「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

メンデルスゾーン 序曲集&最初のワルプルギスの夜
Mendelssohn:
Orchestral Works,Die erste Walpurgisnacht


モーシェ・アツモン ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
1975年
Moshe Atzmon
New Philharmonia Orchestra

録音状態は、まずまず。乾いた感じの録音だが、まとまってメンデルスゾーンの序曲が収録されているCDも少ないので、貴重かなあ。という感じ。
カップリング:メンデルスゾーン 交響曲第3番、4番、5番(3〜5番はムーティ指揮)、「フィンガルの洞窟」、序曲「静かな海と楽しい航海」、「アタリー」、「異国からの帰郷」、「ルイ・ブラス」 2枚組BOXより

序曲「アタリー」

この曲は、有名ではないが、交響曲第5番の「宗教改革」と雰囲気が似ている。
題材は、ジャン・バティスト・ラシーヌ(Jean Baptiste Racine)の戯曲「アタリー」だという。
冒頭から斉唱風、コラールで流れてくる。
「そぉ〜しどれぇ〜そ そぉ らぁ〜〜しぃ〜  そぉ〜 しどれ〜そ そぉ〜らぁ〜〜」
柔らかい木管とホルンの音色が、とても美しく、印象的なフレーズだ。

「れれれ そ〜ふぁ み みぃ〜〜ふぁ〜」「そ〜れみ〜み そぉ〜みぃ〜」
「そぉ〜しどれぇ〜そ そぉ らぁ〜〜しぃ〜」
まるで、結婚式のように厳かで、晴れの舞台のような、それでいて懐かしいフレーズで、神々に祈るような旋律である。ハープの音色と絡んで、トランペットが綺麗に吹かれてて、ホント、シンプルだが美しいフレーズなのだ。さっすが〜 メンデルスゾーンさま。 美しすぎるっ。
「そ〜 そふぁみらしど どど らふぁれみどどし そ〜 ふぁみど らしど れれ らふぁれ〜みふぁみ〜」

で、どんなストーリーかというと、アタリーは、ユダ王国の王妃だが、異教徒の神バアル(バール)を信仰しており、夫の国王、息子が亡くなってから、その権力を維持し、自分の信じる宗教のため、ダビデ王の末裔である自分の孫たちをも抹殺する。
だが、そのうちの1人のジョアスだけが、司教の元で、神殿のなかで、こっそりと育てられ無事に成長する。
成長後、アタリーは、自分の孫とは知らず、段々と、後継者とすることを考えていくことになるが、結局は、ダビデ王の財宝を引き継ごうとする時に殺害される。
まっ 知らなかったとはいえ、結局は、殺した筈のダビデ王の孫が、王国を引き継ぐことになるのだが〜

どうして、ユダ王国の王妃が、異教の神バアルを信じているという舞台設定なのかは、よくわからない。
バアルは、旧約聖書には、悪魔のように嫌われモノの神のように描かれているし、ユダヤ教とは対立している。調べてみると、カナンの地で、嵐と慈雨の神として信じられてきたらしい。
預言者エリアと、オムリ王朝を反映したようなストーリーのようにも、感じられるんですけどねえ〜
まっ、ワタシには、日本の神話の系譜だって、しっかり頭に入ってないのに、こんな他国の複雑な系譜も、また旧約聖書まで手を広げられないよぉ〜 わからんっ。
イスラエルの成り立ちから、歴史までを、しっかり勉強したワケでもないし、ラシーヌの劇も、きっちりと読んでいるわけでもないので、まっ その点は、専門家の書物でも読んでいただかないいと〜
ワタシの手には、余ってしまうが〜
 
でも、メンデルスゾーンは、ユダヤ系の方である。
キリスト教と、元々祖先たちが信じていた宗教との狭間で揺れていたのかもしれないし〜 作曲家、そして裕福な一族の社会的な立場のなかで、2つの宗教の間にはさまれ、信仰するなかで、まるで十字架のように背負っておられたのかもしれない。(と、勝手に想像しちゃっている。)

メンデルスゾーンの作品には、オラトリオ「聖パウロ」「エリヤ」という宗教的な題材が多いし、このラシーヌの戯曲を元にした、劇付随音楽になるのかな〜 この作品も、これらの曲に近い存在だと思う。
短い序曲のなかで、宗教的要素の高い、悲劇的な史劇の雰囲気が良く出ているように思う。

序奏部は、まるで、誇らしげな気高い楽曲に聞こえるが、序奏が終わると、内面的に、葛藤する感じが、フレーズのなかに描かれている。柔らかいフレーズで、とってもシンプルだが、「しふぁみ〜 み〜れ らそふぁみ み〜れ そふぁ」と、弦が下降線を辿って、嵐のような状態を作っていく。
まっ、そんな嵐のようなフレーズのなかでも、金管が華やかさを保っているし貴族的だ。
「そぉ〜しどれぇ〜そ そぉ らぁ〜〜しぃ〜」という冒頭のフレーズが、再度登場して、「ふぁみふぁ ら〜ふぁ〜」と、丸く収めてくれる。
嵐のように乱れる心が、中間部の弦のフレーズで描かれてはいるが、最後にはコラールの旋律が、覆い被さってきて、心の平安を求め、救済されたい。という気持ちが勝るという図式のようだ。
短い曲だが、とっても安定しており、印象深く残るものとなっている。

