「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

コダーイ ガランタ舞曲
Kodály: Galántai táncok (Dances of Galánta)


コダーイ・ゾルターン(Kodály Zoltán)は、1882年生まれのハンガリーの作曲家です。
このガランタ舞曲は、1933年に作曲された約15分の楽曲です。

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると
ブダペスト・フィルハーモニック協会の創立80周年記念のため作品を依頼され、33年夏に作曲されています。
コダーイが幼年期を過ごしたガランタに伝わる民謡を題材としており、1800年代の初めに、ウィーンで出版された「ガランタ・ジプシー音楽集」という曲集を素材として、ハンガリーの新兵徴募の踊りであるヴェルブンコシュの要素と、ジプシーの演奏スタイルを取り合わせた交響作品となっているとのこと。

自由なロンド形式で、初めに、やや長めの導入部があります。チェロに始まるこの部分は、楽器を替えて進み、クラリネットのカデンツァで終わります。
舞曲Aが、クラリネットにより開始され、このメロディーは、後発の舞曲と舞曲を繋ぐ間奏の役目も果たします。
舞曲Bは、フルートで開始される軽やかなもの。
舞曲Aが再現された後、愛らしい舞曲Cが、オーボエで奏されます。もう一度Aが登場し、動きの速い舞曲Dとなります。
途中やや遅く優雅な舞曲Eを挟み、徐々に勢いを増し、舞曲Fが激しく奏されます。
最高潮に達したとき、再びAが現れクラリネットのカデンツァとなります。
コーダは、舞曲Fの熱狂が戻り、一旦停止後、シンコペーションを使って激しく終わるもの。
形式的には、序奏-A-B-A-C-A-D-E-F-A-コーダ となっています。

一度聴いたら癖になりそうな主題で、儚くも熱く粘っこく。コクのある独特の節回しを堪能してください。血が騒ぐかも〜。

ケルテス ロンドン交響楽団 1964年
István Kertész London Symphony Orchestra



舞録音状態は良い。切れ味抜群で、シャキシャキしているし、エキサイティング。
ちょっと一直線すぎるかも。
カップリング:
1〜6   コダーイ組曲「ハーリ・ヤーノシュ」
7〜10  コダーイ「ガランタ舞曲」
11〜16 コダーイ ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲
「し ら し ど れ ど しら そふぁみれ みどら・・・」冒頭のフレーズは初め区切ってくるが、途中からテンポをあげてくる。畳みかけて、のぼっていくところのスピード感 がある。
ケルテス盤は、快速で切れが良く、シャキシャキしている。弦のリズムも良いし、痛快なほどリズミカルである。
クラリネットも、ンパンパ・・・と刻むリズムも速い。響きも良いし、トランペットは威勢が良いし、パーカッション部分も問題ない。よく聞こえるし、メチャ熱い。
録音状態が悪いとコメントされているサイトもあるが、この楽曲に関しては、私的には問題がないように思う。(多分、悪いとされる指摘は、カップリングされているハーリ・ヤーノシュだと思う 。)
金管とティンパニーが合体してくると、すばらしい劇的で、ドラマ性を帯びてくる。
で、豪快に高揚させてくるし、金管の短いパッセージも、みごとっ。
これは、のっけから、乗せられて熱くなれるっ。巧いと思うし、この熱いテンポでもばらけていない。
テンションの高さは、他の盤を圧倒している。
ただ、躍動感は凄まじいのだが、ドラティ盤のような独特のタメがなく、まったりした感覚が少ないのが、ちょっと、私的にはモノ足らない。
遅くて粘っこいリズム感で、ドンふぁ ドンふぁ・・・というリズムに、民族的な粘り、抑揚、明るさと暗さを同時に持ち合わせた色彩を感じるのだが、ケルテス盤は、いささかカラフルで原色に近くなっており、くすんだ渋みが飛んでしまっているかもしれない。
また、直線的すぎて速すぎ。抑揚のつけた歌う部分が少ない。
また、いろんな楽器の音色が聞こえてくるのだが、聞き分ける余裕もなしに、ドンドン先に行かれてしまって。おいてけぼり〜なのだ。あちゃ〜 速すぎだよぉ。

