「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

グローフェ:組曲「グランド・キャニオン」、ミシシッピ組曲 、デス・ヴァレー組曲
Grofé: Grand Canyon Suite, Mississippi Suite, Death Valley Suite


ドラティ デトロイト交響楽団 1982年
Antal Dorati
Detroit Symphony Orchestra

録音状態は良い。スケールの大きい演奏で、描写力がありイメージしやすい。ちょっとテンポの遅いところもあるが、その壮大さには圧倒される。
カップリング:ガーシュウィン 交響絵画「ポギーとベス」 国内盤では、コープランドがカップリングされている。

グローフェ 組曲「グランド・キャニオン」 Grand Canyon Suite
  1 日の出
  2 赤い砂漠
  3 山道をゆく
  4 日没
  5 雷雨

1 日の出
グランド・キャニオンは、夜明け前からの描写で始まる。 クラリネットの低い声、そこから小鳥の鳴き声が入ってくる。
「ど〜れらど〜 ど〜しら そらふぁど〜 れみそみれど〜 ど〜れど〜ふぁど」 
ミュート付きのトランペットの「パ パ パっ」とリズミカルな西部劇に出てくる馬に乗っている気分が入っている。主題がフルートに変わったりするが、ずーっと穏やかなフレーズだ。
単調って言えば単調なのだが、光景が目に浮かぶようで面白い。
で、ドラティ盤は、ゆったりとしたテンポで流れていく。かなりゆったり。
弦が、「ど〜らみ ふぁそらし ど〜らみ みみみ れど し〜どれみふぁそふぁみれ し〜ど〜らし〜」
優雅な3拍子リズムだ。ワルツでも踊れるような雰囲気がする。
猛々しい峡谷のイメージとは、ちょっと違う。
へえ〜 平和を祈るかのような、牧歌的な演奏になっている。
途中で、鐘が鳴り始める。チューブラベルだと思うが、へえ〜 峡谷に鐘かあ。
こりゃ、まるでローマだ。と苦笑いしつつ、レスピーギのローマの祭りのなかの「五十年祭」を思い浮かべてしまった。
「ふぁみれど ふぁ〜 ふぁ〜みれどふぁ〜」
「ふぁ〜そみ〜ふぁれ〜みど〜れふぁ〜 そらどらそふぁ〜 ふぁそふぁ〜」
「ら〜ふぁど〜 ら〜ふぁど〜」
で、聞き進むうちに、初めは、えっ グランド・キャニオンで、パイプオルガンなのぉ。と思ってしまったのだが、1発で入ってくるので、恐らくオルガンではないのだろう。
「どどぉぉぉ・・・・・・  しらそど〜 しらそど〜 どしらそ どしらそ どしらそ〜」
それにしても、残響がすごく〜 オルガンであっても不思議じゃないぐらいのロールで、地響きがしている。
最後、もう1発強打されている。
ドラティ盤は、優美に、おおやかさを持って、スケールでかく奏でられている。
このスケールの大きさは圧倒的で、すごい音圧と最後のアップテンポに、完全にノックアウト。
シンバルも鳴って、はあ〜 やっぱ、アメリカは描き方がでかい。びっくりしちゃった。

