「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

リスト ハンガリー狂詩曲
Liszt: Hungarian Rhapsodies


カラヤン ベルリン・フィル 1960〜75年
Herbert von Karajan    Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

録音状態は良い。堂々と華麗に演奏される。 聴きなれた編曲版だからかもしれないが、やっぱ〜 この演奏でなければ、リストとは言わないって感じである。(ちょっとオーバーかな)カップリングされている曲は下記のとおり。(2枚組)

カラヤン リスト管弦楽作品集 2枚組BOX

CD 1枚目
1 メフィスト・ワルツ
2 交響詩「前奏曲」
3 ハンガリー民謡による幻想曲
4 ハンガリー狂詩曲第5番

CD 2枚目
5 交響詩「マゼッパ」
6 ハンガリー狂詩曲第2番
7 交響詩「タッソー 嘆きと勝利」
8 ハンガリー狂詩曲第4番

このカラヤン盤は、2枚組BOXでリストの交響詩とハンガリー狂詩曲が3曲収められている。
2番、4番、5番と表記されているが〜 ちょっとヤヤコシイ。
聴いたら、あれっ。違うやん。曲が違っているぞ。というワケである。
で、この理由なのだが、ドップラーがピアノ曲を編曲した際、全曲を管弦楽版に編曲してくれたらよかったのだが〜 実は、6曲だけしか編曲しなかった。で、番号が違ってしまったというわけ。
それプラス、CDの表記が、2番と4番とテレコになっているモノもあり、余計に混乱しているのだ。

ピアノ版の14番→ 管弦楽版の1番
ピアノ版の2番→  管弦楽版の2番 っていいつつ、これを4番としちゃうCDもあるのだ。
                     で、編曲も3種類あるらしい。
ピアノ版の6番→  管弦楽版の3番
ピアノ版の12番→ 管弦楽版の4番 っていいつつ、これを2番としちゃうCDもあるのだ。
ピアノ版の5番→  管弦楽版の5番
ピアノ版の9番→  管弦楽版の6番

で、当カラヤン盤で2番を聴いてみたのだが、これって 4番なのだ。で、2番は、CD2枚目の最後8曲目に入っている4番と表記されていたモノだった。(あ〜 テレコ状態になっていた)
そして、編曲は、ミューラー=ベルクハウス編曲版である。

ショルティ盤は、ドップラーの編曲だったが、まったく曲の雰囲気が異なっていた。
カラヤン盤は、さすがに派手に鳴っている。そうそう、これこれっ これがハンガリー狂詩曲だよ。と、ワタシの頭のなかで、子どもの時に聴いた イメージが甦ってきた。
冒頭、いきなり、主題登場。
「れぇ〜 れどれどぉ〜 れふぁみ れぇ〜 れどれどぉ〜」
「しらど しらぁ〜  らぁ〜 しらどしらぁ〜」 
で、この後にコントラバスの太い声が入ってくる。

再度、「らら れっ れぇ〜 どれみ ふぁそふぁみ れ〜っれ どれ〜」 
「っみ ふぁっふぁ〜 みふぁそ らみらそふぁ〜」
明るい基調のフレーズで、粘りがあって〜 金管の輝かしさがあり、木管の巧妙な吹き方が耳に入ってくる。まっ この曲のイメージが、リストっ なんですよね。ワタシにとって。
余裕綽々というか、嫌みなほど手慣れた感じを受けてしまうのと、やっぱゴージャス。

で、調も違うので、単純に比較はできないが、どっちかといえば全体的に渋くて暗いショルティ盤より、コントラバスのゴツイ響きと、ムチのように、バチっと鳴る音が入って 、金管のシャンっと切れた音、ジャズのようなクラリネットが満載のカラヤン盤が好きである。
(やっぱり、子どもの時に聴いた曲、聴いたCDの印象って、すごく強く残るのだ)

ワタシがフレンチカンカン風フレーズだと感じちゃう舞踏風のフレーズは、金管の派手めの鳴り方に、う〜 鮮やかっ。鮮やかすぎる〜っと、やっぱりやられてしまった。巧いんだよなあ。
半音滑るように、ちょぴり擦れた声を出しながら、タラン タラン タランっと落ちていく。
やっぱ印象的なのは、タメと明るいぶっ放し効果のある金管でしょうか。そして、軽やかさと粘り、輝きのある金管と渋いコントラバス。軽妙な木管。
こんな平明で楽しい楽曲が、すごくバランス良く、お楽しみパッケージになって詰まっている。
とっても、平凡なコメントしか書けず、恥ずかしい限りなのだが、聴きなれて、刷り込み済になってしまっており、ちょっと、客観的には聴けない状態で〜 ホント、すみません。ごめんなさい。
しかし、改めて、ピアノ版を聴いてみたくなりました。
で、今、CD棚から、ピアノ版の全集をゴソゴソと探しています。

