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ヤナーチェク 狂詩曲「タラス・ブーリバ」
Janáček: Rhapsody "Taras Bulba"


ヤナーチェクの狂詩曲「タラス・ブーリバ」は、ゴーゴリの同名の小説に基づく標題音楽で、1918年に作曲されています。
ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると

第1曲「アンドレイの死」
アンドレイは、コサックの首領タラス・ブーリバの次男なのですが、ポーランド人の将軍令嬢と恋に落ちます。
冒頭のコーラングレーとオーボエ、ヴァイオリンによる情熱的な旋律は、ロマンティックな情感を示唆しています。いたるところで影を孕んだ楽曲は、不穏になり、ポーランド軍とコサック軍との戦闘を描写します。
怒れるトロンボーンは咆え、鐘は鳴り、トランペットは勝ち誇って叫び、アンドレイはポーランド軍に加担しますが、自分の寝返りを知った父親と接戦し、投降するとその手にかかります。曲末で愛の場面の音楽が短く回想されるもの。

第2曲「オスタップの死」
タラス・ブーリバの長男オスタップは、弟アンドレイの死に悲嘆に暮れますが、戦場でポーランド軍の捕虜となり、ワルシャワに連行され、拷問の末に処刑されます。タラス・ブーリバは、変装してワルシャワに潜入しますが、息子の最期を目の当たりにして、息子に向かって呼び掛けてしまいます。曲末での猛々しいマズルカは、ポーランドの勝利を示唆するもので、タラス・ブーリバは暗いトロンボーンの音色によって演奏され、オスタップの断末魔は甲高いクラリネットによって再現されます。

第3曲「タラス・ブーリバの予言と死」
コサック軍は、オスタップの仇討ちのために転戦しますが、ブーリバは、ドニエプル河畔で捕らえられます。ポーランド軍によって、火炙りにされる前に挑発的な予言を叫びます。軍楽やトロンボーンによるタラス・ブーリバの雄叫びの声にあふれていますが、静かなパッセージになって、ブーリバの捕縛を描写します。
予言は、金管楽器とオルガンの煽情的なパッセージで描写され、鳴り響く鐘と、誇らしげなエピローグによってクライマックスに至ります。

ワタシは子供の頃に少年少女向けの文学全集で読んだだけで、その後、このゴーゴリの小説を読んでいません。
このストーリーを知ったうえで、このヤナーチェクの楽曲を聴かないと、ちょっとイメージがわきづらいかもしれません。勇壮果敢な場面と共に、甘いフレーズ、そして悲痛な叫びが織りまぜられ、鐘とオルガンが効果的に聞こえてきます。
ストーリーだけを見ると、どこか、現代にも繋がる負の連鎖が見てきて悲しいです・・・。

ハインツ・レーグナー ベルリン放送交響楽団 1980年
Heinz Rögner
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
(Berlin Radio Symphony Orchestra)

ばっちグー!


録音状態は良い。見通しの良い演奏で、さほど土俗性は感じないけれど、充分に聴き応えがあり、ストーリー性も高い。
カップリング:
1〜3 ヤナーチェク 交響詩「タラス・ブーリバ」(1980年)
4〜8 ヤナーチェク シンフォニエッタ(1979年)
冒頭から、コーラングレとオーボエとのフレーズが、甘く奏でられてて始まる。
「しらふぁ〜 そぉ〜れぇ〜 みれ どぉ らぁ そ〜ふぁ〜 みぃ〜ら〜 そふぁみ〜ふぁ〜」
「れしぃ〜 どぉ れらぁ〜そ れしぃ〜れ ら〜 そぉ〜」

続いて、ソロヴァイオリンによる「れしぃ〜 どれぇ らぁ〜〜そぉ〜」このフレーズは、とっても美しい。
鐘が鳴り、オルガンが寂しげなフレーズを鳴らす。
再びコーラングレの「みそどぉ〜れぇ〜 れそどぉ〜れぇ しぃれ らぁ〜そっ」
ここのコーラングレは、オーボエのように細身で、オルガンのフレーズが、もわっとしており、クリアーでないぶん、なんか不気味さが表れているようでもある。

