「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」
Dukas: L'Apprenti Sorcier  (The Sorcerer's Apprentice)


ポール・デュカス(デュカ)は、1865年生まれのフランス人の作曲家です。(デュカスともデュカとも表記される)
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
彼の代表作である交響的スケルツォ「魔法使いの弟子」は、1897年に作曲されています。
デュカスは、完璧主義者だったためか、自らが佳作と認めない作品は破棄してしまったため、わずか13曲しか作品を遺していません。
この曲は、ゲーテが、サモサタのルキアノスの詩「嘘を好む人たち」(Philopseudes)に基づいて書いたバラード「魔法使いの弟子」の仏語訳を原典にしているそうです。(ルキアノスは、120or125年生まれのシリア人の執筆家、弁論家です)

ストーリーは、老いた魔法使いが、若い見習いに雑用を言い残し、自分の工房を旅立つところから物語が始まります。見習いは、命じられた水汲みの仕事に飽き飽きして、箒に魔法をかけて、自分の仕事の身代わりをさせるのですが、まだ完全には魔法の訓練を受けていませんでした。そのため、やがて床一面は水浸しとなってしまい、見習いは魔法を止める呪文が分からないので、自分に箒を止める力がないことを思い知らされます。
絶望のあまりに、見習いは、鉈で箒を2つに割りますが、さらに、それぞれの部分が水汲みを続け、かえって速く水で溢れ返ってしまいます。もはや、洪水のような勢いに手のつけようが無くなったかに見えた瞬間、老師が戻ってきて、たちまち、まじないをかけて急場を救い、弟子を叱り付けるというものです。
1940年、ディズニーのアニメ映画「ファンタジア」に使用されて、ミッキーマウスが「魔法使いの弟子」役を「演技」したことにより、いっそう有名になりました。

「スケルツォ」と題されてはいますが、伝統的な三部形式やロンド形式によってはおらず、非常に自由なソナタ形式(もしくはロンド・ソナタ形式)を下敷きとしており、緩やかな序奏に続いて、デュカスが好んだ9拍子による主部が続きます。
演奏時間は約10分程度の楽曲ですが、とっても楽しい楽曲です。

ミュンシュ ボストン交響楽団 1957年
Charles Munch  Boston Symphony Orchestra

録音状態は、57年とは思えないほど良い。ステレオ盤である。
シャキシャキした引き締まった演奏。
カップリング:フランク交響曲、交響詩「呪われた狩人」、イベール交響組曲「寄港地」

1957年と録音が古いので、心配したのだが・・・ うっそ〜っ。信じられないほどに透明度がある。
冒頭からのテンポが小気味よく展開しており、弦と木管の響きも美しい。
木管とミュート付きのトランペットが、弟子のテーマ「た〜ら ららら ら〜」を奏でるのだが、そこのテンポの速いこと。ホント楽しげで、ワクワクしそうな雰囲気が漂ってくる。
特に、トランペットの「たたーら たたーら たたーら」が、ホント、引き締まっている。
このミュート付きのトランペットが、短めに吹かれて、テンポが良いんだなあ。
ミンシュ盤は。活き活きと活気があって、ティンパニーのひと叩きも、よいタイミングだ。
てれ〜っとしておらず、締まった感じで緊張感が漂う。こりゃ良いわ。この冒頭だけで、なかなか〜 よさげ。という感じ。
で、かなりの間合いをおいて、箒のファゴットが動き始める。
「そっれ そっれ そっれ・・・ そっれ〜 れみふぁ そっれ そっれ・・・」
ファゴットは重いわけで、ことさら強調しているわけでもない。弱音なので耳を澄ませてしまう。
ファゴットよりも、やっぱトランペットが主体だ。

