「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

ハチャトゥリアン 仮面舞踏会・ガイーヌ
Khachaturian: Masquerade Suite, Gayaneh


ハチャトゥリアンは、1903年トビリシに生まれたアルメニア人の作曲家です。
交響曲3曲よりも、バレエ音楽「ガイーヌ(ガヤネー)」「スパルタクス」「仮面舞踏会」という劇音楽が有名です。

ガイーヌはフランス語読みで、本来は「ガヤネー」と読むそうですが、この曲は4幕のバレエ音楽で、1942年に初演(52年改訂)されており、原典版や組曲版(第1〜3組)もあります。

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、
ガイーヌは、コルホーズの会長の娘で、ソビエト軍の領地に密かに侵入しようとする不審者を捕らえる手伝いをしている。アルメンと恋仲だが、アルメンのライバルであるギコは、心ならずも敵の手伝いをしている。倉庫に火を放ったりするが、しかし、最後には、集団農業のを営む人々の勝利に終わるという筋らしい。
しかし、原典版と改訂版では、ガイーヌの兄が夫役に、夫が恋敵の悪役に変更になっているのです。
はぁ? よくもまあ、そんな大胆な変更をしましたね〜 ストーリーも大幅変更では?と思うのですが、ストーリーよりも、
クルド人が剣を持って舞う「剣の舞」や、コーカサス地方の舞曲「レズギンカ」が、特に有名で、スピードを競うかのように演奏されます。

仮面舞踏会は、劇音楽として1941年に作曲され、44年、本人より5曲が選ばれて組曲になっています。
物語は、帝政ロシア末期のころの貴族社会が舞台で、凄腕の賭博師アルべーニンが、負けが込んで全財産を失う寸前の若い公爵の代わりに博打をして、勝って、公爵の失った財産の回収に成功するというものです。

ロリス・チェクナヴォリアン  ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1976年

Loris Tjeknavorian
National Philharmonic Orchestra

ばっちグー!


録音状態は極めて良い。演奏は、とても洗練されており、アンサンブルもピッタリとあわさってて、極めて見通しのよい演奏で、シャンシャン、ドンドン、バンバンっと、圧倒的な音響とリズムで、ハチャトゥリアンの世界に酔いしれることができる。
バレエ音楽「ガイーヌ」全曲 2枚組BOX
ガイーヌ 全曲版(チェクナヴォリアン盤) 

ハチャトゥリアンの管弦楽曲は、ハデハデである。
いつもベートーヴェン、ブラームスをお聴きになっている方は、すぐに眉をしかめてしまうかもしれないほど、かなり血の気の多い楽曲が多いのだ。ひとことで言っちゃうと、品に少し欠けているかも。まあねえ〜 確かにねえ。
ロシアのなかでも、あのチャイコフスキーは、別格で、とてもヨーロッパに近い雰囲気を持っている。
それでもハデハデの序曲1812年を創作しているが、それに比べると、ハチャトゥリアンは、ヨーロッパに媚びてないというか、自分のDNAを信じて疑わなかった方なのかもしれません。

さて、このガイーヌの全曲。チェクナヴォリアン盤は、76年の録音だが、超びっくりの極めて良い録音状態である。
1枚目は、やっぱり少し地味めの曲が多いが、2枚のCDでは、冒頭の序奏より、スネアの鋭い響きとピッコロの踊るフレーズのレズギンカで始まる。
おおっ いきなりのスタートで、有無を言わさずテンション、いきなりマックス状態に。
小太鼓の枠を叩いているんだと思うのだが、カンっ!という乾いた大きな音にまず驚かされ、ピッコロと金管の鋭い音だが、綺麗な演奏で、録音も良いので満足だ。それにしても、スネアの横にマイクがあるのだろうか。

「ふぁ〜そ らそら そっふぁ〜 ふぁ どぉ〜し らそら しらそ」
「ふぁ〜そ らそら そっふぁ〜 ふぁ どぉ〜し らそら しらそ」
「そぉ〜ら しらそ らっそ そ れぇ〜ど しらし どしら」 「そぉ〜ら しらし らっそ それぇ〜ど しぃ〜」
まあ、臆面もなく派手にやっていただくと、スカッと聴けてしまうわけで、この始めのフレーズだけで、既に大拍手です。