アツモン盤は、あまり良い録音状態ではないので、いささか不満なのだが〜
メンデルスゾーンの序曲集って、交響曲のオマケに入っていることが多く、単独で収録されているCDって、あまり見かけないのである。その点、致し方なし・・・という状態。
悲劇的な要素の高い楽曲で、悲しげでもあり、儚げでもあり、どこか夢幻劇のようにも聞こえる曲で、そして、オルガンの響きにも似たコラール風の旋律が、大変印象に残る曲で〜
癒されることは間違いなし。
複雑に絡み合った旋律を、解きほぐすのに疲れた時には、どーぞ。
ワタシ的には、他にCDがあれば、なお嬉しいのだが〜

クラウス・ペーター・フロール バンベルク交響楽団 1994年
テノール:デオン・ファン・デル・ヴァルト
アルト:ヤドヴィガ・ラッペ
バリトン:アントン・シャリンガー
バス:マティアス・ヘレ



録音状態は良い。が、なにせ歌詞が解らず・・・ とほほ。
カップリング:1〜9 最初のワルプルギスの夜
10〜24 12のメンデルスゾーンの歌曲集
(ジークフリート・マトゥス編曲:管弦楽版)
カンタータ「最初のワルプルギスの夜」 (Die erste Walpurgisnacht)(作品60 MWV.D3)

メンデルスゾーンのカンタータ「最初のワルプルギスの夜」は、4人の独唱、混声合唱と管弦楽のためのカンタータです。
あまり馴染みがないので、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら・・・

メンデルスゾーンはカンタータを6曲程作曲しているそうです。
このカンタータ「最初のワルプルギスの夜」は、ゲーテの勧めによって、1831年(32年?)に完成したものだそうです。
(43年には改訂もしているようですが〜詳細はちょっとわかりかねます。)
ゲーテが、1799年に作った同名のバラード「最初のワルプルギスの夜」のテキストを基にしているようで、アルト、テノール、バリトン、バス、混声合唱により歌われ、約33分の楽曲です。

次のとおり、序曲と、9曲から構成されています。
序曲1 悪天候
序曲2 春への移行
第1曲 Es lacht der Mai 5月はほほえむ(うるわしい五月よ)
第2曲 Könnt ihr so verwegen handeln?  あなた方はいとも大胆に振舞えますか(あなた方はこれほど大胆に)
第3曲 Wer Opfer heut 今日、いけにえを捧げるのを畏れる者は(今日、生賛を捧げることをおそれるものは)
第4曲 Verteilt euch, wackre Männer, hier  男たちよ、ここに散らばれ(あなた方勇敢な者たちを)
第5曲 Diese dumpfen Pfaffenchristen この愚かなキリスト教の僧たちを(このさえない牧師たちは)
第6曲 Kommt mit Zacken und mit Gabeln  見張りたちの合唱(来い、鋸とホークをもって)
第7曲 So weit gebracht  万物の神を夜に密やかに崇めるのに相応しく(あまりにはるか、我らが夜)
第8曲 Hilf, ach hilf mir, Kriegsgeselle  助けてくれ、助けてくれ、戦友よ(助けてくれ、ああ助けてくれ、兵士たちよ)
第9曲 Kommt mit Zacken und mit Gabeln  煙は炎によって清められるごとく(炎は煙によって純化され)

声楽入りの楽曲は、輸入盤を買ってはいけないのに〜 アホなワタシは、外盤を買ってしまった。
で、歌詞は、もちろんドイツ語で〜 CDには英語版で歌詞も掲載されれているが、イマイチ意味がわかっていない。
(だから声楽はいやだぁ〜 とほほ。)

序奏は2つあり、ここでは歌詞がないので、ワタシ的には純粋楽しめるところだ。
で、「みっみぃ〜 らしどぉ〜 みふぁ そっそ れっどぉ〜」というフレーズで奏でられる。
また、ラストは、和音が美しい。 ホント、メンデルスゾーンは聴きやすいと思う。ピュアなんだよな〜 ワルプルギスっていうと、ベルリオーズの幻想交響曲でお馴染みであるため、=4月30日の夜、ブロッケン山に集まった魔女の饗宴って連想するが、キリスト教徒に迫害を受けていた、キリスト教からすると異教徒であった、ドゥルイド教(Druide)を信じる方たちの攻防らしい。
でも、歌詞がわからないのでは、どうにも、こうにも〜 撃沈してしまいました。
アーノンクール盤も所有していたと思うのですが、また輸入盤だったらどうしょう。(汗)
まあ、今では動画サイトでも掲載されているので、それをご覧いただくのがイチバン良いかなあ。と思います。
もちろん翻訳ソフトも使えるんですが〜 やっぱり、あまり馴染めないです。

カップリングされているのは、 12のメンデルスゾーンの歌曲集の、1曲目は、よく耳にする楽曲で、6つの歌(作品34)のなかの「歌の翼」Auf Flügeln des Gesanges ハイネの詩
歌の翼に乗せて 心の恋人よ、ぼくは君を連れて飛び立とう
はるかに遠いガンジスの岸辺へと そこは素晴らしいところなんだ・・・というのが流れてきます。

1975年 アツモン ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 EMI ★★★
1994年 フロール  バンベルク交響楽団 ★★★★
所有盤を整理中です。

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