「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

メンデルスゾーン 劇付随音楽「真夏の夜の夢
Mendelssohn: A Mid Summer Night's Dream


クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 1961年
Otto Klemperer
Philharmonia Orchestra of London

61年の録音なので他の盤と比較すると分が悪いが、昔からの名盤とのこと。演奏は、かなり重々しい。妖精ではなく、これじゃ〜 妖怪が出てきそうだ。深い森の古城をイメージした劇という雰囲気かとは思うが、イメージ的には、墓場に近いかも(笑)
収録曲は、下記のとおり。

メンデルスゾーン 真夏の夜の夢 クレンペラー
1  序曲
2 スケルツォ
3 妖精の行進
4  まだら模様のお蛇さん(合唱入り)
5 間奏曲
6 夜想曲
7  結婚行進曲
8 葬送行進曲
9 道化役者たちの踊り
10 終曲(合唱入り)

序曲
クレンペラー盤は、かなり重い出だしである。
弦のカシャカシャした響きから、低弦と金管が絡んだところで、わっ 重〜っ!と叫んでしまった。
金管が重くたれ込めて、ティンパニーが絡んでくるが、そこでは更にブレーキがかかり、どんよりしてくる。
妖精というロマンティックな幻想的なイメージがあるため、ふわふわ〜したイメージを持っていたのだが、これでは、飛び回っている妖精が墜落してしまうよなぁ〜っと 、余計な心配をしてしまった。
う〜ん。やっぱり何度聴いても、これは、かなりブキミな演奏である。
妖精というより、妖怪が出そうである。
もっとも・・・「A Mid Summer Night's Dream」を「真夏の夜の夢」とせず、今は「夏の夜の夢」と訳すことが多いとのこと。日本で真夏と言えば、お盆シーズン&肝試しシーズンでもある。
妖精なんてロマンチックなモノではなく、この曲を聴くと、火の玉が飛ぶような「ゲゲゲの鬼太郎」の世界をイメージしてしまいそうだ。(笑)
クレンペラー盤で、湿気が多いと感じるのは、金管の音色と低弦の重い響きのせいだと思う。
暑苦しく、じとっとした湿気の含んだ「真夏の夜の夢」で、陽の差し込まない深い森の奥・・・
洞窟のなかで火が焚かれ、ひそひそと、お化けが集っているという感じがする。
これが案外、正解なのかもしれない。

スケルツォ
スケルツォ以降は、軽めに演奏している様な感じを受けるが、やはり節回しが重い。
丁寧な弦で、響きが重く、かちっとしすぎて、少々息苦しい。木管、特にフルートの音色は、コロコロしてて可愛いんだが〜 金管が、やたら重いのだ。

「まだら模様のお蛇さん」は、英語で歌われる。ララバイ〜と歌っているわりには、へっ。これ子守歌かよ〜っと思ってしまったのだが、声は、明るめで華やかで良い感じ。

夜想曲は、ホルンが巧いなあ。この曲は、クレンペラー盤が白眉になっている。テンポもゆったりめで好ましいし、豊かな心情が表現されている。クーベリック盤より上質かもしれない。

結婚行進曲は、う〜ん。あまりに重厚で立派なので、ちょっとびっくりした。
恥ずかしいほど壮大だけど、これだけ立派だったら王様の結婚式にも使えそうだ。クーベリック盤の結婚行進曲は、金管が、ちょっと声高でヒスがちで飛び出した感じがしていたが、クレンペラー盤は、まろやかで上品な感じがする。

最初は、重い重い〜って文句ばかり言っていたが、劇付随音楽なのだから、クレンペラー盤は、本来の雰囲気に叶っているのかもしれない。蔦に覆われたような古城が舞台で、中世時代のおとぎ話をイメージするには、バッチリの雰囲気なのかも 。
もう少し軽い方が、私的には好ましいのだが(笑) 
とりあえず、幻想・夢幻の明るいメルヘンの世界というより、妖怪風情の名盤ということで・・・。

クーベリック バイエルン放送交響楽団 1964年
Rafael Kubelik
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
(Bavarian Radio Symphony Orchestra)

   