ガイーヌ全曲版

1  序奏とロシア人の踊り (←出だしのファンファーレは、まるで映画20世紀FOXのファンファーレみたいだ)
2  クルドの若者たちの踊り (← らっらそ らっらそ らっらそ らららそ らっらそ らしらそ・・・)
3  綿花の採集 (← 木管フレーズ主体の穏やかな曲)
4  山岳民族の踊り (← 高い跳躍を繰り返しているかのような舞踏)
5  歓迎の踊り (←ピアノとヴァイオリンで、チャーミングな舞踏を繰り広げる)
6  ガイーヌのアダージョ (← ガイーヌは主人公)
7  ヌネーのヴァリアシオン(← ヌネーとは、ガイーヌの同僚の女性)
8  老人とカーペット織りの踊り (←この地方では、綿花からカーペットを織っているのね)
9  子守歌 (ガイーヌが子供を寝かしつけている場面)
10 アイシェの目覚めと踊り (←アイシャとも呼ばれるが、クルド人の娘 原典版と改訂版で役柄が変わるので?)
11 カーペットの刺しゅう (← まるでペルシャ絨毯を作っているかのような雰囲気で演奏される)
12 火焔

13 レズギンカ(← スネアの勢いがすごい演奏で、超快速ではないが縦のラインが合った演奏で、2:33のクレジット)
14 叙情的な二重奏
15 ガイーヌとギコ (←ギコとは、原典版ではガイーヌの夫  改訂版ではガイーヌの恋敵)
16 アルメンのヴァリアシオン(独舞) (← 恰幅の良い男性が、勇壮な舞踏をしている感じ)
17 情景 (← ソロ・ヴァイオリンが、大変美しい旋律を奏でる)
18 ガイーヌのヴァリアシオンと終曲の踊り (← 主人公ガイーヌの優美な踊りで、ハープが綺麗に奏でられる)
19 第4幕への序奏 
20 ばらの少女たちの踊り
21 剣の舞 (← ご存じの名曲? 超快速ではないが縦のラインが合った演奏で、2:20のクレジット)
22 序奏と長老の踊り
23 ゴパック (←ゴパックともホパックとも呼ばれるウクライナ地方の両脚両腕を水平に広げて跳躍する民族舞踊) 
24 終幕の情景

まあ、全曲版を聴くよりも、剣の舞(Sabre Dance)、レズギンカ(Lezginka)ぐらいだと、動画サイトで観る方が、手に汗握るかのように、エキサイトできるので、あえて全曲版をお買い求めにならなくともよろしいかと。
もし、自宅で大きなスピーカーで、ド迫力で聴きたい方には、抜粋盤をお薦めしますねえ。
当盤の全曲版だと、2枚組で、片面で約50分×2枚という時間が必要です。


スタンリー・ブラック ロンドン交響楽団 1977年
Stanley Black
London Symphony Orchestra

録音状態は良い。
カップリング:ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲 ヴァイオリン:リッチ(1956年)
ピアノ協奏曲 ピアノ:ラローチャ(1972年)
組曲「仮面舞踏会」 ブラック ロンドン交響楽団(1977年)
交響曲第2番「鐘」 ハチャトゥリアン ウィーン・フィル(1962年)

組曲「仮面舞踏会」
ブラック盤は、5曲が収録されている。
1 ワルツ  2 夜想曲  3 マズルカ  4 ロマンス  5 ギャロップ

1 ワルツ
う〜ん。ちょっぴり表情が、のっぺりしているような気がする。力加減が一般的というか、初めに聴くには悪くはないのだが、几帳面って感じというか、もっと表情が濃くても良いんだけどなあ。と思ってしまった。いや、ワタシが濃いのを欲求しすぎなのかもしれないのだが・・・。
ラザレフ盤は、ちょっとかすれ気味で、前のめりで、ヒスを起こす直前の危なさみたいなモノがあるのだが、ブラック盤は、ちょっぴり、普通というか通俗的すぎるかもしれない。 この曲は、ちょっぴり悲しさというか、哀れさとか、危なさ、うら寂しい場末の匂いのようなモノが欲しいのだが、ちょっと健康的という感じなのだ。
明るくて、のびやかで、一般的に聴くには、文句ないほど、フレーズのツカミが良い。ここで、これぐらいのテンポに落として、で、ためて〜という感覚が絶妙で、ツボ にハマル。(← っていうか、はめられる) 録音状態は、まずまず良い。

