ブラームス ハイドンの主題による変奏曲 Brahms: Variations on a Theme by Haydn

 ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
Brahms: Variationen über ein Thema von Haydn(Variations on a Theme by Haydn)
ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1977年
Georg Solti Chicago Symphony Orchestra

ショルティの演奏は、カッチリとしててスピーディに進む。淡々と進むが、なかなかに味わいのある演奏だと思う。変奏曲1番は、ドスンっという迫力感もある。軽やかな変奏は、木管の弾む感じが気持ち良い。全体的に作為的なところはないし、テンポは揺れず、流麗すぎない。響きは硬めだが、キビキビ、メリハリのついた演奏なので聴き応えがある。小編成のオケとは違うし、シカゴ響なので、硬く渋く締まった演奏になっている。オケが違えばまた異なった印象になるだろうが、聴いてて楽しくなる変奏曲だ。ワタシが所有しているCDには、変奏ごとにインデックスがないが、動画サイトでは区分されている。聞き慣れると、当然、通して聴きたいが、区分されている方が勉強する分には便利です。ショルティ盤は、低弦の響きが厚めで、ティンパニーの響きが硬め。で、ラストの終曲 パッサカリアでは、朗々と歌ってくれるのかと思ったが、ちょっと硬すぎて、あっはは。やっぱり硬かった。次回は、VPOの演奏で聴いてみたいですね。


 ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
Brahms: Variationen über ein Thema von Haydn(Variations on a Theme by Haydn)
リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 1989年
Riccard Muti The Philadelphia Orchestra

ムーティの演奏は、やはり朗々と晴れやかに歌っており、ワタシ的にはとても嬉しい演奏だった。ブラームス ハイドンの主題による変奏曲の主題は、「み~ふぁみ ふぁ~み れ~ど~ れ~ ふぁみれどみ~れ しどれ」「み~ふぁみ ふぁ~み れ~ど~ れ~ みどし れ~どぉ」という有名なテーマである。

1 木管は、「どーどーどー れ~どしど れ~ど」 ヴァイオリンは、「ふぁれどみ ふぁれどみ どらそし~」と、がっぷり組んで対抗戦を繰り広げる。まるで、地面から VS 空中から 双方撃ちあっているみたい。
2 ティンパニーで、「どぉ~れ どっど」と、付点のリズムが特徴的なもの。
3 ゆったりとしたロマンティックなフレーズで、のびやかに、対位法を使って展開していく。フルートのフレーズ、ホルンの響きが美しいし、なめらかで、ふくよかな歌が聴こえる。
4 「どれみふぁ~ みれ~ どふぁみれ どぉ~し」 陰影のついたオーボエのフレーズで、どれみふぁ~み どし・・・と、弦で、暗く沈み込んでいくフレーズを奏でる。中音域の弦の豊かさ。陰りがなんとも言えない。ブラームスは、チェロの声が綺麗に入ってくる。弦楽合奏のようなシックな、しっとり~っとした歌は絶品。
5 フルートとオーボエで、「どしどぉ~ ふぁみふぁ~」と、飛び跳ねているスケルツォだ。
6 ホルンとファゴットのコラボの変奏曲で、「みみみみ ふぁっそら み~ みっみ れっみふぁ どっ れみ しっどれ・・・」と続いていく。「どぉ~そっそ らぁ~れみ どぉ~そみ」・・・って感じのティンパニーのリズムに乗った弦の響きが、むふふ~っ、粘っこい、土着的なフレーズで、一瞬、ヒンデミットの楽曲で聴いたような気がする。あーっ 思い出せないっ。画家マティスだっけ、気高き幻想だっけ、いや、ウェーバーだっけ。ウェーバーの主題に、ハイドンの匂いは入らない筈だから、違うよなあ~っと、悶々としてしまった。
7 「そぉ~みど そぉ~ みふぁっ どぉ~」と、そよぐ風のようなフレーズが聴こえてくる。シチリア風の舞曲らしいが、フルートと、弦のフレーズで、柑橘系の香りが漂う。
8 かなり暗めで、ちょっと言葉では表せない速い変奏曲だ。夢想的な、ふわふわしているが、軽やかに舞うもの。

終曲は、これに引き続いて、荘厳に朗々と歌われていく。低弦の刻みが厳かに響き、ティンパニーの入りが巧い。曲の構造が、堅牢だということが再現されているように思う。誰がパッサカリアという形式を考え出したのだろう。基本型は同じだが、ちょっとずつ形を変えて、新しいモノを追加して、バージョンアップしていくという手法は、う~ん、現代の儲かるビジネスの定型にもなりえそう。(笑) ムーティの演奏は、各変奏曲にインデックスがついてないので、初めて聴くにはちょっと不便かも。もし、各変奏の様態を確かめて聞こうとするなら、インデックスがついている方が便利だと思う。ワタシの拙い、調子はずれの歌で、ここに記載しちゃいましたが、大変申し訳ございません。(汗)


 ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
Brahms: Variationen über ein Thema von Haydn(Variations on a Theme by Haydn)
クルト・ザンデルリンク シュターツカペレ・ドレスデン 1972年
Kurt Sanderling Sächsische Staatskapelle Dresden(Staatskapelle Dresden)