録音状態は良い。なんともキレの良い、精緻なアンサンブルで、こりゃ〜すごい。大人のメルヘン世界が広がっている感じがする。
カップリング:メンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」序曲、「美しいメルジーネの物語」序曲 ガブリエル・シュムラ指揮、ロンドン交響楽団とのカップリング  合唱:エディト・マティス、ウルズラ・ベーゼ(ドイツ語)

メンデルスゾーン 真夏の夜の夢 クーベリック
1  序曲
2 スケルツォ
3 妖精の行進
4  まだら模様のお蛇さん(合唱入り)
5 間奏曲
6 夜想曲
7  結婚行進曲
8 葬送行進曲
9 道化役者たちの踊り
10 終曲(合唱入り)

序曲
最初に聴いた際、わわっ なんと〜テンポが速い。速すぎだ〜と感じたが、ヴァイオリンの弱音が奏でているところは、妖精たちが忙しそうに飛び回っている感覚が出ている。
クレンペラー盤が、冒頭から重々しいのとは対照的で、クーベリック盤は、さっささっさ・・・と流れていくが、低弦が絡んでくると重みも増してくる。
テンポが速いために痛快で、そのうちに気持ちが良くなってくる。みごとなアンサンブルで、演奏バッチリ。
それに、リマスターされているためか録音状態が良く、とても1964年の録音とは思えない。
奥行きもあり、透明度が高く、各楽器が明瞭である。う〜ん。惚れ惚れ。

テンポは速いがアンサンブルが精緻なので、切れ味が良く、すっきりサッパリしている。
デュトワ盤のように音色が豊かで、洒脱に富んだモノではないのだが、なかなか乗せられる。私的には、シャカシャカしているヴァイオリンのリズムに、すっかりはまってしまった。
蛇足だが、真夏の夜の夢の舞台は、なんでもアテネ近郊の森が舞台らしい。
でも〜 クーベリック盤を含めてクレンペラー盤も、もちろんドイツ南部の森のイメージがする。
なお、序曲は作品番号が21。スケルツォ以降の作品番号は61である。
メンデルスゾーンが作曲した年代が異なっており、21の序曲は17歳に、61のスケルツォ以降は42〜3歳頃に作曲されているそうだ。
う〜ん。瑞々しい感性の持ち主だったのだろう。メンデルスゾーンはやっぱ凄い。

作品番号61以降は、劇付随音楽ということになるが、スケルツォは、これまた速い。
しかし、アンサンブルがみごとなので、弛緩せず、気持ちの良い緊張が持続する。
全体的に音色は渋めだが、木管の音色で、森のささやきを表現し、陰影を付けてくれている。
それにしてもメンデルスゾーンの曲は、イメージが膨らませやすい。気持ちの良い楽曲が多い。
ちょっとしたワクワク感がある。

「妖精の行進」でのフルートの旋律や、その奥で鳴るシンバルの小さな響き。透明度も高い。

「まだら模様のお蛇さん」は、私的には、クマンバチで飛んでいるのかと思ったんだけどね。ブキミな音は、蛇だったかな。それにしても軽やかだ〜。

「夜想曲」のホルンの音色は、のびやかで、まったりしており大変好ましい。ちょっと速めにテンポをあげてしまうんだけどね〜 ヒタヒタに、どっぷり漬からないところが、これまた良い 。

「結婚行進曲」は、ちょっとテンポが速め。フレーズの最後をきりり〜と弾いていて、小股が切れ上がった感じになっているが、ちょっぴりシャイな感じも。
金管が少しヒスってて違和感があるのだが、いずれにしても、ふわふわ〜パステルカラー色の新婚夫婦のような華やぎではなく、中年同士の結婚行進曲にふさわしいような落ち着いた行進曲である。

クーベリック盤は、大人の渋いほろ苦さ。思い出のなかに閉じこめられた童話と言えばよいだろうか。
私的には好きですねえ。この夏の夜の夢・・・ ビターなちょっとほろ苦みのあるチョコ風味のようで、大人のしゃれっ気や余裕がある。落ち着いたメルヘン風味が効いている。 やっぱ拍手かな。

プレヴィン ロンドン交響楽団 1976年
Andre Previn
London Symphony Orchestra

録音状態はリマスタリングされており、かなり良い。86年版より状態が良い。すっきりした見通しのよい演奏だ。
カップリング:メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」、序曲「フィンガルの洞窟」、「ルイ・ブラス」