3 マズルカ
「れ〜ど しっしっし〜 どれふぁ  そっらそっふぁ〜 どれふぁ そっらそっふぁ〜・・・」
優美なワルツが、さあ、これから始まりますよ。という感じで、出だしより豪勢である。
音の広がりも良く、聞きやすい。通俗的ではあるが、フルートの響きも優美で、テンポもまろやかに、映画音楽っぽく鳴っている。
まあ。この楽曲は、これで良いんじゃないだろうか。CMみたいだけど。
ロシアのオケじゃないので〜 「たらら らん たらら らん」と、まろやかにエレガントに、癖もあまり感じず、中庸的だが、一般的で良いや。(笑)

4 ロマンスは、緩楽章で、ラブロマンス的な映画音楽みたいだ。ハチャトゥリアンって、暴力的な舞曲ばかりじゃなくって、メチャ甘いフレーズを書く名人なのだ。超あまあまのフレーズで、泣けちゃうぐらいに甘い。
トランペットのソロも良いし、弦やフルートが絡んで、これだけ甘いと泣いちゃうな。 あ〜 映像が欲しいなあ。
「そ〜し どれれそふぁ〜 ふぁ〜ら〜  そ〜し どれれそふぁ〜 みふぁれ〜どれみど〜」
ハチャトゥリアンさま、恐れ入りました。

5 ギャロップ
この曲は、ロシア風フレンチ・カンカンって感じの、ハチャメチャ舞曲である。 お下劣な踊り方で、どうやら、無様な格好で、ドタバタぶりを諧謔的に書いてあるようだが、それにしても、この楽器は何なの?木管なのだ。
オーボエとクラリネットだと思うのだが、3音、いや違うなあ。2音程度離れて吹いているのだろうか。
なにせ、鼻に掛かった音で、綺麗な和音にならず、ンジャンジャンジャンジャ ジャジャジャジャ〜 先程までは、優美だとブラック盤をほめていたのだが、こりゃ〜 すごい。ちょっと・・・ どん引きしちゃうほど、品がなく、下劣きわまりなく、メッチャ笑えるコミカルさを奏でてくる。
でも、ブラック盤は、何か違うような気がする。ハチャトゥリアンじゃ〜なくなってしまっているような気がする。
何故なんだろう。ロシア臭くない。 土俗っぽくないのかもしれませんが、これでは、ロシアというよりも、歓楽街へと繰りだしたおいちゃんみたいで、ジャズっぽく聞こえるし、ラスベガス的というか、ミュージカル映画っぽいかもしれません。
また、録音状態が、イマイチなのでモノ足らないと思います。


テミルカーノフ ロイヤル・フィル 1985年
Yuri Temirkanov
Royal Philharmonic Orchestra



録音状態は良い。 なかなかにヌケに良い音だ。とてもリズミカルで、ノリノリ感がある。さほど、ローカル色が強いわけでも、土俗的でも重量級でもないが、色彩が鮮やかで、派手で、郷愁あふれるフレーズは甘く、豪快さもあって〜
いろんな要求が満たされており、満足しました。
カップリング:ハチャトゥリアン バレエ音楽「スパルタクス」(1983年)
バレエ組曲「ガイーヌ」 (1985年) いずれも抜粋盤

バレエ音楽「スパルタカス」
1  舞曲とバッカナール
2 フリギアとスパルタクスのアダージョ
3 情景と踊り
4 カディスの娘の踊りと反乱軍の接近〜スパルタクスの勝利

バレエ組曲「ガイーヌ」
1 ゴパック
2 剣の舞
3 アイシャの踊り
4 バラの乙女の踊り
5 山岳人の踊り
6 子守歌
7 クルド族の若者たちの踊り
8 アルメンのヴァリエーション
9 レズギンカ