2 赤い砂漠
「ら〜そふぁみれ〜」 「らふぁ〜 し〜ど〜れ〜ふぁ〜」という単調なフレーズを彩る。
チェレスタやミュート付きトランペットが活躍する。星空のイメージだが、どうやら違うらしい。
弦が、「れし〜らそふぁみ〜ふぁそら し〜らそふぁみ〜ふぁそら しみみし しれれし しれれ〜」
忍び足で近づく、不気味なハ虫類っぽい姿をイメージしちゃった。ガラガラ蛇かと。
ダメじゃー これじゃ。グランド・キャニオンを聴く資格は無いみたい。
「ら〜そふぁみ れ〜みふぁそ ら〜そふぁみ れ〜みふぁそ られれらど どららど どられ〜」
う〜ん 蜃気楼でも立ってきたのか、ふらふら〜っと歩いているみたいにも聞こえる。
3 山道をゆく
ティンパニーと金管の冒頭、「タタタン どぉ〜そらぁふぁ〜」
まるで気の抜けたオヤジみたいなフレーズが出てくる。で、「ふぁ〜そ〜ら」「ヒック ヒック ヒック・・・」
弦をこしげているのだが、もしかして酔っぱらい? オヤジは疲れてバーボンを飲んでるのか?
まあ。とにかく、ここから旅に出るらしい。陽気なヴァイオリンのフレーズが終わると、パッカ、パッカ、パッカという馬の蹄の音が入る。
まあ〜 なんて暢気な楽曲なのだろう。木魚のように響いているのだが、途中からアップテンポ。
クラリネット、バズーンへと音が引き継がれて〜 「ふぁ ふぁ〜れ ふぁ〜そ ふぁ〜そ」
ジャズっぽいフレーズになる。酔っぱらいながら、どうやら馬に乗っているらしい。
馬といっても、格好の良い馬ではなく、まるで、こりゃ ドン・キホーテじゃん。
あっ あれはロバか。まあ。とにかくコミカルである。コメディタッチの楽曲で、めっちゃ笑える。
「れふぁ〜 れふぁ〜 れふぁしそ〜ふぁれしそど〜 れふぁ〜 れど〜 れふぁ〜れどしそみ〜」
クラッシック音楽で、これほどコメディタッチの楽曲は、初めてじゃーないだろうか。大笑いっ。
おとぼけ西部劇で、これが、ドラティさんが振っているとは俄に信じられないほど。

4 日没
ホルンかトロンボーンで、「しっど れみれどしら し〜」 間をおいて、「ふぁっどしら し〜」 
兵隊さんの宿舎で吹かれているような雰囲気だなあ。お休みモードのお知らせである。
しばらく間をおいて、密やかに煌めく音が出てくる。チェレスタとフルートが、合わさって演奏しているのか、メチャ可愛い、まるでオルゴールのような響きである。
「しらそ ふぁみふぁそ そふぁみ れどれみ みれど しらしど そ〜ふぁ〜」
穏やかな日没で、弦が伸びやかなフレーズを弾き出す。
ゆったり〜 まろやかな響きで彩られている。険しいイメージ切り立った崖、恐ろしいほどの歳月を経て、浸食されたグランド・キャニオンというより、どこか、スコットランドかニュージーランドの草原の広がりをイメージしてしまった。で、ちょっと困ってしまう。(笑) 

5 雷雨
ヴァイオリンの高いフレーズで、美しく 「れふぁ〜 れふぁ〜 れふぁしそ〜ふぁれしそ ど〜」
チェロも、のびやかに「ふぁれ ら〜ら〜」「どららそ そふぁふぁ みれみどししら らそそふぁ ふぁみみれ」
平和的で穏やかなフレーズが続く。およそ雷雨が来るとは思えない。
まるで歌を歌っているようで〜「どららそ そふぁふぁみ みれれ〜 どししら らそそふぁ ふぁみみれ〜」
クラリネット、鉄琴を伴ってはいるが、安っぽい映画音楽風である。
「どっ れらどぉ〜 どしらそらふぁど〜 ど〜れみそみれど〜」
この後、雷雨が到来。
ピカッと雷が光始める。シンバルで雷、どろどろ〜ティンパニー。ピアノが雨粒を。
このあたりは、R・シュトラウスのアルプス交響曲とよく似ている。
ドラティ盤は、テンポが遅いので、激しさが増してこない。もっと畳みかけて欲しいよぉ〜 勢いが無いので、その内に、かったるくなってくる。
雷が落ちたところは、木槌でも振り下ろしているのか。ガンっ。← っても木製みたいだけど。

全体的にスケールが大きい。テンポはゆったりしている。
大西部だな〜っと、広々とした世界と、鷹揚な感じがする。まあ びくともしない圧倒的な大きな演奏で、のびやかで開放的。
オチャメで、イライラしなさんな。という感じになる。
最後は、さすがに、もっとテンポをあげてもらわないと〜アクビが出そうだが(笑)
1楽章の「日の出」が、やっぱ凄い。圧巻である。

