「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

黛 敏郎 バレエ音楽「舞曲」、涅槃交響曲
Mayuzumi:
Works


岩城宏之 NHK交響楽団 1967年
Hiroyuki Iwaki
NHK Symphony Orchestra, Tokyo

録音状態は良い。

カップリング:
1〜2 バレエ音楽「舞楽」
3〜4 曼荼羅交響曲
黛敏郎 バレエ音楽「舞楽」

このCDは、黛敏郎さんの舞楽と、曼荼羅交響曲が収録されている。
ワタシにとって、黛さんという作曲家は、今も続いている「題名のない音楽会」の司会者で、政治色の強い作曲家というイメージがしていた。
日本の作曲家の方々も、N響アワーの司会を務められておられた芥川さんとか、ダジャレの面白い池辺晋一郎さんとか、西村朗さんとか、TVでの露出度の高い方なら、それなりに知名度があるが、う〜ん。それ以外は、ちょっと。
もちろん、NHKの大河ドラマの主題曲は、よく耳にしてきたので、お名前だけは拝見する方も多いのだが〜 どうも、ワタシのアンテナの張り具合が悪かったらしく、申し訳ないことに聴く機会が少ない。

で、ここでご紹介するCDは、その少ないワタシの所有盤のうちの1枚である。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
黛敏郎(まゆずみ としろう)さんは、1929年生まれ。
BUGAKU(舞楽)は、バレエ音楽で、1962年に、ニューヨーク・シティ・バレエ団の芸術監督ジョージ・バランシンさんからの委嘱による作品だそうである。
1963年には、ニューヨークで初演され、66年岩城宏之さんの指揮で、N響により演奏会形式での初演が行われたそうだ。内容は、雅楽の舞だそうだが、詳しくはわからない。
構成は2部になっており、CDのブックレットを少し引用させていただくと〜

第1部 まず雅楽の音取り(ねとり 楽器の調音)を模して始まり、ヴァイオリンソロが、E線の開放弦を引き延ばして導入部を造り、弦のピチカートやポルタメント、それに木管、小太鼓などがからみ、笙やひちりき、鼓などの音色が次々と再現されていく・・・

第2部 打楽器の打つ混合拍子のリズムが次第にテンポを速め、管やピアノが加わり弦の急速な動きから、ピッコロソロが明るい旋律を高らかに歌う・・・
 
まあ、これ以上は引用できないので、どうぞ、お買い上げを〜。
まず舞楽のイメージからして、ちょっと日常からは遠いのだが、オケで再現としておられるのかどうかはともかく、結構、イメージ的には、わかりやすいかもしれない。
楽器が多彩に使われており、ウィキによると・・・
ピッコロ1、フルート2、オーボエ2、イングリッシュホルン(第3オーボエと持ち替え)、クラリネットB♭管2、バスクラリネットB♭管1、ファゴット2、コントラファゴット1、ホルン4、トランペットB♭管3、トロンボーン2、バストロンボーン1、チューバ1、ティンパニ、シロフォン、グロッケンシュピール、橇の鈴、タムタム、大太鼓、シンバル、ハープ1、ピアノ1、弦5部
となっているのだが、相当に、打楽器が活躍している。

拍感覚は、舞楽だからか、穏やかで長め。そのため、聴きやすく、大太鼓の音などは大きく響き、荘厳で大きなスケールで驚かされる。
聴きようによっては、舞楽というより、大都会の営みのヒトコマだったり、車の流れであったり、人の歩みであったりする。
まあ、時代がかった雰囲気がして金管が使われている場面になると、ローマの史劇というか、スペクタル歴史絵巻風映画音楽に聞こえたり、大太鼓が鳴ると巨大怪獣の映画のワンシーンにも聞こえるという、不思議さ。
いろんな空想、イマジネーションを許してくれるような余白の多い楽曲と言えるのではないだろうか。
雅楽で使われる笙の音が聞こえてくると、一気に、和風なんですけどね。
この純和風の楽器は、オケでは使われていないように思うのだが、いったい、どのような楽器で代用しているのだろ。
もしかしたら、ホンモノ? まさかっ。扱いづらい和楽器だろうしなあ。う〜ん、どの木管なんでしょうねえ。
琴の音色に模した音や、バチの当たる音なども、結構リアルに再現? されている。
スケールの大きな楽曲である。

