「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ドビュッシー 神聖な舞曲と世俗的な舞曲
Debussy: Danses pour harpe et orchestre


ドビュッシーの「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」は、ハープ独奏と弦楽合奏のための作品で、1904年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
この作品は、プレイエル社が開発した半音階ハープ(クロマティック・ハープ)のために作曲されています。
それまでのハープは、全音階に調律されていたのですが、弦の数を増やして、半音階の演奏を容易にしようとしていたそうで、この楽器の普及のため、1904年に、音楽院でのコンクールのための楽曲をドビュッシーに依頼しています。
その時の作品が、この神聖な舞曲と世俗的な舞曲ってわけ。

結局、半音階ハープは普及するに至らず、別の会社であるエラール社が開発したダブル・アクション方式のペダル・ハープが、改良を重ねて今に至っています。
ちなみに、エラール社は、ラヴェルに、自社の製品であるペダル・ハープの優位を示すための作品を依頼し、「序奏とアレグロ」が、生まれたのだそうな。
アハハ〜 すごい。2つのハープの製造会社が、2人の偉大なる作曲家に、自社製品を普及させるために張り合って作曲を依頼したってわけなんですね。で、ワタシたちは、その恩恵を受けているってわけ。

構成は、緩・急の2曲となっていますが、続けて演奏されます。
神聖な舞曲(Danse sacrée )   トレ・モデレ(Très modéré) 2/3拍子
世俗的な舞曲(Danse profane ) モデレ(Modéré) 4/3拍子
全曲で約9分の短い曲ですが、素敵な楽曲です。

マルティノン フランス国立放送管弦楽団 1973年
Jean Martinon
Orchestre philharmonique de Radio France



録音状態は良い。極めてクリアーで、色彩的で甘美だ。描き方は、くっきりしているのだが、上質な甘さが感じられる。
ドビュッシー・ラヴェル管弦楽全集8枚組BOX
マルティノン盤は、古い録音だけど、すこぶる録音状態が良い。明解でスッキリして聞こえてくる。
なんで〜 最近の録音の方が、もっさりしてるんだろ。と思う。ドビュッシーの全集で、このマルティノン盤を超えるCDが出てこないのかなあ。待ってるんだけどなあ・・・。
で、この盤も、ハープがよく通る音色で収録されており、力強い。
「しぃ〜ら〜 れ〜 みれみ し〜 ら ふぁ〜 (しっら しっれ しっら)」
「しれしら みそらそれしら〜 れみら〜 れみら ふぁらし〜らそみれ〜 れ〜」
どことなく、懐かしい古風な楽曲だが、このハープが良く聞こえるのは嬉しい限りだ。高音のハープの音色も、キンキンに響かず、適度に柔らかい。冒頭のフレーズは弱音で奏でられており、上品である。
夢見心地になるような幻想的な雰囲気は、あまり感じないが、シャキと響いてて〜 高貴な感じを与える。
「どぉ〜れ ど〜れみれど ら ど〜れれ どれみれど〜」ちょっと小悪魔風フレーズが出てきたと感じる場所なのだが、いや、テンポも変わらず、上品なままである。
「し〜ふぁ し〜ふぁふぁ し〜ふぁ〜そ〜ら そ〜み」 少しかげってきた雰囲気がするが、悪魔的とまでは行かない。しかし、ハープの「どしれど しら ど そ〜ど ら〜 ど〜 ら〜」
音の感覚がわからないままに、高揚感が与えられる。
あ〜 音痴なのはダメだなあ。半音のあがりくだりが、心地良いのだが、音として捕まえきれない、もどかしさ。うぅ〜(← 頭を掻きむしってしまう)
神秘的な音色だなあ。と、ホントハープの音色に聞き惚れる。
日本で言えば、琴は神降ろしの楽器なのだ。
じゃ〜 ハープって、どのような起源を持つのだろう。めっちゃ古い楽器なんだろうけど。ギリシャの壺とか、ギリシャ神話には、登場しているなあ。私的には、吟遊詩人の浪漫的なイメージが、勝手にイメージされていたり、ギリシャ神話のなかの1シーンを、勝手に想像しちゃったりする。
まっ ハープというよりは、竪琴なんですけどね。
で、竪琴と言えば、ギリシャ神話だと、オルフェウスが連想されるし、そこから象徴派の絵画が思い浮かぶし。まっ、いずれにしても、連想キーワードは甘美でしょうか。 描き方は明晰だけど甘美だよなあ〜 ふふっ。
象徴派の絵画のように、見た感じは、わかりやすいのだけど、描かれれている内容は、結構怪しく危険なのだ。
気持ち悪い筈のシーンが、まあ、なんて甘い香りを放っているんでしょう。どうして、また甘く感じるんでしょう〜。
マルティノン盤の演奏で、アタマがいかれちゃったのだろうか。うひひっ。なんでだろ〜 どーしてだろうっ。
  ハイティンク コンセルトヘボウ 1977年
Bernard Haitink
Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)



