「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ドヴォルザーク 弦楽セレナード
Dvorak: Serenade for Strings


ドヴォルザークの「弦楽セレナード」ホ長調(作品22)は、1875年、わずか10日余りで書きあげた作品だと言われています。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

第1楽章 ホ長調
8分音符のリズムを刻み続けるヴィオラに乗って、第2ヴァイオリンとチェロが、抒情的な主要主題を歌い出します。
第1ヴァイオリンが舞い上がるような対旋律を歌い出すなか、第2ヴァイオリンが、旋律主題を歌い継いでいきます。
ト長調へと転調すると付点リズムが特徴的な舞曲風の主題となり、ホ長調の主要主題に戻って主和音で終わります。

第2楽章
嬰ハ短調の揺れ動くような舞曲の旋律に始まり、最初の楽節が反復されると、ホ長調による第2の楽節が始まります。
第2主題の後半では、付点リズムの旋律が現れ、第1主題が再帰し、第1部の締め括りのカデンツァとなります。
第2部は、変ニ長調に転調し展開された後、第1部が再現されます。最後は、嬰ハ長調の和音で終ります。

第3楽章 ヘ長調 4/2拍子 スケルツォ
快活なスケルツォで、カノンの技法を用いたスケルツォ主題は、呈示され、すぐに展開し、全曲で最も単主題的な楽章で、トリオの結びにおいてもスケルツォ主題が再帰します。コーダにもスケルツォ主題が現れて締められます。

第4楽章 イ長調 
緩徐楽章で、流れるような旋律と、甘美なフレーズです。ところどころに、第2楽章の第3主題が反響しています。

第5楽章 4/2拍子 フィナーレ
主部は嬰ヘ短調で、後半ではホ長調に転調します。カノン風の下降音型の導入部に始まり、付点リズムの第1主題が続いた後、ヴィオラの8分音符にのって第2主題が現れます。16分音符のヴァイオリンとチェロが、カノン風に奏でられ、ロ長調の第3の主題を呈示します。いったん静まった後、導入主題と第1主題が再呈示されて、順次、第2主題、第3主題が再現されます。後に、第1楽章の主要主題が回想され、終わるかとおもったら、急速なコーダとなり、導入主題が再び現れ、ホ長調の主和音を3度奏でて終わります。

チャイコフスキーの弦楽セレナードと同様に、人気の高いセレナードです。その穏やかさ、まろやかさ、優しさ、暖かさ。
木質感たっぷりの弦楽合奏に、ほれぼれ〜しちゃうことでしょう。これぞ、おとなの楽曲です。

カラヤン ベルリン・フィル 1980年
Herbert von Karajan    Berlin Philharmonic Orchestra

ふむふむ。

録音状態は、ソフトフォーカスすぎるというか、ヴァイオリンの音色が、すこし浮いている感じがする。4楽章は、濃厚すぎて〜陶然としてしまった。
SHM-CDなどが発売されているので、ぜひ、良い録音でお聴きください。
カップリング:チャイコフスキー 弦楽セレナード、ドヴォルザーク 弦楽セレナード
1楽章
チャイコフスキーの弦楽セレナードは、「ど〜し〜ら〜 そらどそ〜そ〜ふぁみ〜みみらそ〜ふぁみれ〜」と、いかにも、出だしが堂々としているが、ドヴォルザークのこれは、ふわーっと、さら〜っと始まっていく。
なんとも上品で、さりげない。
しかし、カラヤン盤、録音状態が、イマイチ良くなく、ピントが合ってないというか、ソフトフォーカス過ぎるというか、 残響が多めのようである。
冒頭は、ヴィオラから始まるが、すでに甘いし、ふふっ、確かに美しいのだが、濃厚だ。
「らぁ〜そ ふぁそらぁ〜 そしらぁ〜 (ふぁ〜みれみ ふぁ〜みそふぁ〜)」と、結構、弱音で、そろっと演奏されてはいるのだが、やっぱり色気がたっぷりなのだ。
第1ヴァイオリンが、ワルツのように踊りだすところは、う〜ん。弦の音が、かさっとしているというか、ヒスったかのような感じで、せっかくの艶の良さ感じられない。どことなく、人工的な音という感じがする。
弦のピチカートが弱めで、立体的に響いてこないので、流麗ではあるが、潤いの薄いモノに感じられてしまい、残念だ。