この弱音の雰囲気と、弦の不安な雰囲気を醸し出しているし、段々と鉄琴の音色が際立ってきて、パーカッション群があわさってきて、すごく煌めいている。
古い録音のわりに、これがまた〜とても輝いていて驚かされる。
テンポはゆったりなのだが、フレーズが短めで拍子の感覚が良い。常に、ンジャ ンジャ ンジャ・・・という底辺で鳴っているような気がする。
このテンポを繰り返しているなかで、徐々にテンポをあげていく。
で、気がつくと、いつの間にか熱くなっているのだ。でも、丁寧なんだよねえ。このテンポの刻み方。
重くもなく、軽くもなく〜 う〜ん。で、いつの間にチェンジが切り替わっているのか、わからないほどスムーズで、乗せられてしまう。
音符がさがってくると同時に、テンポをあげてみたり。「ふぁふぁ〜れ ふぁふぁ〜れ」と、金管がフレーズを重ねているところは、テンポを速めに処理したり。場面展開がスピーディだ。
金管をのばして吹かせてみたり、短めに吹かせたり。これは役者だ。洪水状態の描写も、大太鼓による迫力もあるし。パーカッションも軽めだが力があるし、ティンパニーも大きくせず音量は抑えめなのだが、パンっ。と締まっているし。
トランペットが、とても短く、パパパ・・・と歯切れが良いのが特徴的。このトランペットにやられた〜っ。
決して派手でもないし、主張も強くないし、熱すぎて〜っという演奏でもないのだが、ホント締まって聞こえる。音の色彩の豊かさといい、微妙なニュアンス、ストーリー展開の速さに脱帽だ。
初期のステレオ盤で、確かに古さは感じるのだが、想像以上に録音状態は良い。「魔法使いの弟子」が好きな方は、この歯切れの良さに、きっと驚かされると思います。

レーグナー ベルリン放送交響楽団 1977年
Heinz Rögner  Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)

録音状態は良い。奥行きがあり柔らかな余韻がある。雰囲気がよく出た演奏だ。カップリング:ミヨー バレエ音楽「世界の創造」、エネスコ「ルーマニア狂詩曲第1番」、サン=サーンス「死の舞踏」、ファリャ「火祭りの踊り」
冒頭から、雰囲気たっぷりの演奏で、小気味が良い。
木管の「それ〜みふぁそら〜」という冒頭と、クラリネットの響きが、何か始まるっという雰囲気づくりをしていて、それがバッチリ効果が出ている。
ミュート付きのトランペットが、小気味よく〜 尻上がりの音が、ぴゅーっと吹かれているし、弟子のテーマ「た〜ら ららら ら〜」を奏でくるところで、 思わせぶりに、ちょっと間合いをあけて出てくるし。
もうワクワク状態になってしまう。
これは、ミュート付きのトランペットが、とても巧いし、間合いをおいて、箒のファゴットが動き始めるところの描写が、ものすごくリアルだ。
「そっれ そっれ そっれ・・・ そっれ〜 れみふぁ そっれ そっれ・・・」
んご〜 んご〜と鳴っている低弦が、また揺りかごのように響いている。この箒の動きが、鈍重なのか、臆病なのか、なかなか動かないところが、めちゃ面白い。
で、ストーリーが進むにつれて、段々と鉄琴の音色が際立ってきて、パーカッション群が合体し、すごく煌めいてくるのだ。鉄琴の響きに余韻があり、これがまた美しい。 水しぶきが飛んでる〜っ。って感じ。
いったんテンポを、ぐっと落として、箒の動き始めた雰囲気を作り、水が運ばれ、水滴が、こぼれているかのようなパーカッションの響きが、キラキラしている。
デュカスの「魔法使いの弟子」 これは子供向きじゃーない、メチャ大人向きの楽曲である。子供なんぞ、モッタイナイっ。大人がワクワクする楽曲だ。そう思う。それに、いろんな楽器が使われているんだな〜というのが、レーグナー盤で 、よくわかる。
ホント巧いっ。小気味よくテンポが刻まれているし、いや〜 これは良いっ。

シンバルのパンっという響きが短めで、んじゃ〜んじゃ〜という拍子の刻みと、弦の流れるフレーズが交差しているのだが、綺麗に整理されていて、音響の広がりを感じることができる。
また、ティンパニーの響きといい。まろやかに奥から響く、トロンボーンのやばそうな雰囲気づくり。
「ふぁふぁ〜れ ふぁふぁ〜れ」と、フレーズを重ねているのだが、ゆったり、まろやかに吹かせている。
ファゴットの箒フレーズは、ゆったり〜しており、重々しくもなく軽くもなく、テンポを変えることで、状態の変化を出しており、描写のきめが細かい。
水が段々とあふれてくる様子は、厳かに、ゆったりと〜大太鼓と低弦の響きが豊かである。
で、焦った感じは、テンポをあげて切迫感を出すのではなく、底からの湧き起こるパワーで雰囲気を出している。
ティンパニーの硬めの響きと、トロンボーンの吹き方で、あらら〜やべっ。という雰囲気が出てくるのだが、いつの間にか先生が帰ってきている。
盛り上げ方は、ミュンシュ盤のように、ぐぐ〜っとあげていかないし、あまり高くならないのだが、自然な感じの癖して、良いんだよねえ。パンっ。と先生が呪文を唱えたところで、場面が変わるのだが、この静まりかえった、水が収まったらしい雰囲気が、また面白い。弟子の失敗した、まず〜い雰囲気も出ている。
オチャラケ風の演奏ではない、とてもマジメな演奏なのだが、でも雰囲気バッチリなんだよね。