ザンデルリンクの演奏は、交響曲のところでも述べたが、渋めいブラームスの代名詞的な存在の演奏で、その昔、評論家さんの意見を鵜呑みにして、若い頃にありがたく聴いていた。冒頭、主題が登場する。「み~ふぁみ ふぁ~み れ~ど~ れ~ ふぁみれどみ~れ しどれ」「み~ふぁみ ふぁ~み れ~ど~ れ~ みどし れ~どぉ」
そこから、変奏曲が8つ(第8変奏まで)続く。ラストの終曲は、パッサカリア。ザンデルリンクさんの演奏は、素朴ながらしっとり渋い演奏だ。 テンポはゆったり。重低弦の響きは、幾分籠もりがちだが、しっかり入っている。ワタシの持っているのは、初期のデジタルCDで、あまり立体的に響かないが、音が丸く聞こえる。もう少し奥行きがあれば嬉しいが、柔軟なフレージングで力強いものだ。カペレの音なので、艶っぽくなく、しみでるような響き。少し翳りの見える、花曇りのような雰囲気とでも言うべきか。残響は適度に感じられ、穏やかで品ある演奏だ。
シンプルな主題を、重低音の響きを持って、柔らかに力強く、多彩に変化をつけて演奏している。わずか18分程度の楽曲なのだが、なかなか聴き応えのある演奏だ。ラストは賛美歌の斉唱のように歌いあげて終わる。オケの音色が、まあ渋くて美しい。


ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
1972年 ザンデルリンク シュターツカペレ・ドレスデン R ★★★
1977年 ショルティ シカゴ響 Dec ★★★
1989年 ムーティ フィラデルフィア管 Ph ★★★★
整理中です。


ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」は、1873年に作曲されています。最初に、2台のピアノ版(作品番号56b)が作曲され、その後、管弦楽曲(作品番号56a)が完成しています。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、ブラームスは1870年に、友人でウィーン楽友協会の司書、カール・フェルディナント・ポールから、当時はハイドン作とされていた、ディヴェルティメントHob.II.46の写譜を見せられ、この2楽章を、当曲の主題にしました。写譜の第2楽章は「聖アントニウスのコラール」と題されていたので、聖アントニウスのコラールによる変奏曲という別の呼び名もあるようです。ハイドン作であったとしても、もともとは、古くからある賛美歌の旋律を引用したものと考えられています。

主題 変ロ長調 10小節単位の主題です。各変奏ははっきりした性格づけがされ、いくつかの変奏は、古い時代の音楽形式や作曲技法が使われている。
第1変奏 変ロ長調 弦が中心で、対位法的な進行を見せるもの。
第2変奏 変ロ短調 木管が付点リズムの特徴的なメロディを奏でる。
第3変奏 変ロ長調 木管が中心で、のびやかなもの。
第4変奏 変ロ短調 オーボエと、ホルンのゆったりしたメロディが、二重対位法で進行するもの。
第5変奏 変ロ長調 スケルツォ風の軽快な変奏曲。
第6変奏 変ロ長調 ピツィカートの上で、ホルンとファゴットが、リズミカルにメロディを奏でるもの。
第7変奏 変ロ長調 フルートの哀愁漂うメロディを、弦が引き継ぐもの。
第8変奏 変ロ短調 ぶきみに動く弱音の弦のうえで、木管が陰鬱な調べを奏でるもの。
終局 変ロ長調 壮麗なパッサカリアで、クライマックスで、コラール主題が再呈示されるもの。これ自体が、バッソ・オスティナートによる一種の変奏曲となっています。コラール主題を引き継いだ、5小節単位のパッサカリアの主題は、19回変奏されます。


 

YouTubeでの視聴

ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
Brahms: Variations on a Theme by Haydn, Op. 56a
フィラデルフィア管弦楽団 - トピック
The Philadelphia Orchestra - Topic  ムーティ フィラデルフィア管弦楽団
Provided to YouTube by Universal Music Group
https://www.youtube.com/watch?v=sJWLSYAD7EE


Variations on a Theme by Haydn, Op. 56a, "St. Anthony Variations"
ヨハネス・ブラームス - トピック Johannes Brahms - Topic
Provided to YouTube by NAXOS of America
ここでご紹介する演奏は、カペレではなくベルリン交響楽団との演奏である。ザンデルリンク ベルリン響
https://www.youtube.com/watch?v=ZmF8LfYkkVQ


Brahms: Variations on a Theme by Haydn, Op. 56a
シカゴ交響楽団 - トピック  ショルティ シカゴ響
Provided to YouTube by Universal Music Group
主題 Theme: "Chorale St. Antoni"
https://www.youtube.com/watch?v=0nuFZPL7pu4
第1変奏 Variation I: Poco più animato
https://www.youtube.com/watch?v=NJjmvPX87eo
第2変奏  Variation II: Più vivace
https://www.youtube.com/shorts/nXJSmq2I-zI
第3変奏 Variation III: Con moto
https://www.youtube.com/watch?v=O2zUhN_Ywf8
第4変奏 Variation IV: Andante con moto
https://www.youtube.com/watch?v=u8aT7az0Gwk
第5変奏 Variation V: Vivace
https://www.youtube.com/shorts/0VD6oICEfeo
第6変奏 Variation VI: Vivace
https://www.youtube.com/watch?v=kfaivFbJgew
第7変奏 Variation VII: Grazioso
https://www.youtube.com/watch?v=olr-wR4FYcE
第8変奏
https://www.youtube.com/shorts/rbz6gUOf9yc
終曲 Finale: Andante
https://www.youtube.com/watch?v=zKJnPYm7PU0



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