岩城宏之 東京都交響楽団 1995年
Hiroyuki Iwaki  Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra

録音状態は良い。楽曲の編成と配置が、ホールいっぱいに使われているので、おそらく時代の先端を走るテクを使っての優秀な録音だったと思われる。

カップリング:
1〜6 黛敏郎 涅槃交響曲
7〜16 奈良法相宗 薬師寺声明 薬師悔過(やくしけか)
涅槃交響曲は、1959年に第7回尾高賞を受賞した作品である。黛さんは1929年生まれなので、30歳頃の作品ということになるのだろう。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら
仏教の声明を、会場にバラバラに配置された3群の男声合唱団と管弦楽パートで、ホール全体を利用して効果的に演奏される。また、テープ音楽の先駆けとして、梵鐘を打つ音を一度データ解析した上で、その音をオーケストラにて再現するという手法も取られている。この手法を、作曲者は、「カンパノロジー・エフェクト」と呼んだそうである。
初演は、1958年4月「三人の会」第3回公演で、指揮は、岩城宏之さん、演奏は、NHK交響楽団と東京コラリアーズだったそうである。
なお、三人の会というのは、芥川也寸志、團伊玖磨、黛敏郎が、1953年に結成したグループで、54年から62年まで、5回の演奏会を行いって、自作を発表している。
なお、同じ仏教の世界を扱った作品として、曼荼羅交響曲がある。

楽章の構成[編集]
第1楽章 - カンパノロジー I
第2楽章 - 首楞厳神咒
第3楽章 - カンパノロジー II
第4楽章 - 摩訶梵
第5楽章 - カンパノロジー III
第6楽章 - 終曲(一心敬礼)

楽器の編成が巨大である。
総編成
フルート6(うちピッコロ3とバス・フルートが含まれている)、オーボエ2、イングリッシュホルン、クラリネットB♭管4、E♭クラリネット、バス・クラリネット、バスーン2、ダブル・バスーン、ホルン6、トランペット3、トロンボーン6、チューバ、ティンパニ(4台)、グロッケンシュピール、ベルツリー、タムタム(大小)2、チューブラー・ベル、ヴィブラフォーン、クラッシュ・シンバル2、懸垂シンバル、木琴、チェレスタ、ハープ、ピアノ、弦5部(うちコントラバス2人が別のグループ)これらが3群に分かれる。
合唱 12声部の男声合唱で、うち6人はソリストも担当する。全体で60〜120人
約35分の楽曲である。

この曲を初めて聴いた時は、摩訶不思議・・・ これ、クラシック音楽なのかなあ。と、疑問を抱いた。
超ハードなゲンダイオンガクとも言えないし、古めかしい、グレゴリオチャントに似た雰囲気でもなく、う〜ん、唸ってしまう。
最初は、全く、日本の楽曲とは、ちょっと思えなかったのだ。
なかなか、しっくりこなかったのだが、最近になって繰り返して聴くと、まずまず。作曲家には申し訳ないが、なんとも消極的な感想なのだが、録音状態も良く、合唱付きのゲンダイオンガクとも言えて、聴けないことはないなあ・・・。というのが、率直な感想である。
宗教音楽というより、お能のBGMというか、お能に登場する怨霊が、あーあーあーっ と声を出している感じがする。
なので、夜に聞くには、ちょっと・・・。(やめておいた方がいいですよ。)

涅槃という、難しい言葉を使っているので、近寄りがたいのだが、実際には、やっぱり日本の楽曲という雰囲気はする。
作曲の手法は、西洋音楽なのだろうが、素材は、ワタシたちに近い日本の風景や文化が元になっていることは間違いないのだろうと思う。
CDのブックレットを拝読していると、フランスからの留学から帰ってきてから、梵鐘の音響を分析していたそうである。
この梵鐘の響きから、仏教に〜ということになったようだ。東大寺などの寺の梵鐘の音響分析、倍音構成の特徴などのことが書かれてあると、なんとなく親しい気分にはなるのだが、楽曲そのものとは、なかなか・・・。
いつになったら、距離は縮まるのだろうか。
1967年 岩城宏之  NHK交響楽団  DENON  ★★★★
1991年 岩城宏之  東京都交響楽団 DENON  ★★★★
所有盤を整理中です。

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