バーンスタイン ニューヨーク・フィル 1963年
Leonard Bernstein
New York Philharmonic

録音状態はあまり良くない。独特のタメ感があって、大袈裟な楽曲が二乗になって飛び出してくる面白さがある。華麗に変貌をとげるところが、やっぱ凄い。
カップリング:.交響詩「前奏曲」、ハンガリー狂詩曲第1番、2番、
メフィスト・ワルツ第1番

ハンガリー狂詩曲第1番

冒頭、低弦のゴリゴリした音で出てくる。
「れれっ みっふぁ〜 れれっ みふぁ〜 れれっ みふぁ〜」
「そぉ〜ら しど〜れ〜みれっど しぃ〜 らぁ〜 そぉ〜」
「れ〜 みふぁっそ〜 らぁ〜 しらそぉ〜 ふぁ〜 みぃ〜 れぇ〜」
この冒頭の出だしのフレーズ、ダダン ダン ダぁー の執拗な繰り返しが、とても印象的だ。
ホントに、ずーっと、シツコク出てくる。
間合いをおいて、「らぁ〜どしら そぉ〜ふぁみら〜 し〜 ら〜 そぉ〜」
トランペットを入れて、「そ しらそ ふぁ〜みれ そ らぁ し っれれ〜みみっ〜 ふぁぁ〜」
で、再度、低弦を入れて雰囲気を変えて、するする〜っとスピードをあげて、華麗に変身。

「そぉ〜らしど〜れ みれっど し ら そ」
いっきに祝祭的フレーズに変えてしまう。この変身ぶりが、すごいっ。
「そ〜 しらそ ふぁ みれそ らぁ〜 し〜 らぁ〜」
同じフレーズでありながら、楽器を変えると、こんなに変わるのぉ〜って感じの曲なのだ。

この曲が元ピアノってことなのだが、これをピアノではなく、管弦楽曲に編成した時の、実験作品のようだ。ハープも巧く使っているし・・・。
ほんと、リストはハープが好きだ。場面展開したいときに、ちゃっかり使っているように思う。
確かに雰囲気が変わるもんね。
トランペットの短いフレーズを入れたりして、う〜ん。これも巧い。
会話のなかで、よく使われるような、「ところで〜」「話は変わるけどぉ〜」「あのさぁ〜」って感じのフレーズなんかじゃない。「ぺぺっ」と入れてくる、ほんの、2つか3つの音で変わるのだ。

まっ ワタシの持っているバーンスタイン盤は、録音状態が芳しくないのでお薦めしないが、やっぱ濃い。
中間部の「どどっどっ しれ どっれどっ ふぁふぁふぁっ そらっ そら そっ」というフレーズは可愛いし、
クラリネットの軽妙な吹き方とかは、ハイ、印象に残ります。
「ふぁ〜 みっみっみっ みれどし らしどら しらしど れどれみ みふぁそふぁ みれどし・・・」
というフレーズも、ぽぁ〜ん。と響く、ハープの音が、なんとも間抜けているようだが、優しいし。
古い録音だけど、古いっていうだけでは、はずせないかも。聴きどころは多いかな。

ハンガリー狂詩曲第2番

「れぇ〜 れどれどぉ〜 れふぁみ れぇ〜 れどれどぉ〜」
という、冒頭が超有名な曲。でも、何故か、CDの少ない曲でもある。
21世紀になると、もはや、くさくて聴けないってワケじゃーないだろうに流行らない。
やっぱりガツガツした肉食系は、もう流行らないんでしょうかねえ。ちょっと悲しい。
バーンスタイン盤は、メチャゆったりとしたフレージングで、う〜ん。匂い立つ感じがするが、これが、また嬉しい演奏でもあるんだよねえ。
クラリネットの演奏も、う〜ん 泣かせるぜっ という感じでジャズっぽく演奏されているし、巧い。