デュトワ盤のようには色彩豊かではないし、プレヴィン盤のように重厚でもないし、かといって軽量でもない。余韻の残る教会での録音だと思う。その残響ある場所で、これだけ煌めきを響かせ、音色と切れの良さを保ち、フレーズが交錯しても音が濁らず、かなり見通しが良い。う〜ん。凄いよ。
レーグナー盤を聴いていると、まるで自分の耳が良くなったような気がするから、とても不思議。
レーグナーは、ミュンシュのように押し出しは強くないが、アクが少なく、さらり〜っと、なにげに聴かせて、雰囲気たっぷりの演奏で、十二分に満足させてくれる。
通俗的にならず、品もあって、クラシックしている〜という感じの演奏だし、ワタシ的には好きだ。

アルミン・ジョルダン フランス放送フィルハーモニー管弦楽団 1984年
Armin Jordan Radio France Nouvel Orchestre Philharmonique



録音状態はまずまず。他盤に比べると地味に思える。彩度は高くないが、柔らかく響き、丁寧に演奏されている。じっくり聴きたい。
カップリング:
1    デュカス 魔法使いの弟子
2〜3 デュカス 舞踏詩「ラ・ペリ」
4〜6 デュカス 交響曲 ハ長調  オケは、スイス・ロマンド管弦楽団
冒頭、フルートと弦が、そろ〜っと出てくるのだが、この音が、気持ちよく出てくる。弦の繊細な音が鳴っており、木管の優しいフレーズが良く聞き取れる。

「らっ そ そらそ らっ そそふぁ・・・」と弾けるような音の広がりは、一応あるのだが、ホールトーンが充分でないのか、録音レベルが低いためか、ちょっとモッタイナイ録音である。
きっと、オンマイクじゃないんだと思う。とにかく、この1曲目の魔法使いの弟子は、ボリュームをあげて聴かないとダメな状態で、2曲目のラ・ペリは、豊かなホールトーンが入ってて、煌めいきたっぷり〜 開放的な金管が鳴るので、あわててボリュームをさげることになる。

でも、序奏部分で、結構楽しめちゃう盤である。
派手な音響のつくりではないが、耳を傾けるたくなる魅力的な演奏で、つい引きこまれてしまう。 「たっら ららら らっら〜」という有名なフレーズに行くまでの描き方が、とっても丁寧。
オケに奥行きを感じさせる録音だし、好感を持てる良い盤である。 テンポが、他盤に比べて、ゆったりしているので、外向的ではないし派手さにも欠けているんだけど、ドンっというティンパニーの入ってくる低音は重めで、聴き応えがある。

箒のファゴットが、「そっし そっし そっし・・・」は、さりげない。
ブッフォ ブッフォ的には響いてこないんだけどなあ。ちょっと軽いかなあ〜。
あっ フランスのオケなので、バソンだったら面白いのだが、ファゴットかバソンか、と言われても、ちょっとわからない。
とにかく弦の響きが繊細で、色彩感があり、爽やかで柔らかい。
それに、金管のフレーズと弦のフレーズが、綾なす面白さが堪能できる。パーカションの色彩感も軽めなのだが、分離して聞き取れるし、大太鼓の迫力もあって、なかなか良いです。
ただ〜 悲しいことにテンポが、総じて遅めなため、切迫感が感じられない。 魔法使いの弟子と言えば、「んチャ んチャ んチャ・・・」と、刻まれる箒が、やっぱり目立って慌てていただき、水を掻き出すという動きを出していただかないと〜
モノ足らないかな。