鳥の鳴き声のような木管の響きは静謐だし、すーっとした冷たい空気感があり、ほの暗さが醸しだされている。
戦闘前の緊張感が出てくる。夜だなぁ〜って感じがイメージされる。
スネアの音が、甲高いヴァイオリンの音が、「どらふぁ そぉ〜みぃ どらふぁ そぉ〜みぃ〜」と、夜空をつんざくような暗示を奏でる。コーラングレは、男女の愛情表現なのだろうが、甘い時間は長く続かない。
レーグナー盤は、透明度の高く、甘く歌わせている。鐘の音も良く聞こえるし、間合いもゆったりしている。
しかし、その反面、シャンシャンっと入ってくるシンバル、土俗性の高いトロンボーンとティンパニーの泥臭さ、ぼぼ ボンボンっと響くティンパニーの音が、なかなかに不気味だ。
どうやら、トロンボーンは、父ブーリバの怒り鉄拳が飛んでいるらしいのだが〜 ちょっと、そのストーリーを音楽が、一致しないと、わかんないですねえ。

トランペットの甲高い音や、弦は、幾分ピッチが高いのではないかしら〜と思わせるほど、両極端を綺麗に描いている。
で、あまり土俗性が高いわけではないのだが、静謐でありながら、熱い。
「どらっそふぁっ ふぁれっ どしっ ふぁれっどっし しらっそふぁっ」と、キレのよい演奏で、怒濤のように戦闘態勢っ!という感じも受ける。

2楽章
「ふぁ〜 そっふぁっ ふぁっどっ そっれっ れっどっらっみっ しそっ ふぁみしそ れふぁっ・・・」
弦のキレのあるパッセージは、連行されている様を描いているらしい。
レーグナー盤の弦のキレは、とても美しく、鋭いが綺麗な余韻を残している。
ピッコロの舞曲風フレーズと、かしげたヴァイオリンの「みれどそ れら (タランタラン) みれどそ れら(タランタラン)」
低弦の、「みれれら みれそれ らみ られ そみ・・・」という行進風の音と、女性的な「れれぇ〜どしどら〜」という甘いフレーズが絡む。う〜ん これはどんなシーンなのだろう。どうやら、勝者のポーランド軍が、戦勝ムードで舞曲を踊っているらしい。クラリネットが、長男オスタップを描写しているらしいので、プラッター音と、クラリネットの「れどそぉ〜みぃ〜っ」という音と、シンバルのチャチャチャン・・・で、終わるんですね。ふむ。

3楽章
ウサギが草むらで隠れているかのような感じの雰囲気から始まる。
「んた たた たぁ〜」というリズムと、木管と不穏な弦のフレーズで、たぶん、ブーリバさんが逃げているのかな〜と思うのだが、どうだろう。
そのうちに、弦の甘いフレーズが聞こえてきたり、舞曲が聞こえてきたり、トロンボーンの高らかな誇らしげなフレーズが聞こえてくるのだが、平和への祈りに近いものなのだろうか。
ホルンの、のどかな音といい、ストーリー展開の速さについて行けないのだけど〜
シンバルの音に、「しっふぁふぁっ」という金管、弦の滑るような短い音が断片的に綴られる。

そして、終盤は、オルガンが入ってくる。「しぃ〜らふぁ〜 みぃ〜れらぁ〜 そぉ〜 ふぁどしふぁ〜」
「そら どぉ〜れら らぁ〜 そぉ〜 れどぉ〜」 レーグナー盤で聴くと、オルガンの音が少し大きめなので、バックの弦のフレーズが聴き取りづらいが、「れら しふぁ れら しふぁ・・・」と、鐘が打ち鳴らされて、うねりが段々と大きくなって、荘厳に重ねられて終わる。ここでコーラスを入れたら、さぞや〜という雰囲気に包まれている。
まだ、ラストには、ソロヴァイオリンが演奏しているが回想的に奏でられるが、「れら しふぁ れら しふぁ・・・」と、鐘とオルガンの和音が、荘厳に余韻を残して終わる。
レーグナー盤では、ラストの余韻を残して欲しかったのだけど、ちょっと、ぷちっと言う感じで終わってしまった。

総体的にはスマートで、冷静な感じがして、血なまぐささやリアル感はないし、泥臭さもさほどないけれど、内声部の木管が良く聞こえて、とても見通しの良い演奏となっている。けっして分厚い音ではないが、荘厳さも充分に感じられて好ましい。

1970年 クーベリック バイエルン放送交響楽団  
1980年 レーグナー ベルリン放送交響楽団  DS ★★★★
1980年 マッケラス ウィーン・フィル Dec  
所有盤を整理中です。

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