「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

グリーグ ホルベルク組曲(ホルベアの時代から)、抒情組曲、十字軍の王シーグル組曲
Grieg: Holberg Suite, Lyric Suite, Sigurd Jorsalfar


グリーグの組曲「ホルベアの時代から」(作品40)は、1885年に作曲されが弦楽合奏曲です。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
原曲は、1884年に書かれたピアノ独奏曲ですが、今日では、もっぱらグリーグ自身が編曲した、弦楽合奏版が広く知られています。ドイツ語の題名から「ホルベルク組曲」(Holberg Suite)とも呼ばれます。

第1曲 前奏曲 ト長調
バロックの組曲のスタイルに倣ったため、前奏曲が置かれており、ピアノ版はトッカータや無窮動のように疾走するが、弦楽版は、無窮動な部分の各音をパートに分割され、リズミカルな印象を与える編曲が行われています。
第2曲 サラバンド ト長調 三部形式
前奏曲とは対照的に、とても穏やかな舞曲で、弦楽合奏版では中間部でチェロのソロが入ります。
第3曲 ガヴォットとミュゼット ト長調→ハ長調
フランスの2つの舞曲のスタイルを組み合わせており、ミュゼットならではのバグパイプ独特のドローン音が表現されています。
第4曲 アリア ト短調 三部形式
バロック時代の先人達に倣ってはいるものの、ほの暗く熱っぽい曲調は、グリーグの個性が強く発揮されています。
第5曲 リゴドン ト長調→ト短調  三部形式
前の曲とは対照的に、いかにもバロック的な明るい舞曲で、弦楽合奏版では各パートのソロの重奏が、他のメンバーのピチカートの伴奏に乗って、印象的に使われています。

グリークと言えば、「ペール・ギュント」が、ダントツに有名ですが〜 ピアノ協奏曲の他にも、素敵な室内楽もあります。
とても穏やかな、いかにも北欧らしく、涼しげで爽やかな楽曲です。

スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 1976年
Otmar Suitner
Sächsische Staatskapelle Berlin
(Staatskapelle Berlin

ばっちグー!

録音状態は良い。ちょっぴり古い年代なのだが、全く問題なく聴ける。
カップリング:
1〜3 組曲「十字軍の兵士シグール」
4〜5 抒情組曲 夜想曲、トロルの行進
6〜9 ノルウェー舞曲
10〜14 ホルベルク組曲
このCDは、グリーグ管弦楽曲集とタイトルされたもので、グリーグの有名どころの楽曲が収められている。
ワタシが所有しているのは、輸入盤(ドイツ)の廉価版なので、ブックレットはないし、76年という少し古い録音なので、心配しちゃったが、とても良い録音状態で、全く問題なく聴ける。ベルリン・キリスト教会における録音で、適度な残響が気持ち良いことと、思いのほか、熱い演奏で〜とても嬉しい1枚である。

「十字軍の王シーグル」組曲

グリーグは、劇の付随音楽として「ペール・ギュント」と「十字軍の王シーグル」の2曲を作曲して、それぞれ組曲版もつくっている。ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、次のようになっていた。

「十字軍の王シーグル」(作品22、1872年/1903年改訂)
「十字軍の王シーグル」組曲(作品56、1892年)
「ペール・ギュント」(作品23、1875年/1885年、1888年、1891年、1902年改訂)
「ペール・ギュント」第1組曲(作品46、1888年)
「ペール・ギュント」第2組曲(作品55、1892年)

で、ここでは、十字軍のシーグルをご紹介します。
「十字軍の王シーグル」(Sigurd Jorsalfar 作品22)は、ノルウェーの国民的な詩人であるビョルンスティエルネ・ビョルンソンによる、第1回十字軍に参加したノルウェー国王シーグル1世を題材とした同名の戯曲用として、1872年作曲されているもの。
グリーグは、1843年生まれなので、29歳頃の作品なのですが、そのときには、戯曲の付随音楽として5曲を作曲し、20年後の1892年の49歳頃に、組曲に再編しているのです。
現在は、この組曲版(オケだけで演奏される)を、耳にすることが多いように思います。