序曲のみ

基本的にはウィーン・フィルとの演奏と変わらないと思うが、こちらの方がリマスタリングされており、ヌケが格段に良い。和音の響きがすきっと通っており、弦の弱音での妖精の羽根が美しい。
ここは、ウィーン・フィルとの演奏でも、かなり驚きだったが、なんて透明度が高いのだろう。
透けて見えるようだ。響きが重くない。
かなり涼しい温度で、すかっと弾かれている。
中間音域の響きもまろやかだし、キレが良いし、音符が弾んでいる。ホント、透明度が高く、すっきりと響き、軽量級だがメリハリが良い。
ウィーン・フィルとの演奏は、少し線が太めで、人恋しくなる暖かさがあったが、ロンドン響の響きは、う〜ん。なんと言えば良いのだろう。
端麗辛口とは言わないが、端麗中辛、ひんやりと口当たりの良い冷酒ってところだ。

「ン チャチャチャ・・・」と、弦が流れてくる。この冒頭の「ン」にタメがある。
「たらら ら〜ら ら〜ら ラッタッタ・・・  たらら ら〜ら ら〜ら ラッタッタ・・・」の粘り方も、頃合いで。
ちょっと、タメているところが良い。
「た〜ら た〜ら」と、音を作っている金管と弦の呼応も楽しい。なかなかに瑞々しい感覚で。
驚いちゃった。序曲しかカップリングされておらず、ロンドン響の全曲版のCDも、是非ゲットしたいものだ。
廃盤状態なので、中古を探すしかないかも。(2009年現在)


プレヴィン ウイーン・フィル 1986年
Andre Previn
Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

録音はまずまず。華やかで木管と弦の音色と呼応が良い。フィリップス盤にしては録音がイマイチなので、少しボリュームをあげて聴きたい。合唱:エヴァ・リンド、クリスティーン・ケアーンズ プレヴィンの2回目の録音で、76年ロンドン響との録音もある。

メンデルスゾーン 真夏の夜の夢 プレヴィン ウィーン・フィル
1  序曲
2 スケルツォ
3 情景と妖精の行進曲
4  まだら模様のお蛇さん(合唱入り)
5 間奏曲
6 夜想曲
7  結婚行進曲
8 プロローグ〜葬送行進曲
9 道化師たちの踊り
10 情景と終曲(合唱入り)

序曲
「らど〜ふぁ〜ら〜」→ 和音なんだけど。この4つの音が印象的に鳴ったのち、一斉に妖精の羽ばたきが始まる。いったい、何人の妖精たちが羽ばたいているのやら。
プレヴィン盤の妖精は、とてもキュートで、周りに、たくさんいるらしい・・・という雰囲気がある。
全曲版のなかでは、一番一般受けして好ましいような気がする。
クレンペラー盤が超スローで重々しく、クーベリック盤が超快速であるのに比べて、プレヴィン盤は、その中間のテンポである。
他の名盤が、飛びっきりの個性盤なので、ちょっと比べようもないのだが・・・(笑)
プレヴィン盤は、華やかで艶やかで、安心して聴けるというか、妖精が軽やかに飛び交っている雰囲気が良くでている。

冒頭、フルートとクラリネットの和音から、導入部分の弦が弱音で、カシャカシャ・・・と、妖精の羽ばたいているところを描写しているところは、思わず耳を澄ませて聞き入ってしまう。
その後、ティンパニーと弦が「ふぁ〜ら〜 みれど〜 ふぁ〜みれど〜 ・・・ どどど れーど れーど れふぁっどっ〜」と主題を描く。ここは、切れが良い。
その後、ホルンのまろやかさと、弦の軽やかさとスピード感で、フレーズがふわっと流れていく。
デュトワ盤とは、また違った軽やかさで、弦のしっかりとしたフレーズが聞こえてくる。
山なりになるフレーズが曲線を綺麗に描いて、歌心あり。適度に重い音が聞こえてくる。
デュトワ盤の音色のカラフルさには及ばないが、重心の重みもあって、バランスが良いかな。
中音域の響きが少し足らないかな〜っという感じがするが、木管の音色が特に良く、木管と弦の掛け合い。「そそそら〜そ どどどれ〜ど そそそら〜そ どどどれーど」など、楽しげに呼応している。
フレーズが、なんたって、なめらかで、次から次へフレーズが曲線を描いてやってくるので、心地良い。
で、また、フルートとホルンの音色が良い。これは楽しいっ。
最後、ぐぐっとテンポを落として、ヴァイオリンが消え入るように、「れど〜ふぁ〜 みれど〜 ど〜ふぁ〜」
夕暮れ時、陽が沈むかのように静寂感を出している。
冒頭の和音、フルートが「らど〜ふぁ〜ら〜」と奏でて終わる。う〜ん。こりゃ良いわ。聞き惚れた。
スケルツォ、情景と妖精の行進曲
弦のテンポと切れも良く、各パートの響きが呼応して楽しい楽章だが、プレヴィン盤は、特に、音量を出しての盛り上げ方が巧いなあ。と思う。オケの音色も比べて楽しめるのだが、弱音でも綺麗だ。