録音状態は、イマイチヌケが良くない。ハープの音色が、全体的に包まれてぼんやりと聞こえる。ただし、これが幻想的な雰囲気も醸し出している。
カップリングは、下記のとおり。2枚組BOX

ハイティンク コンセルトヘボウ ドビュッシー管弦楽集

1 英雄的な子守歌(エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム指揮)
2 映像 ギリシャ、イベリア3曲、春のロンド
3 遊戯
4 スコットランド行進曲
5 牧神の午後への前奏曲
6 夜想曲 3曲
7 海
8 クラリネットと管弦楽のための狂詩曲
9 神聖な舞曲と世俗的な舞曲

「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」は、ハープと弦楽のための作品である。
ドビュッシーは、半音階用にと弦を増やしたハープを作った会社から、そのハープを普及するためにに作曲を依頼された。で、生まれたのが、この「神聖な舞曲と〜」という楽曲だそうである。
ちなみに、対抗するライバルのハープ会社は、ラヴェルに作曲を依頼。で、生まれた作品は「序奏とアレグロ」という。
ふふっ。面白い経緯があるんですね。
これが、すこぶる魅力的な楽曲である。半音階用のハープの普及のためだから、半音階調のフレーズがたっぷり出てくる。
ただ、私的には、なぜタイトルが、神聖な舞曲と世俗的な舞曲とされているのか、よくわからない。
いずれも、舞曲風なのは解るのだが、いずれも、デルフォイで踊るような西洋風お神楽みたいに感じちゃって、神聖VS世俗 という構図にはなってないように思うんだけどねえ。

わずか9分程度の楽曲であるが、じっくり聴くと、ハマル。
「し〜ら れ〜 みれみ し〜 らふぁ〜〜」
「しれしら みそらそれしら〜 れみら〜 れみら ふぁらし〜らそみれ〜 れ〜」
どことなく、懐かしい古風な風合いを持っている。不可思議なのだが、妙に古風で、
「どぉ〜れ どれみれど ら ど〜れれ ど どれみれど〜」
ちょっと小悪魔風フレーズが出てきて、み〜ふぁ みふぁふぁ〜 小躍りしているオチャメな妖精が、いたづらをしているかのような雰囲気もある。
アルペジオのように、飛んでいく雰囲気もあるし、おとぎの世界でもあったり、ホントに神妙に聴くところもあったり、いや〜 雰囲気としては、かしこまる感じではなく、妖精世界だなあ。
ハイティンク盤は、録音がイマイチで、明瞭には響いていない。ホールが大きいのか、音の粒としてのハープ音ではなく、残響に呑み込まれているようで、広がり感がイマイチ明瞭ではない。 うすぼんやりした空間となっている。でも、なーんか、ほんわかしてて、幻想世界となっているので、まっ これも良いんだと思う。
「そ〜そら〜し そ〜ふぁ〜 そ〜そら〜し どっどしら そふぁみ」
オケ全体で奏でられる、「み〜ふぁ〜そ み〜れ ふぁ〜み〜 ふぁ〜そみ〜 れふぁふぁし〜」と盛り上がるところは、うん。絶品。低音の響きが分厚いんだけど、嫌みになってない。
エマニュエル・クリヴィヌ 国立リヨン管弦楽団 1994年、95年
Emmanuel Krivine   Orchestre National de Lyon (Lyon Opera Orchestra)

