「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ドビュッシー  アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲(管弦楽とサクソフォーンのための狂詩曲
Debussy:
Rapsodie pour orchestre et saxophone


ジャン=マリー・ロンデックス  マルティノン フランス国立放送管弦楽団 1973年
Jean=Marie Lodeix  Jean Martinon
Orchestre philharmonique de Radio France



録音状態は良い。くぐもった柔らかさ、ふわっとした、まろやかな空気感というか、幻想的もこもこ感覚がある。
下のCDジャケットは、ドビュッシーとラヴェルの管弦楽曲集8枚組BOX
「アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲」という曲は、いつ聴いても気持ちの良い曲である。

わずか15分程度の小品なのだが、サックスという声の良さに、うっとりしてしまう。
声の良さ〜としか表現しようがないほど、ホント、アルトサックスは、声の良い人なのである。
こんな人が、隣にいてくれていたら、毎晩楽しいだろうなあ〜 
カウンター越しに、さりげなく喋ってきてくれるマスターみたいで、毎晩、通ってカウンターに座っていたい気分に〜(笑)

須川盤のように、抜けの良い録音ではないが、ワタシ的には結構、気に入っている。
マルティノン盤の良さは、もわもわ〜とした空気感がありながらも、トライアングルの響きなどが、筋の通った音で響いてくることだろうか。それと、ちょっと和風に聞こえるのだ。

旋律は、音がとれそうでとれないので、巧く歌えない。
先にハール盤や須川盤の感想をUPさせていただいたのだが、冒頭のフレーズ、、、、「れら〜ら〜 み〜 どれそみ〜 ふぁどれ ふぁ〜ど〜 れ〜ら ら〜」 あはは〜 よく、こんなでたらめな鼻歌を歌っていたものだ。と、自分ながら恥ずかしい気分である。(苦笑)

ドビュッシーの不思議な旋律には、いつも戸惑わされる。
ロンデックスさんのサックスの演奏が、どうのこうのと言えるワケがないのだが、サックスと言えば、当然、ジャズだと思い込んでいたところに、ドビュッシーが書いたモノ(作品)があるってことを、教えてもらっただけで感謝だろうか。
また、気怠さというより、控えめな清潔感を感じたのだが、どうだろう。
この曲について、ググっていたら、どうも、未完のまま作曲を依頼した人に渡してしまったらしく、デュカスに仕上げてもらったらしいことが書かれてあった。あら、そうだったの?

ジョン・ハール マリナー アカデミー室内管弦楽団  1990年
(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)
John Harle  Neville Marriner
Academy of St. Martin-in-the-Fields

録音状態は良い。少し、まろやかすぎるかもしれないけれど、茫洋として黄昏どき風に気怠い。カップリングは下記のとおり。
サクソフォーン協奏曲集 ジョン・ハール マリナー アカデミー室内管弦楽団

1 ドビュッシー アルト・サクソフォーンと管弦楽のための狂詩曲
2 イベール アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲
3 ヴィラ=ロボス ソプラノ・サクソフォーンと室内管弦楽のための幻想曲
4 グラズノフ アルト・サクソフォーンと弦楽のための協奏曲変ホ長調
5 ベネット アルト・サクソフォーンと弦楽のための協奏曲
6 ヒース ソプラノ・サクソフォーンと管弦楽のための「アウト・オブ・ザ・クール」

クラシックにおいて、サクソフォーン(サクソフォン、サックス)の協奏曲って珍しい。
わりと新しい楽器で、19世紀、1840年頃にサックスさんって方が造った楽器だから、サックスと呼ばれているとのこと。
ジャズの世界だと必須の楽器だと思うんだけど。クラシックに入っているのって、わりと珍しい。
なにせ、モーツァルトやベートーヴェン時代には無かった楽器だしね。
確かに、ラヴェルのボレロとか、コダーイのハーリ・ヤーノシュとか、管弦楽なんかに入っているし、スパイスのように音色が効いている。でも、あまりその存在を際立たせた楽曲を知らなかった。
で、なにげに買ったCDなのだけど、繰り返して聴いているうちに面白くなって〜 癖になりそうなほど、お気に入りになっている。