2楽章
キュートな楽章なのだが、カラヤン盤で聴くと、まったく瑞々しいフレーズが〜 かすれたオバサンみたいで。う〜んっ(泣)
「らっ らしらそふぁみ れ〜ふぁ れ〜ふぁ ふぁ〜れ」
「らっ らしらそふぁみ れっれふぁれっれふぁれ〜 み〜ふぁ〜れ」
なんででしょう。これ。やっぱり録音が相当に悪いとしか言えないかも。弦の魅力的な音が・・・ 痩せているというか、潤いが少ないというか、お肌がカサカサに乾燥している感じがする。これじゃ、ダメだぁ〜 楽曲の良さが台無しです。
(ワタシの所有している盤が、古い西ドイツ製のCDだからかもしれませんが・・・。)

3楽章〜5楽章
3楽章は、楽しいスケルツォの楽章だが、 えっ まるで鶏が首を絞められたように、悲痛な感じがしちゃう。
弦の歯切れは良いのだが、低弦の響きが硬いので、しなやかには弾まないというか、低弦の音がカシカシしてて〜
う〜ん、歯がかみ合わない感じで、ちょっと〜 ヴァイオリンのフレーズは流麗だが、弦の密度が、まったりと絡んだようには響いてこない感じがする。意外と、まろやかさには欠けているようだ。

チャイコフスキーのセレナードは、妖艶なほどに厚みがあって豊かに感じられたのだが、ドヴォルザークは、どうだろう。
チェロの響きは良いかな〜と思ったのだが、ピチカートの響きやヴァイオリンの音質に、少し違和感を感じた。
旋律は、ゆったりとしており、終わりの和音は良いのだが、ドヴォルザークは、どちらかと言うと弦の構成が薄めで、さらっとしてて、ふわーっと風のように感じられるフレーズが多いので、弦の艶と、もっとしなやかな弾力性が欲しいかなという感じがする。
付点のリズムの面白さと、軽やかだけど、適度なノビ感があり、語尾に感じる若々しさや翳りが、もっと繊細であって〜 瑞々しさが欲しいかなあ。と思ってしまった。
4楽章は、さすがに典雅といっても良いほどに、すご〜く優美で、退廃的すぎるほど、カラヤンの妖しさを感じるフレージングで、のけぞってしまうが・・・。また、ここまでするのぉ?というほどの演出だが、確かに綺麗で、陶然としてくる。
しかし、なにせ、前楽章がねえ。
まっ ワタシの持っている盤が古くて、録音状態がイマイチだからだと思います。今は、SHM-CDが発売されているので、みなさんは、ぜひ、最新の録音でお聴きください。

ウォーレン・グリーン フィルハーモニア管弦楽団 1985年
Christopher Warren-Green    Philharmonia Orchestra of London



録音状態は、う〜ん。残響多めで、ちょっぴりお風呂場的で、甘い楽曲が、余計に甘く、ムード音楽的になってしまった感があります。88年のロンドン室内管弦楽団の演奏をお薦めします。
カップリング:ドヴォルザーク 弦楽セレナード、管楽セレナード
1楽章
「らぁ〜そ ふぁそらぁ〜そしらぁ〜 (ふぁ〜みれみ ふぁ〜みそふぁ〜)らそぉ〜ふぁそらぁ〜そしふぁ〜」
「らぁ〜そ ふぁそらふぁらそぉ〜 ふぁ〜みふぁそ みそふぁ〜」
冒頭のフレーズは、かなり弱音で奏でられており、低弦が入ってくると共に、段々とボリュームが出てくる。
ふわあーっとした空気感があり、少しピントが甘いので、まるでムード音楽になっているのが玉に瑕だ。
録音状態は良いのだが、風呂場のような感じがしちゃって、う〜ん。
ソフトフォーカスで、かなり柔らかいなあ。残響多めで、フレーズに張りが無く、柔らかすぎるので、好き嫌いが分かれてしまうかも。シャンドス盤なのだが、この盤は、ちょっと残響が多い。 個人的には、教会で録音されたや、残響の多いのは好きなのだが・・・ で、午睡時間に聴いてしまうと、あー これは寝ちゃいますね。