このテミルカーノフ盤は、上記のように、バレエ組曲「ガイーヌ」において9曲が収録されている。 結構、ナイスな選曲で、ガイーヌ好きにはタマリマセン。

1曲目のゴパックから、ハイ、コサックダンスが始まります。
「そぉ〜ふぁ みみっ れみふぁ〜れ みっみ〜  そぉ〜ふぁ みみっ れみふぁ〜れ みっみ〜」
「れぇ〜み れど しどれ〜し らしどぉ〜ら そっそぉ〜」
最初は穏やかだが、目が回る酒乱のような場面に変わっていく。 金管の破裂音が、なんだか汗くさく、お酒の臭いをまき散らしていくかのようだ。
単純なフレーズだが、あー なんて舌の回る金管たちだろう。
もちろん、剣の舞も超快速で、「そそそそそ・・・ タララ ららら・・・ ふぁぁ〜れぇぇ〜 ふぁぁ〜れぇぇ〜」
分厚いドスの効いた金管の鳴りっぷりというよりは、吹奏楽のテクかもしれません。 スマートなテクニシャン的な演奏だが、バランスのとれた豪快さがあり、爆演でも怪演奏でもない。 ハイ、きちんと丁寧に演奏されています。

アイシャの踊りは、「らみぃ〜み みっみ みぃ〜ど れどれ〜 みどれ〜 らど〜どら ど〜ら どら〜っ」
怪しげな妖艶さのある踊りだが、よく歌っている。「らっ らどしど らっ らどしど らそら〜 らそら〜」
引きづった足元が、やっぱり〜 妖艶だっ。金管とハープの響きも綺麗に入っている。
バラの乙女の踊りは、「みぃ〜ら らっら らっそっ らしら〜 ら〜らっみ らみみら らっそ らしら〜」
木琴とトランペットの戯けた可愛いフレーズだ。よく弾んでいるし、弦の跳ねも、金管の可愛い破裂音も綺麗で、色彩的にも鮮やかである。鮮度が高いというか、高い音域が、ホント、キラキラと煌めいている。

山岳人の踊りは、分厚い金管、チューバで「み〜そ〜 ふぁ〜 み〜」と奏でたあと、軽めのパーカッションが叩かれるなか、「れ〜ら れ〜ら れ〜ら れ〜らっ・・・」と、笛吹を吹いたように踊っていくのだが、どこか、ドスコイ ドスコイっと言っているような感じで厚くて重い。
フンドシ一丁になって腰を落として、「ふぁっふぁみ ふぁっふぁみ ふぁっふぁ ふぁ〜み」と、リズムをあげていくものの、なんだか滑稽ですね。重さに比べて、そのスピードが速いので、驚きでもあり、滑稽さも感じられるというところでしょうか。
木魚風パーカッションが、なんとも間抜けた音で、しつこく鳴っており、奥で、ドっ シャーンっと銅鑼は鳴るし、アハハ〜
なーんだか、やっぱり変ですね。「タッタラ た〜た タッタラ た〜た」と、勇壮ではあるが、ホント滑稽でもある。
音量をあげて、シャンっ! と終わってしまうところが、えっ 終わり? あらら〜なんじゃこりゃ。
でも、これこれ、このコミカルさが面白いっ! この楽曲の楽しさに、声をあげて笑えてしまいます。

子守歌は、横笛的なオーボエで、東洋的なフレーズで郷愁感もあり、懐かしい風景が広がる。
「みぃ〜〜〜〜 みぃ〜れど〜 み〜れどぉ〜 ど〜ら〜しぃ〜〜 そら そら〜そ〜ふぁ〜そぉみ〜」
フルートの音色も優しく、「そらしぃ〜し しら〜し そらし〜しらら〜 そらそら しみれ し〜」
木管は、甘さは控えめだが、より一層、郷愁が漂います。
弦が入ってくると甘さが加味されるが、鈴の音色も入ってくるし、合いの手の木管が、「そふぁみ そふぁみっ しみみ しみみ〜」と奏でると、なんとも日本の農村風景です。
あ〜っ これだからこそ、このフレーズが、ハチャトゥリアンの好きというところに繋がるのかな。と、ハートとガッシリとつかまれます。また、頭のなかの、カラダに染みついたDNAが、一気に甦りそうです。