「み〜 どれ みそふぁみ れどれみ ふぁらそふぁ み〜どれみそふぁみ れっれみ ふぁらそふぁ〜」
というフレーズは、初めは、細かく切っているが、間に残音がしっかり詰まっていて、ロマの使っている独特の楽器、チェンバロンだっけ。
いや、改めてウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、ツィンバロム(cimbalom)というらしい。
あの余韻のように聞こえてくる。音が切れているって感じではなく、「ん タタ たらら〜 たらら〜」の音と音のなかに、もう1個音があるように聞こえるんだけどなあ。
これは不思議。この楽器を使っているのかしらん。

テンポゆったりのところと、かけあがるところの速さの違いもあるけど、重い重い、超スローのところと、軽やかに弾むところの落差の大きさ。で、なんとも言えないニュアンスが出てくる。
「ん ぱぁ〜ん」という弾み方と、「パパパパパ・・・」と走っていくところ。変わり身の軽妙さかな。
やっぱ、タメ感があったほうが、もちろん差が大きくつくが、あまりに大袈裟だとついていけないんだが〜
まっ フレンチカンカン風のところに入ってくると、超快速で〜 はぁ あっけにとられて・・・
どひゃーん。
メチャクチャ速いやん。って思っていると、エナジーが切れたみたいで、コトンっとテンポが落ちてしまうし。
息耐えたか。と思うと、また復活して、メチャ快速で・・・ 
ハイ、やっぱ、この楽曲は、めまぐるしく変化しますし、とっても、とっても大袈裟な楽曲でした。(笑)
バーンスタインとリストの楽曲では、かなり濃厚で、濃厚の二乗になるんですけど〜でも相性は抜群。
ここまでやってくれると面白い。
マーラーの交響曲のCDはあるんだけど、リストは、あまり収録してないんですよねえ。ボストン響とのファウスト交響曲ぐらいみたいで〜 えっ。なんでぇ〜 ちょっとがっかり。
ショルティ シカゴ交響楽団 1993年
Georg Solti    Chicago Symphony Orchestra

録音状態は良い。ショルティの最晩年のライブ盤。
ちょっと重め。ドップラー編曲版
カップリング:
リスト 「メフィスト・ワルツ」「ハンガリー狂詩曲第2番」、バルトーク「5つのハンガリー・スケッチ」「ルーマニア民俗舞曲」、コダーイ「ハーリ・ヤーノシュ」、ヴェイネル「チョンゴルと悪魔 序奏とスケルツォ」

リストが作曲した「ハンガリー狂詩曲」は、全部で19曲あるが、最初の1番〜15番までがリストの最盛期に作曲され、16番〜19番までの4曲は、晩年に書かれたものなので作風が違う。

で、一般的に、ハンガリー狂詩曲って言えば、ほとんど15曲が取り上げられることが多い。
そして、原曲はピアノ用なのだが、管弦楽版もある。
ここでご紹介するのは、管弦楽曲版のほうである。
で、当然、ピアノからオケ用に編曲されているのだが、これも2種類あり、F・ドップラー編曲版と、ミューラー=ベルクハウス編曲版がある。
おまけに、ピアノ用につけられた番号 ハンガリー狂詩曲第○番という番号が、管弦楽曲版と番号が違っていたりして・・・超ヤヤコシイ状態になっている。

ハンガリー狂詩曲第2番(ピアノ版2番)
まっ そんな版や番号のことは、また後日整理するとして、この2番、聴いたら直ぐに解る。
短いトランペットの印象的なフレーズが冒頭に出てくる。
「みっみぃ〜 みれぇ〜 れみそふぁみぃ〜 みれぇ〜 どしれ どしぃ〜」
「しっしぃ〜 しどし れどしぃ〜」
「しし みっみぃ〜 れみふぁ そっそふぁ みっみ〜れみ〜」
「ふぁっ そぉ〜 ふぁっそそら しっしら そっそふぁそ〜」
「しっし みっみぃ〜 れみふぁ そっそふぁ みっみれ み〜 そっしっ し〜 ふぁ〜」

まっ 生命線は、印象的な冒頭とのフレーズですかねえ。
で、ショルティ盤は、すごい低いコントラバスの響きがすごくて、渋いっ。
フレージングについても、泥臭いわけでもなく、コテコテの演歌調でもなく、品良くまとまっている。抑えているようで、よく言えば大人のビター味だ。 う〜ん。それに編曲が違うからかなあ。このショルティ盤は、地味なドップラー編曲版。カラヤン盤の方は、ミューラー=ベルクハウス編曲版で演奏されている。
う〜ん。やっぱ、カラヤン盤のほうが、ぐぐ〜っとタメてて、こっちの編曲の方が派手です。

ショルティ盤は、編曲の違いのためか、ぐぐっと来るパワーが欠けて、音質が、調によるためか随分と暗め。おとなしいと言えば、おとなしい、渋くて硬い印象を受ける。
どうしても、派手な編曲の方が、ワタシの耳に馴染んでしまっているので、アクのない、癖のない、リストらしくないようなイメージを受けてしまった。
それにして、ヴァイオリンの音色も、さほど強い弾き方でもないし、う〜ん。訴えてくるインパクトが弱い。
 
最初は、テンポも普通より、もしかしたら遅めかもしれないし、さほど粘っこくもなく。意外だな〜って思った。だって、オクニモノだし、こりゃ〜熱い 、臭い、ロマ風の演奏だろうと思っていたのである。それが、少し拍子抜け。

このショルティ盤は、やっぱ〜低音でしょうねえ。ホント、コントラバスがうねる。
クラリネットのグリッサンドのような吹き方、ロマ(ジプシー)の香りは、滑るような木管のフレーズが、主体となった楽曲だが、もちろん、ホルンや木管の二重奏のような、儚げで憂いのあるフレーズも印象的 だが、
繰り返しのなかで、じわじわ〜っと、炭が、いこってくるように熱くなるはずが〜
意外と、コントラバスの低い呻き声が下支えになっているものの、粘りの少ない、臭さの控えめな演奏となっている。
楽曲自体は、ハイ、お祭で滑って滑って〜 舞台の上で跳ねる。
フルートと弦で、スキップするように、段々とテンポをあげていくが、「れみふぁそ らどしら みっみふぁ そしらそ・・・ しっしど れふぁみれ 」 「そっそら しれどし どみれど しっしど れふぁみれっ・・・」と、奏でられるフレーズへと変わり、冒頭のフレーズが、しっかり繰り返されていく。

滑るフルートのフレーズ、飛び跳ねるような扇動的なフレーズ、そして、ヴァイオリンのソロが入っていて、なかなかに個人のテク、ご披露〜という場面も 用意されているのに、パフォーマンスが、期待するほどではなかった。(う〜ん。これは、やっぱりカラヤン盤ば、刷り込まれたためかも。)

細かい舞踏風フレーズが出てくると、すっかり、お祭騒ぎっぽく鳴ってくる。
野外の民族舞踏、または、舞台上でのフレンチ・カンカンっぽい。
「タラン たぁ〜た タラララ ララララ  タラン たぁ〜た タラララ ララララ・・・」と、ピッコロの飛び跳ねた響きが気持ちよく響き渡る。
もっと詳しく、何度も聴かないといけないのだが〜 
跳ねているところは、「みっそ どぉ〜し らそふぁみ れどしら」「みっそ どぉ〜し らそふぁみ」
あとは、ブンチャ ブンチャ・・・鳴ってくるのだ。
この音楽になると、運動会を思い出しますねえ。運動場で、紅白の玉入れ競争開始って、言われているみたいで、パブロフの犬のように、カラダが動きそうになっちゃいます。

総体的には、弦のフレーズに、さほどタメもなく泥臭くないし、もっと、熱情的でぐいぐい押してくるのかと思ったのだが、意外と、そうでもない。木管の響きも、フレーズのまわしかたも良いのだが、幾分、期待していたほどには派手に鳴らず。馬鹿騒ぎ的な楽曲だが、いやいや、ショルティ盤は、ホント渋いです。
ショルティさんも、そろそろ最晩年、なんたって、93年の録音である。
おじいちゃんに、すっかり、なってるからかなあ。テンポは、若干遅めなのかも。
木管のフレーズは可愛いし、ピッコロが印象に残るものの、重さ、厚みが勝った演奏で、音質が硬めでゴツゴツしてて、くぐもっている感じもする。
それにしても、編曲で、随分とイメージが異なるものだと、改めて思い知った次第です。
1960〜75年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★★
1963年 バーンスタイン ニューヨーク・フィル SC ★★★
1993年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec ★★★★
所有盤を整理中です。

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