拍の取り方が明瞭な演奏、アクセント強めという演奏ではないので、キレがイマイチと感じる方もいるかもしれない。
しかし、ドイツ臭い演奏が、好きかどうかなんですけどね。
このジョルダンさんの盤は、ドイツ臭くないが、彩度は普通。 彩度は高くないんですけど、色合いは豊かです。
デュトワ盤のような、流れるように、華麗で、キラキラしていないと、目立たないと、面白くないかもしれな。

おとなしめの演奏、おとなしい録音なので、目立たないけど。
また、さほど、コミカルな演出ではないのだが、じっくり聴くには、オケの響きは良いし、丁寧に描かれていて聞きやすい。
大袈裟で派手に鳴らすミュンシュ盤や、カラフルすぎるほどカラフルで、水しぶきがかかってきそうなデュトワ盤と比べると、ストーリー性に欠けてて、面白いとは言えないけれど ・・・ (いくら言葉の限りを尽くしても、競争相手には勝てない 泣)
他盤を聴いて、イメージが出来ちゃった後は、じっくり演奏を聴きたい、オケの柔らかい響きを堪能したなあ〜という時には、取り出して欲しいCDである。

デュトワ モントリオール交響楽団 1987年
Charles Dutoit   Orchestre Symphonique de Montreal
(Montreal Symphony Orchestra)

録音状態は極めて良い。理屈抜きでメチャ楽しい。煌めき感たっぷりで、水があふれかえっているというより、色彩感に呑み込まれそうだ。カップリング:下記のとおり。
魔法使いの弟子 デュトワ フレンチ・コンサート

1 シャブリエ「楽しい行進曲」
2 デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」
3 シャブリエ 狂詩曲「スペイン」
4 サティ 2つのジムノペディ1番、2番
5 サン=サーンス バッカナール
6 ビゼー 小組曲「子供の遊び」
7 トーマ 歌劇「レーモン」序曲
8 イベール 喜遊曲6曲

冒頭は、とても静か〜に、「ファファファ・・・ミミミミ・・・レレレレ・・・」 冒頭のテンポは遅め。
先生がお留守なので、どうやら弟子は家で、じっとしているらしいのだが・・・。
どうやら出来心が沸いてきたらしい。「そーれー みふぁそ〜れーみふぁそー」
速いテンポでミュート付きのトランペットが、弟子のテーマ「た〜ら ららら ら〜」を奏でる。
ちょっと軽めすぎるかな〜と思うほどだが、いたづら心が、軽快に奏でられる。
音色が爽やかな感じがして、すーっと入ってくる。
「れれーっし れれっーし」 ん? 呪文を唱えているらしい。
ティンパニーが鳴ったあと、シーン。ん。びくともしない。
呪文が効いたとは思えなかったのだが、そのうち、箒であるファゴットが、「そっれ そっれ そっれ・・・
そっれ〜 れみふぁ そっれ そっれ・・・」と動き出す。

ファゴットである箒が、すぐには、動かないところが面白い。
なかなか動かないで、呪文を繰り返しているのだろうか。この間合いがよく、なかなか演技者だ。
その後、箒に命令をして、バケツに水を汲んで、運んでこい。と、呪文が効いたことを、楽しんでいる無邪気な雰囲気がよく出ている。いたづら心満載で、チャメッケがたっぷり。
デュトワ盤は、ここで表される効果音が、とてもカラフルだ。
「らっそ そふぁそ らっそ そふぁふぁみみ・・・」
水を汲んでいる作業中なんだろう。
テンポよく、「チャッカ チャッカ・・・」と、リズムを刻む弦やフルートが軽快で、まるで、箒とは思えない。
で、そして、鉄琴やトライアングルが鳴り出すと、更に水の量がアップして、溢れかえっている感じしてくるのだ。
このトライアングル等のパーカッション群が、カラフルで。すご〜く雰囲気がよく出ている。
箒のテーマが金管に変わって、一生懸命箒が仕事をしている様子が描かれているが、そのうちに、水があふれかえってきたらしい。あわてて〜 止めさせる呪文は、なんだっけ〜っ。
「みみーっど みみーっど ふぁふぁーれっ そそーっれ」
悲痛な声に変わっている。