第3曲目になると、鉄琴が入ってくるが、ここは、さすがに煌めきを放ってくる。
録音状態によるのかもしれないが、高音域が特に強く聞こえるので、煌めきが一段と鮮やかなのだろう。
目から火花が飛びそうなほど、テンポが速いが〜 ちょっと、もったいない感じがする。
このケルテス盤は、スピードが命とばかりに飛ばすのだが、もう少し余裕があればなあ。
ゆったりしたところもあって良いように思うのだが。ちょっと残念。
最後の直前で、濃厚さが出てくるのだが、これはクラリネットの音色による。ケルテス盤は、金管がパワフルで、音量的には金管主導型に近い。
この点、ドラティ盤は弦や木管の方が、主体になっており、ブレンドの良さ、品の良さを感じる。
もってまわったような歌いがあっても良いだろうし、もう少し弦主体で、フレーズを歌ってくれたら面白みがあっただろうなあ。という気がする。 まっ この熱い直線的なエネルギッシュさに負けちゃうかもしれません。

ドラティ フィルハーモニア・フンガリカ 1973年
Antal Dorati
Philharmonia Hungarica

録音状態は良い。躍動感、タメ感、独特の風合いがあって、メチャ楽しい。
こうでなくっちゃ〜 迷わず買うべし!
カップリング:組曲「ハーリ・ヤーノシュ」、ガランタ舞曲、ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲、マロシュセーク舞曲

ガランタ舞曲は、4つの部分にわかれている。
このドラティ盤では、4ヶ所にインデックスがついているので、わかりやすい。

第1曲目:レント
弦 「そぉ〜 ふぁそら〜 そふぁそ〜 ふぁそら〜 そふぁみふぁ〜し」
ホルン 「どぉ〜 しどれ〜 どしど〜 しどれ〜  どしらみ〜し」
弦の細かい動きがわかり、ホルンの音色も深々と良く聞こえている。
録音年代は古いものの、全体的に温かみのある音色で響き、木管たちの音色も深い。
それに奥行き感があり、躍動的だ。
クラリネット このクラリネット、太い低音のクラリネットだと思うのだが、ぱらら らららら〜っと吹いている 感覚や響きの深さ、そして間合い。これが、メチャ良い。
あと、弦の残響や艶、甘さ、太い音色のまったりした響き。う〜ん。この低音の深さが充分に出ている。それに、タメがあるので、とっても心地良い。この盤が、イチバン頃合いに聞こえる。
で、段々と、ちゃらら らららら〜っと吹かれて、独特のリズムで、とろり〜っとした舞曲が始まる。

第2曲目:アンダンテ・マエストーン
「どれみふぁそらしど〜しらそら〜 ら〜そらしらそふぁ〜 ら〜そふぁみふぁ〜 ふぁ〜みふぁそふぁ〜・・・」
この出だし 「どれみふぁそらしど」という音が均一の速さや音量ではなく、加速してくるのだが、この感覚が、あ〜 たまりません。これがジプシー(ロマ)感覚だと思う。
遅くて粘っこいリズム感で、ドンふぁ ドンふぁ・・・というリズム 。そして、独特の音の伸ばし方、いや〜こりゃ、もはやテンポという世界以上で、カラダに染みついた呼吸だろうと思う。
テンポの伸縮度合いが、感覚に訴えこられて、思わず鼻歌が出そう。
他の盤では、感じない躍動感であり、ビンビンと刺激されてくる感覚で、刺激というより、誘われてしまうとう表現の方が好ましい。

第3曲目:アレグロ・コン・モート、グラツィオーソ
オーボエのフレーズから始まるが、そこに鉄琴が入っていて、瞬く星のような煌めきが加わる。
う〜ん。なかなかに可愛いフレーズである。
で、艶のある弦が絡んだり、また、どどどど〜っと響く低い音が入ってくる。それが導入部になっており、次に、ンパ ンパ ンパ・・・と、弦でリズムが刻まれて くる。
「しらしど れどしら そふぁみれみ・・・」と弦が鳴って 、ティンパニーの響きと金管が加わり、高揚されていくのだが、途中で、またコミカルで陽気なフレーズが挟まっている。
この短いフレーズのなかで、楽しい要素が詰まっているのだ。