「らぁ〜そ ふぁそらそしらぁ らーそふぁそらふぁらそぉ〜ふぁみふぁそ〜」
やっぱ何度か聴いてみたが、やっぱり、ハーレクインロマンスの小説でも読みながら、夢うつつ〜世界のようで。
うぷぷっ。こりゃドヴォルザークの世界とは、ぶっとび〜 こりゃ困った。
足元が浮いて浮いて〜 クラシック音楽の範疇から飛び出ているかもしれないぐらいの演奏、録音なのだが、初めて聴く方には良いかも。ドヴォルザークの作品というより、ムード音楽として聴くにはお薦めである。
テンポは遅めで、抑揚は少なく、キリッとした歯切れの良い弦の響きではない。
C・デイヴィス盤は、擦れ気味の渋めの演奏だったが、こりゃ〜 うーん。違う側面からのアプローチとして聴いた方が良いかもしれません。

2楽章〜3楽章
「らっ らしらそふぁみ れ〜ふぁ れ〜ふぁ み〜ふぁれ〜」
甘さたっぷりめのワルツで、ハイ、フワフワしています。ワルツの拍感覚が浅めで、音にエコーが掛かっているかのような感じで、魂抜かれちゃう感じだ。
車のBGMに聴くとか、デートのBGMにお使いください。って感じだろうか。演奏は悪くないんですよ。力強い響きもしているし、弦のアンサンブルだってキッチリしている。でも、ドイツ臭い拍感覚や、アクセントが抜け落ちた感じがしちゃう。教会での録音なので、柔らかい のだろうと思うが。う〜ん。

3楽章
「そ〜ふぁみ れっれ れぇ〜 みふぁそら み〜れ れ〜しら そふぁみれ どれみれ どっどどぉ〜」
アハハ〜 この楽章は軽やかで羽根が生えたように、飛び跳ねてて、快速に飛ばしている。
こりゃ〜良いわ。若々しく、瑞々しくロマンティックに響き、まろやかに弦が絡み合って、とろけてしまうほどに可愛い。
2楽章では拍感覚が浅くて、ブツブツ文句を言ってしまったが・・・。
この楽章は、渋くない方がよろしいようで。(苦笑) 高音域の弦フレーズと低弦のフレーズが、合わさっては離れて行く、また一緒になって綺麗な和音を形成する。
この室内楽的響きが、よく聞こえて綺麗だ。あー ワタシの耳って、かなりいい加減で、雰囲気に飲まれやすいようだ。我ながら呆れちゃう。

4楽章〜5楽章
「しぃ〜らぁ〜れぇ〜 そぉ〜ふぁ〜そふぁどぉ み〜れ〜どぉ〜」
う〜ん。かなり1楽章と同様に甘めで、ふわっとした雰囲気のまま、演奏されており、まどろみ音楽のような感じになっている。ソフト なのは良いのだが、耽溺風で、甘美だ。
ここまでムードに寄りかかると、ちょっと聴いている方がシンドクなってくるのだが〜
5楽章に入ると、歯切れのよいフレーズが冒頭に飛び出してくる。
「れっそぉ〜っ (れっそ〜) れれみっ れししど しそそら それそっ」
ああ。それでも、やっぱ残響が邪魔になってくる。 演奏自体は良いと思うだが。なんとも言えない気分に・、、、

C・デイヴィス盤で聴いた時も、かなり甘さを感じたのだが、渋さもあったしなあ。オケの音質にも左右されるのかな。とは思うのだが、ウォーレン・グリーンさんの演奏で聴いてみると、この楽曲の良さが、う〜ん。わかんなくなっちゃった。角が取れすぎて丸くなり、響きが、もはやムードに流されて、うぷぷっ状態に。
この楽曲は、もう少し、室内楽のような編成の小さなオケの方が良いのかもしれない。
で、ロンドン室内管弦楽団との演奏(ヴァージン盤)は、残響は適切に処理されているので、うぷぷ〜にはならない。
できたら、下でご紹介している盤の方を、ワタシ的にはお薦めしちゃう。

ウォーレン=グリーン ロンドン室内管弦楽団 1988年
Christopher Warren-Green    London Chamber Orchestra



録音状態は良い。シャンドス盤と、基本的には似た演奏なのだが、残響は適切で、しなやかで、流麗な演奏、聴いてて気持ちが安らぐものです。
カップリングは、下記のとおり。有名なセレナード集めた「String Serenades」というタイトルの2枚組BOXである。