エリック・カンゼル シンシナティ・ポップス・オーケストラ  1983年
Erich Kunzel
Cincinnati Pops Orchestra

録音は極めて良い。コミカルで楽しい演奏で、最後にホンモノの雷鳴がエフェクトされてオケと合体されている。どひゃーん。ここまでやるか。鳥肌が立ち、首がすくむほどの、ものすご〜 くリアルだ。カップリング:ガーシュイン 組曲「ポギーとベス」5曲
カンゼル盤は、クラシックというよりは、明るくポップスのノリで聴ける楽曲に仕上がっている。
「ど〜れらど〜 ど〜しら そらふぁど〜 れみそみれど〜」 
フルートの響きも良く、滑らかで、細かなパーカッションの音も捉えられている。ミュート付きのトランペットのノリも良い。ドラティ盤よりも、ずーっと奥行きがあり、映画のワンシーンのようにイメージしやすく、まるで音の3Dという様相だ。

これは、狭い(?)クラシック音楽というジャンルを超越しているし、アメリカ大陸に上陸って感じで、新しい歴史〜 いや、スペクタルな広がりを感じる。
まあ、細かいことは抜きにして〜という雰囲気があって、良い意味でのおおらかさがある。ってことは、じーっとソファに座って、固唾をのんで〜という聴き方をすると、肩すかしを食らうんだけどね。
ドラティ盤のような、フレーズの流麗さ、刻みの深さは、やっぱちょっと少なく平板かもしれない。
特に、1番目の「日の出」では、重厚さが感じられないのは、仕方ないところだろうか。
多分、オケの構成が違うんだろうと思うし、ドラティ盤が、壮大な絵巻を描いていただけに、こりゃ勝負になりません。

でも、3番目の「山道をゆく」では、メッチャ面白い。
山道を行く馬の蹄の鳴り方が、笑えてしまう。
パッカ パッカ パッカ・・・ ココナッツを半分に割って、蹄の音として使っているらしいのだが、こりゃ良いわ。
ドラティ盤でも笑えたのだが、より一層、コミカルな描写である。
のんびり〜 昔の白黒映画時代の西部劇を見ているようだ。
「ふぁ〜らぁ〜」音をグリッサンドするようなところや、弦をピチカートするところは、独特のコミカルさがあり、ジョークというか、おとぼけコメディみたいだ。クラリネットのねっちっこい、ジャズの即興風の節回しは、さすがに、この本場のアメリカのオケだけあって楽しめる。ブラス部分の迫力も充分で満足度は高い。

で、最後、「雷雨」では、ホンモノの雷を録音している。
CDに「雷」マークの注意シールが印刷されており、あまり大音量で聴くと、スピーカーを壊しかねないと書かれてある。って言っても、この楽曲、わりとボリュームをあげて聴かないと、面白くないわけで・・・ 
そんなこと言われたって困るんだけどな。(笑)
で、ホンモノの雷の音は、聴いてみて、さすがに〜 う〜ん。すげっ。

落雷を近くで見たとか、雷に打たれた(?!)ような経験など無いけれど、遠くで雷がゴロゴロ鳴っているだけでも怖いのだが、その雷鳴や雰囲気、怖さをを楽器で表現することに意義があるわけで〜
ホンモノを録音してくるのは、ちょいと約束破りって感じがしないでもないが・・・。
リアルさは、鳥肌モノ。雷が、ビシャっと光って、空間を走っていく音の広がりなんぞ、げっ。
あっ 落ちたっ。というバシっと叩きつける音があって、思わず首がすくんでしまう。
このホンモノの雷鳴に、オケの音を重ねてあるので、効果抜群・・・・・・すぎる。
ハイ、しばらく口がきけないですね。
雷が遠ざかってくれるのを待ってるのみ。雷鳴が終わってからの開放感は、バッチリです。

カンゼル盤は、録音が良いだけに聴き応えがある。
ホント、奥行きもたっぷり、弦の響きも芳醇な音が出ている。充分にオケで、日没から雷雨まで表現できている。オケの音だけでもメチャ迫力があり、別にホンモノの雷まで収録しなくても良かったぐらい 。
クラシックというジャンルにとどめることのできない楽曲だと思うし、こうなりゃ〜 楽しまない方が損。
そういう意味では、音での描写能力も高いし、貴重な1枚だと思う。