まだら模様のお蛇さん(合唱入り)〜間奏曲
このプレヴィン、ウィーン・フィル盤の合唱は、ドイツ語なので、ちょっと〜重いかなという感じもするが、すいすい〜っと進む。まだら模様の蛇って、もしかしてマムシ?と思ったりするが。
間奏曲は、艶やかなヴァイオリンの音色が強めに出ている。

夜想曲
このホルンの音色は少し渋い。奥ゆかしいというか、音の広がりがあるのだが、靄にかかっているかのようだ。「どどふぁ〜ら ふぁそそら〜 どしら〜 そど〜ら ふぁみふぁふぁそ〜らしそふぁみふぁ〜」
で、その音色に誘われて出てくる弦のフレーズが甘いっ。
「ふぁふぁら〜 れふぁらどし ししれ〜そしれふぁみ〜」 フルートの和音も綺麗で〜
月夜の晩のような雰囲気がしている。
必ずしも透明度は高くないが、フレーズの息が長く、深め。和音を主体とした響きが、大変まろやかで、思わず、誰か横に居て欲しいな〜と思ってしまうほど、人恋しく、暖かみのある夜想曲となっている。
恋心の甘いロマンティックな心情が溢れている。
結婚行進曲
渋めで落ち着いた行進曲だが、ファンファーレ後、ぱ〜んと出てくる。
「タタタ ターン」の「ターン」が、強めにアクセントが付いている。あくまでも行進曲かな。
デュトワ盤のような華やかさではないし、各セッションの切れは良いのだが、う〜ん。少し鈍重に感じてしまうかも。耳に馴染んだ楽曲なので、ちょっと丁寧すぎるかな〜と感じてしまう。
まっ 結婚式会場で、いつも聴くテンポって感じ。
クーベリック盤は速すぎて使えないし、クレンペラー盤は大袈裟すぎだったからなあ。
このプレヴィン盤だったら、本物の会場で流せるだろう。
プロローグ〜葬送行進曲、道化師たちの踊り
道化師の踊りは、もう少しコミカルかと思ったのだが、意外とおとなしい雰囲気だ。
結婚行進曲が流れて、再度冒頭に戻り・・・ 情景と終曲(合唱入り)が流れる。

弱音部分の美しさに耳を傾け、聞き惚れてしまった。序曲部分の弦のこまかな動きを初めとして、描写の豊かさもあるが、夜想曲のような暖かみある、ゆったり感が良い。
もう少し録音状態が良ければ、言うことない。リマスタリングされると良いのだけど。

デュトワ モントリオール交響楽団 1986年
Charles Dutoit
Orchestre Symphonique de Montreal
(Montreal Symphony Orchestra)

録音は良い。残響も心地よく適度。特に、高音域の抜けが良く気持ちがいい。まっ 一般的って言えば一般的だが。
カップリング:メンデルスゾーン 序曲「フィンガルの洞窟」、序曲「美しいメルジーネの物語」、序曲「ルイ・ブラス」