ウォーレン=グリーンさんの盤は、シャンドス盤で、フィルハーモニア管弦楽団(1985年)が出ているが、こっちのヴァージン盤は、ロンドン室内管弦楽団である。

シャンドス盤で聴いた時には、残響が多めで、ちょっと、うぷぷっ〜状態になっており、ムード音楽さながらになっていたのだが、このヴァージン盤の方は、残響は短めで適切だと思う。
シャンドス盤は、お風呂場的になっていたので、こっちの方が断然お薦め。
ホント、残響処理を心配したのだが、このヴァージン盤は、さほどではない。演奏は、えー もしかして同じ録音かな?って思ってしまったのだが、違うようです。(笑)
まあ、基本的に演奏スタイルは似ており、ふわっとした旋律が流れてくる。

とにかく、このCD、カップリングが良い。
チャイコフスキー「弦楽セレナード」、エルガー「序奏とアレグロ」「弦楽セレナード」、ドヴォルザーク「弦楽セレナード」、V・ウィリアムズ 「揚げひばり」「グリーン・スリーヴスによる幻想曲」、「トマス・タリスの主題による幻想曲」、スーク「弦楽セレナード」
これだけみごとに、セレナードだけを集めてくれたCDって、なかなかお目にかかれない。
V・ウィリアムズの小品のおまけまで付いているのだ。涙が出ちゃうほど嬉しい〜 ナイスなカップリング。

まるでムード音楽のようだ〜と、思うような甘いフレーズが目白押しだが、艶やかで甘め。
当然、セレナードですから、女性を口説き落としたくなるような、甘さが必要なのです。むふふ・・・。
品があって流麗だし、柔らかく、しなやかだ。推進力も高く、弾むようなテンポで、よく演奏されていく。弦のキレも良いし、品の良い大人の演奏だ。特に、低弦の響きが良いとか、高音域が良いとか、特筆するものはないのだが、バランスが良く調和していると言えるのではないでしょうか。

ドヴォルザークは、もう少し、ざっくりしてても良いし、他にも優れた演奏があるかもしれない。 このドヴォルザークは、デイヴィス盤の方が様になっているように思う。
ワタシ的には、エルガーも、V・ウィリアムズのタリスが絶品だった。旋律重視型の演奏だと思う。
横に流れる型が良いか、縦に綺麗に合っているか。これは、かなり好みがわかれるかもしれませんが、楽曲に応じて〜聞き分けた方が良いかもしれません。
まあ、しかし、このCDは、流麗な美しさがあり、聴けてシアワセ。しみじみ〜 うっとり〜という演奏である。何度繰り返しても飽きないません。ワタシ的には、無人島に持っていきたいCDの1枚候補です。

C・デイヴィス バイエルン交響楽団 1987年
Colin Davis    Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)



録音状態は良い。 ちょっと低音域のヌケが良くないように思うのだが、芯の硬い、重厚なドイツ臭い演奏である。
カップリング:チャイコフスキー 弦楽セレナード、ドヴォルザーク 弦楽セレナード
1楽章
ドヴォルザークの弦楽セレナードは、チャイコフスキーの弦楽セレナードと、よく一緒にカップリングして収録されている。
どちらかと言えば、チャイコのセレナードの方が良く聴かれるかもしれないのだが、ドヴォルザークの方は、ちょっと地味だが、ホントに落ち着いた良い曲である。
「らぁ〜そ ふぁそらぁ〜そしらぁ〜 (ふぁ〜みれみ ふぁ〜みそふぁ〜)らそぉ〜ふぁそらぁ〜そしふぁ〜」
「らぁ〜そ ふぁそらふぁらそぉ〜 ふぁ〜みふぁそ みそふぁ〜」
この冒頭のフレーズが、ゆったりと奏でられていく。
そんなに甘くもないし、ちょっぴり肌寒い風景がイメージされる。ほのかに、地面から草花が咲こうかというような〜季節に思える。
C・デイヴィス盤で聴くと、 ワタシ的には、3月初旬の三寒四温のような、ちょっぴり春めいてきたかな〜という、穏やかな、ふわっとした暖かい空気感が感じられるような楽曲だと思う。
で、目の前には、草原のような広がりがあって、地面に座って、ぼんやり〜なにげなく風景を見つつ、瞑想しているかのような感じがする。 まあ、実は、この曲、ドヴォルザークが10日間ほどで書き上げたらしいのだが〜
作曲した季節は、5月だったようだ。