ウィリアム・T・ストロンバーグ ボーンマス交響楽団  1998年
William T. Stromberg
Bournemouth Symphony Orchestra

録音状態は良い。豪快で軽快。ノリノリ。
カップリング:組曲「グランド・キャニオン」、ミシシッピ組曲、組曲「ナイアガラ瀑布」
ミシシッピ組曲 Mississippi Suite
  1 父なる河(Father Of Waters)
  2 ハックルベリー・フィン(Huckleberry Finn)
  3 過ぎしクレオールの日々(Old Creole Days)
  4 マルディ・グラ(Mardi Gras)

ミシシッピ組曲は、懐かしいトム・ソーヤ、ハックルベリーをテーマにした作品である。

1楽章 父なる河
「ら〜そら ど〜れ〜みみぃ〜 ら〜そらみ れ〜どらら〜」ティンパニーのロールと、金管の和音で厳かに出てくる。チェロを主体とした、たらら ららら〜という波を描いたフレーズに、「れ〜ど れふぁ〜らそ〜ふぁそれ〜 れ〜どれふぁ〜 らそ〜」という、筏のうえで、そよそよと風が吹いている気持ち良さそうなフレーズとなる。
そして、唐突だが、賑やかな「れふぁれれっ どれどら どら〜 ふぁ〜どっど」と、お囃子風フレーズが入っている。まるで、江戸時代の火消しの一団が舞っているようなのだが、え〜 これ、アメリカ?
いずれにせよ、とってもわかりやすい気持ちの良いフレーズだ。

2楽章 ハックルベリー・フィン
子供の頃に読んだマーク・トウェインの小説「ハックルベリー・フィン」「トム・ソーヤの冒険」
「どっれふぁ〜 れどらふぁ れっどそ〜」 
「どっれふぁ〜 れどらふぁ そっらそ〜 そっらそ〜 ふぁっそふぁ〜」
冒頭は、ファゴットの旋律なのだが、ちゃっちゃちゃ〜 ちゃっちゃら〜 マーチ風で軽快な冒険心をくすぐる音楽だ。コミカルな雰囲気で、うふふ。
口笛を吹いているようなシーンも登場する。ワクワクすること請け合い。昔、福留さんが司会をしていた日本テレビの「アメリカ大陸横断ウルトラクイズ」にも登場していた。77年から98年までの、計17回開催されたようだが、懐かしい音楽である。

3楽章 過ぎ去りしクレオールの日々
クレオールというのは、ミシシッピ沿岸の地域の名前なのだろうと思うが、詳しくはわからない。
ミシシッピ河沿岸のイメージって、私の場合、どうーもかなり貧相で、ジャズと映画「風と共に去りぬ」のイメージしかなくって〜 よくわからない。郷愁を誘うフレーズだ。

4楽章 マルディ・グラ
「そっそ ら〜そら どれ〜みそ〜 そっそ ら〜そら どれ〜みれ らっら そみど れみ〜どれ〜」
「そっそ ら〜そら どれ〜みれ らっら そみど みどれっど〜」
2楽章と、この4楽章が一番有名だろうと思う。
小太鼓入り、打楽器が活躍する軽快な音楽だ。まず、冒頭で、あっ ウルトラクイズだっ。
勝ち抜き決定という場面で使われたっけ。
確か行き先は、ニューヨークだった筈。でもBGMは、ミシシッピだったのね。あ〜 今頃知りました。
アメリカ大陸を横断するわけだから、ミシシッピ河は、日本でいえば東海道の難所「大井川」みたいなもんかしらん。(笑)
しっかし、クラシックを聴いていて、面白いな〜っと思うのは、映画やCF、TV番組BGMに使われたりしていることかな。たまに遭遇して、えっ これ、なんて曲だっけ。と、調べることも多々ある。
気楽に聴ける楽曲は、なかなか貴重な存在だし、生活の一部として溶け込みやすい。

