ら ら らぁ〜そらふぁ〜」
「れれ しぃ〜 れら〜ふぁ ら〜らそふぁそみ ふぁ〜」
「れれ しぃ〜 れどしら〜ふぁ ら〜そふぁそみ〜 れっ みどれっ」と、トランペットで朗々と歌われる。
「僕らは立派な学び舎を建てた」という学生の歌のフレーズらしい。

このシャイー盤は、金管の軽やかで華やかなこと。
恐ろしく、煌びやかで明るくて、すわーっと広がる音の広がり感が、とても爽快だ。
テンポ良く、サクサクと進んでいくのと、軽妙で、軽やかで、音が羽根を生やして飛んでいくようで。
う〜ん。これは唸ります。
だってホントに、この曲を初めて聴くと、全くブラームスっぽく感じないんですもん。 いや〜 なんて爽快で軽やかな大学祝典序曲なんだろ。こりゃ仰天っ!

ファゴットで吹かれる「らららら らぁ〜し どどど どぉ〜れ みみみふぁ みれれ どぉみ〜どししっ」というフレーズも、えっ これ確かにファゴットだよねえ。
最後、ティンパニー、大太鼓が入ってきても、まったく重量感が〜 無いに等しいぐらいで、 柑橘系が漂い、草食系で、スポーティで、ホント、なんて例えればよいのか、言葉を失うほど、軽やかで輝いてて、キラキラした音が上に広がっていくようで、そう、花火のように綺麗っ。って感じでしょうか。

そうですねえ。フランスものに近い楽曲というか、デュトワとモントリオール響のラヴェルの演奏みたいで、 いや〜 ホント、高音域が特に凄い。いや〜 これは、まるでベツモノですね。

コンセルトヘボウ特有の木質感のある音質だと思うが、そこに、軽やかさが入ってきて、音がまるで違うというか、重量感が無い、無重力空間に放り出されたような感覚というか、録音状態はすこぶる良いのだが、低音の響きが薄いというか、下支えが感じられないというか、音が下で響かないというか。

豊かなホールトーン だが、なんか〜 ふわっとしている広がり感だけはあるが、音がダイレクトに届かないというか、広がるだけ広がって、インパクトが伝わってこない、まどろっこしさがあるというか、 なんせ、音が、とても煌びやかなのだ。
えっ ブラームスで煌びやかだって・・・と驚かれるかもしれないが、ホント、キラキラしてて、光だけが届いて実態が見えないというか、う〜ん。困ったなあ。 ブラームスで、煌びやという感想は、う〜ん。これは、ちょっとマズイかもしれないなあ。
が、しかし、う〜んと、唸ってしまうほど、ホント、綺麗なサウンドが広がっていることも確かなのだ。

まっ ヴァント盤のように硬くて、渋くて、凍えるぐらいの怖いぐらいのタイトな演奏が好きな方には、絶対お薦めできないデスね。 きっと、なーんてヤワな演奏だっ。そんなモン聴けるかい。と叱責を受けるに決まっていると思うので。(笑)
まあ。ホント、シャイーとヴァント盤では、全く正反対って言って良いぐらいアプローチが違いますね。 録音状態も、相当に違います。 それに、同じコンセルトヘボウを振っているハイティンク盤とも、音質が違います。
カッシリとした芯が、ハイティンク盤はあるように思います。
で、シャイー盤、かなり、好みが分かれる演奏かな〜って思う。
ワタシ自身、思わず、どひゃーん。と驚いちゃいました。録音状態は良いのですが、ブラームスの楽曲としては、良い悪いは、ちょっと言えないぐらい全く別モノとなってます。 悪く言えば、トンデモ盤かも。

(いやいや、シャイーさんに限らず、アバドもムーティも、相当に流麗だったので イタリアとドイツの違いってことで、ワタシ的には勝手に結論づけてしまいました。笑)
ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 1988年
Riccardo Muti
Philadelphia Orchestra

あちゃ〜

録音状態は良い。なんとも、流麗で品の良い演奏で〜 あっけにとられて驚いちゃう。
カップリング:
1〜4 ブラームス 交響曲第2番
5 ブラームス 大学祝典序曲
ムーティさんの演奏は、流麗すぎて〜 おほほ。という感じで、上品だ。
まるで、イタリア歌曲を歌っているかのように錯覚しちゃうほどで、あらま。穴蔵のようなビアホールで、ビールでも飲んで、賑やかに騒いでいる感じはしない。
陽気な学生歌というよりは、華麗なる一族のおひとり、お坊ちゃまが、カンツォーネでも歌っているかのような風情で〜
(↑ あくまでも例えですが)

悪たれというより、あくまでも、弦が主体の演奏となっており、とても流麗で、完全に祝祭的に、堂々と、朗々と歌いあげ行く。いや〜 ここまでしなくても。充分にブラームスの感謝の気持ちは伝わっていると思うのだが。
曲が進むにつれて、華麗なファンファーレ風というか、最後になると、学生歌というより、ワーグナーの楽劇でも聴いているかのような、すごい、スペクタル風のスケールの大きさいなってしまう。

あっけにとられてしまった。
あのぉ〜 ブラームスは、確か、「学生の酔いどれ歌のひどくがさつなメドレー」を作って「大学祝典序曲」と名づけたと言っていたらしんですけど・・・。

まっ そんなことはお構いなしに、ムーティ盤は、華麗に、一大スペクタルに盛り上げて行く。なにせ、スケールが大きい。
アバド盤は、まるでオペレッタを聴いているかのような雰囲気がした。
シャイー盤は、まるでラヴェルの楽曲のようにキラキラしていた。
で、ムーティ盤は、まるで、スペクタル映画みたいで、アハハ〜 
すごすぎ。ブラームスもびっくりしてるかも。イタリア人の陽気さは、ドイツ人とは、全く違うアプローチなんでしょうねえ。
なんとも、開放的で〜 いやはや。
すごいっ。まあ、こっちも陽気に楽しめちゃうので、まっ いいかあ。
1975年 マゼール クリーヴランド管弦楽団 scribendum ★★★★
1987年 アバド ベルリン・フィル ★★★★
1987年 シャイー コンセルトヘボウ Dec ★★★
1988年 ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 Ph ★★★★
所有盤を整理中です。

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