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エルガー 弦楽セレナード(セレナーデ)
Elgar: Serenade for Strings


エルガーの弦楽のためのセレナード(ホ短調 作品20)は、1892年に作曲された弦楽合奏のための楽曲です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

エルガーが、地元で、アマチュアを相手に、ピアノやヴァイオリンを教えたり、指揮者を務めたりしていた頃の作品だそうです。奥さんのキャロライン・アリスに、結婚記念日のプレゼントとして贈られたもの。
初演は、93年で、第2楽章「ラルゲット」のみが演奏され、全曲の初演は96年にベルギーで行われたそうです。
ロンドンでの初演は、1905年、エルガーが世界的作曲家としての名声を得てからだったそうです。
エルガーは、1857年生まれなので、35歳頃の作品となるでしょうか。
8歳年上の奥さんと、結婚してからも作品が売れず苦労をされていたようで、地元での合唱祭での作品を書いて次第に認められていったそうですが、弦楽セレナードは、そんな下積み時代の作品です。40歳を過ぎてエニグマ変奏曲がヒット、 ここからが、エルガーの上げ潮時代に入ります。

3つの楽章で構成され、全曲で約12分の楽曲です。
第1楽章 アレグロ・ピアチェヴォーレ(Allegro piacevole) ホ短調 8/6拍子 三部形式
第2楽章 ラルゲット(Larghetto) ハ長調 4/2拍子
第3楽章 アレグレット(Allegretto) ト長調 8/12〜8/6拍子 

イ・ムジチ合奏団 1985年
I Musici

ほぉ〜良いヤン

録音状態は良い。楽曲自体に、渋くて甘い雰囲気があるように思うが、艶のある音質を持ちつつ品格もあり。アンサンブルは、もちろん精緻だ。
フルオケバージョンではないので、その点は他盤と選択して聴いてください。
カップリングは、下記のとおり。
イ・ムジチ合奏団 アルビノーニのアダージョ

1 アルビノーニのアダージョ 1982年
2 パッヘルベルのカノン 1982年
3 ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲ハ長調作品8-6 「喜び」1〜3楽章 1988年
4 ハイドン セレナード 1982年
5 ボッケリーニ メヌエット 1982年
6 モーツァルト アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク K.525 〜セレナード〜 1982年
7 ベートーヴェン メヌエット Wo010-2 1982年
8 エルガー 弦楽のためのセレナード 1楽章〜3楽章 1985年
9 ニーノ・ロータ 弦楽のための協奏曲 1楽章〜4楽章 1985年

エルガーの「弦楽のためのセレナード」は、12分程度の小曲である。
で、セレナードって言えば、弦だけで合奏されるので、大変落ち着いた穏やかな楽曲が多い。
ワタシ的には、チャイコフスキーの「弦楽セレナード」が、一番好きなのだが、他にも、ドヴォルザークの弦楽セレナード、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハト・ムジーク、メンデルスゾーンの小さな交響曲もあるし、バーバーの弦楽のためのアダージョ や、ワーグナーの「ジークフリート牧歌」なども好きである。

「セレナード」という言葉がついている、ついていないに関わらず、ネーミングに関わらず、弦楽合奏曲は、ホント、気持ちが安らぐモノだと思う。
特に、休日の昼下がりや、お仕事疲れでホントに疲れちゃった時、エネルギーを使い果たして、長いシンフォニーなんて聴いてられないよぉ〜という、悲惨な状態の時に聴くことが多い。ワタシにとっては、駆け込み寺的存在である。
で、このイ・ムジチ盤は、バロックの小品だけでなく、エルガーとニーノ・ロータの弦楽のための楽曲が、カップリングされているので、おおっ 珍しいっ。嬉しい〜と購入したもの。

1楽章 アレグロ・ピアチェヴォーレ
低弦の弾むようなフレーズが、「みぃ〜み みっみっみっ みぃ〜み みっみっみっ」
「みぃ〜ふぁ そらし れぇ〜どしらっ ふぁそ〜ふぁ みっ」
「みぃ〜ふぁ そらし みぃ〜れどしらっ そしら〜そ みぃ〜れ しぃ〜らそ みぃ〜れぇ」
バックで弦が弾みつつも、「どぉ〜し らそふぁ そぉ〜ふぁぁ〜」と、何度もため息をつく。
まあ、なんてメランコリックな旋律なんだろう。と思いつつ、こんなに、何度も、ため息をつく人を隣にしたくないな〜とも思う。
チェロの甘くも、渋さがあって、ほの暗い滋味な感じのフレーズが続くのだ。
まあ疲れている時には良いんですけどね。
タンっタタタ タンっタタタ・・・という、8分の6拍子の独特のリズムはあるものの、主となる旋律の最後が、下がり気味なのだ。「ら〜ふぁそ ら〜ふぁそ」「そぉ〜ふぁ みれみぃ〜」と、沈み込んでしまう。

エルガーが、3回目の結婚記念日に、奥さんのキャロラインさんにプレゼントした曲だそうだが、あんた いくつやねん。老齢か。と言いたくなるような、滋味でオジンクサイ音楽である。
(実は、30歳半ばなのだ。)
美しい旋律だとは思うんだけど、なんか滋味で、くすんだ色のツイードの背広を、いつも着ているようなところが、エルガーかなあ。と思う。
でも、新婚3年目の曲の割には、やっぱ渋い。で、奥さんは8歳年上なんである。 で、フレーズは、ため息を繰り返し、逡巡を繰り返した、作曲しても売れない自分を重ねているかのように、奥さんに優しく慰めてもらっているんだろうって雰囲気である。 (いいね〜愛があって、と、聴きながら羨むワタシ。)
ひと呼吸おいて〜 2楽章は、ちょっぴり高揚して歌います。

