「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

デュカス 舞踏詩「ラ・ペリ」
Dukas:
La peri


  アルミン・ジョルダン フランス放送フィルハーモニー管弦楽団 1984年
Armin Jordan  Radio France Nouvel Orchestre Philharmonique



録音状態は良い。ファンファーレは華麗に、本題部分は、穏やかに神秘的に演奏されている。
カカップリング:
1    デュカス 魔法使いの弟子
2〜3 デュカス 舞踏詩「ラ・ペリ」
4〜6 デュカス 交響曲 ハ長調  オケは、スイス・ロマンド管弦楽団
舞踏詩「ラ・ペリ」は、ディアギレフが主催するロシア・バレエ団と浅からぬ縁がある。
ディアギレフといえば、そう〜 ストラヴィンスキーの火の鳥、ペトルーシュカ、春の祭典、プルチネルラ、ラヴェルのダフニスとクロエなど、20世紀初頭のバレエ音楽の誕生には欠かせない人物である。
この方がいなかったら、多くの作曲家は世に出てなかっただろうし、今、ワタシたちも恩恵にはあずかっていないと思う。
で、このデュカスの「ラ・ペリ」も、このロシア・バレエ団からの委嘱であるが、ニジンスキーの相手役で、トラブルが発生して、キャンセルされてしまったそうである。

ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら・・・
デュカスは、バレエ「ラ・ペリ」のために、ダンス音楽を作曲するようにロシア・バレエ団から依嘱され、1911年に1幕の舞踊詩の作曲に着手する。
蓮の花の精ペリは、トゥルハノヴァ、イスカンデル王は、ニジンスキーが演じることが決まっていたが、セルゲイ・ディアギレフが介入し、トゥルハノヴァは、ニジンスキーの相手役が務まるほどの力量ではないと言い出して、公演をキャンセルしてしまう。それでもデュカスは、トゥルハノヴァのためにこのバレエ音楽を完成させた。
デュカスが生前に出版した最後の作品であり、また最後の管弦楽曲である。・・・
で、1912年には初演を行っている。

舞台は、ペルシャなのだ。
妖精ペリが持っているという、不老不死の薬草を探しにペルシャを放浪するというものなのだ。
これも、ウィキペディア(Wikipedia)によると・・・
イスカンデル王は青春の終わりの時期に、マグにより運勢が衰えているとの宣託を受け、不老不死の花である蓮を捜しに、ペルシャ全土を流離っている。
3年間の探索と放浪の末に、この上なく静穏な土地である、「世界の最果て」へと辿り付く。
アフラ・マズダーの神殿を見つけて中に歩みだすと、妖精ペリがそこにいた。
片手に輝く星を載せ、もう一方の手でリュートを掴みつつ、「不老不死の花」ことエメラルドで飾られた蓮の花を運んでいるのがペリである。

やがてペリが眠りに就くと、イスカンデルはペリを起こさぬように、物音を立てないように注意深く「不老不死の花」を盗み出す。たちまち蓮の花はイスカンデルの両手の中で目映い閃光を発すると、ペリは目を覚まし、両手を打ち合わせて声を上げてわっと泣き出す。
蓮の花がないとペリは、光明のアフラ・マズダーの御前から退けられてしまうからである。
イスカンデルはこの事態を察するや否や、今やペリより優位に立ったかに思われて欣喜雀躍する。しかし、アフラ・マズダーによって蓮の花は、イスカンデルの手にある間、イスカンデルの世俗的な欲望や物欲を象徴するものへと姿を変えられる。これは、蓮の花は、ペリのものであって、イスカンデルのものではないことを示す証しなのであった。
そこで、ペリは舞い始め、段々とイスカンデルに近付いて行って、ついに蓮の花をイスカンデルの手からもぎ取ると、楽土に舞い戻ってその光の中に消えていく。
独り残されたイスカンデルは、静けさのうちに立ち往生し、自分がこのまま往生するさだめにあることを悟るのであった。・・・
という物語である。

はあ、なんと、ダフニスとクロエは、確かギリシャ神話だったが、次は、ペルシャに舞台が移るってわけだ。
ハスの花が、不老不死のシンボルだとは・・・これいかに。
日本では、非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)ってことで、橘がこれにあたるとされている。日本書紀には、垂仁天皇が、田道間守を常世の国に遣わして探させて、持ち帰らせたということになっているのだが、ここでは、ハスなのだ。
う〜ん。このドラマは、何を元にしているのか、わからないが、へえ〜 蓮の花が不老不死っていう説があるのだろうか。

それに、この作品には、ファンファーレがついている。
額縁と言われる、劇の始まる前のファンファーレだが、トランペット、トロンボーン、ホルンなどで奏でられて格好が良い。
このファンファーレだけで(ジョルダン盤で、2分10秒というクレジットとなっている。)単独で演奏されることもあるそうだ。とても、華やかで色彩的なファンファーレで、そこから、本題となるが、わずか20分程度である。
20分では、とても、不老不死の薬は探し出せないと思うのだが・・・ まあ、ともかく、一幅の絵を見ているかのような、オリエンタルの香りがある。穏やかで、暖かみがあり、神秘的で、ちょっぴり艶っぽさがある。
ハープやチェレスタも使われており、ダフニスとクロエに似た雰囲気があり、そこに、シェラザードの香りを、ポトリと落としたような楽曲だ。
なので、先程聴いた華麗なファンファーレとは、ちょっと・・・ いや、全く、そぐわない気がするのだが、どうだろう。
ちなみに、レオン・サモイロヴィチ・バクストさんのデザインによる妖精ペリといういイラスト画がある。
(Leon Samoilovitch Bakst)
口にくわえているのは蓮かな? この妖精ペリのパンツの模様・・・ このバクストさんは、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」の牧神のデザインを担当していた。バクストのデザインによる牧神は、ニジンスキーの衣装デザインで、牛を連想させる斑模様の肌着に、金色の鬘とサンダルという姿である。
さて、どうでしょう。みなさん、連想ゲームのように、イメージが繋がったでしょうか。

1984年 ジョルダン フランス放送フィル ★★★★
所有盤を整理中です。

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