ウィリアム・T・ストロンバーグ ボーンマス交響楽団  2000年
William T. Stromberg  Bournemouth Symphony Orchestra

 →  →  

録音状態は良い。吹奏楽向き。風景描写として聴いても良いが、いささか開放的過ぎる。まっ 祝典用ってことかな。
カップリング:ハリウッド組曲、ハドソン組曲
デス・ヴァレー組曲 Death Valley Suite
  1 死の山々(Funeral Mountains)
  2 49年の移民の隊列('49er Emigrant Train) 
  3 砂漠の水たまり(Desert Water Hole) 
  4 砂嵐(Sand Storm)

上記のタイトルは、一般的に訳されているモノを掲載している。
デス・ヴァレー組曲は、「死の谷」組曲とも訳されているようだが、ちょっとなあ〜 ダサイ訳だ。
やっぱり、デス・ヴァレーという方が、格好が良いかも。 で、カリフォルニア州の100年祭 きっと、○○市制100周年みたいなモノだと思うが、その時に委嘱されたのか(詳細不明)、1949年にグローフェにより作曲された楽曲である。

ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、カリフォルニア州は、
・・・南部の多くはかつてメキシコの領土で、元々はスペイン人によって開拓されたが、1848年の米墨戦争の結果、ニューメキシコとともにメキシコからアメリカに1,500万ドルで割譲されアメリカ領となった・・・・ とある。

まっ、このカリフォルニア州創立100周年(← 創立っていうのは変だけど)を記念して作曲されたってことで、風景描写もさることながら、楽しげな楽曲に仕上がっている。
で、いろんなサイトを放浪したら直ぐに見つかると思うが、シエラネバダ山脈、ヨセミテ国立公園、デスヴァレー国立公園もあるな。って考えると、この楽曲を聴くうえで、イメージしやすいのではないだろうか。
もっともワタシ自身は、北アメリカ大陸へ上陸したことがないので〜
TVの旅行番組や写真のイメージしかないが、デス・ヴァレー国立公園内には、過酷な砂漠地帯が広がっているとのことで、いろんなサイトを放浪すると、はあ。なるほどっ。という画像に出くわすと思う。
百聞は一見にしかず。
音楽だけでなく、ビジュアルもお試しあれ〜♪

1楽章 Funeral Mountains
フューネラル山地(←ワタシ的勝手なタイトルの訳)
「Funeral Mountains」っていうのは、フューネラル山地という固有名詞になるのではないかと思う。
デス・ヴァレーにある山々の名前。まさしく、このCDのジャケット写真の山だと思う。
サイトで検索したら、これも、山のように写真が出てくる。
で、肝心の楽曲だが、冒頭・・・
「み〜 み〜しら み〜し〜ら み〜ししらみらみど ど〜ふぁ〜 そそららし」
↑ 弱音で、音がわからない。上記は適当に書いちゃった。
幽霊が出そうなほど、不気味で、し〜んっと空気のなかで奏でられる。サクソフォンだと思うが、印象的なフレーズを吹き出す。

「み〜っふぁ〜 らぁ〜し し〜ど ふぁどれ〜 みっ〜 ふぁ〜」
喉が渇いて、ひーひー 言っているのか、揺らめいて、弦が擦れている。まるで幽霊が喘いでいるようで、とっても不気味だ。この弦の響きは、どうやって演奏しているんだろう。
で、合間にティンパニーが叩かれていく。
「みしらふぁそふぁ みそふぁど みしらふぁそふぁ みそふぁら」 
「みしらふぁそふぁ みそふぁど みしらふぁらそふぁ みしらふぁそふぁ みそふぁど・・・」
トロンボーンだと思われる金管が、段々とクレッシェンドして、ドンっ。ドンっ。大太鼓も入ってくる。
とってもシンプルで、わかりやすいっ。
山の偉容と、人を拒む過酷な環境、干からびそうな乾いた空気、ふらふら〜っとなってしまうような熱気、まるで湯気が出そうな雰囲気が出ていて、雰囲気がつかみやすい。
もっと、ショスタコ風に、ギーっと不協和音でも鳴ればエキセントリックに仕上がるのだろうが、根が明るいようで、でもまあ。アメリカだからねえ。
同じフレーズだけの繰り返しでは飽きてしまうので、ちょっぴり長続きしないのが、玉に瑕。
弦の不気味さ、金管の不気味さが好感を持てる。なかなかツカミは良いんだけどな〜