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は幾分こもりがちで、ソフトフォーカス気味なのだが、ハープなので雰囲気は良い方向に・・・。優しく、テンポが良く、柔らかい音が、部屋イッパイに広がってくるので、とても嬉しい1枚である。
クリヴィヌ 国立リヨン管弦楽団 ドビュッシー管弦楽曲集

1〜4 小組曲
5〜6 神聖な舞曲と世俗的な舞曲
7 アルト・サクソフォーンと管弦楽のための狂詩曲
8 クラリネットと管弦楽のための幻想曲
9〜11 ピアノと管弦楽のための幻想曲

ハープ:マルギット=アンナ・ジュス

「しぃ〜〜らぁ〜れ〜 みれみぃしぃ〜らぁぁ〜」
「しれ みれ みそらみれし れ らぁ れみ らぁ〜 れみらぁ〜 ふぁら しぃ〜 らそみそれぇ〜」
懐かしい古風な雰囲気のするフレーズを、柔らかく包み込むかのように演奏されている。
この冒頭のフレーズを聴くだけで、どこか、胸がキュンっとするのだが、五音階で綴られた、○○教会旋法というフレーズなのだろうか。他のサイトを放浪してると、主音「シ」で始まるロクリア調って書かれてあった。
とても癒やされるフレーズである。
「どぉ〜〜れ〜 ど〜れみれどらぁ どぉ〜れれ どぉ〜 れみれど〜」
深々としたフレーズもあり、波間を漂うフレーズもあり、聴きどころ満載の曲で、いっぺんにハープが好きになるという方もおられると思うが、このクリヴィヌ盤は、ほんと、間接照明のような室内の明かりというか、夜の幻想的な雰囲気がする。
主題が戻ってきてくるのも嬉しく、ゆったりと語られている。

「み〜 そぉ〜 らしっ そぉ〜らしっ そぉ〜らし らしら・・・」
小舟を漕ぎ出す、その瞬間という感じの拍感覚だ。
ハープのグリッサンドは、とても美しく、まろやかに倍音が響き渡っていく。テンポも良く、どぉ〜れぇ〜 どぉ〜れぇ〜と、揺れながらも、素速くテンポを変えていく。
このテンポの切り替えは、とても心地よいもので、温かい空気感が感じられ、おちついたワルツのようだ。
ハープだけでなく、オケ全体で揺れており、聴いているウチの部屋も、ゆうら ゆうら〜と、揺れるかのようだ。
また、跳躍する場面では、もちろん、素速く行われているし、ラストに向けての盛りあがっていくところは、オケとの呼吸もバッチリで、音のぐぐっと、きちゃう。
オケも控えめに徹してながら、さりげなく、盛りあげてくれるのは、とっても嬉しい。
このCDを聴くと、やっぱりフランス物は、フランスのオケでないと〜と、言いそうになってしまう。

録音状態は、少しこもりがちで、ソフトフォーカスな感じがする。
しかし、 ハープのグリッサンドが、強めに鳴ってくるところは綺麗だし、柔らかく、音がいっぱいに広がっていくハープの音を、輪郭鋭く聴きたいという気には、あまりならないし、この魅惑的な響きに、浸りきるのがいいのでしょう。
音の強弱、テンポ、分散和音の響き、どれをとっても、う〜ん とっても素敵だ。(あーっ 言葉にできないもどかしさっ)
1973年 マルティノン フランス国立放送管弦楽団 EMI ★★★★
1977年 ハイティンク コンセルトヘボウ Ph ★★★
1994年・95年 クリヴィヌ 国立リヨン管弦楽団  DENON ★★★★★
所有盤を整理中です。

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