2楽章 ラルゲット
「らぁ〜 しど〜みれ〜どふぁ〜」愛情イッパイ嬉しい気持ちが、控えめに奏でられている。
きっと、聴いた方はみんな、ふわーっと愛情にくるまれて、シアワセな気分になると思う。
「そぉ〜 み〜ふぁそらぁ〜どぉ〜 しらそ〜らそ ふぁぁ〜っみどみ」
「ふぁ〜そら ふぁ〜み み〜れぇ〜 しぃぃ〜ら そ〜しど らぁぁ〜ら らぁ〜そぉ〜」
「ふぁみし ど〜れみれ どぉぉ〜し しぃ〜ら そみど どぉ〜らど ど〜し みぃぃ〜 れどら そぉ〜」
だと思う。渋いが歌われているフレーズは甘い。
むふふっ。やっぱり愛してるのね〜という感じだ。

3楽章 アレグレット
「そ〜ど み〜れれっ し〜ど み〜れれっ しれ み〜れれっ み〜れれっ み〜れれっ」
チェロを主体としたフレーズのあとに、ヴァイオリンの飛翔するフレーズが入ってきて綺麗だ。
で、コントラバスの低い響き「そ〜らしど れししぃ〜」と、「み〜ふぁそら しどし らそふぁそ〜 ふぁみれ そ〜ふぁ」という中音域の弦が呼応し、再度、コントラバスが「み〜ふぁそら しそそ〜」と奏でてくる。
ハイ、低音がダンナで、ヴィオラが奥さんなの? 楽器の違いが男女の役回りをしているみたいで〜
中間部は、「タン ららら らん」と、跳ねるような音があって、ヴァイオリンが歌い始める。
深い森のなかで、太い幹の樹木から音が発せられているような感じもして、ちょっぴり神秘的で、自然的な雰囲気が漂うが、やっぱ、これも愛情表現でしょうねえ。

イ・ムジチ盤は、室内楽なので、スッキリ系だが、結構じわ〜っとくる演奏になっている。
テンポ設定もきっちりしてて、甘すぎず、揺れすぎず、フレーズの見通しが良い。 耽溺派の方は、残響も多めのシノーポリ盤(89年)が良いかと思うが、シノーポリ盤は、たっぷり濡れて、揺れて、どぉ〜ぷりという感がします。
これはこれで良いですが、イギリス人の作曲した作品とは、もはや思えない状態かも。 初めて聴くには良いですけど、状況によっては、繰り返して聴けないっ。やってられねーっ。 フルオケバージョンで、陶酔、夢見心地、恍惚状態で、聴いてられないほど(笑えるほど)甘いです。
新婚さんには、シノーポリ盤を、超お薦めしますが、どちらが良いかは、選択をお願いします。(笑)
  マイスキー シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 1989年
Mischa Maisky   Giuseppe Sinopoli  Philharmonia Orchestra of London

昇天しちゃいました

録音状態は良い。残響が少し多め。どっぷり耽溺型の演奏です。
カップリング:
1〜4   エルガー チェロ協奏曲(1990年)
5〜19  エルガー エニグマ変奏曲(1987年)
20〜22 エルガー 弦楽セレナーデ(1989年)
エニグマ変奏曲、弦楽セレナーデ、序曲「南国にて」という3曲でカップリングされたCDもあります。
弦楽セレナードといえば、チャイコフスキー、ドヴォルザーク、エルガーと言われるほどで、3本の指に入るほど有名な曲となっていますが、エルガーさんの下積み時代の曲です。
あーっ よかったですねえ成功して。そうでなきゃ、この曲は、埋もれて忘れ去られていたかもしれません。
弦楽合奏って、しみじみ〜 穏やかな曲が多く、 有名どころで、ワタシ的に好きな曲は、
R・シュトラウスのメタモルフォーゼン、バルトークのディヴェルティメント、 ストラヴィンスキーのミューズを率いるアポロ
ティペットの2つの弦楽合奏のための協奏曲、V・ウィリアムズのトマス・タリスの主題による幻想曲などです。

で、このエルガーのシノーポリ盤は、ソフトフォーカスされたような、とろけるような演奏です。
ここに感想を書こうと、何度となく繰り返し聴いてみたのですが、うーん。どうもねえ。教会で録音されたのかな〜と思うほど、残響が多めなのだが、この楽曲には、かなり雰囲気にながされてしまうのだが、いいかもしれない。
もう少し欲を言えば、拍感覚が欲しいところだが〜 ただただ、聴き惚れて、うっとりしてしまう。
ホントは、いや、これじゃー ダメなんじゃないのか。とか思うんですけどねえ。
タレタレしすぎてて、ハッキリしていないし。

イ・ムジチ盤のところでも書いたのだが、耽溺派の方は、残響も多めのシノーポリ盤で。
これほど、耽溺されてしまうと、ちょっと文句のひとつも言いたくなってしまうのですが〜 
いやいや。ワーグナーのトリスタンとイゾルデのように、どっぷり、もはや別世界行き確定って感じの演奏です。あまり正統派という演奏ではなく、シノーポリワールドが広がってて、馴染めない方も多いと思うので、まあ、別モノでしょうか。
1985年 イ・ムジチ室内合奏団   Ph ★★★★★
1988年 チャールズ・グローブス  ロイヤル・フィル Regis  
1989年 シノーポリ  フィルハーモニア管弦楽団 ★★★
所有盤を整理中です。

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