2楽章 '49er Emigrant Train
1849年、移民の幌馬車隊(←ワタシ的勝手なタイトルの訳)
この2楽章の原題は、「'49er Emigrant Train」という。でも、訳がイマイチで〜 「Train」を「電車」なーんて訳すとダメ。
テストだと0点である。
これは、移民の隊列という方が良いと思う。
49年っていうのは、1849年のことで〜 カリフォルニア州が出来た時、初めて人が移り住んできた。
その時の模様を描いたモノなのだ。ちなみにカリフォルニア州は、元はスペイン領である。
これも、歴史がわからないので、再度ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみた。

・・・ 最初の来訪者 現在のデスヴァレー国立公園地域に白色人種が最初に足を踏み入れたのは、カリフォルニア州で発生したゴールドラッシュがきっかけであった。
1849年12月、およそ100台の荷馬車とともにカリフォルニア州ゴールド郡へと向かっていた2組の白色人種のグループが、オールド・スパニッシュ・トレイルへ近道をしようとして道に迷い、巨大な谷に入り込んでしまった。
後にベネット・アーケイン移民団と呼ばれた彼らは数週間もの間、この谷から脱出する道を見つけることができず、生き残るために数頭の牛を食べることを余儀なくされたが、この谷に数多く存在する泉から飲用水を確保することはできた。彼らは荷馬車を捨て、起伏の激しいウィンゲート・パスを通ることでようやく、この巨大な谷を脱出することができた。

言い伝えによると、この谷から脱出した直後、一団の中の一人が「グッバイ・デスヴァレー(Goodbye Death Valley; 死の谷よ、さようなら)」と言ったとされており、これがデスヴァレーという名前の由来とされている(中略)
その後、この一団のメンバーであったウィリアム・ルイス・マンリーが自叙伝『Death Valley in '49』でこの旅の詳細を述べたことにより、この地域に関する情報は大衆へ広まった(地質学者たちはその後、有史以前にデスヴァレーを満たしていた湖に対して、マンリー湖という名を付けた)。

ハイ、ちょっと調べただけで、よ〜くわかりましたねっ。
幌馬車で砂漠地帯を(デスヴァレー)を横断しようとした際、涸れた大地だったため、水に枯渇したんだろうね。木管とチェレスタかな〜甲高い音で、「れどしら しらそふぁ そふぁみれ・・・」
半音階の音階が鳴るなか、ティンパニーが入ってきて、死の谷に近づいている隊列が、「どふぁふぁ どふぁふぁ・・・」と、マーチ風に奏でられる。
で、何度かムチがしなって鳴っている。ホルン「れそ〜 ふぁどみれ〜 れどしら〜 どしらそ〜」
途中、ガチョウが鳴いているような音がしたり、どそどそ・・・とティンパニーが鳴っていたり。
短いフレーズのなかで、一生懸命、描写している。で、インディアン(原住民)風の描写があったり、グリッサンドが入ったり、忙しいっ。 でも、基本路線は、開放的なブラスのマーチング風である。
「どぉ〜 ふぁそみれ〜 れどしら〜 どしらそ〜 れれ そ〜 ふぁそみれ〜」
↑ 恥ずかしい。照れくさいほどの開放感で、繰り返される。
やっぱ、ポジティブだ。砂漠に挑戦しても、困難に屈せず、何事にも前向きだなあ。と感心してしまう。