第1曲 前奏曲「王の宮殿にて」 力比べ(王の広間にて)
第2曲 ボルグヒルの夢(間奏曲)
第3曲 忠誠行進曲

第1曲
「どぉ〜しら しそ らっらっそぉ〜 どぉ〜しら しそ らっそっらぁ〜」
「どぉ〜しら しそ らっらっそぉ〜 どぉ〜しら しそ らっそっらぁ〜」
最初は、多分ファゴットとクラリネットだと思うが、そこに弦が加わって「れぇ どら そぉっふぁ〜 れぇ どしら そぉ〜」 って感じのちょっとした輪唱風になっている。金管も加わって最初のフレーズに戻っている。
金管が加わり、安定した和音づかいが王の宮殿って感じの荘厳な雰囲気になっている。

中間部では、雰囲気を変えて、「れどし しっらっ そぉ〜 れどし しっら れどし しっら そぉ〜」と、木管の輪唱風となり、フルート、クラ、オーボエなどが、とっても綺麗なフレーズになっている。
シンプルなのだが、綺麗な和音で、木管の使い方が巧いなあ〜って思う。アハハ〜 シンプルだけど、劇に向けて引き込む力があるのだ。シンプルな主題だが、繰り返すことで耳に馴染む。この効果は絶大〜。

2楽章
ボルグヒルの夢って、人の名前なのか、ボルグ丘 なーってことないよね。と思いつつ聞いたのだが、弱音で、もごもご〜行っている間に、ぼんやり〜終わってしまった。

3楽章
「そぉ〜しそし れれれ み〜 そそぉ〜」と、小太鼓付きのトランペットのファンファーレだ。
で、ファンファーレが終わると、弦だけで甘いフレーズが奏でられるのだ。
「どみそ そそそ ふぁらそそ らどみみみ そふぁみみぃ〜
「みふぁらそぉ〜  どれふぁみぃ〜 しどれみら そぉ し ど」 
「どみそ そそそ しらそそ そぉ〜  らどみみみ そふぁ みみぃ〜」 
へえ〜 この変わり方が、とても唐突なのだが、そこが劇音楽なんでしょうね。

十字軍の王シーグルって、ジブラルタル海峡を通り、エルサレムへ巡礼的な軍事遠征を行ったノルウェーの実在の王だそうである。この3曲目の忠誠行進曲は、その威勢の良さと、甘いチェロの声で歌われる。
わかりやすいメロディーで、とても親しみやすく、弦楽合奏のような美しいハーモニーと、冒頭の金管のファンファーレが、繰り返される。で、ラストに向けてチューバやトランペットが加わると、う〜ん。俄然、吹奏楽の雰囲気になってしまう。
あちゃ〜 
このあたりが、多彩というか、劇音楽っぽいところというか。う〜ん。せっかくの甘いフレーズが、なにやら通俗的になってしまった感があって、かなり残念なのだが・・・。夏休み子供音楽会には、格好の演目である。


ホルベルク組曲

さて、ここでご紹介するのは、ホルベルク組曲である。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べると〜
ホルベアとは、「デンマーク文学の父」とも「北欧のモリエール」とも呼ばれる文学者ルズヴィ・ホルベア(1684〜1754年)のことだそうだ。ホルベアさんは、グリーグと同じノルウェーのベルゲンに生まれで、当時ノルウェーは、デンマーク統治下にあった。1884年、生誕200周年記念祭がベルゲンで行なわれることになり、グリーグは、カンタータと、ピアノ独奏のための組曲「ホルベアの時代から」を作曲したのだが、後に、このピアノ独奏を、弦楽合奏に編曲したものである。

ピアノ曲の題名は、ホルベアの時代から〜というが、これは、副題に「古い様式による組曲」とあるように、ホルベアさんが生きていた時代の音楽、すなわちバロック音楽の様式を借りて書かれているものでそうで、グリーグは「ホルベアの同時代人だった、フランスのクラヴサン奏者達の組曲をモデルにさせてもらった」とコメントしているそうである。
ピアノ版は、軽いタッチの爽やかな印象だが、弦楽合奏版は、弦五部をベースにしているが、各パートが、さらに細分化されたり、ソロが現れたりするなど、音響的に豊かな作品に仕上げられているとのこと。

スウィトナー盤は、フルオケで演奏されているので、確かにインパクトのある演奏となっている。
1曲目は、特に、どっん!冒頭から重めの音が出てきて、ちょっぴり驚かされる。
「しぃ〜 どぉ〜れみふぁそらし ど ら し そ れ みぃ〜」
チャッチャカ チャッチャカ・・・と、伴奏の弦が、とても、力強く刻まれており、疾風という感じだ。
で、ヴァイオリンが、「どぉ〜どど ふぁ〜 しぃ〜ししみぃ〜 ふぁ そ ふぁ・・・」と歌い始めると、一気に快感状態に。
あぁ〜いい曲だっ!という感じで、のめり込んで聴いてしまう。
弦のピチカートも良く響いているし、なにせ、ベルリン・キリスト教会だもの〜 録音状態もバッチリである。
「らぁ〜 みどしぃ〜らぁら〜ふぁそらぁ〜」 この弦の伴奏の力強いことっ。思わずのけぞってしまうほどで、すごい馬力なのだが、楽曲が、涼しげなもので〜 熱いが、涼しいという、なんとも矛盾した感覚になる。(笑)