ヴァイオリンが前面に出て活躍するのではなく、チェロとかヴィオラとか、中間の音域が主体となっているので、ちょっぴり(かなり)地味なんだけど〜 ワタシは好きだ。 いや、ようやく、好きになってきたかな〜ってところが、正直なところ。
実は、若い方には、あまりお薦めできる楽曲ではないのだ。
だって、湧き起こるような、ありあまるようなエネルギッシュな曲ではないし、抑揚の少ない、いたって地味なんである。
エナジー爆発しそうな若い時には、なんじゃ〜 メチャメチャ滋味で面白くないじゃん。と、一蹴されちゃいそうな曲なのだ。(↑ かつてのワタシは、そうでした。)
 生オケで聴いても、もしかしたら寝ちゃうかもしれないんだけど〜  夜に聴くと、むふっ。心穏やかになって良いかもしれません。 「ら〜そ ふぁそ らそしふぁ〜 ら〜そふぁそらふぁ〜」と繰り返して奏でられると、揺りかごの赤ちゃんのような気分になってしまって、少し重めの重心が低く、弦の最後のフレーズが、ふわ〜っと抜けて行く感じがして、妙に落ち着いてて良いかも しれません。

2楽章
「らっ らしらそふぁみ れ〜ふぁ れ〜ふぁ ふぁ〜れ」
「らっ らしらそふぁみ れっれふぁれっれふぁれ〜 み〜ふぁ〜れ」
このワルツ的なフレーズは、れ〜ふぁ れ〜ふぁ って言っていたかと思うと、れっれふぁれ〜 れっれふぁれ〜と言っているし、続いて、れっれふぁれふぁ れっれふぁれふぁ〜っと続いていく。
楽譜を見ていないので、よく解らないのだがけど、この妙なリズム感が、気怠さもあって、ほのかに甘い。
切ない恋心のようで、ため息のようだ。中間部は、さっぱりしているのだが、また戻ってくる。

3楽章
この楽章は、明るくて華やいだ雰囲気を持っている。珍しくヴァイオリンが、スキップして踊っている感じのような感じで、少女が草原で走っているような雰囲気がある。
「そ〜ふぁみ れっれ れぇ〜 みふぁそら み〜れ れ〜しら そふぁみれ どれみれ どっどどぉ〜」
チェロの緩やかな低い響きに、ヴァイオリンが軽やかに跳ねる。
「タララ ララ ラッタ たぁ〜」
でも、ホント、メロディーメーカーですよね。すぐに口ずさめてしまうようなフレーズで、ほっこりとした気分にしてくれて〜
嬉しいっ。ドヴォルザークさんって。やっぱり巧いっ。
C・デイヴィス盤は、ちょっとフレーズが重いのですねえ。 せっかくの楽章なんだから、もう少し楽しげに演奏してくださっても、よろしいんじゃー ないかしらん。 まあ。大人向けの演奏って感じで、渋いのですが〜 渋すぎだわ。
悪く言えば、 ちょっと、年を重ねてしまった渋いオジチャンが、昔を懐かしんで回想している風に聞こえてしまう。
若さが、少し足らないよぉ〜 華やいだ雰囲気が、翳りを見せており、最後には、重低音が入ってくるので、フレーズには、軽やかさはあるんですが、重心はいささか低めでしょうか。