3楽章 Desert Water Hole
砂漠のなかで見つけた泉(←私的勝手なタイトルの訳)
まず、木管で怪しげな雰囲気に包まれる。「ふぁど〜 らそ〜 ふぁど〜 らそ〜」
まるで、困ったぞ〜っと呼応しているようで、道に迷っている雰囲気がする。
「そそそ・・・ ふぁしどらそ ふぁしどらそ〜」 ちょっと困った雰囲気なんだが。その後、すぐに転換してしまって、明るい陽射しが射し込んでくるような感じになるのだ。
「み〜そ〜ど〜れ〜 れぇ〜みみ〜 ふぁ〜み〜れ〜 どぉ〜しどどぉ〜」
はぁ? と、キツネに騙されたかと思うほどのコラール風 おまけに鐘が鳴る。 まっ これが、砂漠で迷った後、泉を見つけたらしいのだが、あまりに速すぎ。 その後は、雰囲気ががらり〜っと変わる。一気に、歌曲へ変身である。
スティーブン・フォスターの「おお、スザンナ」や「スワニー河」が引用され流れてくる。
「し〜 らそしら そっそみそ〜 れ〜 しそら〜」
「そらっ しれっれみ れしそ〜ら しっし らそら〜 そらっ しれっれみ れしそ〜ら しっし ららそっ」
「どっど みみ〜み れれ しそらっ そらっ しれっれみ れしそ〜ら しっし ららそっ」 

はあ? どーなっとるんじゃ。この楽曲っ。目が回るっ。
一貫性が無いって言うか、いろんなモノをイッパイ詰め込みすぎで、展開速すぎっ。
う〜ん。こりゃ酷い。
まあ。ゴールドラッシュってことで、一攫千金を夢見た時代なので。
この時代風景を描くなら、まあ、めまぐるしいのも仕方ないかっ。この楽曲、やっぱり、アメリカだよな。
欲に、かたまっているんじゃ〜 強烈で、強引な展開だ。
で、タイトル、泉を見つけて喜びに沸くっていうより、ホントは、一攫千金の「金」でしょう・・・。
「Desert Water Hole」を、私的勝手な意訳をしちゃうと、砂漠の水たまり→ 砂漠のなかで見つけた泉→ 砂漠のなかで夢見た金 ってことになっちゃうかな。
(ここまで来ると、ちょっと呆れ気味。好きにしてくださいっ。)

4楽章 Sand Storm
これは、前半は原題どおり「砂嵐」だと思う。
「ふぁ〜ら ふぁ〜ら ふぁ〜み ふぁ〜み」 弦が風を表し、しゅわ〜っと風が吹いてくる。
効果音として、シャーっと鳴る布を巻き付けたウィンドマシーンでも回しているのだと思う。
あまり激しくない雰囲気で、シンバル、金管が鳴る程度。
まあグランド・キャニオンのように、雷までは登場しないし、ご大層には鳴らないが、最後は、大太鼓と銅鑼で締めくくっている。
でも、この砂嵐、意訳すると、ゴールドラッシュよ、さようなら〜
現実は、やっぱり厳しいっ。ってことになるんでしょうね。
あんなに、フォスターの歌を歌って、陽気に騒いでいたのに、次の楽章は砂嵐だもんね。

でも、さすがに「砂嵐」では終われない。後半は、カリフォルニア州よバンザイっ。
100周年おめでとう。っていう、祝典の楽曲だと思うので、やっぱ結論は、未来に向かって明るく生きましょう。ってことになるんでしょうなあ。 ってワケで、砂嵐は、あっという間に去って2楽章の最後で使われた開放的なフレーズが登場する。
「どぉ〜 ふぁそみれ〜 れどしら〜 どしらそ〜 れれ そ〜 ふぁそみれ〜」
ハイ、めでたし、めでたし。
あと、カップリングとして、ハリウッド組曲・ハドソン組曲とあるのだが、もう〜今は充分でゴザイマス。(笑)

組曲「グランド・キャニオン」
1982年 ドラティ デトロイト交響楽団 Dec ★★★★
1982年 カンゼル シンシナティ・ポップス管弦楽団 Telarc ★★★★
1998年 ストロンバーグ ボーンマス交響楽団 Naxos
ミシシッピ組曲
1998年 ストロンバーグ ボーンマス交響楽団 Naxos ★★★★
デス・ヴァレー組曲
2000年 ストロンバーグ ボーンマス交響楽団 Naxos ★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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