で、ドビュッシーが、サックスの協奏曲を作っていたのも知らなかったけれど、協奏曲というよりは、管弦楽作品のようだ。
タイトルもラプソディー(狂詩曲)となっている。 ハール盤だと、約10分ぐらいの小品である。

で、雰囲気的には、ドビュッシーの代表作「海」に似た感じで、色彩的には夕暮れ時、セクシーでもあるが、暖かき茫洋とした空気に包まれた感覚だ。
「れら〜ら〜 み〜 どれそみ〜 ふぁどれ ふぁ〜ど〜 れ〜ら ら〜」 
冒頭、ホルンの音色に絡むようにサックスが出てくる。
「しどれみ〜 ふぁふぁみ〜 ふぁふぁみ〜 そふぁしみ〜れ どれふぁ〜らしら〜」半音で転がりながらも、メチャなだらかな不可思議な音が出てくる。弦のフレーズなんか、ホント、海に似ている。
オーボエやフルートが、リズムを刻むところに、「らし〜ふぁみ らしふぁ〜み」と、雰囲気作りをしてくれる。
なにせ、サックスなんて吹いたこともないし、どれぐらいの音の幅があるのかも、よくわからない。
クラリネットと同じだと思っていたんだけど、リート楽器だそうだ。(← へ〜っ驚いちゃった。リートあるの?)
フルートの音色も好きだし、色彩感覚も好きだが、この楽曲・・・ サックスより、私的には、なかほどのホルンの音色の方に、耳を奪われてしまう。
「そそそ〜ふぁ ららら〜し そそそ そ〜ふぁ みれみふぁ〜」
「み〜〜 れみふぁみ〜 れみふぁみ〜 しれみ しらそ しれみ しらそ〜」
「ふぁ〜 れみふぁみ〜」
このフレーズが大変印象的なのだが、どうも、このハール盤、ホルンと一緒にサックスを吹いているような気がするのだ。他の盤だと、ホルンだけのような気がするんだけどなあ。
一応、CDには、ジョン・ハールによる編曲版だと記載がある。

ハール盤は、茫洋としてて音が柔らかく、穏やかで、暖かみのある太い音色である。
オケのなかの1つの楽器として、埋もれそうになっているけれど、なんだか好感が持てる。サックスが目立ってないんだよねえ。刺激的に鳴らず、オケ全体が、まあ〜るい。メリハリが少ないとも言えるんだけど。
カシカシと拍の感覚を持たないところが、この楽曲には良いのかもしれない。変に盛り上げないし。
鳴り方は、「パパパ パパパっ」ではなく、「ぱららぁ〜ぱららぁ〜」的である。 気だるさがあるのが〜 むふふ。である。

マリナー盤というより、どことなく、フレーズの描き方はデュトワ盤っぽい。
で、サックスも「らしどれ〜 らしどみ〜れ」と、ちょっと強めに吹いているところもあるが、雄叫び風でもないし、メチャ柔らかい。 ちょっと柔らかすぎるかなあ。って思うほどに柔らかいんですけどね。
生暖かい風が海岸沿いに吹き寄せてくるかのような雰囲気があり、ちょっぴり、気怠いところが好きだ。
あっ スミマセンが素人なので、サックスのテクニックはワカリマセン。
須川展也 デビット・パリィ フィルハーモニア管弦楽団 1996年 
Nobuya Sugawa  David Parry
Philharmonia Orchestra of London

録音状態は良い。サックスがオケの前に出てきており、明瞭に響いている。雰囲気に流されない丁寧な演奏だと思う。
カップリングは下記のとおり。

サイバーバード 須川展也サクソフォン協奏曲

1〜3  吉松隆 サイバーバード協奏曲
4    グラズノフ サクソフォン協奏曲
5    ドビュッシー ラプソディ ヴィラ=ロボス ソプラノ・サクソフォーンと室内管弦楽のための幻想曲
6〜8 イベール アルトサクソフォンと11の楽器のための室内小協奏曲