バンバン・・・ あれまっ あんた〜無茶や。箒を斧で、ぶった切ったの?
で、しばらく間が開いて、コントラファゴットが呻く。すごい低音で呻いていたあと、どうやらファゴットの箒が、分裂して、本数が増えたらしい。
で、忠実な箒は、汲みの仕事を続けていく。
ますます、水があふれてきている様子が、弦のうねりと金管のひ〜っという音で、大洪水が描かれ、
つには、シンバルが、バシャーン! あれま。凄い効果音だ。
この描写は、よくわかります。(笑)
ティンパニーが叩かれたあと、唸るように「そそ〜 み そそ〜み そそ〜み そそっ・・・」
呪文ですなあ。バンっ!
最後、先生の呪文で、どうやら洪水は収拾できたらしい。
改悛の弟子が、しょんぼり〜 反省しているらしき姿。で、「れみふぁ そっ!」とオチがつく。

デュトワ盤は、ストーリーがわからなくても、なかなかに楽しめる楽曲になっている。
音色がカラフルであること。軽快で爽快であること。オチャメ感があること。間合いが良いこと。
水があふれかえっている様が、よく描かれていることなど、とても描写力が高い。
それに、高音域の煌めきがダントツで、音色が明るいことが特徴だと思う。
ただ、少し重心が高めであることと、流れはよいのだが流れすぎ(水が登場するのだから流れが良くていいんだが・・・笑)、横線主体で、芯の硬さやメリハリさという点では、好みが分かれるかもしれない。

プレヴィン ロサンジェルス・フィル 1989年
Andre Previn   Los Angeles philhamonic orchestra

録音状態は、まずまず。重心やや低めで安定感あり。ちょっと硬めかなあ。
カップリング:
ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、ラヴェル バレエ音楽「ダフニスとクロエ第2組曲」、イベール 交響組曲「寄港地」

冒頭はスムーズで、テンポよく出てくる。
先生がお留守なので、まったりした気分でもあるのだが、ふと。「ファファファ・・・ミミミミ・・・レレレレ・・・」
「みふぁそ〜ら〜」 木管のしっとりした音が印象に残る。
木管の剽軽さ。合いの手のコミカルさが、とても面白い。
この木管に続いて、ミュート付きのトランペットが、弟子のテーマ「た〜ら ららら ら〜」を奏でる。
ここの木管、いいねえ。いたづら心と、オチャメさが、この木管で随分と楽しげに聞こえる。
箒であるファゴットが、「そっれ そっれ そっれ・・・そっれ〜 れみふぁ そっれ そっれ・・・」と動き出す。
弦の合いの手と共に、ファゴットが、モソモソと動いている気配を描き、トランペットが、
もう少しファゴットがよく聞こえたら、良いんだが。ちょっと遠いかな。
鉄琴が、キラキラしているが、全体的には、テンポをいったん遅くとっている。

パーカッションの華麗な響きが良く聞こえるのだが、しかし、縦糸主体で、しっかりテンポを維持して、硬いぐらいだ。いかにも、しっかり演奏しています。という感じがする。
「らっそ そふぁそ らっそ そふぁふぁみみ・・・」というファゴットと、弦のせわしくなってくるフレーズと、ティンパニーが絡んでくるところは、しっかりクラシックしてます。という感じ。
このテンポは、少し遅いかなあ。
大太鼓の音で、なんか、やばそう〜と感じるぐらいで、水が溢れかえっているのに、切迫感がイマイチだ。
で、弟子が思いあまって、箒を斧で、ぶつ切りにしたらしい場面もあるが、聞き逃してしまいそう。
プレヴィン盤では、大太鼓の音が、重要な効果音ではあるのだが、重心が重くなりすぎるかなあ。

コミカルさが段々と感じられず、困った心情や、焦っている雰囲気とか、魔法使いの先生が帰ってきて、洪水を鎮める呪文の場面など、描写力とか、場面の迫力としては、ちょっとモノ足らないかもしれない。
しかし、立派な演奏で、決してノー天気な屈託のない演奏ではない。
色彩力には、デュトワ盤には及ばないが、縦糸が揃っており、重心がやや低め。

1959年 ミュンシュ ボストン交響楽団 ★★★★
1977年 レーグナー ベルリン放送交響楽団 Berlin Classics ★★★★★
1984年 ジョルダン フランス放送フィル ★★★
1987年 デュトワ モントリオール交響楽団 Dec ★★★★★
1989年 プレヴィン ロサンジェルス・フィル Ph ★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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