4楽章
「しぃ〜ら〜れ〜 れっ そぉ〜ふぁ〜そふぁみ〜 み〜れ〜どぉ〜」
「しどれぇ〜ふぁ〜み れぇ〜 れそ〜そふぁし〜 し み〜れ〜みれ そぉ〜 そど〜し〜どしら〜」
チェロの甘い響きのうえを、すーっとヴァイオリンが旋律を奏でてくる楽章で、ちょっぴりクールな風が入り込んで、じっくり〜しみじみ〜思索するような雰囲気がある。
チェロを男性に、ヴァイオリンを女性が演じているような、それも、アイススケートをしながら〜って感じなのだ。(えっ そんな器用なこと出来るのぉ?)
まっ、いずれにしても、感情移入のできる楽曲だし、イメージしやすく、日頃の愛情表現だよねえ。
ヴァイオリンのフレーズが主体となっているので、この楽章は女性的なのだ。
ほのかに甘く、ソフトで、互いを慰めあっているかのような、寄り添っている感じがする。
もたれあいとも言えるが〜
で、中間部は、なにかトラブル発生か? 「れっ! みそふぁっ みそふぁっ・・・ しっどっ!」と、音が切れて、しばらくぶりに音が落ちていく。はあ〜 ケンカしたか、怒ったか。女性がすねている感じもする。
まあ、また、柔らかい、穏やかなフレーズに戻るんで、こりゃ〜仲直りしました。って感じになります。

5楽章
「れっそぉ〜っ (れっそ〜) れれみっ れししど しそそら それそっ!」
前楽章とはうってかわって、歯切れのよいフレーズが飛び込んでくる。
C・デイヴィス盤で聴くと、快活さもあるが、ちょっと、低弦の響きが重くのしかかってくる感じがする。
厚みがあって良いのだが、長所にも短所にも成り得るかもしれない重厚感で、ゴリっとしている感じ。
あんまり軽快ではないし、ヴァイオリンが忙しく、パラらら パラらら〜っと軽快に走り回っていくシーンがあるが、リズミカルではなく、どちらかと言えばガッツリ系だ。
まあ、その点、好みがわかれてしまうかもしれないが、チェロの甘さは生きているし、綺麗で木質的な高音域のヴァイオリンのフレーズが生きてくることも確かで、みっみっみっみっみっ ふぁふぁふぁふぁ〜っと弾む、弾み感もあって良いと思う。
最後、1楽章の冒頭が戻ってくる。ふっ こりゃ〜回想ですねえ。
で、5楽章の冒頭の「れ〜そぉ〜っ!」と歯切れ良く、最後を締めくくってくれるのだが、う〜ん。
いずれにしても、これを33歳で書き上げたって? いや〜相当に渋いっ。
これは、楽曲にやられました。

C・デイヴィス盤は、穏やかさのなかにも、表現は豊かだし、滋味に落ち着いてて〜 そのくせ、細やかな気配りのような表現が垣間見られる。録音状態は良いのだが、重心が低めで、カッチリしてて、かなり地味な 楽曲が、さらに滋味に聞こえちゃう。 その点、しなやかさとか、優美ではないんだけどな〜芯の硬い、重厚さが特徴だろうか。
なかなかに力強く、ガッシリ系の渋いオジチャン風の演奏って感じだろうか。

チョン・ミョンフン ウィーン・フィル 2001年
Myung-Whun Chung    Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)



録音状態は良い。軽妙で、サクサク進む。高音域のフレーズが聞こえてくるのだが、その分、チェロなどの中音域が薄いので、う〜ん、落ち着き感が薄い。このバランスが難しい。
カップリング:
1〜5 ドヴォルザーク 弦楽セレナード
6〜9 ドヴォルザーク 管楽セレナード
1楽章
チョン・ミョンフン(ミュンフン)さんのセレナーデは、結構、サクサクっと進んで行く。
夜、少し生暖かさを感じさせるような空気感が漂い、まったりしたセレナードというよりは、さっぱり系。
軽妙さを持ち合わせた、結構、スピード感のある演奏だ。

さぁ〜っと風が吹いていくような、颯爽としたところがあって、特に、高音域のヴァイオリンの音色に特徴があり、絹織物的な風合いを感じさせる。これは、やっぱウィーン・フィルの音質なのかな〜と思う。
絹より、ざらっとした綿の方がお好みという方には、ちょっと〜かもしれないが、風合いを楽しむというのは、オツなものだ。
しかし、絹の風合いっていっても、貴族的な大人の女性の雰囲気ではない。
ひらひらっとした襞のある短めのスカートが、ちょっとめくれあがって〜 さらっと踊られて、身をかわされて、逃げられてしまうかのような、雰囲気もあって・・・
ちょっぴり、こましゃくれた女の子を相手にしているような、遊ばれているような、そんなキュートな雰囲気がある。
特に、1楽章はそんな感じを受けた。