テミルカーノフ盤は、とろとろの濃厚さよりも、どちらかと言えば、さっぱり系なのだが、官能的な要素もあり、牧歌的なフレーズ、切ないフレーズを、かなり丁寧に演奏してくれる。 クルド族の若者たちの踊りは、ピアノが使われているのだろうか。
クラリネットのグリッサンド的なフレーズと、弦が絡んでいくところが面白い。
「どしら〜 どしら〜」 木管と、弦を弾いた音と、「らっらそ らっらそ らっらそ・・・」
「みみみど れれれし そっみ そっみ ふぁっれっ ふぁっれっ」  「らっらそ らっらそ らっそ らららそ らしらそ・・・」 終わりにかけて、派手に鳴りっぷりもよろしいかと。 アルメンのヴァリエーションは、金管の弦の上昇気流が爆発する。
「っそ っふぁみ れっど れっ パッパパ〜」「っれ どっし れっふぁっれ〜」
木魚風パーカッションと、金管のおどけた跳ねるフレーズが、単純なフレーズだからこそ、鮮やかに印象に残ります。

ご存知レズギンカは、ムチがしなって、「ふぁっふぁっみ ふぁみっふぁみっ ふぁみふぁみ れどしら・・・」 
「ふぁ〜そぉ らそら そぉふぁ〜 ふぁど〜し らそら そふぁ〜」
スネアのリズムも、きっちり入っているし、シャンシャンっという音も、かなり入っているし、満足できる。
「れぇ〜 ららら ららら しらそ ら〜」のアクセントも粘りも、そこそこにあって、 超快速バージョンではないが、熱いし、聴き応えもバッチリあります。

ホルンの音色もいいし、変な蛇使いのおじさんでもないし、どこかの楽器だけが、例えば、スネアやシンバルだけが超目立っているわけでもなく、かなりバランスが良い演奏です。録音も文句なく良いし、 及第点以上の演奏だと思う。
確かに、オクニモノであるロシア系のオケは爆発的で聴き応えはあるのだが、このテミルカーノフ盤は、収録されている曲が多いことと、録音状態が良いことと、演奏バランスの良さに注目したいですね。
CDジャケットは、ちょっとダサイのですが、ワタシ的にはこの演奏は大・大満足です。


アレクサンドル・ラザレフ
ボリショイ歌劇場管弦楽団(ボリショイ交響楽団)1993年
Alexander Lazarev
Bolshoi Symphony Orchestra

← 仮面舞踏会   ←ガイーヌ おおっ さすがに〜♪

録音状態は、まずまず。仮面舞踏会は2曲のみの収録
ブンチャッチャ・・・のイメージだけどノリは良い。ガイーヌは、迫力満点っ。
カップリング:「スパルタクス」「ガイーヌ」「仮面舞踏会」

「ガイーヌ」
 1 剣の舞  2 バラの乙女たちの踊り  3 アイシャの目覚めと踊り  4 レズギンカ
「仮面舞踏会」
 1 ワルツ  2 マズルカ
「スパルタクス」
 1 スパルタクスとフリーギアのアダージョ  2 ギリシャ奴隷の踊り  3 エジプトの乙女の踊り
 4 序奏、エナギとガルモジーのアダージョ  5 エリナのバリエーションとバッカス祭
 6 情景とクロタルを持った踊り  7 ガダィタネアの娘の踊り スパルタクスの勝利

組曲「仮面舞踏会」

ラザレフ盤の仮面舞踏会は、2曲のみの収録である。

1 ワルツ
「ら〜どら し〜そみ らどら ど〜ら し〜みし」 ブンチャッチャ ブンチャッチャ ブンチャッチャ・・・
「そぉふぁ〜ふぁみ そぉ〜ふぁふぁみ ら〜そそふぁ〜」
弦の旋律が遠くて、ちょっと聞きづらく、録音状態は、最近の割には、仮面舞踏会は、イマイチぬけが良くありません。
弦の主旋律より、低音の金管フレーズの方が勝っており、ちょっとバランスが悪いかも。
で、 弦の追いかけて、絡みついていくようなフレーズが面白いのだが、粘着質のある演奏ではなく、主旋律の切なくなるような甘いメロディよりも、ラザレフ盤は、ブンチャッチャ。ブンチャッチャ。の重いリズムが生命線となっているようだ。