メンデルスゾーン 真夏の夜の夢 デュトワ 
1 序曲
2 スケルツォ
3 間奏曲
4 夜想曲
5 結婚行進曲
序曲
かなり爽やかな演奏で、ヴァイオリンのカシャカシャ・・・という高音域が流れていく。うんうん。妖精が羽ばたいている感じがするなあ。
ティンパニーが絡んできても重くならない。クレンペラー盤の重々しい演奏とは対照的で、アルバムジャケットのように、広々とした草原的なところで寝ているかのような、ほんわか〜深刻にならず、かなり楽天的。
弦の明るい音色と共に、低弦とブラスの重量感が感じられないほど、のびやかで明るい。
もちろん演奏には金管も低弦も入っているのだが、ヴァイオリンや木管の音色の邪魔をしない。
メンデルスゾーンの楽曲の良さを生かして、明るく、濁らない演奏である。
テンポも速い。メリハリがあり、弦のフレーズ最後の弾き方に力がある。
低弦もブラスも軽めで、歯切れ良い。ヴァイオリンの音色には、本当に色が付いているかのようだ。
収録曲が、5曲しなかいので、ちょっと寂しい。
スケルツォ
スケルツォは、テンポがメチャ速い。これほど速くなくてもよいのではないかと思うが、クーベリック盤と匹敵している。木管が可愛いトリルを吹いており、ちょっと乾き気味の弦に色を添えている。
速すぎて音が追えないほどなんだが、、、この速さが、ワクワクさせる。スリル満点。
よく縦のアンサンブルが、ずれないなあと感心しきり。
クーベリック盤は、もう少し低弦の音が響くし、木質的な音がして渋く潤いがある。
デュトワ盤は、ちょっと乾き気味の明るさで、軽やかさがウリとなっている。現代風とも言えるし、4枚の盤のなかでは、デュトワ盤が一番メルヘン的になっている ようだ。
間奏曲
速い〜 ヴァイオリンやヴィオラが細かい動きで、大変だろうなぁ。
また、音のがいろんな楽器に引き継がれていくので、この受け渡しで、軽やかな風が吹いているかのような、ささやきのような、動物の鳴き声のような幻想的な雰囲気が漂う。舞曲の雰囲気も出ているし。
楽しい楽曲に仕上がっているな〜

夜想曲
ホルンの音色はいいのだが、息継ぎがちょっと気になった。長いフレーズを吹くのだが、ちょっと苦しそう。
心持ち、デュトワ盤は、少しフレーズの伸びが足らないかも。
クーベリック盤の方が、この点は、もう少し伸びていたと思うなあ〜バイエルンの音の方が、この夜想曲にはふさわしいかもしれないし。物思いに耽けり、不安や焦燥が片隅に残ったような、ちょっと暗めの深い心象風景は 、クレンペラー盤の方が好ましい。
これは好みかもしれないが、、、ちょっと若い浅めの夜想曲だ。

結婚行進曲
華やかで若い。トランペットとフルートの音色が明るいわ〜。
嫌みなアクセントが付いておらず、レガートで流しているわけでもない。耳に馴染んだ楽曲とは言え、演奏するのは、この頃合いが、なかなか難しそう。
上記の収録曲のとおり、デュトワ盤は抜粋盤なので、とても残念。全曲版を録音して欲しかったなあ〜と思う。全体的に、デュトワ盤は、若くて、軽め。
劇付随音楽というよりは、BGM的になってしまうかもしれないが、生き生きした感じに仕上がっている。
とても心地よい。

アーノンクール ヨーロッパ室内管弦楽団 1992年
Nikolaus Harnoncourt
Chamber Orchestra of Europe

ライブ盤 録音状態はまずまず。少しデッド気味で、ティンパニーの響きはこもっており、ヌケが良くない。 あっさり演奏されちゃって、ザッハリッヒ。軽やかさや明朗さ、清々しさなんて言葉は存在しないようだ。ワタシ的には苦手。
カップリング:メンデルスゾーン「最初のワルプルギスの夜」

メンデルスゾーン 真夏の夜の夢 アーノンクール
1 序曲
2 スケルツォ(語り入り)
3 まだら模様のお蛇さん(合唱入り)
4 間奏曲
5 夜想曲
6 結婚行進曲
7 道化者たちの踊り
8 終曲(語り入り)