第4曲目:アレグロ
「れっどっしっどっ れっどっしっらっ そっふぁ〜みれみ〜」
「っそっそ〜ふぁ っそっそ〜ら っしっし〜ら そ〜ふぁ〜」
「っんぱぁ〜 っんぱぁ〜」 この小さな「っ」が冒頭に入ってくる。
「んチャーチャ チャララララ」 「っし〜しら そらふぁそふぁ〜 ふぁみふぁそ らそふぁみ」
「んそ〜ふぁ〜 そぉ〜ら し〜ら そふぁ〜」
この厚みの音と、硬めで抑え気味のティンパニー響きが効果的だ。そこに太めの金管があわさってくると、かなり高揚感がある。シンコペーションの合いの手が、快感になる。
でも〜 短いんだよねえ。コミカルなフレーズ、「れっど らふぁそっ〜」が入ってきたり、また舞曲に戻ったり、複雑に絡む。
1つのフレーズが長めに鳴っていても退屈しないのだが・・・。
まっ 何度も繰り返されるので良いんだけどね。お楽しみがサンドウィッチ形式になっているみたいなモノ。

ドラティ盤は、 軽快でありながら、歌心あり、ジプシーサウンド(ロマ)風味が、濃厚に色づけされている。それに躍動感、まったりしたタメ感があり、重量感、そして、木管の吹き方に特徴が出ていると言えると思う。コクがあるんだよなあ。
それに、大事なコミカル要素も詰まっていて、う〜ん。これは面白い。楽しい盤である。
録音年代にとらわれず、これは迷わずに〜買うべしっ。ワタシ的には、お薦めしちゃいます。


エイドリアン・リーパー スロヴァキア放送交響楽団 1991年
Adrian Leaper Slovak Radio Symphony Orchestra
 Czecho-Slovak Radio Symphony Orchestra (Bratislava)

録音状態は良い。あっさり風味で、さらり〜としている。これは、オクニモノではないのかなあ。もう少しコクがあっても良いと思うんだけど。
カップリング:
1 コダーイ ガランタ舞曲
2 コダーイ マロシュセーク舞曲
3 コダーイ ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲

ガランタ舞曲は、4つの部分にわかれている。
弦 「そぉ〜 ふぁそら〜 そふぁそ〜 ふぁそら〜 そふぁみふぁ〜し」
ホルン 「どぉ〜 しどれ〜 どしど〜 しどれ〜  どしらみ〜し」
クラリネットが、裏で、ぱらら らららら〜っと吹いている。で、段々と、ちゃらら らららら〜っと吹かれて、独特のリズムで、とろり〜っとした舞曲が始まる。
「ど〜しらそら〜 ら〜そらしらそふぁ〜 ら〜そふぁみふぁ〜 ふぁ〜みふぁそふぁ〜・・・」
遅くて粘っこいリズム感で、1音目がアクが強い。ドン ふぁ ドン ふぁ・・・というリズム。

特に、フルートの音色が独特で、フランスのドビュッシーなんかとは雲泥の差で、まろやかさは、どこやら。
まるで、ぴ〜ひゃら〜という感じになっている。同じ楽器とは思えないぐらい。
ジプシー(ロマ)の楽曲らしいのだが、ホンモノを知らないだけに、なんとも言えない。
が、癖のある、ちょっとアクの強い楽曲だ。アクセントが強いし、スピードも速いし、トリルの多いこと。
短い音が、ンパ ンパ ンパ・・・と、バックでリズムが刻まれているところに、「しらしど れどしら そふぁみれみ・・・」と弦が鳴っていたり、木管が鳴っていたり。
追い駆けっこをするような輪唱風に聞こえてくる。
「っそっそ〜ふぁ っそっそ〜ら っしっし〜ら そ〜ふぁ〜」
「っんぱぁ〜 っんぱぁ〜」 この小さな「っ」が冒頭に入ってくるのって、なかなかに楽しい。
「んチャーチャ チャララララ」 「っし〜しら そらふぁそふぁ〜 ふぁみふぁそ らそふぁみ」
「んそ〜ふぁ〜 そぉ〜ら し〜ら そふぁ〜」
4つの部分に分かれていると言いながら、繋がって個性的な舞曲が流れてくるので、あっという間に終わってしまう。最後は、静まってクラリネットが吹かれるが、やっぱり最後は、シンコペーションで終わる。
んちゃ〜ちゃ 「んふぁ〜ふぁ ふぁっふぁ〜ふぁ らっら〜ら みっみ〜み らっらっ!」

