「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ブラームス 悲劇的序曲
Brahms: Tragic Overture


ジュリーニ ウィーン・フィル 1989年
Carlo Maria Giulini    Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

録音状態は、まずまず。とびっきり良いとは言いがたい。歯切れの良さと歌いっぷりの良さが同居してて、晩年特有の超スローテンポの演奏ではない。

「しっ ふぁ  れ〜そし らそし〜ふぁ ふぁぁみれ〜どしふぁ ら〜ふぁ」
「ふぁっそみ〜 れ どっれみ〜らっ そら しふぁふぁふぁ ふぁっそふぁ〜」
「ら〜ら〜 ら〜ら〜」
「れ そ〜し らそし〜ふぁ・・・」
ジュリーニさんの出だしは大きく、決して遅くはないし、切れもそこそこにあって、エネルギッシュだ。
ティンパニーの響きが残っているし、低音の金管が、しっかり残っている。
大きな器の響きがあるし、低音の響きが、そこそこにあって核を成している。この演奏のなかでは、やっぱティンパニーの響きが、しっかり残っていることかな。その点は、弦の切れを上にのせており巧いよなあ。って思う。
木管のフレーズが続き、「そ〜ふぁみ そ〜れ どしみれ しそふぁ・・・」「そ〜ふぁみれ そ〜ふぁみれ」
加速度をつけて、「そっれっ みっ しっ みそど〜み どそふぁ〜み」「そふぁ みれどそ ふぁ〜みぃ」
なんだか、重量はあるのだが、フレーズの上り下りにまかせて、自然と重量を増して、どっそっ。
と落としてくるのが、巧い。

弦が弱音で、カシカシ・・・ 木管の長いフレーズが絡んでくる場面を通過すると、歌謡風のフレーズに突入しちゃうが、ここは、やっぱジュリーニさんは歌う。 
ホルンの柔らかな響きが、これまたチャーミングだ。
ヴァイオリンの弱音と、木管と共に、「しぃ〜み れど し〜ら ど〜し れぇ〜し どそふぁみどれ し〜ら」
あちゃちゃ〜 これは魅力的だ。チャーミングな響きで、フレーズが柔らかい。
この木管の腰はあるが、甘美で、弦の柔らかい艶のある音は、香ってくるような感じ。

フレーズのテーマになっている2つの音。
「そ〜そ ら〜ら」「どれっ みれっ それっ そしっ」という2つの音を、渡すというか、落として行くというか・・・。そんなフレーズが続くが、ジュリーニ盤では、2つの音は、落とすというより、ソフトボールで、キャッチボールが行われているようだ。
弦の「れっし れっし そぉ〜っど しぃ〜」という、切れのある音と、長めの音。この入れ替わる時の、変わり身の速さは、やっぱ弦が巧いんだと思う。
結構、テンションは高めだし、音は熱めなのだけどキツクなく、全体的な響きとしては柔らかい。

大学祝典序曲と対になって作曲されたという悲劇的序曲。
暗く、硬めの序曲ではなく、あくまでもソフトに演奏されているが、低い音量が、結構たっぷりめに入っていて、音の重さを感じさせられる。
また、弱音のところが、ゆったり〜演奏されているので、主題のなかで、差が大きくついている。
大らかに歌い、テンポもゆったりしているし、主題の構成の間で、間を充分に取っている感じ。
結構、大きな器で、劇的に演奏されていると思う。

甘いフレーズは、文句なしにグッド。そこそこの重量感もあるので、もう少し録音が良ければなあ。
もっと恰幅の良さを、十二分に味わうことができるだろうけど。その点、いささか残念だ。
ハイティンク ボストン交響楽団 1990年
Bernard Haitink    Boston Symphony Orchestra

録音状態は良い。艶やかな音色ではなく、渋くて、ちょっと硬めだが安定感があり、穏やかだが熱い。
カップリング:ブラームス 交響曲第4番、悲劇的序曲

 

「しっ ふぁぁっ・・・・」
この冒頭の2音で、メチャ重く、ティンパニーの余韻が、しっかり震えた音が入っている。
重くてデカイ。この、あまりの大きさに、驚いちゃった。
「れ〜そしらそし〜ふぁ ふぁみれ〜どしそ し〜ふぁ」
「ふぁっそみ〜 れ どっれし〜らっ そら しふぁふぁふぁ ふぁっそふぁ〜」
「ら〜ら〜 ら〜ら〜」
「れ そ〜し らそし〜ふぁ(ドロドロ)・・・」
すげ〜 重くて硬くて、堅牢というか、鈍重というか。無骨というか〜 なんとも硬いことで。
まっ この無骨さが、たまらん。という人もおられるとは思うが、ワタシには、予想以上だった。
他のオケより、デカイティンパニーじゃないのかい。直径何メートルのティンパニーだ? と、茶化したくなるほどで。(笑)
テンポは遅め。しっかり、堅実路線ということかもしれないが、う〜ん。ブラームスの悲劇的って、重いのね。この重さは、最初の方は、ティンパニーが優先している。
で、低弦の重みもあるのだが、弾まないで硬めで、淡々としてて、沈むような重さである。
前回、ジュリーニとウィーン・フィル盤を聴いたのだが、ハイティンクさんは、やっぱ硬いです。
木管の音色も、金管も、心なしか硬いんですねえ。
柔らかい響きが皆無って言ってもいいぐらいだし、音質も地味なんです。

歌謡風のフレーズが入ってくるのだが〜 無骨で色気なし。
硬くて枯れてて、そのくせ木質的で〜 人を寄せ付けないような、高みに登り切ったところまでは至らないし、恐ろしさは無いんだけど、脂の抜けきった老いた感じがする。
「れ〜ら れ れぇ〜」 あらら〜 ホルンの音色も乾いているぞ。ヴァイオリンの弱音と、木管と共に、「しぃ〜み れど し〜ら ど〜し れぇ〜し どそふぁみどれ し〜ら」
あれまっ 魅力的ではないなあ。素っ気ないほどで、フレーズが追いかけながら、大きく膨らましてくるワケでもないし。う〜ん。大きな器の風貌はしているけど。イマイチ、なんか足らない。
カップリングされている交響曲の4番は、良い印象を持ったんだけど・・・。
1989年 ジュリーニ ウィーン・フィル ★★★★
1990年 ハイティンク ボストン交響楽団 Ph ★★★
所有盤を整理中です。

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