序曲
指揮がアーノンクールさんなので、癖があるだろうな〜とは思っていたのだが、メンデルスゾーンの明朗さや柔らかさは感じられない。あっさり、さっぱり系で現代風。
クレンペラー盤のように、時代がかった様相はしていないし、プレヴィン盤のような華やかさや、デュトワ盤のように歌う軽やかさとは、全く違う次元での演奏。

序曲の冒頭、弦は、チャカチャカチャカチャカ・・・を繰り返して、なんか落ち着かない。
まだ眠くて、目ぼけマナコ状態なのに、朝はやくから、横で掃除をされているような感覚だ。
妖精が飛んでいるというより、弦のエッジが硬いので、小うるさい小さな虫が飛んでいるようだ。
テンポも速く、なんだかセカセカしており、テンションが高めで、血圧が高い人の行動を想像してしまう。
なだらかさが少なく、フレーズの最初に「んっ パンパン」という感じで、アクセントがついてたりする。 痩せ細った魔女が、気味悪く踊っている、誘っているという感じ。
楽器間の見通しは良いのだが、ティンパニーの響きが悪く、ボコボコ。あれれ〜 これも気持ち悪い。
フレーズが、せかせか短めなので、金管の吹き方は荒っぽく感じるし、弦のエッジがキツク、歯切れが良すぎて、メンデルスゾーン特有のほんわかさ。触感の柔らかさ。口当たりの良さ。まろやかさが、ほとんど感じられない。う〜ん。 ワタシ的には、超苦手なタイプの演奏だが、、、
ディズニー映画ではなく、背筋が凍るようなホラー映画みたいなモノなのだ。う〜ん。
もしかしたら、これが本来の描き方かもしれない。(と、妙に神妙に、考えちゃった。)

スケルツォ
爽やかで良い。序曲では厚みが無いと感じたが、この「スケルツォ」は、お手のものという感じ。
ちょっと、前に、つんのめったような感じがするが、それが良いかも。大きなうねりではなく、小さなさざ波的演奏に聞こえた。ここでは、ドイツ語での語りが入る。

間奏曲は リアリティあり。不安定な感じが漂っている。

夜想曲は、う〜ん。正直いって感心しない。フレーズが短く演奏されるので、ホルンの聴き所が、全く生かされておらず、なんじゃーこりゃ。せっかちな〜 こんな旋律で畳みかけてくれるなあ。
下降するフレーズが特に速く、テンポを縮めており、なんだ、この演奏!と、段々腹が立ってくる。
夜想曲というイメージが、ぶちこわしで、まるで、立ち飲みやで一気飲み状態。

結婚行進曲は、これじゃー 花嫁が、つまづいて転けるでしょう。
アーノンクールさんは、ダンス曲と間違ってるのではないか。また、シンバルのうるさいこと。
まるで、おもちゃのサルが叩いているようなシンバル音で、これじゃ〜まるで猿芝居だ。
旋律をのばして歌う気持ちがなく、歌うところでは短めに切り上げ、旋律のつなぎ目でのばす。という具合で、う〜ん。逆なでされた気分で、ブーイングだね。こりゃ。

「道化師たちの踊り」は良い。これが、アーノンクール盤で一番あっている。洒脱さを感じさせるのではなく、これは洒落にしない、本気の道化師だろう。全体を通してムードがなく、こちら(聴き手)のイメージを逆なでするような感じ。可愛らしくもなく。しゃれにもならず。挑発的で、聴いた後は、愚弄された気分だなあ。これは、天の邪鬼だよなあ。
って・・・ もしかしたら、これがアー人クールさんの狙いなんだろなあ。

カップリングの曲が、メンデルスゾーン「最初のワルプルギスの夜」なので、やっぱ、おどろおどろしい系なのである。メルヘンチックな演奏とはほど遠く、本来の魔女の姿を描いているようである。
全曲版 1961年 クレンペラー  フィルハーモニア管弦楽団  EMI ★★★
全曲版 1964年 クーベリック バイエルン放送交響楽団 ★★★★★
序曲のみ 1976年 プレヴィン ロンドン交響楽団 EMI ★★★★★
全曲版 1986年 プレヴィン ウイーン・フィル  Ph ★★★★
抜粋版 1986年 デュトワ モントリオール交響楽団  Dec ★★★★
抜粋版 1992年 アーノンクール ヨーロッパ室内管弦楽団  ★★★
所有盤を整理中です。

「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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