で、このブンチャッチャ〜が、よく響いて乗れるのだが、テンポがせっかちで、ちょっと速め。
金管の明るい音とシンバルが強めで、ジャンジャンっ〜と響くっ。
低弦の音も入っているのだが、さすがに、ブラスとシンバルが、めだってよく鳴っているため、ぐわーっんとした響きだ。
木管の音があまり聞こえず、色彩的にも乏しく、力まかせってところでもないだろうが、管弦楽曲というよりは、どこか、吹奏楽風になってしまっているような感じがする。
特に、弦のフレーズ、高音に響くコミカルな音が〜聞き取りづらいのだ。 
「ふぁ〜そふぁ ふぁ〜ら らどみ〜 ・・・ っみれど〜 ふぁ〜そふぁ〜らどふぁ〜」
「っみ れ ど〜」と言うタメが、ちょっと少し弱くて〜 頂点をあっという間に過ぎてしまい、タメ感が欲しいところ。
早口のワルツで、ちょっと、もったいない。最後のブラスのタメは、う〜ん。充分すぎるほどで、やっぱり〜 ラザレフさんは、ブラスなんだと、思っちゃった次第です。甘いフレーズを追いかけていく楽しみは、少ないかもしれません。

2 マズルカ
「れ〜どしっ しっしし〜 ふぁられどっしら〜」
出だしの派手な感じが、うふふっ。軽快なマズルカで、「ちゃら らっら らら らっらら〜ん」 この弾み方は良い。で、「どしらっ どしらっ・・・」というフルートの響きも良く入っているし、ノリノリだ。
「らっれ〜 しっれ〜 られ みっれみっれ しっれ〜」  ハイ。開放的で楽しげで、文句ありません。
仮面舞踏会が、5曲が入っていれば良いのに。2曲のみとは寂しいっ。残念でした。
ラザレフ盤は、「ガイーヌ」がメインです。

バレエ音楽「ガイーヌ」
ラザレフ盤の「ガイーヌ」は4曲収められている。
1 剣の舞、2 バラの乙女たちの踊り、3 アイシャの目覚めと踊り、4 レズギンカ

冒頭の「剣の舞」は、そりゃ〜 もう、絶句しそうなほどの速さである。
録音状態も良いので、ンジャンジャと鳴り始めたら、「っそそそそそ・・・」という木琴のリズムに乗せられて一気呵成に連れて行かれる。まあ〜よく通る音で気持ちがよい。
途中、金管の「ぱら〜ぁっ ぱら〜ぁっ」 ティンパニーのドンジャン ドンジャン・・・
強烈極まりないが、これがまた快感。
中間部の「らしど〜みそし〜そ らし〜どれど みそし〜そ らし〜 どれふぁ〜」と不可思議な半音階でのぼっていくところの甘さっ。チェロの渋い甘さがタマラン。
派手さだけでなく、きちんと甘いところは甘いっフレーズが大事にされている。
が、シンバルとティンパニー、大太鼓、小太鼓群が、まあ〜 1回聴いてくださいな。という感じで、圧倒。
2分18秒とクレジットされている快速盤である。

「レズギンカ」も、ぱっぱ ぱらら ぱっぱ ぱらら・・・ フルートのコミカルな動きと、スネア(小太鼓)が、う〜ん、タッタ タララ タッタ タララと、土俗性タップリで、テンションがあがる、あがる。
粘るし〜、金管が凄いパワフルだ。
ホルンの「ふぁ〜そ らそら そふぁ ふぁど〜し らそら しらそ・・・」も、お見事。
さっすが〜 ラザレフ盤は、現代的とは言っても演奏は迫力満点のブラス。これぞロシア!
ここまでやられると拍手しないワケにはいかないでしょう。


1958年 コンドラシン RCAビクター交響楽団  
1960年 ドラティ ロンドン交響楽団 Mer  
1962年 ハチャトゥリアン ウィーン・フィル Dec  
1976年 チェクナヴォリアン ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 ★★★★
1977年 ブラック ロンドン交響楽団 Dec ★★
1985年 テミルカーノフ ロイヤル・フィル EMI ★★★★★
1993年 ラザレフ ボリショイ交響楽団

★★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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