リーパー盤は、さっぱりしている。録音状態によるのか、楽曲特有の粘りが少ない。
さらり〜っとしたナクソス盤の高音域に比重のおかれた個性的な録音で、薄め、軽めに感じてしまう。
低音域に厚みがなく、重心が高いからだと思う。
また、弦に艶がなく、ティンパニーの響きなど、奥行きが少し足らないみたいだ。で、もう少し情熱、ボルテージがあがれば良いのだけど。ちょっと不足気味。 いや。正直言うと、さっぱりし過ぎてオモシロクナイ。
風合いとして、ちょっとモノ足らないかな〜と、思っちゃう。

イヴァン・フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 1999年
Iván Fischer  Budapesti Fesztiválzenekar
(Budapest Festival Orchestra)



録音状態は良い。切れの良い現代風な演奏である。
カップリング:
1 コダーイ ガランタ舞曲  2 コダーイ 踊り歌
3 コダーイ マロシュセーク舞曲  4 コダーイ 聖ゲルゲイの祝日の巡礼
5〜9    コダーイ 歌劇「ハーリ・ヤーノシュ」より管弦楽抜粋版5曲
10     コダーイ 「ジプシーはカッテージチーズを食べる」
11〜16 コダーイ 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」

録音状態は良い。弦にも深みと渋みがある。
ホルンの響きも、わりとストレートだが、よく響いているし、木管もすーっとしている。
総体的にすっきりと、キレが良さそうで、端麗辛口的雰囲気だ。まっ 現代風という感じに近い。
クラリネットも、ねちっとしておらず、湿気が少ない。というか、 ぱらら らららら〜っと吹いている感覚が、節回しに少し粘りがなく、区切られている気がする。
ワタシ的には、もう少し、ぐぐぐ〜っとくるところがあればよいのだけど、 弦の節回しも、ど演歌調のドラティから比べると、う〜っ ぐわ〜っとしたエネルギーに少し欠ける。 弦の引きが強めで、低弦が粘りを出そうとしているようなのだが、高い弦に抑揚が少ない。 テンポは遅めで、粘りを出そうとしているのだが、1音のなかの膨らみが、ちと足らないのかなあ。
う〜ん。ど〜してなんでしょう。

ドラティ盤と比べてしまうと、どうしても、まろやかなコク、口当たりに深みが足らないような気がしてしまう。
そして、ティンパニーの響きが、ごろごろ〜っと響いて耳障り気味で、 録音状態は良さそうなのに、何故なんだろう。
やっぱ、弦の引きが直線的に聞こえますねえ。どうしても、 とろみ感覚が、もう少しあってもよいかなと思ってしまう。

ただし、切れが良い方が好きなら、躍動感もあるし、スピーディだし勢いもある。
ティンパニーやパーカッションの弾み方、切れ、ボンボンっと跳躍している雰囲気は、そして、テンポアップしてくる速さも、フィッシャー盤は快適である。
その弾み方には、どことなく、まったり感が少なく、直線的に聞こえる。ワタシ的には、ねちっ〜っとした曲線感覚が好きなので、ドラティ盤の方が好みだ。弦の響きと艶、もってまわった〜 間合い充分なタメが好きなら、ドラティ盤だと思う。
やっぱり、若い方は直線的なのだろうか。スピード感を求めるなら、直線的にならざるを得ないのか、そこんところは、アプローチ次第なんだが、 ティンパニーと弦のすばしっこさ、テンションの高め、腰高なところがあるように思う。
余計なモノは不要で、現代っぽいところや硬めが好きなら、フィッシャー盤だろうか・・・。
やっぱり、この微妙なところは、好みに左右されるように思いますねえ。

それにしても、このカップリングは、とても魅力的で、ハーリ・ヤーノシュを堪能したい方には、垂涎の1枚です。


1964年 ケルテス ロンドン交響楽団 Dec ★★★
1973年 ドラティ フィルハーモニア・フンガリカ Dec ★★★★★
1991年 リーパー スロヴァキア放送交響楽団 Naxos ★★
1991年 フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 Ph ★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

Copyright (c) mamama All rights reserved