須川さんの盤は、録音状態が極めて良く、協奏曲という感じでサックスがオケの前に出て、ヌケが良く、奥行きを感じて、ゆったり聞こえてくる。
このドビュッシーの楽曲は、オーケストレーションはドビュッシーの死後、ロジェ・デュカスが行っていると、当該CDのブックレットに書かれてあった。で、この演奏は須川さんの編曲したものらしい。
ふ〜む。オケは、どうやら未完だったような感じ。
「どれそ〜み どれふぁら〜ふぁ〜」 この須川さんの盤は、ヌケが良く透明度が高いし、オケとサックスの位置関係も頃合いで、すーっとしたイメージとして浮遊してくる。
暖かい音色だが、理知的で都会的、スマートだ。分厚い太い響きで圧倒するタイプではないらしい。
代表作の「海」のような「た〜らら ら〜らぁ」というフレーズが、スマートな音色だけど、暖かい一定の弾力性を持った響きで、すーっと鳴っている。
「み〜どど〜みみ〜 み〜どど〜みそ〜 ふぁみ」
「み〜れら〜し み〜れら〜し み〜れふぁみ〜れ」
オケが巧いし、しっかりと色彩を持ってサポートしてくる。で、オケの1つのパートというのではなく、しっかり協奏曲風に、主張が成り立っている。

マリナー盤だと、どうもサックスが埋もれた感じだったんだけど。これは、しっかり分離されている。
木管の響きも奥から響いているし、とても立体的だ。音色も柔らかいけれど、しっかり糸のように芯があるし、ホルンの響きも、まろやか〜 サックスと絡んで、なかなか、エキゾチックな響きになっている。
タンバリンの鈴も聞こえてくるし、とろり感もあるけれど、エキゾチックさ、アヤシイ雰囲気が籠もってくる。
う〜ん。官能的でさえあって、音の幅が豊かで、しっかりした安定した響きの癖に、ゆれを感じさせる。
オケの弦のフレーズとサックスの響きが、妖しいのだ。
でも、フレーズのとらまえ方は知的なんだよねえ。
もう少し崩しても良いかしらん。とは感じちゃうのだが、ジャズでもないしなあ。ドビュッシーだからなあ。
色彩感が豊かだから嬉しいけど、どう楽曲をとらまえるかで、違うよねえ。

で、オケの低弦の響きが、きっちり、くっきり響き、「らどれ らそみ らどれ らそみ」
「らしど みっれ〜」 タタタ タタタ・・・と、刻むのではなく音を置くような、弾み方で、どろどろせずに、明瞭な線とリズムを描いている。
明瞭な響きが知的な雰囲気を出しているし、オケのパーカッションと金管に、力強さと鮮やかな色彩があり、サックスの背後から浮かび上がってくる。この点、協奏曲風で、この楽曲わずか10分程度だけど、器が大きいなあ〜って感じる。空間が広がってくるんだもん。バッチリ。グーである。
ジョン・ハール盤だと、サックスがオケに埋没して、とろり〜とした感覚があり、茫洋というか曖昧模糊としていたのだが、須川盤は、クリアーに響いていて知性的で、またオケが巧いっ。
こりゃ〜良いね。崩した雰囲気とかシャイな雰囲気は無いんだけど、しっかり構築された、巧い演奏って感じがする。
単なる雰囲気だけに呑み込まれない。しっかり、丁寧に構成された、知的な雰囲気がする。

セオドア・ケルケゾス マーティン・ブラビンズ フィルハーモニア管弦楽団 2002年
Theodore Kerkezos  Martyn Brabbins
Philharmonia Orchestra



録音状態は良い。ゆったりとしたフレージングで、オケも色彩的だし、開放感にあふれてて楽しい。
カップリングは下記のとおり。
このCDは、Music for Saxophone and Orchestra とタイトルされたものでナクソス盤である。
カップリングは、次のとおり。

1 ドビュッシー アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲(オリジナル版)
2〜4 ミヨー アルト・サクソフォンと管弦楽のための組曲「スカラムーシュ」
5〜7 イベール 室内小協奏曲
8〜10 ヴィラ=ロボス ソプラノ・サクソフォン、3本のホルンと弦楽のためのファンタジア
11 グラズノフ アルト・サクソフォン協奏曲
12〜14 エカテリーニ・カラメッシーニ サクソフォン協奏曲「デュオニュソスの歌」