弦の動きは綺麗だし、残響も適度にあって、音のキラキラした感じがあって好ましいのだけど〜
どことなく、曲のイメージとちがってるような気がしてくる。
なぜなんだろう〜 「らしらそ ふぁみ れっれみ れっれみ・・・」と歌われているうちに、遠い目線になって、懐古調になってくところあがって、それが、ドヴォルザークの良さというか。

草原の広がり感を感じて、記憶の断片を探してみたい〜とか。
どことなく、田舎クサイ雰囲気を醸し出してくれることを期待していると、ちょっと。ちがうかも。
枯れ草のにおいをかいで、素朴な女の子と一緒に遊んでいる、そんな甘酸っぱい少年時代の名残りは、記憶からは蘇らないかもしれないですね〜 ちょっと、裏切られるかも。(笑)
でも、こましゃくれた感じを受けるか、民族的に聞こえてくるか、アハハ〜 この抒情的なフレーズが、まるっきり、受け止め方が、ちがってくるのは面白い。

2楽章は、素朴さというよりは、てれっとしているというか、すねられているというか。
どちらかというと、中年の女性的な、馥郁たる余裕のある上品な雰囲気は、いまいち感じられなかった。
もしかしたら中低音の音域より、高音域の方が耳に入ってくるからかもしれない。軽い。う〜ん。そうかなあ。

3楽章
「そ〜ふぁみ れっれ れぇ〜 みふぁそら み〜れ れ〜しら そふぁみれ どれみれ どっどどぉ〜」
この楽章は、すこぶる軽快で、さっすが〜という感じで、ひらひらしている。
で、フレージングにはタメ感もあるのだが、重みが少ないので、う〜ん。どうでしょ。
ワタシ的には、やっぱ、厚みと重さが、もう少し欲しいかな。って思ってしまった。

4楽章
「しぃ〜ら〜れ〜 れっ そぉ〜ふぁ〜そふぁみ〜 み〜れ〜どぉ〜」と、甘酸っぱいフレーズを奏でる。
チェロの甘い響きと、ヴァイオリンとが寄り添って歌う楽章なのだが、
チェロさんは、どこへ行ってしまったのだろう。
う〜ん。別にボヘミアンの香りが欲しいわけではないが、この演奏を聴かせていただいたなかでは、内省的というか、思索的という言葉は、ちょっと感じられないかもしれない。雰囲気はあるけれど薄いっ。

5楽章
「れっそぉ〜っ (れっそ〜) れれみっ れししど しそそら それそっ」という軽妙なフレーズが飛び込んで来る。
やっぱ、この活発さが存分に発揮される楽章が好ましい。
ウィーン・フィルならではの、セレナーデといえるかもしれないが、もう少し、う〜ん。落ち着き感が欲しかったかも。
シックな雰囲気よりも、彩度ある艶と軽妙感、さっくさっくした歯ごたえが前面に出てて、かといって、活き活きしたハリみたいなものを感じるかと言えば感じないし、楽しそうでもない。中途半端なリズム感で、するっと抜ける。
さらっとしているけれど、そうそう、爽やかばっかりでもいられないし、う〜ん。難しい。
やっぱチェロの声が、あまり聞こえてこないような気がする。

だからかもしれないが、音の層が薄く、落ち着き感とか、懐かしむような郷愁感とか、少し足らないし〜 もう少し情感をうちに、もう少し含めて、厚みがあった方が嬉しい。う〜ん 難しい。
C・デイヴィス盤は、渋い 渋すぎ〜って感じだが、ミュンフン盤は軽い 軽すぎ〜って感じだし。
あーっ 困っちゃった。やっぱ、なんでもバランスが超難しいですねえ。
でも、やっぱ〜浅はかとまでは言わないが、リスナーは若い方向きかなあ。
中高年では、ちょっと〜 もひとつ。というのがホンネではないだろうか。ワタシ的には期待したけど〜 ちょっと外れです。

1980年 カラヤン ベルリン・フィル ★★
1981年 マリナー アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ Ph  
1985年 ウォーレン・グリーン  フィルハーモニア管弦楽団 Chandos ★★★
1988年 ウォーレン・グリーン  ロンドン室内管弦楽団 Virgin ★★★★★
1987年 C・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 Ph ★★★★
2001年 ミュンフン ウィーン・フィル ★★★
所有盤を整理中です。

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