2曲目は、とても穏やかな楽曲で、弦の響きの豊かさに、鷲づかみにされる。
「らぁ〜しど しぃ〜 どぉ〜れみれど どぉ〜」「らぁ〜しど しらそふぁ そ ふぁみみぃ〜」
バロック時代の楽曲を見倣ったとのことだが、ホント、静謐で、美しい和声の響きで、弦だけのまろやかで、豊かな響きが聞こえて来て、安らぎを見つけた気分で、ほっとする。
森の精霊と、水の精霊が出会いました〜という感じで、とても清々しい。

3曲目は、「らぁ〜しっしれ れふぁっふぁ〜 みれどっ れっし どれしら そぉ〜ら らぁ〜」と、軽くスキップした感じだが、品良く、精霊たちが踊っているかのようだ。これを何度か繰り返す。
バグパイプ独特のドローン音って、「ぶぅぅ〜ん」という音だが、スウィトナー盤で聴くと、さほど、「ぶぅぅ〜ん」とは聞こえてこない。あくまでも軽やかだが、中低音は、甘くて少しほの暗い、重みのある和音となって聞こえてくる。
弱音の部分が、ことのほか美しく、「しぃ〜み どし しみしみ どぉ〜しっ・・・」と囁かれると、もう〜うっとりしてしまう。

4曲目は、アリアにあたる楽章だが、「みぃ〜〜 れどれぇ〜 れぇ〜〜れどし どぉ〜」と歌われると、もう鳥肌立つかのような感覚になる。渋くて、枯れてて、そのくせ、ほのかに甘さがあって、ほんわかしてて。という感じがする。
弦楽合奏だが、近代の曲だが、宗教音楽に近い、そのくせ近代曲という、不思議な感じがする。
静謐だが、厳密で息を殺して〜という感はしないで、もう少し暖かみが感じられる。
奥深い森のなかで、透明度の高い小さな沼や湖をみつけて、静かな湖畔に一人佇んでいるかのような、孤独感や静謐さを感じる。

5曲目は、これは元気よく〜 マンドリンのような楽曲で、快速で、「れれどど ししらら どぉ〜しら パラパラパラ・・・」と進んで行く。庶民的だが、とてもチャーミングな楽曲だ。
中間部は、ちょっぴり、切なくおセンチな感じがするが、再びピチカートの軽やかなリズムが甦る。
あっさりと終わっちゃうが〜 これがまた、腹八分目的で、うふふっ。また最初から聴きましょう〜って思っちゃう。

スウィトナー盤は、前奏曲は、馬力で驚かされるが、楽曲が、とてもチャーミングで、ある意味宗教的な雰囲気も漂わせている。また、音質が、カッチリしているが、柔らかさも同時に感じられて〜 木質的な響きがする。
また、縦の和音の優美さを感じつつ、ものすごくリズミカルで〜 縦も横も、適度な反発を感じる弾力性があって、音の広がり感が、また〜適度に心地良いのである。
う〜ん、弦の共鳴は、やっぱり、間接的に響いてくるんだな〜と、改めて感じた。
楽器のお腹のなかから、音が、一斉に立ちのぼっていくって感が、ものすごくした1枚である。

チャバ&ゲザ・シルヴァイ ヘルシンキ・ストリングス 1995年
Csaba Szilvay and Geza Szilvay
The Helsinki Strings

満足っ満足っ

カップリング:
1〜4 グリーグ ペール・ギュント組曲第1番(1996年)
5〜8 グリーグ ペール・ギュント組曲第2番(1996年)
9〜12 グリーグ 抒情組曲(1995年)
13〜17 グリーグ ホルベルク組曲(1995年)
ペール・ギュント、抒情組曲:アリ・ラシラネン ノルウェー放送管弦楽団
ホルベルク組曲:ヘルシンキ・ストリングス 
原盤はFinlandia 現在はApexでも発売されている。
ホルベルク組曲

弦楽合奏曲って、いつ聴いても、とても穏やかな雰囲気を与えてくれる楽曲だと思う。
R・コルサコフは、「管弦楽法原理」のなかで、オーケストラのなかで弦楽器がもっとも基本的で、かつ「聴き疲れしない」音色である、といったことを述べているそうだが、ふむ。そのとおりだな〜と思う。
代表的なものが、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークとか、チャイコフスキーの弦楽セレナードなどが有名だが、
ここでご紹介する、グリーグのホルベルク組曲も、穏やかさにくわえて、生誕200年をお祝いするという祝祭的な雰囲気、そして、古風なスタイルを取り入れた様式美が感じられるものとなっている。

さて、ヘルシンキ・ストリングさんの演奏は、
1曲目の前奏曲、冒頭からの疾風感は、とっても感じられるのだが、低弦の力が弱いように感じられる。
「しぃ〜 どぉ〜れみふぁそ らぁ〜し〜そ ら らどれ れどれ〜」
チャッチャカ チャッチャカ・・・という音があり、勢いがある。
で、ヴァイオリンが、「どぉ〜どど ふぁ〜 しぃ〜ししみぃ〜 ふぁ そ ふぁ・・・」と歌い始めるのだが、そのバックのピチカートの音が、ちょっと弱く感じられる。なので、ちょっと立体的に響いてこない。
やっぱり、ここは、チャンカチャンチャカ・・・ ポンっ ポンっ。というリズムを出してくる音の、合いの手の音が欲しいかなあ。
低弦のピチカートの音が、もう少し欲しいかもしれない。

2曲目のサラバンドは、「らぁ〜しっし〜 どぉ〜れみ れど どぉ〜」「らぁ〜しど しら そふぁ そふぁみみぃ〜」
丁寧に歌われており、まろやかさというよりも、ふっと翳りの感じられる旋律になっている。
「どぉ〜れみ れ〜ど ど〜れ しら そっそぉ〜  どぉ〜れみ み〜れ れ〜し しら そっそぉ〜」
優美さというより、どことなく悲しみ押し殺した感じで、ひとり泣いているかのような女性的な演奏だ。
すーっとした息づかいがあるので、チェロが入ってくると、甘さがあるのに悲しさがつきまとう感がする。

3曲目のガヴォットとミュゼットも、前楽章と同じで、第1拍めに、さほどの力が感じられず、ふわっと、すわっと音が入ってくる。で、さっきは、女性的な演奏だと言ったのだが、それよりも、実態のない、風とか、影のように感じる。
さらっと弾かれているようで、これは、すごく計算されているのかもしれないし、DNA的なものかもしれず。
う〜ん、もしかしたら、この楽曲に、すごくマッチしているのかもしれないと思う。

4曲目のアリアは、すっかり沈み込んでおり、高音域の弦が、低弦に覆い被さるかのようだ。
繊細な音があり、息が詰まりそうな感じで始まるのだが、じわーっと、チェロの旋律が救いになり、ヴァイオリンの音に引き継がれて、互いに寄り添いながら呼応していく。そこんところは、とても美しい。で、たまりかねたように歌い始める。
「らぁ〜〜 どどし しそそら らししど ししらら れそどど れ〜 どぉ〜」
この楽章は、これぞ弦楽器の美しさの結晶だ〜と、素朴に思ってしまった。ここは聴きどころでしょうか。

5曲目のリゴドンは、軽快で〜もう少し豪快でも良いのにな〜と思うほど繊細で女性的だ。
ヴァイオリンの繊細さが、とても感じられるのだけど、前奏曲と同様に低弦の響きが、もう少し欲しいと感じてしまった。
総体的には、繊細で、傷つきやすそうな雰囲気があり、それだけに、4曲目のアリアにおける祈るような気持ちは痛いほどに伝わってくる。
この楽曲は、聞き込めば、耳を傾ければ、もっと内省的な声が感じられるのだろう〜と思う。


抒情組曲

グリーグの抒情組曲(作品54)は、ピアノ曲だった抒情小品集第5集(作品54)をもとに、オーストリアの指揮者のアントン・ザイドルさんが編曲して、後にグリーグが改訂したものだそうだ。

ワタシ的には、あまり馴染みがなかったので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
6曲からなる「抒情小曲集」第5集は、1891年の作曲で、全10集に及ぶ一連の曲集の中でも最も評価が高いもので、この第5集から4曲が、1895年にハンガリーの指揮者アントン・ザイドルによって管弦楽用に編曲され、「ノルウェー組曲」と名付けられたそうだ。ザイドルが選んだのは、原曲第2曲「ノルウェー農民の行進」、第3曲「小人の行進」、第4曲「夜想曲」、第6曲「鐘の音」である。
で、ザイドルの没後、グリーグは自らの手で改訂したいと考え、ザイドル未亡人の承諾を得て同年に改訂を行ったそうだ。グリーグの改訂では、「鐘の音」が省かれて原曲第1曲「羊飼いの少年」が、新たに編曲して加えられている。
で、他の曲も、ほとんど全面的にオーケストレーションが改められており、名実ともに「グリーグ編曲」として扱われているとのこと。

1 羊飼いの少年 (Gjætergut)は、パンの笛のようなフレーズで、もの悲しい調べで、寒い空のなかでの羊飼いって感じで、半音階的ウネウネっと落ちてみたり、昇ってみたりする。
ハープの調べがリリカルに響くが、色彩的にはモノトーンって感じだ。弦五部とハープのみによる演奏で、少年というより老人のウツウツとした憂いのような雰囲気に感じてしまう。
原曲は、ト短調だったがイ短調に変更されているそうである。

2 ノルウェー農民の行進 (Ganger)
この曲は少し明るめだが、民俗的なフレーズというか、リズム感があり、金管のフレーズと木管のパララ パララっというフレーズが流れてくるが、舞曲風というより、歩調感覚で、「そみそぉ〜 そみそぉ〜 みふぁ そみそぉ〜」と歌われる。
聴いている感じでは、あまり開放感はない。
弦楽が主になっているのか、チューバの音が聞こえるが、さほど色彩感が豊かではない。
原曲は、ハ長調だったがニ長調に変更されているそうだ。

3 夜想曲 (Aftenstemning)
抒情的で、繊細なフレーズで、ふわっとした鈍色の空間が広がる。
弦の響くが幾重にも、フルートのフレーズが、渡り鳥が飛んでいるかのようで、フィヨルドの風景が広がっているように感じる。風の音や、小さな波が立っているかのような水彩画の風景が見えてくるかのようだ。
ここは、聴き手のイマジネーションの能力が試されているかのようで、演奏によっても、色が変わるようにも思える。
ハープの揺れる音が何とも言えない郷愁を高め、じわじわっと胸が熱くなっていくが、潮が引いていくかのように、また、沈静化していく。

4 小人の行進(トロルの行進) (Troldtog)
妖精トロルの行進という訳で紹介されている盤もある。
メンデルスゾーンの真夏の夜の夢のように、チャーミングな妖精ではないし、色彩的にカラフルではない。
みららそそふぁふぁみ みららそそふぁふぁみ・・・と、慌ただしく、どこか不気味な雰囲気を醸し、踊るかのような、ん タタタタタ・・・という、走る感じで演奏される。
ムソルグスキーの展覧会の絵に登場する「バーバ・ヤーガの小屋」のような雰囲気に近いかも。
これも、馴染みがなかったので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら・・・

トロールまたはトロル(Troll)とは、北欧の国、特にノルウェーの伝承に登場する妖精の一種である。
北欧ではトロルド、トロールド、トラウ、トゥローと呼ばれる。当初は悪意に満ちた毛むくじゃらの巨人として描かれ、それがやがて、小さい身長として描かれている。
変身能力があるのでどんな姿でも変身できる。
どのような存在であるかについては様々な描写があり、一定しない。ただし、鼻や耳が大きく醜いものとして描かれることが多い。別格のトロールたちには2、或いは3の頭がある。
一般的なトロールについてのイメージは、巨大な体躯、かつ怪力で、深い傷を負っても体組織が再生出来、切られた腕を繋ぎ治せる。醜悪な容姿を持ち、あまり知能は高くない。凶暴、もしくは粗暴で大雑把、というものである。

デンマークでは、白く長いあごひげの老人として、赤い帽子、革エプロン姿で描かれるそうだ。
グリーグの作品では、小人とあるので、ちょっと、イメージが違うかもしれない。
ワタシは、ノルウェーには行ったことがないのだが、おそらく、お土産としてのキャラとして、人気があるのではないだろうか。
この盤では、全4曲が収められているが、他盤では、「.鐘の音」が収録されているものもある。


ホルベルク組曲        
1976年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン Berlin Classics ★★★★★
1995年 チャバ&ゲザ・シルヴァイ ヘルシンキ・ストリングス Warner ★★★★
抒情組曲      
1995年 アリ・ライライネン  ノルウェー放送管弦楽団 Warner ★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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