カメラッシーニさんの曲は、世界初の録音だそうである。
サックスを吹いているのは、ギリシャ生まれのセオドア・ケルケゾスさんである。結構、サックスの音が甘くて美しく、また、コロコロと吹かれるのが楽しい楽器でお気に入りである。
で、ついつい〜 サックスを使った演奏が聴きたくて買ったCDである。もちろん、ナクソス盤なので、NAXOSでも聴けるので
お手軽に耳にすることができるのではないだろうか。

また、このドビュッシーの作品は、「れらぁ〜 みぃ〜 どれそ みぃらぁ〜 どれら ふぁ〜っ」と、とても不思議なヨナ抜き風の旋律から始まる。
「れら らぁ〜っ」と、甘い弦で弾かれ、「そふぁし みれ そふぁし みれ らどみふぁそそふぁ みぃ〜」っと、鼻にかかった濁音の声で、ふわふわっとサックスに吹かれると、一気に別世界に飛んでいってしまう。
あまくて、こじゃれたカフェバーみたいなところで、煙いな〜と思いつつも、耳元で囁くような声で歌われると、誰だって、ころっとなってしまいそうだ。

かといって、とっても健康的で、地中海のリゾート地のようなところで、シャンシャンとタンバリンの鈴のような小さな打楽器が入ってくるし、クラリネットが、ころころ〜
で、海の上のクルーザーで、お昼寝しているかのような、揺れたリズムもあるし〜 
「れらぁ〜 らぁ〜 れらぁ〜 らぁ〜」と繰り返されると、とろり、とろり〜 うとうとしてしまいそうな、ダフニスとクロエのような旋律だし、なんとも言えない白昼夢的な楽曲である。
このナクソス盤に収録されているのは、原典版とのことだが、ど素人のワタシには、どこが、どうなっているのか解りませんが、「らどれ らそみ らどれ らそみ」「らしど みっれ〜」 たたたたぁ〜 たたたたぁ〜 と、とても柔らかいフレージングで、明るい日射しと、曇り空の中庸的な空を見上げて、バカンスのような気分でした。
音質も明るく、木管的でもあり金管的でもあり、その良さを両方感じるみたいな楽器で〜 とても素敵っ。
ミヨーのスカラムーシュも、とっても楽しい演奏で、アハハ〜ご機嫌だっ。気分転換にもってこいの楽曲です。

このセオドア・ケルケゾスさんの演奏したサックスは、ユーリ・シモノフ指揮のロンドン交響楽団とのCDも発売されている。
カップリングをみて、購入などをご検討いただければ良いのではないだろうか。

ちなみに、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、サックス(サクソフォン)の協奏曲は、次のとおりリスト化されていた。
いや〜 たくさんあるんですね。この他にも日本人作曲家もたくさん曲を書いているし、まだまだ、CDを購入するなどして聴きたいと思います。開拓していく余地があって〜 こりゃ、嬉しい悲鳴でございます。

ドビュッシー
イベール
グラズノフ
ボザ
クレストン
トマジ
ダール
シェッフェル
カプースチン
フローラン・シュミット
ルイス・デ・パブロ

アルト・サクソフォーンと管弦楽のための狂詩曲
アルト・サクソフォーンと室内管弦楽のための小協奏曲
アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲
アルト・サクソフォーン小協奏曲
アルト・サクソフォーンと吹奏楽のための協奏曲
サクソフォーン協奏曲
アルト・サクソフォーンと吹奏楽のための協奏曲
サクソフォーンとオーケストラのための協奏曲
アルト・サクソフォンと管弦楽のための協奏曲 作品50
アルト・サクソフォーンとピアノ(管弦楽)のための「伝説」
コントラバス・サクソフォーンとオーケストラのための「色彩」


1973年 ロンデクス マルティノン フランス国立放送管弦楽団 EMI ★★★★
1990年 ジョン・ハール マリナー アカデミー室内管弦楽団 EMI ★★★★
1991年 マクリスタル トルトゥリエ アルスター管弦楽団 Chandos  
1994年 ジャン・イヴ・フルモー クリヴィヌ 国立リヨン管弦楽団 Denon  
1996年 須川展也 パリィ フィルハーモニア管弦楽団 EMI ★★★★★
2002年 ケルケゾス  ブラビンズ フィルハーモニア管弦楽団 NAXOS ★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved